JP3296044B2 - 合成レザーの製造方法 - Google Patents

合成レザーの製造方法

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成レザーの製造方法の
改良に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明
は、しなやかさや風合いが天然皮革に近い性質を有する
合成レザーを効率よく製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル樹脂レザーは加工性が
良好であり、かつ低価格であることから、例えば車輌内
装用、壁装用、家具用、衣料用など、幅広い分野に使用
されている。特に、衣料分野においては、塩化ビニル樹
脂の特徴である調色適性、印刷適性、さらには発泡エン
ボス適性がいかんなく発揮されるので、ファッション性
に優れた素材として好適に使用されている。現在では、
その外観の意匠性は、天然皮革と見分けがつかないほど
まで向上しており、また、種々の合成レザーの中で、塩
化ビニル樹脂レザーでなければ表現できないものも多く
なっている。しかしながら、最近の高級化に伴う本物指
向により、外観の意匠性のみならず、風合いや物性まで
も天然物に近い性質が要求されている。該塩化ビニル樹
脂レザーは、本質的には軟質塩化ビニル樹脂の発泡体で
あり、天然皮革に比べて一般に弾性が大きいために、変
形させた後の回復速度が速く、この性質は衣服素材に求
められる「しなやかさ」と相反する。したがって、従来
の塩化ビニル樹脂レザーは、天然皮革のもつしなやかさ
や身体の線に沿って垂れる性質(以上の性質を以後ドレ
ープ性という)に劣るという大きな欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の塩化ビニル樹脂レザーが有する欠点を克服し、風
合いやドレープ性が天然皮革に近い合成レザーを提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する合成レザーを開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、(メタ)アクリレート(以後、この表記は
アクリレート及びメタクリレートを並列して記述する意
味で用いる)系樹脂と必要に応じて用いられる塩化ビニ
ル系樹脂とから成る樹脂成分に、特定の可塑剤及び有機
発泡剤を、それぞれ所定の割合で配合し、加熱発泡成形
することにより、その目的を達成しうることを見い出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(メタ)アクリレート系樹脂50〜
100重量%と塩化ビニル系樹脂50〜0重量%とから
成る樹脂成分100重量部に対し、アルキル基の炭素数
6〜16であるアルキルベンジルフタレート40〜20
0重量部及び有機発泡剤1〜15重量部を配合し、賦
形、加熱することを特徴とする合成レザーの製造方法を
提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明方
法において、樹脂成分として用いられる(メタ)アクリ
レート系樹脂としては、重量平均分子量が5万〜200
万、好ましくは10万〜100万の範囲にあるものが好
適である。この重量平均分子量が5万未満では溶融樹脂
の粘度が低くて均質な発泡セルが得られないし、200
万を超えると溶融樹脂の粘度が高くなりすぎて、発泡セ
ルが形成されにくくなる。なお、該重量平均分子量はゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した
値である。該(メタ)アクリレート系樹脂の粒子形状に
ついては特に制限はないが、プラスチゾルによる塗布加
工を行う場合には、一次粒子は球形であって、平均粒子
径が0.05〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの範
囲にあるものが好適である。該粒子径が0.05μm未
満ではプラスチゾルの粘度が高くなり加工性に劣るし、
10μmを超えると加熱溶融が遅くなるため加工性が低
下する。このプラスチゾルに適用する樹脂粒子は、公知
の乳化重合、播種乳化重合又は微細懸濁重合によって製
造することができる。また、プラスチゾルの粘度低下の
目的で、懸濁重合による平均粒径10〜50μmの樹脂
粒子を10〜40重量%程度置換、混合してもよい。ま
た、カレンダー成形によってレザーを製造する場合は、
一般に懸濁重合による平均粒径50〜200μmの樹脂
粒子が用いられる。前記(メタ)アクリレート系樹脂に
用いられる単量体としては、例えばメチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリ
レート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
n−オクチル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜8
のアルキル基を有するアクリレートやメタクリレートが
挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0006】また、該(メタ)アクリレート系樹脂は、
前記単量体と50重量%以下の共重合可能な他の単量体
との共重合体であってもよく、共重合可能な他の単量体
としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レートなどのエポキシ基を有する重合性不飽和化合物、
アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸及びこれらの酸無水物などの
カルボキシル基を有する重合性不飽和化合物、2−アミ
ノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル
(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)ア
クリレート、2−アミノブチル(メタ)アクリレート、
3−アミノブチル(メタ)アクリレート、4−アミノブ
チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、
N−2−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−2
−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−3−ア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含
有重合性不飽和化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有重合性
不飽和化合物、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン
などの共役ジエン系化合物、1,4−ヘキサジエン、エ
チリデンノルボルネンなどの非共役ジエン系化合物、さ
らには塩化ビニリデン、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチ
レンなどが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0007】本発明においては、該(メタ)アクリレー
ト系樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよく、また所望により塩化ビニル系樹脂と組
み合わせて用いてもよい。該塩化ビニル系樹脂として
は、塩化ビニルホモ重合体や、塩化ビニル単位50重量
%以上を含有する塩化ビニル系共重合体を用いることが
できる。該塩化ビニル系樹脂は乳化重合、播種乳化重
合、微細懸濁重合又は懸濁重合によって製造される。共
重合体の場合、共単量体としては、例えばエチレン系炭
化水素、脂肪酸ビニル、(メタ)アクリレート、ビニル
エーテル、ハロゲン化ビニリデン、アリル化合物などの
中から選ばれた少なくとも1種の単量体が用いられる。
該エチレン系炭化水素としては、エチレン、プロピレ
ン、イソブチレンなどを使用することができる。同じ
く、脂肪酸ビニルとしては、酢酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、ペラルゴン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリス
チン酸ビニル、パルミチン酸ビニルなど、(メタ)アク
リレートとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル−2−ヒドロキシエチル
など、ビニルエーテルとしては、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル、ビニル−n−ブチルエーテル、セチルビニルエーテ
ルなど、ハロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデンなど、アリル化合物としては、塩
化アリル、臭化アリルなどのハロゲン化アリル類、メチ
ルアリルエーテル、エチルアリルエーテルなどのアリル
アルコールのアルキルエーテル類、エチレングリコール
モノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリル
エーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテルなど
のアリルアルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテ
ル類、ビニル酢酸、ウンデセン酸などのアリルカルボン
酸、酢酸アリル、酪酸アリルなどのアリルアルコールの
エステル類、オイゲノール、イソオイゲノールなどのア
リルフェノール類、アリルチオール及びそのエーテル、
エステル類、N,N−ジメチルアリルアミン、アリルア
ミンなどのアリルアミン及びその塩類などを使用するこ
とができる。
【0008】該塩化ビニル系樹脂の混合量は、前記(メ
タ)アクリレート系樹脂と塩化ビニル系樹脂との合計量
に対して50重量%以下の範囲で、所望とするドレープ
性によって決められる。塩化ビニル系樹脂の割合が多く
なるほど弾性が大きくなり、したがってドレープ性は低
下する。本発明においては、(メタ)アクリレート系樹
脂と相溶性の良い可塑剤として、アルキル基の炭素数6
〜16であるアルキルベンジルフタレートを、該(メ
タ)アクリレート系樹脂と所望により用いられる塩化ビ
ニル系樹脂とから成る樹脂成分100重量部に対して、
40〜200重量部の割合で使用することが必要であ
る。アルキル基の炭素数が6より小さいとプラスチゾル
の粘度の経時上昇が激しいし、16より大きいと(メ
タ)アクリレート系樹脂との相溶性が低下してブリード
するようになる。また、該可塑剤の使用量が40重量部
未満ではレザーは堅くてドレープ性がないものとなり、
一方200重量部を超えるとレザーの表面に可塑剤が滲
出して粘着性を帯びやすくなる。該アルキル基の炭素数
6〜16であるアルキルベンジルフタレートとしては、
例えばオクチルベンジルフタレートやミリスチルベンジ
ルフタレートなどが挙げられ、これらは1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、特にミ
リスチルベンジルフタレートは、樹脂成分が(メタ)ア
クリレート系樹脂のみのプラスチゾルの場合に、貯蔵安
定性が良好で好適である。また、プラスチゾル調製後短
時間で使用し、粘度の経時上昇が障害にならない場合、
(メタ)アクリレート系樹脂と相溶性の良い前記アルキ
ルベンジルフタレート以外の可塑剤を、必要に応じて該
アルキルベンジルフタレートの50重量%以下の範囲で
置換、併用することができる。このアルキルベンジルフ
タレート以外の(メタ)アクリレート系樹脂と相溶性の
良い可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジヘ
キシルフタレートなどのフタル酸エステル、トリクレジ
ルホスフェート、トリオクチルホスフェートなどのリン
酸エステル、ジブチルセバケート、アセチルトリブチル
シトレートなどの脂肪酸エステルなどを挙げることがで
き、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0009】また、樹脂成分として、(メタ)アクリレ
ート系樹脂に塩化ビニル系樹脂を混合使用する場合、該
アルキルベンジルフタレートに、(メタ)アクリレート
系樹脂と相溶性の良い前記可塑剤を含め従来塩化ビニル
系樹脂に慣用されている可塑剤を、全可塑剤の50重量
%以下の範囲で必要に応じて併用することができる。こ
の併用可能な可塑剤としては、(メタ)アクリレート系
樹脂との相溶性の良い前記可塑剤の他に、従来塩化ビニ
ル樹脂プラスチゾルの可塑剤として慣用されているも
の、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、
ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オク
チルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジイソノニ
ルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフ
タレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタ
レート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレ
ート、ジノニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレー
トなどのフタル酸誘導体、ジメチルイソフタレート、ジ
−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオク
チルイソフタレートなどのイソフタル酸誘導体、ジ−2
−エチルヘキシルテトラヒドロフタレート、ジ−n−オ
クチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒ
ドロフタレートなどのテトラヒドロフタル酸誘導体、ジ
−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)
アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルア
ジペートなどのアジピン酸誘導体、ジ−(2−エチルヘ
キシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−
n−ヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘導体、ジ
−n−ブチルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマ
レート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレートなどのマ
レイン酸誘導体、ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2
−エチルヘキシル)フマレートなどのフマル酸誘導体、
トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−
n−オクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリ
テート、トリイソオクチルトリメリテート、トリ−n−
ヘキシルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテー
トなどのトリメリット酸誘導体、テトラ−(2−エチル
ヘキシル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロ
メリテートなどのピロメリット酸誘導体、トリエチルシ
トレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ
エチルシトレートなどのクエン酸誘導体、モノメチルイ
タコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコ
ネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネー
ト、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネートなどのイ
タコン酸誘導体、ブチルオレート、グリセリルモノオレ
ート、ジエチレングリコールモノオレートなどのオレイ
ン酸誘導体、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセ
チルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエ
チレングリコールモノリシノレートなどのリシノール酸
誘導体、n−ブチルステアレート、グリセリンモノステ
アレート、ジエチレングリコールジステアレートなどの
ステアリン酸誘導体、ジエチレングリコールモノラウレ
ート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタ
エリスリトール脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸誘
導体、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリス(クロロエチル)ホスフェートなどのリン酸
誘導体、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロ
ピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコ
ールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−(2
−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ−
(2−エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチ
オグリコレートなどのグリコール誘導体、グリセロール
モノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセ
ロールトリブチレートなどのグリセリン誘導体、エポキ
シ化大豆油、エポキシブチルステアレート、エポキシヘ
キサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、エポキシ
ヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリ
セライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化
オレイン酸デシルなどのエポキシ誘導体、アジピン酸系
ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系
ポリエステルなどのポリエステル系可塑剤などが挙げら
れるが、これらの中でフタル酸エステル系のものが好適
である。これらの可塑剤は1種用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよく、また可塑剤にゴム、樹
脂などの高分子化合物を溶解させたものも任意に使用す
ることができる。
【0010】本発明においては、該(メタ)アクリレー
ト系樹脂と所望に応じて用いられる塩化ビニル系樹脂と
から成る樹脂成分100重量部に対して、有機発泡剤を
1〜15重量部の割合で配合することが必要である。こ
の有機発泡剤については特に制限はなく、一般に塩化ビ
ニル系樹脂の発泡に用いられている有機発泡剤中から任
意のものを選択して使用することができる。該有機発泡
剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイ
ソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p
−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジニトロソペンタ
ンメチレンテトラミン、N,N'−ジニトロソ−N,N'−
ジメチルテレフタルアミド、トリヒドラジノトリアミン
などが挙げられる。これらの有機発泡剤は1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
本発明においては、該樹脂成分に対し、所望に応じ、他
の添加成分、例えば無機充填剤、熱安定剤、粘度調節
剤、希釈剤、着色剤、難燃剤などを配合することができ
る。該無機充填剤としては、例えば沈降性炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、極微細炭酸カルシウムなどの
炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム、あるいはシリカ、
タルク、ケイソウ土、クレー、マイカなどのケイ酸塩、
水酸化アルミニウム、アルミナなどのいずれも用いるこ
とができる。該熱安定剤としては、例えばステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜
鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウ
リン酸亜鉛などの金属セッケン、フェノールやナフトー
ルのナトリウム、亜鉛、バリウムなどの金属塩、ジブチ
ルスズジラウレート、ジブチルスズジマレートなどの有
機スズ化合物、ジエチルホスファイト、ジブチルホスフ
ァイト、ジオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシ
ルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリフェ
ニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト、トリイソオクチルホスファイトなどの亜リン酸エ
ステル類などが挙げられる。
【0011】また、粘度調節剤や希釈剤としては、例え
ばキシレン、ソルベントナフサ、ミネラルスピリット、
ジイソブチルケトン、酢酸ブチルなどの溶剤や、適当な
界面活性剤などが挙げられ、難燃剤としては、例えば三
酸化アンチモン、赤リン、ホウ酸亜鉛、有機臭化物、塩
素化パラフィンなどが挙げられる。本発明においては、
該樹脂成分、可塑剤、有機発泡剤及び必要に応じて用い
られる他の添加成分を混合するには、例えばプラネタリ
ーミキサー、ニーダー、三本ロール、ホバートミキサ
ー、バタフライミキサー、ディゾルバー、らいかい機、
リボンブレンダー、ヘンシェルミキサーなどを用いて均
一に混合すればよい。このようにして得られた混合物を
賦形するには、プラスチゾルの場合は、必要に応じて脱
泡してから離型紙上に、ドクターナイフ、リバースロー
ル、ナチュラルロール、フローティングナイフ、エアー
ナイフ、カーテンフローなどによりスプレッド塗布する
か、又はスプレーで吹付けるなどにより賦形する方法が
用いられる。塗布厚みは、次の加熱工程で発泡剤が分解
することにより気泡を含んで厚みが増すことを考慮して
決定される。次に、この塗布膜を電気炉、高周波加熱器
などを通して加熱することにより、合成レザーを得るこ
とができる。加熱温度は該有機発泡剤の分解温度以上で
あることを要する。カレンダー加工による場合は、前記
の均一混合物を、又はそれを押出機で溶融、粒状化して
得られたペレットを、通常2〜5本のロール間隙を溶融
状で通して、離型紙上に広げることにより、賦形と同時
に発泡、成形させて合成レザーを得ることができる。合
成レザーは、上記の方法により樹脂層が形成されるが、
離型紙の上に予め表皮用の薄い樹脂組成物層を施してお
くことにより、あるいは本発明に係る樹脂層の上にさら
に繊維製基布を積層することも可能である。このように
して、従来の塩化ビニル樹脂レザーに比較して、天然皮
革に近いドレープ性を有する合成レザーを得ることがで
きる。
【0012】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、合成レザーの各特性は次のよう
にして求めた。 (1)圧縮回復率 40mm×40mmのレザーの中央部に一定荷重を加えて変
形させ、荷重を除いた後の歪の回復速度を測定し、除重
初期の弾性回復に相当する領域の回復量をもって、しな
やかさの指標とした。 試験機:クリープメーター RE−3305、(株)山電
製 測定条件 測定温度;23℃ 加圧条件;8mmφプランジャー 荷重300g 加圧時間300秒 除重(回復)時間300秒 図1に示すような圧縮・回復曲線を採り、加重300秒
後の歪ε1と除重50秒後の歪ε2を求め、式 圧縮回復率(%)=(ε1−ε2)/ε1×100 により、圧縮回復率を計算する。 (2)形状回復性 200mm×200mmのレザーを、手の中で絞るように丸
め込み、10秒間握ったままの状態を保ち、10秒後に
解放状態にし、しわくちゃ状態のレザーが元の形状に戻
るまでの時間を測定する。 (3)ゾル粘度の貯蔵安定性 プラスチゾル調製後、ブルックフィールドBM型回転粘
度計[東京計器(株)製]を用いて温度23℃、相対湿度
60%の雰囲気に1時間置きローターを用いて粘度を測
定した。その雰囲気で7日間保ったのち、再度粘度測定
し、この値をプラスチゾル調製後の粘度で除した指数で
表す。
【0013】実施例1 下記の配合1にて、ホバートミキサー[品川製作所(株)
製]を用いて20分間撹拌混合し、プラスチゾルを作製
した。次いで、このプラスチゾルを皮しぼエンボスの入
った離型紙に、ドクターブレードにより250μmの厚
みに塗布し、ギヤー式オーブンで150℃にて45秒間
加熱固化させた。次に、下記の配合2で、前記配合1と
同様の混合により調製したプラスチゾルを、前記の加熱
固化させたシートにドクターブレードにより、30μm
厚に塗布したのち、メリアス基布を重ね、ロールで軽く
圧着させた。次いで、ギヤー式オーブンにて、200℃
で70秒間加熱発泡させ、厚み0.9mmの合成レザーを
作製した。この合成レザーについて特性を求めた。その
結果を第1表に示す。配合1 ポリメチルメタクリレートペースト用樹脂 70重量部 (重量平均粒径1.2μm、重量平均分子量400,000) ポリ塩化ビニルペースト用樹脂 30重量部 (重量平均粒径1.0μm、JIS平均重合度165
0) ミリスチルベンジルフタレート 70重量部 ジオクチルフタレート 30重量部 重質炭酸カルシウム 20重量部 酸化チタン 3重量部 アゾジカルボンアミド 3重量部 Ba−Zn系液状熱安定剤 3重量部配合2 ポリメタクリレートペースト用樹脂 100重量部 (ゼオンF−325) ミリスチルベンジルフタレート 120重量部 比較例1 市販の塩化ビニル樹脂製レザー[朝日化学工業(株)製、
皮しぼ模様、厚み0.9mm]について、特性を求めた。
その結果を第1表に示す。 比較例2 天然皮革(シープスキン、厚み0.5mm)について、特
性を求めた。その結果を第1表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2〜6、比較例3〜7 第2表に示す配合にて、石川工場(株)製18号らいかい
機を用い、15分間撹拌混合してプラスチゾルを調製し
た。次いでプラスチゾルを離型紙にドクターブレードで
厚さ250μmに塗布し、200℃で70秒間加熱し
た。プラスチゾルの粘度の貯蔵安定性、発泡レザーの圧
縮回復率及び形状回復率を求めた。結果を第2表に示
す。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】[注] 1)重量平均粒径1.2μm、重量平均分子量400,0
00 2)重量平均粒径1.0μm、重量平均重合度1650 3)ポリマー組成(重量比):メチルメタクリレート/
スチレン=7/3 重量平均粒径1.2μm、重合平均分子量300,000 実施例7 ステンレス製反応器に、脱イオン水200重量部、分散
剤ポリアクリル酸ナトリウム2重量部、分散助剤リン酸
水素ニナトリウム6重量部、ラジカル重合開始剤アゾビ
スイソブチロニトリル1.3重量部、メチルメタクリレ
ート単量体100重量部及び連鎖移動剤四塩化炭素0.
1重量部を仕込み、78℃にて重合し、重合転化率96
%で反応を停止した。乾燥して得られた樹脂粉末Aは平
均粒径100μm、重量平均分子量700,000であ
った。次に、下記配合3にて、2本ロールを用い、15
0℃で5分間混練してシートを得、これを隣接の逆L字
4本ロールを通すことにより220℃で60秒間加熱
し、発泡レザーを得た。圧縮回復率は33.1%、形状
回復時間は20分以上であった。配合3 ポリメチルメタクリレート樹脂粉末A 50重量部 ポリ塩化ビニル汎用樹脂 50重量部 (重量平均粒径135μm、JIS平均重合度820) ミリスチルベンジルフタレート 40重量部 ジオクチルフタレート 40重量部 アゾジカルボンアミド 3重量部 Ca−Zn系液状熱安定剤 3重量部
【0019】
【発明の効果】本発明によると、風合いやドレープ性が
天然皮革に近い合成レザーを容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、レザーの圧縮回復率を算出するための
圧縮・回復歪曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 3/06 C08J 9/06 C08L 27/06 C08L 33/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリレート系樹脂50〜100
    重量%と塩化ビニル系樹脂50〜0重量%とから成る樹
    脂成分100重量部に対し、アルキル基の炭素数6〜1
    6であるアルキルベンジルフタレート40〜200重量
    部及び有機発泡剤1〜15重量部を配合し、賦形、加熱
    することを特徴とする合成レザーの製造方法。
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