JP2004520464A - テロマーを含むポリマー組成物、およびこれらの組成物を使用する物品または部品 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、組成物およびこれらの組成物を使用して製造した物品または物品の部品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー組成物、とりわけ、高量のフタル酸のジエステル類および飽和脂肪族α,ω-ジカルボン酸のジエステル類のような低分子量ジエステル類またはCERECLORR塩素化パラフィン類のような他の低分子量物質を含む塩化ビニルポリマーの組成物は、公知であり;これらの組成物は、増大した可撓性を示す物品または物品の部品を製造するのに一般的に使用されている。しかしながら、これらのポリマー組成物は、幾つかの欠点を有する。高量のフタル酸ジエステル類を含む組成物は、これらジエステル類の想定的な毒性によって痛烈に批判されている。高量のCERECLORR塩素化パラフィン類のような他の低分子量物質を含む組成物は、組成物の各種成分間との非相溶性問題に左右され、即ち、均質性の欠陥を示す。最後に、さらに詳細には、プラスチゾル組成物は、殆どの場合、エマルジョン法または微細懸濁法によって得られた塩化ビニルポリマーとフタル酸のジエステル類を含み、最適よりも低い諸特性の組合せをしばしば示し;これら組成物の1つの一般的な欠点は、これら組成物を脱気するのが難しいことである。
高量の上述したもののようなジエステル類または他の低分子量物質を含むポリマー組成物(とりわけ、塩化ビニルポリマーの組成物)からの一般に可撓性の物品または物品の部品の製造も、同様に公知である。とは言え、これらの物品または物品の部品は、多数の不完全な特性を示している:これらの物品または物品の部品は、高量の放出物、移行に対する貧弱な抵抗性(浸出問題を有する)、並びに抽出および汚染に対する貧弱な抵抗性(これら物品または部品が水、牛乳、血液、n-ヘキサンまたは油のような液体と接触したとき)を極めてしばしば有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第1の目的は、従来の組成物の利点を有しながら、従来の組成物の上述の欠点を有しない組成物である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は、1種以上のポリマーと、物質Aからおよび必要に応じての物質Bから選ばれた1種以上の物質とを含む組成物であって、該組成物の質量に対する物質A(1種以上) + 物質B(1種以上)の合計質量が20%よりも多く、一方、物質A(1種以上) + 物質B(1種以上)の合計質量に対する物質A(1種以上)の質量が20%よりも多く、一方、物質Aが、8.0以下の数平均テロマー化度を有し、1種以上のテロゲンと下記の式Iに相応する1種以上のモノマーとの(共)テロマー化反応によって得られ、物質Bが、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のジエステル類;トリメリット酸のトリエステル類;飽和脂肪族α,ω-ジカルボン酸のジエステル類;クエン酸のアセチル化または非アセチル化トリエステル類;リン酸のトリエステル類;アルキレングリコールジベンゾエート類;およびフェノールのアルキルスルホン酸エステル類であることを特徴とする組成物を提供する:
【0005】
【化1】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なるものであって、下記の基を示す:
【0006】
【化2】
相互に独立する各指数mは、0〜20の整数であり、
相互に独立する各指数nは、0または1であり、
指数nの和は、1〜3であり、
n = 0のとき、相互に独立する基R'は、水素原子、ハロゲン原子またはフェニル基であり、
n = 1のとき、相互に独立する基R'は、水素原子もしくはアルカリ金属原子、アンモニウム基、ハロゲン原子または炭化水素基であり、後者は、必要に応じて、ハロゲン原子または-OH、-COOH、-NH2、-CONH2もしくは-N=C=O基の1種以上で置換され得る)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
上記ポリマー(1種以上)は、物質Aおよび必要に応じての物質Bから選ばれた1種以上の物質を含む組成物中に有用に存在し得るすべてのポリマー類である。
そのようなポリマー類の例としては、ハロゲン化ビニルポリマー類;酢酸ビニルポリマーのようなビニルポリエステル類;(メタ)アクリルポリマー類;ポリエステル類;ポリシロキサン類;ポリアミド類;ポリスルフィド類;ポリウレタン類;ポリエーテル類;エポキシ樹脂類;アルキッド樹脂類;ロジン;ニトロセルロース類;酢酸セルロース類;ポリビニルアルコール類;塩素化ポリエチレン類;天然ゴム;スチレンとブタジエン、ネオプレン、イソプレン、クロロプレンとのコポリマーのような合成ゴム類;およびブタジエンポリマーの主鎖上に生成させたグラフトポリマー類を挙げることができる。
好ましくは、本発明に従う組成物のポリマー類の少なくとも80質量%は、ハロゲン化ビニルポリマー類である。
とりわけ好ましくは、本発明に従う組成物のポリマー類の少なくとも90質量%は、ハロゲン化ビニルポリマー類である。
極めて好ましくは、本発明に従う組成物のポリマー類のすべては、ハロゲン化ビニルポリマー類である。
【0008】
用語ハロゲン化ビニルポリマーは、少なくとも1個のハロゲン原子を含有しハロゲン原子以外のヘテロ原子を含有しないエチレン系不飽和モノマーのホモポリマー類;並びに、これらモノマー類をそれら自体と或いはオレフィン類;アクリルおよびメタクリルアミド類、ニトリル類およびエステル類;および酢酸ビニルのようなビニルエステル類のような他のエチレン系不飽和モノマーとによって生成させたコポリマー類の双方を示すものとする。
ハロゲン化ビニルポリマー類の例としては、フッ化ビニリデンポリマー類、ヘキサフルオロプロピレンポリマー類またはクロロトリフルオロエチレンポリマー類のような塩素を含有するハロゲン化ビニルポリマー類およびフッ素を含有するハロゲン化ビニルポリマー類を挙げることができる。
本発明に従う組成物のハロゲン化ビニルポリマー類は、好ましくは、塩素を含有するハロゲン化ビニルポリマーである。
塩素を含有するハロゲン化ビニルポリマー類の例としては、塩化ビニル、塩化ビニリデンまたはクロロトリフルオロエチレンのポリマー類を挙げることができる。
とりわけ好ましくは、本発明に従う組成物のハロゲン化ビニルポリマーは、少なくとも80質量%の-(-CH2-CHCl-)-単位を含有する塩化ビニルポリマー類である。
極めて好ましくは、本発明に従う組成物のハロゲン化ビニルポリマーは、塩化ビニルホモポリマーである。
本発明に従う組成物が“ドライブレンド”タイプのコンパウンドまたは可塑化混合物を形成する場合には、本発明に従う組成物の上記最も好ましいハロゲン化ビニルポリマーは、塊重合または懸濁重合法によって得られた塩化ビニルホモポリマーである。
本発明に従う組成物がプラスチゾルを形成する場合には、本発明に従う組成物の上記最も好ましいハロゲン化ビニルポリマーは、微細懸濁重合またはエマルジョン重合法によって得られた塩化ビニルホモポリマーである。
【0009】
上記ハロゲン化ビニルポリマー以外の本発明に従う組成物のポリマー類は、好ましくは、(メタ)アクリルポリマー類、ポリエステル類、およびブタジエンポリマー主鎖上に生成させたグラフトポリマー類である。
(メタ)アクリルポリマー類の例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリ-n-ブチルアクリレート、およびメチルメタクリレートとn-ブチルアクリレートのコポリマー類を挙げることができる。
ポリエステル類の例としては、フタル酸または飽和脂肪族α,ω-ジカルボン酸とジオールとの縮合反応によって得られたポリエステル類を挙げることができる。
ブタジエンポリマー主鎖上に生成させたグラフトポリマー類の例としては、ポリブタジエンの存在下またはブタジエンとスチレンのコポリマーの存在下にメチルメタクリレートを重合させることによって得られたグラフトポリマー類、およびポリブタジエンの存在下にスチレンとアクリロニトリルを重合させることによって得られたグラフトポリマー類を挙げることができる。
【0010】
物質Aは、8.0以下の数平均テロマー化度を有し、前記式Iに相応する1種以上のモノマーと1種以上のテロゲンの(共)テロマー化反応によって得られたテロマー類である。
1種以上のモノマー(以下、M1、...、Mnで示す)と1種以上のテロゲンの(共)テロマー化反応によって得られたテロマー類の“数平均テロマー化度”なる用語は、上記テロマーを構成するモノマー(1種以上)の分子数とテロマー分子数間の比を示すものとする:
DPn = n(M1) + n(M2) + ... + n(Mn)
(式中、n(Mn)は、上記テロマーを構成するモノマーMnの分子数とテロマー分子の数間の比である)。
好ましくは、物質Aは5.0以下の数平均テロマー化度を有し、とりわけ好ましくは、物質Aは3.0以下の数平均テロマー化度を有する。
さらに好ましくは、物質Aは1.2以上の数平均テロマー化度を有し、とりわけ好ましくは、物質Aは1.3以上の数平均テロマー化度を有する。
物質Aは、通常、上記組成物のポリマー類に対して可塑化作用を示す。
本発明に従う組成物の質量に対する物質A(1種以上)の質量は、好ましくは20%よりも多く;とりわけ好ましくは、30%よりも多く;極めて好ましくは、35%よりも多い。
【0011】
物質Aを得るに至る(共)テロマー化反応は、前記式Iに相応する1種以上のモノマーの関与において実施する。
好ましくは、前記式Iに相応するモノマー類は、下記の条件の少なくとも1つを満たす:
‐各指数mの和が0〜2であること、
‐各指数nの和が1であること、
‐n = 0のとき、R'は水素原子を示すこと、
‐n = 1のとき、相互に独立した基R'は、ハロゲン原子または-OH、-COOH、-NH2、-CONH2もしくは-N=C=O基の1種以上で必要に応じて置換された1〜20個の炭素原子を含有する線状または枝分れのアルキルまたはアルケニル鎖であること。
そのようなモノマー類の例としては、下記のものを挙げることができる:
‐上述のような4つの条件のすべてを満たす前記式Iに相応するモノマー類;
‐アルキルトランス-2-メチル-2-ペンタノエート類、アルキルトランス-2-ヘキサノエート類、アルキルトランス-3-ヘキサノエート類、アルキル5-ヘキサノエート類、アルキル2,2-ジメチル-4-ペンタノエート類およびアルキル6-ヘプタノエート類のような、各指数mの和が2よりも大きいモノマー類;
‐ジアルキルマレート類、ジアルキルフマレート類、ジアルキルイタコネート類、ジアルキルシトラコネート類、およびトリアルキルシス-およびトランス-アコニテート類のような、各指数nの和が1よりも大きいモノマー類;
‐アルキルクロロアクリレート類、アルキルブロモアクリレート類、アルキルフルオロアクリレート類およびアルキルシンナメート類のような、n = 0である場合の少なくとも1個のR'がハロゲン原子またはフェニル基を示すモノマー類;
‐アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウムおよびマレイン酸のような、n = 1である場合の少なくとも1個のR'が水素原子またはアルカリ金属原子を示すモノマー類。
【0012】
とりわけ好ましいのは、前記式Iに相応するモノマー類が、上述の4つの条件全部を満たすことである。
そのようなモノマー類の例としては、C1〜C20アルキルアクリレート類、C1〜C20アルキルメタクリレート類、C1〜C20アルキルビニルアセテート類、C1〜C20アルキルクロトネート類、C1〜C20アルキルエタクリレート類、C1〜C20アルキルチグレート類、C1〜C20アルキル3,3-ジメチルアクリレート、C1〜C20アルキルトランス-2-ペンテノエート類およびC1〜C20アルキル4-ペンテノエート類を挙げることができる。
極めて好ましいのは、前記式Iに相応するモノマー類が、C1〜C20アルキルアクリレート類およびC1〜C20アルキルメタクリレート類から選ばれることである。
C1〜C20アルキルアクリレート類またはメタクリレート類の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、イソデシルおよびイソトリデシルアクリレート類またはメタクリレート類を挙げることができる。
前記式Iに相応する最も好ましいモノマー類は、C1〜C8アルキルアクリレート類またはC1〜C8アルキルメタクリレート類であるが、後者は1種以上のC1〜C8アルキルアクリレートの存在下で使用することを条件とする。
上記モノマー類の各々の幾つかまたは全てを、反応が始まる前または反応の途中で、反応媒体中に導入し得る。
上記モノマー類がアルキルアクリレート類である場合には、それらのモノマーすべてを、通常、反応開始前に反応媒体中に導入する。
【0013】
物質Aを得るに至る(共)テロマー化反応は、1種以上のテロゲンの関与において実施する。
テロゲン類の例としては、下記のものを挙げることができる:
‐式R"SH (式中、R"は、ハロゲン原子または-OH、-COOH、-NH2、-CONH2もしくは-N=C=O基の1種以上で必要に応じて置換された炭化水素基である)のメルカプタン類;
‐四塩化炭素、クロロホルムまたはエチルトリクロロアセテートのような塩素化物質;
‐イソプロパノールのような低分子量アルコール類。
好ましくは、上記テロゲン類は、式R"SH (式中、R"は、ハロゲン原子または-OH、-COOH、-NH2、-CONH2もしくは-N=C=O基の1種以上で必要に応じて置換された炭化水素基である)のメルカプタン類である。
そのようなメルカプタン類の例としては、2-メルカプトエタノール、1-ブタンチオール、n-ドデシルメルカプタンおよびメルカプト酢酸を挙げることができる。
とりわけ好ましくは、上記テロゲン類は、2-メルカプトエタノールおよび1-ブタンチオールである。
テロゲン(1種以上)の量は、通常、モノマー(1種以上)1モル当り0.02〜20モルである。テロゲン量は、最も多くは、モノマー(1種以上)1モル当り0.1〜1モルである。
テロゲンの各々の幾つかまたは全てを、反応が始まる前または反応の途中で、反応媒体中に導入し得る。通常は、テロゲンの全てを、反応が始まる前に反応媒体中に導入する。
【0014】
テロマー化反応は、通常、1種以上の開始剤によって一般的に開始させる。これらの開始剤は、有機もしくは無機パーオキサイド類またはジアゾ化合物類(単純ラジカルテロマー化反応の場合)、或いはテロゲンが塩素化物質である場合、その塩素と複合体を形成得る還元性金属カチオン類(レドックス触媒作用によるラジカルテロマー化反応の場合)である。
有機パーオキサイド類の例としては、アセチルシクロヘキサンスルホニルパーオキサイド、tert-アミルパーピバレート、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、tert-ブチルパーネオデカノエート、tert-ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイドおよびtert-ブチルヒドロパーオキサイドを挙げることができる。
無機パーオキサイド類の例としては、過酸化水素および過硫酸アンモニウムを挙げることができる。
ジアゾ化合物類の例としては、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリルを挙げることができる。
塩素と複合体を形成し得る還元性金属カチオン類の例としては、塩化物または硫酸塩形の第1銅および第1鉄を挙げることができる。
開始剤(1種以上)の量は、通常、モノマー(1種以上)1モル当り1〜100ミリモルである。開始剤量は、最も多くは、モノマー(1種以上)1モル当り2〜50ミリモルである。
開始剤の各々の幾つかまたは全てを、反応が始まる前または反応の途中で、反応媒体中に導入し得る。通常は、開始剤の全てを、反応が始まる前に反応媒体中に導入する。
【0015】
反応媒体は、アスコルビン酸またはナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートのような還元剤、或いはアセトニトリルのような上記還元性金属カチオン塩用の可溶化剤をさらに含み得る。
テロマー化反応温度は、主として、開始剤の性質に依存する;また、テロマー化反応温度は、なかんずく、モノマー類およびテロゲン類の性質にも依存する。該反応温度は、通常、0℃〜200℃である。単純ラジカルテロマー化反応においては、その反応温度は最も多くは30℃〜130℃であり、レドックス触媒作用によるラジカルテロマー化反応においては、その反応温度は最も多くは80℃〜180℃である。例えば、60℃は、アゾビスイソブチロニトリル(開始剤として)および2-メルカプトエタノール(テロゲンとして)の存在下でのn-ブチルアクリレートのテロマー化反応においてとりわけ適する操作温度であり;135℃は、塩化第1銅(開始剤として)および四塩化炭素(テロゲンとして)の存在下でのn-ブチルアクリレートのテロマー化反応においてとりわけ適する操作温度である。
テロマー化反応は、通常、開始段階、成長段階、移動段階および停止段階を含むラジカルメカニズムに従って一般的に進行する。レドックス触媒作用によるテロマー化反応においては、金属イオンは、開始段階において酸化され複合化し、停止段階において再生される。
【0016】
物質Bは、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のジエステル類;トリメリット酸のトリエステル類;飽和脂肪族α,ω-ジカルボン酸のジエステル類;クエン酸のアセチル化または非アセチル化トリエステル類;リン酸のトリエステル類;アルキレングリコールジベンゾエート類;およびフェノールのアルキルスルホン酸エステル類である。
フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のエステル類の例としては、ジ-n-ブチルフタレート、ジ-n-ヘキシルフタレート、ジイソヘプチルフタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルテレフタレート、ジ-2-エチルヘキシルイソフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソトリデシルフタレート、およびベンジル-n-ブチルフタレートを挙げることができる。
トリメリット酸のトリエステル類の例としては、トリ-2-エチルヘキシルトリメリテートを挙げることができる。
好ましくは、物質Bは、飽和脂肪族α,ω-ジカルボン酸のジエステル類、クエン酸のアセチル化または非アセチル化トリエステル類、リン酸のトリエステル類から、並びにアルキレングリコールジベンゾエート類およびフェノールのアルキルスルホン酸エステル類から選ばれる。
クエン酸のアセチル化または非アセチル化トリエステル類の例としては、トリ-n-ブチルシトレートおよびアセチル化トリ-n-ブチルシトレートを挙げることができる。
リン酸のトリエステル類の例としては、トリ-2-エチルヘキシルホスフェートおよびトリクレシルホスフェートを挙げることができる。アルキレングリコールジベンゾエート類の例としては、ジプロピレングリコールジベンゾエートを挙げることができる。
フェノールのアルキルスルホン酸エステル類の例としては、フェノールのMESAMOLLRアルキルスルホン酸エステル類を挙げることができる。
【0017】
とりわけ好ましいのは、物質Bを飽和脂肪族α,ω-ジカルボン酸のジエステル類から選択することである。
飽和脂肪族α,ω-ジカルボン酸のジエステル類の例としては、ジ-n-ブチルセバケート、ジ-2-エチルヘキシルセバケート、ジベンジルセバケート、ジ-2-エチルヘキシルアジペート、ベンジル2-エチルヘキシルアジペートおよびジ-2-エチルヘキシルアゼレートを挙げることができる。
物質Bは、通常、上記組成物のポリマー類に対して可塑化作用を有する。
本発明に従う組成物の質量に対する物質Bの質量は、好ましくは20%未満であり;とりわけ好ましくは、10%未満であり;極めて好ましくは、5%未満である。
最も好ましい組成物は、痕跡量としての可能性を除いて、物質Bを含有しない組成物である。
本発明に従う組成物、とりわけ少なくとも1種の塩化ビニルポリマーを含む本発明に従う組成物は、次のものをさらに含み得る:天然または沈降炭酸カルシウム、ドロマイト、シリカのような充填剤;錫、バリウムと亜鉛、カルシウムと亜鉛、カドミウムと亜鉛、および鉛の各有機塩のような熱安定剤;二酸化チタンまたはカーボンブラックのような顔料;ステアリン酸のような内部潤滑剤;パラフィン類のような外部潤滑剤;ドデシルベンゼンまたは灯油のような希釈剤;エチレンオキサイドと脂肪酸との縮合物のような粘度調節剤;アゾジカルボンアミドのような発泡剤;酸化亜鉛のような発泡剤破壊促進剤;難燃剤;抗真菌剤;殺菌剤;および臭気改良剤。
本発明に従う組成物は、任意の公知の混合または配合方法によって一般的に製造し得る。
【0018】
本発明のさらなる目的は、従来技術の組成物の欠点を有していない組成物を、従来技術の物品または物品の部品の欠点を同様に有していない物品または物品の部品(圧縮または発泡型の)の製造において使用することである。
従って、本発明は、物品または物品の部品の製造における上述のような本発明に従う組成物の使用を提供する。
本発明に従う組成物は、通常、公知の実施方法を一般的に用いて使用する。
実施方法の例としては、カレンダー加工(とりわけ、フィルム類、シート類およびプレート類の製造のため)、押出(とりわけ、チューブ類および形材類の製造のため)、射出(とりわけ、ガスケット類および片材の製造のため)、コーティング(とりわけ、圧縮層および発泡層の製造のため)、スプレーガンスプレー法(とりわけ、マスチック類の製造のため)、ディッピング(とりわけ、グローブ類の製造のため)およびモールディング(各種の物体を製造するため)を挙げることができる。
カレンダー加工、押出および射出の各方法は、少なくとも80質量%のポリマーが少なくとも80質量%の-(CH2-CHCl-)-単位を含有する塩化ビニルポリマーであって、これらのポリマーが好ましくは塊重合または懸濁重合によって得られるような本発明に従う組成物の実施においてとりわけ良好に適する。そのような組成物は、“ドライブレンド”タイプのコンパウンドまたは可塑化混合物を通常形成する。
コーティング、スプレーガンスプレー法、ディッピングおよびモールディングの各方法は、少なくとも80質量%のポリマーが少なくとも80質量%の-(-CH2-CHCl-)-単位を含有する塩化ビニルポリマーであって、これらのポリマーが好ましくは微細懸濁重合またはエマルジョン重合法によって得られるような本発明に従う組成物の実施においてとりわけ良好に適する。そのような組成物は、プラスチゾルを通常形成する。
【0019】
本発明の最後の目的は、従来技術の利点を保持しながら従来技術の欠点を有しない、組成物類から製造された物品または物品の部品(圧縮または発泡型)を含む。
従って、本発明は、上述したような本発明に従う組成物を使用して製造した物品または物品の部品を提供する。
そのような物品または物品の部品の例としては、下記のものを挙げることができる:
‐可撓性で圧縮型の層類、フィルム類、シート類およびプレート類;
‐可撓性のチューブ類および配管用ケーブルシース外装類;
‐シーリング材、ガスケット類、王冠コルク類、腐蝕防止マスチック類および石材ひび割れ防止マスチック類;
‐発泡層および発泡体;
‐インク類
‐接着剤類
‐可撓性の片材、物体類または物体の部品類:グローブ類、人形類、ボール類等。
【0020】
[発明の効果]
本発明に従う組成物、とりわけ少なくとも1種の塩化ビニルポリマーを含む本発明に従う組成物は、複数の利点を有する。本発明に従う組成物は極めて高量の物質Aを含むけれども、これらの物質は、極めて高い安定性を物理的に有する:本発明に従う組成物は、その各種成分間の非相溶性の問題も、それによって生じ得る均質性の欠陥も被らない。さらにまた、本発明に従う組成物は、好ましい毒性学的状況を有しているとみなされる物質Aを含む。最後に、エマルジョン法により或いは微細懸濁法により得られた少なくとも1種の塩化ビニルポリマーを含む本発明に従う組成物は、低粘度を有するプラスチゾル組成物を形成する;しかも、これらの組成物は、脱気するのが極めて容易である。
本発明に従う物品または物品の部品、とりわけ少なくとも1種の塩化ビニルポリマーを含む組成物から製造した物品または物品の部品も複数の利点を有する。これらの物品または物品の部品は、高レベルの可撓性を有する;本発明に従う組成物が高量の物質Aを含む度合が高いほど、これら物品の可撓性は高くなる。さらにまた、本発明に従う物品または物品は、極めて高量の物質Aを含む組成物から製造した物品または物品の部品でさえも、低レベルの放出物と極めて高い移行抵抗性を有する(本発明に従う物品または物品の部品は、浸出問題を被らない)。さらにまた、本発明に従う物品または物品の部品(極めて高量の物質Aを含む物品または物品の部品のような)を水、牛乳、血液、n-ヘキサンまたは油のような液体と接触させたとき、極めて少量の物質しかこれら物品または物品の部品からこれら液体によっては抽出されず、逆に言えば、これらの物品または物品の部品は、これらの液体を極めて僅かしか透過させず、それによってこれら物品または物品の部品に優れた浸出抵抗性と優れた汚染抵抗性を与えている。
【0021】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0022】
(物質Aの調製および特性決定)
物質 A の調製
n-ブチルアクリレート、次いで、テロゲンを、周囲温度にて下記の表1に示す量で、温度自動調節浴に連結したジャケットを備えた開放300 ml反応器に導入した。
反応器内容物を撹拌下に置き、60℃にした。反応器内容物が60℃に達したとき、窒素を反応器内容物中にバブリングさせた(酸素を除去するために)。
窒素バブリング開始の1時間後に、最初の量の0.08 gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を導入した。この最初の量の導入に相応する時間をt0として示す。
そこで、上記n-ブチルアクリレート以外に、アルキルメタクリレートも使用し(表1においてA.4、A.5およびA.6として示したテロゲン類の調製の場合)、このメタクリレートを、t0からt0 + 3時間の間で滴下によって導入した。
t0 + 30分で、さらなる0.08 gのAIBNを反応器に導入し、さらに、t0 + 1時間、t0 + 1時間30分等で、8回目で最後の導入を実施するt0 + 3時間30分まで導入を繰返した。
t0 + 4時間において、窒素バブリングを停止し、反応器を冷却し、撹拌を停止させた。
残留モノマー(1種以上)の量は、ガスクロマトグラフィーによって一般的に測定した。その量は、通常で、導入したモノマー(1種以上)の2質量%未満、殆どの場合で1質量%未満であった。
表1は、上述の一般的手順に従って調製したA.1〜A.6と表示している6種のテロマーの調製における特定の処方要素を含んでいる。
数平均テロマー化度の測定
上記テロマー化反応において使用したモノマー数Miの各々と結合した各値n(Mi)をプロトン核磁気共鳴によって一般的に測定した。数平均テロマー化度、DPnは、各n(Mi)を合計することによって得た。
この実施例において調製した各テロマーのDPn値も表1に示す。
【0023】
【表1】
【実施例2】
【0024】
(比較例)
物質 A 以外のテロマーの調製と数平均テロマー化度の測定
表1にC.1およびC.2と表示している各テロマーは、8.0よりも大きい数平均テロマー化度を有するテロマーである。テロマーC.1およびC.2は、t0からt0 + 3時間30分までの半時間毎に導入したAIBN量が0.016 g (0.08 gの代りに)であった以外は、実施例1におけるようにして調製した。これらテロマーのDPnを測定するのに使用した手順は、実施例1の手順と同じであった。
【実施例3】
【0025】
(本発明に従う組成物およびプレート類)
溶解温度 T d
48 gの物質Aを、精密温度計を浸したビーカー中に導入した。撹拌を開始し、次いで、2 gの塩化ビニルポリマーSOLVINR 271PCをこのビーカーに導入した。連続撹拌しながら、混合物をおよそ3℃/分で加熱した。温度が上昇するとき、混合物は次第に透明となり、SOLVINR 271PCポリマーの粒子輪郭は漸次消失した。ある温度において、粒子輪郭は完全に消失した。この温度をTdとして採用した。
溶解温度Tdの測定結果を下記の表2に要約する。
溶解温度Tdが低いほど、物質Aと組成物の塩化ビニルポリマー間の相溶性は大きい。
予備混合
容器に、100 gのSOLVINR 271PCポリマー(懸濁法によって得られた塩化ビニルポリマー)、56 gの物質A、7 gのエポキシ化大豆油、0.2 gのSTAVINORR CA31熱安定剤、および0.4 gのSTAVINORR ZNE熱安定剤を装入した。これらの成分を、ガラス撹拌器を使用して約1分間手で予備混合した。
混練
予備混合後、容器内容物を、COLLINR2本ロールニーダーの0.3 mmの間隔を空けた2本の加熱ロール間に、2本ロールが150℃の温度で安定化した後に注ぎ込んだ。2本ロール間を流れ出た材料を、ロール下に置いた金属タンク内に集め、再度2本ロール間に注ぎ込んだ。この手順を、材料が薄いシートを形成するまで(即ち、材料がロールの1本に付着したままとなるまで)続行した。この時点で、ロールの間隔を1.0 mmに広げ、混練操作を正確に5分間続行した。その間に、シートの1部を、右手部分と左手部分とを交互に、約20秒毎に切り離し、このようにして脱着させたシート部分を上記加熱ロール間に再度入れて再混練させた。5分経過後、ロール間の間隔を1.5 mmに広げた。シートをニーダーから取出し、直ぐに寒冷安定表面上に置いた。
【0026】
プレス加工
このようにして形成させた各シートを、LAFARGERプレスを使用して4 mmの厚さと20×11.5 mm2の表面積を有するプレートを得るようにプレス加工した。プレス加工条件は次のとおりであった:プレス加工温度は160℃であり;プレス加工圧は50バールであり;プレス加工時間は1分であった。
抽出試験
上述のようにして製造したプレートを正確に秤量した。この測定の結果をm0として採用した。プレートを10 mlのn-ヘキサンを含有するピルボックス中に浸漬した。ピルボックスを密閉し、次いで、40℃に加熱したオーブン内に入れた。24時間後、ピルボックスをオーブンから取出し、開放し、n-ヘキサンによって湿潤したプレートを取出した。湿潤プレートの表面をゆるやかに拭き、プレートを再秤量した。この測定結果をm1として採用した。プレートを70℃に加熱したオーブン内に再度入れた。4時間後、プレートをさらに再秤量した。この測定結果をm2として採用した。量E02 = (m0−m2)/m0は、抽出試験中にプレートから抽出された材料の重量画分を示す。さらにまた、量E12 = (m1−m2)/m0は、抽出試験中にプレートに吸収されたn-ヘキサンの重量画分を示す。
この抽出試験の結果を表2に要約する。組成物中に存在する各物質Aは、実施例1の物質である。
【実施例4】
【0027】
(比較例)
実施例2を繰り返したが、物質Aを実施例2のテロマーC.1またはC.2で或いはジ-2-エチルヘキシルフタレートまたはジ-2-エチルヘキシルアジペートの等量で置換えた。
溶解温度Tdの測定および抽出試験の結果を表2に要約する。
【0028】
【表2】
n.d.:測定せず
【0029】
テロマーA.1〜A.6を含む組成物は、テロマーC.1およびC.2を含む組成物の溶解温度よりも低い溶解温度を有し、この溶解温度は、テロマーA.1〜A.6の方が、テロマーC.1およびC.2が有するよりも良好な塩化ビニルポリマーとの相溶性を有することを示している。
さらにまた、テロマーA.1〜A.6を含む各組成物は135℃〜147℃範囲の溶解温度を有し、この範囲は、低分子量エステル類を含む組成物の溶解温度範囲(135℃〜150℃)と同様な溶解温度範囲である。これらの低分子量エステル類は、塩化ビニルポリマー類と極めて良好な相溶性を有するとみなされている。
テロマーA.1〜A.6を含む各組成物から製造した各プレートは、ジ-2-エチルヘキシルフタレートまたはジ-2-エチルヘキシルアジペートを含む組成物から製造したプレートよりも著しく高い抽出抵抗性と吸収抵抗性を有している。
【実施例5】
【0030】
(本発明に従うプラスチゾル組成物)
混合
66 gのA.1またはA.5と表示された物質Aと2 gのIRGASTABR BZ505熱安定剤を、温度自動調節浴に連結させたジャケットを備えたDISPERMATR急速ミキサー中に導入した。混合物を、螺旋状撹拌機を使用して500 rpmで20秒間撹拌した。連続撹拌しながら、100 gのエマルジョン法によって得られた塩化ビニルポリマー、SOLVINR 373MHを上記ミキサーにゆっくり導入した。混合を、組成物が均質なペーストコンシステンシー(“マスチック”相)を獲得するまで500 rpmで続行した。スパチラを用いて、ミキサーおよび撹拌機の壁(塩化ビニルポリマーの粘着層(混合物を散逸させる)で普通覆われている)を擦り取り、この粘着層をプラスチゾル組成物の中心に再導入した(“外皮剥ぎ取り”工程)。その後、組成物を200 rpmで5分間撹拌した。
脱気
プラスチゾル組成物を適切な容器内で真空下に置いた。プラスチゾル組成物は膨張した。一定の時間間隔で、真空を解除してプラスチゾル組成物が容器から超過するのを防止した。ある時点で、プラスチゾル組成物は後退した。この時間に達したとき、真空の適用を10分間続行した。その後、脱気プラスチゾル組成物を保持する容器をカバーで密閉し、次いで、23℃の温度自動調節浴内に置いた。
【0031】
脱気挙動試験
10 mlの未脱気プラスチゾル組成物を100 mlの測定用シリンダー中に入れた。そのプラスチゾル組成物の占める容積をV0として採用した。シリンダーを真空下に置いた。プラスチゾル組成物は膨張して最大容積(Vf)を占めた。その後、プラスチゾル組成物は後退した。プラスチゾル組成物の最大膨張率(ΔVmax)を下記の関係式によって算出した:
ΔVmax = 100・(Vf −V0)/V0 (%で)
値ΔVmaxが高いほど、プラスチゾル組成物を脱気するのが困難になる。
粘度測定
脱気したプラスチゾル組成物の粘度を、プラスチゾル組成物を23℃の温度自動調節浴中で1時間静置させた後に、種々の剪断速度(D)にて一般的に測定した。測定は、ROTOVISCOR RV20回転粘度計を使用して行った。パラメーターη1.4、η12およびη36は、それぞれ、D = 1.4、12および36s-1での粘度測定を示す。
各プラスチゾル組成物の評価結果を表3に要約する。
【実施例6】
【0032】
(比較例)
実施例5の手順を繰り返したが、物質Aをジ-2-エチルヘキシルフタレートの等量で置換えた。
このプラスチゾル組成物の評価結果も同様に表3に要約する。
【0033】
【表3】
【0034】
テロマーA.1およびA.5を含む各プラスチゾル組成物は、ジ-2-エチルヘキシルフタレートを含むプラスチゾル組成物よりもはるかに容易に脱気している。さらにまた、テロマーA.1およびA.5を含む各プラスチゾル組成物は、ジ-2-エチルヘキシルフタレートを含むプラスチゾル組成物と少なくとも同等の流体である。
Claims (11)
- 1種以上のポリマーと、物質Aからおよび必要に応じての物質Bから選ばれた1種以上の物質とを含む組成物であって、該組成物の質量に対する物質A(1種以上) + 物質B(1種以上)の合計質量が20%よりも多く、一方、物質A(1種以上) + 物質B(1種以上)の合計質量に対する物質A(1種以上)の質量が20%よりも多く、一方、物質Aが、8.0以下の数平均テロマー化度を有し、1種以上のテロゲンと下記の式Iに相応する1種以上のモノマーとの(共)テロマー化反応によって得られ、物質Bが、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のジエステル類;トリメリット酸のトリエステル類;飽和脂肪族α,ω-ジカルボン酸のジエステル類;クエン酸のアセチル化または非アセチル化トリエステル類;リン酸のトリエステル類;アルキレングリコールジベンゾエート類;およびフェノールのアルキルスルホン酸エステル類であることを特徴とする前記組成物:
相互に独立する各指数nは、0または1であり、
指数nの和は、1〜3であり、
n = 0のとき、相互に独立する基R'は、水素原子、ハロゲン原子またはフェニル基であり、
n = 1のとき、相互に独立する基R'は、水素原子もしくはアルカリ金属原子、アンモニウム基、ハロゲン原子または炭化水素基であり、後者は、必要に応じて、ハロゲン原子または-OH、-COOH、-NH2、-CONH2もしくは-N=C=O基の1種以上で置換され得る。)。 - 前記ポリマーの少なくとも80質量%がハロゲン化ビニルポリマーであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- 前記ハロゲン化ビニルポリマーが少なくとも80質量%の-(-CH2-CHCl-)-単位を含有する塩化ビニルポリマーであることを特徴とする請求項2記載の組成物。
- 前記物質Aが5.0以下の数平均テロマー化度を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- 前記物質Aが1.2以上の数平均テロマー化度を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
- 前記組成物の質量に対する物質A (1種以上)の質量が20%よりも多いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
- 前記式Iに相応するモノマーが下記の条件の少なくとも1つを満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物:
‐各指数mの和が0〜2であること、
‐各指数nの和が1であること、
‐n = 0のとき、R'は水素原子を示すこと、
‐n = 1のとき、相互に独立した基R'は、ハロゲン原子または-OH、-COOH、-NH2、-CONH2もしくは-N=C=O基の1種以上で必要に応じて置換された1〜20個の炭素原子を含有する線状または枝分れのアルキルまたはアルケニル鎖であること。 - 前記式Iに相応するモノマーが、C1〜C20アルキルアクリレート類からおよびC1〜C20アルキルメタクリレート類から選ばれることを特徴とする請求項7記載の組成物。
- 前記物質Bが、飽和脂肪族α,ω-ジカルボン酸のジエステル類、クエン酸のアセチル化または非アセチル化トリエステル類、リン酸のトリエステル類から、並びにアルキレングリコールジベンゾエート類およびフェノールのアルキルスルホン酸エステル類から選ばれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の組成物。
- 前記組成物の質量に対する物質B (1種以上)の質量が20%未満であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載の組成物を使用して製造した物品または物品の部品。
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