JP5843439B2 - ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法及び成形用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法及び成形用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法及び成形用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、優れた機械的特性、電気的特性、耐熱性、耐候性、耐水性、耐薬品性及び耐溶剤性を有するため、エンジニアリングプラスチックとして、自動車部品、電気・電子部品等の種々の用途に広く利用されている。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、上記の通り有用ではあるが、溶融時の流動性の問題で、肉厚の薄い板状あるいは箱形の成形体を製造することが困難になる場合も多い。ここで、薄肉の成形体としては、例えば、マイクロスイッチケース、小型コイルボビン、薄肉コネクター、ディスクカートリッジシャッター等が挙げられる。特に、ポリブチレンテレフタレート樹脂の上記流動性の問題は、無機充填材を配合して、物性が改善されたポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物において、顕著に現れる。
ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の溶融時の流動性を、材料面から改善するための検討が行なわれている。例えば、特許文献1には、粘度(数平均分子量)の異なるポリブチレンテレフタレート系樹脂を所定の割合でブレンドしたポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物が開示されている。特許文献1によれば、特許文献1に記載の樹脂組成物は、該樹脂組成物を成形してなる成形体の、耐繰り返し疲労性を改善することができ、且つ溶融状態において高流動性を有するとされている。しかし、この特許文献1に記載の樹脂組成物を原料とする場合、樹脂の伸度等の成形体の物性において、高粘度ポリブチレンテレフタレート系樹脂を単独で原料とする場合に比べて劣る。
成形時の樹脂の流動性を向上させるため、ポリブチレンテレフタレート樹脂に流動性改良剤を添加することも知られている。例えば、特許文献2には、優れた機械的物性を備える成形体の原料になるとともに、溶融時の流動性にも優れたポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物が開示されている。
特開平05−179114号公報 特開2009−138179号公報
上記特許文献2に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、溶融時の流動性に優れるため、薄肉成形体を製造するための原料として好適である。このように、特許文献2に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は優れるものの、さらに優れた樹脂組成物を得るための研究開発が進められている。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、溶融時に高い流動性を安定して持ちつつ、得られる成形体に優れた機械的強度等の物性を付与することが可能なポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法、及び成形用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、上記特許文献2において、ポリブチレンテレフタレート樹脂と、グリセリン脂肪酸エステルとを含む樹脂組成物の溶融時の流動性が高いのは、ポリブチレンテレフタレート樹脂とグリセリン脂肪酸エステルとの間のエステル交換が原因であることを見出し、さらに、ポリブチレンテレフタレート樹脂と、多価水酸基含有化合物とを含む混合物の溶融混練時又は溶融混練後にリン化合物を添加することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)多価水酸基含有化合物とを含む混合物を一旦溶融した後に、(C)リン化合物を添加するポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法。
(2) 前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、ISO11443に準拠した温度260℃でのせん断速度1000sec−1における溶融粘度の測定値が、120Pa・s以下である(1)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法。
(3) 前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、下記数式(I)を満たす(1)又は(2)に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法。

ピーク温度Tm1(℃)−ピーク温度Tm4(℃)≦1(℃)・・・(I)

数式(I)中の、ピーク温度Tm1(℃)は、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を、昇温速度10℃/分で50℃から280℃まで昇温させ、降温速度10℃/分で280℃から50℃まで降温させるサイクルを4サイクル行なったときの、1サイクル目の昇温での、示差走査熱量測定(DSC)におけるDSC曲線の最大吸熱ピークのピーク温度を表し、数式(I)中の、ピーク温度Tm4(℃)は、4サイクル目の昇温での、示差走査熱量測定(DSC)におけるDSC曲線の最大吸熱ピークのピーク温度を表す。
(4) 前記混合物は、(D)エステル交換反応触媒をさらに含み、(D)エステル交換反応触媒を(C)リン化合物の添加前に添加する(1)から(3)のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法。
(5) 前記(B)多価水酸基含有化合物は、グリセリン脂肪酸エステル又はジグリセリンに酸化アルキレンを付加反応して得られるエーテルである(1)から(4)のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法。
(6) (A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂と、(B)多価水酸基含有化合物と、(C)リン化合物と、(D)エステル交換反応触媒と、を含み、ISO11443に準拠した温度260℃でのせん断速度1000sec−1における溶融粘度の測定値が、120Pa・s以下である成形用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
本発明によれば、高い溶融流動性を安定して持ちつつ、得られる成形体に優れた機械的強度等の物性を付与することが可能なポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)多価水酸基含有化合物とを含む混合物を一旦溶融した後に、(C)リン化合物を添加する。先ず、本発明の概略について説明する。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物とを含む混合物を一旦溶融すると、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物との間でエステル交換が生じる。このエステル交換により、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の溶融時の流動性が向上する。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物との間のエステル交換を途中で停止させなければ、樹脂組成物から成形体になるまでの間の樹脂組成物が溶融状態にある時間によって、溶融流動性の程度に差ができる場合がある。また、上記エステル交換反応が進みすぎると、ポリブチレンテレフタレート樹脂の分解に繋がる可能性がある。ポリブチレンテレフタレート樹脂が分解すると、得られる成形体の物性の低下に繋がる場合がある。
そこで、本発明の製造方法においては、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物とを含む混合物を一旦溶融させた後に(C)リン化合物を添加して、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物とのエステル交換を止める。これにより、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の溶融流動性の程度を安定させることができ、さらに、エステル交換が進み過ぎることによる、成形体の物性低下の可能性も大きく低下させることができる。
次いで、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物とを含む混合物、(C)リン化合物等の本発明の製造方法に使用する材料について説明する。
<混合物>
混合物は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物とを含む。混合物は、さらに他の成分を含んでもよい。
[(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂]
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂とは、テレフタル酸(テレフタル酸又はそのエステル形成誘導体)と、炭素数4のアルキレングリコール(1,4−ブタンジオール)又はそのエステル形成誘導体を、少なくとも重合成分とする熱可塑性樹脂である。
ベース樹脂である(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)としては、ブチレンテレフタレートを主成分として含むホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)又はコポリエステル(ブチレンテレフタレート系共重合体又はポリブチレンテレフタレートコポリエステル)等が挙げられる。ここで、「主成分」とは、樹脂中にブチレンテレフタレートの成分が、例えば50質量%以上(例えば55質量%以上100質量%以下)、好ましくは60質量%以上(例えば65質量%以上100質量%以下)、さらに好ましくは70質量%以上(例えば75質量%以上100質量%以下)である。
コポリエステル(ブチレンテレフタレート系共重合体又は変性PBT樹脂)における上記共重合可能なモノマー(以下、単に共重合性モノマーと称する場合がある)としては、テレフタル酸を除くジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオールを除くジオール、オキシカルボン酸成分、ラクトン成分等が挙げられる。共重合性モノマーは、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。以下、共重合性モノマーの具体例については、特開2009−138179号公報に記載のものと同様のものを挙げることができる。また、好ましい共重合性モノマーとしても、特開2009−138179号公報に記載のものと同様のものを挙げることができる。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂としては、ホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)及び/又は共重合体(ポリブチレンテレフタレートコポリエステル)が好ましい。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、共重合性モノマーの割合(変性量)が、通常、45モル%以下(例えば、0モル%以上45モル%以下程度)、好ましくは35モル%以下(例えば、0モル%以上35モル%以下程度)、さらに好ましくは30モル%以下(例えば、0モル%以上30モル%以下程度)のホモ又はコポリエステル(特にホモポリエステル)であってもよい。
なお、共重合体において、共重合性モノマーの割合は、例えば、0.01モル%以上30モル%以下程度の範囲から選択でき、通常、1モル%以上30モル%以下程度、好ましくは3モル%以上25モル%以下程度、さらに好ましくは5モル%以上20モル%以下程度である。また、ホモポリエステル(ポリブチレンテレフタレート)と共重合体(コポリエステル)とを組み合わせて使用する場合、ホモポリエステルとコポリエステルとの割合は、共重合性モノマーの割合が、全単量体に対して0.1モル%以上30モル%以下(好ましくは1モル%以上25モル%以下程度、さらに好ましくは5モル%以上25モル%以下程度)となる範囲であり、通常、前者/後者=99/1〜1/99(質量比)、好ましくは95/5〜5/95(質量比)、さらに好ましくは90/10〜10/90(重量比)程度の範囲から選択できる。
なお、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV)は、1.0dL/g以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.9dL/g以下であってもよい。異なる固有粘度を有する(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂をブレンドすることによって、例えば固有粘度1.2dL/gと0.8dL/gのポリブチレンテレフタレート樹脂をブレンドすることによって、1.0dL/g以下の固有粘度を実現してもよい。なお、固有粘度(IV)は、例えば、O−クロロフェノール中、温度35℃の条件で測定できる。このような範囲の固有粘度を有するポリブチレンテレフタレート樹脂を使用すると、十分な靱性の付与と溶融粘度の低減とを効率よく実現しやすい。固有粘度が大きすぎると、成形時の溶融粘度が高くなり、場合により成形金型内で樹脂の流動不良、充填不良を起こす可能性がある。
なお、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、市販品を使用してもよく、テレフタル酸又はその反応性誘導体と1,4−ブタンジオールと必要により共重合可能なモノマーとを、慣用の方法、例えばエステル交換、直接エステル化法等により共重合(重縮合)することにより製造したものを使用してもよい。
[(B)多価水酸基含有化合物]
(B)多価水酸基含有化合物は、一分子中に水酸基を2個以上有する化合物である。この(B)多価水酸基含有化合物は、流動性改良剤として働く。通常、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂に流動性改良剤を添加すると、流動性を向上できても、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂そのものが有する機械的強度や靱性等の特性の低下を避けることができない。しかし、多価水酸基含有化合物を使用することにより、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の特性を高いレベルで保持しつつポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の溶融時の流動性を効率よく向上できる。
(B)多価水酸基含有化合物は、従来公知の方法で製造したものを使用してもよいし、市販品を購入して使用してもよい。
(B)多価水酸基含有化合物の水酸基価は、200以上であることが好ましく、より好ましくは250以上である。上記水酸基価が200以上であれば、上記流動性向上の効果がより高まる傾向にあるため好ましい。
(B)多価水酸基含有化合物の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して0.05質量部以上5質量部以下であることが好ましい。より好ましくは0.5質量部以上3質量部以下である。多価水酸基含有化合物の含有量が0.05質量部以上であれば、流動性向上の効果が十分に得られる傾向にあるため好ましく、5質量部以下であれば、成形に伴ってガス発生量が多くなり、成形品の外観を損ねたり、金型汚れを生じたりするおそれがほとんどない。
ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物に溶融時の流動性を付与する観点、得られる成形体に(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の物性をほとんど低下させずに付与する観点から、(B)多価水酸基含有化合物として、グリセリン脂肪酸エステル又はジグリセリンに酸化アルキレンを付加反応して得られるエーテルを使用することが好ましい。次いで、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリンに酸化アルキレンを付加反応して得られるエーテルの順で具体例等を示す。
先ず、グリセリン脂肪酸エステルについて説明する。グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン及び/又はその脱水縮合物と脂肪酸とからなるエステルである。グリセリン脂肪酸エステルの中でも、炭素数12以上の脂肪酸を用いて得られるものが好ましい。炭素数が12以上の脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等が挙げられる。好ましくは炭素数12以上32以下の脂肪酸であり、特に好ましくは炭素数12以上22以下の脂肪酸である。具体的には、ラウリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はベヘニン酸が特に好ましい。炭素数12以上の脂肪酸を用いることで、樹脂の耐熱性を充分に維持できる傾向にあるため好ましい。炭素数が32以下であれば、上記流動性改善の効果が高いため好ましい。
好ましいグリセリン脂肪酸エステルを例示すると、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、ジグリセリンモノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンステアリン酸部分エステル、テトラグリセリンステアリン酸部分エステル、デカグリセリンラウリン酸部分エステル、グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート等が挙げられる。
次いで、ジグリセリンに酸化アルキレンを付加反応して得られるエーテルについて説明する。例えば、ジグリセリンに酸化プロピレンを付加反応して得られるポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルや、ジグリセリンに酸化エチレンを付加反応して得られるポリオキシエチレンジグリセリルエーテルが挙げられる。本発明においては、これらのエーテルの中でも、特に、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテルの使用が好ましい。
[その他の成分]
混合物には、本発明の効果を害さない範囲で、他の樹脂や、酸化防止剤、顔料、可塑剤等の従来公知の添加剤を含有させることができる。本発明においては、他の成分として、上記混合物に(D)エステル交換反応触媒、無機充填剤を含有させることが好ましい場合がある。そこで、以下、(D)エステル交換反応触媒、無機充填剤についてこの順で説明する。
上記混合物が、(D)エステル交換反応触媒を含有すると、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物との間のエステル交換反応が促進される。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物との間のエステル交換反応が遅く、所望の流動性に到達するまでに時間がかかる場合には、(D)エステル交換反応触媒を用いることで、迅速に所望の流動性を実現できる。
(D)エステル交換反応触媒は、特に限定されず、例えば、金属化合物を(D)エステル交換触媒として使用することができる。中でもチタン化合物、スズ化合物、アンチモン化合物が好適に使用される。チタン化合物の具体例としては、酸化チタン等の無機チタン化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等が代表的なものとして挙げられる。スズ化合物の具体例としては、ジブチルスズオキサイド、ヘキサエチルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸等が挙げられる。アンチモン化合物としては三酸化アンチモン等が挙げられる。これらの中でも特に、テトラブチルチタネート、トリブチルスズアセテート、三酸化アンチモンの使用が好ましい。
また、(D)エステル交換反応触媒の種類、使用量は、混合物に含まれる化合物の種類等に応じて適宜調整することが好ましい。(D)エステル交換反応触媒の使用量は、例えば、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、0.001質量部以上0.1質量部以下である。
次いで、無機充填剤について説明する。上記混合物が無機充填剤を含有すると、得られる成形体の機械的強度等の物性をさらに高めることができる。無機充填剤としては、繊維状充填剤、粉粒状充填剤、板状充填剤等のいずれも使用することができる。繊維状充填剤として、例えば、ガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物等の無機質繊維状物質が挙げられる。粉粒状充填剤としては、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他フェライト、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。また、板状充填剤としては、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。
無機充填剤の種類、使用量は、混合物に含まれる化合物の種類等に応じて適宜調整することが好ましい。無機充填剤の使用量は、例えば、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下である。
<(C)リン化合物>
(C)リン化合物は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物との間のエステル交換反応を止めるために使用する。
上記混合物は一旦溶融すると、上記エステル交換反応が進み続ける。このため、(B)多価水酸基含有化合物を使用しない場合と比較して、混合物の流動性は向上している。ここで、エステル交換反応が進みすぎると、得られる成形体の物性が低下するおそれがある。しかし、上述の通り、本発明においては、エステル交換反応を(C)リン化合物により止めるため、上記の物性低下等の問題は生じない。また、(C)リン化合物の添加のタイミングを調整することで、溶融流動性を所望の流動性の程度に安定させることができる。
使用可能な(C)リン化合物としては、特に限定されず、ホスフィン系、ホスフィナイト系、ホスホナイト系、ホスファイト系、ホスフィナスアミド系、ホスホナスジアミド系、ホスホラストリアミド系、ホスホラミダイト系、ホスホロジアミダイト系、ホスフィンオキサイド系、ホスフィネート系、ホスホネート系、ホスフェイト系、ホスフィニックアミド系、ホスホノジアミデート系、ホスホラミド系、ホスホラミデート系、ホスホロジアミデート系、ホスフィンイミド系、ホスフィンサルファイド系のリン化合物を例示できる。また、リン化合物には、金属と塩を形成したものも含まれる。
(C)リン化合物の種類、使用量は、特に限定されず、上記混合物に含まれる化合物の種類等の条件に応じて適宜調整することができる。例えば、(C)リン化合物の使用量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上0.8質量部以下であり、好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下である。
<製造方法>
次いで、本発明の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)多価水酸基含有化合物とを含む混合物が一旦溶融した後に(C)リン化合物を添加する。本発明の製造方法は、従来公知の押出機を用いて実施することができる。以下、一般的な押出機を用いて本発明の製造方法を実施する場合を例に、本発明の製造方法について説明する。なお、この例において、得られる樹脂組成物は成形体である。
先ず、一般的な押出機について簡単に説明する。押出機にはスクリューが配設されており、原料は、スクリューの根元付近に対応する位置に設けられるホッパから投入される。投入された原料は、スクリューの回転により、スクリューの根元から先端に移送される。そしてスクリューの先端に送られた原料は、スクリューの先端から押出機の先端に設けられるダイを通過することで成形される。
一般的な押出機に用いられるスクリューは、ホッパ側からフィードゾーン(供給部)、コンプレッションゾーン(圧縮部)、メータリングゾーン(計量部)を、スクリューの上流から下流に向かってこの順で有する。供給部は、通常、原料が溶融しないような温度設定で、樹脂ペレットをホッパ側からダイ方向側に移送する働きを有し、原料を圧縮部に送る。圧縮部は、原料に圧力を加えながら、原料を溶融混練し、溶融混練された原料を計量部に送る。計量部は、溶融した原料を、一定圧のもとに一定量ずつダイに送り出す。
次いで、本発明の製造方法について、具体的に説明する。
原料となる、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)多価水酸基含有化合物とを、ホッパから押出機に投入する。ホッパから投入された、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物とは、混合されながら、供給部から圧縮部へ移動する。
圧縮部まで移動した(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物との混合物は、圧縮部で溶融し混練されながら計量部に移動する。溶融混練されることで、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物とのエステル交換反応が進む。エステル交換反応が進むと、得られる成形体の溶融時の流動性が向上する。したがって、圧縮部での溶融混練中に(C)リン化合物を添加することで、上記流動性を向上させた後に上記エステル交換反応を停止させることができる。また、このように圧縮部で(C)リン化合物を添加せずに、後述する計量部で(C)リン化合物を添加してもよい(計量部での添加は、溶融混練後の添加にあたる。)。
計量部まで移動した混合物は、計量部で一定圧のもとに一定量ずつダイに送られる。ダイを通過した混合物は冷却され、成形体になる。計量部においても上記混合物は溶融状態にあり、(C)リン化合物を圧縮部で添加していない場合には、計量部においても上記エステル交換反応は進み続ける。このエステル交換反応を計量部で停止させるために、計量部で(C)リン化合物を添加してもよい。得られる成形体の溶融時の流動性を充分に高めるためには、この計量部以降に(C)リン化合物を添加することが好ましい。
なお、上記の説明においては、一回の溶融混練で(C)リン化合物を添加する場合について説明したが、溶融混練を二回行ってもよい。例えば、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)多価水酸基含有化合物とを含むペレットを一回目の溶融混練で得た後、これを再度押出機に投入し、供給部、圧縮部、計量部のいずれかの位置で(C)リン化合物を添加してもよい。
また、上記の説明においては、上述の他の成分を添加しない場合について説明したが、他の成分を、供給部、圧縮部、計量部のいずれかの位置で添加してもよい。ただし、(D)エステル交換反応触媒は、(C)リン化合物の添加前に添加する必要がある。また、(D)エステル交換反応触媒を添加することで、一回の溶融混練で、得られる成形体の溶融時の流動性を充分に高められる傾向にある。
また、無機充填剤についてはいずれの位置で添加してもよいが、特に繊維状無機充填剤の場合、混練時の繊維の折れを少しでも低減するために、樹脂成分が溶融した後に添加することも行われる。その場合、無機充填剤を単独で添加しても良いし、リン化合物とともに添加してもよい。繊維の折れが低減されることで高い機械強度を維持できる。
<樹脂組成物>
最後に、本発明の製造方法で得られる樹脂組成物について説明する。本発明の樹脂組成物は、成形時に上記エステル交換反応を起こさせるため、溶融時の流動性に優れる。具体的には、例えば、ISO11443に準拠した温度260℃でのせん断速度1000sec−1における溶融粘度の測定値が、120Pa・s以下である。
(C)リン化合物の添加のタイミングを変えて、本発明の製造方法の実施を繰り返し、得られた全ての樹脂組成物の溶融粘度を確認することで、(C)リン化合物の添加のタイミングを最適化することができる。この最適化にあたっては、(D)エステル交換反応触媒の使用量、添加タイミング等も併せて検討してもよい。
上記樹脂組成物においては、(C)リン化合物の含有により、エステル交換反応が停止している。したがって、エステル交換反応が進みすぎて、樹脂組成物の物性を低下させる可能性が低い。エステル交換反応が停止していることは、示差走査熱量測定(DSC)により確認することができる。具体的には、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を、昇温速度10℃/分で50℃から280℃まで昇温させ、降温速度10℃/分で280℃から50℃まで降温させるサイクルを4サイクル行なったときの、1サイクル目の昇温での、示差走査熱量測定(DSC)におけるDSC曲線の最大吸熱ピークの温度をピーク温度Tm1(℃)とし、4サイクル目の昇温での、示差走査熱量測定(DSC)におけるDSC曲線の最大吸熱ピークの温度をピーク温度Tm4(℃)としたときに、ピーク温度Tm1(℃)−ピーク温度Tm4(℃)≦1(℃)であることを確認することで確認できる。DSC測定にあたってはJIS K7121の方法を参考にしている。
<材料>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂:ポリブチレンテレフタレート樹脂(固有粘度IV=0.69dL/g、ウィンテックポリマー社製)
(B)多価水酸基含有化合物
B−1:トリグリセリンステアリン酸部分エステル(水酸基価280、理研ビタミン社製、「リケマールAF−70」)
B−2:ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル(水酸基価630、阪本薬品工業社製「SCE−350」)
(C)リン化合物
C−1:ホスファイト系のリン化合物(株式会社ADEKA社製、「アデカスタブPEP−36」)
C−2:第一リン酸カルシウム(太平化学産業株式会社製)
(D)エステル交換反応触媒
D−1:テトラ−n−ブチルチタネート
D−2:三酸化アンチモン(日本精鉱社製「PATOX−U」)
D−3:酢酸トリブチル錫
また、実施例、比較例の全組成において(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対し、ガラス繊維40質量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤IRGANOX1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.3質量部を添加した。
(B)多価水酸基含有化合物の水酸基価については、油化学協会法2,4,9,2−71水酸基価(ピリジン・無水酢酸法)により測定した。
<実施例1〜3>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)多価水酸基含有化合物、(C)リン化合物、(D)エステル交換反応触媒、及び上述の酸化防止剤を、表1に示す配合組成で用いた。先ず、(C)リン化合物と、ガラス繊維、以外の材料を二軸押出機に投入し、シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を12kg/hとして、溶融混練を行なった。充分に溶融混練され、エステル交換反応が進んだと推測される押出機の後部からリン化合物、ガラス繊維を投入した。そして二軸押出機から吐出されたストランド状の溶融樹脂を冷却し、ペレタイザーによりカッティングすることにより、樹脂組成物のペレット状サンプルを得た。
<実施例4、6>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)多価水酸基含有化合物及び上述の酸化防止剤を、表1に示す配合組成で、二軸押出機に投入し混合した。シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を10kg/hとして、溶融混練を行い吐出されたストランド状の溶融樹脂を冷却し、ペレタイザーによりカッティングすることにより、樹脂組成物のペレット状サンプルを得た。該サンプルを乾燥後、(C)リン化合物とともに再び二軸押出機に投入し、シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を12kg/hとして、溶融混練を行い、さらに樹脂が溶融したと推測される押出機の後部からガラス繊維を投入し樹脂組成物のペレット状サンプルを得た。
<実施例5>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)多価水酸基含有化合物、(D)エステル交換反応触媒及び上述の酸化防止剤を二軸押出機に投入し混合した。シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を10kg/hとして、溶融混練を行い吐出されたストランド状の溶融樹脂を冷却し、ペレタイザーによりカッティングすることにより、樹脂組成物のペレット状サンプルを得た。該サンプルを乾燥後、(C)リン化合物とともに、再び二軸押出機に投入し、シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を12kg/hとして、溶融混練を行い、さらに樹脂が溶融したと推測される押出機の後部からガラス繊維を投入し樹脂組成物のペレット状サンプルを得た。
<比較例1>
表2に示すように(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と上述の酸化防止剤を、二軸押出機に投入して、シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を12kg/hとして、溶融混練を行い、さらに樹脂が溶融したと推測される押出機の後部からガラス繊維を投入し、吐出されたストランド状の溶融樹脂を冷却し、ペレタイザーによりカッティングすることにより、樹脂組成物のペレット状サンプルを得た。
<比較例2>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)多価水酸基含有化合物及び上述の酸化防止剤を、表2に示す配合組成で二軸押出機に投入して混合し、シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を12kg/hとして、溶融混練を行い、さらに樹脂が溶融したと推測される押出機の後部からガラス繊維を投入し、吐出されたストランド状の溶融樹脂を冷却し、ペレタイザーによりカッティングすることにより、樹脂組成物のペレット状サンプルを得た。
<比較例3>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、複数の水酸基を有する化合物、(C)リン化合物及び上述の酸化防止剤を、表2に示す配合組成で二軸押出機に一度に投入して混合し、シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を12kg/hとして、溶融混練を行い、さらに樹脂が溶融したと推測される押出機の後部からガラス繊維を投入し、吐出されたストランド状の溶融樹脂を冷却し、ペレタイザーによりカッティングすることにより、樹脂組成物のペレット状サンプルを得た。
<比較例4>
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)多価水酸基含有化合物(B−1)、(C)リン化合物、(D)エステル交換反応触媒及び上述の酸化防止剤を、表2に示す配合組成で二軸押出機に一度に投入して混合し、シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を12kg/hとして、溶融混練を行い、さらに樹脂が溶融したと推測される押出機の後部からガラス繊維を投入し、吐出されたストランド状の溶融樹脂を冷却し、ペレタイザーによりカッティングすることにより、樹脂組成物のペレット状サンプルを得た。
<評価>
樹脂組成物のペレット状のサンプルを用いて、溶融粘度、引張強さ、引張伸び、曲げ強さ、曲げ弾性率、融点シフトを以下の方法で測定した。
[溶融粘度]
得られたペレット状サンプルを140℃で3時間乾燥後、キャピログラフ1B(東洋精機製作所社製)を用いて、ISO11443に準拠して、炉体温度260℃、キャピラリーφ1mm×20mmLにて、剪断速度1000sec−1にて測定した。測定結果を表1、2に示した。
[引張強さ、引張伸び]
得られたペレットを140℃で3時間乾燥後、成形温度260℃、金型温度80℃の条件で、射出成形によりISO 1Aタイプの引張試験片を作製した。得られたそれぞれの試験片についてISO 527−1,2に定められている評価基準に従い評価した。評価結果を表1、2に示した。
[曲げ強さ、曲げ弾性率]
得られたペレットを140℃で3時間乾燥後、成形温度260℃、金型温度80℃で、射出成形し、曲げ試験片を作製し、ISO178に定められている評価基準に従い評価した。評価結果を表1、2に示した。
[融点シフト]
得られたペレットをDSC Q−1000(パーキンエルマー製)を用いて、50℃から280℃まで10℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(以下Tm1と略す)と、280℃で5分間保持した後−10℃/分の降温条件で50℃まで一旦冷却した後、再度10℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(以下Tm2と略す)と、同様の処理を繰り返した際に観測される吸熱ピーク温度(以下Tm3、Tm4と略す)を測定した。Tm1とTm4との差(融点シフト)を表1、2に示した。
Figure 0005843439
Figure 0005843439
実施例の結果と比較例1の結果とから、本発明によれば、溶融時の高い流動性と、曲げ強さ等の物性の維持とを両立できることが確認された。また、実施例の結果と比較例2の結果とから、(C)リン化合物の添加によりエステル交換反応が停止し、溶融時の流動性が安定することが確認された。また、実施例の結果と比較例3、4の結果とから、混合物の溶融混練時又は溶融混練後に(C)リン化合物を添加することで、溶融時の流動性が高まることが確認された。

Claims (4)

  1. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と、(B)多価水酸基含有化合物とを含む混合物を一旦溶融した後に、(C)リン化合物を添加し、
    前記(B)多価水酸基含有化合物が、グリセリン脂肪酸エステル又はジグリセリンに酸化アルキレンを付加反応して得られるエーテルである
    ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、ISO11443に準拠した温度260℃でのせん断速度1000sec−1における溶融粘度の測定値が、120Pa・s以下である請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、下記数式(I)を満たす請求項1又は2に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法。
    ピーク温度Tm1(℃)−ピーク温度Tm4(℃)≦1(℃)・・・(I)
    数式(I)中の、ピーク温度Tm1(℃)は、前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を、昇温速度10℃/分で50℃から280℃まで昇温させ、降温速度10℃/分で280℃から50℃まで降温させるサイクルを4サイクル行なったときの、1サイクル目の昇温での、示差走査熱量測定(DSC)におけるDSC曲線の最大吸熱ピークのピーク温度を表し、
    数式(I)中の、ピーク温度Tm4(℃)は、4サイクル目の昇温での、示差走査熱量測定(DSC)におけるDSC曲線の最大吸熱ピークのピーク温度を表す。
  4. 前記混合物は、(D)エステル交換反応触媒をさらに含み、(D)エステル交換反応触媒を(C)リン化合物の添加前に添加する請求項1から3のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法。
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