JP2003160560A - トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩類の製造方法 - Google Patents

トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩類の製造方法

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JP2003160560A
JP2003160560A JP2001354484A JP2001354484A JP2003160560A JP 2003160560 A JP2003160560 A JP 2003160560A JP 2001354484 A JP2001354484 A JP 2001354484A JP 2001354484 A JP2001354484 A JP 2001354484A JP 2003160560 A JP2003160560 A JP 2003160560A
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Koji Tamura
鋼二 田村
Kenichi Inoue
健一 井上
Hideki Sato
英樹 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボ
ン酸塩を高選択性、高収率で製造する方法を提供する。 【解決手段】 4−置換−3,4,5,6−テトラヒド
ロピリジン類に鉱酸触媒下、アルカリ金属シアン化物を
作用するニトリル化反応により、トランス−4−置換ピ
ペリジン−2−カルボニトリル類を生成するニトリル化
工程、および、該ニトリル化工程で得られたニトリル化
反応終了液からトランス−4−置換ピペリジン−2−カ
ルボニトリル類を単離することなく、トランス−4−置
換ピペリジン−2−カルボニトリル類に鉱酸を作用する
加水分解反応によりトランス−4−置換ピペリジン−2
−カルボン酸塩類を生成する加水分解工程を有すること
を特徴とするトランス−4−置換ピペリジン−2−カル
ボン酸塩類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】トランス−4−置換ピペリジ
ン−2−カルボニトリル類及びトランス−4−置換ピペ
リジン−2−カルボン酸塩類は、局所麻酔薬であるロピ
バカイン(Ropivacaine)、トロンビン阻害
剤である1−(N2−アリールスルホニル−L−アルギ
ニル)−トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン
酸塩又はそのエステル類等の医薬分野における重要な合
成中間体である。
【0002】本発明は、このように合成中間体として有
用なトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩
類の製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】トランス−4−置換ピペリジン−2−カ
ルボニトリル類とトランス−4−置換ピペリジン−2−
カルボン酸塩の製造方法については4−置換−3,4,
5,6−テトラヒドロピリジン類を原料としてハロゲン
系鉱酸である塩酸を反応触媒に使用してシアン化水素を
作用後、強塩基性下で溶剤抽出したものを蒸留精製する
事でトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリ
ル類を取得する方法と該精製操作で得られたトランス−
4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類に塩酸を作
用後、溶媒を留去してから再結晶を行う事でトランス−
4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩を取得する
方法が特開昭53−73569号公報で知られている。
また、トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニト
リル類の製造方法としては4−置換−3,4,5,6−
テトラヒドロピリジン類を原料として非ハロゲン系鉱酸
である硫酸等を反応触媒に使用してシアン化水素を作用
後、溶剤抽出を行う事でトランス−4−置換ピペリジン
−2−カルボニトリル類を取得する方法が特開2001
−072664号公報として本発明者らによって出願さ
れている。
【0004】特開昭53−73569号公報では4−メ
チルピペリジン−2−カルボニトリルの取得収率は66
%と比較的良好に記載されている。しかし、上記公報で
は得られた4−メチルピペリジン−2−カルボニトリル
のトランス体とシス体の生成比率についての記載はな
く、トランス体とシス体の生成比率については不明であ
った。
【0005】特開2001−072664号公報では特
開昭53−73569号公報の追試試験を行い、4−メ
チルピペリジン−2−カルボニトリルのトランス体−シ
ス体生成比が84:16程度である事を明確にした上で
製法の改良を行い、4−メチルピペリジン−2−カルボ
ニトリルのトランス体−シス体生成比を98:2程度ま
で向上させた。更に特開昭53−73569号公報では
4−メチルピペリジン−2−カルボニトリルから4−メ
チルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩への取得収率は
56%程度の記載はあるが、製品のトランス体とシス体
の生成比率については不明であった。
【0006】上記理由から上記公報記載の技術はいずれ
もトランス体の選択性が十分に高いトランス−4−置換
ピペリジン−2−カルボン酸塩の製造方法とは言えず、
このトランス体を従来以上に収率良く得ることのできる
方法が工業的見地から求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、トラ
ンス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩類を高選
択性かつ高収率で製造する方法を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術の
特開昭53−73569号公報で得られる4−置換ピペ
リジン−2−カルボン酸塩についてトランス体−シス体
生成比がどの程度のレベルであるかを明確にした後、工
業的に有利なトランス体の選択性が高いトランス−4−
置換ピペリジン−2−カルボン酸塩を製造する方法につ
いて鋭意検討を行った結果、従来技術ではシス−4−置
換ピペリジン−2−カルボン酸塩の著しい副生を回避出
来なかったにもかかわらず、驚くべき事に4−置換−
3,4,5,6−テトラヒドロピリジン類に鉱酸触媒
下、アルカリ金属シアン化物を作用するニトリル化反応
で生成したトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボ
ニトリル類を該ニトリル化反応終了液から単離する事な
く鉱酸を作用する加水分解反応を行えば、シス−4−置
換ピペリジン−2−カルボン酸塩の副生を殆ど伴わずに
トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩を製
造できる事を見出し本発明に至った。
【0009】即ち、本発明は、下記式[I]
【0010】
【化4】
【0011】(式[I]中、Rは炭素数1〜4の直鎖状
又は分岐状の飽和アルキル基を示す。)で表される4−
置換−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン類に鉱酸
触媒下、アルカリ金属シアン化物を作用するニトリル化
反応により、下記式[II]
【0012】
【化5】
【0013】(式[II]中、Rは上記と同じで、・A
は式[II]全体として鉱酸塩であることを示す。)で
表されるトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニ
トリル類を生成するニトリル化工程、および、該ニトリ
ル化工程で得られたニトリル化反応終了液からトランス
−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を単離す
ることなく、トランス−4−置換ピペリジン−2−カル
ボニトリル類に鉱酸を作用する加水分解反応により下記
式[III]
【0014】
【化6】
【0015】(式[III]中、Rは上記と同じで、・
Aは式[III]全体として鉱酸塩であることを示
す。)で表されるトランス−4−置換ピペリジン−2−
カルボン酸塩類を生成する加水分解工程を有することを
特徴とするトランス−4−置換ピペリジン−2−カルボ
ン酸塩類の製造方法である。
【0016】上記製造方法において、前記式[I]、
[II]及び[III]中のRがメチル基であることが
好ましい。
【0017】前記ニトリル化工程で使用するアルカリ金
属シアン化物が、シアン化ナトリウム又はシアン化カリ
ウムであることも好ましい。
【0018】前記ニトリル化工程で使用する鉱酸触媒お
よび加水分解工程で使用する鉱酸が、塩酸、硫酸、硝酸
及びリン酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種であ
ることも好ましい。
【0019】上記製造方法が、さらに、前記加水分解工
程で得られた加水分解反応終了液からトランス−4−置
換ピペリジン−2−カルボン酸塩を精製する精製工程を
有することも好ましい。
【0020】前記精製工程において、アセトン、アセト
ニトリル、エタノールおよびメタノールよりなる群から
選ばれた少なくとも1種の晶析溶媒を用いて晶析を行う
ことも好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0022】ニトリル化工程で使用する式[I]で表さ
れる4−置換−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン
類としては、具体的には、4−メチル−3,4,5,6
−テトラヒドロピリジン、4−エチル−3,4,5,6
−テトラヒドロピリジン、4−(1−プロピル)−3,
4,5,6−テトラヒドロピリジン、4−(2−プロピ
ル)−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン、4−
(1−ブチル)−3,4,5,6−テトラヒドロピリジ
ン、4−セカンダリーブチル−3,4,5,6−テトラ
ヒドロピリジン、4−イソブチル−3,4,5,6−テ
トラヒドロピリジン、4−ターシャリーブチル−3,
4,5,6−テトラヒドロピリジン等が挙げられるが、
これ等以外でも式[I]で表されるものであれば使用で
きる。中でも、鉱酸水溶液に対する溶解性と反応性の観
点から4−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリ
ジンが好ましい。
【0023】ニトリル化工程で使用するアルカリ金属シ
アン化物としては、アルカリ金属シアン化物であれば使
用できるが、溶解性と反応性の観点からシアン化ナトリ
ウム又はシアン化カリウムが好ましい。
【0024】ニトリル化工程で使用する鉱酸触媒として
は、無機鉱酸であれば使用できるが、反応性の観点から
塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸よりなる群から選ばれた少
なくとも1種が好ましい。
【0025】ニトリル化工程において、4−置換−3,
4,5,6−テトラヒドロピリジン類に対するアルカリ
金属シアン化物の使用量は4−置換−3,4,5,6−
テトラヒドロピリジン類の種類によって異なるが、通常
は1.0〜5.0当量であることが好ましく、より好ま
しくは1.0〜1.3当量である。
【0026】ニトリル化工程において、4−置換−3,
4,5,6−テトラヒドロピリジン類に対する鉱酸触媒
の使用量は通常、2.0〜5.0当量であることが好ま
しく、より好ましくは2.1〜3.5当量である。
【0027】ニトリル化反応の反応温度としては、0〜
50℃の範囲が好ましく、20〜30℃がより好まし
い。反応時間は、反応温度によって変動するが、通常は
24時間以内が好ましく、0.2〜7時間の範囲がより
好ましい。
【0028】ニトリル化工程で得られたニトリル化反応
終了液、すなわち、ニトリル化反応を終えた反応液から
トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類
を単離することなく、トランス−4−置換ピペリジン−
2−カルボニトリル類に鉱酸を作用させる。
【0029】ここでいう単離とは、トランス−4−置換
ピペリジン−2−カルボニトリル類を分離する操作およ
び精製する操作を含み、トランス−4−置換ピペリジン
−2−カルボニトリル類の純物質を得ることのみを意味
するものではない。
【0030】このために、最も簡易な方法としては、ニ
トリル化反応終了液に加水分解反応のための鉱酸を混合
することである。
【0031】加水分解工程で使用する鉱酸としては、無
機鉱酸であれば使用できるが、反応性の観点から塩酸、
硫酸、硝酸及びリン酸よりなる群から選ばれた少なくと
も1種が好ましい。
【0032】加水分解工程において、4−置換−3,
4,5,6−テトラヒドロピリジン類に対する鉱酸の使
用量は通常、2.0〜5.0当量であることが好まし
く、より好ましくは3.0〜4.0当量である。
【0033】加水分解反応の反応温度としては、40〜
130℃の範囲が好ましく、90〜100℃がより好ま
しい。反応時間は、反応温度によって変動するが、通常
は24時間以内が好ましく、0.2〜7時間の範囲がよ
り好ましい。
【0034】以上の加水分解反応終了液について濃縮、
晶析、塩析等の一般的な手法の組み合わせによって精製
することにより、トランス体の選択性が高いトランス−
4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩を高純度で取得
する事ができる。この精製を行う精製工程において、少
なくとも、アセトン、アセトニトリル、エタノールおよ
びメタノールよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
晶析溶媒を用いて晶析を行うことが製品純度と製品の純
分換算取得収率の観点から好ましい。
【0035】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるもの
ではない。
【0036】〔実施例1〕 (トランス−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩
酸塩の合成)36.0%塩酸285.1gに内温を20
〜30℃に制御しながら95.5%4−メチル−3,
4,5,6−テトラヒドロピリジン84.0gを滴下し
た。次いで内温を30℃に制御しながら32.0%シア
ン化ソーダ水溶液158.2gを滴下した。その後、3
0℃にて3.0時間撹拌する事でニトリル化反応を行っ
た。ニトリル化反応終了液についてTLC分析(Alu
minium Oxide 60 F254、呈色剤:
ヨウ素、展開溶媒:クロロホルム)を行ったところRf
値0.73の4−メチル−3,4,5,6−テトラヒド
ロピリジンが消失しており、Rf値0.63のトランス
−4−メチルピペリジン−2−カルボニトリルが生成し
ていた。
【0037】ニトリル化反応終了液に36%塩酸32
1.1gを滴下した。その後、90℃にて5.0時間加
熱撹拌する事で加水分解反応を行った。加水分解反応終
了液についてTLC分析(Aluminium Oxi
de 60 F254、呈色剤:ヨウ素、展開溶媒:ク
ロロホルム)を行ったところRf値0.63のトランス
−4−メチルピペリジン−2−カルボニトリルが消失し
ており、Rf値0.1のトランス−4−メチルピペリジ
ン−2−カルボン酸が生成していた。
【0038】加水分解反応終了液について吸引ろ過を行
い、無機塩をろ別した。分離液にトルエン98.0gを
共沸剤として分割添加しながら内温53℃で減圧濃縮を
行った。溶媒留去後の濃縮物に晶析溶媒としてアセトニ
トリル879.3gを添加後、5℃以下に冷却し吸引ろ
過する事で湿結晶を取得した。湿結晶について60℃で
4.0時間の減圧乾燥を行う事で乾燥結晶185.9g
を取得した。
【0039】得られた乾燥結晶についてIR分析、酸度
滴定法純度分析、ガスクロマトグラフィー法トランス体
−シス体生成比分析(乾燥結晶0.8gに乾燥エタノー
ル10ml、塩化チオニル1.0mlを作用する事でエ
チルエステル誘導体とした後に炭酸ソーダでpH9とし
てからジイソプロピルエーテルで抽出したものをガスク
ロマトグラフィーで分析する方法。カラム:TC−1
30m、カラム温度:80℃、Inj/Det:120
℃、ヘリウム:100kPa、AiR:51kPa、水
素:51kPa。)を行ったところ、純度49.5%の
トランス−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸
塩であり、シス−4−メチルピペリジン−2−カルボン
酸塩酸0.1質量%、無機塩50.4質量%を含有して
いた。上記結果から原料4−メチル−3,4,5,6−
テトラヒドロピリジンから製品トランス−4−メチルピ
ペリジン−2−カルボン酸塩酸塩迄の純分換算取得収率
は62.0%であった。
【0040】〔実施例2〕 (トランス−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩
酸塩の合成)アセトニトリル879.3gの代わりにア
セトン822.9gを用いて実施例1と同様の操作を行
う事で乾燥結晶174.0gを取得した。得られた乾燥
結晶について実施例1と同様の分析を行ったところ、純
度52.0%のトランス−4−メチルピペリジン−2−
カルボン酸塩酸塩であり、シス−4−メチルピペリジン
−2−カルボン酸塩酸0.2%、無機塩47.8%を含
有していた。上記結果から原料4−メチル−3,4,
5,6−テトラヒドロピリジンから製品トランス−4−
メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩迄の純分換算
取得収率は61.0%であった。
【0041】〔実施例3〕 (トランス−4−エチルピペリジン−2−カルボン酸塩
酸塩の合成)95.5%4−メチル−3,4,5,6−
テトラヒドロピリジン84.0gの代わりに98%4−
エチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン93.
7gを用いて実施例1と同様の操作を行う事で乾燥結晶
203.9gを取得した。得られた乾燥結晶について実
施例1と同様の分析を行ったところ、純度51.0%の
トランス−4−エチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸
塩であり、シス−4−エチルピペリジン−2−カルボン
酸塩酸0.7%、無機塩48.3%を含有していた。上
記結果から原料4−エチル−3,4,5,6−テトラヒ
ドロピリジンから製品トランス−4−エチルピペリジン
−2−カルボン酸塩酸塩迄の純分換算取得収率は65.
0%であった。
【0042】〔実施例4〕 (トランス−4−イソブチルピペリジン−2−カルボン
酸塩酸塩の合成)95.5%4−メチル−3,4,5,
6−テトラヒドロピリジン84.0gの代わりに97%
4−イソブチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリジ
ン118.5gを用いて実施例1と同様の操作を行う事
で乾燥結晶199.7gを取得した。得られた乾燥結晶
について実施例1と同様の分析を行ったところ、純度5
5.0%のトランス−4−イソブチルピペリジン−2−
カルボン酸塩酸塩であり、シス−4−イソブチルピペリ
ジン−2−カルボン酸塩酸0.5%、無機塩44.5%
を含有していた。上記結果から原料4−イソブチル−
3,4,5,6−テトラヒドロピリジンから製品トラン
ス−4−イソブチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩
迄の純分換算取得収率は60.0%であった。
【0043】〔実施例5〕 (トランス−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸硫
酸塩の合成)ニトリル化工程で36.0%塩酸285.
1gの代わりに48.4%硫酸水溶液285.1gを用
いたこと以外は実施例1と同様の操作を行う事で加水分
解反応まで行った。加水分解反応終了液についてTLC
分析(AluminiumOxide 60 F25
4、呈色剤:ヨウ素、展開溶媒:クロロホルム)を行っ
たところRf値0.63のトランス−4−メチルピペリ
ジン−2−カルボニトリルが消失しており、Rf値0.
1のトランス−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸
が生成していた。
【0044】加水分解反応終了液にトルエン98.0g
を共沸剤として分割添加しながら内温53℃で減圧濃縮
を行った。出発の40%量程度まで濃縮した残渣に晶析
溶媒としてアセトニトリル880.0gを添加後、5℃
以下に冷却し吸引ろ過する事で湿結晶を取得した。湿結
晶について60℃で4.0時間の減圧乾燥を行う事で乾
燥結晶132.3gを取得した。
【0045】得られた乾燥結晶について実施例1と同様
の製品分析を行ったところ、純度63.0%のトランス
−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸1/2硫酸塩
であり、シス−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸
1/2硫酸塩0.4%、無機塩36.6%を含有してい
た。上記結果から原料4−メチル−3,4,5,6−テ
トラヒドロピリジンから製品トランス−4−メチルピペ
リジン−2−カルボン酸1/2硫酸塩迄の純分換算取得
収率は52.5%であった。
【0046】〔比較例1〕 (トランス−4−メチルピペリジン−2−カルボニトリ
ルの合成)特開昭53−73569号公報記載法による
トランス−4−メチルピペリジン−2−カルボニトリル
の合成を行った。15.5%塩酸水溶液230.5gに
内温を20〜30℃に制御しながら95.5%4−メチ
ル−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン84.0g
を滴下した。次いで内温を30℃に制御しながらシアン
化水素28.0gを滴下した。その後、30℃にて4.
0時間撹拌する事でニトリル化反応を行った。
【0047】ニトリル化反応終了液に11.0%苛性ソ
ーダ水溶液789.1gを投入してpH13.1とした
後、ジイソプロピルエーテル84.0gで2回の抽出操
作を行った。得られた有機相全量を無水硫酸マグネシウ
ム8.4gで乾燥後、有機相のろ液を減圧濃縮する事で
油状物101.0gを得た。
【0048】得られた油状物についてキャピラリーカラ
ムを用いてガスクロ分析(カラム:TC−1 30m、
カラム温度:80℃、Inj/Det:120℃、ヘリ
ウム:100kPa、AiR:51kPa、水素:51
kPa)を行ったところ純度82.2%のトランス−4
−メチルピペリジン−2−カルボニトリルであり、シス
−4−メチルピペリジン−2−カルボニトリル16.0
%、原料4−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロピ
リジン1.8%を含有していた。上記結果から原料4−
メチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリジンからト
ランス−4−メチルピペリジン−2−カルボニトリル迄
の純分換算取得収率は81.0%であった。
【0049】(トランス−4−メチルピペリジン−2−
カルボン酸塩酸塩の合成)特開昭53−73569号公
報記載の方法によるトランス−4−メチルピペリジン−
2−カルボン酸塩酸塩の合成を行った。上記で取得した
トランス−4−メチルピペリジン−2−カルボニトリル
(純度82.2%、シス体16.0%、4−メチル−
3,4,5,6−テトラヒドロピリジン1.8%)10
1.0gを1580mlの6N塩酸に溶解後、6.0時
間還流撹拌する事で加水分解反応を行った。
【0050】加水分解反応終了液について実施例1と同
様のTLC分析を行ったところトランス−4−メチルピ
ペリジン−2−カルボニトリルが消失しており、トラン
ス−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸が生成して
いた。
【0051】加水分解反応終了液について減圧濃縮で溶
媒留去後、水から再結晶する事で湿結晶を取得した。湿
結晶について60℃で4.0時間の減圧乾燥を行う事で
乾燥結晶81.8gを取得した。
【0052】得られた乾燥結晶について実施例1と同様
の製品分析を行ったところ、純度82.5%のトランス
−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸塩であ
り、シス−4−メチルピペリジン−2−カルボン酸塩酸
塩7.3%、無機塩11.0%を含有していた。上記結
果からトランス−4−メチルピペリジン−2−カルボニ
トリルからトランス−4−メチルピペリジン−2−カル
ボン酸塩酸塩迄の純分換算取得収率は56.2%であっ
た。
【0053】また、上記夫々の工程の製品取得結果から
出発原料の4−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ
ピリジンから最終製品のトランス−4−メチルピペリジ
ン−2−カルボン酸塩酸塩迄の全工程の純分換算取得収
率は45.5%であった。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、鉱酸類を反応触
媒として4−置換−3,4,5,6−テトラヒドロピリ
ジン類にアルカリ金属シアン化物を作用する事でトラン
ス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を生成
した後に該ニトリル化反応終了液から生成物を単離する
事なく鉱酸を作用する加水分解反応を行う事でトランス
体の選択性が高いトランス−4−置換ピペリジン−2−
カルボン酸塩を高収率で製造する方法を提供する事がで
きた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 英樹 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4C054 AA02 CC01 DD32 EE01 FF04 FF08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式[I] 【化1】 (式[I]中、Rは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状の
    飽和アルキル基を示す。)で表される4−置換−3,
    4,5,6−テトラヒドロピリジン類に鉱酸触媒下、ア
    ルカリ金属シアン化物を作用するニトリル化反応によ
    り、下記式[II] 【化2】 (式[II]中、Rは上記と同じで、・Aは式[II]
    全体として鉱酸塩であることを示す。)で表されるトラ
    ンス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類を生
    成するニトリル化工程、および、該ニトリル化工程で得
    られたニトリル化反応終了液からトランス−4−置換ピ
    ペリジン−2−カルボニトリル類を単離することなく、
    トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類
    に鉱酸を作用する加水分解反応により下記式[III] 【化3】 (式[III]中、Rは上記と同じで、・Aは式[II
    I]全体として鉱酸塩であることを示す。)で表される
    トランス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩類を
    生成する加水分解工程を有することを特徴とするトラン
    ス−4−置換ピペリジン−2−カルボン酸塩類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記式[I]、[II]及び[III]
    中のRがメチル基である請求項1記載のトランス−4−
    置換ピペリジン−2−カルボン酸塩類の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ニトリル化工程で使用するアルカリ
    金属シアン化物が、シアン化ナトリウム又はシアン化カ
    リウムである請求項1又は2記載のトランス−4−置換
    ピペリジン−2−カルボン酸塩類の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ニトリル化工程で使用する鉱酸触媒
    および加水分解工程で使用する鉱酸が、塩酸、硫酸、硝
    酸及びリン酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項1乃至3いずれか1項記載のトランス−4−
    置換ピペリジン−2−カルボン酸塩類の製造方法。
  5. 【請求項5】 さらに、前記加水分解工程で得られた加
    水分解反応終了液からトランス−4−置換ピペリジン−
    2−カルボン酸塩を精製する精製工程を有する請求項1
    乃至4いずれか1項記載のトランス−4−置換ピペリジ
    ン−2−カルボン酸塩類の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記精製工程において、アセトン、アセ
    トニトリル、エタノールおよびメタノールよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の晶析溶媒を用いて晶析を行
    う請求項5記載のトランス−4−置換ピペリジン−2−
    カルボン酸塩類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012136504A1 (en) 2011-04-04 2012-10-11 Lundbeck Pharmaceuticals Italy S.P.A. Method for the preparation of process intermediates for the synthesis of argatroban monohydrate
JP2013249267A (ja) * 2012-05-30 2013-12-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd 4−置換ピペリジン−2−カルボニトリル類の製造方法及び4−置換ピペリジン−2−カルボン酸類鉱酸塩の製造方法

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US10385020B2 (en) 2011-04-04 2019-08-20 Lundbeck Pharmaceuticals Italy S.P.A. Process intermediates and methods for the preparation of process intermediates for the synthesis of argatroban monohydrate
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