JPH107862A - 耐熱性に優れ、耐衝撃性、耐候性が良好な塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形物 - Google Patents

耐熱性に優れ、耐衝撃性、耐候性が良好な塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形物

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JPH107862A
JPH107862A JP16257296A JP16257296A JPH107862A JP H107862 A JPH107862 A JP H107862A JP 16257296 A JP16257296 A JP 16257296A JP 16257296 A JP16257296 A JP 16257296A JP H107862 A JPH107862 A JP H107862A
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JP
Japan
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vinyl chloride
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resin composition
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chloride resin
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JP16257296A
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English (en)
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Shuichi Murakami
修一 村上
Hideji Matsumura
松村  秀司
Yuji Kurashige
雄二 倉重
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】屋外での太陽光線により一時的に70℃〜80
℃となる高温条件下でも変形せず、安定した成形品形状
を保てる耐熱性の改善された、しかも耐衝撃性、耐侯性
の良好な塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形物を提
供する。 【解決手段】アルキルアクリレート及び/又はアルキル
メタアクリレートと多官能性単量体との共重合体に対し
て、塩化ビニルをグラフト共重合させてなる塩化ビニル
系グラフト共重合体を10重量%以上含有する塩化ビニ
ル系樹脂100重量部と、凝固点が85℃以上の錫系安
定剤0.5〜4重量部と、凝固点が75℃以上の滑剤1
〜6重量部とからなり、動的粘弾性において1Hzで測
定したtanδの主分散ピークが84℃以上である耐熱
性に優れた耐衝撃性、耐候性良好な塩化ビニル系樹脂組
成物および該組成物を溶融成形してなる塩化ビニル系樹
脂成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れ、耐
衝撃性、耐候性が良好な塩化ビニル系樹脂組成物及びそ
れを用いた成形物に関し、詳しくは、アルキルアクリレ
ート及び/又はアルキルメタアクリレートと多官能性単
量体との共重合体に対して、塩化ビニルをグラフト共重
合させてなる塩化ビニル系グラフト共重合体を10重量
%以上含有する塩化ビニル系樹脂に、凝固点を特定した
錫系安定剤及び滑剤を含有させることで耐熱性に優れ、
耐衝撃性、耐候性が良好な塩化ビニル系樹脂組成物及び
その成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、硬質合成樹脂成形物、例えば硬質
塩化ビニル系樹脂の成形品における動的粘弾性が、1H
zで測定した場合のtanδの主分散ピークが70〜8
0℃である。この硬質塩化ビニル系樹脂の成形品には、
一般的に使用されている液体安定剤・液体可塑剤などを
含み、成形品が柔らかくなる場合が多く、その場合の動
的粘弾性である1Hzで測定した場合のtanδの主分
散ピークの温度低下がさらに大きくなる。この液体安定
剤としては、メルカプト錫化合物、マレート錫化合物、
液体滑剤としては、ジオクチルフタル酸エステル(DO
P)、エポキシ化大豆油などがある。また、常温では固
体だが凝固点が75℃以下の安定剤として、バリウム亜
鉛系安定剤、有機亜リン酸系安定剤、ジブチルラウレー
ト錫系安定剤が、滑剤としては、ステアリン酸なども一
般的によく使用されている。このように硬質塩化ビニル
系樹脂の成形品は液体・固体の安定剤・滑剤を併用して
使用することが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の安定剤、滑剤を
含有した塩化ビニル系樹脂の成形品を、建材用途として
屋外向に使用した場合、夏季には、日光が照射される部
分は一時的に70〜80℃近くになることがあり、この
時、成形品が徐々に変形したり、または成形品の表面が
柔らかいなどの耐熱性が低いという技術的欠点がある。
そこで塩化ビニル系樹脂成形品の動的粘弾性である1H
zで測定したtanδの主分散ピークが84℃以上にな
れば、屋外での太陽光線により一時的に70℃〜80℃
となる高温条件下でも変形しない。このような安定した
成形品形状を保てるという耐熱性を改善した塩化ビニル
系樹脂組成物/成形物を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱性の
向上を目的として、かかる問題点を解決すべく鋭意研究
を行った結果、特定の安定剤と滑剤を併用することで本
発明に到達した。すなわち本発明は、アルキルアクリレ
ート及び/又はアルキルメタアクリレートと多官能性単
量体との共重合体に対して、塩化ビニルをグラフト共重
合させてなる塩化ビニル系グラフト共重合体を10重量
%以上含有する塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
凝固点が85℃以上の錫系安定剤0.5〜4重量部とか
つ、凝固点が75℃以上の滑剤1〜6重量部を含有さ
せ、動的粘弾性において1Hzで測定したtanδの主
分散ピークが84℃以上である耐熱性に優れた成形加工
性の良好な塩化ビニル系樹脂組成物である。又本発明
は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を溶融成形してなる塩
化ビニル系樹脂成形物である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は耐熱性を向上させるた
め、塩化ビニル系樹脂に凝固点が85℃以上の錫系安定
剤と凝固点が75℃以上の滑剤を含有させることによ
り、動的粘弾性において1Hzで測定したtanδの主
分散ピーク(以下、単にtanδの主分散ピークと記
す。)が84℃以上となり、耐熱性が向上するものであ
る。
【0006】本発明に使用される塩化ビニルをグラフト
共重合させてなる塩化ビニル系グラフト共重合体とは、
アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタアクリレ
ートと多官能性単量体との共重合体(以下、アクリル系
共重合体と記す。)に対して、塩化ビニルをグラフト共
重合させる。詳しくは、アクリル系共重合体1〜30重
量部に塩化ビニルを99〜70重量部グラフト共重合さ
せたものである。
【0007】アクリル系共重合体におけるアルキルアク
リレート及び/又はアルキルメタアクリレートとして
は、その単独での二次転移点が−10℃以下であること
が耐衝撃性の改良の点から有利であり、具体例として
は、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリ
レート、イソーブチルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、nーヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシ
ルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デ
シルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレート、ラ
ウリルメタクリレート等があげられる。この場合アルキ
ルアクリレート及び/又はアルキルメタクリレートの使
用量は、アクリル系共重合体中99〜70重量%が好適
である。その量が99重量%を越えては曲げ弾性率が低
下し、70重量%未満では耐衝撃性が低下するので好ま
しくない。
【0008】又、多官能性単量体とは、アルキルアクリ
レート及び/又はアルキルメタクリレートと共重合可能
であり、共重合体中あるいはグラフト共重合体中で架橋
等に関与するモノマー類であっって、例えばエチレング
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、1、3−プロピレングリコールジメタクリ
レート、1、3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、1、4ーブチレングリコールジメタクリレート等の
(ポリ)アルキレングリコールのアクリレートもしくは
メタクリレート類、ジアリルフタレート、ジアリルマレ
ート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート等の
ポリアリル化合物類、ジビニルベンゼン、ブタジエン等
が挙げられる。なお多官能性単量体の使用量は、アクリ
ル系共重合体中1〜30重量%が好適であり、1重量%
未満では曲げ弾性率が低下し、また30重量%を越える
と耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0009】これらアクリル系共重合体を得る方法とし
ては、乳化重合、溶液重合、塊状重合等のいずれの重合
方法でも行うことができ、また乳化剤、分散剤、触媒等
も一般に公知のものを使用して重合体を得ることができ
る。例えば、乳化重合法によってアクリル系共重合体を
得る方法としては、ジャケット付重合反応機内に、純
水、アニオン系乳化剤、水溶性重合触媒を入れ、缶内の
空気を排除し、次いでアルキルアクリレート及び/又は
アルキルメタクリレートと多官能性単量体を装入し、乳
化後、缶内をジャケットにより加熱し、共重合反応を行
う。この共重合反応は発熱反応であり、必要に応じてジ
ャケットより内部温度を制御する。反応終了後、未反応
のモノマー類を缶外に除去し、アクリル系共重合体を得
る。また、必要に応じてアクリル系共重合体の粒径調整
剤、共重合反応を制御するための触媒の分解促進剤等を
添加しても良い。
【0010】次に、こうして得られたアクリル系共重合
体をグラフト共重合の幹ポリマーとして塩化ビニルをグ
ラフト共重合して塩化ビニル系グラフト共重合体を得る
ことができる。ここでグラフト共重合方法としては乳化
重合、懸濁重合、溶液重合、無溶媒重合等の重合方法が
挙げられる。例えば、懸濁重合法を行う場合、ジャケッ
ト付重合反応器内に、純水、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースのような懸濁安定剤、ラジカル重合開始剤、
必要に応じて重合度低下剤を入れた後、アクリル系共重
合体を入れて懸濁する。ここでアクリル系共重合体と塩
化ビニルモノマーの総量に対する純水の使用量は1〜5
倍、好ましくは1〜3倍である。次いで缶内の空気を排
除した後、塩化ビニルを必要に応じその他のビニル化合
物と共に挿入する。その後、缶内をジャケットにより加
熱し、アクリル系共重合体を塩化ビニル類に溶解し、グ
ラフト共重合反応を開始させる。この反応は発熱反応で
あり、必要に応じてジャケットより内部温度を制御す
る。反応終了後、未反応の塩化ビニル類を缶外に除去
し、スラリー状のグラフト共重合体を得る。スラリーは
常法に従い脱水乾燥されて塩化ビニル系グラフト共重合
体が得られる。また、重合反応機への装入方法は限定さ
れるものではなく、純水、懸濁安定剤、アクリル系共重
合体そして塩化ビニル等の装入原料のうち、アクリル系
共重合体を塩化ビニルに溶解して装入するという方法も
採用される。ここでのグラフト率は、該グラフト共重合
体のTHF(テトラヒドロフラン)不溶解重量%で表さ
れ、通常は5〜100重量%であり、一般には10重量
%程度のものが好ましく用いられる。
【0011】このようにして得られた塩化ビニル系グラ
フト共重合体を、少なくとも10重量%以上含有するよ
うに塩化ビニル樹脂と一般的な公知の方法により混合し
て塩化ビニル系樹脂を得る。ここで塩化ビニル系グラフ
ト共重合体の含有量が10重量%未満では耐衝撃性の向
上が望めない。また、塩化ビニル樹脂と混合することな
く塩化ビニル系グラフト共重合体そのものを塩化ビニル
系樹脂として用いることもできる。すなわちその好まし
い混合比率は、塩化ビニル樹脂/塩化ビニル系グラフト
共重合体が、90/10〜0/100重量%、さらに好
ましくは50/50〜0/100重量%である。
【0012】このようにして得られる塩化ビニル系樹脂
の重合度は、通常400〜1300程度であり、好まし
くは800〜1200、さらに好ましくは900〜11
00である。重合度が400未満であると強度が不足
し、また1300を越える場合は成形加工性が低下す
る。
【0013】本発明で用いられる凝固点が85℃以上の
錫系安定剤としては、市販品を用いることができ、例え
ば、ジブチル錫メルカプト系化合物(凝固点が125〜
135℃)、ジオクチル錫マレートポリマー系化合物
(凝固点が91〜100℃)、ジブチル錫マレート系化
合物(凝固点が105〜125℃)等が挙げられる。凝
固点が85℃未満の錫系安定剤を使用すると、得られる
塩化ビニル系樹脂組成物の動的粘弾性におけるtanδ
の主分散ピークが84℃に満たないので好ましくない。
これらの安定剤は、単独あるいは複合して用いることが
でき、その添加量は塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して0.5〜4重量部であり、好ましくは1〜3、さら
に好ましくは1.4〜2重量部である。添加量が0.5
重量部未満では熱安定性が足りず、4重量部を越えて用
いてもそれ以上の熱安定性の向上が見られないばかり
か、コスト高で不経済である。
【0014】本発明で用いられる凝固点が75℃以上の
滑剤としては、上記錫系安定剤と同様に市販品を用いる
ことができ、例えば、カルボン酸エステル系化合物(凝
固点が110〜150℃)、低酸化型ポリエチレンワッ
クス系化合物(凝固点が114℃)、モンタン酸エステ
ル系化合物(凝固点が75〜82℃)、モンタン酸ブチ
レングリコールエステルのカルシウム塩系化合物(凝固
点が98〜104℃)、ライスワックス系化合物(凝固
点が75〜80℃)、ステアリン酸カルシウム(凝固点
が140〜160℃)、エチレンビスステアリン酸アマ
イド系化合物(凝固点が140〜146.5℃)、ひま
し油(リシノール酸グリセリンエステル)系化合物(凝
固点が84〜90℃)、モンタン酸ブチレングリコール
エステル系化合物(凝固点が79〜85℃)、モンタン
酸化合物(凝固点が81〜87℃)等が挙げられる。凝
固点が75℃未満の滑剤を使用すると、得られる塩化ビ
ニル系樹脂組成物の動的粘弾性におけるtanδの主分
散ピークが84℃に満たないので好ましくない。
【0015】これらの滑剤は、単独あるいは複合して用
いることができ、その添加量は、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して1〜6重量部であり、好ましくは1.
2〜4重量部、さらに好ましくは1.3〜1.9重量部
である。1重量部未満では成形加工時の滑性が不足し、
また6重量部を越えて添加すると滑性が過多となり、か
えって成形加工性が低下する。
【0016】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物におい
て、その他一般に用いられている安定剤、滑剤、可塑
剤、加工助剤、酸化防止剤、UV吸収剤、顔料および充
填剤などを必要に応じて用いることが出来る。
【0017】ここでいう加工助剤としては、公知のもの
の何れでもよく、例えば、ポリメチルメタクリレート
(以下、PMMAと記す。)が挙げられる。
【0018】さらに顔料としては、公知のものの何れで
もよく、例えば、酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、カーボ
ンブラック等が挙げられ、中でも酸化チタンが主に用い
られる。また、光からの隠蔽効果を持たせる効果もあ
り、塩化ビニル系樹脂に対し10重量%程度の割りで用
いられる。
【0019】さらに充填剤としては、公知のものの何れ
でもよく、例えば、炭酸カルシウム、クレー、含水珪
酸、無水珪酸、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウムアス
ベスト粉、酸化アンチモン、タルク、三水和アルミニウ
ム、水和硼酸亜鉛、マグネシャ、重曹、硝酸加里、水酸
化カルシウム、雲母、合成フッ素雲母等が挙げられ、こ
れらは市場で容易に入手可能である。中でも、炭酸カル
シウムが好ましく用いられる。
【0020】本発明における塩化ビニル系樹脂組成物を
得る方法としては、上述の塩化ビニル系樹脂、錫系安定
剤および滑剤を、さらには必要に応じてその他添加剤お
よび充填剤等を、例えば、ヘンシェルミキサー、バンバ
リーミキサー、リボンブレンダー等の攪拌機により攪拌
・配合された配合粉として、或いはその配合粉を、例え
ばコニカル二軸押出機、パラレル二軸押出機、単軸押出
機、コニーダー型混練機、ロール混練機等の混練機によ
り造粒したペレットとして得ることができる。これらの
ペレットあるいは配合粉を用いコニカル二軸押出機、パ
ラレル二軸押出機、単軸押出機等の押出機により溶融成
形加工することにより成形物として得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。しかし、この実施例は単なる例示であって本発
明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例にお
ける測定方法は下記の通りである。
【0022】耐熱性の指標としての1Hzで測定したt
anδの主分散ピークの測定を以下のように行い、評価
した。 ・表1、表2に示す配合粉を(株)安田精機製作所製
(Test MixingRoll Machine
191−WM type)ロールにて、ロール温度16
0℃で練り、(株)神藤金属工業所製のASFA150
型式圧縮成形機にてプレス温度180℃でプレス加工す
ることにより、横巾65mm、縦巾13mm、厚み1.
3mmのサンプル片を作成した。 ・tanδの主分散ピークは、セイコー電子工業(株)
製(Dynamic Mechanical Spec
trometer DMS100)1Hz、昇温速度2
℃/minの条件において測定した。 ・促進曝露試験についてはJIS A1415に従い、
スガ試験機(株)製サンシャインス−パ−ロングライフ
ウェザ−メ−タ−WEL−SUN−HC−B(サンシャ
インカ−ボンア−ク使用・1000時間)によりブラッ
クパネル温度63℃、120分毎18分スプレ−水噴射
の条件で行った。 ・色差は日本電色工業株式会社製シグマ80Color Meas
uring Systemにより白色基準板(X93.68、Y9
5.53、Z113.48、H.whiteness 96.17)
を基準として調整し、促進曝露時間0時間のサンプルを
色差0として、1000時間のサンプルの色差を測定し
た。 ・IZOD衝撃強度についてはJIS K6740に従
い、(株)東洋精機製作所製No.A12150380
1IZOD衝撃試験機により7.5Jハンマ−・サンプ
ル厚み6.4mmの条件で測定した。試験片は上述した
促進暴露試験1000時間の試験片を用いた。 ・成形加工性についての評価は以下の基準で判定した。
ペレット状コンパウンドを平板サイジング金型を装備し
た池貝鉄工(株)社製、口径40mm単軸フルフライト
型スクリュウー押出機にて成形温度160〜190℃
で、平均厚み4mmの平板成形品を成形し、成形時の偏
流状態を観察した〔○印:十分に良い、△印:若干良
い、×印:悪い(焼けで成形加工が不可能の場合を含
む。)〕。 ・コスト計算も同様に評価した〔○印:安価、×印:コ
スト高〕。
【0023】実施例1 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1000の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体(三井東圧化学(株)社製、H
R E−200)100重量部を用い、安定剤としてジ
ブチルメルカプト錫(三共有機合成(株)社製JF95
B、凝固点が125〜135℃)1.5重量部と、滑剤
としてカルボン酸エステル化合物(勝田化工(株)社製
L86、凝固点が110℃以上)1.5重量部と、加工
助剤として三菱レーヨン(株)社製、PMMA(P70
0)1.5重量部と、充填剤として炭酸カルシウム8重
量部、顔料として大日本インキ(株)社製、酸化チタン
(D8996)10重量部を三井三池株式会社製ヘンシ
ェルミキサーにて混合し、組成物を得、さらに得られた
組成物をプラコー株式会社製、口径30mm単軸フルフ
ライト型スクリュウー押出機にて造粒してペレット状と
した。
【0024】この得られた造粒ペレットを平板サイジン
グ金型を装備した池貝鉄工(株)社製、口径40mm単
軸フルフライト型スクリュウー押出機にて成形温度16
0〜190℃で、平均厚み4mmの平板成形品を成形
し、この平板成形品を上述の方法により測定した。結果
を表1に示す。
【0025】実施例2 安定剤としてジブチルメルカプト錫(三共有機合成
(株)社製JF95B、凝固点が125〜135℃)の
添加量を1重量部に代えた他は実施例1と同様にして成
形し、測定した。結果を表1に示す。
【0026】実施例3 安定剤としてジブチルメルカプト錫(三共有機合成
(株)社製JF95B、凝固点が125〜135℃)の
添加量を3重量部に代えた他は実施例1と同様にして成
形し、測定した。結果を表1に示す。
【0027】実施例4 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1000の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体(三井東圧化学(株)社製、H
R E−200)に代え、平均重合度1050の塩化ビ
ニル単独重合体(三井東圧化学(株)社製、4000
M)50重量部と平均重合度1000の塩化ビニル系グ
ラフト共重合体(三井東圧化学(株)社製、HR E−
200)50重量部を用いた他は実施例1と同様にして
成形し、測定した。結果を表1に示す。
【0028】実施例5 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1050の塩化ビ
ニル単独重合体(三井東圧化学(株)社製、4000
M)25重量部と平均重合度1000の塩化ビニル系グ
ラフト共重合体(三井東圧化学(株)社製、HR E−
200)75重量部に代えた他は実施例4と同様にして
成形し、測定した。結果を表1に示す。
【0029】実施例6 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1050の塩化ビ
ニル単独重合体(三井東圧化学(株)社製、4000
M)75重量部と平均重合度1000の塩化ビニル系グ
ラフト共重合体(三井東圧化学(株)社製、HR E−
200)25重量部に代えた他は実施例4と同様にして
成形し、測定した。結果を表1に示す。
【0030】実施例7 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1050の塩化ビ
ニル単独重合体(三井東圧化学(株)社製、4000
M)85重量部と平均重合度1000の塩化ビニル系グ
ラフト共重合体(三井東圧化学(株)社製、HR E−
200)15重量部に代えた他は実施例4と同様にして
成形し、測定した。結果を表1に示す。
【0031】実施例8 滑剤としてカルボン酸エステル化合物(勝田化工(株)
社製L86、凝固点が110℃以上)の添加量を1.2
重量部に代えた他は実施例1と同様にして成形し、測定
した。結果を表1に示す。
【0032】実施例9 滑剤としてカルボン酸エステル化合物(勝田化工(株)
社製L86、凝固点が110℃以上)の添加量を2重量
部に代えた他は実施例1と同様にして成形し、測定し
た。結果を表1に示す。
【0033】実施例10 滑剤としてカルボン酸エステル化合物(勝田化工(株)
社製L86、凝固点が110℃以上)に代えて、凝固点
が140〜160℃であるステアリン酸カルシウム(淡
南化学(株)社製)0.8重量部と凝固点が75〜82
℃であるモンタン酸エステル化合物(ヘンケル白水
(株)社製、VPN411)0.5重量部と凝固点が7
5〜80℃であるライスワックス化合物(三共有機合成
(株)社製、ノダワックスM301)0.7重量部を用
いた他は実施例1と同様にして成形し、測定した。結果
を表1に示す。
【0034】
【表1】 比較例1 安定剤としてジブチル錫メルカプト化合物(三共有機合
成(株)社製JF95B、凝固点が125〜135℃)
に代え、ジブチルマレート錫(三共有機合成(株)社製
RC658、凝固点が30℃以下)を3重量部用いた他
は実施例1と同様にして成形し、測定したところ、ta
nδの主分散ピーク(1Hz)が84℃以上に達しなか
った。結果を表2に示す。
【0035】比較例2 安定剤としてジブチルメルカプト錫(三共有機合成
(株)社製JF95B、凝固点が125〜135℃)の
添加量を0.3重量部に代えた他は実施例1と同様にし
て成形し、測定したところ、熱安定性が足りず、成形加
工時に焼けて押出成形ができなかった。結果を表2に示
す。
【0036】比較例3 滑剤としてカルボン酸エステル化合物(勝田化工(株)
社製L86、凝固点が110℃以上)に代え、高分子エ
ステル化合物(ヘンケル白水(株)社製G70S、凝固
点が55〜58℃)1.0重量部を用いた他は実施例1
と同様にして成形し、測定したところ、tanδの主分
散ピーク (1Hz)が84℃以上に達しなかった。結果
を表2に示す。
【0037】比較例4 滑剤としてカルボン酸エステル化合物(勝田化工(株)
社製L86、凝固点が110℃以上)の添加量を0.7
重量部に代えた他は実施例1と同様にして成形し、測定
したところ、滑性が足りず、成形加工時に焼けて押しだ
し成形ができなかった。結果を表2に示す。
【0038】比較例5 滑剤としてカルボン酸エステル化合物(勝田化工(株)
社製L86、凝固点が110℃以上)の添加量を7重量
部に代えた他は実施例1と同様にして成形し、測定した
ところ、滑性が過剰で、押しだし成形ができなかった。
結果を表2に示す。
【0039】比較例6 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1000の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体(三井東圧化学(株)社製、H
R E−200)に代え、平均重合度1050の塩化ビ
ニル単独重合体(三井東圧化学(株)社製、4000
M)100重量部を用いた他は実施例1と同様にして成
形し、測定したところ、塩化ビニル系グラフト共重合体
中に存在する耐候性のあるアクリルゴムを含まないた
め、耐候試験1000時間のIZOD衝撃試験が10k
gfcm/cm以上に達しなかった。結果を表2に示
す。
【0040】比較例7 比較例6において、耐衝撃改良材としてクレハ化学
(株)者製MBS(BTA751)を7重量部添加した
他は比較例6と同様にして成形し、測定したが、耐候試
験1000時間のIZOD衝撃試験においても向上が見
られず10kgfcm/cm以上に達しなかった。色差
も5以内には達しなかった。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明の方法により動的粘弾性において
1Hzで測定したtanδの主分散ピークが84℃以上
となり、屋外で太陽光線により一時的に70℃〜80℃
となる高温条件下でも変形せず、安定した成形品形状を
保てるという耐熱性を改善した塩化ビニル系樹脂組成物
及びそれを用いた成形物を得ることが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルキルアクリレート及び/又はアルキル
    メタアクリレートと多官能性単量体との共重合体に対し
    て、塩化ビニルをグラフト共重合させてなる塩化ビニル
    系グラフト共重合体を10重量%以上含有する塩化ビニ
    ル系樹脂100重量部と、凝固点が85℃以上の錫系安
    定剤0.5〜4重量部と、凝固点が75℃以上の滑剤1
    〜6重量部とからなり、動的粘弾性において1Hzで測
    定したtanδの主分散ピークが84℃以上である耐熱
    性に優れた耐衝撃性、耐候性良好な塩化ビニル系樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物を
    溶融成形してなる塩化ビニル系樹脂成形物。
JP16257296A 1996-06-24 1996-06-24 耐熱性に優れ、耐衝撃性、耐候性が良好な塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形物 Pending JPH107862A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1180475A (ja) * 1997-09-10 1999-03-26 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系管路構成部材
JP2000319479A (ja) * 1998-12-28 2000-11-21 Taiyo Enbi Kk 塩化ビニル系重合体組成物
DE102013006347A1 (de) 2013-04-12 2014-10-16 Clariant International Ltd. Lösemittelhaltige Pasten
DE102015226240A1 (de) 2015-12-21 2017-06-22 Clariant International Ltd Luftoxidierte Reisschalenwachse
EP3808820A1 (de) 2019-10-16 2021-04-21 Clariant International Ltd Reiskleiewachsoxidate mit niedrigen säurezahlen
EP3808819A1 (de) 2019-10-15 2021-04-21 Clariant International Ltd Helle reiskleiewachsoxidate mit einem hohen esteranteil
EP3808818A1 (de) 2019-10-15 2021-04-21 Clariant International Ltd Teilverseifte reiskleiewachsoxidate
WO2021073911A1 (de) 2019-10-15 2021-04-22 Clariant International Ltd Reiskleiewachsoxidate mit niedrigen saeurezahlen

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