JPH11302485A - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物と、これによる車両内装成形体 - Google Patents

ポリ塩化ビニル系樹脂組成物と、これによる車両内装成形体

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JPH11302485A
JPH11302485A JP10116413A JP11641398A JPH11302485A JP H11302485 A JPH11302485 A JP H11302485A JP 10116413 A JP10116413 A JP 10116413A JP 11641398 A JP11641398 A JP 11641398A JP H11302485 A JPH11302485 A JP H11302485A
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polyvinyl chloride
chloride resin
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resin composition
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Osayasu Noda
修康 野田
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼時に塩化水素ガスの発生を抑制し、機械的
強度、摩耗性、艶消感に優れた、特には自動車等の車両
内装成形体の製造原料として有用な、射出成形性に優れ
たポリ塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】このポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、部分
的に架橋したポリ塩化ビニル系樹脂25〜50重量%と架橋
していない平均重合度が 2,000〜4,000 のポリ塩化ビニ
ル系樹脂50〜75重量%からなるポリ塩化ビニル系樹脂混
合物 100重量部に、可塑剤50〜 150重量部、平均粒子径
0.1μm以下の炭酸カルシウム50〜 100重量部及びシリ
コンオイル 0.1〜5重量部を配合してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼時に塩化水素
ガスの発生を抑制し、機械的強度、摩耗性、艶消感に優
れた、特には自動車等の車両内装成形体の製造原料とし
て有用な、射出成形性に優れたポリ塩化ビニル系樹脂組
成物と、これから得られる車両内装成形体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両内装材料であるシフトレ
バーノブ、アシストグリップ等の表皮材には、コストも
さることながら、柔軟性、耐候性、成形性に優れたポリ
塩化ビニル系樹脂製の射出成形体が多用されてきた。と
ころが近年、ポリ塩化ビニル系樹脂は、焼却時に人体に
有害なほか金属等を腐食させる恐れのある塩化水素ガス
を発生するということから、使用制限まで考えられるよ
うになってきた。しかし、ポリ塩化ビニル系樹脂は重量
の6割程度が塩素であり、限りある資源である石油の消
費が少なく、省資源性のプラスチックであるため、塩化
水素ガスの発生の少ないポリ塩化ビニル系樹脂の開発が
求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】塩化水素ガスの発生を
抑制するために、ポリ塩化ビニル系樹脂に多量の炭酸カ
ルシウム等の無機充填剤を添加する方法が提案されてい
るが、これでは引張強度、伸び、摩耗性等を低下させて
しまうので、人の手で強く握られることのあるシフトレ
バーノブやアシストグリップ等の表皮材では、破損の虞
があるほか、熱安定性、耐候性を低下させる問題もあっ
て使用できないでいた。また塩化水素ガスの捕捉効果を
高めるために、平均粒子径を微小にした炭酸カルシウム
の使用も提案されているが、平均粒子径が小さくなるに
つれて炭酸カルシウムの凝集力、付着力が大きくなり、
ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を調製する際の作業性およ
び射出成形時の金型離型性が悪くなり使用できないでい
た。このため、少ない添加量で塩化水素ガスの捕捉効果
の高い水酸化リチウム等の無機化合物の利用も提案され
たが、コストが高い上、強アルカリ性で初期着色や劣化
を起こし易く、製品としての耐久性に乏しいことなどか
ら、車両内装材料として使用できる状態ではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】一般に、ポリ塩化ビニル
系樹脂製品の機械的強度、摩耗性等の低下を防ぐには、
ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度を高めればよいこと
が知られているが、シフトレバーノブやアシストグリッ
プ等の表皮材では同時に艶消性を高めることが必要であ
る。本発明者は、鋭意研究の結果、部分的に架橋したポ
リ塩化ビニル系樹脂と架橋していない平均重合度が 2,0
00以上のポリ塩化ビニル系樹脂とを特定の比率でブレン
ドし、シリコーンオイルを所定量添加すると、機械的強
度、摩耗性および艶消性に優れた成形体の得られるこ
と、また同時に、平均粒子径が微小な炭酸カルシウムが
原因となっていた配合時の作業性および射出成形時の金
型離型性についても、シリコーンオイルの添加が有効で
あることを見出して、本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、部分的に架橋したポ
リ塩化ビニル系樹脂25〜50重量%と架橋していない平均
重合度が 2,000〜4,000 のポリ塩化ビニル系樹脂(以
下、単に架橋していないポリ塩化ビニル系樹脂とする)
50〜75重量%からなるポリ塩化ビニル系樹脂混合物 100
重量部に、可塑剤50〜 150重量部、平均粒子径 0.1μm
以下の炭酸カルシウム50〜 100重量部及びシリコンオイ
ル 0.1〜5重量部を配合してなるポリ塩化ビニル系樹脂
組成物に係り、また上記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物か
ら射出成形されてなる車両内装成形体に関するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。上記ポリ塩化ビニル系樹脂混合物中の部分的に架
橋したポリ塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単量体単独
または塩化ビニル単量体を50重量%以上含有する塩化ビ
ニル単量体と他の共重合可能なビニル系単量体との混合
物を懸濁重合する際に、所望する架橋度に応じた量の多
官能性モノマーを加えることによって得ることができ
る。
【0007】多官能性モノマーは、塩化ビニル単量体ま
たは塩化ビニル単量体と他の共重合可能なビニル系単量
体との混合物 100重量部に対して、0.01〜10重量部添加
されるが、この多官能性モノマーとしては、エチレン性
二重結合を分子内に二個以上含有するモノマー、例えば
ジアリルフタレート等のフタル酸のジアリルエステル
類;ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリ
ルイタコネート等のエチレン性不飽和二塩基酸のジアリ
ルエステル類;ジアリルエーテル、トリアリルシアヌレ
ート、エチレングリコールジビニルエーテル、n−ブタ
ンジオールジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレート等の多価アルコールのジ(メタ)アクリル酸エ
ステル類:等が挙げられ、これらは単独または2種以上
の組み合わせで用いられる。
【0008】部分的に架橋したポリ塩化ビニル系樹脂
は、テトラヒドロフランに不溶なゲル分が5〜50重量
%、特には15〜25重量%であることが好ましい。ゲル分
が5重量%未満では艶消し効果が不十分であり、また50
重量%を超えると機械的強度が低下し、成形性も著しく
悪化するので好ましくない。
【0009】ポリ塩化ビニル系樹脂混合物中の架橋して
いないポリ塩化ビニル系樹脂は、平均重合度が 2,000〜
4,000 のテトラヒドロフランに完全に溶解するもので、
塩化ビニル単量体単独または塩化ビニル単量体を50重量
%以上含有する塩化ビニル単量体と他の共重合可能なビ
ニル系単量体との混合物を懸濁重合することで容易に得
ることができる。平均重合度は塩化ビニル系樹脂組成物
の成形性と得られた成形品の機械的物性とのバランスか
ら決められるもので、平均重合度が 2,000未満では表皮
材としての強度を維持することができず、逆に 4,000を
超えると成形が困難となる。
【0010】部分的に架橋したポリ塩化ビニル系樹脂及
び架橋していないポリ塩化ビニル系樹脂の製造に用いら
れる、他の共重合可能なビニル系単量体としては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;
2−エチルへキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテルなどのアルキルビニルエーテル類;アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸
またはそのエステル類;メタクリル酸、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸2−エチルへキシルなどのメタクリ
ル酸またはそのエステル類;エチレン、プロピレンなど
のオレフィン類;塩化ビニリデン、ふっ化ビニル等の塩
化ビニルを除くハロゲン化オレフィン類;マレイン酸ま
たはそのエステル類;無水マレイン酸、アクリロニトリ
ル、スチレンなどのアクリル系誘導体;N−t−ブチル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−
置換マレイミド類が挙げられ、これらは単独または2種
以上の組合せで用いられる。
【0011】部分的に架橋したポリ塩化ビニル系樹脂と
架橋していないポリ塩化ビニル系樹脂との混合比は、艶
消感と機械的強度のバランスから、部分的に架橋したポ
リ塩化ビニル系樹脂を25〜50重量%、架橋していないポ
リ塩化ビニル系樹脂を50〜75重量%とされる。
【0012】ポリ塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる
可塑剤は、上記ポリ塩化ビニル系樹脂混合物と相溶性が
あればよく、これには例えば、フタル酸ジメチル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オ
クチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジ
ルまたは炭素数11〜13程度の高級アルコールのフタル酸
エステル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジブチ
ル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジブチル
等の脂肪族二塩基酸エステル類;リン酸トリブチル、リ
ン酸トリ−2−n−エチルヘキシル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類;トリメ
リット酸−トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸
トリブチル等のトリメリット酸エステル類;ペンタエリ
スリトールエステル、ジエチレングリコールベンゾエー
ト等のグリコールエステル類;エポキシ化大豆油、エポ
キシ化アマニ油等のエポキシ化エステル類;アセチルト
リブチルシトレート、アセチルトリオクチルシトレー
ト、トリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸エステル
類;テトラ−n−オクチルピロメリテート、ポリプロピ
レンアジペート、その他ポリエステル系可塑剤等が挙げ
られ、これらは単独または2種以上の組み合わせで使用
されるが、これらの内では機械的強度、耐候性等を考慮
してフタル酸エステル類を採用するのが好ましい。
【0013】これらの可塑剤は上記ポリ塩化ビニル系樹
脂混合物 100重量部に対して50〜 150重量部の範囲で添
加される。これが50重量部未満では表皮材としての柔軟
性が得られず、 150重量部を超えると強度が低下し破損
する虞があるばかりか、ブリードアウトを起こしベタツ
キ感を生じるため、人の手で握られる表皮材として適さ
ない。
【0014】ポリ塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる
炭酸カルシウムは平均粒子径 0.1μm以下、好ましくは
0.01〜0.08の範囲のものである。平均粒子径が 0.1μm
を超えるものは比表面積が小さく、塩化水素ガスの捕捉
効果が少ないので好ましくない。この炭酸カルシウムは
上記ポリ塩化ビニル系樹脂混合物 100重量部に対して50
〜 100重量部の範囲で添加される。これが50重量部未満
では塩化水素ガスの捕捉効果が十分でなく、 100重量部
を超えると強度、熱安定性、耐候性などが低下するよう
になる。なお、上記炭酸カルシウムは脂肪酸等で表面処
理したものの方が分散性の点からより好ましい。
【0015】ポリ塩化ビニル系樹脂組成物に用いられシ
リコーンオイルは、通常市販されているものでもよい
が、上記ポリ塩化ビニル系樹脂混合物との親和性及び離
型効果を考慮してフェニル基を1モル%以上含有するポ
リメチルフェニルシロキサンが適している。この粘度は
配合時の作業性から 400〜5,000cStのものが好ましい。
シリコーンオイルは上記ポリ塩化ビニル系樹脂混合物 1
00重量部に対して 0.1〜5重量部、好ましくは1〜3重
量部の範囲で添加される。これが 0.1重量部未満では配
合時の作業性および射出成形時の金型離型性は改善され
ず、また5重量部を超えると成形が困難になるほか、ブ
リードアウトを起こして製品の外観を損ねるようにな
る。
【0016】ポリ塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に
応じて、塩化ビニル系樹脂に一般に使用される、安定
剤、滑剤、改質剤、充填剤、着色剤等を、本発明の目的
を損なわない範囲で配合することができる。
【0017】安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸
鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性フ
タル酸鉛、鉛白、鉛のラウレートまたはステアレート等
の鉛系安定剤;ブチル錫マレート、オクチル錫マレー
ト、ジ−n−アルキル錫メルカプチド、ジ−n−アルキ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫
ラウリルメルカプチド、ジ−オクチル錫S,S’−ビス
(イソオクチル−メルカプトアセテート)、ジブチル錫
ビス−イソオクチルチオグリコレート、ジ−(n−オク
チル)錫マレートポリマー、ジブチル錫メルカプトプロ
ピオナート等の錫系安定剤;カルシウム、カドミウム、
バリウムまたは亜鉛のラウレートまたはステアレート等
の有機金属塩系安定剤および金属石ケン系安定剤;アン
チモンメルカプトカルボン酸塩またはエステル塩のよう
なアンチモン系安定剤;ホスフェート系安定剤;エポキ
シ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化植物油
系安定剤、BHT(ブタレートヒドロキシトルエン)等
の酸化防止剤;硫黄、メチレン基等で二量体化したビス
フェノール等のヒンダートフェノール、サリチル酸エス
テル、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等の紫外線
吸収剤が挙げられ、これらは単独または2種以上の組み
合わせて使用される。
【0018】滑剤としては、例えば、低分子ワックス、
ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、流動パラ
フィン等の脂肪族炭化水素系滑剤;ステアリルアルコー
ル等の高級脂肪族アルコール系滑剤;ステアリン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド
等の脂肪族アミド系滑剤;モノステアリン酸グリセリ
ン、ジアミノステアリン酸エチル、ブチルステアレート
等の脂肪族エステル系滑剤;あるいは金属石ケン等が挙
げられ、これらは単独または2種以上の組み合わせて使
用される。
【0019】改質材としては、例えば、エチレン・酢酸
ビニル系共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合
体、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート・ブタ
ジエン・スチレン共重合体、アクリルニトリル・ブタジ
エン・スチレン共重合体、アクリルゴム等の耐衝撃改良
剤;ポリメチルメタクリレート等のゲル化促進剤;アク
リロニトリル・ブタジエン・α−メチルスチレン共重合
体、メチルメタクリレート・アクリル酸エステル共重合
体、その他マレイミドを使用した共重合体等の耐熱改質
剤;三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、アンチモ
ン酸ソーダ、リン酸エステルおよびリン酸化合物、塩素
化パラフィン、塩素化オレフィン、ヘキサブロモベンゼ
ン等の難燃化剤;部分架橋NBR、アクリルゴム、ポリ
ウレタン等の弾性付与剤;さらには発泡剤、帯電防止
剤、界面活性剤、導電性付与剤等の中から任意に選択
し、1種単独または2種以上の組み合わせて使用され
る。
【0020】充填剤としては、例えば、炭酸マグネシウ
ム、ドーソナイト等の炭酸塩系;シリカ、ケイ藻土、酸
化チタン等の酸化物系;水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム等の水酸化物系;硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム等の(亜)硫酸塩系;タルク、クレー、マイカ、ケ
イ酸カルシウム等のケイ酸塩系;カーボンブラック、グ
ラファイト等の炭素系;中空又は中実ガラスビーズ、ガ
ラス短繊維、金属繊維、カーボン短繊維、カーボン繊維
等の無機繊維系;鉄粉、銅粉等の金属粉系;ポリイミ
ド、シリコーン等の耐熱性樹脂が挙げられ、これらは単
独または2種以上の組み合わせて使用される。
【0021】着色剤は従来プラスチックの着色に慣用さ
れているものの中から任意のものを選択して用いること
ができる。このような着色剤としては、例えば、アルミ
ニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉類、カーボンブラック
等の炭素塩類、酸化チタン、亜鉛華、べんがら等の酸化
物類、沈降性硫酸バリウム等の硫酸塩類、炭酸カルシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等の炭酸塩類、クレー、群
青等のケイ酸塩類、黄鉛等のクロム酸塩類、コバルトブ
ルー等のアルミン酸塩類、紺青等のフェロシアン化合物
類等の無機顔料;トルイジンレッド、パーマネントカー
ミンFB、ジスアゾエローAAA、レーキレッドC等の
アゾ顔料類、フタロシアニンブルー、インダントロンブ
ルー、キナクリドンレッド等の多環式顔料類、ビクトリ
アピュアブルーBOレーキ、アルカリブルートーナー等
の染付レーキ類、アジン顔料類、蛍光顔料類等の有機顔
料および塩基性染料、酸性染料、油溶染料、分散染料等
の染料が挙げられ、これらは単独または2種以上の組み
合わせて使用される。
【0022】上記各成分からなるポリ塩化ビニル系樹脂
組成物は、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、リ
ボンブレンダー等の混合機によって混合された後、バン
バリーミキサー、ミキシングロール、単軸または二軸押
出機等により混練し、造粒される。これを通常用いられ
ている方法及び条件で射出成形されたインナーを金型に
配置し、上記造粒物を加熱・溶融し、金型内に射出成形
することにより、車両内装成形体として好適な表皮材を
作製することができる。
【0023】インナー材としては、ナイロン、ポリアセ
タール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレン等の結晶性熱可塑性樹脂
及びこれらをガラス繊維、カーボン繊維、ケプラー繊
維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、中空・中実ガラ
スビーズ等で強化された熱可塑性樹脂成形体、さらには
熱硬化性樹脂成形体、金属加工体等、ポリ塩化ビニル系
樹脂組成物と接触しても問題のないものが適している。
以下、本発明の具体的態様を実施例及び比較例により説
明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものでは
ない。
【0024】
【実施例】表1および表2に示した処方の各成分(重量
部)を、容量20リットルのヘンシェルミキサーに投入し
て混合し、その混合物をL/D=22、圧縮比 3.0のフル
フライトスクリューを使用した50mm二軸押出機にて造粒
して試料(ペレット)を得た。次に、ナイロンで射出成
形されたシフトレバーノブのインナーを、シフトレバー
ノブのアウター金型にインサートした。 180tの汎用射
出成形機にて上記試料(ペレット)を樹脂温度 190℃に
て上記アウター金型内に射出し、所定の時間冷却した
後、金型から取り出したところ、シフトレバーノブが得
られた。製造過程の各試料を下記の方法で評価し、その
結果を表1および表2に併記した。なお、使用した成分
及び評価方法の明細は下記の通りである。
【0025】(成分の明細) ・塩化ビニル系樹脂 GR-1300S (信越化学工業社製、商
品名、ゲル部分21%、表中、PVC:GR−1300S
とする) ・塩化ビニル系樹脂 TK-2500PE(信越化学工業社製、商
品名、平均重合度 3,000、ゲル部分0%、表中、PV
C:TK−2500PEとする) ・塩化ビニル系樹脂 TK-1300(信越化学工業社製、商品
名、平均重合度 1,300、ゲル部分0%、表中、PVC:
TK−1300とする)
【0026】・可塑剤:ジイソノニルフタレート(新日
本理化社製、表中、DINPとする) ・可塑剤:エポキシ化大豆油 O-130P (旭電化工業社
製、商品名)
【0027】・炭酸カルシウムA:カルファイン200M
(丸尾カルシウム社製、商品名、平均粒子径0.05μm) ・炭酸カルシウムB:ホワイトンSB(備北粉化工業社
製、商品名、平均粒子径1.85μ)
【0028】・シリコーンオイル KF-54(信越化学工業
社製、商品名、メチルフェニルシリコーンオイル、フェ
ニル基含油量:25モル%、表中、シリコーンオイルKF
−54とする) ・Ba−Zn系安定剤(旭電化工業社製)
【0029】(評価方法の明細) ・配合時作業性:造粒時の容量20リットルのヘンシェル
ミキサーの混合物の抜き出し後のヘンシェルミキサー壁
面の状態を観察し、下記の基準で評価した。 ◎:ほとんど付着物は残っていない ○:多少の付着物は残っているが簡単に取り除くことが
できる △:付着物が残っていて掃除が困難である ×:付着物が残っていて掃除が非常に困難である
【0030】・金型離型性:射出成形時の製品を金型か
ら取り出すときの状態を観察し、下記の基準で評価し
た。 ○:問題なく製品が取り出せる △:多少取りにくいが製品には問題はない ×:取り出しが困難で製品の形状にも影響がある
【0031】・塩化水素ガス発生量と塩化水素ガス捕捉
率:JIS K 7217の方法に準じて、試料(ペレット)約0.
1gを試料皿に量り採り、これを加熱燃焼させて燃焼ガス
の捕集を行い、塩化水素ガス発生量を測定し、この値よ
り下記式を用いて塩化水素ガス捕捉率を算出した。 理論発生量−測定発生量 塩化水素ガス捕捉率(%)=─────────────×100 理論発生量
【0032】・引張強さと伸び:試料(ペレット)を
3.5インチテストロール(2本)により 150℃で7分間
混練してロールシート成形物を得た。これを鏡面板で狭
持して 170℃で4分間予熱した後、100kg/cm2 の圧力で
4分間加圧して 120×120 ×1mmの大きさの試料(シー
ト)を得た。この試料(シート)からJIS K 6301のダン
ベル1号型を打ち抜き、25mmの標線を記入して試験片と
した。引張試験機により 200mm/分の速さで引張り、試
験片は破断するに要する最大荷重および破断時の標線間
距離を測定し、引張強さ及び伸びを算出した。なお、従
来の実績から表皮材として使用するのに問題のない値と
して、引張強さ6.0MPa以上、伸び 200%以上を目標と定
めた。
【0033】・摩耗性:上記で作製したシフトレバーノ
ブをサンプルとして、学振式摩耗試験機を用いて、荷重
700g、ストローク 100mm、綿はん布で5万回摩耗試験を
行い、試験後の試料を観察し、下記の基準で評価した。 ◎:摩耗がほとんど認められない ○:多少摩耗してるいるが製品的に問題はない △:摩耗していて製品的にもやや問題がある ×:摩耗が激しく製品的に問題がある
【0034】・艶消性:上記で作製したシフトレバーノ
ブの表面をグロス計にて測定した。なお、製品仕様から
グロス 5.0以下を目標として定めた。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、塩化水素ガスを低減
し、かつ機械的強度、摩耗性、艶消感、成形性が従来の
ポリ塩化ビニル系樹脂組成物と同様に優れている自動車
等の車両内装成形体を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分的に架橋したポリ塩化ビニル系樹脂25
    〜50重量%と架橋していない平均重合度が 2,000〜4,00
    0 のポリ塩化ビニル系樹脂50〜75重量%からなるポリ塩
    化ビニル系樹脂混合物 100重量部に、可塑剤50〜 150重
    量部、平均粒子径 0.1μm以下の炭酸カルシウム50〜 1
    00重量部及びシリコンオイル 0.1〜5重量部を配合して
    なることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成
    物から射出成形されてなる車両内装成形体。
JP10116413A 1998-04-27 1998-04-27 ポリ塩化ビニル系樹脂組成物と、これによる車両内装成形体 Pending JPH11302485A (ja)

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JP10116413A JPH11302485A (ja) 1998-04-27 1998-04-27 ポリ塩化ビニル系樹脂組成物と、これによる車両内装成形体

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