JP2000178394A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2000178394A
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Osayasu Noda
修康 野田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化水素ガスの発生を抑制するとともに、成
形性、塗工性、耐候性等に優れた塩化ビニル系樹脂組成
物、特に壁紙や自動車レザーとして有用な塩化ビニル系
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
可塑剤、平均粒径0.1〜10μmの範囲内の炭酸カル
シウム50〜200重量部、ヒドロキシ基をもった有機
エステル化合物0.5〜10重量部を、それぞれ配合し
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼時に塩化水素
ガスの発生を抑制し、成形性、塗工性、耐候性等に優れ
た塩化ビニル系樹脂組成物、特に壁紙や自動車レザーと
して有用な塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂で成形された製
品、例えば、壁紙や自動車レザーなどは、比較的安価で
あり、加工性に優れ、難燃性や手触り感が良好であるた
め、広く使用されてきた。これらは通常、塩化ビニル系
樹脂に、可塑剤、充填剤、安定剤、顔料、あるいは発泡
剤等をブレンドし、押出成形、射出成形、カレンダー成
形等によって成形される場合と、塩化ビニル系ペースト
レジンに、可塑剤、充填剤、安定剤、顔料、あるいは希
釈剤及び発泡剤等をブレンドし、ペースト加工される場
合とがある。上記塩化ビニル系樹脂製のものは、焼却時
に金属等を腐食させる塩化水素ガスを発生するという問
題があり、近年、ポリ塩化ビニルの使用制限まで考えら
れるようになってきた。しかし、ポリ塩化ビニルは重量
の6割程度が塩素であり、限られた資源である石油の消
費が少なく、省資源性のプラスチックであるという利点
を有するため、塩化水素ガスの発生が少ない塩化ビニル
系樹脂が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この塩化水素ガスの発
生を抑制するために、塩化ビニル系樹脂に大量の炭酸カ
ルシウムを添加する方法が行われているが、捕捉率が十
分に満足できるものではなかった。このため、平均粒径
が0.1μm以下の炭酸カルシウムを添加することで、
捕捉率を高める方法も行われている。しかしながら、塩
化ビニル系樹脂を使用してカレンダー成形等を行う場合
には、粒径の細かい炭酸カルシウムが2次凝集を起こ
し、配合物のブロッキングや金属への粘着といった問題
が生じ、成形性を悪くしてしまうという不利があった。
また、塩化ビニル系ペーストレジンを使用してペースト
加工を行う場合には、粘度を著しく高めてしまうため、
加工するのが困難であるという問題があった。従って、
本発明は、上記問題点を解決するものであり、塩化水素
ガスの発生を抑制するとともに、成形性、塗工性、耐候
性に優れ、特に壁紙や自動車レザーとして有用である塩
化ビニル系樹脂組成物の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ヒドロキシ基をも
った有機エステル化合物を用いることによって、平均粒
径が0.1μm以下の炭酸カルシウムを使用しなくても
十分に塩化水素ガスの発生を抑制できるとともに、平均
粒径が0.2μm以上の炭酸カルシウムを採用すること
によって、成形性、塗工性、耐候性に優れ、しかも壁紙
や自動車レザーとして有用である塩化ビニル系樹脂組成
物を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明の塩化ビニル系樹脂組成
物は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、可塑剤、
平均粒子径0.2〜10μmの範囲内の炭酸カルシウム
50〜200重量部、ヒドロキシ基をもった有機エステ
ル化合物0.5〜10重量部を配合してなるものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を構成す
る塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単独重合体、
50重量%以上の塩化ビニル単量体と、これと共重合可
能なビニル系単量体との共重合体、またはこれら以外の
重合体に塩化ビニルをグラフト重合させたグラフト共重
合体等が挙げられるが、中でも塩化ビニル単独重合体が
好ましい。
【0007】ここで、塩化ビニル単量体と共重合可能な
ビニル系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニル、カブ
ロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル
等のビニルエステル類;ブチルビニルエーテル、オクチ
ルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、フェニル
ビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;エチル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ス
テアリルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリ
ル酸のエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の
芳香族ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニル、臭化
ビニル、塩化プロピレン等のハロゲン化オレフィン類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド等のN−置換マレイミド類;アクリル酸、メタクリル
酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン
酸等のアクリル系誘導体等が挙げられ、これらは一種単
独または2種以上の組み合わせで用いられる。
【0008】塩化ビニル単量体とグラフト重合可能な重
合体としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチ
レン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・エチル
アクリレート・一酸化炭素共重合体、エチレン・メチル
メタクリレート共重合体、エチレン・プロピレン共重合
体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ポリウレ
タン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、メ
チルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体、
アクリロニトリル・ブタジエン・α−メチルスチレン共
重合体、ポリブチルアクリレート、ブチルゴム、ポリス
チレン、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリルゴム
等が挙げられ、これらは一種単独または2種以上の組み
合わせで用いられる。また、これらは上記塩化ビニル単
量体と共重合可能な不飽和基を1個以上有する単量体と
併用しても良い。
【0009】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を構成す
る可塑剤としては、上記で例示した塩化ビニル系樹脂と
相溶性のあるものであればよく、これには例えば、フタ
ル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フ
タル酸ブチルベンジルまたは炭素数11〜13程度の高
級アルコールのフタル酸エステル等のフタル酸エステル
類;アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシ
ル、セバシン酸ジブチルとの脂肪族二塩基酸エステル
類;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−n−エチルヘ
キシル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル等の
リン酸エステル類;トリメリット酸−トリ−2−エチル
ヘキシル、トリメリット酸トリブチル等のトリメリット
酸エステル類;ペンタエリスリトールエステル、ジエチ
レングリコールベンゾエート等のグリコールエステル
類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキ
シ化エステル類;アセチルトリブチルシトレート、アセ
チルトリオクチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレ
ート等のクエン酸エステル類;テトラ−n−オクチルピ
ロメリテート、ポリプロピレンアジペート、その他ポリ
エステル系可塑剤等が挙げられ、これらは一種単独また
は2種以上の組み合わせで使用される。中でも機械的強
度、耐候性等を考慮するとフタル酸エステル類が好まし
く採用される。また、これらの可塑剤は、壁紙や自動車
レザーとして用いる場合には、上記塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して30〜150重量部の範囲で添加す
るのが好ましい。
【0010】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を構成す
る炭酸カルシウムとしては、平均粒径0.2〜10μm
の範囲、好ましくは0.5〜8μm、さらに好ましくは
1〜5μmの範囲のものが使用される。炭酸カルシウム
の平均粒径が0.1μm以下のものでは、塩化ビニル系
樹脂を使用したカレンダー成形等では、粒径の細かい炭
酸カルシウムが2次凝集を起こし、配合物のブロッキン
グや金属への粘着といった問題があり、成形性を悪くし
てしまう。また、塩化ビニル系ペーストレジンを使用し
たペースト加工の場合は、粘度を著しく高めてしまうた
め好ましくない。この平均粒径が0.1μmを超えた場
合には、上記欠点を解消できるが、0.2μm未満で
は、実用的効果を発揮できないため、実用性を考慮する
と、0.2μm以上である。また、平均粒径が10μm
を超えた場合、塩化水素ガスの発生量が多くなるので好
ましくない。本発明に用いられる炭酸カルシウムは、上
記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して50〜200
重量部の範囲で添加される。これが50重量部未満では
塩化水素ガスの捕捉効果が十分ではなく、逆に200重
量部を超えると物性低下を招いたり、あるいはペースト
粘度を高めて塗工性が低下するので好ましくない。な
お、上記炭酸カルシウムには、脂肪酸等で表面処理して
いないものを使用したほうが、ペースト加工の際の粘度
が低くなるので好ましい。
【0011】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を構成す
るヒドロキシ基をもった有機エステル化合物としては、
通常用いられているものであれば特に制限はないが、好
ましくはアルコール性水酸基を含む二官能基のヒドロキ
シポリエステルが採用される。また、上記有機エステル
化合物は、例えば、アジピン酸、セバシン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸等のカルボン酸とエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコ
ール、2,2−ジメチルプロピレングリコール、ペンタ
エリスリトール、ソルビトール、グリセリンなどの多価
アルコールから製造されるが、塩化ビニル系樹脂との相
溶性及び作業性の点からベンジルブチルフタレートで希
釈し粘度調整した溶液が主に使用される。この有機エス
テル化合物は、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部の範
囲で添加される。これが0.5重量部未満では、塩化水
素ガスの抑制効果及び変色防止効果が得られず、10重
量部を超えても比例的に効果が得られるわけではなく不
経済である。
【0012】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必
要に応じて、塩化ビニル系樹脂に一般的に使用される安
定剤、滑剤、改質剤、充填剤、発泡剤、希釈剤、着色剤
等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加配
合することができる。安定剤としては、例えば、三塩基
性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩
基性フタル酸鉛、鉛白、鉛のラウレートまたはステアレ
ート等の鉛系安定剤;ブチル錫マレート、オクチル錫マ
レート、ジ−n−アルキル錫メルカプチド、ジ−n−ア
ルキル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチ
ル錫ラウリルメルカプチド、ジ−オクチル錫S,S’−
ビス−(イソオクチル−メルカプトアセテート)、ジブ
チル錫ビス−イソオクチルチオグリコレート、ジ−(n
−オクチル)錫マレートポリマー、ジブチル錫メルカプ
トプロピオナート等の錫系安定剤;カルシウム、カドミ
ウム、バリウムまたは亜鉛のラウレートまたはステアレ
ート等の有機金属塩系安定剤及び金属石ケン系安定剤;
アンチモンメルカプトカルボン酸塩またはエステル塩の
ようなアンチモン系安定剤;ホスフェート系安定剤;エ
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化油
安定剤、BHT、硫黄、メチレン基等で二量体化したビ
スフェノール等のヒンダートフェノール、サリチル酸エ
ステル、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等の紫外
線吸収剤が挙げられ、これらは1種単独または2種以上
を組み合せて使用される。
【0013】滑剤としては、例えば、低分子ワックス、
ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、流動パラ
フィン等の脂肪族炭化水素系滑剤;ステアリルアルコー
ル等の高級脂肪族アルコール系滑剤;ステアリン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド
等の脂肪族アミド系滑剤;モノステアリン酸グリセリ
ン、ジアミノステアリン酸エチル、ブチルステアレート
等の脂肪酸エステル系滑剤;あるいは金属石けん、シリ
コーンオイル等が挙げられ、これらは1種単独または2
種以上を組み合せて使用される。
【0014】改質剤としては、例えば、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合
体、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート・ブタ
ジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジ
エン・スチレン共重合体、アクリルゴム等の耐衝撃改良
剤;ポリメチルメタクリレート等のゲル化促進剤;アク
リロニトリル・ブタジエン・α−メチルスチレン共重合
体、メチルメタクリレート・アクリル酸エステル共重合
体、その他マレイミドを使用した共重合体等の耐熱改質
剤;三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、アンチモ
ン酸ソーダ、リン酸エステル及びリン酸化合物、塩素化
パラフィン、塩素化オレフィン、ヘキサブロモベンゼン
等の難燃化剤;部分架橋NBR、アクリルゴム、ポリウ
レタン等の弾性付与剤;さらには発泡剤、帯電防止剤、
界面活性剤、導電性付与剤等の中から任意に選択し、1
種単独または2種以上を組み合せて使用される。
【0015】充填剤としては、例えば、炭酸マグネシウ
ム、ドーソナイト等の炭酸塩系;シリカ、ケイ藻土、酸
化チタン等の酸化物系;水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム等の水酸化物系;硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム等の(亜)硫酸塩系;タルク、クレー、マイカ、ケ
イ酸カルシウム等のケイ酸塩系;カーボンブラック、グ
ラファイト等の炭素系;中空または中実ガラスビーズ、
ガラス短繊維、金属繊維、カーボン短繊維、カーボン繊
維等の無機繊維系;鉄粉、銅粉等の金属粉系;ポリイミ
ド、シリコーン等の耐熱性樹脂等が挙げられ、これらは
1種単独または2種以上を組み合せて使用される。
【0016】着色剤としては、通常、プラスチックの着
色に慣用されているものの中から任意のものを選択して
用いることができる。このような着色剤としては、例え
ば、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉類、カーボ
ンブラック等の炭素塩類、酸化チタン、亜鉛華、べんが
ら等の酸化物類、沈降性硫酸バリウム等の硫酸塩類、塩
基性炭酸マグネシウム等の炭酸塩類、クレー、群青等の
ケイ酸塩類、黄鉛等のクロム酸塩類、コバルトブルー等
のアルミン酸塩類、紺青等のフェロシアン化合物類等の
無機顔料;トルイジンレッド、パーマネントカーミンF
B、ジスアゾエローAAA、レーキレッドC等のアゾ顔
料類、フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、
キナクリドンレッド等の多環式顔料類、ビクトリアピュ
アブルーBOレーキ、アルカリブルートーナー等の染付
レーキ類、アジン顔料類、蛍光顔料類等の有機顔料及び
塩基性染料、酸性染料、油溶染料、分散染料等の染料が
挙げられ、これらは1種単独または2種以上を組み合せ
て使用される。
【0017】発泡剤としては、例えば、アゾジカルボン
アミド(ADCA)、アゾイソブチロニトリル(AIB
N)、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OB
SH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド(TSH)
等が挙げられる。
【0018】希釈剤は、主にペースト加工される塩化ビ
ニル系樹脂組成物の場合に使用され、ペーストレジンの
粘度降下を目的として使用されるものであり、例えば、
ミネラルスピリット、ケロシン等の脂肪族系炭化水素等
が挙げられる。
【0019】このような上記各成分からなる塩化ビニル
系樹脂組成物は、押出成形、射出成形、カレンダー成形
およびペースト加工によって所望の製品にされるが、こ
の時の成形条件や製造装置などは、従来の塩化ビニル系
樹脂組成物と同様でよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例及び比較
例により説明するが、本発明はこれらの記載に限定され
るものではない。 [実施例1〜4、比較例1〜5の試料作製]表1及び表
2に示した処方の各成分を、容量20リットルのヘンシ
ェルミキサーに投入して混合し、その混合物を6インチ
テストロールを用いて、150℃で10分間混練して、
厚さ0.2mmのロールシートを得た。このロールシー
トを酢酸ビニルエマルジョンを塗った難燃紙に貼り付
け、次いで220℃のギアオーブンに1分間放置して発
泡させたものを試料とした。
【0021】[実施例5〜8、比較例6〜10の試料作
製]表3及び表4に示した処方の各成分を、攪拌機で1
0分間混合し、ペーストゾルを作製した。このペースト
ゾルを難燃紙に厚さ0.2mmになるように塗布し、加
熱ゾル化した後、220℃のギアオーブンに1分間放置
して発泡させたものを試料とした。これらの試料につい
て、以下のように評価を行い、その結果を表1〜表4に
示した。なお、各成分の明細は次のとおりである。
【0022】[成分の明細] ・塩化ビニル系樹脂(表中、PVCとする):TK−1
300(信越化学工業社製、商品名、平均重合度130
0)。 ・塩化ビニル系ペーストレジン(表中、PVCペースト
とする):121(日本ゼオン社製、商品名、平均重合
度1650)。 ・可塑剤:DINP(新日本理化社製、商品名) ・炭酸カルシウムA:ホワイトンSB(備北粉化工業社
製、商品名、平均粒径1.85μm)。 ・炭酸カルシウムB:スーパー#2300(丸尾カルシ
ウム社製、商品名、平均粒径1.00μm)。 ・炭酸カルシウムC:ネオライトSP(竹原化学工業社
製、商品名、平均粒径0.08μm)。 ・ヒドロキシ基をもった有機エステル化合物:Bond
ing Agent TN/S50(バイエルジャパン
社製、商品名、ベンジルブチルフタレート50%) ・Ba−Zn系安定剤:OF−30G(旭電化工業社
製、商品名) ・発泡剤:ユニホームAZS(大塚化学社製、商品名) ・希釈剤:ミネラルスピリットA(日本石油社製、商品
名)
【0023】[試験方法の明細] ・塩化水素ガス発生量の測定 試料を用いて、JIS K7217の方法に準じて行っ
た。すなわち、試料約0.1gを試料皿に量り採り、こ
れを加熱燃焼させて燃焼ガスの捕集を行い、塩化水素ガ
ス発生量を表1〜表4に示した。
【0024】・成形性:実施例1〜4、比較例1〜5の
試料作製時の配合物の状態及びテストロールへの粘着感
を次のように評価した。 (評価基準) ○:配合物のブロッキングもなく、テストロールへの粘
着感もない。 △:配合物は、ブロッキングするが、テストロールへの
粘着感はない。配合物のブロッキングはないが、テスト
ロールへの粘着感は多少ある。 ×:配合物は、ブロッキングを起こし、テストロールへ
の粘着感もある。
【0025】・塗工性:実施例5〜8、比較例6〜10
の試料作製時に、ペーストゾルを難燃紙に塗布したとき
の作業性を塗工性とし、次のように評価した。 (評価基準) ○:ペースト粘度は低く、問題なく塗工できる。 △:ペースト粘度はやや高いが、塗工できる。 ×:ペースト粘度が高すぎて、塗工できない。
【0026】・耐候性試験:試料を用いて、幅30m
m、長さ30mmの試験片を採り、サンシャインウェザ
オメーターを用いて、80℃で400時間照射した後、
変色及び劣化の度合を下記の評価基準で表した。 (評価基準) 5:変色及び劣化が全く認められない。 4:変色及び劣化がわずかに認められるが目立たない。 3:変色及び劣化が明らかに認められるが目立たない。 2:変色及び劣化がやや著しいもの。 1:変色及び劣化がかなり著しいもの。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】[評価の結果]表1及び表3の結果から明
らかなように、本発明の実施例では、塩化水素ガスの発
生を抑制でき、成形性、塗工性、耐候性等の全てに優れ
ているのに対し、表2及び表4の結果に示す比較例で
は、上記評価のいずれかに欠点があり、望ましいもので
はなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、塩化水素ガスの発生を
抑制できるとともに、成形性、塗工性、耐候性等の特性
に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供でき、特に壁紙
や自動車レザーとして好適に使用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    可塑剤、平均粒径0.2〜10μmの範囲内の炭酸カル
    シウム50〜200重量部、ヒドロキシ基をもった有機
    エステル化合物0.5〜10重量部を配合してなること
    を特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
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