JPH08277264A - アミド化合物の製造方法 - Google Patents

アミド化合物の製造方法

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JPH08277264A
JPH08277264A JP7081515A JP8151595A JPH08277264A JP H08277264 A JPH08277264 A JP H08277264A JP 7081515 A JP7081515 A JP 7081515A JP 8151595 A JP8151595 A JP 8151595A JP H08277264 A JPH08277264 A JP H08277264A
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JP
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compound
oxime
catalyst
reaction
mmol
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JP7081515A
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Yasuyo Saito
保代 斉藤
Kinka Ko
錦華 顧
Yoshinori Hara
善則 原
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I)で表される化合物の存在
下、オキシム化合物を転位させることを特徴とするアミ
ド化合物の製造方法。 【化1】 (式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアル
キル基、置換基を有していてもよいアリール基または置
換基を有していてもよいアラルキル基を示し、X -はア
ニオンを示し、l、mはそれぞれ2〜10の数を示
す。) 【効果】 本発明によれば、酸を用いないので、装置腐
食を少なくすることができ、また、反応後のアルカリ中
和工程が不要であり、工業的に有利にオキシム化合物を
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオキシム化合物の転位に
よってアミド化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシム化合物のアミド化合物への転位
反応は、ベックマン転位反応として知られている。ナイ
ロンの原料であるε−カプロラクタムの工業的製造にお
いては、シクロヘキサノンオキシムを触媒の発煙硫酸存
在下、液相系で転位させる方法が用いられている。しか
し、この方法では生成物のε−カプロタクタムを分離精
製するために、アンモニアで硫酸を中和する必要があ
り、大量の硫酸アンモニウムが副生することと同時に、
強酸による装置の腐食など工程上の問題も多く、工業的
により効率のよい転位用触媒の開発が期待されている。
【0003】比較的反応条件が温和である液相ベックマ
ン転位反応としては、N,N−ジメチルホルムアミドと
クロルスルホン酸の反応で得られるイオン対(ビルスマ
イヤー錯体)を触媒とする方法(M.A.Kira and Y.M.Sha
ker,Egypt.J.Chem.,16,551(1973)、シキロヘキサノンオ
キシムをヘプタン溶媒中でリン酸を用いて転位させる方
法(特開昭62−149665号公報)、強酸またはそ
の誘導体の存在下、過レニウム酸塩を触媒としてオキシ
ム化合物を転位させる方法(特開平5ー51366号公
報)、エポキシ化合物と特定の強酸とから得られるアル
キル化剤及びN,N−ジアルキルホルムアミドからなる
触媒を用いて転位させる方法(特開平4−235160
号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では、強酸を共存させているため、反応後、アル
カリでの複雑な中和工程が必要となったり、十分な反応
を行うためには多量の触媒を必要とするなどの問題があ
り充分でない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題に
鑑み鋭意検討した結果、特定の化合物の存在下、オキシ
ム化合物をベックマン転位させると、酸を共存させなく
ともアミド化合物が製造できることを見出し本発明に到
達した。すなわち、本発明の要旨は下記一般式(I)で
表される化合物の存在下、オキシム化合物を転位させる
ことを特徴とするアミド化合物の製造方法。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Rは水素原子、置換基を有してい
てもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリー
ル基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示
し、X-はアニオンを示し、l、mそれぞれ2〜10の
整数を示す。)に存する。以下、本発明を詳細に説明す
る。本発明は一般式(I)で表される化合物の存在下、
オキシム化合物をベックマン転位させることを特徴とす
る。
【0008】一般式(I)中、Rとしては、水素原子、
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有して
いてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいア
ラルキル基を示し、好ましくは、水素原子、置換基を有
していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を
有していてもよい炭素数6〜10のアリール基または置
換基を有していてもよい炭素数7〜11のアラルキル基
を示し、さらに好ましくは、水素原子;炭素数1〜4の
アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよ
い炭素数1〜10のアルキル基;炭素数1〜4のアルコ
キシ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭
素数6〜10のアリール基;炭素数1〜4のアルコキシ
基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数7
〜11のアラルキル基を示す。
【0009】X-はアニオンを表し、通常、CF3
3,CF3CF2SO3,CF3CF2CF 2SO3等のハロ
ゲン原子で置換されていてもよいアルキルスルホネート
のアニオン、CF364SO3等のハロゲン原子で置換
されていてもよいアリールスルホネート、CF3CF2
2等ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキルカ
ルボネート、CF364CO2等ハロゲン原子で置換さ
れていてもよいアリールカルボネート、商品名Nafi
on等のペルフルオロスルホン酸樹脂等の有機アニオ
ン、BF4等のハロゲン原子を含有していてもよいボレ
ートのアニオン、PF6等のハロゲン原子を含有してい
てもよいホスホネートのアニオン、SbCl6等のハロ
ゲン原子を含有していてもよいアンチモネートのアニオ
ン、ヘテロポリ酸のアニオン等の無機アニオンや無機共
役塩類等が挙げられる。好ましくは強酸の共役塩基、更
に好ましくはHammettの酸度関数(H0)が5以下の強酸
の共役塩基である。
【0010】l、mはそれぞれ2〜10、好ましくは4
〜6の整数を表す。一般式(I)で表される化合物とし
ては、具体的には、
【0011】
【化3】
【0012】等が挙げられる。化学式において、Meは
メチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、iPr
はイソプロピル基、Buはブチル基、tBuはターシャ
リーブチル基、Phはフェニル基を表す。一般式(I)
で表される化合物は、例えば、次式に示す二段階の反応
に従い調製することができる。
【0013】
【化4】
【0014】また、Rが水素原子である場合は、次式に
示すように、一般式(III)で表される化合物を原料と
し、一般式(II)で表される脂環式オキシム化合物を作
用させることにより、調製することができる。
【0015】
【化5】
【0016】なお、一般式(I)で表されるベックマン
転位反応用触媒は、単離精製して使用するのが、収率、
選択性の点で好ましいが、in situで生成させ、
単離せずにベックマン転位反応を行ってもよい。一般式
(I)で表される化合物の使用量は特に限定されない
が、通常0.1〜200モル%、好ましくは1〜100
モル%である。
【0017】本発明で使用するラクタム化合物は、通
常、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキ
シム、シクロヘプタノンオキシム、シクロオクタノンオ
キシム、シクロノナノンオキシム、シクロデカノンオキ
シム、シクロウンデカノンオキシム、シクロドデカノン
オキシム、アセトンオキシム、2−ブタノンオキシム、
アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、好
ましくはシクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノン
オキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロオクタノ
ンオキシム、シクロノナノンオキシム、シクロデカノン
オキシム、シクロウンデカノンオキシム等の炭素数3〜
11の脂環式オキシムが挙げられる。得られるラクタム
化合物の工業的用途を考慮するとシクロヘキサノンオキ
シム、シクロペンタノンオキシムを用いるのが一般的で
ある。
【0018】本発明の転位反応は、通常、溶媒の存在下
に行われる。溶媒としては例えば、テトラヒドロフラ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチ
レングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、
ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール等の
アルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、テトラ
クロルエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化
水素、シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族
炭化水素、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパ
ン等のニトロ脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、ニトロベンゼン、スクアラン等の芳香族炭化水
素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N,N’,
N’−テトラメチル尿素等のアミド類、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン等のスルホキシド類、アセトニトリ
ル、プロパンニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、エナント酸メチ
ル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル等のエステ
ル類が用いられる。以上の溶媒の使用量は反応原料と触
媒の合量に対して、通常1〜200重量倍、好ましくは
5〜100重量倍である。
【0019】転位反応は通常、オキシム化合物と一般式
(I)で表される化合物を溶媒に溶解後、加熱すること
によって行われる。反応は、通常空気または転位反応に
不活性なガスの存在下、好ましくは転位反応に不活性な
ガスの存在下で行う。転位反応に不活性なガスとして
は、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
【0020】反応温度は、通常室温〜300℃、好まし
くは室温〜200℃、更に好ましくは50〜150℃で
ある。反応は気相で行っても液相で行ってももよいが、
液相が好ましい。また、反応は開放系で行うこともでき
るが、例えば、オートクレーブ等の密閉系で行うと反応
中のオキシム化合物の昇華や溶媒の蒸発を防止すること
ができるので好ましい。転位反応終了後、少量のアルカ
リを反応液に添加して触媒を失活させる。反応生成物
は、蒸留等の公知の手段で反応液から分離、精製するこ
とができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により、具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。なお、シクロヘキサノンオキシムの転位
反応の生成物の分析は、ビフェニルを内部標準とし、1
H−NMRにより行った。ε−カプロラクタム収率に
は、触媒の分解により生成するε−カプロラクタムは含
まない。触媒ターンオーバー数は、ラクタム合成触媒1
mmolから精製されるラクタムのモル数である。
【0022】触媒前駆体の製造 触媒前駆体である、1−(1−azo−1−cyclo
hepten−2−yl)−1−azo−2−cycl
oheptan−2−oneをR.Mazurkiewicz,Acta Ch
imica Hungarica, 116(1), 95(1985)に記載の方法に準
じて合成した。2l−4ツ口フラスコ内をArで置換
し、ε−カプロラクタム90.5g(0.8mol)、
トルエン140mlを仕込み、そこに、反応液の温度を
20℃に保持しながら、トルエン40mlに溶解させた
POCl337.3ml(0.4mol)を滴下した。
次いで、室温で3時間撹拌し、更に約60℃で4.5時
間撹拌した。放冷した後、反応液中にH2O100m
l、トルエン100mlを加え、2N−NaOH水溶液
で中和後、MgSO4にて乾燥し、減圧蒸留して、
【0023】
【化6】
【0024】で表される化合物(以下「A」という)5
9.3g(収率64%)を得た。同定は、1H−NM
R,赤外吸収スペクトル(IR),元素分析により行っ
た。
【0025】触媒製造例1(触媒A[BF4]の調製) 触媒前駆体A50.0g(0.24mol)とジクロロ
メタン300mlとからなる溶液に、42%HBF4
溶液45.32g(0.22mol)を添加した。1.
5時間撹拌後、ジクロロメタン層を分離した。水層にさ
らにジクロロメタン100mlを2回加え、抽出操作を
行った。得られたジクロロメタンをMgSO4を用いて
乾燥させ、エバポレーターで濃縮後、アセトン84ml
/エーテル110mlからなる溶媒で再結晶を行い、
【0026】
【化7】
【0027】で表される化合物を42.9g(収率60
%)得た。同定は元素分析、赤外吸収スペクトル、1
−NMR、13C−NMR、MSスペクトルにより行っ
た。 (1)元素分析 実測値(%)C=48.45,H=7.10,N=9.
38,F=23.55 計算値(%)C=48.67,H=7.15,N=9.
46,F=25.66
【0028】(2)赤外吸収スペクトル(KBr):チ
ャートを図1に示す。 1636cm-1 ν(C=O) 1702cm-1 ν(C=N)
【0029】(3)1H−NMR:d6アセトン中,30
0MHz 1.90(12H,m),3.00(2H,m),3.
19(2H,m),3.95(2H,m),4.14
(2H,m),12.08(1H,s)
【0030】(4)13C−NMR:d6アセトン中,7
5.4MHz 21.1,22.8,25.5,27.5,28.0,
29.0,30.1,38.9,45.7,49.3,
175.9,181.5
【0031】(5)MSスペクトル M−1=208
【0032】触媒製造例2(触媒A−Et[BF4]の
調製) BF3O・BF450ml、ジエチルエーテル20mlか
らなる溶液に、触媒前駆体A10.01g(48.1m
mol)を数回に分けて添加した。1時間撹拌後、ジエ
チルエーテルで数回洗浄し、13.5gの粗結晶を得
た。粗結晶をアセトン/エーテル溶媒で再結晶を行い、
【0033】
【化8】
【0034】で表される化合物を9.27g(収率5
8.3%)得た。同定は元素分析、赤外吸収スペクト
ル、1H−NMR、13C−NMRにより行った。
【0035】(1)元素分析 実測値(%)C=51.65,H=8.01,N=8.
64,F=22.27 計算値(%)C=51.87,H=7.77,N=8.
64,F=23.44
【0036】(2)赤外吸収スペクトル(KBr):チ
ャートを図2に示す。 1646cm-1 ν(C=O) 1693cm-1 ν(C=N)
【0037】(3)1H−NMR:d6アセトン中,30
0MHz 1.34(3H,t,J=7.0Hz),1,78(1
2H,m),2.67(2H,m),2.97(2H,
m),3.65(2H,m),3.70(2H,q,J
=7Hz),4.00(2H,m)
【0038】(4)13C−NMR:d6アセトン中,7
5.4MHz 13.3,22.9,23.9,25.5,29.6,
30.5,30.5,36.8,38.7,51.2,
54.3,55.8,177.2,180.5
【0039】触媒製造例3(触媒A[CF3SO3]の調
製) 42%HBF4水溶液の代わりにCF3SO3H50ml
を用い、ジクロロメタンの代わりにエーテルを用いた他
は実施例1と同様の方法で行い、
【0040】
【化9】 で表される化合物を得た。
【0041】触媒製造例4(触媒A[SO3−Nafi
on]の調製) Aldrich社からNR−50(官能基密度約0.8
meq/g)として市販されているペルフルオロスルホ
ン酸樹脂(商品名:Nafion)をトルエンを用いて
共沸脱水した。このH型のNafion10.2g(H
量8.2mmol)を約30mlのアセトニトリルに湿
潤させ、そこにアセトニトリル20mlに溶解させた触
媒前駆体A4.70g(22.5mmol)を添加し
た。反応による発熱が終了したら、1時間超音波を照射
し、濾過、アセトニトリルで5回洗浄後、真空乾燥さ
せ、Nafion樹脂上に触媒A[SO3]が生じてい
る化合物11.93gを得た。すなわち、ここで得られ
た触媒は一般式(I)中で表すと、Rは水素原子、X-
はSO3である。元素分析によれば、Nafion樹脂
1g中に0.88mmolの触媒前駆体Aが導入されて
おり、触媒前駆体Aよりほぼ定量的に触媒A[SO3
Nafion]が調製されていることが確認された。
【0042】実施例1 触媒製造例2で調製した触媒0.041mmol、シク
ロヘキサノンオキシム0.25mmol、内標としてビ
フェニル0.061mmol、CD3CN0.5mlを
NMRサンプルチューブ内に仕込み、80℃に加熱し、
反応を1H−NMRにより追跡した。8時間後、0.1
63mmol(収率65.2%)のε−カプロラクタム
が生成していた。触媒ターンオーバー数は4.0であっ
た。
【0043】実施例2 触媒製造例2で調製した触媒0.74mmol、シクロ
ヘキサノンオキシム0.75mmol、内標としてビフ
ェニル0.223mmol、CH3CN7.5mlをフ
ラスコ内に仕込み、80℃で加熱撹拌し、3時間毎にシ
クロヘキサノンオキシム0.75mmolを添加した。
8回の添加後、4.10mmol(収率60.7%)の
ε−カプロラクタムが生成していた。触媒ターンオーバ
ー数は5.5であった。
【0044】実施例3 触媒製造例1で調製した触媒0.75mmol、シクロ
ヘキサノンオキシム0.75mmol、CH3CN7.
5mlをフラスコ内に仕込み、80℃で6時間加熱撹拌
したところ、0.52mmol(収率69.3%)のε
−カプロラクタムが生成していた。
【0045】実施例4 触媒製造例1で調製した触媒0.75mmol、シクロ
ヘキサノンオキシム0.38mmol、CH3CN7.
5mlをフラスコ内に仕込み、80℃で加熱撹拌し、3
時間毎にシクロヘキサノンオキシム0.38mmolを
添加した。5回の添加後、シクロヘキサノンオキシムの
転化率は91.1%、ε−カプロラクタムの収率は6
7.9%であった。ε−カプロラクタムの選択率は7
4.5%、触媒ターンオーバー数は2.1であった。
【0046】実施例5 触媒製造例3で調製した触媒0.75mmol、シクロ
ヘキサノンオキシム0.75mmol、CH3CN7.
5mlをフラスコ内に仕込み、80℃で7時間加熱撹拌
したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は84
%、ε−カプロラクタムの収率は63.0%であった。
【0047】実施例6 触媒製造例1で調製した触媒0.75mmol、シクロ
ヘキサノンオキシム0.37mmol、CH3CN7.
5mlをフラスコ内に仕込み、80℃で加熱撹拌し、3
時間毎にシクロヘキサノンオキシム0.37mmolを
添加した。4回の添加後、シクロヘキサノンオキシムの
転化率は62.7%、ε−カプロラクタムの収率は5
7.8%であった。ε−カプロラクタムの選択率は9
2.2%であった。
【0048】実施例7 触媒製造例4で調製した触媒0.75mmol、シクロ
ヘキサノンオキシム0.75mmol、CH3CN7.
5mlをフラスコ内に仕込み、80℃で6時間加熱撹拌
した。シクロヘキサノンオキシムの転化率は85.3
%、ε−カプロラクタムの収率は53.3%であった。
実施例1〜7の結果をまとめて表−1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、酸を用いないので、装
置腐食を少なくすることができ、また、反応後の複雑な
アルカリ中和工程が不要であり、工業的に有利にオキシ
ム化合物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒実施例1で得られた化合物の赤外吸収スペ
クトルを示す。
【図2】触媒実施例2で得られた化合物の赤外吸収スペ
クトルを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表される化合物の存在
    下、オキシム化合物を転位させることを特徴とするアミ
    ド化合物の製造方法。 【化1】 (式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアル
    キル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換
    基を有していてもよいアラルキル基を示し、X-はアニ
    オンを示し、l、mそれぞれ2〜10の整数を示す。)
  2. 【請求項2】オキシム化合物が炭素数3〜11の脂環式
    オキシム化合物であることを特徴とする請求項1に記載
    のアミド化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】オキシム化合物の転位を液相で行うことを
    特徴とする請求項1または2に記載のアミド化合物の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5993693A (en) * 1998-11-09 1999-11-30 Nalco/Exxon Energy Chemicals, L.P. Zwitterionic water-soluble substituted imine corrosion inhibitors
JP2013043176A (ja) * 2011-08-26 2013-03-04 Chinese Petrochemical Dev Corp アミドを製造するための触媒組成物、及びアミドの製造方法

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