JP3918419B2 - α,ω−ジシアノ化合物の製造法 - Google Patents
α,ω−ジシアノ化合物の製造法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、α,ω−ジシアノ化合物の新規な製造法であり、得られる化合物は、各種ナイロン等の原料として有用なジカルボン酸、ジアミン等の中間原料である。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関連する先行技術として、特開平9−40627号公報には、2−ヒドロキシシクロヘキサノンオキシムとギ酸及びヒドロキシアミンからアジポニトリルが製造できることが開示されている。
しかし、この方法では、収率が74%程度であり、満足すべき値とは言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、α,ω−ジシアノ化合物の収率の向上を目的とした新規な製造法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類にギ酸およびヒドロキシルアミンを反応させることを特徴とするα,ω−ジシアノ化合物の製造法によって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の原料化合物である2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類は、対応する2−ハロゲノシクロアルカノンオキシム類とアルコールの反応で製造することが出来、例えば、特公昭45−19902号公報には、2−アルコキシシクロドデカジエノンオキシムの製造方法が開示されている。
【0006】
2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類は、炭素数6〜12の飽和あるいは不飽和の環状炭化水素からなる2-アルコキシシクロアルカノンオキシム類が好ましく、特に12員環の2−アルコキシシクロドデカノンオキシム類が好ましい。
なお、二重結合を少なくとも1個有する2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類の場合には、シス体又はトランス体等いかなる構造であっても構わない。これらの異性体は混合して使用しても何ら問題はない。
また、2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類は、市販品あるいは合成品をそのまま使用することも、さらに結晶化等により精製したものを使用しても何ら問題はない。
【0007】
2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類におけるアルコキシ基としては、特に制限はないが、好ましくは炭素原子数1〜4個のアルコキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ基である。
具体的には2−メトキシシクロペンタノンオキシム、2−メトキシシクロヘキサノンオキシム、2−メトキシシクロヘキセノンオキシム、2−メトキシシクロヘプタノンオキシム、2−メトキシシクロオクタノンオキシム、2−メトキシシクロオクテノンオキシム、2−メトキシシクロノナノンオキシム、2−メトキシシクロデカノンオキシム、2−メトキシシクロウンデカノンオキシム、2−メトキシシクロドデカノンオキシム、2−メトキシシクロドデカジエノンオキシム等がある。好ましくは2−アルコキシシクロドデカジエノンオキシム類であり、特に好ましくは、2−アルコキシ−5,9−シクロドデカジエノンオキシムである。これらは、単独でも2種以上を混合して使用しても良い。
【0008】
本発明で使用するギ酸は、特に制限がなく、通常の市販品が使用でき、無水ギ酸あるいは含水ギ酸を用いることが出来る。好ましくは50重量%以上のギ酸である。さらに好ましくは、90重量%以上のギ酸である。
【0009】
ギ酸の使用量は、原料2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類に対して、1〜100重量部、好ましくは2.5〜40重量部である。
【0010】
本発明で使用するヒドロキシアミンは、単体もしくは、その塩として用いることが出来る。塩としては、特に限定されないが、塩酸塩、硫酸塩、りん酸塩、硝酸塩、しゅう酸塩などの塩が市販されており、これらを用いることが出来る。
その使用量は、原料2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類に対して、通常0.1〜10倍モル、好ましくは0.8〜2倍モルである。
【0011】
本発明での反応溶媒は、通常はギ酸溶液をそのまま使用するが、有機溶媒も使用することができる。有機溶媒としては、本反応に不活性な溶媒であれば特に制限はないが、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、塩化メチレン、四塩化炭素等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、酢酸、プロピオン酸などの脂肪族カルボン酸類等が挙げられる。これら溶媒の使用量は、2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類に対し、通常0〜100重量倍、好ましくは0〜50重量倍である。
【0012】
反応温度は、使用する反応溶媒の沸点以下で行う限り特に限定されないが、通常20〜200℃、好ましくは40〜110℃で行うことができる。
また、反応圧力は、通常、常圧下で実施されるが、若干の加圧下で実施してもよい。
反応装置も、特に制限はなく通常の攪拌装置を備えた反応器で実施することができる。
【0013】
その反応時間は、前記濃度、温度等の反応条件によって変化するが、通常0.05〜24時間である。
【0014】
本発明で得られたα,ω−ジシアノ化合物は、蒸留・結晶化等により分離・精製することができる。
【0015】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1
2−メトキシ−5,9−シクロドデカジエノンオキシム0.6g(2.7mmol)、塩酸ヒドロキシルアミン0.59g(8.5mmol)を99%蟻酸50mlに溶解し、30分加熱還流した。
反応終了後、蟻酸を減圧留去し、得られた残査に水を加えトルエンで2回抽出した。有機層を2N水酸化ナトリウムで2回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下に溶媒を留去し、残査をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製し、無色油状物である4,8−ドデカジエンジニトリル0.41g(2.2mmol)を得た。収率は、81モル%であった。
無色油状物である4,8−ドデカジエンジニトリルの各種機器分析結果は、以下の通りであった。
(1)質量分析(MS)
m/z(EI) 148、 94、 67
m/z(CI)189(MH+)
(2)水素核磁気共鳴分析(1H−NMR)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:2.10〜2.22(4H,m)、2.32〜2.50(8H,m)、5.35〜5.64(4H,m)
(3)赤外分光分析(IR)
IR(cm-1):2245(−CN)、1449、1427、972、735
(4)炭素核磁気共鳴分析(13C−NMR)
13C−NMR(200MHz,CDCl3)δ:16.5、16.6、22.4、26.1、27.4、31.3、118.7、118.8、125.1、125.9、131.3、131.7
【0016】
実施例2
2−メトキシ−5,9−シクロドデカジエノンオキシム0.3g(1.4mmol)、塩酸ヒドロキシルアミン0.2g(2.9mmol)を99%蟻酸25mlに溶解し、30分加熱還流した。
反応終了後、蟻酸を減圧留去し、得られた残査に水を加えトルエンで2回抽出した。有機層を飽和重曹水で2回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下に溶媒を留去し、黄色油状物を得た。得られた油状物をアセトニトリル溶液とした後、液体クロマトグラフ分析(HPLC)によって定量分析した。その結果、4,8−ドデカジエンジニトリルが0.24g(1.3mmol 収率93モル%)含まれていることが判った。
【0017】
実施例3
2−メトキシ−5,9−シクロドデカジエノンオキシム0.5g(2.2mmol)、硫酸ヒドロキシルアミン0.2g(1.2mmol)を90%蟻酸10mlに溶解し、30分加熱還流した。
反応終了後、蟻酸を減圧留去し、得られた残査に水を加えジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を飽和重曹水で2回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下に溶媒を留去し、黄色油状物を得た。得られた油状物をアセトニトリル溶液とした後、HPLCによって定量分析した。その結果、4,8−ドデカジエンジニトリルが0.36g(1.9mmol 収率86モル%)生成していることが判った。
【0018】
【発明の効果】
本発明の2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類とギ酸およびヒドロキシルアミンよりα,ω−ジシアノ化合物を収率よく製造することができる。
Claims (2)
- 2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類にギ酸およびヒドロキシルアミンを反応させることを特徴とするα,ω−ジシアノ化合物の製造法。
- 2−アルコキシシクロアルカノンオキシム類が2−アルコキシシクロドデカノンオキシム類である請求項1記載のα,ω−ジシアノ化合物の製造法。
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