JP3852185B2 - 洗浄用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂用成形機内の洗浄に使用する洗浄用熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは熱可塑性樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩を含有する洗浄用熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチックの成形加工においては、使用樹脂あるいは樹脂組成物の品種又は銘柄切り替えの際に、先行樹脂あるいは樹脂組成物の影響を排除するために、各種の手段が採られている。特に着色された樹脂の成形では、青色、黒色等の濃色系の品種から白色等の淡色系の品種に切り替える際には、成形機の分解掃除や汎用樹脂または再生樹脂等による成形機内の共洗い等の煩雑な作業と、長時間の生産中止を伴う洗浄作業を強いられてきた。これらの問題を解消する方法として、成形機内を洗浄するための洗浄用熱可塑性樹脂組成物が各種開発されている。
【0003】
例えば特開昭62−195045号公報には、熱可塑性樹脂にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2〜30重量%、撥水性化合物(高級脂肪酸金属塩、ろう、流動パラフィン、合成ワックス等)0.5〜10重量%を配合した組成物が、特公平05−060768号公報には熱可塑性樹脂に高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩及び無機充填剤を配合した組成物が、特公平03−283805号公報には熱可塑性樹脂にアルキルベンゼンスルホン酸中性塩2〜40重量%及び塩基性ステアリン酸マグネシウム1〜10重量%を配合した洗浄剤組成物が提案されている。
しかし、上記の提案された組成物では、未だ洗浄能力について改善の余地があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、洗浄用熱可塑性樹脂組成物の使用量や洗浄時間の短い、さらに、後続樹脂による洗浄用熱可塑性樹脂組成物の置換のための使用量や置換時間が短くて済む洗浄用熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、洗浄能力の高い洗浄用熱可塑性樹脂組成物を開発すべく鋭意研究した。その結果、熱可塑性樹脂にメタクリル酸メチル−スチレン共重合体及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩を配合することにより、優れた洗浄能力を有する洗浄用熱可塑性樹脂組成物が得られることを見いだし、この知見に基づき本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は次の構成を有するものである。
(1)熱可塑性樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩を含有する洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
【0007】
(2)メタクリル酸メチル−スチレン共重合体の数平均分子量が10,000〜150,000であり、高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩は、高級脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸であり、金属がカルシウム又はマグネシウムである上記(1)記載の洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
【0008】
(3)熱可塑性樹脂:メタクリル酸メチル−スチレン共重合体:高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩の重量比率が60〜97.5重量%:0.5〜10重量%:2〜30重量%である上記(1)又は(2)に記載の洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
【0009】
(4)熱可塑性樹脂がポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体又はポリメタクリル酸メチルである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で洗浄用熱可塑性樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂とは、樹脂を加熱すると温度上昇とともに樹脂が軟化、流動化し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になるサイクルを繰り返すことができる樹脂であれば特に限定されないが、洗浄能力、特に洗浄用熱可塑性樹脂組成物が成形機又は押出機内に残留しにくく、洗浄に要する時間が短縮できる理由によりポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体又はポリメタクリル酸メチルである熱可塑性樹脂が好ましい。
これらの熱可塑性樹脂の分子量は、一般的には10万〜60万、好ましくは20万〜30万である。
【0011】
本発明で洗浄用熱可塑性樹脂組成物に用いるメタクリル酸メチル−スチレン共重合体は、メタクリル酸メチル及びスチレンを共重合させたものであれば特に限定されないが、数平均分子量は好ましくは10,000〜150,000、より好ましくは30,000〜100,000、特に好ましくは50,000〜80,000である。このような分子量のものを使用することにより、洗浄能力が優れた組成物が得られる。
また、メタクリル酸メチルとスチレンの共重合割合は、メタクリル酸メチルの組成比が好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜30重量%である。これにより、洗浄能力及び置換用後続樹脂による該組成物自体の置換性が優れた組成物が得られる。
【0012】
本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物に使用するメタクリル酸メチル−スチレン共重合体は懸濁重合又は乳化重合等の公知の製造方法で得ることができる。
懸濁重合としては、例えば撹拌機付き容器中に純水、スチレン単量体、メタクリル酸メチル単量体及び分散剤としてポリビニルアルコール、重合開始剤としてラウロイルパーオキサイドを加えて70〜80℃に加熱混合して共重合させる。
得られた共重合体ラテックスを遠心分離機で水分を除去してから気流中で乾燥し、粉状共重合体として得ることができる。
【0013】
さらに本発明で用いる高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩は、工業的に生産されているもので、高級脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸のものが好ましく、特に好ましくはステアリン酸であり、金属はカルシウム又はマグネシウムが好ましく、特に好ましくはカルシウムである。
【0014】
本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂にメタクリル酸メチル−スチレン共重合体及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩を含有する組成物であり、その含有率は特に限定されないが、洗浄能力が優れる理由により、好ましくは熱可塑性樹脂97.5〜60重量%にメタクリル酸メチル−スチレン共重合体を0.5〜10重量%及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩2〜30重量%、より好ましくは熱可塑性樹脂95〜74重量%にメタクリル酸メチル−スチレン共重合体1〜6重量%及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩4〜20重量%、特に好ましくは熱可塑性樹脂92.5〜86重量%にメタクリル酸メチル−スチレン共重合体1.5〜4重量%及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩6〜10重量%である。
【0015】
本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物には必要に応じて、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シリカ、アルミナ、ガラス繊維等の無機充填剤を添加することができる。さらにステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類やカルバナーワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類を添加することもできる。
【0016】
本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体の所望量を撹拌混合装置を用いて混合することによって得ることが例示でき、また、得られた該混合物を溶融混練温度180〜300℃で溶融混練押出し、ペレット状としても得ることが例示できる。撹拌混合装置としてはヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、タンブラー、リボンブレンダー等の通常の撹拌混合装置を使用することが例示できる。また、押出機としては、1軸押出機、2軸押出機、コニーダー等を使用することが例示できる。
【0017】
本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物で洗浄できる成形機は、射出成形機、押出成形機、その他ブロー成形機に使用することができる。
射出成形機としてはホットランナー付き射出成形機が、押出成形機としてはTダイ押出機、コンパウンド押出機が挙げられる。
【0018】
本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物の使用できる温度範囲は180〜300℃である。
【0019】
成形機の洗浄は、ホッパーから残りの先行樹脂を取り除いた後、洗浄用熱可塑性樹脂組成物をホッパーに入れて、先行樹脂の成形条件下でもよいし、後続樹脂の成形条件下でもよいし、あるいは昇温、昇圧して、ストローク速度、ストローク長を上げて、成形機を運転して成形機内を洗浄した後、洗浄用樹脂を排出させることによる行うことができる。
成形機の洗浄は、金型、ダイ等も含めて行うことができる。
洗浄後は、ホッパーに後続樹脂を入れて、適当な条件下に成形機を運転して後続樹脂により成形機内を置換した後、所定の条件で後続樹脂の成形が行われる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例、比較例を用いて本発明を具体的に説明することが、これによって限定されるものではない。なお、実施例、比較例において、洗浄能力は下記の洗浄テスト(1)又は(2)で評価した。
【0021】
洗浄テスト(1)
メルトフローレート(JIS K7210:230℃、荷重21.18N;以下MFR▲1▼と略す)6.0g/10分、結晶融点165℃のポリプロピレン84重量%、ビス{[3,5-ジブロモ-4-(2',3'−ジブロモプロポキシ)]フェニル}スルホン10重量%、三酸化アンチモン5重量%及びカーボンブラック1重量%からなる難燃性ポリプロピレン組成物(性状:黒色)、並びに1軸押出機(シリンダー径:35mm、L/D:30)を用いて、スクリュー回転数150rpm、吐出量:5kg/h、押し出し温度200℃で難燃性ポリプロピレン組成物を約60分間押し出した。
押出機内に難燃性ポリプロピレン組成物が残留している状態で、難燃性ポリプロピレン組成物を洗浄用熱可塑性樹脂組成物に変えて押し出し、難燃性ポリプロピレン組成物の黒色が消えるまでに要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量及び所要時間を測定した。
引き続き、上記洗浄用熱可塑性樹脂組成物を、後続樹脂であるMFR:6.0g/10分、結晶融点165℃のポリプロピレンに変えて押し出し、洗浄用熱可塑性樹脂組成物の乳白色が消えるまでに要したポリプロピレンの量及び所要時間を測定した。
上記の洗浄用熱可塑性樹脂組成物の所要量及び後続樹脂の所要量、並びに上記洗浄用熱可塑性樹脂組成物の押し出しの開始(洗浄開始)から上記洗浄用熱可塑性樹脂組成物の色が消える(置換の終了)までに要した合計時間を洗浄能力の指標とした。
【0022】
洗浄テスト(2)
比重:1.05、メルトフローレート(JIS K7210:220℃、荷重98.07N;以下MFR▲2▼と略す)9g/10分のABS樹脂(商品名:日本合成ゴム(株)製ABS45)84重量%、2,2-ビス{[3,5-ジブロモ-4-(2 ,3 -ジブロモプロポキシ)]フェニル}プロパン10重量%、三酸化アンチモン5重量%及びカーボンブラック1重量%からなる難燃性ABS樹脂組成物(性状:黒色)、並びに洗浄テスト(1)で使用した1軸押出機を用いて、スクリュー回転数150rpm、吐出量:5kg/h、押し出し温度220℃で難燃性ABS樹脂組成物を約60分間押し出した。
押出機内に難燃性ABS樹脂組成物が残留している状態で、難燃性ABS樹脂組成物を洗浄用熱可塑性樹脂組成物に変えて押し出し、難燃性ABS樹脂組成物の黒色が消えるまでに要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量、及び所要時間を測定した。
引き続き、洗浄用熱可塑性樹脂組成物を、後続樹脂である比重:1.05、MFR▲2▼9g/10分のABS樹脂(性状:微黄色)(商品名:日本合成ゴム(株)製ABS45)に変えて押し出し、洗浄用熱可塑性樹脂組成物の色が消えるまでに要したABS樹脂組成物の量及び時間を測定した。
上記の洗浄用熱可塑性樹脂組成物の所要量及び後続樹脂の所要量、並びに上記洗浄用熱可塑性樹脂組成物の押し出しの開始(洗浄開始)から上記洗浄用熱可塑性樹脂組成物の色が消える(置換の終了)までに要した合計時間を洗浄能力の指標とした。
【0023】
実施例(1)
MFR▲1▼が0.5g/10分、結晶融点が165℃のポリプロピレン3.90kg(78.0重量%)、数平均分子量が67,000で、メタクリル酸メチル/スチレンの共重合割合が25/75重量%であるメタクリル酸メチル−スチレン共重合体(商品名:第一工業製薬(株)製ニューフロンティアMS−750P;以下MMSCと略す)0.50kg(10.0重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩0.60kg(12.0重量%)を内容積20リットルのヘンシェルミキサーに入れ、回転数500rpmで3分間撹拌混合した。得られた混合物を2軸押出機(シリンダー径:30mm、L/D:30)に供給してシリンダー温度190〜200℃、ダイス温度200℃で溶融混練押出し、水槽中で冷却してペレタイザーでカットして洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(1)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は0.8kg、ポリプロピレンの量は1.8kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は33分であった。
【0024】
実施例(2)
MFR▲1▼が0.5g/10分、結晶融点が165℃のポリプロピレン4.945kg(98.9重量%)、MMSC0.015kg(0.3重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩0.040kg(0.8重量%)を実施例(1)と同様にして洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(1)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は2.6kg、ポリプロピレンの量は1.3kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は49分であった。
【0025】
実施例(3)
MFR▲1▼が0.5g/10分、結晶融点が165℃のポリプロピレン4.54kg(90.8重量%)、MMSC0.01kg(0.2重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩0.45kg(9.0重量%)を実施例(1)と同様にして洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(1)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は1.8kg、ポリプロピレンの量は1.7kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は44分であった。
【0026】
実施例(4)
メルトフローレートが(JIS K7210:190℃、荷重21.18N;以下MFR▲3▼と略す)0.5g/10分、密度が0.95g/cm3の高密度ポリエチレン3.60kg(72.0重量%)、MMSC0.40kg(8.0重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩1.00kg(20.0重量%)を実施例(1)と同様にして洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(1)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は0.7kg、ポリプロピレンの量は1.8kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は31分であった。
【0027】
実施例(5)
比重が1.03、MFR▲2▼が0.4g/10分のABS樹脂(奇美実業製PA−709)4.50kg(90.0重量%)、MMSC0.10kg(2.0重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩0.40kg(8.0重量%)を実施例(1)と同様にして洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(2)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は0.6kg、ABS樹脂の量は1.0kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は20分であった。
【0028】
実施例(6)
比重が1.03、MFR▲2▼が0.4g/10分のABS樹脂3.9Kg(78.0重量%)、MMSC0.6kg(12.0重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩0.5kg(10.0重量%)を実施例(1)と同様にして洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(2)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は1.1kg、ABS樹脂の量は2.3kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は43分であった。
【0029】
実施例(7)
比重が1.03、MFR▲2▼が0.4g/10分のABS樹脂2.80kg(56.0重量%)、MMSC0.60kg(12.0重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩1.60kg(32.0重量%)を実施例(1)と同様にして洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(2)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は1.7kg、ABS樹脂の量は2.7kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は55分であった。
【0030】
実施例(8)
メルトフローレート(JIS K7210:200℃、荷重49.03N;以下MFR▲4▼と略す)が0.5g/10分、密度(比重)が1.05のポリスチレン3.5kg(70.0重量%)、MMSC0.35kg(7.0重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩1.15kg(23.0重量%)を実施例(1)と同様にして洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(2)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は0.7kg、ABS樹脂の量は2.2kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は36分であった。
【0031】
比較例(1)
比重:1.05、MFR▲2▼9g/10分のABS樹脂(性状:微黄色)(商品名:日本合成ゴム(株)製ABS45)単独を洗浄用熱可塑性樹脂組成物として、洗浄テスト(2)を行った。
ABS樹脂(洗浄用及び置換用熱可塑性樹脂組成物としてのABS樹脂の合計)の量は8.0kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は98分であった。
【0032】
比較例(2)
MFR▲1▼が9g/10分、結晶融点が165℃のポリプロピレン4.6kg、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩0.3kg、ポリエチレンワックス0.1kgを実施例(1)と同様にして混合溶融し、洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(1)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は3.5kg、置換用ポリプロピレンの量は2.5kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は75分であった。
【0033】
比較例(3)
比重:1.03、MFR▲2▼0.4g/10分のABS樹脂4.3kg、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩0.2kg、炭酸カルシウム0.5kgを実施例(1)と同様にして混合溶融し、洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(2)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は2.8kg、置換用ABS樹脂の量は2.2kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は61分であった。
【0034】
比較例(4)
メルトフローレートが(JIS K7210:200℃、荷重66.19N;以下MFR▲5▼と略す)1.5g/10分、密度が1.09、数平均分子量が250,000のメタクリル酸メチル−スチレン共重合体(新日鐵化学(株)製エスチレンMS−300)3kg、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エステルカルシウム塩2kgを実施例(1)と同様にして混合溶融し、洗浄用熱可塑性樹脂組成物を得た。
この洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄テスト(2)を実施し、要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は3.1kg、置換用ABS樹脂の量は2.8kgであり、洗浄及び置換の合計所要時間は74分であった。
【0035】
上記実施例及び比較例の結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003852185
【0037】
【発明の効果】
本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物は、成形又は押し出しに用いた樹脂が熱分解により機内に固着して洗浄が困難である成形機又は押出機内の洗浄に極めて優れた洗浄能力を有する洗浄用熱可塑性樹脂組成物である。
本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物は、従来の洗浄用熱可塑性樹脂組成物に比べて、使用量、洗浄所要時間が著しく少なく、更に、置換用の後続樹脂の使用量も減少することができる。

Claims (3)

  1. ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体又はポリメタクリル酸メチルから選択される熱可塑性樹脂、数平均分子量が10,000〜150,000であるメタクリル酸メチル−スチレン共重合体及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩を含有する洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩は、高級脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸であり、金属がカルシウム又はマグネシウムである請求項1記載の洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂:メタクリル酸メチル−スチレン共重合体:高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステル金属塩の重量比率が60〜97.5重量%:0.5〜10重量%:2〜30重量%である請求項1又は請求項2に記載の洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
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