JPH09217091A - 洗浄用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

洗浄用熱可塑性樹脂組成物

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JPH09217091A
JPH09217091A JP4794696A JP4794696A JPH09217091A JP H09217091 A JPH09217091 A JP H09217091A JP 4794696 A JP4794696 A JP 4794696A JP 4794696 A JP4794696 A JP 4794696A JP H09217091 A JPH09217091 A JP H09217091A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
cleaning
resin composition
fatty acid
weight
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JP4794696A
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English (en)
Inventor
Takanori Saito
崇憲 齋藤
Hiroyuki Fujii
博之 藤井
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた洗浄能力を有する洗浄用熱可塑性樹脂組
成物を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂に塩基性脂肪酸マグネシウ
ム及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルのカ
ルシウム塩又はマグネシウム塩を配合した洗浄用熱可塑
性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂用成形
機内の洗浄に使用する洗浄用熱可塑性樹脂組成物に関す
る。さらに詳しくは熱可塑性樹脂に高級脂肪酸モノグリ
セライドの硼酸エステルのカルシウム塩又はマグネシウ
ム塩および塩基性脂肪酸マグネシウムを配合した洗浄用
熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックの成形加工におい
て、使用樹脂の品種切り替えの際には先行品種の影響を
排除するために各種の手段が採られている。特に着色さ
れた樹脂の成形では、青色、黒色等の濃色系の品種から
白色等の淡色系の品種に切り替える際に、成形機の分解
掃除や汎用樹脂または再生樹脂等による成形機内の共洗
い等の煩雑で長時間の生産停止を伴う洗浄作業を強いら
れていた。これらの問題を解消するために、成形機内を
洗浄するための洗浄用熱可塑性樹脂組成物が各種開発さ
れている。たとえば特開昭62-195045号公報には、熱可
塑性樹脂にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2
〜30重量%、高級脂肪酸金属塩、ろう、流動パラフィ
ン、合成ワックス等の撥水性化合物0.5〜10重量%を配
合した組成物が、特公平05-060768号公報には熱可塑性
樹脂に高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルカル
シウム塩および無機充填剤を配合した組成物が、特公平
03-283805号公報には熱可塑性樹脂にアルキルベンゼン
スルホン酸中性塩2〜40重量%、塩基性ステアリン酸マ
グネシウム1〜10重量%を配合した洗浄剤組成物が提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
公知の洗浄用熱可塑性樹脂組成物に比べて洗浄能力の高
い成形機内洗浄用熱可塑性樹脂組成物を開発すべく鋭意
研究した。その結果、熱可塑性樹脂に塩基性脂肪酸マグ
ネシウム及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステ
ルのカルシウム塩又はマグネシウム塩を配合することに
より、優れた洗浄能力を有する洗浄用熱可塑性樹脂組成
物が得られることを見いだし、この知見に基づき本発明
を完成した。以上の記述から明らかなように、本発明の
目的は従来の洗浄用熱可塑性樹脂組成物に比べて優れた
洗浄能力を有する洗浄用熱可塑性樹脂組成物を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は次の構成を有す
る。 (1)熱可塑性樹脂に塩基性脂肪酸マグネシウム及び高級
脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルのカルシウム塩
又はマグネシウム塩を配合した洗浄用熱可塑性樹脂組成
物。 (2)熱可塑性樹脂60〜95重量%に、塩基性脂肪酸マグネ
シウム0.1〜10重量%及び高級脂肪酸モノグリセライド
の硼酸エステルのカルシウム塩又はマグネシウム塩2〜3
0重量%を配合した洗浄用熱可塑性樹脂組成物。 (3)熱可塑性樹脂組成物がポリプロピレン、ポリエチレ
ン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、もしくは
ポリスチレン樹脂である前記第1項もしくは第2項のい
ずれか1項記載の洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
【0005】本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、アクリロニ
トリル−スチレン共重合樹脂、もしくはポリスチレンが
好ましい。本発明で用いる高級脂肪酸モノグリセライド
の硼酸エステルのカルシウム塩又はマグネシウム塩の高
級脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸等が好ましい。本発明で用いる高級
脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルのカルシウム塩
又はマグネシウム塩の配合量は、熱可塑性樹脂組成物に
対して2〜30重量%が好ましい。 該配合量が2重量%未
満では成形機内に残留した先行樹脂の洗浄能力が小さ
く、30重量%を越えると滑性が強くなりすぎて洗浄能力
が低下する恐れがある。
【0006】本発明に用いる塩基性脂肪酸マグネシウム
の脂肪酸の種類としては、ヘキサン酸、オクタン酸、2-
エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン
酸、モンタン酸、オレイン酸、エルカ酸、12-ヒドロキ
システアリン酸、リシノール酸、ドデカノイル乳酸、テ
トラデカノイル乳酸、ヘキサデカノイル乳酸、オクタデ
カノイル乳酸等が例示できる。特に好ましくは塩基性12
-ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(0.44MgO(C
1734(OH)COO)2Mg)であり、その配合量は組成
物に対して0.1〜10重量%が好ましい。配合量が0.1重量
%未満では洗浄能力が小さく、10重量%を越えると、後
続樹脂で置き換えた場合、製品に白濁を生じることがあ
る。
【0007】本発明の組成物には必要に応じて、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シリカ、アルミ
ナ、ガラス繊維等の無機充填剤を添加することができ
る。さらにステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類やカルバナ
ーワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類を添
加することもできる。本発明の組成物は、熱可塑性樹
脂、高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルのカル
シウム塩又はマグネシウム塩および塩基性脂肪酸マグネ
シウムの所望量を撹拌混合装置を用いて混合することに
よって得ることができる。撹拌混合装置としてはヘンシ
ェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、タンブラー
ミキサー、リボンブレンダー等の通常の撹拌混合装置を
使用すればよい。また、得られた混合物を溶融混練温度
180〜300℃で溶融混練押出し、ペレット状としても得る
ことができる。押出機としては、1軸押出機、2軸押出
機、コニーダー等を使用することができる。ペレット化
は押出されたストランドを水中カット、霧中カットもし
くは空中カットすればよい。
【0008】
【実施例】以下、実施例、比較例を用いて本発明を具体
的に説明するが、これによって限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例において、洗浄用熱可塑性樹
脂組成物の洗浄能力は次の洗浄テストによる消費した洗
浄用熱可塑性樹脂組成物および後続樹脂の量、また洗浄
に要した時間によって評価した。
【0009】洗浄テスト(1) メルトフローレート(JIS K7210:230℃、荷重21.18N;以
下MFRと略す)6.0g/10分のポリプロピレンホモポリマー
にビス{[3,5-ジブロモ-4-(2',3'-ジブロモプロポキ
シ)]フェニル}スルホンを10重量%、三酸化アンチモン
を5重量%及びカーボンブラックを1重量%配合した黒色の
難燃性ポリプロピレン樹脂を押出成形し、成形機内に該
難燃性ポリプロピレン樹脂が残留している1軸押出機
(シリンダー径:35mm、L/D:30、スクリュー回転数150r
pm、吐出量:5kg/h)の機内を実施例、比較例で、得られ
た洗浄用熱可塑性樹脂組成物(白色)を用いて洗浄し、
引き続き、後続樹脂として無色のポリプロピレン樹脂(M
FR:6.0g/10分のホモポリマー)を用いて洗浄テストを実
施した。排出された洗浄用熱可塑性樹脂組成物中から、
先行難燃性ポリプロピレン樹脂の黒色が消えるまでに使
用した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量、洗浄用熱可塑性
樹脂組成物の排出が完了する(排出された樹脂が透明と
なった時点)までに使用した後続ポリプロピレン樹脂の
量、および洗浄用熱可塑性樹脂組成物の供給時から後続
ポリプロピレン樹脂に置き替わるまでの時間(以下、洗
浄時間という)を測定して洗浄能力を評価した。(実施例
1〜2、比較例1〜2)
【0010】洗浄テスト(2) 比重:1.05、メルトフローインデックス(ASTM-D1238:
220℃、荷重98.07N;以下MFIと略す)9g/10分のABS樹脂
(商品名:日本合成ゴム製ABS45)に2,2-ビス{[3,5-ジ
ブロモ-4-(2',3'-ジブロモプロポキシ)]フェニル}プ
ロパンを10重量%、三酸化アンチモンを5重量%及びカー
ボンブラックを1重量%配合した黒色の難燃性ABS樹脂を
押出成形し、成形機内に該難燃性ABS樹脂が残存してい
る1軸押出機(シリンダー径:35mm、L/D:30、スクリュ
ー回転数150rpm、吐出量:5kg)の機内を実施例、比較例
で、得られた洗浄用熱可塑性樹脂組成物を用いて洗浄
し、引き続き、後続樹脂として微黄色のABS樹脂(日本合
成ゴム製ABS45)を用いて洗浄テストを実施した。洗浄テ
スト(1)に準拠して洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量、後
続ABS樹脂の量、および洗浄時間を測定して洗浄能力を
評価した。(実施例3〜4、比較例3)
【0011】実施例(1) ポリプロピレンホモポリマー(MFR:0.5g/10分)4.57kg(9
1.4重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エス
テルカルシウム塩0.40kg(8.0重量%)、塩基性12-ヒドロ
キシステアリン酸マグネシウム0.03kg(0.6重量%)を内
容積20リットルのヘンシェルミキサーに入れ、回転数500rp
m.で3分間撹拌混合した。得られた混合物を2軸押出機
(シリンダー径:30mm、L/D:30)に供給してシリンダー
温度190〜200℃、ダイス温度200℃で溶融混練押出し、
水槽中で冷却してペレタイザーでカットして洗浄用熱可
塑性樹脂組成物を得て、洗浄テスト(1)を実施した。要
した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は0.5kg、後続のポ
リプロピレン樹脂の量は1.0kg、洗浄時間は18分であっ
た。
【0012】比較例(1) ポリプロピレンホモポリマー(MFR:0.5g/10分)4.10kg(8
2.0重量%)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩
0.70kg(14.0重量%)、塩基性12-ヒドロキシステアリン
酸マグネシウム0.20kg(4.0重量%)を実施例(1)に準拠
して溶融混練押出し、ペレット化して洗浄用熱可塑性樹
脂組成物を得て、実施例(1)に準拠して実施した。要し
た洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は1.0kg、後続のポリ
プロピレン樹脂の量は3.5kg、洗浄時間は54分であっ
た。
【0013】比較例(2) ポリプロピレンホモポリマー(MFR:0.5g/10分)4.60kg(9
2.0重量%)、ステアリン酸モノグリセライドの硼酸エス
テルカルシウム塩0.40kg(8.0重量%)を実施例(1)に準
拠して溶融混練押出し、ペレット化して洗浄用熱可塑性
樹脂組成物を得て、洗浄テスト(1)を実施した。要した
洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は0.8kg、後続のポリプ
ロピレン樹脂の量は2.5kg、洗浄時間は40分であった。
【0014】実施例(2) 高密度ポリエチレンホモポリマー(メルトインデックス
(JIS K7210:190℃、荷重21.18N;以下MIと略す)0.5g/10
分)3.40kg(68.0重量%)、ステアリン酸モノグリセライ
ドの硼酸エステルカルシウム塩1.30kg(26.0重量%)、塩
基性12-ヒドロキシステアリン酸マグネシウム0.30kg(6.
0重量%)を実施例(1)に準拠して洗浄用熱可塑性樹脂組
成物を得て、洗浄テスト(1)を実施した。要した洗浄用
熱可塑性樹脂組成物の量は0.4kg、後続のポリプロピレ
ン樹脂の量は1.5kg、洗浄時間は23分であった。
【0015】実施例(3) ABS樹脂(比重:1.03、MFI:0.4g/10分、奇美実業製PA
-709)4.70kg(94.0重量%)、ステアリン酸モノグリセラ
イドの硼酸エステルマグネシウム塩0.28kg(5.6重量
%)、塩基性12-ヒドロキシステアリン酸マグネシウム0.
02kg(0.4重量%)を実施例(1)に準拠して洗浄用熱可塑
性樹脂組成物を得て、洗浄テスト(2)を実施した。要し
た洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は0.5kg、後続のABS樹
脂の量は0.8kg、洗浄時間は16分であった。
【0016】実施例(4) ポリスチレン樹脂(メルトフローインデックス(ASTM-D
1238:200℃、荷重49.03N;以下MFIと略す)0.5g/10分の
ホモポリマー)4.20kg(84.0重量%)、ステアリン酸モノ
グリセライドの硼酸エステルカルシウム塩0.70kg(14.0
重量%)、塩基性12-ヒドロキシステアリン酸マグネシウ
ム0.10kg(2.0重量%)を実施例(1)に準拠して洗浄用熱
可塑性樹脂組成物を得て、洗浄テスト(2)を実施した。
要した洗浄用熱可塑性樹脂組成物の量は0.6kg、後続のA
BS樹脂の量は1.5kg、洗浄時間は25分であった。
【0017】比較例(3) 洗浄テスト(2)において、洗浄用熱可塑性樹脂組成物を
使用せずに後続の微黄色ABS樹脂で押出機内に残存する
黒色ABS樹脂を排除した。黒色ABS樹脂が排除されるまで
に(排出された樹脂の色で確認)添加した後続の微黄色
ABS樹脂の量は8.0kg、洗浄時間は96分であった。実施
例、比較例における洗浄用熱可塑性樹脂組成物の洗浄テ
ストを表1にまとめた。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明の洗浄用熱可塑性樹脂組成物は、
成形に用いた樹脂が熱分解により機内に固着して洗浄が
困難である成形機内の洗浄に極めて優れた洗浄能力を有
する洗浄用熱可塑性樹脂組成物である。本発明の洗浄用
熱可塑性樹脂組成物は少量使用するだけで、従来の洗浄
用熱可塑性樹脂組成物を用いるのに比べて著しく後続樹
脂の使用量を減少させることができ、また洗浄時間も短
縮することができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/12 KGB C08L 25/12 KGB 55/02 LMC 55/02 LMC 101/00 101/00 C11D 1/02 C11D 1/02 1/04 1/04 3/37 3/37 7/26 7/26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂に塩基性脂肪酸マグネシウ
    ム及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エステルのカ
    ルシウム塩又はマグネシウム塩を配合した洗浄用熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂を組成物に対して60〜95重
    量%に、塩基性脂肪酸マグネシウムを組成物に対して0.
    1〜10重量%及び高級脂肪酸モノグリセライドの硼酸エ
    ステルのカルシウム塩又はマグネシウム塩を組成物に対
    して2〜30重量%を配合した洗浄用熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂がポリプロピレン、ポリエ
    チレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
    合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、もし
    くはポリスチレン樹脂である請求項1もしくは請求項2
    のいずれか1項記載の洗浄用熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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