JP7218021B2 - 表面処理炭酸カルシウム及びその製造方法並びに塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

表面処理炭酸カルシウム及びその製造方法並びに塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、表面処理炭酸カルシウム及びその製造方法並びに塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体に関する。
ポリ塩化ビニルゾルなどのペースト状樹脂組成物に配合する表面処理炭酸カルシウムとして、特許文献1には、炭酸カルシウムに対して亜鉛成分を亜鉛金属換算で0.5~10質量%含有し、かつ脂肪酸、そのアルカリ金属石鹸、またはそのエステル化合物で表面処理された表面処理炭酸カルシウムが開示されている。
このような表面処理炭酸カルシウムを用いることにより、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を付与することができると記載されている。
特開2004-345932号公報
表面処理炭酸カルシウムを含有した塩化ビニル系樹脂組成物は、耐候性試験において着色しやすいという問題があることを、本発明者らは見出した。
本発明の目的は、耐候性試験において着色しにくく、かつ衝撃強度に優れた塩化ビニル系樹脂組成物にすることができる表面処理炭酸カルシウムを提供することにある。
本発明は、脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有割合が85質量%以上である表面処理剤を用いて処理した表面処理炭酸カルシウムであって、鉄元素の含有量が0.01質量%以下であり、表面処理により導入された亜鉛元素の含有量が0.1~2質量%であり、BET比表面積が5~30m/gであることを特徴としている。
本発明において、飽和脂肪酸の炭素数は、12~28であることが好ましい。
本発明において、表面処理剤の含有量は、表面処理炭酸カルシウム中、1~12質量%であることが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上記本発明の表面処理炭酸カルシウムを含むことを特徴としている。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、さらにコアシェル重合体組成物を含むことが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂成形体は、上記本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を、窓枠、ドアフレーム、サイディング、フェンス、パイプ、または継手に成形したことを特徴としている。
本発明の表面処理炭酸カルシウムの製造方法は、上記本発明の表面処理炭酸カルシウムを製造することができる方法であって、炭酸カルシウムスラリーに、亜鉛塩と表面処理剤とを添加することにより表面処理することを特徴としている。
本発明によれば、耐候性試験において着色しにくく、かつ衝撃強度に優れた塩化ビニル系樹脂組成物にすることができる表面処理炭酸カルシウムを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<表面処理炭酸カルシウム>
(炭酸カルシウム)
本発明において用いられる炭酸カルシウムとしては、特に限定されず、従来公知の炭酸カルシウムを用いることができる。炭酸カルシウムの具体例としては、合成炭酸カルシウム、天然炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム)などが挙げられる。本発明では、合成炭酸カルシウムが好ましく用いられる。
合成炭酸カルシウムは、特に限定されない。合成炭酸カルシウムとしては、例えば沈降性(膠質)炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウムなどが挙げられる。本発明では、沈降性炭酸カルシウムが好ましく用いられる。
合成炭酸カルシウムは、例えば水酸化カルシウムを炭酸ガスと反応させることによって製造することができる。水酸化カルシウムは、例えば酸化カルシウムを水と反応させることによって製造することができる。酸化カルシウムは、例えば石灰石原石をコークスなどで焼成することによって製造することができる。この場合、焼成時に炭酸ガスが発生するので、この炭酸ガスを水酸化カルシウムと反応させることによって炭酸カルシウムを製造することができる。
また、本発明においては、表面処理炭酸カルシウムのBET比表面積が5~30m/gであるので、処理前の炭酸カルシウムのBET比表面積も、5~30m/g程度であることが好ましい。
また、本発明においては、表面処理炭酸カルシウムの鉄元素の含有量が0.01質量%以下である。鉄元素は、炭酸カルシウム由来のものがほとんどであるので、鉄元素含有量の少ない石灰石を原料として用いたり、鉄元素含有量の少ない水酸化カルシウムを原料として用いたりすることが好ましい
(表面処理剤)
本発明においては、脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有割合が85質量%以上である表面処理剤を用いて炭酸カルシウムを表面処理する。
脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有割合が85質量%未満であると、耐候性試験において着色しにくく、かつ衝撃強度に優れた塩化ビニル系樹脂組成物にすることができるという本発明の効果が得られない。飽和脂肪酸の含有割合は、好ましくは88質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは91質量%以上であり、特に好ましくは92質量%以上である。飽和脂肪酸の含有割合の上限値は、特に限定されるものではないが、100質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましい。
飽和脂肪酸の炭素数は、12~28であることが好ましく、14~22であることがより好ましく、16~22であることがさらに好ましい。
飽和脂肪酸の具体例としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アライン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。これらの中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などが好ましく用いられる。
脂肪酸中における飽和脂肪酸以外の脂肪酸としては、不飽和脂肪酸が挙げられる。不飽和脂肪酸の具体例としては、オブッシル酸、カルロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、モリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレビン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、ソルビン酸、リノール酸などが挙げられる。
本発明における表面処理剤は、脂肪酸を主成分とするものであることが好ましい。しかしながら、脂肪酸以外の表面処理剤が含まれていてもよい。
表面処理剤の含有量は、表面処理炭酸カルシウム中、1~12質量%であることが好ましく、1~8質量%であることがより好ましく、2~6質量%であることがより好ましく、2~5質量%であることがさらに好ましい。表面処理剤の量が少ないと、耐候性試験において着色しにくく、かつ衝撃強度に優れた塩化ビニル系樹脂組成物にすることができるという本発明の効果が十分に得られない場合がある。表面処理剤の量が多すぎると、耐候性試験において着色しにくい塩化ビニル系樹脂組成物にすることができるという本発明の効果が十分に得られない場合がある。
表面処理剤の量の測定方法は、熱重量分析装置を用いて、200℃から500℃の重量減少分から、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を算出することができる。
(表面処理方法)
表面処理方法としては、例えば、炭酸カルシウムと水とを含む炭酸カルシウムスラリーに、脂肪酸のアルカリ金属塩水溶液を添加した後、脱水、乾燥する方法が挙げられる。脂肪酸のアルカリ金属塩水溶液は、脂肪酸を水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ金属塩水溶液中に添加して加熱することにより調製することができる。
本発明においては、表面処理により亜鉛元素を表面処理炭酸カルシウムに導入している。亜鉛元素を導入する方法としては、炭酸カルシウムスラリーに、亜鉛塩と表面処理剤とを添加することにより表面処理する方法が挙げられる。表面処理により、表面処理剤を炭酸カルシウム表面に付着させるとともに、付着した表面処理剤に亜鉛元素が導入される。
また、表面処理剤で表面処理した後の炭酸カルシウムスラリーを脱水して湿粉体とし、この湿粉体に亜鉛塩を添加し混合してもよい。本発明では、このような方法で導入された亜鉛元素も、表面処理により導入された亜鉛元素とする。
亜鉛塩としては、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛などが挙げられる。亜鉛塩は、表面処理剤と同時に添加してもよいし、表面処理剤の添加前に添加してもよいし、表面処理剤の添加後に添加してもよい。一般には、表面処理剤の添加後に亜鉛塩を添加することが好ましい。
亜鉛塩は、水溶液の形態で添加することが好ましい。水溶液の濃度は、10~80質量%であることが好ましい。
上記の湿粉体に添加する亜鉛塩としては、有機の亜鉛塩が好ましく、特に有機酸亜鉛塩が好ましい。有機酸亜鉛塩としては、例えば、酢酸亜鉛からモンタン酸亜鉛を挙げることができる。従って、有機酸亜鉛塩の好ましい炭素数は、1~28であり、より好ましくは12~22である。
炭酸カルシウムスラリー中の炭酸カルシウムの固形分の含有量は、炭酸カルシウムの平均粒子径、炭酸カルシウムのスラリー中への分散性、スラリーの脱水の容易さなどを考慮して適宜調整すればよい。一般的には、スラリーの固形分含有量を2~30質量%程度、好ましくは5~20質量%程度となるように調整することにより、適度な粘度のスラリーとすることができる。
(鉄元素の含有量)
本発明の表面処理炭酸カルシウムにおける鉄元素の含有量は、0.01質量%以下であり、好ましくは0.0095質量%以下であり、より好ましくは0.009質量%以下であり、さらに好ましくは0.0085質量%以下であり、特に好ましくは0.0082質量%以下である。鉄元素の含有量が0.01質量%を超えると、耐候性試験において着色しにくい塩化ビニル系樹脂組成物にすることができるという本発明の効果が得られない。
鉄元素の含有量の下限値は、特に限定されるものではないが、例えば、0.001質量%である。
鉄元素の含有量の測定方法としては、乾燥した試料に硝酸を添加して炭酸カルシウムを溶解させた測定溶液を調製し、この測定溶液についてICP発光分光分析装置を用いて定量する方法が挙げられる。
(亜鉛元素の含有量)
本発明の表面処理炭酸カルシウムにおける亜鉛元素の含有量は、表面処理により導入された亜鉛元素の含有量である。したがって、表面処理層中に含まれる亜鉛元素の含有量である。本発明における亜鉛元素の含有量は、0.1~2質量%の範囲内であり、好ましくは0.2~1.9質量%の範囲内であり、より好ましくは0.3~1.8質量%の範囲内であり、さらに好ましくは0.4~1.5質量%の範囲内である。
亜鉛元素の含有量が少なすぎると、耐候性試験において着色しにくい塩化ビニル系樹脂組成物にすることができるという本発明の効果が十分に得られない場合がある。亜鉛元素の含有量が多すぎると、初期において塩化ビニル系樹脂組成物が着色する場合がある。
本発明における亜鉛元素の含有量は、表面処理炭酸カルシウム全体の亜鉛元素の含有量から、表面処理前の炭酸カルシウムにおける亜鉛元素の含有量を差し引くことにより求めることができる。具体的には、表面処理前後の乾燥した試料のそれぞれについて、硝酸を添加して炭酸カルシウムを溶解させた測定溶液を調製し、これらの測定溶液についてICP発光分光分析装置を用いて定量することにより、表面処理前の炭酸カルシウムにおける亜鉛元素の含有量と表面処理後の炭酸カルシウムにおける亜鉛元素の含有量を求めることができる。また、X線光電子分光法(XPS)を用いて、表面処理炭酸カルシウムの表面処理層における亜鉛元素の含有量を求めてもよい。
(BET比表面積)
本発明の表面処理炭酸カルシウムにおけるBET比表面積は、5~30m/gの範囲内であり、好ましくは6~25m/gの範囲内であり、より好ましくは8~22m/gの範囲内であり、さらに好ましくは10~20m/gの範囲内である。
BET比表面積が小さすぎると、塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性が低下する場合がある。BET比表面積が大きすぎると、塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性や耐熱性が低下する場合がある。
BET比表面積は、窒素ガスを使用するBET法により求めることができる。
<塩化ビニル系樹脂組成物>
(塩化ビニル系樹脂)
本発明における塩化ビニル系樹脂には、塩化ビニルホモポリマー、及び塩化ビニルから誘導された単位を少なくとも70質量%含有する共重合体が含まれる。
(塩化ビニル系樹脂組成物)
本発明における塩化ビニル系樹脂組成物は、本発明の表面処理炭酸カルシウムを含む塩化ビニル系樹脂組成物である。
本発明における塩化ビニル系樹脂組成物は、好ましくは、さらにコアシェル重合体組成物を含む。
本発明における塩化ビニル系樹脂組成物は、より好ましくは、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、コアシェル重合体組成物1~30質量部、及び本発明の表面処理炭酸カルシウム1~30質量部を含む樹脂組成物である。
塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、コアシェル重合体組成物は、より好ましくは1~20質量部、さらに好ましくは2~10質量部含まれる。
コアシェル重合体組成物が少なすぎると、高い衝撃強度を得ることができない場合がある。コアシェル重合体組成物が多すぎると、成形加工性が低下したり、コストが上昇する場合がある。
塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、本発明の表面処理炭酸カルシウムは、より好ましくは2~20質量部、さらに好ましくは5~15質量部含まれる。
本発明の表面処理炭酸カルシウムが少なすぎると、塩化ビニル系樹脂組成物の弾性率や耐衝撃性が低下する場合がある。本発明の表面処理炭酸カルシウムが多すぎると、塩化ビニル系樹脂組成物の比重が高くなったり、成形加工性が低下したりする場合がある。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、滑剤、加工助剤等の添加剤を適宜添加することができる。
塩化ビニル系樹脂組成物には、一般に、加工時あるいは使用時の熱や紫外線、酸素などによる脱塩化水素反応による劣化(変色、および機械的・電気的特性の低下)を防ぐ目的から、安定剤が添加されて使用されている。このような安定剤は、主に、鉛化合物系安定剤、金属石鹸系安定剤、有機錫系安定剤などに分類される。本発明では、鉛化合物系、有機錫系、金属石鹸系から選ばれる1種以上が用いられることが好ましい。
(コアシェル重合体組成物)
本発明におけるコアシェル重合体組成物としては、コア構成成分を重合して得られるコアの存在下に、シェル構成成分を重合して得られるものが挙げられる。このようなコアシェル重合体組成物は、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、マイクロサスペンション重合法、ミニエマルション重合法、水系分散重合法などにより製造することができ、中でも構造制御が容易である点から、乳化重合法により製造されたものを好適に用いることができる。
このようにして得られたコアシェル重合体のラテックス、および粒子は、必要に応じて塩析、酸析等の凝固処理を行った後、熱処理、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て、粉体として回収される。かかる粉体の回収方法は上記に限定されるものではなく、例えばコアシェル重合体ラテックスを噴霧乾燥(スプレードライ)することによっても回収することができる。
コアシェル重合体組成物のコアは、その粒子径が、特に塩化ビニル系樹脂を用いたときに良好な耐衝撃性を発現するために、0.05~0.3μmであることが好ましい。
本発明におけるコアシェル重合体組成物としては、ポリ塩化ビニル用の耐衝撃改質剤(モディファイヤー)として用いられているものを用いることができる。このような耐衝撃改質剤として、例えば、コアが、ブタジエン系ゴム(ブタジエン・スチレン)、アクリル系ゴムなどのゴムから構成され、シェルが、MMA(メチルメタクリレート)、MMA/スチレン、AN(アクリロニトリル)、AN/スチレン、シリコーンなどのグラフト層から構成されるコアシェル構造のものが挙げられる。
コアシェル構造の耐衝撃改質剤としては、MBS樹脂(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体)及びアクリル系樹脂が挙げられる。MBS樹脂は、シェルがMMA系のグラフト層、コアがブタジエン系ゴム(主にブタジエン/スチレン)で構成されたコアシェル型微粒子ポリマーである。アクリル系樹脂は、アクリル系強化剤とアクリル系加工助剤に分類でき、いずれも耐候性に優れている。アクリル系樹脂は、コア層にアクリル系ゴムが用いられている。
以下、本発明に従う具体的な実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<表面処理炭酸カルシウムの製造>
(表面処理炭酸カルシウムAの製造)
BET比表面積が18m/gである合成炭酸カルシウム2000g(ICP-AESによる元素分析で、亜鉛含有量0.0007質量%)に、固形分が10質量%となるように水を加え、60℃で撹拌して、炭酸カルシウムのスラリーを調製した。
次に、飽和脂肪酸の含有量が92質量%である飽和脂肪酸ナトリウム塩の10質量%水溶液を調製して表面処理剤溶液とするとともに、塩化亜鉛の50質量%水溶液を調製した。この表面処理剤溶液を上記の炭酸カルシウムスラリーに所定量添加した後、上記の塩化亜鉛水溶液を所定量添加し、合成炭酸カルシウムに表面処理を施した。
次に、得られたスラリーを脱水して、固形分が60質量%のケーキを得た。得られたケーキを、乾燥機で乾燥、解砕して表面処理炭酸カルシウムAを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムAのBET比表面積は、16m/gであった。表面処理炭酸カルシウムAをICP-AESで元素分析をしたところ、亜鉛の含有量は0.6質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムBの製造)
塩化亜鉛の50質量%水溶液の添加量を変えた以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムBを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムBのBET比表面積は、16m/gであった。亜鉛の含有量は1.8質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムCの製造)
BET比表面積が11m/gである合成炭酸カルシウムを使用した以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムCを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムCのBET比表面積は、10m/gであった。亜鉛の含有量は0.6質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムDの製造)
BET比表面積が7m/gである合成炭酸カルシウムを使用した以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムDを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムDのBET比表面積は、6m/gであった。亜鉛の含有量は0.6質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムEの製造)
表面処理剤溶液の添加量を変えた以外は炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムEを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムEのBET比表面積は、16m/gであった。亜鉛の含有量は0.6質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、8質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムFの製造)
表面処理剤溶液の添加量を変えた以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムFを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムFのBET比表面積は、16m/gであった。亜鉛の含有量は0.6質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、10質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムGの製造)
塩化亜鉛の50質量%水溶液の添加量を変えた以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムGを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムGのBET比表面積は、16m/gであった。亜鉛の含有量は2.5質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムHの製造)
鉄含有量の高い合成炭酸カルシウムを使用した以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムHを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムHのBET比表面積は、16m/gであった。亜鉛の含有量は0.6質量%、鉄の含有量は0.013質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムIの製造)
飽和脂肪酸の含有量が80質量%である飽和脂肪酸ナトリウム塩を使用した以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムIを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムIのBET比表面積は、16m/gであった。亜鉛の含有量は0.6質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムJの製造)
BET比表面積が35m/gである合成炭酸カルシウムを使用した以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムJを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムJのBET比表面積は、32m/gであった。亜鉛の含有量は0.6質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムKの製造)
表面処理前の炭酸カルシウムとしてBET比表面積が3m/gである市販の重質炭酸カルシウムを使用した以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムKを得た。
表面処理炭酸カルシウムKのBET比表面積は、4m/gであった。亜鉛の含有量は0.5質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、3質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムLの製造)
合成時に塩化亜鉛50質量%の水溶液を加えて得た合成炭酸カルシウムを使用し、表面処理時に塩化亜鉛を添加しなかった以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムLを得た。表面処理前の合成炭酸カルシウムの亜鉛含有量は1.0質量%であった。
得られた表面処理炭酸カルシウムLのBET比表面積は、26m/gであった。亜鉛の含有量は1.0質量%、鉄の含有量は0.009質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムMの製造)
塩化亜鉛を添加せずに表面処理剤のみで表面処理する以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして得た炭酸カルシウム粉末に、混合機を用いてステアリン酸亜鉛を所定量添加して混合し、表面処理炭酸カルシウムMを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムMのBET比表面積は、16m/gであった。亜鉛の含有量は0.5質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であり、添加したステアリン酸亜鉛中のステアリン酸成分の含有量は4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムNの製造)
塩化亜鉛50質量%の水溶液の添加量を減らした以外は、表面処理炭酸カルシウムAと同様にして表面処理炭酸カルシウムNを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムNのBET比表面積は、16m/gであった。亜鉛の含有量は0.08質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤の含有量を測定したところ、4質量%であった。
(表面処理炭酸カルシウムOの製造)
BET比表面積が18m/gである合成炭酸カルシウム2000g(ICP-AESによる元素分析で、亜鉛含有量0.0007質量%)に、固形分が10質量%となるように水を加え、60℃で撹拌して、炭酸カルシウムのスラリーを調製した。
次に、飽和脂肪酸の含有量が92質量%である飽和脂肪酸ナトリウム塩の10質量%水溶液を調製して表面処理剤溶液とした。この表面処理剤溶液を上記の炭酸カルシウムスラリーに所定量添加して、合成炭酸カルシウムに表面処理を施した。
表面処理剤溶液を添加した炭酸カルシウムスラリーを脱水ろ過し固形分が60質量%炭酸カルシウムのケーキ(湿粉体)を得た。得られた炭酸カルシウムのケーキ(湿粉体)にステアリン酸亜鉛の粉末を所定量添加した後に乾燥、解砕して表面処理炭酸カルシウムOを得た。
得られた表面処理炭酸カルシウムOのBET比表面積は、16m/gであった。亜鉛の含有量は0.5質量%、鉄の含有量は0.008質量%であった。また、熱重量分析装置を用いて、表面処理炭酸カルシウム中の表面処理剤(ステアリン酸亜鉛中のステアリン酸成分を含む)の含有量を測定したところ、8質量%であった。
<塩化ビニル系樹脂組成物の製造>
以上のようにして得られた表面処理炭酸カルシウムA~Oを用いて、以下の配合で、塩化ビニル系樹脂組成物を製造した。なお、表面処理炭酸カルシウムA~F及びOは本発明に従う表面処理炭酸カルシウムであり、表面処理炭酸カルシウムG~Nが比較例の表面処理炭酸カルシウムである。
・塩化ビニル樹脂(商品名「カネビニルS-1001」、カネカ社製):100質量部
・コアシェル重合体組成物(商品名「カネエースFM-40」、白色樹脂粉末、カネカ社製):3.5質量部
・表面処理炭酸カルシウムA~N:10質量部
・有機錫系安定剤(商品名「TM-181FSJ」、メチル錫メルカプト系安定剤、勝田化工社製):1.5質量部
・パラフィンワックス(商品名「Rheolub165」、Rheochem社製):1.0質量部
・ステアリン酸カルシウム(商品名「SC-100」、堺化学社製):1.2質量部
・酸化ポリエチレンワックス(商品名「ACPE-629A」、アライドシグナル社製):0.1質量部
・酸化チタン(商品名「TITON R-62N」、堺化学社製):10質量部
・加工助剤(商品名「カネエースPA-20」、カネカ社製):1.5質量部
上記各原料を、ヘンシェルミキサーでブレンドして原料混合物を得た。得られた原料混合物を、20mm同方向二軸押出機を用いて、押出温度170℃、スクリュー回転数100rpm、吐出量5kg/hrの条件にて混練し、塩化ビニル系樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを用いて、型締め力75トンの射出成形機で成形体を作製した。シャルピー衝撃強さを測定するための成形体は、ISO-Aの金型を用いて、厚み4mmの試験片を得た。耐候性試験に用いる成形体は、ISO-D2の金型を用いて、厚み2mm、縦50mm×横50mmのプレート状の成形体を得た。
(シャルピー衝撃強さの測定)
シャルピー衝撃強さの測定は、ISO179-1および-2に準拠してノッチ付きで行った。強さの単位は、kJ/mを採用した。
測定結果を、表1に示す。
(耐候性試験)
耐候性試験は、照射照度75W/m(波長300-400nm)、ブラックパネル温度63℃、湿度50RH%の条件に設定したスーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機:SX75)に1000時間暴露した前後のb*値を測定した。b*値は、分光白色光度計(東京電色:ERP-80WX/II)を用いて、標準光としてC光、集光レンズにφ30、試料台にφ30を設定して、JIS-Z-8781に準拠してb*値を求めた。
測定結果を、表1に示す。表1に示す「亜鉛元素含有量」は、表面処理により導入された亜鉛元素の含有量であるが、比較例6(表面処理炭酸カルシウムL)以外は、表面処理前の炭酸カルシウムの亜鉛元素含有量が、上記のように0.0007質量%と非常にわずかであるので、表面処理炭酸カルシウムの亜鉛元素含有量と同じ値になっている。比較例6(表面処理炭酸カルシウムL)では、表面処理により導入された亜鉛元素の含有量が0質量%であり、「亜鉛元素含有量」における「(1.0)」は、表面処理前の炭酸カルシウムの亜鉛元素含有量が1.0質量%であることを示している。
Figure 0007218021000001
表1に示すように、本発明に従う表面処理炭酸カルシウムA~F及びOを用いた実施例1~7においては、耐候性試験において着色しにくく、かつ衝撃強度に優れた塩化ビニル系樹脂組成物が得られていることがわかる。亜鉛元素含有量が本発明の範囲より多い表面処理炭酸カルシウムGを用いた比較例1、及び炭酸カルシウム粉末に混合機を用いてステアリン酸亜鉛を後添加した比較例7においては、耐候性試験前において、既にかなり着色していることがわかる。また、亜鉛元素含有量が本発明の範囲より少ない表面処理炭酸カルシウムNを用いた比較例8においては、耐候性試験において着色しにくいという本発明の効果が得られていないことがわかる。
実施例7と比較例7との比較から、湿粉体に有機酸亜鉛塩を添加して亜鉛元素を導入することによっても、本発明の効果が得られることがわかる。これは、湿粉体に有機酸亜鉛塩を添加することにより、有機酸亜鉛塩が炭酸カルシウムの表面に均一に分散されるためであると考えられる。
(窓枠成形体)
実施例1に用いた樹脂組成物を成形して窓枠成形体を作製した。得られた窓枠成形体について、耐候性試験を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。

Claims (6)

  1. 脂肪酸中の飽和脂肪酸の含有割合が85質量%以上である表面処理剤を用いて合成炭酸カルシウムを処理した表面処理炭酸カルシウムであって、
    鉄元素の含有量が0.01質量%以下であり、表面処理により導入された亜鉛元素の含有量が0.1~2質量%であり、BET比表面積が5~30m/gであり、前記表面処理剤の含有量が、表面処理炭酸カルシウム中、1~12質量%であることを特徴とする表面処理炭酸カルシウム。
  2. 前記飽和脂肪酸の炭素数が、12~28であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理炭酸カルシウム。
  3. 請求項1または2に記載の表面処理炭酸カルシウムを含むことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. さらにコアシェル重合体組成物を含むことを特徴とする請求項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 請求項またはに記載の塩化ビニル系樹脂組成物を、窓枠、ドアフレーム、サイディング、フェンス、パイプ、または継手に成形したことを特徴とする塩化ビニル系樹脂成形体。
  6. 請求項1または2に記載の表面処理炭酸カルシウムを製造する方法であって、
    炭酸カルシウムスラリーに、亜鉛塩と表面処理剤とを添加することにより表面処理することを特徴とする表面処理炭酸カルシウムの製造方法。
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