JP3476028B2 - 成形機用樹脂洗浄剤 - Google Patents

成形機用樹脂洗浄剤

Info

Publication number
JP3476028B2
JP3476028B2 JP16410994A JP16410994A JP3476028B2 JP 3476028 B2 JP3476028 B2 JP 3476028B2 JP 16410994 A JP16410994 A JP 16410994A JP 16410994 A JP16410994 A JP 16410994A JP 3476028 B2 JP3476028 B2 JP 3476028B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
resin
component
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16410994A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0827335A (ja
Inventor
雅巳 三原
成美 秦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP16410994A priority Critical patent/JP3476028B2/ja
Publication of JPH0827335A publication Critical patent/JPH0827335A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3476028B2 publication Critical patent/JP3476028B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形機用樹脂洗浄剤に関
し、さらに詳しくは、高温成形樹脂(エンジニアリング
プラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック
など、加工温度約270℃以上)の洗浄剤として、ある
いは汎用樹脂などの低温成形樹脂(加工温度約180℃
以上)から上記高温成形樹脂まで、広範囲な加工温度で
使用可能な洗浄剤として有用で、かつ次に成形する材料
で効率よく置換除去しうる上、洗浄剤使用量の低減や洗
浄作業時間の短縮が可能な成形機用樹脂洗浄剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂の成形においては、押出成形機や射
出成形機などの各種成形機が用いられており、また汎用
樹脂などの低温成形樹脂においては、通常約180℃以
上の温度で、更にエンジニアリングプラスチックやスー
パーエンジニアリングプラスチックなどの高温成形樹脂
においては、例えば約270℃以上の高温で成形加工さ
れている。このような成形加工においては、成形終了
後、成形機内に樹脂が残留したり、付着したりするた
め、次の成形、特に異なる種類の樹脂を成形する場合、
該成形機内に残留や付着する前樹脂を洗浄除去すること
が必要である。このため、近年、成形機用樹脂洗浄剤と
して、各種のものが開発され、市販されている。この樹
脂洗浄剤は、主として極性基をもつスチレン系樹脂(A
S樹脂など)やポリオレフィン系樹脂に、結晶水含有化
合物、界面活性剤、無機充填材やガラス繊維などのフィ
ラーなどを添加して、洗浄機能を付与したものである。
しかしながら、このような従来の樹脂洗浄剤は、汎用樹
脂などの低温成形樹脂用の洗浄剤としては比較的有効な
ものがあるものの、約270℃以上の高温においては滞
留安定性が悪く、ゲルが増大したり、成形機内に炭化、
固着したりするなど、好ましくない事態を招来し、高温
成形樹脂用の洗浄剤としては満足しうるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の成形機用樹脂洗浄剤が有する欠点を克服し、高温
においても安定した熱挙動を示し、高温滞留時のゲル化
が少なく、高温成形樹脂(加工温度約270℃以上)の
洗浄剤として、あるいは汎用樹脂などの低温成形樹脂
(加工温度約180℃以上)から上記高温成形樹脂ま
で、広範囲の加工温度で使用可能な洗浄剤として有用
で、かつ次に成形する材料で効率よく置換除去しうる
上、洗浄剤使用量の低減や洗浄作業時間の短縮が可能な
成形機用樹脂洗浄剤を開発することを目的とするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する成形機用樹脂洗浄剤を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、特定の分子量をもつシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体に、界面活性剤と
結晶核剤と場合により無機充填材とをそれぞれ所定の割
合で配合したものが、前記の好ましい性質を有し、高温
成形樹脂の洗浄剤として有用であることを見出すととも
に、上記組成において、樹脂成分として、該シンジオタ
クチック構造のスチレン系重合体と特定のスチレン系共
重合体とを所定の割合で含むものを用いた洗浄剤が、前
記の好ましい性質を有し、汎用樹脂などの低温成形樹脂
から高温成形樹脂まで、広範囲の加工温度で使用可能な
洗浄剤として有用であることを見出した。本発明は、か
かる知見に基づいて完成したものである。
【0005】すなわち、本発明は、(A)重量平均分子
量(Mw)が10×104 〜60×104 のシンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体100重量部に
対し、あるいは(A)上記スチレン系重合体20〜80
重量部と(A')芳香族ビニル化合物単位84〜99重量
%と不飽和ジカルボン酸無水物単位16〜1重量%とか
らなる共重合体80〜20重量部との合計量100重量
部に対し、(1)(B)界面活性剤0.5〜20重量部、
及び(C)結晶核剤0.1〜30重量部を、又は(2)
(B)界面活性剤0.5〜20重量部、及び(C)結晶核
剤と(C')無機充填材との組合せ0.1〜30重量部を配
合してなる成形機用樹脂洗浄剤を提供するものである。
【0006】本発明の洗浄剤においては、(A)成分と
してシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
が用いられる。ここで、シンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体におけるシンジオタクチック構造と
は、立体構造がシンジオタクチック構造、すなわち炭素
−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェ
ニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立
体構造を有するものであり、そのタクティシティーは同
位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により
定量される。13C−NMR法により測定されるタクティ
シティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例
えば2個の場合はダイアッド,3個の場合はトリアッ
ド,5個の場合はペンタッドによって示すことができる
が、本発明に言うシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体とは、通常はラセミダイアッドで75%以
上、好ましくは85%以上、若しくはラセミペンタッド
で30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクテ
ィシティーを有するポリスチレン,ポリ(アルキルスチ
レン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ(ハロゲン化
アルキルスチレン),ポリ(アルコキシスチレン),ポ
リ(ビニル安息香酸エステル),これらの水素化重合体
及びこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共
重合体を指称する。なお、ここでポリ(アルキルスチレ
ン)としては、ポリ(メチルスチレン),ポリ(エチル
スチレン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポリ(タ
ーシャリ−ブチルスチレン),ポリ(フェニルスチレ
ン),ポリ(ビニルナフタレン),ポリ(ビニルスチレ
ン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)として
は、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロモスチレ
ン),ポリ(フルオロスチレン) などがある。また、ポ
リ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(ク
ロロメチルスチレン) など、また、ポリ(アルコキシス
チレン)としては、ポリ(メトキシスチレン),ポリ
(エトキシスチレン)などがある。
【0007】これらのうち特に好ましいスチレン系重合
体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレ
ン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオ
ロスチレン) ,水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。このスチレン系重合体
は自己洗浄性を有するものであり、その重量平均分子量
(Mw)は10×104 〜60×104 、好ましくは2
0×104 〜40×10 4 の範囲にあることが必要であ
る。重量平均分子量が10×104 未満では成形機内で
溶融可塑化した際の粘度が低すぎて、残留又は付着する
樹脂の除去、剥離効果が充分に発揮されず、60×10
4 を超えると成形機内で溶融可塑化する際の時間がかか
りすぎ、また可塑化時の粘度が高くなりすぎて洗浄剤と
しての効果を充分に発揮することができない上、次に使
用する樹脂との置換が困難となる。
【0008】本発明においては、上記(A)成分のシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体は一種用
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本
発明の洗浄剤においては、(B)成分として界面活性剤
が用いられる。この界面活性剤は、上記(A)成分の自
己洗浄性を有するシンジオタクチック構造のスチレン系
重合体との相乗効果により、優れた洗浄作用をもたら
し、特に顔料や染料を添加した着色樹脂の置換に効果を
発揮する。この界面活性剤としては、ノニオン性界面活
性剤やアニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。ノ
ニオン性界面活性剤としては様々なものがあり、特に制
限はなく、例えば脂肪酸アルカノールアミド,ポリオキ
シエチレン脂肪酸アミド,ポリオキシエチレンアルキル
アミン,アルキルアミンオキシドなどの含窒素型、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックポリマー,ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル
型、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンヒマシ油,ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル,脂肪酸モノグリセリ
ド,ポリグリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸
エステル,ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型など
が挙げられる。
【0009】一方、アニオン性界面活性剤としては様々
なものがあり、特に制限はなく、例えば脂肪酸セッケ
ン,アルキルエーテルカルボン酸塩などのカルボン酸塩
型、アルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩,α−オレフィンスルホン酸塩,N−ア
シルメチルタウリン,ジアルキルスルホコハク酸エステ
ル塩などのスルホン酸塩型、高級アルコール硫酸エステ
ル塩,アルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸塩などの硫酸エステル塩
型、アルキルエーテルリン酸エステル塩,アルキルリン
酸エステル塩などのリン酸エステル塩型などが挙げられ
る。
【0010】本発明においては、(B)成分として、こ
れらの界面活性剤を一種用いてもよく、二種以上を組み
合わせて用いてもよい。また、その配合量は、前記
(A)成分のシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体100重量部に対し、0.5〜20重量部、好ま
しくは1〜10重量部の範囲で選ばれる。この配合量が
0.5重量部未満では界面活性剤を添加した効果が充分に
発揮されないし、20重量部を超えると洗浄剤調製工程
での混練造粒が困難となり、かつ融点が低くなりすぎて
ハンドリング性が低下する上、混練造粒時にベントなど
の開放部からの飛散ロスが多くなり、またダイスの目詰
りが生じたりする。本発明の洗浄剤においては、(C)
成分として結晶核剤が用いられる。また、この際、所望
により、(C)成分の結晶核剤と(C')成分の無機充填
材とを組み合わせて用いてもよい。該(C)成分の結晶
核剤は、前記(A)成分のシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体の可塑化を促進させる作用を有し
ている。
【0011】該結晶核剤としては、様々なものがある
が、好ましくは有機酸の金属塩及び有機リン化合物のい
ずれか一方あるいは両者からなるものである。この有機
酸の金属塩としては、例えば安息香酸,p−(tert
−ブチル)安息香酸,シクロヘキサンカルボン酸(ヘキ
サヒドロ安息香酸),アミノ安息香酸,β−ナフトエ
酸,シクロペンタンカルボン酸,コハク酸,ジフェニル
酢酸,グルタル酸,イソニコチン酸,アジピン酸,セバ
シン酸,フタール酸,イソフタール酸,ベンゼンスルホ
ン酸,グリコール酸,カプロン酸,イソカプロン酸,フ
ェニル酢酸,桂皮酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パル
ミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸などの有機酸のナ
トリウム塩,カルシウム塩,アルミニウム塩,マグネシ
ウム塩などの金属塩が挙げられる。これらのうち特にp
−(tert−ブチル)安息香酸のアルミニウム塩,シ
クロヘキサンカルボン酸のナトリウム塩,β−ナフトエ
酸のナトリウム塩が好ましい。一方、有機リン化合物と
しては、例えば一般式(I)
【0012】
【化1】
【0013】(式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜1
8のアルキル基を示し、R2 は炭素数1〜18のアルキ
ル基、
【0014】
【化2】
【0015】で表される基又はM1/a を示す。MはN
a,K,Mg,Ca又はAlを示し、aはMの原子価を
示す。)で表される化合物、あるいは一般式(II)
【0016】
【化3】
【0017】(式中、Rはメチレン基,エチリデン基,
プロピリデン基又はイソプロピリデン基を示し、R3
びR4 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル
基を示す。また、M及びaは上記と同じである。)で表
される化合物を挙げることができる。上記一般式(I)
で表される有機リン化合物の具体例としては、次のもの
を挙げることができる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】一方、一般式(II)で表される有機リン化
合物についても、式中のR,R3 ,R4 及びMの種類に
より様々なものがある。R3 及びR4 はそれぞれ水素原
子又は炭素数1〜6のアルキル基を示すが、このアルキ
ル基としてはメチル基,エチル基,イソプロピル基,n
−ブチル基,イソブチル基,第二ブチル基,第三ブチル
基,n−アミル基,第三アミル基,ヘキシル基などがあ
る。上記一般式(II)で表される有機リン化合物の具体
例としては、次のものを挙げることができる。
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】本発明においては、この(C)成分の結晶
核剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用い
てもよい。また、その配合量は、前記(A)成分のシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体100重
量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜10
重量部の範囲で選ばれる。この配合量が0.1重量部未満
では可塑化促進効果が充分に発揮されない。また、30
重量部を超えると洗浄剤調製工程で混練造粒が困難とな
り、かつ融点が低くなりすぎてハンドリング性が低下す
る上、可塑化時間が増大したり、次に使用する樹脂との
置換が困難になったりする。
【0026】上記(C)成分の結晶核剤に、所望に応じ
組み合わせて用いられる(C')成分の無機充填材につい
ては特に制限はなく、繊維状,粒状,粉末状のいずれで
あってもよい。繊維状充填材としては、例えばガラス繊
維,炭素繊維,ウイスカーなどが挙げられ、形状として
はクロス状,マット状,集束切断状,短繊維,フィラメ
ント状,ウイスカーなどがあるが、集束切断状の場合、
長さが0.05〜50mm、繊維径が5〜20μmのもの
が好ましい。一方、粒状や粉末状充填材としては、例え
ばタルク,カーボンブラック,グラファイト,二酸化チ
タン,シリカ,マイカ,炭酸カルシウム,硫酸カルシウ
ム,炭酸バリウム,炭酸マグネシウム,硫酸マグネシウ
ム,硫酸バリウム,カルシウムオキシサルフェート,酸
化スズ,アルミナ,カオリン,炭化ケイ素,金属粉末,
ガラスパウダー,ガラスフレーク,ガラスビーズなどが
挙げられる。これらの充填材の中で、特にタルクなどの
斜方形や針状形フィラー及びガラス繊維が好適である。
【0027】また、上記充填材としては、カップリング
剤により表面処理したものが好ましい。表面処理に用い
られるカップリング剤は、充填剤と樹脂との接着性を良
好にするために用いられるものであり、いわゆるシラン
系カップリング剤,チタン系カップリング剤など、従来
公知のものの中から任意のものを選択して用いることが
できる。中でもγ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン,N−β−(アミノメチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン,β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシランなどのアミノシラン、エポキ
シシラン,イソプロピルトリ(N−アミドエチル,アミ
ノエチル)チタネートが好ましい。この(C')成分の無
機充填材は洗浄促進作用を有し、一種用いてもよく、二
種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記(C)
成分の結晶核剤との割合については特に制限はなく、任
意の割合で両成分を用いることができる。該(C)成分
の結晶核剤と(C')成分の無機充填材との合計配合量
は、前記(A)成分のシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体100重量部に対し、0.1〜30重量
部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲で選ばれる。こ
の配合量が0.1重量部未満では可塑化や洗浄促進効果が
充分に発揮されないし、30重量部を超えると洗浄剤調
製工程での混練造粒が困難であったり、可塑化時間が増
大したり、あるいは次に使用する樹脂との置換が困難と
なる。
【0028】上記(A)成分と(B)成分と(C)成分
とからなる洗浄剤、又は(A)成分と(B)成分と
(C)成分と(C')成分とからなる洗浄剤は、高温成形
樹脂(加工温度約270℃以上)の洗浄剤として有用で
ある。本発明においては、樹脂成分として、前記(A)
成分のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体単独の代わりに、該(A)成分のシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体20〜80重量%と
(A')芳香族ビニル化合物と不飽和ジカルボン酸無水物
との共重合体80〜20重量%とからなる樹脂混合物を
用いることができる。この場合、(B)成分の界面活性
剤、(C)成分の結晶核剤、あるいは(C)成分の結晶
核剤と(C')成分の無機充填材との組合せの配合量は、
該樹脂混合物100重量部に対し、前記した範囲で選ば
れる。このような洗浄剤は、汎用樹脂などの低温成形樹
脂(加工温度約180℃以上)から高温成形樹脂(加工
温度約270℃以上)まで、広範囲な加工温度で使用な
洗浄剤として有用である。
【0029】該(A')成分の共重合体は、芳香族ビニル
化合物単位の含有量が84〜99重量%で、不飽和ジカ
ルボン酸無水物単位の含有量が16〜1重量%であるこ
とが必要であり、各単位の含有割合がこの範囲を逸脱す
ると、この(A')成分を配合した効果が充分に発揮され
ない。該共重合体において、原料単量体として用いられ
る芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン,α−
メチルスチレン,p−メチルスチレン,m−メチルスチ
レン,p−クロロスチレン,m−クロロスチレン,p−
t−ブチルスチレン,p−メトキシスチレン,m−メト
キシスチレンなどが挙げられ、これらは一種用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、不飽
和ジカルボン酸無水物としては、例えば無水マレイン酸
や無水イタコン酸及びこれらの誘導体などを挙げること
ができ、それらは一種用いてもよく、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。この(A')成分の共重合体として
は、特にスチレンと無水マレイン酸との共重合体(SM
A樹脂)が好適である。
【0030】該樹脂混合物における上記(A')成分の共
重合体の含有量は20〜80重量%、好ましくは50〜
70重量%の範囲である。この含有量が20重量%未満
では低温成形樹脂用として用いられにくく、また該共重
合体の吸水による発泡洗浄性が充分に発揮されないし、
80重量%を超えると(A)成分のシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体の比率が減少して洗浄性
が低下(未溶融の(A)成分スチレン系重合体のフィラ
ー効果の減少)する。本発明の洗浄剤には、本発明の目
的が損なわれない範囲で、所望に応じ各種添加成分、例
えば酸化防止剤,熱安定剤,可塑剤,離型剤,滑剤など
の添加剤、あるいは他の熱可塑性樹脂を配合することが
できる。本発明の洗浄剤の調製方法については特に制限
はなく、例えば前記各成分をそれぞれ所定の割合で配合
し、ヘンシェルミキサーなどでドライブレンドしてもよ
いし、単軸押出機や2軸押出機を用いて溶融混練し、ペ
レット化してもよい。
【0031】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、洗浄剤の各成分、前樹脂及び次
使用樹脂の種類は次のとおりである。洗浄剤の各成分 (A)成分 SPS:シンジオタクチックポリスチレン(Mw=8×
104 ,40×104 ) (B)成分 ノニオン系界面活性剤:丸菱油化製デノン2035 アニオン系界面活性剤:丸菱油化製デノン1886 C)成分 NA11:メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ノール)アシッドホスフェートナトリウム塩,アデカ・
アーガス化学社製 PTBBA−AL:p−t−ブチル安息香酸アルミニウ
ム,大日本インキ化学工業社製 (C')成分 ガラス繊維:旭ファイバーグラス社製,FT−712 (A')成分 SMA:スチレン−無水マレイン酸共重合体,出光石油
化学製モアマックスUG830,無水マレイン酸単位含
量14モル%
【0032】前樹脂の種類 GF−PC:出光石油化学社製タフロンG−2530
(黒),ガラス繊維30重量%含有ポリカーボネート GFPPS:出光石油化学社製出光PPS C−100
HG(黒),ガラス繊維40wt%含有ポリフェニレン
サルファイド 透明PC :出光石油化学社製タフロンA−2200
(自然色),非強化透明ポリカーボネート 変性PPO:GE社製ノリルSE90(グレー),変性
ポリフェニレンエーテル 次使用樹脂の種類 PA−66 :宇部興産社製2020B(自然色),非
強化66−ナイロン 透明PC :前出 非強化PBT:ポリプラスチック社製2002(自然
色),非強化ポリブチレンテレフタレート ランダムPP:出光石油化学社製出光ポリプロJ−20
23G,ランダムポリプロピレン−エチレン共重合体
【0033】実施例1 重量平均分子量(Mw)が40×104 のシンジオタク
チックポリスチレン(SPS)100重量部,ノニオン
系界面活性剤(丸菱油化社製デノン2035)10重量
部及び結晶核剤としてNA11〔メチレンビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナ
トリウム塩,アデカ・アーガス化学社製〕0.5重量部を
配合し、2軸押出機(東芝機械社製TEM,35φ)を
用い、シリンダー温度290℃,スクリュー回転数30
0rpm,吐出量25kg/hrの条件で溶融混練して
ペレット化し、洗浄剤を調製した。次に、この洗浄剤に
ついて、型締力55トン,スクリュー径28mmのイン
ラインスクリュー式射出成形機(東芝機械社製TOSH
IBA−IS55FPA)での洗浄性を以下に示す方法
にて評価した。なお、金型は80×80×3.0mm平板
で、スプルー,ランナ含む樹脂量はポリスチレン換算で
45gである。まず、上記射出成形機を用い、ガラス繊
維30重量%含有ポリカーボネート〔GF−PC:出光
石油化学社製タフロンG−2530(黒)〕を成形温度
320℃で成形したのち、上記のようにして調製したペ
レット状洗浄剤を、シリンダー温度320℃の条件で射
出成形機に少量投入して、該GF−PCをパージし、約
3ショット(45g×3)でほぼ置換を完了した。次い
で、シリンダー温度を275℃まで降温し、温度が安定
した状態で、非強化66−ナイロン〔PA−66:宇部
興産社製2020B(自然色)〕を射出成形機に投入
し、洗浄剤を2〜3ショットでパージし、275℃で成
形を開始した。成形開始2ショット目より、異物や色残
りなどのない良品のサンプリングが可能であった。な
お、洗浄性能のランクを次に示す基準で求めた。 A:極めて良好、B:良好、C:効果なし その結果、洗浄性能のランクはAであった。
【0034】実施例2〜8 第1表に示す組成の洗浄剤を実施例1と同様にして調製
した。次に、この洗浄剤の洗浄性について、第1表に示
す前樹脂及び次使用樹脂を用い、第1表に示す成形温度
条件にて、実施例1と同様にして評価した。その結果を
第1表に示す。なお、表において、前樹脂のパージショ
ット数は、前樹脂をパージして洗浄剤でほぼ置換完了す
るまでのショット数を示し、また次使用樹脂の置換ショ
ット数は、次使用樹脂の成形開始後、良品のサンプリン
グが可能になるまでのショット数を示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】比較例1〜3 第2表に示す組成の洗浄剤を実施例1と同様にして調製
した。次に、この洗浄剤の洗浄性について、第2表に示
す前樹脂及び次使用樹脂を用い、第2表に示す成形温度
条件にて、実施例1と同様にして評価した。その結果を
第2表に示す。なお、表において、前樹脂のパージショ
ット数は、前樹脂をパージして洗浄剤でほぼ置換完了す
るまでのショット数を示し、また次使用樹脂の置換ショ
ット数は、次使用樹脂の成形開始後、良品のサンプリン
グが可能になるまでのショット数を示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明の成形機用洗浄剤は、高温におい
ても安定した熱挙動を示し、高温滞留時のゲル化が少な
く、高温成形樹脂(エンジニアリングプラスチック,ス
ーパーエンジニアリングプラスチックなど、加工温度約
270℃以上)の洗浄剤として有用である。また、本発
明によれば、汎用樹脂などの低温成形樹脂(加工温度約
180℃以上)から上記高温成形樹脂まで、広範囲の加
工温度で使用可能な洗浄剤として有用で、かつ次に成形
する材料で効率よく置換除去しうる上、洗浄剤使用量の
低減や洗浄作業時間の短縮が可能であるなどの効果を奏
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/72 C08K 5/00 C08L 25/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重量平均分子量(Mw)が10×
    104 〜60×10 4 のシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体100重量部に対し、(B)界面活
    性剤0.5〜20重量部、及び(C)結晶核剤0.1〜30
    重量部を配合してなる成形機用樹脂洗浄剤。
  2. 【請求項2】 (A)重量平均分子量(Mw)が10×
    104 〜60×10 4 のシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体100重量部に対し、(B)界面活
    性剤0.5〜20重量部、及び(C)結晶核剤と(C')無
    機充填材との組合せ0.1〜30重量部を配合してなる成
    形機用樹脂洗浄剤。
  3. 【請求項3】 (A)重量平均分子量(Mw)が10×
    104 〜60×10 4 のシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体20〜80重量部と(A')芳香族ビ
    ニル化合物単位84〜99重量%と不飽和ジカルボン酸
    無水物単位16〜1重量%とからなる共重合体80〜2
    0重量部との合計量100重量部に対し、(B)界面活
    性剤0.5〜20重量部、及び(C)結晶核剤0.1〜30
    重量部を配合してなる成形機用樹脂洗浄剤。
  4. 【請求項4】 (A)重量平均分子量(Mw)が10×
    104 〜60×10 4 のシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体20〜80重量部と(A')芳香族ビ
    ニル化合物単位84〜99重量%と不飽和ジカルボン酸
    無水物単位16〜1重量%とからなる共重合体80〜2
    0重量部との合計量100重量部に対し、(B)界面活
    性剤0.5〜20重量部、及び(C)結晶核剤と(C')無
    機充填材との組合せ0.1〜30重量部を配合してなる成
    形機用樹脂洗浄剤。
JP16410994A 1994-07-15 1994-07-15 成形機用樹脂洗浄剤 Expired - Fee Related JP3476028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16410994A JP3476028B2 (ja) 1994-07-15 1994-07-15 成形機用樹脂洗浄剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16410994A JP3476028B2 (ja) 1994-07-15 1994-07-15 成形機用樹脂洗浄剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0827335A JPH0827335A (ja) 1996-01-30
JP3476028B2 true JP3476028B2 (ja) 2003-12-10

Family

ID=15786929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16410994A Expired - Fee Related JP3476028B2 (ja) 1994-07-15 1994-07-15 成形機用樹脂洗浄剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3476028B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002090077A1 (fr) * 2001-04-25 2002-11-14 Nippon Carbide Kogyo Kabushiki Kaisha Composition de resine pour nettoyage de moule
JP5530076B2 (ja) * 2008-03-05 2014-06-25 ダイセルポリマー株式会社 洗浄用樹脂組成物
JP5792647B2 (ja) 2012-01-27 2015-10-14 ダイセルポリマー株式会社 成形加工機洗浄用の熱可塑性樹脂組成物
JP5839564B2 (ja) * 2012-01-27 2016-01-06 ダイセルポリマー株式会社 成形加工機洗浄用の熱可塑性樹脂組成物
JP2015143365A (ja) * 2015-03-09 2015-08-06 Jnc株式会社 熱可塑性樹脂成形加工機用洗浄剤
CN110268016B (zh) * 2017-02-14 2022-05-03 日东化工株式会社 树脂清洗剂和聚酯树脂的熔融成型方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0827335A (ja) 1996-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3166788B2 (ja) スチレン系樹脂組成物
JP2812972B2 (ja) スチレン系樹脂組成物と成形品の製造方法
JPH0380821B2 (ja)
WO1989003857A1 (en) Styrenic resin composition and process for producing resin molding
JP3476028B2 (ja) 成形機用樹脂洗浄剤
JPH04175355A (ja) 帯電防止性に優れた樹脂組成物
JP3139516B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3874487B2 (ja) 熱可塑性樹脂用成形機内の洗浄に使用する洗浄用熱可塑性樹脂組成物
JP6349955B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP2017218540A (ja) 成形機及び押出機洗浄用樹脂組成物
JP2681642B2 (ja) スチレン系重合体樹脂組成物
JP2795451B2 (ja) 樹脂組成物
JP2011207951A (ja) ポリスチレン系樹脂組成物
JP3037501B2 (ja) スチレン系樹脂組成物および照明器具の反射鏡
KR20160066109A (ko) 저비중 고내열 열가소성 수지 조성물 및 그 제조방법
JP3852185B2 (ja) 洗浄用熱可塑性樹脂組成物
JP3680453B2 (ja) 洗浄用熱可塑性樹脂組成物
JP7112797B2 (ja) 成形機用洗浄剤
JPS63142052A (ja) 高い成形流動度および耐熱性を有するビニル芳香族重合体をベースとするブレンド
JPH04117444A (ja) 耐熱性スチレン系樹脂組成物の製造方法
JP2885432B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPH0762176A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JPH09183865A (ja) ポリマー組成物用の新規帯電防止剤、ポリマー組成物における該帯電防止剤の使用並びに得られる組成物
JPH08132538A (ja) スチレン系樹脂成形品の製造方法
JPH1072541A (ja) スチレン系重合体樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees