JP2004524339A - 環状アミノ酸の調製方法 - Google Patents

環状アミノ酸の調製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004524339A
JP2004524339A JP2002573736A JP2002573736A JP2004524339A JP 2004524339 A JP2004524339 A JP 2004524339A JP 2002573736 A JP2002573736 A JP 2002573736A JP 2002573736 A JP2002573736 A JP 2002573736A JP 2004524339 A JP2004524339 A JP 2004524339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
formula
formyl
cyclohexaneacetic
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002573736A
Other languages
English (en)
Inventor
パオロ ロッシ,
エミリオ ヴェッキオ,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Solchem Italiana SpA
Original Assignee
Solchem Italiana SpA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from ITMI20010556 external-priority patent/ITMI20010556A1/it
Priority claimed from IT2002MI000103A external-priority patent/ITMI20020103A1/it
Application filed by Solchem Italiana SpA filed Critical Solchem Italiana SpA
Publication of JP2004524339A publication Critical patent/JP2004524339A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C227/00Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C227/04Formation of amino groups in compounds containing carboxyl groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C251/00Compounds containing nitrogen atoms doubly-bound to a carbon skeleton
    • C07C251/32Oximes
    • C07C251/34Oximes with oxygen atoms of oxyimino groups bound to hydrogen atoms or to carbon atoms of unsubstituted hydrocarbon radicals
    • C07C251/42Oximes with oxygen atoms of oxyimino groups bound to hydrogen atoms or to carbon atoms of unsubstituted hydrocarbon radicals with the carbon atom of at least one of the oxyimino groups bound to a carbon atom of a ring other than a six-membered aromatic ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C59/00Compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms and containing any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, groups, groups, or groups
    • C07C59/235Saturated compounds containing more than one carboxyl group
    • C07C59/325Saturated compounds containing more than one carboxyl group containing —CHO groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/66Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety
    • C07C69/67Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety of saturated acids
    • C07C69/716Esters of keto-carboxylic acids or aldehydo-carboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/14The ring being saturated

Abstract

高純度を有し、対応するラクタムおよび塩化物陰イオンを含まない式(I)のアミノ酸は、式(II)のオキシイミノ酸の還元により得られる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I):
【0002】
【化6】
(式中、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、水素、低級アルキルまたはアリールであり、Rは、OH、NH、または低級アルコキシであり、nは、3〜11の整数である)で表される高純度環状アミノ酸、またはそれらの誘導体の調製方法に関する。
【0003】
上記化合物は、神経学分野において治療に使用され、上記化合物の中でも最も使用されるのは、ギャバペンチン(式(I)でRおよびRは水素であり、RはOHであり、nは5である)である。
【0004】
式(I)の化合物では、アルキルは、好ましくはC〜Cアルキルであり、アリールは、好ましくはフェニルであり、所望により1〜3個のハロゲン原子、C〜Cアルキル、ニトロ、シアノ、C〜Cアルコキシ、アミノ基で置換され、アルコキシは、好ましくはC〜Cアルコキシであり、nは、好ましくは4〜7の整数である。式(I)の好ましい化合物は、基RおよびRが水素である化合物である。
【背景技術】
【0005】
特許文献1は、環状アミノ酸の調製に関する幾つかの既知の合成経路を要約している。これらの経路はすべてシクロヘキサノンから始まり、シアン化ナトリウムまたはトリフェニルホスフィン誘導体の使用を含み、ニトリルの加水分解および脱炭酸反応が続く。上記合成経路は、多数の工程を包含し、かなり低い収率をもたらし、困難で費用の高い精製を必要とする。ギャバペンチンの調製に現在使用されている手順を以下に要約する。
【0006】
方法1(特許文献2)
【0007】
【化7】
【0008】
次に、酸または塩基のいずれかとの反応により、ギャバペンチンを、薬理学的に適合性の塩に変換する。出発環状無水物は、シクロヘキサンから始まる様々な工程により調製することができる(非特許文献1)。
【0009】
特許文献2による方法は、この方法が非常に多数の工程、ならびにアジドおよびイソシアネートの取り扱いに関する特別な安全対策を包含する点で、工業的に高価である。この理由のため、次の方法2が提案された。
【0010】
方法2(非特許文献2)
【0011】
【化8】
【0012】
しかしながら、クネベナーゲル反応が2倍TiCl当量、および4倍ピリジン当量を要するのに対し、マイケル反応からの収率が、1.5倍KCN当量を用いた場合にのみ許容範囲にあることから、このプロセスは経済的に有利でない。したがって、このプロセスは、安全性の理由および必要とされる大量の溶媒の両方で高価である。これらの問題は、下記方法3によって解決された。
【0013】
方法3(非特許文献2)
【0014】
【化9】
【0015】
シアノ基の加水分解反応中に、それが分解を受けるため基質は分離されない。
【0016】
【化10】
【0017】
この方法は、イオン交換樹脂で処理しなくてはならない塩酸塩としてギャバペンチンを提供する。この操作を回避するために、以下の経路をたどってもよい。
【0018】
【化11】
(式中、Bnはベンジルである)
【0019】
しかしながら、最終工程は、わずか27%の収率を提供し、かなり高価なベンジルアルコールが過剰に必要である。
【特許文献1】
米国特許第6,103,932号
【特許文献2】
米国特許第4,024,175号
【非特許文献1】
JCS 115、686、1919
【非特許文献2】
Helv. Chim. Acta 74,2, 1919, 309
【発明の開示】
【0020】
本発明によれば、式(I)の化合物は、式(II)のアルデヒドから始まって調製される。
【化12】
(式中、R、R、およびnは、上記に定義する通りである)
これは、対応する式(III)で表されるエナミンに変換される。
【0021】
【化13】
(式中、R、R、およびnは、上記に定義する通りである)
【0022】
次に、上記エナミンを、α−クロロ酢酸もしくはα−ブロモ酢酸のエステルまたはアミドと反応させて、エナミノ基の加水分解の後に、式(IV)のアルデヒドを得る。
【0023】
【化14】
(式中、AはORであり、RはOR(Rは、C〜Cアルキルである)、またはNHであり、R、R、およびnは、上記に定義する通りである)
【0024】
本発明の一実施形態によれば、アルデヒドは、アラルキルアミンとの反応により、A=NCHArを有する対応する化合物に、あるいはC〜C脂肪族アルコールとの反応により、A=(ORを有する対応する化合物に変換することができる。
【0025】
しかしながら、本発明の好ましい一実施形態によれば、アルデヒドをヒドロキシルアミンと反応させて、A=NOHを有する対応する式(IV)のオキシムを得て、これは式(I)(ここで、R=C〜Cアルコキシである)の化合物に還元することができる。最終的に、エステル基は加水分解されて、式(I)(ここで、R=OHである)のアミノ酸が得られる。
【0026】
本発明のこの実施形態を、1−(アミノメチル)−シクロヘキサン酢酸(ギャバペンチ
ン、R=R=H、n=5、R=OHである式(I))の調製を参照して、より詳細に説明する。
【0027】
出発物質ヘキサヒドロベンズアルデヒドをベンゼンまたは好ましくはトルエンなどの芳香族溶媒に溶解した後、第2アミン、好ましくはジイソブチルアミンを添加して、還流させて生成した水を除去し、対応するエナミンが得られる。水をもはや生成しなくなったら、α−ブロモ酢酸またはα−クロロ酢酸のメチル、エチルまたはプロピルエステル、およびジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル(好ましくは後者)などの非プロトン性極性溶媒を混合物に添加し、さらに40時間加熱する。次に、熱溶液に酢酸水またはプロピオン酸水(好ましくは酢酸水)などの弱酸を添加することにより、エナミン部分を加水分解する。次に、混合物を冷却し、水で希釈する。有機相を希塩酸または希硫酸で洗浄し、続いて炭酸ナトリウムで洗浄する。溶媒を蒸発除去し、残渣を真空下で精留して、実質的に純粋な無色留出物として1−(ホルミル)−シクロヘキサン酢酸エステルを得る。
【0028】
対応するオキシムは、ホルミルエステルを、化学量論的に等価な量の塩酸ヒドロキシアミンおよび炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、好ましくは約0.1モル過剰の炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、の懸濁水溶液に添加することことによって、調製され、炭酸塩を作用させることにより塩酸塩から形成されるヒドロキシルアミンとホルミルエステルの量のモル比は、1:1〜1.5:1の範囲であり、好ましくは1.1:1である。
【0029】
混合物を30〜50℃、好ましくは40℃で、ガスクロマトグラフ分析がホルミルエステルの消失と対応するオキシムの生成を示すまで攪拌する。反応の完了後、混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を水で洗浄し、油状残渣になるまで溶媒を蒸発除去する。
【0030】
次に、得られた1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸アルキルを、還元、例えば接触水素化により、対応する1−(アミノメチル)−シクロヘキサン酢酸アルキルに変換する。この目的で、オキシムを乾燥アルコール溶媒(dry alcoholic solvent)、好ましくは第三アルコール、より好ましくはt−ブチルアルコールに溶解する。溶媒中のオキシム濃度は、5〜50%(w/v)、好ましくは10〜30%(w/v)の範囲であり得る。アルコール溶媒を、気体アンモニアで冷却しながら飽和させ、ラネーニッケル、5または10%のパラジウム担持チャコール、またはロジウム担持アルミナのような水素化触媒を添加する。5〜10%のロジウム担持アルミナを使用することが好ましい。触媒対オキシム溶液の比は、0.2〜20%(w/v)、好ましくは0.5〜10%(w/v)の範囲であり得る。水素化は、3〜50気圧、好ましくは5〜30気圧の水素圧下で実施される。温度は、20〜60℃、好ましくは30〜50℃の範囲であり得る。
【0031】
水素の吸収が止んだら、触媒を濾去し、NaOH/アミノエステル(または、KOH/アミノエステル)のモル比は、エステル1モル当たり0.9〜2モルのNaOHまたはKOH、好ましくは1モル当たり1.0〜1.3モルであるように、15〜30%の水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを添加し、沸騰するまで加熱して、エステル基を加水分解する。濃塩酸または濃硫酸、好ましくは濃塩酸を、添加したNaOHまたはKOHに対して等モル量で添加する。生成した塩化ナトリウムを熱溶液から濾過する。初期の結晶化が始まるまで減圧下で水を留去し、第1の結晶を熱溶液から濾過して廃棄し、濾液を冷却する。あるいは、酸で中和した後、混合物を少容量にまで蒸発させ、低沸点アルコール(メタノールまたはエタノール)で処理して、無機塩の結晶を濾別して、混合物を少容量にまで再び濃縮し、アルコールおよび活性炭(active charcoal)を用いて溶解する。無機結晶を濾別し、混合物を濃縮し、静置して、塩酸ギャバペンチン(Gabapentin hydrochloride)を結晶化させる。ギャバペンチンは、例えば米国特許第6,054,482号に開示されるように、イオン交換樹脂で処理することにより、後者から得られ得る。
【0032】
ギャバペンチンの上述の調製方法を用いて、式(I)および(II)で表される他の化合物もまた、適切な中間体から始まって得られ得る。例えば、n=7であり、R=R=Hである式(I)の化合物の場合、出発アルデヒドは、例えばヒドロホルミル化によりシクロオクタンから得られるホルミルシクロオクタンである。対応するエナミンを、ブロモ酢酸α−メチルと反応させて、1−(ホルミル)−シクロオクタン酢酸メチルを得て、上述の手順に類似して、これから1−(アミノメチル)−シクロオクタン酢酸が調製される。
【0033】
式(I)の化合物の調製のための出発原料として適切な他のアルデヒドとしては、例えば、芳香環の水素化、続くカルボキシルの酸塩化物への塩素化およびローゼンムントに従った還元により、m−トルイル酸もしくはp−トルイル酸から得られる1−ホルミル−4−メチルシクロヘキサンまたは1−ホルミル−3−メチルシクロヘキサンが挙げられる。この場合も同様に、上述の手順に従う。好ましいα−ハロ酸は、ブロモ酢酸α−エチル(α-ethyl bromoacetate)である。この場合、nは5であり、特定の位置にあるR基またはR基の一方がメチルであるのに対し、他方は水素である式(I)の化合物が得られる。
【0034】
上述の調製方法に従って、Clおよび対応するラクタムの含有量が非常に少ないギャバペンチン(米国特許第6,054,482号参照)を得ることができる。しかしながら、大量の水を蒸発させる必要があり、また存在する塩化物イオンの量を最小限に抑えるのに樹脂に通すことが必要とされるため、最終工程は、工業的に複雑かつ高価である。
【0035】
アミノ酸(I)の調製に使用される既知の方法に共通するさらなる特徴は、様々な比率で、対応するラクタムを付随して生成することである。
【0036】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、高純度を有し、かつ特に塩化物イオン、および対応するラクタムの両陰イオンを完全に含まない、式(I)の環状アミノ酸、特にギャバペンチンは、式(V)の化合物を、還元または接触水素化のいずかに付すことにより調製されてもよい。
【0037】
【化15】
(式中、R、R、およびnは、上記に定義した意味を有する)
【0038】
得られたアミノ酸(I)の純度は、任意の酸の非存在下で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはそれらの混合物などの通常の溶媒から再結晶することによりさらに高めることができる。
【0039】
同様に、化合物(V)は、A=O、R=OHであり、R、R、およびnは、上記に定義した意味を有する式(IV)の対応するアルデヒド−酸から、ヒドロキシアミンとの反応により、あるいはA=NOH、Rは、低級アルコキシであり、R、R、およびnは、上記に定義した意味を有する式(IV)のオキシイミノ−エステルから、エステル基の塩基性加水分解(basic hydrolysis)により、得ることができる。
【0040】
両方のケースで、オキシイミノ−酸(V)は、対応するアルカリ塩の溶液からpH4〜5での沈殿により単離され、したがって無機陰イオンを含まない。
【0041】
ここで、この好ましい本発明の方法を、ギャバペンチンの調製を参照して説明する。1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸アルキル(alkyl 1-(oxyiminomethyl)-cyclohexaneacetate)を得るまで上述の手順を行い、続く水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムによる加水分解により、1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸(1-(oxyiminomethyl)-cyclohexaneacetic acid)(式(IV)、A=NOH、R=OH、R=R=H、n=5を有する)を得る。しかしながら、上記化合物は、対応するアルデヒド−酸(式(IV)、A=CHO、R=OH、R=R=H、n=5を有する)から始まる本発明に従って得られることが好ましい。
【0042】
この目的で、1−(ホルミル)−シクロヘキサン酢酸アルキルを、ほぼ等モル量、好ましくは10モル%過剰で、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液、好ましくは水酸化ナトリウムと、10〜50℃、好ましくは20〜30℃で数時間攪拌して反応させる。加水分解の完了後、混合物を濃塩酸、希硫酸または酢酸、好ましくは塩酸で最終pH7.65に酸性化して、続いて出発ホルミルエステルに対して、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、好ましくは炭酸ナトリウムを、0.1モル過剰、好ましくは0.2モル過剰で、および塩酸ヒドロキシアミンを0.1モル過剰で添加する。反応の完了時に、混合物を濃塩酸または硫酸またはリン酸、好ましくは濃塩酸でpH4に酸性化し、攪拌し、続いて結晶を濾過し、結晶を蒸留水で洗浄する。得られた1−(オキシイミノ)−シクロヘキサン酢酸は、HPLC純度=100%を有する(図1)。
【0043】
次に、前記化合物は、対応するアミノ酸に、還元により、例えば接触水素化により、変換することができる。この目的で、該化合物をアルコール性水性溶媒(alcoholic aqueous solvent)、好ましくは低沸点アルコール、より好ましくはメタノールに溶解する。アルコール性溶媒中のオキシム濃度は、5〜50%、好ましくは10〜30%(w/v)の範囲であり得る。アルコール性溶液に、ラネーニッケル、5または10%パラジウム担持チャコール、または好ましくは5または10%ロジウム担持アルミナなどの水素化触媒を添加する。オキシムアルコール溶液中の触媒量は、0.2〜20%、好ましくは0.5〜10%(w/v)の範囲であり得る。水素化は、3〜50気圧、好ましくは5〜30気圧の水素圧力の下で実施される。温度の範囲は、0〜100℃であり、10〜50℃が好ましい。水素の吸収が止んだら、触媒を濾去し、混合物を真空下にて20〜60℃、好ましくは30〜50℃の温度で濃縮する。残渣をアセトンまたはメチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトン、好ましくはアセトンを用いて溶解し、濾過して、それによりHPLC純度が98%を上回る粗製アミノ酸が得られる(図2)。
【0044】
粗製物を10倍容量のメタノールまたはエタノールまたはイソプロパノール、好ましくは熱メタノールに溶解し、溶液を活性炭で脱色し、濾過する。濾液に約10倍容量のイソプロパノールを添加し、−5〜+10℃、好ましくは−5〜0℃に冷却し、この温度を3時間維持する。次いで、混合物を濾過し、新鮮なイソプロパノールで洗浄し、それによりギャバペンチンが、99.8%を上回るHPLC純度で(図3)、かつ無機陰イオンおよびラクタムが完全に存在せず、出発オキシイミノ酸と比較して70%を超える収率で得られる。
【0045】
IRスペクトル(図4)は、709、748、854、929、977、1165、1300、1421、1466、1548、および1615cm−1にピークを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明を、以下の実施例でより詳細に説明する。
【実施例1】
【0047】
1−(ホルミル)−シクロヘキサン酢酸エチル
【0048】
【化16】
【0049】
ヘキサヒドロベンズアルデヒド92.4g(0.825モル)、ジイソブチルアミン106.5g(0.825モル)、およびトルエン250mlを還流させて、共沸蒸留により、生成した水を連続的に除去する。反応が完了次第(約12時間)、混合物を80〜90℃に冷却し、最初にブロモ酢酸エチル207.1gを添加し、続いてアセトニトリル200mlを添加し、40時間還流させる。その後、熱溶液に酢酸水(33容量%のCHCOOH)198mlを添加する。3時間の熱加水分解の後、混合物を冷却して、相を分離する。有機相に、濃塩酸50gと水200gにより生成した塩酸水溶液250gを添加する。塩酸水の相を分離して、有機相を中性になるまで水で洗浄し、次いで、真空下で蒸発させ、残渣を真空下で精留し、主要留分として、1−(ホルミル)−シクロヘキサン酢酸エチルからなる、1.5mmHgで120℃で沸騰する油113.8g(60%)を得る。
【0050】
H−NMR:δ:1.2(3H トリプレット)、δ:1.3〜1.55(8H マルチプレット)、δ:1.8(2H マルチプレット)、δ:2.5(2H シングレット)、δ:9.7(1H シングレット)。
【実施例2】
【0051】
1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸エチル
【0052】
【化17】
【0053】
実施例1で得られる化合物40g(0.22モル)、塩酸ヒドロキシルアミン16.8g(0.242モル)、および水100ml中に溶解した炭酸ナトリウム12.8gを、マグネチックスターラーを装備したフラスコに入れる。室温で2時間攪拌を続け、その後、混合物を、酢酸エチル2×100mlで抽出する。有機相を水で洗浄し、乾固するまで蒸発させて(evaporated to dryness)、GLCにより95%純度を示す無色の油42gを得る。
【実施例3】
【0054】
1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸エチル
塩酸ヒドロキシルアミン14g(0.2モル)を、攪拌下で蒸留水30mlおよびメタノール30ml中に溶解する。そこに炭酸ナトリウム11g(0.1モル)を少しずつ添加する。混合物を約30分間攪拌し、その後、1−(ホルミル)−シクロヘキサン酢酸エチル20g(0.1モル)を添加する。一晩攪拌した後、蒸留水40mlを添加し、混合物を酢酸エチル2×70mlで抽出する。一つにした抽出物を蒸留水30mlで洗浄し、その後、一定重量になるまで真空下で溶媒を蒸発除去して、表題の生成物19.8g(0.93モル)を得る。
【実施例4】
【0055】
1−(アミノメチル)−シクロヘキサン酢酸
【0056】
【化18】
【0057】
1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸エチル40g(0.2モル)をエチルアルコール200ml中に溶解する。冷溶液に気体アンモニア17gおよび5%ロジウム担持アルミナ10gを添加する。混合物をガラス製オートクレーブに入れ、60℃で9気圧の水素圧下にて水素化する。吸収が止んだら、オートクレーブを冷却し、窒素で洗浄し、触媒を濾去する。アルコール溶液に水18ml中に水酸化ナトリウム0.2モルの溶液を添加し、4時間還流させる。その後、混合物を冷却し、水18ml中の塩酸0.2モル、メタノールを添加し、塩化ナトリウムを濾去する。濾液を少容量にまで蒸発させ、エタノール中に再び溶解し、活性炭で処理して濾過する。溶液を気体塩酸で飽和し、濃縮し、冷却して、1−(アミノメチル)−シクロヘキサン酢酸塩酸塩30.5gを結晶化する(融点:120〜124℃)。
【0058】
H−NMR:δ:1.3〜1.5(10H マルチプレット)、δ:2.4(2H シングレット)、δ:2.9(2H カルテット)、δ:8(2H シングレット)。
【0059】
C−NMR 21.3〜25.4〜33.7(シクロヘキサン CH)、35.1(C 第四)、39.6(C 第二)、47.0(C 第二)、176.4(C カルボニル)。
【実施例5】
【0060】
1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸
【0061】
【化19】
【0062】
実施例3で得られる化合物に蒸留水50mlを添加し、氷浴上で10℃に冷却する。30%水酸化ナトリウム溶液13g(0.1モル)を15分かけて徐々に添加する。添加の完了後、混合物を10℃に維持し、HPLCにより加水分解の進行をモニタリングする。
【0063】
反応は同時に、約25%のオキシムをアルデヒドに加水分解させる。炭酸ナトリウム3.5g(0.05モル)および塩酸ヒドロキシルアミン7g(0.1モル)を添加し、混合物を約1時間攪拌する。30%塩酸でpHを5に調節し、混合物をイソブタノール2×60mlで抽出する。一つにした有機相を蒸留水30mlで洗浄して、蒸発させた後に、収率91%で、表題の化合物15.6g(0.845モル)が得られる。塩化物は痕跡も検出することはできない。
【実施例6】
【0064】
1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸
実施例1のように、調製される1−(ホルミル)−シクロヘキサン酢酸エチル40g(0.2モル)、蒸留水200ml、および40%水酸化ナトリウム溶液35g(0.26モル)の混合物を室温で攪拌する。加水分解の完了後に、混合物を30%塩酸で最終pH7.65に酸性化する。炭酸ナトリウム16g、および塩酸ヒドロキシルアミン20.7g(0.29モル)を混合物に添加し、30分間攪拌し、その後、30%塩酸でpH4に酸性化し、攪拌下で一晩放置する。その後、混合物を吸引濾過し、蒸留水で洗浄して、収率90%で、HPLC純度100%の表題の生成物32g(0.17モル)を得る。
【0065】
塩化物は完全に存在しない。
【実施例7】
【0066】
【化20】
【0067】
1−(アミノメチル)−シクロヘキサン酢酸
実施例5のように調製される1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸10g(0.054モル)、蒸留水8ml、およびイソプロパノール75mlを完全に溶解するまで攪拌する。溶液をオートクレーブに入れ、5%Rh/Alを1g添加し、温度20℃で、9気圧の水素圧下にて水素化する。水素の吸収が止んだら、触媒を濾去し、真空下にて40℃以下の温度で溶液を濃縮する。
【0068】
残渣をアセトンに溶解し、濾過して、98%を上回るHPLC純度を有するギャバペンチン8.2g(0.047モル)を得る。
【0069】
粗製物を10倍容量の熱メタノールに溶解し、活性炭およびセライトで処理し、熱いまま濾過する。濾液に10倍容量のイソプロパノールを添加し、0℃に3時間で冷却する。混合物を濾過し、濾液を新鮮なイソプロパノールで洗浄して、融点164を有し、HPLC純度99.8%を上回り、かつ塩化物およびラクタムが全く存在しないギャバペンチン6.1gを得る。
【0070】
H−NMR:δ:1.3〜1.5(10H マルチプレット)、δ:2.4(2H シングレット)、δ:2.9(2H カルテット)、δ:8(2H シングレット)。
【0071】
生成物の第2の収集物(second crop)は、母液を濃縮することにより得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】1−(オキシイミノ)−シクロヘキサン酢酸のHPLC(高速液体クロマトグラフ)チャートを示す。
【図2】粗製アミノ酸(粗製ギャバペンチン)のHPLCチャートを示す。
【図3】結晶化ギャバペンチンのHPLCチャートを示す。
【図4】結晶化ギャバペンチンのIRスペクトルを示す。

Claims (10)

  1. 式(I):
    (式中、RおよびRは、同じであっても異なってもよく、水素、低級アルキルまたはアリールであり、Rは、OH、NH、または低級アルコキシであり、nは、3〜11の整数である)で表される高純度環状アミノ酸、またはそれらの誘導体の調製方法において、式(IV):
    (式中、AはO、NOH、NCHAr、または(ORであり、RはOR(Rは、C〜Cアルキル)、またはNHであり、R、R、およびnは、式(I)に定義する通りである)で表される化合物を還元し、次いでOR基をOH基に加水分解することを含む方法。
  2. 対応するラクタムおよび鉱酸陰イオンを含まない、式(I):
    (式中、RおよびRは、同じであっても異なってもよく、水素、低級アルキルまたはアリールであり、Rは、OH、NH、または低級アルコキシであり、nは、3〜11の整数である)で表され、対応するラクタムおよび鉱酸陰イオンを含まない、環状アミノ酸、またはそれらの誘導体の調製方法において、式(V):
    (式中、R、R、およびnは、上記に定義した意味を有する)で表される化合物を、鉱酸の非存在下で、還元し、得られたアミノ酸は、任意の酸の非存在下で、一般的な溶媒から単に結晶化することにより精製される方法。
  3. 還元は接触水素化により実施される請求項1または2に記載の方法。
  4. 触媒は、ラネーニッケル、パラジウム坦持チャコールおよびロジウム坦持アルミナからなる群から選択される請求項3に記載の方法。
  5. 触媒は、5〜10%ロジウム坦持アルミナである請求項4に記載の方法。
  6. およびRはHであり、nは4〜7の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 1−(アミノメチル)−シクロヘキサン酢酸、1−(アミノメチル)−シクロオクタン酢酸、それらのC〜Cアルキルエステルおよびアミドの調製のための、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 還元に付される化合物が、1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸:
    である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 対応するラクタムおよび無機酸イオンを含まない1−(アミノメチル)−シクロヘキサン酢酸。
  10. 1−(ホルミル)−シクロヘキサン酢酸、1−(ホルミル)−シクロヘキサン酢酸エチル、1−(オキシイミノメチル)−シクロヘキサン酢酸、および1−(ホルミル)−シクロヘキサン酢酸エチルからなる群から選択される新規化合物。
JP2002573736A 2001-03-16 2002-03-13 環状アミノ酸の調製方法 Withdrawn JP2004524339A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
ITMI20010556 ITMI20010556A1 (it) 2001-03-16 2001-03-16 Aldeido acidi o loro derivati impiegabili per la preparazione di amminoacidi ciclici
IT2002MI000103A ITMI20020103A1 (it) 2002-01-22 2002-01-22 Procedimento per la preparazione di amminoacidi ciclici ad alta purezza
PCT/EP2002/002765 WO2002074727A1 (en) 2001-03-16 2002-03-13 A process for the preparation of cyclic amino acids

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004524339A true JP2004524339A (ja) 2004-08-12

Family

ID=26332772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002573736A Withdrawn JP2004524339A (ja) 2001-03-16 2002-03-13 環状アミノ酸の調製方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20040063994A1 (ja)
EP (1) EP1373186A1 (ja)
JP (1) JP2004524339A (ja)
WO (1) WO2002074727A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008524164A (ja) * 2004-12-17 2008-07-10 ザック システム エス.ピー.エー. ガバペンチンの精製プロセス
JP2009542617A (ja) * 2006-06-30 2009-12-03 ザック システム エス.ピー.エー. ガバペンチンの調製プロセス

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0416228D0 (en) 2004-07-20 2004-08-25 Sandoz Ind Products S A Process for the preparation of gabapentin
US20060025477A1 (en) * 2004-07-22 2006-02-02 Artman Linda D Analogs of isovaleramide, a pharmaceutical composition including the same, and a method of treating central nervous system conditions or diseases

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3354203A (en) * 1963-11-04 1967-11-21 Dow Chemical Co Preparation of omega-amino acids
DE2460891C2 (de) * 1974-12-21 1982-09-23 Gödecke AG, 1000 Berlin 1-Aminomethyl-1-cycloalkanessigsäuren und deren Ester, Verfahren zu deren Herstellung und diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel
ATE207878T1 (de) * 1996-03-14 2001-11-15 Warner Lambert Co Zyklische aminosäure als pharmazeutische wirkstoffe

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008524164A (ja) * 2004-12-17 2008-07-10 ザック システム エス.ピー.エー. ガバペンチンの精製プロセス
JP2009542617A (ja) * 2006-06-30 2009-12-03 ザック システム エス.ピー.エー. ガバペンチンの調製プロセス

Also Published As

Publication number Publication date
WO2002074727B1 (en) 2003-01-16
EP1373186A1 (en) 2004-01-02
US20040063994A1 (en) 2004-04-01
WO2002074727A1 (en) 2002-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2839344B2 (ja) 環状アミノ酸、並びにその中間体の製造方法
US4958044A (en) 2-aza-4-(alkoxycarbonyl)spiro[4,5]-decan-3-one
WO2007053755A1 (en) Process for preparing substituted anisidines
JP2004524339A (ja) 環状アミノ酸の調製方法
JP3814881B2 (ja) シクロヘキシルアミノ酸類の製造方法
US20210002207A1 (en) A process for the preparation of Vigabatrin
JP2001089414A (ja) tert−ブトキシカルボニルクロリドの製造方法
US11384050B1 (en) Method for preparing levetiracetam and intermediates thereof
WO2022083728A1 (zh) 一种普瑞巴林的中间体及其制备方法
CA2983788A1 (en) Method for producing dicarboxylic acid compound
US5498792A (en) Process of producing N-alkylacetamides
JP2002371060A (ja) 光学活性アミノピペリジン誘導体の製造方法
JP5144656B2 (ja) ガバペンチンの調製プロセス
JP4109446B2 (ja) ジアステレオ異性体として純粋なトランス−2−[(α−メチルベンジル)アミノ]シクロペンタノールの製造方法
KR100856891B1 (ko) 수마트립탄의 제조방법
JP4032593B2 (ja) 4−アミノテトラヒドロピラン誘導体の製法
JP2003160560A (ja) トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩類の製造方法
KR20000070260A (ko) 아실화된 α-아미노 카르복시산 아미드의 제조방법
JP3788218B2 (ja) 4,8−ドデカジエンジニトリル
ITMI20010556A1 (it) Aldeido acidi o loro derivati impiegabili per la preparazione di amminoacidi ciclici
JP3918419B2 (ja) α,ω−ジシアノ化合物の製造法
KR20090010546A (ko) 가바펜틴의 제조 방법 및 중간체
JPS6197250A (ja) トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサンの精製法
JPH08277264A (ja) アミド化合物の製造方法
WO2002022560A1 (fr) 4,8-dodecadienedinitrile et son procede de fabrication

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050221

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050324

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050418