JP2023030997A - 液晶ポリエステルペレット組成物及び射出成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】色調のばらつきが抑えられた射出成形品、及びその成形材料である液晶ポリエステルペレット組成物を提供する。【解決手段】射出成形品の成形材料として、第1のペレット及び第2のペレットを含有する、液晶ポリエステルペレット組成物を採用する。第1のペレットは、液晶ポリエステルを含むペレットであり、第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、第2のペレットは、第1のペレットと異なる)である。加えて、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下である。【選択図】なし
Description
本発明は、液晶ポリエステルペレット組成物及び射出成形品に関する。
液晶ポリエステルは、流動性、耐熱性及び寸法精度が高いことが知られている。
液晶ポリエステルは通常、単体で用いられることは少なく、各種用途における要求特性(例えば、曲げ特性、耐衝撃性)を満たすために、充填材を含有させた液晶ポリエステル組成物として用いられている。このような液晶ポリエステル組成物から作製される成形品は、軽量でありながら強度が高いことが知られている。
かかる液晶ポリエステル組成物は、成形材料として各種用途にその使用が拡大しつつある。なかでも、パーソナルコンピューターや携帯電話等の情報通信分野では、部品の高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が急速に進んでいる。このような情報通信分野の成形品においては、液晶ポリエステル組成物の使用量が大幅に増大している。
液晶ポリエステルは通常、単体で用いられることは少なく、各種用途における要求特性(例えば、曲げ特性、耐衝撃性)を満たすために、充填材を含有させた液晶ポリエステル組成物として用いられている。このような液晶ポリエステル組成物から作製される成形品は、軽量でありながら強度が高いことが知られている。
かかる液晶ポリエステル組成物は、成形材料として各種用途にその使用が拡大しつつある。なかでも、パーソナルコンピューターや携帯電話等の情報通信分野では、部品の高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が急速に進んでいる。このような情報通信分野の成形品においては、液晶ポリエステル組成物の使用量が大幅に増大している。
前記の情報通信分野の成形品の中には、着色がされた成形品(着色成形品)であることが要求されるものがある。この着色成形品を製造する方法の一つとして、マスターバッチ方式の方法がある。マスターバッチ方式の方法では、ナチュラルペレットと、通常より高濃度の顔料を含むペレット(マスターバッチ)と、を混合してペレット混合物が調製される。次いで、このペレット混合物を成形材料に使用して射出成形することにより、目的とする色調の射出成形品が得られる。
このマスターバッチ方式の方法は、高濃度の顔料を、ベースとなる材料へ容易に添加することが可能であり、顔料を効率的に添加することができるため、様々な樹脂材料で用いられている。特に、多品種を製造する必要が有る着色成形品を、ベースとなる材料と、異なる顔料を含む各マスターバッチと、を混合することで容易に製造することができる。
このマスターバッチ方式の方法は、高濃度の顔料を、ベースとなる材料へ容易に添加することが可能であり、顔料を効率的に添加することができるため、様々な樹脂材料で用いられている。特に、多品種を製造する必要が有る着色成形品を、ベースとなる材料と、異なる顔料を含む各マスターバッチと、を混合することで容易に製造することができる。
例えば、特許文献1には、液晶ポリマー樹脂ペレットAと、着色剤を配合したポリアルキレンテレフタレート樹脂ペレットBと、をブレンドして直接成形する着色成形品の製造法が開示されている。この特許文献1においては、マスターバッチとして、着色剤と、液晶ポリマー樹脂と比較的相溶性に優れている他の熱可塑性樹脂と、を含むペレットが採用されている。
しかしながら、マスターバッチ方式の方法を利用して製造された射出成形品においては、特に高濃度の顔料を含んだマスターバッチを配合する場合、成形品毎で色調のばらつきが発生しやすい、という問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、色調のばらつきが抑えられた射出成形品、及びその成形材料である液晶ポリエステルペレット組成物を提供することを目的とする。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、色調のばらつきが抑えられた射出成形品、及びその成形材料である液晶ポリエステルペレット組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、液晶ポリエステル組成物を成形材料とした着色成形品の色調について検討を行った。その検討の中で、マスターバッチ方式の方法を利用して着色成形品を製造した際、成形品毎での色調のばらつきが大きくなる場合と、成形品毎での色調のばらつきが抑えられる場合と、が有るという知見を得た。更なる検討により、これらの色調のばらつきの差異が、いわゆるナチュラルペレットとマスターバッチとの体積比に関係することを見出し、本発明を完成するに至った。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の態様を包含する。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の態様を包含する。
[1] 第1のペレット及び第2のペレットを含有し、前記第1のペレットは、液晶ポリエステルを含むペレットであり、前記第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、前記第2のペレットは、前記第1のペレットと異なる)であり、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下であることを特徴とする、液晶ポリエステルペレット組成物。
[2] 前記第2のペレット中の、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量は、前記第2のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して1.5~40質量部である、[1]に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
[3] 前記第2のペレットの含有量は、前記第1のペレット100質量部に対して1~10質量部である、[1]又は[2]に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
[4] [1]~[3]のいずれか一項に記載の液晶ポリエステルペレット組成物を用いて作製されたことを特徴とする、射出成形品。
本発明の液晶ポリエステルペレット組成物によれば、色調のばらつきが抑えられた射出成形品を製造することができる。
本発明の射出成形品によれば、成形品毎での色調のばらつきが抑えられる。
本発明の射出成形品によれば、成形品毎での色調のばらつきが抑えられる。
ここでいう「成形品毎での色調のばらつき」とは、例えば、成形品毎に、測色計でL*、a*及びb*を測定した際の成形品毎の各値の振れを意味する。
(液晶ポリエステルペレット組成物)
本発明の一態様に係る液晶ポリエステルペレット組成物は、第1のペレット及び第2のペレットを含有するものである。
前記第1のペレットは、液晶ポリエステルを含むペレットである。
前記第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、前記第2のペレットは、前記第1のペレットと異なる)である。
本態様に係る液晶ポリエステルペレット組成物においては、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下である。
本発明の一態様に係る液晶ポリエステルペレット組成物は、第1のペレット及び第2のペレットを含有するものである。
前記第1のペレットは、液晶ポリエステルを含むペレットである。
前記第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、前記第2のペレットは、前記第1のペレットと異なる)である。
本態様に係る液晶ポリエステルペレット組成物においては、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下である。
液晶ポリエステルペレット組成物の一実施形態として、第1のペレットと第2のペレットとを含有するペレット混合物が挙げられる。本実施形態では、第1のペレットがいわゆるナチュラルペレットであり、第2のペレットがマスターバッチである。
以下、第1のペレット及び第2のペレットについて詳細に説明する。
本実施形態における第1のペレット及び第2のペレットは、後述のように、例えば、液晶ポリエステルペレット組成物を押し出して作製されるストランドを引き取りながら切断してペレット化することにより得られる。第1のペレット及び第2のペレットは、それぞれ、複数のペレット(ペレット100粒以上)からなる集合物を意味する。
なお、各ペレットに含まれる成分(液晶ポリエステル、有機顔料、有機染料又はカーボンブラック、これら以外の任意成分)についての説明はまとめて後述する。
本実施形態における第1のペレット及び第2のペレットは、後述のように、例えば、液晶ポリエステルペレット組成物を押し出して作製されるストランドを引き取りながら切断してペレット化することにより得られる。第1のペレット及び第2のペレットは、それぞれ、複数のペレット(ペレット100粒以上)からなる集合物を意味する。
なお、各ペレットに含まれる成分(液晶ポリエステル、有機顔料、有機染料又はカーボンブラック、これら以外の任意成分)についての説明はまとめて後述する。
<第1のペレット>
一実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、第1のペレットは、液晶ポリエステルを含むペレットである。第1のペレットを構成するペレットはそれぞれ、液晶ポリエステルを含む。
第1のペレット中、液晶ポリエステルの含有量は、第1のペレットの総質量(100質量%)に対して、例えば50質量%以上であり、50~90質量%でもよいし、55~80質量%でもよいし、55~70質量%でもよい。
一実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、第1のペレットは、液晶ポリエステルを含むペレットである。第1のペレットを構成するペレットはそれぞれ、液晶ポリエステルを含む。
第1のペレット中、液晶ポリエステルの含有量は、第1のペレットの総質量(100質量%)に対して、例えば50質量%以上であり、50~90質量%でもよいし、55~80質量%でもよいし、55~70質量%でもよい。
第1のペレットは、液晶ポリエステルに加え、これ以外の任意成分を含んでいてもよい。これ以外の任意成分としては、フィラー、液晶ポリエステル以外の樹脂、着色剤、当技術分野で周知の添加剤が挙げられる。
フィラーとしては、無機充填材でもよいし有機充填材でもよく、用途等に応じて適宜決定され、機械強度付与の点から、無機充填材を用いることが好ましい。フィラーは、一種又は二種以上を用いてもよい。
第1のペレットがフィラーを含有する場合、フィラーの含有量は、第1のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して、例えば30~80質量部であることが好ましく、40~75質量部であることがより好ましく、50~70質量部であることがさらに好ましい。
また、第1のペレットがフィラーを含有する場合、フィラーの含有量は、第1のペレットの総質量(100質量%)に対して、例えば50質量%以下であり、10~50質量%でもよいし、20~45質量%でもよいし、30~45質量%でもよい。
フィラーとしては、無機充填材でもよいし有機充填材でもよく、用途等に応じて適宜決定され、機械強度付与の点から、無機充填材を用いることが好ましい。フィラーは、一種又は二種以上を用いてもよい。
第1のペレットがフィラーを含有する場合、フィラーの含有量は、第1のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して、例えば30~80質量部であることが好ましく、40~75質量部であることがより好ましく、50~70質量部であることがさらに好ましい。
また、第1のペレットがフィラーを含有する場合、フィラーの含有量は、第1のペレットの総質量(100質量%)に対して、例えば50質量%以下であり、10~50質量%でもよいし、20~45質量%でもよいし、30~45質量%でもよい。
第1のペレットは、着色剤をさらに含有していてもよい。本実施形態において、第1のペレットは、着色剤の含有量が第1のペレットの総質量(100質量%)に対して0質量%以上5質量%未満であるペレットとする。すなわち、ペレット混合物を構成する複数のペレットのうち、着色剤を含まず液晶ポリエステルを含むペレット、着色剤の含有量が0質量%超え5質量%未満でありかつ液晶ポリエステルを含むペレットをそれぞれ第1のペレットとする。
また、着色剤は、一種又は二種以上を用いてもよい。ここでの着色剤には、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックを包含しないものとする。
また、着色剤は、一種又は二種以上を用いてもよい。ここでの着色剤には、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックを包含しないものとする。
第1のペレットは、一種のペレットのみからなる場合の他、二種以上のペレットからなる場合でもよい。
第1のペレットが一種のペレットのみからなる場合とは、着色剤を含有しないペレットの場合、着色剤の含有量が0質量%超え5質量%未満であるペレットの場合を包含する。
第1のペレットが二種以上のペレットからなる場合とは、着色剤を含有しないペレット二種以上の場合;着色剤の含有量が0質量%超え5質量%未満であるペレット二種以上の場合;着色剤を含有しないペレットと、着色剤の含有量が0質量%超え5質量%未満であるペレットとの混合ペレットの場合;液晶ポリエステルの種類又は含有量が異なるペレットの場合;着色剤の種類又は含有量が異なるペレットの場合を包含する。
第1のペレットが一種のペレットのみからなる場合とは、着色剤を含有しないペレットの場合、着色剤の含有量が0質量%超え5質量%未満であるペレットの場合を包含する。
第1のペレットが二種以上のペレットからなる場合とは、着色剤を含有しないペレット二種以上の場合;着色剤の含有量が0質量%超え5質量%未満であるペレット二種以上の場合;着色剤を含有しないペレットと、着色剤の含有量が0質量%超え5質量%未満であるペレットとの混合ペレットの場合;液晶ポリエステルの種類又は含有量が異なるペレットの場合;着色剤の種類又は含有量が異なるペレットの場合を包含する。
<第2のペレット>
一実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、前記第2のペレットは、前記第1のペレットと異なる)である。第2のペレットを構成するペレットはそれぞれ、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含む。
第2のペレットは、前記第1のペレットと異なるペレットである。
第1のペレットと第2のペレットとは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックを含むか否かの点で相違する。
ペレット混合物から、前記第1のペレットが取り除かれている場合、残りの複数のペレットのうち、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも一種と、液晶ポリエステルと、を含むペレットを第2のペレットとする。
本実施形態において、第2のペレットは、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量が、第2のペレットの総質量(100質量%)に対して0.5質量%以上であるペレットであることが好ましい。
一実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、前記第2のペレットは、前記第1のペレットと異なる)である。第2のペレットを構成するペレットはそれぞれ、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含む。
第2のペレットは、前記第1のペレットと異なるペレットである。
第1のペレットと第2のペレットとは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックを含むか否かの点で相違する。
ペレット混合物から、前記第1のペレットが取り除かれている場合、残りの複数のペレットのうち、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも一種と、液晶ポリエステルと、を含むペレットを第2のペレットとする。
本実施形態において、第2のペレットは、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量が、第2のペレットの総質量(100質量%)に対して0.5質量%以上であるペレットであることが好ましい。
第2のペレット中、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量は、その種類又は要求に応じて適宜決定され、第2のペレットの総質量(100質量%)に対して、例えば0質量%超え30質量%以下であり、0.5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1~30質量%でもよいし、3~25質量%でもよいし、5~20質量%でもよい。
第2のペレット中、液晶ポリエステルの含有量は、第2のペレットの総質量(100質量%)に対して、例えば50質量%以上であり、60~99質量%でもよいし、70~97質量%でもよいし、75~95質量%でもよい。
また、第2のペレット中の、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量は、その種類又は要求に応じて適宜決定され、前記第2のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して、例えば1.5~40質量部であることが好ましく、5~35質量部であることがより好ましく、10~30質量部であることがさらに好ましく、10~25質量部であることが特に好ましい。
有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、成形品に色がつきやすくなり、一方、前記の好ましい範囲の上限値以下であれば、加工時に顔料等が分散しやすくなる。
有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、成形品に色がつきやすくなり、一方、前記の好ましい範囲の上限値以下であれば、加工時に顔料等が分散しやすくなる。
第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとに加え、これら以外の任意成分を含んでいてもよい。これら以外の任意成分としては、フィラー、液晶ポリエステル以外の樹脂、その他着色剤、当技術分野で周知の添加剤が挙げられる。
第2のペレットは、種々の異なる第1のペレットとの混合で共通使用する。このため、第2のペレット中のフィラーの含有量は少ない方が汎用性に優れる。第2のペレット中のフィラーの含有量は、前記第2のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して、例えば10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
第2のペレットは、種々の異なる第1のペレットとの混合で共通使用する。このため、第2のペレット中のフィラーの含有量は少ない方が汎用性に優れる。第2のペレット中のフィラーの含有量は、前記第2のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して、例えば10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
第2のペレットは、一種のペレットのみからなる場合の他、二種以上のペレットからなる場合でもよい。
第2のペレットが二種以上のペレットからなる場合とは、有機顔料を含むペレットと、有機染料を含むペレットとの混合ペレットの場合;有機顔料を含むペレットと、カーボンブラックを含むペレットとの混合ペレットの場合;有機染料を含むペレットと、カーボンブラックを含むペレットとの混合ペレットの場合;有機顔料を含むペレットと、有機染料を含むペレットと、カーボンブラックを含むペレットとの混合ペレットの場合;液晶ポリエステルの種類又は含有量が異なるペレットの場合;有機顔料、有機染料もしくはカーボンブラックの種類又は含有量が異なるペレットの場合を包含する。
第2のペレットが二種以上のペレットからなる場合とは、有機顔料を含むペレットと、有機染料を含むペレットとの混合ペレットの場合;有機顔料を含むペレットと、カーボンブラックを含むペレットとの混合ペレットの場合;有機染料を含むペレットと、カーボンブラックを含むペレットとの混合ペレットの場合;有機顔料を含むペレットと、有機染料を含むペレットと、カーボンブラックを含むペレットとの混合ペレットの場合;液晶ポリエステルの種類又は含有量が異なるペレットの場合;有機顔料、有機染料もしくはカーボンブラックの種類又は含有量が異なるペレットの場合を包含する。
<ペレット混合物>
ペレット混合物中、第1のペレットと第2のペレットとの合計含有量は、ペレット混合物の総質量(100質量%)に対して、例えば90質量%以上であり、95質量%以上でもよいし、99質量%以上でもよいし、100質量%でもよい。
ペレット混合物中、第1のペレットと第2のペレットとの合計含有量は、ペレット混合物の総質量(100質量%)に対して、例えば90質量%以上であり、95質量%以上でもよいし、99質量%以上でもよいし、100質量%でもよい。
ペレット混合物中の第1のペレット及び第2のペレットそれぞれの含有量は、第2のペレットに含まれる着色剤(有機顔料、有機染料、カーボンブラック)の濃度、種類に応じて適宜決定することができる。
例えば、ペレット混合物中、第1のペレットの含有量は、ペレット混合物の総質量(100質量%)に対して、例えば80質量%以上であり、80~99.9質量%でもよいし、85~99.9質量%でもよいし、90~99.5質量%でもよいし、93~99.5質量%でもよいし、95~99質量%でもよい。
例えば、ペレット混合物中、第2のペレットの含有量は、ペレット混合物の総質量(100質量%)に対して、例えば20質量%以下であり、0.1~20質量%でもよいし、0.1~15質量%でもよいし、0.5~10質量%でもよいし、0.5~7質量%でもよいし、1~5質量%でもよい。
例えば、ペレット混合物中、第1のペレットの含有量は、ペレット混合物の総質量(100質量%)に対して、例えば80質量%以上であり、80~99.9質量%でもよいし、85~99.9質量%でもよいし、90~99.5質量%でもよいし、93~99.5質量%でもよいし、95~99質量%でもよい。
例えば、ペレット混合物中、第2のペレットの含有量は、ペレット混合物の総質量(100質量%)に対して、例えば20質量%以下であり、0.1~20質量%でもよいし、0.1~15質量%でもよいし、0.5~10質量%でもよいし、0.5~7質量%でもよいし、1~5質量%でもよい。
また、ペレット混合物中の第1のペレットと第2のペレットとの混合比率は、射出成形品の目的とする色調に応じて決定することができる。
例えば、ペレット混合物中、第2のペレットの含有量は、第1のペレット100質量部に対して1~10質量部であることが好ましく、2~8質量部であることがより好ましく、4~6質量部であることがさらに好ましい。
例えば、ペレット混合物中、第2のペレットの含有量は、第1のペレット100質量部に対して1~10質量部であることが好ましく、2~8質量部であることがより好ましく、4~6質量部であることがさらに好ましい。
[第1のペレットと第2のペレットとの体積比]
一実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、第1のペレットと第2のペレットとの体積比は、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下であり、0.9以上2.2以下であることが好ましく、0.95以上2.1以下であることがより好ましい。
かかる体積比が、前記の上限値以下であれば、成形品毎での色調のばらつきが抑えられる。一方、前記の好ましい範囲の下限値以上であれば、静電気の発生が抑制されてペレットの取扱い性が向上する。
一実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、第1のペレットと第2のペレットとの体積比は、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下であり、0.9以上2.2以下であることが好ましく、0.95以上2.1以下であることがより好ましい。
かかる体積比が、前記の上限値以下であれば、成形品毎での色調のばらつきが抑えられる。一方、前記の好ましい範囲の下限値以上であれば、静電気の発生が抑制されてペレットの取扱い性が向上する。
第1のペレットと第2のペレットとの体積比は、以下の手順により求められる。
手順1)第1のペレットの中から、ペレット100粒以上を任意で抜き取り、その総重量を測定する。同様に、第2のペレットの中から、ペレット100粒以上を任意で抜き取り、その総重量を測定する。
手順2)第1のペレットを成形材料として用い、射出成形により、所定形状の成形品を得る。そして、得られた成形品の比重を測定する。同様に、第2のペレットを成形材料として用い、射出成形により、所定形状の成形品を得る。そして、得られた成形品の比重を測定する。
手順3)手順1で測定した第1のペレットを構成するペレット100粒以上の総重量と、手順2で測定した第1のペレットを成形材料とする成形品の比重とから、第1のペレットを構成するペレット100粒以上の総体積を、ペレット100粒以上の総重量/成形品の比重、により算出する。同様に、手順1で測定した第2のペレットを構成するペレット100粒以上の総重量と、手順2で測定した第2のペレットを成形材料とする成形品の比重とから、第2のペレットを構成するペレット100粒以上の総体積を、ペレット100粒以上の総重量/成形品の比重、により算出する。
手順4)手順3で算出した、第2のペレットを構成するペレット100粒以上の総体積を、第1のペレットを構成するペレット100粒以上の総体積で除して、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比を求める。
手順1)第1のペレットの中から、ペレット100粒以上を任意で抜き取り、その総重量を測定する。同様に、第2のペレットの中から、ペレット100粒以上を任意で抜き取り、その総重量を測定する。
手順2)第1のペレットを成形材料として用い、射出成形により、所定形状の成形品を得る。そして、得られた成形品の比重を測定する。同様に、第2のペレットを成形材料として用い、射出成形により、所定形状の成形品を得る。そして、得られた成形品の比重を測定する。
手順3)手順1で測定した第1のペレットを構成するペレット100粒以上の総重量と、手順2で測定した第1のペレットを成形材料とする成形品の比重とから、第1のペレットを構成するペレット100粒以上の総体積を、ペレット100粒以上の総重量/成形品の比重、により算出する。同様に、手順1で測定した第2のペレットを構成するペレット100粒以上の総重量と、手順2で測定した第2のペレットを成形材料とする成形品の比重とから、第2のペレットを構成するペレット100粒以上の総体積を、ペレット100粒以上の総重量/成形品の比重、により算出する。
手順4)手順3で算出した、第2のペレットを構成するペレット100粒以上の総体積を、第1のペレットを構成するペレット100粒以上の総体積で除して、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比を求める。
例えば、第1のペレットを構成するペレット100粒の総重量は、1.0~5.0gである。第1のペレットを成形材料とする成形品の比重は、1.3~2.5である。第1のペレットを構成するペレット100粒の総体積は、0.4~4.0cm3である。
例えば、第2のペレットを構成するペレット100粒の総重量は、1.0~5.0gである。第2のペレットを成形材料とする成形品の比重は、1.3~2.5である。第2のペレットを構成するペレット100粒の総体積は、0.4~4.0cm3である。
例えば、第2のペレットを構成するペレット100粒の総重量は、1.0~5.0gである。第2のペレットを成形材料とする成形品の比重は、1.3~2.5である。第2のペレットを構成するペレット100粒の総体積は、0.4~4.0cm3である。
本実施形態において、第1のペレット及び第2のペレットは、例えば、液晶ポリエステルペレット組成物を押し出して作製されるストランドを引き取りながら切断してペレット化することにより得られる。この場合の各ペレット1粒の形状は、円柱形状である。また、前記のように、ストランドに外力が加えられつつペレット化がされることから、ペレットの軸方向に対して垂直な断面の形状は、楕円形状である。
ここでいう楕円形状とは、二つの定点からの距離の和が一定となる点の軌跡として定義される曲線の形状に加え、前記の定義される曲線に近い略楕円の形状までを包含する。
ここでいう楕円形状とは、二つの定点からの距離の和が一定となる点の軌跡として定義される曲線の形状に加え、前記の定義される曲線に近い略楕円の形状までを包含する。
各ペレット1粒の寸法は、例えば、第1のペレットについて、ペレット軸方向の長さは2~4mm、ペレット軸方向に対して垂直な断面の長径は1~5mm、同断面の短径は1~3mmである。第2のペレットについて、ペレット軸方向の長さは2~4mm、ペレット軸方向に対して垂直な断面の長径は1~5mm、同断面の短径は1~3mmである。
第1のペレットと第2のペレットとの体積比は、各ペレットの寸法を調整することにより制御できる。
例えば、ペレットを製造する際における、液晶ポリエステルペレット組成物の押出し条件(引き取り強さ、温度等)、ストランドの切断条件(ペレタイザーの回転刃の速度等)を適宜変更することにより、ペレットの寸法を調整することが可能である。
例えば、ペレットを製造する際における、液晶ポリエステルペレット組成物の押出し条件(引き取り強さ、温度等)、ストランドの切断条件(ペレタイザーの回転刃の速度等)を適宜変更することにより、ペレットの寸法を調整することが可能である。
なお、本実施形態における第1のペレット及び第2のペレットは、各ペレットから生じる微粉、ダストと区別される。
各ペレットから生じる微粉、ダストは、例えば、体積平均粒径が500μm以下のものをいう。
各ペレットから生じる微粉、ダストは、例えば、体積平均粒径が500μm以下のものをいう。
≪第1のペレット及び第2のペレットに含まれる成分について≫
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、第1のペレットは、液晶ポリエステルを含むペレットであり、液晶ポリエステル以外の任意成分を必要に応じて含んでいてもよい。第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレットであり、これら以外の任意成分を必要に応じて含んでいてもよい。
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、第1のペレットは、液晶ポリエステルを含むペレットであり、液晶ポリエステル以外の任意成分を必要に応じて含んでいてもよい。第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレットであり、これら以外の任意成分を必要に応じて含んでいてもよい。
・液晶ポリエステルについて
本実施形態において、液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示すポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。
尚、本実施形態におけるペレットが含有する好適な液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。
ここでの液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
本実施形態において、液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示すポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。
尚、本実施形態におけるペレットが含有する好適な液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。
ここでの液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
かかる液晶ポリエステルの典型的な例としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合(重縮合)させてなるもの;複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの;芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合させてなるもの;およびポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させてなるものが挙げられる。
ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部または全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部または全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル)、カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物)、およびカルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
かかる液晶ポリエステルは、下記式(1)で表される繰返し単位(以下「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰返し単位(以下「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記式(3)で表される繰返し単位(以下「繰返し単位(3)」ということがある。)と、を有することがより好ましい。
(1)-O-Ar1-CO-
(2)-CO-Ar2-CO-
(3)-X-Ar3-Y-
(2)-CO-Ar2-CO-
(3)-X-Ar3-Y-
(Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基またはビフェニリレン基を表す。Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基または下記式(4)で表される基を表す。XおよびYは、それぞれ独立に、酸素原子またはイミノ基(-NH-)を表す。Ar1、Ar2またはAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。)
(4)-Ar4-Z-Ar5-
(Ar4およびAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基またはナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基またはアルキリデン基を表す。)
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基およびn-デシル基が挙げられ、その炭素数は、1~10が好ましい。前記アリール基の例としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、1-ナフチル基および2-ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、6~20が好ましい。
前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar1、Ar2またはAr3で表される前記基毎に、それぞれ独立に、2個以下が好ましく、1個以下がより好ましい。
前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar1、Ar2またはAr3で表される前記基毎に、それぞれ独立に、2個以下が好ましく、1個以下がより好ましい。
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n-ブチリデン基および2-エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は1~10が好ましい。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Ar1が1,4-フェニレン基であるもの(p-ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、およびAr1が2,6-ナフチレン基であるもの(6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
尚、本明細書において「由来」とは、原料モノマーが重合するために、重合に寄与する官能基の化学構造が変化し、その他の構造変化を生じないことを意味する。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Ar2が1,4-フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2が1,3-フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Ar2が2,6-ナフチレン基であるもの(2,6-ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、およびAr2がジフェニルエ-テル-4,4’-ジイル基であるもの(ジフェニルエ-テル-4,4’-ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミンまたは芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Ar3が1,4-フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p-アミノフェノールまたはp-フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、およびAr3が4,4’-ビフェニリレン基であるもの(4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4-アミノ-4’-ヒドロキシビフェニルまたは4,4’-ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(1)の含有量は、全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、30モル%以上が好ましく、30モル%以上80モル%以下がより好ましく、40モル%以上70モル%以下がさらに好ましく、45モル%以上65モル%以下が特に好ましい。
繰返し単位(2)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下が好ましく、10モル%以上35モル%以下がより好ましく、15モル%以上30モル%以下がさらに好ましく、17.5モル%以上27.5モル%以下が特に好ましい。
繰返し単位(3)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下が好ましく、10モル%以上35モル%以下がより好ましく、15モル%以上30モル%以下がさらに好ましく、17.5モル%以上27.5モル%以下が特に好ましい。
繰返し単位(1)の含有量が多いほど、溶融流動性や耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり多いと、溶融温度や溶融粘度が高くなり易く、成形に必要な温度が高くなり易い。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、0.9/1~1/0.9が好ましく、0.95/1~1/0.95がより好ましく、0.98/1~1/0.98がさらに好ましい。
尚、本実施形態におけるペレットが含有する好適な液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)~(3)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)~(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。
かかる液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、XおよびYがそれぞれ酸素原子であるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ジオールに由来する繰返し単位を有することが、溶融粘度が低くなり易いため、好ましく、繰返し単位(3)として、XおよびYがそれぞれ酸素原子であるもののみを有することが、より好ましい。
かかる液晶ポリエステルは、それを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(以下「プレポリマー」ということがある。)を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。
溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよい。この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属化合物や、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、1-メチルイミダゾールなどの含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよい。この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属化合物や、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、1-メチルイミダゾールなどの含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
本実施形態におけるペレットが含有する好適な液晶ポリエステルの流動開始温度は、260℃以上が好ましく、260℃以上400℃以下がより好ましく、260℃以上380℃以下がさらに好ましい。
かかる液晶ポリエステルの流動開始温度が高いほど、液晶ポリエステルの耐熱性並びに強度が向上する傾向がある。一方で、液晶ポリエステルの流動開始温度が400℃を超えると、液晶ポリエステルの溶融温度や溶融粘度が高くなる傾向がある。そのため、液晶ポリエステルの成形に必要な温度が高くなる傾向がある。
かかる液晶ポリエステルの流動開始温度が高いほど、液晶ポリエステルの耐熱性並びに強度が向上する傾向がある。一方で、液晶ポリエステルの流動開始温度が400℃を超えると、液晶ポリエステルの溶融温度や溶融粘度が高くなる傾向がある。そのため、液晶ポリエステルの成形に必要な温度が高くなる傾向がある。
本明細書において、液晶ポリエステルの流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、液晶ポリエステルの分子量の目安となる温度である(小出直之編、「液晶ポリマー-合成・成形・応用-」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
流動開始温度は、毛細管レオメーターを用いて、液晶ポリエステルを9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下4℃/分の速度で昇温しながら溶融させ、内径1mmおよび長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度である。
流動開始温度は、毛細管レオメーターを用いて、液晶ポリエステルを9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下4℃/分の速度で昇温しながら溶融させ、内径1mmおよび長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度である。
本実施形態で、液晶ポリエステルは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
二種以上の液晶ポリエステルを組み合わせて用いる場合、後述のように、流動開始温度の異なるものを併用することが好ましい。
第1のペレットと第2のペレットとは、同一の液晶ポリエステルを含んでいてもよいし、互いに異なる液晶ポリエステルを含んでいてもよい。第1のペレットと第2のペレットとは、相溶性の点から、同一の液晶ポリエステルを含んでいることが好ましい。
二種以上の液晶ポリエステルを組み合わせて用いる場合、後述のように、流動開始温度の異なるものを併用することが好ましい。
第1のペレットと第2のペレットとは、同一の液晶ポリエステルを含んでいてもよいし、互いに異なる液晶ポリエステルを含んでいてもよい。第1のペレットと第2のペレットとは、相溶性の点から、同一の液晶ポリエステルを含んでいることが好ましい。
・有機顔料、有機染料又はカーボンブラックについて
本実施形態では、第2のペレットに有機顔料、有機染料又はカーボンブラックが含まれており、第2のペレットがマスターバッチとなる。
第2のペレットに含まれる着色剤は、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも一種を含む。第2のペレットに用いる着色剤としては、耐熱性の点から、有機顔料及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
本実施形態では、第2のペレットに有機顔料、有機染料又はカーボンブラックが含まれており、第2のペレットがマスターバッチとなる。
第2のペレットに含まれる着色剤は、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも一種を含む。第2のペレットに用いる着色剤としては、耐熱性の点から、有機顔料及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
・・有機顔料
有機顔料としては、ペリレン系誘導体、キナクドリン系誘導体、アントラキノン系誘導体、フタロシアニン系誘導体、トリアジン系誘導体、ジクロロフェニレンビスナフタレンカルボアミド系誘導体等が挙げられる。
有機顔料の粒径は、ペレットの着色性の観点から、250nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。ここでの有機顔料の粒径は、走査型電子顕微鏡による直接観察や、レーザー回折、レーザー散乱により測定される値である。
また、有機顔料としては、耐熱性の観点から、分解開始温度(5質量%の重量減少)が400℃以上であるものが好ましく、分解開始温度(5質量%の重量減少)が420℃以上であるものがより好ましく、分解開始温度(5質量%の重量減少)が高いものほど好ましい。
また、有機顔料としては、耐熱性の観点から、融点が250℃以上であるものが好ましく、融点が275℃以上であるものがより好ましく、融点が高いものほど好ましい。
有機顔料としては、ペリレン系誘導体、キナクドリン系誘導体、アントラキノン系誘導体、フタロシアニン系誘導体、トリアジン系誘導体、ジクロロフェニレンビスナフタレンカルボアミド系誘導体等が挙げられる。
有機顔料の粒径は、ペレットの着色性の観点から、250nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。ここでの有機顔料の粒径は、走査型電子顕微鏡による直接観察や、レーザー回折、レーザー散乱により測定される値である。
また、有機顔料としては、耐熱性の観点から、分解開始温度(5質量%の重量減少)が400℃以上であるものが好ましく、分解開始温度(5質量%の重量減少)が420℃以上であるものがより好ましく、分解開始温度(5質量%の重量減少)が高いものほど好ましい。
また、有機顔料としては、耐熱性の観点から、融点が250℃以上であるものが好ましく、融点が275℃以上であるものがより好ましく、融点が高いものほど好ましい。
・・カーボンブラック
カーボンブラックは、黒色顔料として用いられる。例えば、白色のナチュラルペレットと、カーボンブラックを含むマスターバッチとを混合して、グレーの成形品を製造することが可能である。
カーボンブラックは、黒色顔料として用いられる。例えば、白色のナチュラルペレットと、カーボンブラックを含むマスターバッチとを混合して、グレーの成形品を製造することが可能である。
・任意成分について
任意成分としては、フィラー、液晶ポリエステル以外の樹脂、当技術分野で周知の添加剤が挙げられる。
任意成分としては、フィラー、液晶ポリエステル以外の樹脂、当技術分野で周知の添加剤が挙げられる。
・・フィラー
フィラーとしては、無機充填材でもよいし有機充填材でもよく、用途等に応じて適宜決定され、機械強度付与の点から、無機充填材を用いることが好ましく、特に第1のペレットに好適に用いられる。
フィラーとしては、無機充填材でもよいし有機充填材でもよく、用途等に応じて適宜決定され、機械強度付与の点から、無機充填材を用いることが好ましく、特に第1のペレットに好適に用いられる。
[無機充填材]
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物(ペレット混合物)において、無機充填材の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、0質量部を超え120質量部以下であることが好ましく、5質量部以上110質量部以下であることがより好ましく、20質量部以上105質量部以下であることがさらに好ましく、30質量部以上105質量部以下であることが特に好ましい。
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物(ペレット混合物)において、無機充填材の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、0質量部を超え120質量部以下であることが好ましく、5質量部以上110質量部以下であることがより好ましく、20質量部以上105質量部以下であることがさらに好ましく、30質量部以上105質量部以下であることが特に好ましい。
本実施形態で用いられる無機充填材は、繊維状充填材であってもよいし、板状充填材であってもよいし、粒状充填材であってもよい。
繊維状充填材の例としては、ガラス繊維;パン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維;シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維等のセラミック繊維;及びステンレス繊維等の金属繊維が挙げられる。また、チタン酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、ウォラストナイトウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー、炭化ケイ素ウイスカー等のウイスカーも挙げられる。なかでも、ガラス繊維が好ましい。
板状充填材の例としては、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、ガラスフレーク、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムが挙げられる。マイカは、白雲母であってもよいし、金雲母であってもよいし、フッ素金雲母であってもよいし、四ケイ素雲母であってもよい。なかでも、タルクまたはマイカが好ましい。
粒状充填材の例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、窒化ホウ素、炭化ケイ素及び炭酸カルシウムが挙げられる。
本実施形態で用いられる無機充填材は、ガラス繊維、タルクおよびマイカからなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、ガラス繊維がより好ましい。
以下、繊維状充填材としてガラス繊維について説明する。
ガラス繊維の例としては、長繊維タイプのチョップドガラス繊維、短繊維タイプのミルドガラス繊維など、種々の方法で製造されたものが挙げられる。本実施形態においては、これらのうち2種以上を併用して使用することもできる。
上記ガラス繊維の種類としては、E-ガラス、A-ガラス、C-ガラス、D-ガラス、AR-ガラス、R-ガラス、Sガラスまたはこれらの混合物などが挙げられる。中でもE-ガラスは強度に優れ、かつ入手がしやすい点から好ましい。
上記ガラス繊維としては、弱アルカリ性の繊維が機械的強度(引張強度およびIzod衝撃強度)の点で優れており、好ましく使用できる。特に酸化ケイ素含有量が上記ガラス繊維の総質量に対して50質量%以上80質量%以下のガラス繊維が好ましく用いられ、65質量%以上77質量%以下のガラス繊維がより好ましく用いられる。
上記ガラス繊維は、必要に応じてシラン系カップリング剤またはチタン系カップリング剤などのカップリング剤で処理された繊維でもよい。
上記ガラス繊維は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆されていてもよい。また、上記ガラス繊維は、収束剤で処理されていてもよい。
溶融混練に供する原料であるガラス繊維の数平均繊維長は、30μm以上5000μm以下であることが好ましい。ガラス繊維の数平均繊維長が30μm以上である場合、数平均繊維長が30μm未満である場合よりも、ガラス繊維を含有するペレットから得られた成形体における強化材としての効果がより向上する。ガラス繊維の数平均繊維長は、50μm以上がより好ましく、70μm以上がさらに好ましい。
また、ガラス繊維の数平均繊維長が5000μm以下である場合、数平均繊維長が5000μmを超える場合よりも、ペレット中のガラス繊維の数平均繊維長の調整が容易になり、薄肉流動性がより向上する。ガラス繊維の数平均繊維長は、3500μm以下がより好ましい。
溶融混練に供する原料であるガラス繊維の繊維径(単繊維径)は、5μm以上20μm以下であることが好ましい。ガラス繊維の繊維径が5μm以上である場合、繊維径が5μm未満である場合よりも、取り扱いが容易となり、生産効率を改善することができる。ガラス繊維の繊維径は、5.5μm以上がより好ましく、6μm以上がさらに好ましい。また、ガラス繊維の繊維径が20μm以下である場合、繊維径が20μmを超える場合よりも、液晶ポリエステルペレット組成物の流動性が向上し、さらには成形体の強化材としてのガラス繊維の効果がより向上する。ガラス繊維の繊維径は、17μm以下がより好ましく、15μm以下がより好ましい。
なお、ガラス繊維径については、溶融混練後も実質的に変化しない。
なお、本明細書において「原料であるガラス繊維の数平均繊維長」とは、特に断りのない限り、JIS R3420「7.8 チョップドストランドの長さ」に記載の方法で測定された値を意味する。
また、「原料であるガラス繊維の繊維径」とは、特に断りのない限り、JIS R3420「7.6 単繊維直径」に記載の方法のうち、「A法」で測定された値を意味する。
本実施形態のペレット中のガラス繊維の数平均繊維長は、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、40μm以上がさらに好ましい。一方、液晶ポリエステルペレット組成物の流動性の観点から、1000μm以下が好ましく、800μm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
ここで、ペレット中のガラス繊維の数平均繊維長は、以下の方法により測定することができる。ペレット5gをマッフル炉の空気中において600℃で8時間加熱して樹脂を除去し、残存したガラス繊維からビデオマイクロスコープ(キーエンス製VH1000)を用いて無作為に500個以上のガラス繊維を選択し、選択したガラス繊維の繊維長を倍率100倍にて測定した。ここで、数平均繊維長Lnは、次式により計算することができる。
Ln=Σ(Ni×Li)/Σ(Ni)
Ln=Σ(Ni×Li)/Σ(Ni)
Liは、ガラス繊維の繊維長の測定値である。Niは、繊維長がLiに含まれるガラス繊維の本数を測定したガラス繊維の全本数で除した値である。
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、ガラス繊維の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対し、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましい。また、上記ガラス繊維の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対し、100質量部以下が好ましく、85質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましい。上記の上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
以下、板状充填材としてタルクについて説明する。
本実施形態で使用できるタルクは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩鉱物からなる鉱物の粉砕物である。また、本実施形態で使用できるタルクは、4原子のケイ素(Si)酸化物が形成する4個の四面体構造間に、3個のマグネシウム(Mg)酸化・水酸化物が構成する八面体構造を挟み込んだ構造を形成したものである。
かかるタルクの製造方法としては、公知の製造方法が挙げられ、例えば、ローラーミル、レイモンドミル等による摩砕式粉砕法、アドマイザー、ハンマーミル、ミクロンミル等による衝撃式粉砕法、ジェットミル、ボールミル等による衝突式粉砕法等の乾式粉砕法が挙げられる。
また、粉砕されたタルク粉末を水と分散させ、流動可能な粘度のスラリー状とし、ボールミル、ビーズミル、湿式ジェットミル、ディスコプレックス等により粉砕を行う湿式粉砕法を用いてもよい。前記製造方法の中でも、乾式粉砕法が、低コスト、かつ入手しやすい点から好ましい。
タルクの表面は、タルクと液晶ポリエステルとの濡れ性を向上させる目的で、カップリング剤などで処理してもよい。また、不純物の除去、タルクを硬質化させる目的で、熱処理加工をしたタルクを用いてもよい。また、取り扱いを容易にする目的で、圧縮したタルクを用いてもよい。
タルクの45μm篩残分は、1.0質量%以下であることが好ましい。45μm篩残分が1.0質量%以下であると、ペレットを成形する際に、金型の薄肉部でのつまりを抑制して、成形性を向上させ、得られる成形体の薄肉強度を向上することができる。タルクに含まれる45μm篩残分は、タルク全量に対して0.8質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましい。
本明細書において、タルクの45μm篩残分は、JIS K 5101-14-1「顔料試験方法-第14部:ふるい残分-第1節:湿式法(手動法)」に準拠し、測定される値とする。
タルクは、強熱減量(Ig.Loss)が、7質量%以下であることが好ましく、6質量%以下がよりに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。Ig.Lossが低いほど、液晶ポリエステルの分解が抑制され、ブリスターが発生しにくくなる。
なお、本発明においてIg.Lossは、JIS M8853に準拠して測定する値とする。
なお、本発明においてIg.Lossは、JIS M8853に準拠して測定する値とする。
本実施形態においては、タルクの体積平均粒径が5.0μm以上であることが好ましく、5.5μm以上であることがより好ましく、6.0μm以上であることがさらに好ましい。また、体積平均粒径が25μm以下であることが好ましく、24.5μm以下であることがより好ましく、24μm以下であることがさらに好ましい。上記の上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
本実施形態において、タルクの体積平均粒径はレーザー回折法により測定方法することができる。測定装置として、散乱式粒径分布測定装置HORIBA株式会社製「LA-950V2」を用い、タルクを水に分散させた状態で、以下の測定条件にて、体積平均粒子径を算出することができる。
測定条件
粒子屈折率:1.59-0.1i
分散媒:水
分散媒屈折率:1.33
粒子屈折率:1.59-0.1i
分散媒:水
分散媒屈折率:1.33
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、タルクの含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、30質量部以上が特に好ましい。また、タルクの含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、65質量部以下が特に好ましい。上記の上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
以下、板状充填材としてマイカについて説明する。
マイカとは、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄等を含んだケイ酸塩鉱物の粉砕物である。また、マイカは、3原子のケイ素(Si)と1原子のアルミニウム(Al)の酸化物が形成する4個の四面体構造間に、2個もしくは3個の金属酸化・水酸化物が構成する八面体構造を挟み込んだ構造を形成した鉱物である。
本実施形態で使用できるマイカは、白雲母、金雲母、フッ素金雲母、四ケイ素雲母、又は人工的に製造される合成マイカのいずれもよい。これらを2種類以上含んでもよい。
本実施形態で使用できるマイカは、実質的に白雲母のみからなることが好ましい。
本実施形態で使用できるマイカの製造方法としては、例えば、水流式ジェット粉砕法、湿式粉砕法、乾式ボールミル粉砕法、加圧ローラーミル粉砕法、気流式ジェットミル粉砕法、アトマイザー等の衝撃粉砕機による乾式粉砕法などがあげられる。マイカを薄く細かく粉砕することができるため、湿式粉砕法より製造されたマイカを使用するのが好ましい。
湿式粉砕法を行う場合には、粉砕前のマイカを水に分散させる。その際、粉砕前のマイカの分散効率を高めるため、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化コッパラス、ポリ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、鉄-シリカ無機高分子凝集剤、塩化第二鉄-シリカ無機高分子凝集剤、消石灰(Ca(OH)2)、苛性ソーダ(NaOH)、ソーダ灰(Na2CO3)等の凝集沈降剤・沈降助剤等の添加物を加えることが一般的である。しかし、これらの添加物は、液晶ポリエステルの分解を引き起こす場合がある。そのため、本実施形態で使用できるマイカは、湿式粉砕する際に凝集沈降剤・沈降助剤を使用していないものが好ましい。
本実施形態においては、マイカの体積平均粒径が20μm以上であることが好ましく、21μm以上であることがより好ましく、22μm以上であることが特に好ましい。また、体積平均粒径が45μm以下であることが好ましく、44μm以下がより好ましく、43μm以下が特に好ましい。上記の上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
本実施形態において、マイカの体積平均粒径は、レーザー回折法により測定方法することができる。測定装置として、散乱式粒径分布測定装置HORIBA株式会社製「LA-950V2」を用い、マイカを水に分散させた状態で、以下の測定条件にて、体積平均粒子径を算出することができる。
測定条件
粒子屈折率:1.57-0.1i
分散媒:水
分散媒屈折率:1.33
粒子屈折率:1.57-0.1i
分散媒:水
分散媒屈折率:1.33
このような体積平均粒径を有するマイカは、液晶ポリエステルとの混和性が良好になって、本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物の流動性をさらに良好にすることができる。
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物において、マイカの含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましい。また、マイカの含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、85質量部以下がより好ましく、65質量部以下がさらに好ましく、55質量部以下が特に好ましい。上記の上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。
マイカの含有量がこのような範囲である液晶ポリエステルペレット組成物は、成形品の耐熱性が高くなり、ブリスターの発生を抑制できる。
マイカの含有量がこのような範囲である液晶ポリエステルペレット組成物は、成形品の耐熱性が高くなり、ブリスターの発生を抑制できる。
[有機充填材]
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物(ペレット混合物)が有機充填材を含有する場合、有機充填材の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、0質量部を超え100質量部以下であることが好ましい。
本実施形態で用いられる有機充填材は、繊維状充填材であってもよいし、板状充填材であってもよいし、粒状充填材であってもよい。
繊維状充填材としては、例えば、ポリエステル繊維、アラミド繊維、セルロース繊維などが挙げられる。粒状充填材としては、例えば、パラヒドロキシ安息香酸のホモポリマーなどの不溶不融の高分子が挙げられる。
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物(ペレット混合物)が有機充填材を含有する場合、有機充填材の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、0質量部を超え100質量部以下であることが好ましい。
本実施形態で用いられる有機充填材は、繊維状充填材であってもよいし、板状充填材であってもよいし、粒状充填材であってもよい。
繊維状充填材としては、例えば、ポリエステル繊維、アラミド繊維、セルロース繊維などが挙げられる。粒状充填材としては、例えば、パラヒドロキシ安息香酸のホモポリマーなどの不溶不融の高分子が挙げられる。
・・液晶ポリエステル以外の樹脂
液晶ポリエステル以外の樹脂としては、ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリエステル以外のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の芳香族ポリスルホン以外の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
液晶ポリエステル以外の樹脂としては、ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリエステル以外のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の芳香族ポリスルホン以外の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
・・当技術分野で周知の添加剤
当技術分野で周知の添加剤としては、例えば、フルオロカーボン、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、金属石鹸類等の離型剤;有機顔料、有機染料及びカーボンブラック以外の着色剤;酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤が挙げられる。
当技術分野で周知の添加剤としては、例えば、フルオロカーボン、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、金属石鹸類等の離型剤;有機顔料、有機染料及びカーボンブラック以外の着色剤;酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤が挙げられる。
[離型剤]
本実施形態では、液晶ポリエステルペレット組成物が離型剤を含有することで、成形加工性を向上させることが可能である。離型剤としては、テトラフルオロエチレン;モンタン酸又はその塩、そのエステルもしくはそのハーフエステル;ステアリルアルコール、ステアラミド、ポリエチレンワックス等が挙げられ、好ましくは、テトラフルオロエチレン、又はペンタエリスリトールの脂肪酸エステルが挙げられる。
本実施形態では、液晶ポリエステルペレット組成物が離型剤を含有することで、成形加工性を向上させることが可能である。離型剤としては、テトラフルオロエチレン;モンタン酸又はその塩、そのエステルもしくはそのハーフエステル;ステアリルアルコール、ステアラミド、ポリエチレンワックス等が挙げられ、好ましくは、テトラフルオロエチレン、又はペンタエリスリトールの脂肪酸エステルが挙げられる。
[有機顔料、有機染料及びカーボンブラック以外の着色剤]
有機顔料、有機染料及びカーボンブラック以外の着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化鉛、酸化クロム、ウルトラマリンブルー等の無機顔料などが挙げられる。
有機顔料、有機染料及びカーボンブラック以外の着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化鉛、酸化クロム、ウルトラマリンブルー等の無機顔料などが挙げられる。
[酸化防止剤、熱安定剤]
本実施形態では、酸化防止剤又は熱安定剤として、例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類又はこれらの置換体などを用いることが好ましい。
本実施形態では、酸化防止剤又は熱安定剤として、例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類又はこれらの置換体などを用いることが好ましい。
[紫外線吸収剤]
本実施形態では、紫外線吸収剤として、例えば、レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどを用いることが好ましい。
本実施形態では、紫外線吸収剤として、例えば、レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどを用いることが好ましい。
本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物は、第1のペレット及び第2のペレット以外のその他成分を含有してもよい。その他成分としては、第1及び第2の各ペレットから生じる微粉又はダスト;第1のペレット及び第2のペレットのいずれにも該当しないペレット;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、フルオロカーボン系界面活性剤等の外部滑剤効果を有する添加剤が挙げられる。
以上説明したように、一実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物においては、液晶ポリエステルを含む第1のペレット、及び、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと液晶ポリエステルとを含む第2のペレットの間に、特定の体積比が成り立つ。すなわち、本実施形態の液晶ポリエステルペレット組成物は、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下であるペレット混合物である。このように、特定の体積比が成り立つ第1のペレットと第2のペレットとが混ざり合うことで、色調のばらつきが抑えられた射出成形品を製造することができる。
かかる効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推測される。
液晶ポリエステルは、結晶性又は非晶性の樹脂と異なり、溶融時の溶融粘度が低く流動性に優れ、粘度のせん断依存性が大きいことが知られている。そのため、特定の大きさ(体積)の関係にあるペレット同士を混合することで、射出成形機内の全体に第2のペレットが広がりやすくなり、これらの組合せによって、第1のペレットと第2のペレットとが、より均一に混ざり合いやすくなるため、射出成形品の色調のばらつきが抑えられると考えられる。第2のペレットの体積が大きい場合には、液晶ポリエステルの粘度のせん断依存性により、射出成形機内で第2のペレットの表面部分の樹脂だけが溶融し、ペレット表面が溶融粘度の低い液晶ポリエステルに覆われることで、ペレット中央部分にはせん断がかからなくなる。これにより、第2のペレットは、未溶融の状態が維持されることで、第1のペレットと射出成形機内で混合されにくくなるため、成形品の色調のばらつきが大きくなっていると推測される。
かかる効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推測される。
液晶ポリエステルは、結晶性又は非晶性の樹脂と異なり、溶融時の溶融粘度が低く流動性に優れ、粘度のせん断依存性が大きいことが知られている。そのため、特定の大きさ(体積)の関係にあるペレット同士を混合することで、射出成形機内の全体に第2のペレットが広がりやすくなり、これらの組合せによって、第1のペレットと第2のペレットとが、より均一に混ざり合いやすくなるため、射出成形品の色調のばらつきが抑えられると考えられる。第2のペレットの体積が大きい場合には、液晶ポリエステルの粘度のせん断依存性により、射出成形機内で第2のペレットの表面部分の樹脂だけが溶融し、ペレット表面が溶融粘度の低い液晶ポリエステルに覆われることで、ペレット中央部分にはせん断がかからなくなる。これにより、第2のペレットは、未溶融の状態が維持されることで、第1のペレットと射出成形機内で混合されにくくなるため、成形品の色調のばらつきが大きくなっていると推測される。
本発明は、他の側面として以下の態様を包含する。
[5] 第1のペレット及び第2のペレットを含有し、
前記第1のペレットは、液晶ポリエステルと、フィラーとを含むペレットであり、
前記第2のペレットは、有機顔料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、前記第2のペレットは、前記第1のペレットと異なる)であり、
第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下である、液晶ポリエステルペレット組成物。
前記第1のペレットは、液晶ポリエステルと、フィラーとを含むペレットであり、
前記第2のペレットは、有機顔料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、前記第2のペレットは、前記第1のペレットと異なる)であり、
第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下である、液晶ポリエステルペレット組成物。
[6] 前記第1のペレット中のフィラーの含有量は、前記第1のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して20~120質量部である、[5]に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
[7] 前記第2のペレットは、有機顔料と、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、前記第1のペレットと異なるペレットである。)であり、
前記第2のペレット中の有機顔料の含有量は、前記第2のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して1.5~40質量部である、[5]又は[6]に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
前記第2のペレット中の有機顔料の含有量は、前記第2のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して1.5~40質量部である、[5]又は[6]に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
[8] 前記第1のペレットは、着色剤の含有量が第1のペレットの総質量(100質量%)に対して0質量%以上5質量%未満のペレットであり、
前記第2のペレットは、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量が第2のペレットの総質量(100質量%)に対して0.5質量%以上のペレットである、[5]~[7]のいずれか一項に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
前記第2のペレットは、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量が第2のペレットの総質量(100質量%)に対して0.5質量%以上のペレットである、[5]~[7]のいずれか一項に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
[9] 前記第2のペレットの含有量は、前記第1のペレット100質量部に対して1~10質量部である、[5]~[8]のいずれか一項に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
(射出成形品)
本発明の一態様に係る射出成形品は、上述した本発明の一態様に係る液晶ポリエステルペレット組成物を用いて作製されたものである。
本発明の一態様に係る射出成形品は、上述した本発明の一態様に係る液晶ポリエステルペレット組成物を用いて作製されたものである。
一実施形態の射出成形品は、上述した液晶ポリエステルペレット組成物を成形材料とし、射出成形法により成形したものである。詳しくは、公知の射出成形機を用いて、液晶ポリエステルペレット組成物を溶融させ、溶融した液晶ポリエステルペレット組成物を、金型内に射出することにより成形する。公知の射出成形機としては、例えば、日精樹脂工業株式会社製の油圧式横型成形機PS40E5ASE型などが挙げられる。
射出成形機のシリンダー温度は、用いる液晶ポリエステルの流動開始温度より10~50℃高い温度に設定することが好ましい。
金型の温度は、液晶ポリエステルペレット組成物の冷却速度と生産性の点から、室温(例えば、23℃)~180℃の範囲に設定することが好ましい。
金型の温度は、液晶ポリエステルペレット組成物の冷却速度と生産性の点から、室温(例えば、23℃)~180℃の範囲に設定することが好ましい。
以上説明した一実施形態の射出成形品によれば、本発明に係る液晶ポリエステルペレット組成物が用いられているため、成形品毎での色調のばらつきが抑えられる。
したがって、かかる射出成形品によれば、意匠性が高められ、外観部品分野への用途展開が可能となる。
したがって、かかる射出成形品によれば、意匠性が高められ、外観部品分野への用途展開が可能となる。
本発明の一態様に係る射出成形品は、液晶ポリエステルが適用し得るあらゆる用途に利用可能である。例えば、各種の電気・電子機器における筐体内装部品、自動車部品、家電製品部品、産業用機械部品、日用雑貨品等が挙げられる。特に、かかる射出成形品は、着色されたカラー製品が使用される用途に有用であり、カラーバリエーションへの対応に好適なものである。
前記の電気・電子機器としては、カメラ、パソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレット、プリンター、プロジェクター等が挙げられる。このような電気・電子機器における筐体内装部品としては、コネクタ、カメラモジュール、送風ファン又はプリンター向けの定着部品が挙げられる。加えて、かかる射出成形品は、車載用の電気・電子機器にも好適に利用可能である。
前記の電気・電子機器としては、カメラ、パソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレット、プリンター、プロジェクター等が挙げられる。このような電気・電子機器における筐体内装部品としては、コネクタ、カメラモジュール、送風ファン又はプリンター向けの定着部品が挙げられる。加えて、かかる射出成形品は、車載用の電気・電子機器にも好適に利用可能である。
本発明は、他の側面として以下の態様を包含する。
[10] 上記[5]~[9]のいずれか一項に記載の液晶ポリエステルペレット組成物を用いて作製された、射出成形品。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<使用原料>
本実施例で使用した液晶ポリエステル、有機顔料、フィラーを以下に示した。
本実施例で使用した液晶ポリエステル、有機顔料、フィラーを以下に示した。
・液晶ポリエステル
下記の製造例1~3で得られた液晶ポリエステル(1)~(3)を使用した。
下記の製造例1~3で得られた液晶ポリエステル(1)~(3)を使用した。
[製造例1(液晶ポリエステル(1)の製造]
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p-ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’-ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸239.2g(1.44モル)、イソフタル酸159.5g(0.96モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を入れ、反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、1-メチルイミダゾール0.2gを加え、窒素ガス気流下で撹拌しながら、室温から150℃まで30分間かけて昇温し、150℃で30分間還流させた。
次いで、1-メチルイミダゾール0.9gを加え、副生した酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から320℃まで2時間50分間かけて昇温し、トルクの上昇が認められた時点で、反応器から内容物を取り出して、室温まで冷却し、固形物であるプレポリマーを得た。
得られた固形物を、粉砕機で粒径0.1~1mmに粉砕後、窒素雰囲気下、室温から220℃まで1時間かけて昇温し、220℃から240℃まで30分間かけて昇温し、240℃で10時間保持することにより、固相重合を行った。
得られた固相重合物を室温まで冷却して、粉末状の液晶ポリエステル(1)を得た。得られた液晶ポリエステル(1)の流動開始温度は286℃であった。
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p-ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’-ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸239.2g(1.44モル)、イソフタル酸159.5g(0.96モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を入れ、反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、1-メチルイミダゾール0.2gを加え、窒素ガス気流下で撹拌しながら、室温から150℃まで30分間かけて昇温し、150℃で30分間還流させた。
次いで、1-メチルイミダゾール0.9gを加え、副生した酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から320℃まで2時間50分間かけて昇温し、トルクの上昇が認められた時点で、反応器から内容物を取り出して、室温まで冷却し、固形物であるプレポリマーを得た。
得られた固形物を、粉砕機で粒径0.1~1mmに粉砕後、窒素雰囲気下、室温から220℃まで1時間かけて昇温し、220℃から240℃まで30分間かけて昇温し、240℃で10時間保持することにより、固相重合を行った。
得られた固相重合物を室温まで冷却して、粉末状の液晶ポリエステル(1)を得た。得られた液晶ポリエステル(1)の流動開始温度は286℃であった。
本実施例では、液晶ポリエステルの流動開始温度を以下のようにして測定した。
フローテスター(株式会社島津製作所の「CFT-500EX型」)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mmおよび長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPaの荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・sの粘度を示す温度を測定し、これを流動開始温度とした。
フローテスター(株式会社島津製作所の「CFT-500EX型」)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mmおよび長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPaの荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・sの粘度を示す温度を測定し、これを流動開始温度とした。
得られた液晶ポリエステル(1)は、全繰り返し単位の合計量に対して、Ar1が1,4-フェニレン基である繰返し単位(1)を60モル%、Ar2が1,3-フェニレン基である繰返し単位(2)を8モル%、Ar2が1,4-フェニレン基である繰返し単位(2)を12モル%、及びAr3が4,4’-ビフェニリレン基であり、X及びYが酸素原子である繰返し単位(3)を20モル%有する。
[製造例2(液晶ポリエステル(2)の製造]
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p-ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’-ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、触媒として1-メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら、室温から150℃まで30分間かけて昇温し、同温度を保持して30分間還流させた。
次いで、1-メチルイミダゾール0.9gを加え、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から320℃まで2時間50分間かけて昇温し、320℃で30分間保持した後、内容物を取り出し、これを室温まで冷却した。
得られた固形物を、粉砕機で粒径0.1~1mmに粉砕後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から285℃まで5時間かけて昇温し、285℃で3時間保持することにより、固相重合を行った。
固相重合後、冷却して、粉末状の液晶ポリエステル(2)を得た。得られた液晶ポリエステル(2)の流動開始温度は327℃であった。
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p-ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’-ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、触媒として1-メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら、室温から150℃まで30分間かけて昇温し、同温度を保持して30分間還流させた。
次いで、1-メチルイミダゾール0.9gを加え、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から320℃まで2時間50分間かけて昇温し、320℃で30分間保持した後、内容物を取り出し、これを室温まで冷却した。
得られた固形物を、粉砕機で粒径0.1~1mmに粉砕後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から285℃まで5時間かけて昇温し、285℃で3時間保持することにより、固相重合を行った。
固相重合後、冷却して、粉末状の液晶ポリエステル(2)を得た。得られた液晶ポリエステル(2)の流動開始温度は327℃であった。
得られた液晶ポリエステル(2)は、全繰り返し単位の合計量に対して、Ar1が1,4-フェニレン基である繰返し単位(1)を60モル%、Ar2が1,3-フェニレン基である繰返し単位(2)を5モル%、Ar2が1,4-フェニレン基である繰返し単位(2)を15モル%、及びAr3が4,4’-ビフェニリレン基であり、X及びYが酸素原子である繰返し単位(3)を20モル%有する。
[製造例3(液晶ポリエステル(3)の製造]
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p-ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’-ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、触媒として1-メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら、室温から150℃まで30分間かけて昇温し、同温度を保持して30分間還流させた。
次いで、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から320℃まで2時間50分間かけて昇温し、320℃で30分保持した後、内容物を取り出し、これを室温まで冷却した。
得られた固形物を、粉砕機で粒径0.1~1mmに粉砕後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から295℃まで5時間かけて昇温し、295℃で3時間保持することにより、固相重合を行った。
固相重合後、冷却して、粉末状の液晶ポリエステル(3)を得た。得られた液晶ポリエステル(3)の流動開始温度は333℃であった。
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p-ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’-ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、触媒として1-メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら、室温から150℃まで30分間かけて昇温し、同温度を保持して30分間還流させた。
次いで、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から320℃まで2時間50分間かけて昇温し、320℃で30分保持した後、内容物を取り出し、これを室温まで冷却した。
得られた固形物を、粉砕機で粒径0.1~1mmに粉砕後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から295℃まで5時間かけて昇温し、295℃で3時間保持することにより、固相重合を行った。
固相重合後、冷却して、粉末状の液晶ポリエステル(3)を得た。得られた液晶ポリエステル(3)の流動開始温度は333℃であった。
得られた液晶ポリエステル(3)は、全繰り返し単位の合計量に対して、Ar1が1,4-フェニレン基である繰返し単位(1)を60モル%、Ar2が1,3-フェニレン基である繰返し単位(2)を5モル%、Ar2が1,4-フェニレン基である繰返し単位(2)を15モル%、及びAr3が4,4’-ビフェニリレン基であり、X及びYが酸素原子である繰返し単位(3)を20モル%有する。
・有機顔料
有機顔料(1):PV Fast Red B、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)475℃、融点400℃以上
有機顔料(2):polysyntheren Yellow NG、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)407℃、融点約325℃
有機顔料(3):PV Fast Blue BG、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)463℃、融点約320℃
有機顔料(4):PV Fast Red E5B、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)443℃、融点400℃以上
有機顔料(5):PV Fast Orange GRL、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)454℃、融点約280℃
有機顔料(6):PV Fast Brown 3RL、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)457℃、融点約365℃
有機顔料(1):PV Fast Red B、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)475℃、融点400℃以上
有機顔料(2):polysyntheren Yellow NG、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)407℃、融点約325℃
有機顔料(3):PV Fast Blue BG、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)463℃、融点約320℃
有機顔料(4):PV Fast Red E5B、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)443℃、融点400℃以上
有機顔料(5):PV Fast Orange GRL、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)454℃、融点約280℃
有機顔料(6):PV Fast Brown 3RL、クラリアント社製、分解開始温度(5質量%の重量減少)457℃、融点約365℃
・フィラー
ガラス繊維(1):EFH75-01、セントラル硝子株式会社製、数平均繊維長75μm、繊維径10μm
ガラス繊維(2):CS3J260S、日東紡績株式会社製、数平均繊維長3mm、数平均繊維径11μm
ガラス繊維(1):EFH75-01、セントラル硝子株式会社製、数平均繊維長75μm、繊維径10μm
ガラス繊維(2):CS3J260S、日東紡績株式会社製、数平均繊維長3mm、数平均繊維径11μm
<第1のペレットの製造例>
第1のペレットは、液晶ポリエステルとフィラーとを、表1に示す割合で混合することにより製造した。
具体的には、液晶ポリエステルとフィラーとを、表1に示す割合で、二軸押出機(株式会社池貝製、「PCM-30」)を用いてシリンダー温度340℃、スクリュー回転数150rpmの条件で溶融混練して、溶融混練物を得た。
次いで、得られた溶融混練物を、円形吐出口を経由してストランド状に吐出し、冷却した後にペレタイズして、第1のペレット(1)~(2)をそれぞれ得た。
第1のペレットは、液晶ポリエステルとフィラーとを、表1に示す割合で混合することにより製造した。
具体的には、液晶ポリエステルとフィラーとを、表1に示す割合で、二軸押出機(株式会社池貝製、「PCM-30」)を用いてシリンダー温度340℃、スクリュー回転数150rpmの条件で溶融混練して、溶融混練物を得た。
次いで、得られた溶融混練物を、円形吐出口を経由してストランド状に吐出し、冷却した後にペレタイズして、第1のペレット(1)~(2)をそれぞれ得た。
<第2のペレットの製造例>
第2のペレットは、液晶ポリエステルと有機顔料とを、表2に示す割合で混合することにより製造した。
具体的には、液晶ポリエステルと有機顔料とを、表2に示す割合で、二軸押出機(株式会社池貝製、「PCM-30」)を用いてシリンダー温度340℃、スクリュー回転数150rpmの条件で溶融混練して、溶融混練物を得た。
次いで、得られた溶融混練物を、円形吐出口を経由してストランド状に吐出し、冷却した後にペレタイズして、第2のペレット(1)~(8)をそれぞれ得た。
各ペレットを製造する際、溶融混練物の円形吐出口からの押出し条件(引き取り強さ、温度)と、ストランドの切断条件(ペレタイザーの回転刃の速度)とを調整することにより、異なるサイズのペレットを得た。
第2のペレットは、液晶ポリエステルと有機顔料とを、表2に示す割合で混合することにより製造した。
具体的には、液晶ポリエステルと有機顔料とを、表2に示す割合で、二軸押出機(株式会社池貝製、「PCM-30」)を用いてシリンダー温度340℃、スクリュー回転数150rpmの条件で溶融混練して、溶融混練物を得た。
次いで、得られた溶融混練物を、円形吐出口を経由してストランド状に吐出し、冷却した後にペレタイズして、第2のペレット(1)~(8)をそれぞれ得た。
各ペレットを製造する際、溶融混練物の円形吐出口からの押出し条件(引き取り強さ、温度)と、ストランドの切断条件(ペレタイザーの回転刃の速度)とを調整することにより、異なるサイズのペレットを得た。
[ペレット100粒の総重量]
上記のペレットの製造例で得られた第1のペレット及び第2のペレットのそれぞれの中から、ペレット100粒を任意で抜き取り、その100粒の総重量を測定した。かかる測定3回の平均値を表1~2に示した。
上記のペレットの製造例で得られた第1のペレット及び第2のペレットのそれぞれの中から、ペレット100粒を任意で抜き取り、その100粒の総重量を測定した。かかる測定3回の平均値を表1~2に示した。
[成形品の比重]
上記のペレットの製造例で得られた第1のペレット及び第2のペレットをそれぞれ、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製、「PS40E5ASE型」)を用いてシリンダー温度350℃、金型温度120℃、射出率75mm/sの条件で射出成形し、ASTM4号ダンベル(成形品)を得た。そして、得られた成形品の比重を、自動比重測定装置(関東メジャー株式会社製、「ASG-320K」)を用いて23℃の条件下で測定した。この測定結果を表1~2に示した。
上記のペレットの製造例で得られた第1のペレット及び第2のペレットをそれぞれ、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製、「PS40E5ASE型」)を用いてシリンダー温度350℃、金型温度120℃、射出率75mm/sの条件で射出成形し、ASTM4号ダンベル(成形品)を得た。そして、得られた成形品の比重を、自動比重測定装置(関東メジャー株式会社製、「ASG-320K」)を用いて23℃の条件下で測定した。この測定結果を表1~2に示した。
[ペレット100粒の総体積]
上記で測定したペレット100粒の総重量と、成形品の比重とから、ペレット100粒の総体積を、ペレット100粒の総重量/成形品の比重、により算出した。この算出結果を表1~2に示した。
上記で測定したペレット100粒の総重量と、成形品の比重とから、ペレット100粒の総体積を、ペレット100粒の総重量/成形品の比重、により算出した。この算出結果を表1~2に示した。
<液晶ポリエステルペレット組成物の製造>
(実施例1~8、比較例1~2)
上記のペレットの製造例で得られた第1のペレットと第2のペレットとを、表3に示す割合で配合し、タンブラーミキサー(PLAENG社製、「SKD-25」)を用い、30回転/分の回転速度にて10分間混合して、ペレット混合物からなる各例の液晶ポリエステルペレット組成物をそれぞれ得た。
表3中、「第2のペレット体積/第1のペレット体積」は、表2に示す第2のペレットにおけるペレット100粒の総体積を、表1に示す第1のペレットにおけるペレット100粒の総体積で除した値(体積比)である。
(実施例1~8、比較例1~2)
上記のペレットの製造例で得られた第1のペレットと第2のペレットとを、表3に示す割合で配合し、タンブラーミキサー(PLAENG社製、「SKD-25」)を用い、30回転/分の回転速度にて10分間混合して、ペレット混合物からなる各例の液晶ポリエステルペレット組成物をそれぞれ得た。
表3中、「第2のペレット体積/第1のペレット体積」は、表2に示す第2のペレットにおけるペレット100粒の総体積を、表1に示す第1のペレットにおけるペレット100粒の総体積で除した値(体積比)である。
<射出成形品の製造>
各例の液晶ポリエステルペレット組成物を、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製、「PS40E5ASE型」)を用いてシリンダー温度350℃、金型温度120℃、射出率75mm/sの条件で射出成形し、以下に示す板形状の射出成形品20枚を得た。
射出成形品の形状:64mm×64mm×1mm、ASTM4号ダンベル
各例の液晶ポリエステルペレット組成物を、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製、「PS40E5ASE型」)を用いてシリンダー温度350℃、金型温度120℃、射出率75mm/sの条件で射出成形し、以下に示す板形状の射出成形品20枚を得た。
射出成形品の形状:64mm×64mm×1mm、ASTM4号ダンベル
<評価>
64mm×64mm×1mmの寸法の射出成形品20枚に対し、色差計(コニカミノルタ株式会社製、「CM-3600d」)を用い、以下に示す測定条件で、L*a*b*表色系による明度(L*:SCE法)を測定した。そして、射出成形品20枚についての前記明度の標準偏差(L*σ)を求め、その値を表3に示した。
測定条件:照明受光光学系D65、C光源、観察視野10゜及び測定径25.4mm。400nm以下の波長をカット。射出成形品における64mm×64mmの面の中心付近を測定する。
前記明度の標準偏差(L*σ)が小さい値であるほど、射出成形品毎での色調のばらつきが抑えられていることを意味する。
64mm×64mm×1mmの寸法の射出成形品20枚に対し、色差計(コニカミノルタ株式会社製、「CM-3600d」)を用い、以下に示す測定条件で、L*a*b*表色系による明度(L*:SCE法)を測定した。そして、射出成形品20枚についての前記明度の標準偏差(L*σ)を求め、その値を表3に示した。
測定条件:照明受光光学系D65、C光源、観察視野10゜及び測定径25.4mm。400nm以下の波長をカット。射出成形品における64mm×64mmの面の中心付近を測定する。
前記明度の標準偏差(L*σ)が小さい値であるほど、射出成形品毎での色調のばらつきが抑えられていることを意味する。
表3に示す結果から、本発明を適用した実施例1~8の液晶ポリエステルペレット組成物を用いて作製された射出成形品は、比較例1~2の液晶ポリエステルペレット組成物を用いて作製された射出成形品に比べて、成形品毎での色調のばらつきがより抑えられていることが確認できる。
図1は、表3に示す結果をグラフ化したものであり、「第2のペレット体積/第1のペレット体積」で表される体積比と、明度の標準偏差(L*σ)との関係を示している。
図1において、横軸は、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比を表す。縦軸は、明度の標準偏差(L*σ)を表す。
体積比2.3付近を境界として、その前後で明度の標準偏差が著しく変化している。
図1において、横軸は、第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比を表す。縦軸は、明度の標準偏差(L*σ)を表す。
体積比2.3付近を境界として、その前後で明度の標準偏差が著しく変化している。
Claims (4)
- 第1のペレット及び第2のペレットを含有し、
前記第1のペレットは、液晶ポリエステルを含むペレットであり、
前記第2のペレットは、有機顔料、有機染料又はカーボンブラックと、液晶ポリエステルとを含むペレット(但し、前記第2のペレットは、前記第1のペレットと異なる)であり、
第2のペレット体積/第1のペレット体積、で表される体積比が2.3以下である、液晶ポリエステルペレット組成物。 - 前記第2のペレット中の、有機顔料、有機染料及びカーボンブラックの合計含有量は、前記第2のペレット中の液晶ポリエステル100質量部に対して1.5~40質量部である、請求項1に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
- 前記第2のペレットの含有量は、前記第1のペレット100質量部に対して1~10質量部である、請求項1又は2に記載の液晶ポリエステルペレット組成物。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載の液晶ポリエステルペレット組成物を用いて作製された射出成形品。
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