JP2017218540A - 成形機及び押出機洗浄用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄性能及び作業性に優れる、洗浄用樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の洗浄用樹脂組成物は、(A)試験温度(θ)220℃、公称荷重(Mnom)10kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が1.0g/10min乃至40g/10minであるスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂30質量部乃至70質量部、(B)試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が0.1g/10min乃至10g/10minであるポリプロピレン10質量部乃至40質量部、及び(C)1種類以上の無機充填剤を10質量部乃至60質量部からなり、(A)、(B)及び(C)の質量部の合計が100質量部であることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、洗浄用樹脂組成物、特に、成形機及び押出機洗浄用樹脂組成物に関する。
射出成形機は、原料の熱可塑性樹脂を溶融、混練し、可塑化するため、シリンダー(加熱筒またはバレルと呼ばれる場合もある)とそこに内蔵されるスクリューや、その先端部に取り付けられ、樹脂を吐出するノズル等を備えている。押出成形機もまた、原料の熱可塑性樹脂を溶融、混練し、可塑化するため、シリンダーとそこに内蔵されるスクリューや、その先端に取り付けられ、樹脂を吐出するダイ等を備えている。成形機及び押出機において使用する熱可塑性樹脂を変更する場合、シリンダーの内部、スクリュー、ノズル又はダイ、及びベント部等を洗浄する必要があり、その場合、洗浄用樹脂組成物が使用される。
洗浄用樹脂組成物は、シリンダーの内部、スクリュー等に残存している熱可塑性樹脂を押し出すために高粘度であることが要求される。このような要求を満足する洗浄用樹脂組成物として、スチレン系樹脂を主成分とし、無機充填剤及び発泡剤が添加された洗浄用樹脂組成物が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、高温(例えば、240℃以上)で使用するエンジニアリング・プラスチックス等の熱可塑性樹脂がシリンダーの内部等に残存している場合、上記のスチレン系樹脂を主成分とする洗浄用樹脂組成物を用いて高温にあるシリンダーの内部等を洗浄すると、洗浄用樹脂組成物の粘度が低くなり、剪断力が低下するため、十分な洗浄力が得られない。さらに上記洗浄用樹脂組成物は耐熱性が十分でないため、高温での使用は、熱劣化した上記洗浄用樹脂組成物が、シリンダーやスクリューに粘着して滞留し、かえって成形機や押出機を汚染してしまうという問題があった。したがって、洗浄用樹脂組成物、特にエンジニアリングプラスチック成形後の成形機や押出機を洗浄するための洗浄用樹脂組成物であって、洗浄性能及び作業性に優れたものが望まれる。
本発明の目的は、洗浄性能及び作業性に優れる、洗浄用樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定のスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、特定のポリプロピレン及び無機充填剤の組合せを用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の要旨は以下[1]〜[6]に示す通りである。
[1] (A)試験温度(θ)220℃、公称荷重(Mnom)10kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が1.0g/10min乃至40g/10minであるスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂30質量部乃至70質量部、
(B)試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が0.1g/10min乃至10g/10minであるポリプロピレン10質量部乃至40質量部、及び
(C)1種類以上の無機充填剤10質量部乃至60質量部
からなり、(A)、(B)及び(C)の質量部の合計が100質量部であることを特徴とする、洗浄用樹脂組成物。
[2] スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂のアクリロニトリル含量が5質量%以上50質量%未満であることを特徴とする、[1]に記載の洗浄用樹脂組成物。
[3] 無機充填剤(C)が、ケイ酸塩であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の洗浄剤。
[4] 無機充填剤(C)が、ガラス繊維であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の洗浄用樹脂組成物。
[5] 成形機又は押出機の洗浄用である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の洗浄用樹脂組成物。
[6] エンジニアリングプラスチック成形後の成形機又は押出機の洗浄用である、[5]に記載の洗浄用樹脂組成物。
(B)試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が0.1g/10min乃至10g/10minであるポリプロピレン10質量部乃至40質量部、及び
(C)1種類以上の無機充填剤10質量部乃至60質量部
からなり、(A)、(B)及び(C)の質量部の合計が100質量部であることを特徴とする、洗浄用樹脂組成物。
[2] スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂のアクリロニトリル含量が5質量%以上50質量%未満であることを特徴とする、[1]に記載の洗浄用樹脂組成物。
[3] 無機充填剤(C)が、ケイ酸塩であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の洗浄剤。
[4] 無機充填剤(C)が、ガラス繊維であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の洗浄用樹脂組成物。
[5] 成形機又は押出機の洗浄用である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の洗浄用樹脂組成物。
[6] エンジニアリングプラスチック成形後の成形機又は押出機の洗浄用である、[5]に記載の洗浄用樹脂組成物。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、MFRの値が1.0g/10min乃至40g/10minであるスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂を主成分とすることから、スウェリング性に優れ、シリンダーの内部等の洗浄に供した場合、機掃性が良く、シリンダーの内部、スクリュー等に残留した熱可塑性樹脂を確実に押し出すことができ、十分な洗浄効果を有する。さらにMFR値が0.1g/10min乃至10g/10minを有するポリプロピレンを添加することから、耐熱性に優れ、高い粘度を維持でき、スクリューやシリンダー等の金属部品に粘着することなく、容易に除去可能であるといった優れた洗浄効果を奏する。
さらに、無機充填剤の添加により、洗浄用樹脂組成物の高粘度化に寄与できると共に、シリンダーの内部等に残留した熱可塑性樹脂を、そこに内蔵されるスクリューや、その先端部に取り付けられ、樹脂を吐出するノズル又はダイ等の構成要素から確実に掻き取ることができる。したがって、本発明の洗浄用樹脂組成物は、成形機又は押出機の洗浄用として、特に、難燃グレード樹脂やガラス繊維強化樹脂などのエンジニアリングプラスチック成形後の成形機又は押出機の洗浄用として極めて有用である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施すること
ができる。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施すること
ができる。
<(A)成分:スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂>
本発明の洗浄用樹脂組成物に用いられるスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂は試験温度(θ)220℃、公称荷重(Mnom)10kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が1.0g/10min乃至40g/10minである。かかるMFRの規定を満足するスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂として、例えば、ダイセルポリマー(株)製AS樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂)セビアン−N 020等を挙げることができる。
本発明の洗浄用樹脂組成物に用いられるスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂は試験温度(θ)220℃、公称荷重(Mnom)10kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が1.0g/10min乃至40g/10minである。かかるMFRの規定を満足するスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂として、例えば、ダイセルポリマー(株)製AS樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂)セビアン−N 020等を挙げることができる。
なお本発明において、MFRは、ISO1133又はJIS K7210:1999に基づき測定することができる。
本発明の洗浄用樹脂組成物において、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂の含有量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して、30質量部乃至70質量部であり、35質量部乃至65質量部であることが好ましく、40質量部乃至60質量部であることがより好ましい。
本発明の洗浄用樹脂組成物に用いられるスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂は、公知の方法に基づき合成することができ、例えば、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の重合方法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよいが、溶液重合及びバルク重合が工業的に有利で、分子量等の構造調整も容易であり好ましい。重合機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため、好ましい。またラジカル重合機構により重合する場合、熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤、光照射により分解してラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤を用いるのが工業的に有利で好ましい。そのような重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、重合温度や溶媒、重合させる単量体の種類等の重合条件に応じて、適宜選択すればよく、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、重合開始剤とともに遷移金属塩やアミン類等の還元剤を併用してもよい。また必要に応じて、連鎖移動剤を使用してもよく、ラジカル重合開始剤と併用するのがより好ましい。
本発明の洗浄用樹脂組成物に用いられるスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂は、具体的には、スチレンとアクリロニトリルとを反応させることによって得られる、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよいが、スチレン含量が50質量%以上であることが好ましく、アクリロニトリル含量が5質量%以上50質量%未満であることがより好ましい。
スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂は、フレークの形態であってもよいし、ペレットの形態であってもよい。例えば、必要に応じて、得られたスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂を周知の方法に基づき単離した後、例えば、周知のストランド方式のコールドカット法(一度溶融させたスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂をストランド状に成形、冷却後、所定の形状に切断してペレット化する方法)、空気中ホットカット方式のホットカット法(一度溶融させたスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂を、空気中で水に触れぬうちにペレット状に切断する方法)、水中ホットカット方式のホットカット法(一度溶融させたスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂を、水中で切断し、同時に冷却してペレット化する方法)によって、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂のペレットを得ることができる。尚、得られたスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂のペレットは、必要に応じて、熱風乾燥炉、真空乾燥炉、脱湿乾燥炉を用いた乾燥といった方法に基づき、適宜、乾燥させることが好ましい。
スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂には、添加剤として、酸化防止剤、フェノール系やリン系、硫黄系の熱安定剤;ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤;カルボン酸エステル、ポリシロキサン化合物、パラフィンワックス(ポリオレフィン系)、ポリカプロラクトン等の離型剤;帯電防止剤等を添加してもよい。
さらに、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂は、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂を射出成形にて成形された射出成形体や、溶融押出成形にて成形されたシートやフィルムを粉砕して得られる粉砕品でもよく、また該粉砕品を溶融混錬して得られる、いわゆるリサイクルペレットを用いてもよい。また、該粉砕品やリサイクルペレットの原料であるスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂はスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂とポリオレフィン系樹脂のポリマーアロイでもよいし、上記スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂製のシートやフィルムには保護フィルムとして用いられるポリオレフィン製フィルムが貼り付けられたものを用いてもよい。
<(B)成分:ポリプリピレン>
本発明の洗浄用樹脂組成物に用いられるポリプロピレンは、試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が、0.1g/10min乃至10g/10minである。かかるMFRの規定を満足するポリプリピレンとして、例えば、日本ポリプロ(株)製ノバテックPP EA9等を挙げることができる。
本発明の洗浄用樹脂組成物に用いられるポリプロピレンは、試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が、0.1g/10min乃至10g/10minである。かかるMFRの規定を満足するポリプリピレンとして、例えば、日本ポリプロ(株)製ノバテックPP EA9等を挙げることができる。
本発明の洗浄用樹脂組成物において、ポリプロピレンの含有量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して、10質量部乃至40質量部であり、10質量部乃至30質量部であることが好ましい。
<(C)成分:充填剤>
本発明の洗浄用樹脂組成物は、無機充填剤を含む。無機充填剤は、樹脂成分に対する熱劣化が少ないという観点から、鉄分、酸、又はアルカリ分が少ないものが好ましい。また充填剤の形状が、針状又は粉砕形状であるものが好ましい。無機充填剤の含有量は、その洗浄能力、高粘度化の観点から、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して10質量部乃至60質量部であり、10質量部乃至50質量部であることが好ましく、15質量部乃至45質量部であることが好ましい。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、無機充填剤を含む。無機充填剤は、樹脂成分に対する熱劣化が少ないという観点から、鉄分、酸、又はアルカリ分が少ないものが好ましい。また充填剤の形状が、針状又は粉砕形状であるものが好ましい。無機充填剤の含有量は、その洗浄能力、高粘度化の観点から、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して10質量部乃至60質量部であり、10質量部乃至50質量部であることが好ましく、15質量部乃至45質量部であることが好ましい。
また、無機充填剤として、ガラス繊維、チタン酸カリ繊維、金属繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、PPS繊維、硫酸カルシウム、マイカ、アスベスト、セラミックパウダー、金属フレーク、板状ガラス、ガラスビーズ、炭酸カルシウム(CaCO2)、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム(CaSiO3)等を挙げることができる。中でも、ガラス繊維、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、又はワラストナイト、ゾノトライト等のケイ酸塩鉱物等のケイ酸塩、マイカ、板状ガラス及びガラスビーズが好ましく、特に、洗浄能力向上の観点から、ガラス繊維又はケイ酸塩がより好ましい。
また、無機充填剤としては、中でも、シランカップリング剤やチタン系カップリング剤等で表面処理されたものが好ましい。表面処理剤として、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン等のアミノシラン系、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタン系カップリング剤等を挙げることができる。
<洗浄用樹脂組成物の製造>
本発明の洗浄用樹脂組成物は、上述した配合比にて、通常の熱可塑性樹脂の分野において実施されている混合方法、例えば、押出機による混練りに基づき製造することができる。この際、同時に全成分を混合してもよく、成分の一部をあらかじめ混合し、いわゆるマスターバッチを製造し、このマスターバッチと残りの成分を混合してもよい。また本発明の洗浄用樹脂組成物を製造するにあたり、熱可塑性樹脂の分野で一般に添加されている滑剤、劣化防止剤、可塑剤のような添加剤を、本発明の洗浄用樹脂組成物の効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加してもよい。このようにして得られる組成物は通常ペレット状に成形され、熱可塑性樹脂の分野において一般に行なわれている射出成形法、押出し成形法等の成形法で、熱可塑性樹脂、特に難燃性グレード樹脂やガラス繊維強化樹脂を成形した後の押出機や成形機の洗浄剤として使用される。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、上述した配合比にて、通常の熱可塑性樹脂の分野において実施されている混合方法、例えば、押出機による混練りに基づき製造することができる。この際、同時に全成分を混合してもよく、成分の一部をあらかじめ混合し、いわゆるマスターバッチを製造し、このマスターバッチと残りの成分を混合してもよい。また本発明の洗浄用樹脂組成物を製造するにあたり、熱可塑性樹脂の分野で一般に添加されている滑剤、劣化防止剤、可塑剤のような添加剤を、本発明の洗浄用樹脂組成物の効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加してもよい。このようにして得られる組成物は通常ペレット状に成形され、熱可塑性樹脂の分野において一般に行なわれている射出成形法、押出し成形法等の成形法で、熱可塑性樹脂、特に難燃性グレード樹脂やガラス繊維強化樹脂を成形した後の押出機や成形機の洗浄剤として使用される。
ここで滑剤の例として、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げることができる。脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族1価、2価又は3価カルボン酸を挙げることができる。ここで、脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中でも、好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36の1価又は2価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸が更に好ましい。脂肪族カルボン酸の具体例として、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸として、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとして、飽和又は不飽和の1価又は多価アルコールを挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが更に好ましい。ここで、脂肪族には脂環式化合物も包含される。アルコールの具体例として、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。尚、上記のエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例として、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等を挙げることができる。数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素として、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等を挙げることができる。ここで、脂肪族炭化水素には脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素化合物は部分酸化されていてもよい。これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス又はポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが更に好ましい。数平均分子量は、好ましくは200〜5000である。これらの脂肪族炭化水素は単一物質であっても、構成成分や分子量が様々なものの混合物であってもよく、主成分が上記の範囲内であればよい。ポリシロキサン系シリコーンオイルとして、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等を挙げることができる。これらの2種類以上を併用してもよい。
滑剤の添加量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計100質量部に対して、0質量部乃至10質量部であり、1質量部乃至5質量部であることが好ましい。滑剤を添加することにより、シリンダーの内部等に残留した熱可塑性樹脂が、シリンダー、スクリュー等の構成要素から剥がれ易く又は浮き易くなる。
本発明の洗浄用樹脂組成物は、射出成形機に備えられ、原料の熱可塑性樹脂を溶融、混練し、可塑化するためのシリンダー(加熱筒、バレル)とそこに内蔵されるスクリューや、その先端部に取り付けられ、樹脂を吐出するノズル等の洗浄に用いることができる。同様に、押出成形機に備えられ、原料の熱可塑性樹脂を溶融、混練し、可塑化するための加熱シリンダーとそこに内蔵されるスクリューや、その先端部に取り付けられ、樹脂を吐出するダイ等の洗浄に用いることができる。射出成形機(射出成形装置)として、例えば、公知のインラインスクリュー方式や、プランジャー方式、スクリュー・プリプラ方式の射出成形機を挙げることができる。また、押出成形機として、ベント式押出機やタンデム式押出機を含む周知の単軸押出機、パラレル式二軸押出機やコニカル式二軸押出機を含む周知の二軸押出機を用いることができる。さらに、ダイの構造、構成、形式も、本質的に任意である。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。
本発明の実施例及び比較例で用いた各成分は、以下のとおりである。
<(A)成分:スチレン−アクリロニトリル共重合(AS)樹脂>
・AS(スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂)セビアン−N 020(ダイセルポリマー(株)製);メルトマスフローレート(MFR;ISO1133にて、試験温度(θ)220℃、公称荷重(Mnom)10kgの条件において測定)13g/10min。
<(B)成分:ポリプロピレン(PP)>
・ノバテックTMPP EA9(日本ポリプロ(株)製);メルトマスフローレート(MFR;JIS K7210:1999にて、試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件において測定)0.5g/10min。
<(C)成分:充填剤>
・ガラス繊維(GF):T−571(日本電気硝子(株)製);チョップドストランド、長さ3mm。
・ワラストナイト(wollastonite;ケイ酸カルシウム):NYGLOS(登録商標)4W(NYCO Minerals, Inc.製);メジアン径4.5μm、針状。
<その他の成分>
・ポリエチレンワックス(滑剤):Licowax PE 520(Clariant製);粉末。
<比較樹脂>
・ポリエチレン(PE):ノバテックTMHD HY540(日本ポリエチレン(株)製);メルトマスフローレート(MFR;試験温度(θ)190℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件において測定)1.0g/10min。
・ポリメチルメタクリレート(PMMA):アクリペットTMVH001(三菱レイヨン(株)製);メルトマスフローレート(MFR;JIS K7210にて、試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)3.8kgの条件において測定)2.0g/10min。
<(A)成分:スチレン−アクリロニトリル共重合(AS)樹脂>
・AS(スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂)セビアン−N 020(ダイセルポリマー(株)製);メルトマスフローレート(MFR;ISO1133にて、試験温度(θ)220℃、公称荷重(Mnom)10kgの条件において測定)13g/10min。
<(B)成分:ポリプロピレン(PP)>
・ノバテックTMPP EA9(日本ポリプロ(株)製);メルトマスフローレート(MFR;JIS K7210:1999にて、試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件において測定)0.5g/10min。
<(C)成分:充填剤>
・ガラス繊維(GF):T−571(日本電気硝子(株)製);チョップドストランド、長さ3mm。
・ワラストナイト(wollastonite;ケイ酸カルシウム):NYGLOS(登録商標)4W(NYCO Minerals, Inc.製);メジアン径4.5μm、針状。
<その他の成分>
・ポリエチレンワックス(滑剤):Licowax PE 520(Clariant製);粉末。
<比較樹脂>
・ポリエチレン(PE):ノバテックTMHD HY540(日本ポリエチレン(株)製);メルトマスフローレート(MFR;試験温度(θ)190℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件において測定)1.0g/10min。
・ポリメチルメタクリレート(PMMA):アクリペットTMVH001(三菱レイヨン(株)製);メルトマスフローレート(MFR;JIS K7210にて、試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)3.8kgの条件において測定)2.0g/10min。
[実施例1]
下記表1に記載された配合量に従い、AS樹脂、PP及びワックスを20分間ドライブレンドした後、主フィーダーより投入し、GFをサイドフィーダーより投入し、押出機(東芝機械(株)製;TEM−48)に供給した。バレルの設定温度200℃〜290℃、スクリュー(三段圧縮タイプ)回転数450rpm〜550rpm、吐出量250kg/hにて、ストランドダイより押し出した樹脂組成物を冷却水槽で冷却の後、ストランドカッターに送り込み、適切なペレット(長さ3.0±0.3mm、長径3.0±0.6mm)に裁断し、洗浄用樹脂組成物のペレットを得た。
下記表1に記載された配合量に従い、AS樹脂、PP及びワックスを20分間ドライブレンドした後、主フィーダーより投入し、GFをサイドフィーダーより投入し、押出機(東芝機械(株)製;TEM−48)に供給した。バレルの設定温度200℃〜290℃、スクリュー(三段圧縮タイプ)回転数450rpm〜550rpm、吐出量250kg/hにて、ストランドダイより押し出した樹脂組成物を冷却水槽で冷却の後、ストランドカッターに送り込み、適切なペレット(長さ3.0±0.3mm、長径3.0±0.6mm)に裁断し、洗浄用樹脂組成物のペレットを得た。
[実施例2〜3、比較例1〜3]
下記表1に記載された組成及び配合量に従い、実施例1と同様の方法で洗浄用樹脂組成物のペレットを調製した。
下記表1に記載された組成及び配合量に従い、実施例1と同様の方法で洗浄用樹脂組成物のペレットを調製した。
[比較例4]
比較例4として、アサクリンTMNewEX(旭化成(株)製)を使用した。
比較例4として、アサクリンTMNewEX(旭化成(株)製)を使用した。
[実施例4]
下記表2に記載された配合量に従い、AS樹脂、PP、ワラストナイト及びワックスを20分間ドライブレンドした後、主フィーダーより投入し、押出機(東芝機械(株)製;TEM−48)に供給した。バレルの設定温度200℃〜290℃、スクリュー(三段圧縮タイプ)回転数450rpm〜550rpm、吐出量250kg/hにて、ストランドダイより押し出した樹脂組成物を冷却水槽で冷却の後、ストランドカッターに送り込み、適切なペレット(長さ3.0±0.3mm、長径3.0±0.6mm)に裁断し、洗浄用樹脂組成物のペレットを得た。
下記表2に記載された配合量に従い、AS樹脂、PP、ワラストナイト及びワックスを20分間ドライブレンドした後、主フィーダーより投入し、押出機(東芝機械(株)製;TEM−48)に供給した。バレルの設定温度200℃〜290℃、スクリュー(三段圧縮タイプ)回転数450rpm〜550rpm、吐出量250kg/hにて、ストランドダイより押し出した樹脂組成物を冷却水槽で冷却の後、ストランドカッターに送り込み、適切なペレット(長さ3.0±0.3mm、長径3.0±0.6mm)に裁断し、洗浄用樹脂組成物のペレットを得た。
[実施例5〜6、比較例5〜7]
下記表2に記載された組成及び配合量に従い、実施例4と同様の方法で洗浄用樹脂組成物のペレットを調製した。
下記表2に記載された組成及び配合量に従い、実施例4と同様の方法で洗浄用樹脂組成物のペレットを調製した。
[比較例8]
比較例8として、アサクリンTMU(旭化成(株)製)を使用した。
比較例8として、アサクリンTMU(旭化成(株)製)を使用した。
以下の試験例に従い、実施例及び比較例の洗浄用樹脂組成物の洗浄性能を評価した。
[試験例1]
二軸押出機(東芝機械(株)製;TEM−48;L/D=38;オープンベント+ベント付)を用いて、押出温度290℃、吐出率250kg/h、スクリュー回転数400rpmの条件にて、先ず、黒色のガラス繊維強化変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂ペレット(ユピエース(登録商標)GN30;三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を用いて溶融混練を行った。その後、洗浄試験として、実施例1〜3及び比較例1〜4の洗浄用樹脂組成物20kg(吐出率250kg/h)をそれぞれ用いて、5分間(吐出率250kg/h)押出洗浄を実施し、洗浄用樹脂組成物の洗浄性能を、以下の点からそれぞれ評価した。結果を表3に示す。
二軸押出機(東芝機械(株)製;TEM−48;L/D=38;オープンベント+ベント付)を用いて、押出温度290℃、吐出率250kg/h、スクリュー回転数400rpmの条件にて、先ず、黒色のガラス繊維強化変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂ペレット(ユピエース(登録商標)GN30;三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を用いて溶融混練を行った。その後、洗浄試験として、実施例1〜3及び比較例1〜4の洗浄用樹脂組成物20kg(吐出率250kg/h)をそれぞれ用いて、5分間(吐出率250kg/h)押出洗浄を実施し、洗浄用樹脂組成物の洗浄性能を、以下の点からそれぞれ評価した。結果を表3に示す。
(置換性)
置換性は、洗浄前に使用したユピエース(登録商標)GN30が黒色であることから、洗浄試験により押出機に供給された実施例1〜3及び比較例1〜4の洗浄用樹脂組成物が、押出機の先端(ダイ部)より流れ出る際に、洗浄に供される前の樹脂組成物と同色になる時間を測定し、以下のように評価した。
・30秒以内 →◎ :非常に良好
・1分以内 →○ :良好
・2分以内 →△ :やや不良
・3分以内 →× :不良
なお、実施例1〜3、比較例1及び2の樹脂組成物は薄黄パール色、比較例3の樹脂組成物は薄黄色、比較例4の樹脂組成物(アサクリンTMNewEx)は薄黄色である。
置換性は、洗浄前に使用したユピエース(登録商標)GN30が黒色であることから、洗浄試験により押出機に供給された実施例1〜3及び比較例1〜4の洗浄用樹脂組成物が、押出機の先端(ダイ部)より流れ出る際に、洗浄に供される前の樹脂組成物と同色になる時間を測定し、以下のように評価した。
・30秒以内 →◎ :非常に良好
・1分以内 →○ :良好
・2分以内 →△ :やや不良
・3分以内 →× :不良
なお、実施例1〜3、比較例1及び2の樹脂組成物は薄黄パール色、比較例3の樹脂組成物は薄黄色、比較例4の樹脂組成物(アサクリンTMNewEx)は薄黄色である。
(洗浄性)
5分間の洗浄試験の終了後、スクリューを抜出し、そのスクリュー表面(特に、圧縮部・先端部)を観察して、洗浄性を以下のように評価した。
・金属光沢(汚れなし) →◎ :非常に良好
・一部スクリュー(圧縮部・先端部)にのみ少し変色した樹脂(黄色)有 →○ :良好
・一部スクリュー(圧縮部・先端部)に変色した樹脂(褐色)有 →△ :やや不良
・一部スクリュー(圧縮部・先端部)に焼け樹脂(黒色)有 →× :不良
5分間の洗浄試験の終了後、スクリューを抜出し、そのスクリュー表面(特に、圧縮部・先端部)を観察して、洗浄性を以下のように評価した。
・金属光沢(汚れなし) →◎ :非常に良好
・一部スクリュー(圧縮部・先端部)にのみ少し変色した樹脂(黄色)有 →○ :良好
・一部スクリュー(圧縮部・先端部)に変色した樹脂(褐色)有 →△ :やや不良
・一部スクリュー(圧縮部・先端部)に焼け樹脂(黒色)有 →× :不良
(剥がれ性)
5分間の洗浄試験の終了後、抜出したスクリューに付着した洗浄用樹脂組成物のスクリューからの剥がれ性を以下のように評価した。
・圧縮部以外は、指先でつまんできれいに取り除ける →◎ :非常に良好
・圧縮部・先端部の数か所以外は、指先でつまんできれいに取り除ける →○ :良好
・フィード部等の低圧部のみ除去可能・その他は除去できない →△ :やや不良
・いずれの部分も手で除去不能 →× :不良
5分間の洗浄試験の終了後、抜出したスクリューに付着した洗浄用樹脂組成物のスクリューからの剥がれ性を以下のように評価した。
・圧縮部以外は、指先でつまんできれいに取り除ける →◎ :非常に良好
・圧縮部・先端部の数か所以外は、指先でつまんできれいに取り除ける →○ :良好
・フィード部等の低圧部のみ除去可能・その他は除去できない →△ :やや不良
・いずれの部分も手で除去不能 →× :不良
(清掃性)
5分間の洗浄試験の終了後、スクリュー・バレル・ダイ部の清掃方法により、清掃性を以下のように評価した。
・エアブロー・軽いワイヤーブラシのみで清掃可能 →◎ :非常に良好
・一部スクリュー部分等に回転ブラシでの清掃が必要 →○ :良好
・スクリュー・バレル等に回転ブラシでの清掃が必要 →△ :やや不良
・スクレパー(清掃用金属ヘラ)・サンドペーパー・回転ブラシでの清掃が必要→×:不良
5分間の洗浄試験の終了後、スクリュー・バレル・ダイ部の清掃方法により、清掃性を以下のように評価した。
・エアブロー・軽いワイヤーブラシのみで清掃可能 →◎ :非常に良好
・一部スクリュー部分等に回転ブラシでの清掃が必要 →○ :良好
・スクリュー・バレル等に回転ブラシでの清掃が必要 →△ :やや不良
・スクレパー(清掃用金属ヘラ)・サンドペーパー・回転ブラシでの清掃が必要→×:不良
実施例1〜3の洗浄用樹脂組成物は、いずれの評価項目においても非常に良好な評価であった。一方、PPの代わりに、それぞれPE及びPMMAを用いた比較例1及び2の洗浄用樹脂組成物は、置換性は良好であったものの、洗浄性、剥がれ性及び清掃性はやや不良又は不良であった。ASとGFのみを用いた比較例3の洗浄用樹脂組成物、及びアサクリンTMNewEX(旭化成(株)製)を使用した比較例4は、置換性は非常に良好な評価であったものの、洗浄性、剥がれ性及び清掃性は良好と、本発明の実施例1〜3の評価には及ばなかった。このように本願発明の洗浄用樹脂組成物は、従来品と比較して、洗浄性能や作業性の観点から優れたものであった。
[試験例2]
二軸押出機(東芝機械(株)製;TEM−48;L/D=38;オープンベント+ベント付)を用いて、押出温度290℃、吐出率250kg/h、スクリュー回転数400rpmの条件にて、先ず、黒色の難燃グレードのポリカーボネート(PC)樹脂ペレット(ユーピロン(登録商標)FPR3300 B;三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を用いて溶融混練を行った。その後、洗浄試験として、実施例4〜6及び比較例5〜8の洗浄用樹脂組成物20kg(吐出率250kg/h)をそれぞれ用いて、5分間(吐出率250kg/h)押出洗浄を実施し、洗浄用樹脂組成物の洗浄性能を、上述した各評価項目(置換性〜清掃性)の点からそれぞれ評価した。その結果を表4に示す。
二軸押出機(東芝機械(株)製;TEM−48;L/D=38;オープンベント+ベント付)を用いて、押出温度290℃、吐出率250kg/h、スクリュー回転数400rpmの条件にて、先ず、黒色の難燃グレードのポリカーボネート(PC)樹脂ペレット(ユーピロン(登録商標)FPR3300 B;三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を用いて溶融混練を行った。その後、洗浄試験として、実施例4〜6及び比較例5〜8の洗浄用樹脂組成物20kg(吐出率250kg/h)をそれぞれ用いて、5分間(吐出率250kg/h)押出洗浄を実施し、洗浄用樹脂組成物の洗浄性能を、上述した各評価項目(置換性〜清掃性)の点からそれぞれ評価した。その結果を表4に示す。
実施例4〜6の洗浄用樹脂組成物は、いずれの評価項目においても非常に良好な評価であった。一方、PPの代わりに、それぞれPE及びPMMAを用いた比較例5及び6の洗浄用樹脂組成物は、置換性は良好であったものの、洗浄性、剥がれ性及び清掃性はやや不良又は不良であった。ASとワラストナイトのみを用いた比較例7の洗浄用樹脂組成物、及びアサクリンTMU(旭化成(株)製)を使用した比較例8は、置換性は非常に良好な評価であったものの、洗浄性、剥がれ性及び清掃性は良好と、本発明の実施例4〜6の評価には及ばなかった。このように本願発明の洗浄用樹脂組成物は、従来品と比較して、洗浄性能や作業性の観点から優れたものであった。
Claims (6)
- (A)試験温度(θ)220℃、公称荷重(Mnom)10kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が1.0g/10min乃至40g/10minであるスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂30質量部乃至70質量部、
(B)試験温度(θ)230℃、公称荷重(Mnom)2.16kgの条件におけるメルトマスフローレート(MFR)の値が0.1g/10min乃至10g/10minであるポリプロピレン10質量部乃至40質量部、及び
(C)1種類以上の無機充填剤10質量部乃至60質量部
からなり、(A)、(B)及び(C)の質量部の合計が100質量部であることを特徴とする、洗浄用樹脂組成物。 - スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂のアクリロニトリル含量が5質量%以上50質量%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄用樹脂組成物。
- 無機充填剤(C)が、ケイ酸塩であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の洗浄剤。
- 無機充填剤(C)が、ガラス繊維であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の洗浄用樹脂組成物。
- 成形機又は押出機の洗浄用である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の洗浄用樹脂組成物。
- エンジニアリングプラスチック成形後の成形機又は押出機の洗浄用である、請求項5に記載の洗浄用樹脂組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016115536A JP2017218540A (ja) | 2016-06-09 | 2016-06-09 | 成形機及び押出機洗浄用樹脂組成物 |
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Publications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108997653A (zh) * | 2018-08-31 | 2018-12-14 | 柏力开米复合塑料(昆山)有限公司 | 一种聚丙烯复合材料及其制备方法 |
WO2019167829A1 (ja) * | 2018-02-28 | 2019-09-06 | 旭化成株式会社 | スクリュー抜き補助剤 |
WO2024038884A1 (ja) * | 2022-08-19 | 2024-02-22 | 旭化成株式会社 | 成形機洗浄用樹脂組成物 |
-
2016
- 2016-06-09 JP JP2016115536A patent/JP2017218540A/ja active Pending
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CN108997653A (zh) * | 2018-08-31 | 2018-12-14 | 柏力开米复合塑料(昆山)有限公司 | 一种聚丙烯复合材料及其制备方法 |
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