JP2002085980A - 金属担持無機粉体の製造方法 - Google Patents

金属担持無機粉体の製造方法

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JP2002085980A
JP2002085980A JP2001165675A JP2001165675A JP2002085980A JP 2002085980 A JP2002085980 A JP 2002085980A JP 2001165675 A JP2001165675 A JP 2001165675A JP 2001165675 A JP2001165675 A JP 2001165675A JP 2002085980 A JP2002085980 A JP 2002085980A
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zinc
calcium carbonate
fatty acid
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Masatoshi Chikasawa
正敏 近澤
Masatada Fuji
正督 藤
Takashi Takei
孝 武井
Naoaki Shimura
直明 志村
Yoshihisa Sugiyama
佳央 杉山
Nanami Marutsuka
奈々美 丸塚
Katsuyuki Tanabe
克幸 田辺
Kohei Mitsuhashi
幸平 三觜
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Nittetsu Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害有機物を分解する環境触媒、紫外線遮蔽
効果を生かした化粧料、抗菌効果を生かした樹脂や塗料
又はセラミックスの抗菌性フィラー等として有効活用が
期待できる金属又は金属酸化物を担持した無機粉体の製
造方法の提供。 【解決手段】 無機粉体表面を脂肪酸金属塩で表面処理
した後その表面を被覆している脂肪酸金属塩を加熱焼成
することにより金属または金属酸化物として無機粉体表
面に担持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属成分を担持し
た無機粉体の製造方法に関するものである。より詳しく
は、有害有機物や汚染物質を分解する環境触媒、防汚材
や防汚塗料、紫外線遮蔽効果を生かした化粧料、抗菌効
果を生かした樹脂や塗料、あるいはセラミックスの抗菌
性フィラー等として有効に活用することが期待できると
ころの金属成分を金属あるいは金属酸化物として担持し
た無機粉体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機粉体には、酸化物、水酸化物、炭酸
塩、硫酸塩、珪酸塩、窒化物あるいはカーボン類等数多
くのものがあり、それらは工業的にも利用されている。
その利用範囲は、性質、機能、形状、微細構造あるいは
価格等により、幅広く、多種多様であり、例えば比較的
低価格で多量に使用する顔料や填料といった用途をはじ
め、板状、針状、多孔質等の特徴的な形態、粒子径や屈
折率等の物性を活用した用途、更には磁性、触媒能、紫
外線吸収能等の特殊な機能を生かした高機能粉体として
の用途等がある。
【0003】これらの使い分けは、長年の間にほぼ固定
化しており、一般に機能性の高い粉体程、高価格なため
特殊な用途に限られ、反対に汎用の製紙や樹脂に使用さ
れる充填剤は低価格で大量に安定供給できることが必須
の条件となる。特に石灰石を粉砕してなる炭酸カルシウ
ムやカオリン、タルク等の天然資源の粉砕品は製紙や樹
脂分野で広く使用されている。
【0004】一方、金属や金属酸化物はかねてより触媒
能を有することが知られている。特に最近では金属酸化
物を超微粒子化し活性化することにより、従来の粉体で
は見られない機能が発現することが知られるようになっ
た。例えば、粒子径が0.2〜0.3μmの酸化チタン
は高隠蔽性に優れ白色顔料として使用されているが、こ
の粒子径を0.05μm以下にすることにより急激に光
触媒活性が高くなるとともに紫外線遮蔽効果や抗菌性が
著しくなる。また、酸化亜鉛についても同様の粒子径ま
で超微粒子化することにより紫外線遮蔽効果や抗菌性・
防臭性が向上する。
【0005】これらの金属酸化物の超微粒子の製造に
は、特許第2821357号公報で提案する亜鉛又はそ
の化合物、カルボキシル基含有化合物及びアルコールか
らなる混合物を加熱する方法、特開平10−23682
2号公報が提案するカルボン酸亜鉛塩およびアルコール
の混合液を加熱熟成して酸化亜鉛前駆体を生成させ、前
記前駆体を金属水酸化物及び/又は水と反応して金属水
酸化物を生成させる化合物と混合した後、アルコールを
留去し焼成する方法がある。
【0006】さらには、特開平10−120419号公
報が提案するカルボン酸亜鉛塩およびアルコールの混合
液をアンモニアを含有及び/又は発生する物質と混合及
び/又は接触させて加水分解する方法、特開平10−1
20418号公報が提案する亜鉛塩水溶液とアルカリ水
溶液とを高速撹拌により反応させ、その中和生成物を乾
燥、焼成する方法、特開平4−280814号公報が提
案する陰イオン界面活性剤水溶液に、硫酸亜鉛水溶液と
炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムの混合アルカリ水
溶液とを同時に添加し、生成した塩基性炭酸亜鉛をか焼
する方法等があり、数多くの金属酸化物のそのものの超
微粒子の製造方法が提案されている。
【0007】しかしながら、これらの方法は、比較的高
度な技術が要求されるため、経済的にも高価なものとな
る。また、製造された金属酸化物のそのものの粒子が極
めて微細なためハンドリングや分散性にも問題がある。
これらのことから、汎用の無機粉体に金属や金属酸化物
を低コストで担持させることができれば、新機能の付与
により汎用の無機粉体の付加価値の向上が図れることが
期待できる。さらに、新たな用途展開により、このよう
な機能性粉体を切望している分野に貢献でき、かつハン
ドリングや分散性の点でも改善が期待できる。
【0008】このような点に着目した技術も既に提案さ
れており、そのようなものとしては、特開平10−74
19号公報にあるカルシウム質粉粒体の表面にアルミニ
ウム系有機金属化合物をアルコール溶液として添加し熱
処理して得られる酸化アルミニウムまたは水酸化アルミ
ニウム層を形成した粉粒体、特開平10−130619
号公報にある酸化亜鉛微粒子懸濁水から基体表面に沈着
した酸化亜鉛微粒子が強固に付着し露出している酸化亜
鉛微粒子付着複合体がある。
【0009】さらに、特開平11−1411号公報にあ
るシリカゾル分散液に亜鉛塩とさらに弱酸強塩基塩を加
え、塩基性亜鉛塩/シリカゾル複合体分散液とし、この
複合体分散液を乾燥あるいは加熱脱水して得られるシリ
カ表面に微細酸化亜鉛粒が付着しているシリカ/酸化亜
鉛複合体等もある。しかしながら、これらの技術も操作
が煩雑であり、また一部の限られた金属や担持体でのみ
有効な手法であり、広く工業的に応用可能な方法とは言
い難い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑
み、本発明者らは汎用されている無機粉体をより一層活
用する道を拓くべく、この汎用の無機粉体の持つ利点
と、前記した金属酸化物の超微粒子が有する固有の特性
を合わせ持つ粉体の製造を試みる研究を鋭意重ねた。す
なわち、汎用の無機粉体に新たな高機能性を付与するこ
とを目的にして、それに金属酸化物の超微粒子を担持さ
せるべく鋭意研究を重ねた。その結果、開発に成功した
のが本発明であり、したがって、本発明は汎用の無機粉
体に更なる活用の道を拓くことを期待しうる新たな機能
性を付与した無機粉体の製造方法を提供することを解決
すべき課題、すなわち目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決した金属担持無機粉体の製造方法を提供するものであ
り、その製造方法は無機粉体表面を脂肪酸金属塩で表面
処理後、加熱焼成により無機粉体の表面を被覆している
脂肪酸金属塩に含まれる金属を、金属または金属酸化物
として無機粉体表面に担持させることを特徴とするもの
である。そして、本発明の金属担持無機粉体の製造方法
は、脂肪酸金属塩で被覆後焼成することで超微細な状態
の金属成分を担持した無機粉体が製造できるので、製造
工程が単純で、かつ原料となる無機粉体も汎用品が利用
できるから、経済性にも優れ実用性が極めて高い。
【0012】また、この方法で得られた金属担持無機粉
体は、シックハウス症候群の原因とされるアルデヒド類
や、発ガン性が問題となっている塩素系有機化合物、土
壌汚染を引き起こす農薬類などの有害有機物や、硫黄酸
化物、窒素酸化物などの大気汚染物質を分解する環境触
媒、トンネル照明器具、標識などの道路関連設備や、建
築物の内外装材、浴室、トイレなどの住宅設備などへ防
汚効果を付与するための防汚材や防汚塗料、紫外線遮蔽
効果を生かした化粧料、抗菌効果を生かした樹脂や塗
料、あるいはセラミックスの抗菌性フィラー等として有
効に活用することが期待でき、産業上はもちろん地球環
境や住環境の保護においてもその意義は大きい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳細に説明するが、本発明は、それらによって限定
されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特
定されるものであることはいうまでもない。
【0014】本発明で使用する無機粉体については、特
に制限はなく、各種酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸
塩、珪酸塩等が使用でき、それらは化学合成品、天然品
のいずれであってもよいが、汎用品で安価なものが好適
に使用できる。その利用できる無機粉体について例示す
ると、酸化物では酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化珪素等が、水酸化物で
は水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム等が、炭酸塩では炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト等、硫酸
塩では硫酸カルシウム(石膏)等、珪酸塩では、珪灰石
やトバモライトといった珪酸カルシウム、タルク、ゼオ
ライト、セピオライト等があげられる。
【0015】本発明において無機粉体の表面処理に使用
する脂肪酸金属塩については、脂肪酸がカプロン酸から
ベヘニン酸のものを使用するのがよいが、特に制限はな
い。また塩を形成する金属としては、鉛、マンガン、ア
ルミニウム、銅、亜鉛、鉄、クロム、コバルト、カルシ
ウム、マグネシウム、バリウム、リチウム等が挙げられ
る。
【0016】この脂肪酸金属塩については、金属石鹸と
呼称され、広く工業的に利用されている。そのようなこ
とで、市販され、容易に入手できるものがあり、それに
は、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリ
ン酸コバルト、ラウリン酸亜鉛等があるが、その他の金
属についても脂肪酸を水酸化ナトリウム等で鹸化し、所
望の金属塩を添加して複分解させることにより得ること
ができる。
【0017】無機粉体に対して行う表面処理は、乾式及
び湿式のいずれの方法をとることも可能である。乾式で
の表面処理は、一般的に粉体の表面処理に用いられるヘ
ンシェルミキサー、スピードミキサー、リボンミキサー
等の混合撹拌機を使用することが可能であり、これらの
中で、無機粉体に固体の脂肪酸金属塩を添加、撹拌する
ことで目的を達成できる。撹拌時の温度や時間は特に制
限はなく、使用する脂肪酸金属塩の融点、分解温度等を
考慮して、無機粉体の表面に被覆されるように行えば良
い。また、ローラーミル、竪型ミル等での粉砕時に脂肪
酸金属塩を添加しても同様の表面処理が可能である。こ
れらの乾式処理は簡便であり、経済性に優れるという利
点を有している。
【0018】もう一方の湿式での表面処理は脂肪酸金属
塩が水に難溶であるため、水よりも溶解度が高い有機溶
媒を使用する方が有利である。有機溶媒としては特に制
限はなく各種のものが使用できるが、脂肪酸金属塩に対
して溶解度が高いものとして、ベンゼンやヘキサンを挙
げることができる。これらの有機溶媒に所定量の脂肪酸
金属塩を溶解し、その溶液に無機粉体を混合し撹拌した
後、乾燥して無機粉体表面に被覆(吸着)させれば良
い。
【0019】表面処理における脂肪酸金属塩の被覆量
は、無機粉体の粒径、すなわち比表面積により制限さ
れ、過剰の脂肪酸金属塩で表面被覆しても金属酸化物粒
子が成長してしまい超微細状態であることに伴う特性を
発現させる点で性能が低下する。したがって、焼成後に
おける無機粉体表面に担持されている金属または金属酸
化物は、その粒子径が100nm以下に維持されている
ことが望ましい。そのためには被覆量は、無機粉体に対
し金属量で0.001〜10.0重量部が好ましい。少
なすぎると目的とする特性発現が得られず、多すぎると
金属酸化粒子が大きく成長し、添加量に相応した特性が
得られないことがある。
【0020】このようにして表面処理された無機粉体
は、加熱焼成する。それにより無機粉体表面の脂肪酸金
属塩を金属または金属酸化物に容易に変化させることが
でき、また脂肪酸金属塩を金属または酸化物に変化させ
ることができるような条件下で加熱焼成することが必要
である。この時の雰囲気としては、酸素が含まれている
ことが必要であることはいうまでもない。
【0021】そのための具体的雰囲気としては大気雰囲
気で十分目的を達成できるが、更に酸素が高濃度であれ
ばなお良い。焼成温度は200℃以上が望ましく、20
0℃未満の温度では脂肪酸金属塩を金属または金属酸化
物に変化させることができない。また温度によっては無
機粉体の脱水反応等により結晶構造が変化することがあ
るが、使用する上で支障がなければ考慮する必要はな
く、時に変化させた方が好ましい場合もある。
【0022】本明細書において、無機粉体の表面に担持
される金属成分の状態については、金属または金属酸化
物としているが、得られた金属担持無機粉体の表面を透
過型電子顕微鏡で詳細に観察しても、乾式による表面処
理を行った試料の一部で金属化合物と判断される微細粒
子を見ることができるのみで、湿式による表面処理を行
った場合では粒子として観察できていない。さらに、他
の様々な手法による分析データの解析によっても、担持
された金属の存在状態については、原子に近い状態、分
子レベル、クラスター状、酸化物超微粒子等、1種の決
まった状態とは考えにくく、現状では明確な結論を得る
に至っていないが、いずれにしても超微細状態なもので
あると理解している。
【0023】本発明によれば、比較的機能性に欠ける汎
用無機粉体に金属または金属酸化物を担持することによ
り、無機粉体に高機能性を付与できるばかりでなく、あ
らかじめ無機粉体に金属または金属酸化物を担持するこ
とにより、無機粉体と金属酸化物超微粒子を別々に混合
する場合に比較し、分散が優れることにより機能を無駄
なく発揮させることができる。
【0024】特に、シックハウス症候群の原因とされる
アルデヒド類や、発ガン性が問題となっている塩素系有
機化合物、土壌汚染を引き起こす農薬類などの有害有機
物や、硫黄酸化物、窒素酸化物などの大気汚染物質を分
解する環境触媒、トンネル照明器具、標識などの道路関
連設備や、建築物の内外装材、浴室、トイレなどの住宅
設備などへ防汚効果を付与するための防汚材や防汚塗
料、紫外線遮蔽効果を生かした化粧料、抗菌効果を生か
した樹脂や塗料、あるいはセラミックスの抗菌性フィラ
ー等として有効に活用することが期待でき、産業上の利
用価値が高いという特徴を有している。
【0025】
【実施例】本発明について、実施例、比較例及び参考例
をあげて更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例
によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲
の記載によって特定されるものであることはいうまでも
ないことである。なお、特にことわりのない限り、以下
で示す平均粒径はレーザー回折・散乱法である日機装製
マイクロトラック粒度分析計による50重量%通過平均
粒径であり、比表面積についてはブレーン値は島津式空
気透過法比表面積測定装置、BET値は日機装製ベータ
ソーブ自動表面積計により測定した値である。
【0026】[実施例1]平均粒径が1.1μm(ブレー
ン値、30,000cm2/g)の重質炭酸カルシウム
粉(石灰石を微粉砕した炭酸カルシウム)3.0kgを
容量20リットルのヘンシェルミキサーに投入・撹拌
し、撹拌熱により100℃になったところでステアリン
酸亜鉛(アデカ・ファインケミカル(株)製、ZNS−
F)30gを添加し、そのまま20分間撹拌を継続した
後、ミキサーより排出した。この処理粉をアルミナ製の
皿に厚さ1cmに広げてマッフル炉に入れ400℃で4
0分間焼成し、亜鉛担持重質炭酸カルシウムを得た。
【0027】[実施例2]ステアリン酸亜鉛の添加量を9
0gとした以外は、実施例1と同様の操作で亜鉛担持重
質炭酸カルシウムを得た。
【0028】[実施例3]ステアリン酸亜鉛の添加量を3
00gとした以外は、実施例1と同様の操作で亜鉛担持
重質炭酸カルシウムを得た。
【0029】[実施例4]電顕法による平均長径が400
μm、平均短径が18μm(BET値、0.6m2
g)の珪灰石粉3.0kgを容量20リットルのヘンシ
ェルミキサーに投入・撹拌し、撹拌熱により85℃にな
ったところでラウリン酸亜鉛(日本油脂(株)製、ジン
クラウレートG)70gを添加しそのまま20分間撹拌
を継続した後、ミキサーより排出した。この処理粉をア
ルミナ製の皿に厚さ1cmに広げてマッフル炉に入れ4
00℃で40分間焼成し、亜鉛担持珪灰石を得た。
【0030】[実施例5]ラウリン酸亜鉛の添加量を23
0gとした以外は、実施例4と同様の操作で、亜鉛担持
珪灰石を得た。
【0031】[実施例6]平均粒径が1.1μm(ブレー
ン値、30,000cm2/g)の重質炭酸カルシウム
3.0kgを容量20リットルのヘンシェルミキサーに
投入・撹拌し、撹拌熱により100℃になったところで
ステアリン酸アルミニウム(日本油脂(株)製、アルミ
ニウムステアレート#900)300gを添加しそのま
ま20分間撹拌を継続した後、ミキサーより排出した。
この処理粉をアルミナ製の皿に厚さ1cmに広げてマッ
フル炉に入れ400℃で40分間焼成し、アルミニウム
担持重質炭酸カルシウムを得た。
【0032】[実施例7]平均粒径が2.0μm(BET
比表面積17m2/g)のタルク3.0kgを容量20
リットルのヘンシェルミキサーに投入・撹拌し、撹拌熱
により65℃になったところでステアリン酸亜鉛90g
を添加しそのまま20分間撹拌を継続した後、ミキサー
より排出した。この処理粉をアルミナ製の皿に厚さ1c
mに広げてマッフル炉に入れ400℃で40分間焼成
し、亜鉛担持タルクを得た。
【0033】[実施例8]容量1000mlの三角フラス
コにベンゼンを1000ml入れ、さらにステアリン酸
亜鉛を0.015g加えて溶解させてステアリン酸亜鉛
のベンゼン溶液を作製した。この中に透過型電子顕微鏡
による粒径が0.04〜0.12μmのコロイド状炭酸
カルシウム2.0gを加え、室温にて一定時間撹拌して
炭酸カルシウム表面にステアリン酸亜鉛を付着させた。
【0034】この懸濁液をメンブレンフィルターを用い
て濾過し、ベンゼン溶液を除去した。得られた炭酸カル
シウムは窒素ガス流通下で15分間乾燥させた後、さら
に真空デシケータ中で真空乾燥し完全に溶媒を取り除い
た。得られた乾燥処理粉を赤外線加熱炉を用いて酸素を
50ml/minの流速で流しながら、石英ボート上で
350℃を2時間保持して燃焼させ、亜鉛担持炭酸カル
シウムを得た。
【0035】[実施例9]実施例8で得た亜鉛担持炭酸カ
ルシウムを、実施例8のコロイド状炭酸カルシウムの代
わりに使用し、それ以外は実施例8と同様の操作を再度
行い、コロイド状炭酸カルシウムに対し2度の亜鉛担持
処理を実施した。すなわち、2度亜鉛担持処理を実施し
た亜鉛担持炭酸カルシウムを得た。
【0036】[実施例10]実施例9で得た亜鉛担持炭酸
カルシウムを、実施例8のコロイド状炭酸カルシウムの
代わりに使用し、それ以外は実施例8と同様の操作を更
に行い、コロイド状炭酸カルシウムに対し3度の亜鉛担
持処理を実施した。すなわち、3度亜鉛担持処理を実施
した亜鉛担持炭酸カルシウムを得た。
【0037】[実施例11]実施例10で得た亜鉛担持炭
酸カルシウムを、実施例8のコロイド状炭酸カルシウム
の代わりに使用し、それ以外は実施例8と同様の操作を
更に行い、コロイド状炭酸カルシウムに対し4度の亜鉛
担持処理を実施した。すなわち、4度亜鉛担持処理を実
施した亜鉛担持炭酸カルシウムを得た。
【0038】[実施例12]実施例11で得た亜鉛担持炭
酸カルシウムを、実施例8のコロイド状炭酸カルシウム
の代わりに使用し、それ以外は実施例8と同様の操作を
更に行い、コロイド状炭酸カルシウムに対し5度の亜鉛
担持処理を実施した。すなわち、5度亜鉛担持処理を実
施した亜鉛担持炭酸カルシウムを得た。
【0039】[実施例13]実施例12で得た亜鉛担持炭
酸カルシウムを、実施例8のコロイド状炭酸カルシウム
の代わりに使用し、それ以外は実施例8と同様の操作を
更に行い、コロイド状炭酸カルシウムに対し6度の亜鉛
担持処理を実施した。すなわち、6度亜鉛担持処理を実
施した亜鉛担持炭酸カルシウムを得た。得られた6度亜
鉛担持処理した亜鉛担持炭酸カルシウムを透過型電子顕
微鏡で観察したが、コロイド状炭酸カルシウムの表面に
は亜鉛や酸化亜鉛と思われる粒子は観察できなかった。
【0040】[比較例1]平均粒径が1.1μm(ブレー
ン値、30,000cm2/g)の重質炭酸カルシウム
粉3.0kgとステアリン酸亜鉛300gとを、容量5
LのV型ブレンダーに投入し5分間混合して、重質炭酸
カルシウムとステアリン酸亜鉛との単純混合粉を得た。
この混合粉をアルミナ製の皿に厚さ1cmに広げてマッ
フル炉に入れ、400℃で40分間焼成した。
【0041】[比較例2]マッフル炉での焼成処理を行わ
ない以外は、実施例1と同様の操作でステアリン酸亜鉛
処理炭酸カルシウムを作製した。
【0042】[光触媒能の評価方法]実施例で得られた金
属成分担持無機粉体の性能(特に超微細な状態の金属成
分を担持したことによる性能)を確認すべく、光触媒能
による評価を実施した。また、実施例の金属成分担持無
機粉体の他に、比較のために比較例で得た処理物につい
ても実施した。光触媒能の評価方法は以下のとおりであ
る。
【0043】50mLの共栓付き三角フラスコに、実施
例で得られた金属成分担持無機粉体、比較例1および2
で得られた処理物について、それぞれ所定量(採取試料
の総表面積が約1.5m2となるような量)を秤採り、
20.0μmol/Lの濃度に調製したメチレンブルー
水溶液25.0mlを加えた。この中にスターラーチッ
プを入れ、三角フラスコの栓を閉じた後に、密閉容器内
で、撹拌しながら波長350nmの紫外光を一定時間照
射した。次に、紫外線照射後の溶液5.0mLをシリン
ジにて採取し、メンブレンフィルターで濾過して固形分
を除去した後、紫外・可視分光光度計(日立製作所製
U−3210)にて溶液の吸光度を測定し、評価試験後
のメチレンブルー濃度を算出した。
【0044】各試料の光触媒能については、試験後のメ
チレンブルー濃度の減少量および、濃度減少量から算出
されるメチレンブルー分解量をもって評価した。光触媒
能を有する試料の場合、メチレンブルーは先ず粉体表面
に吸着し、その後分解されると考えられることから、未
分解で吸着状態のままのメチレンブルー量は少ないと推
察している。ただし、粉体表面へのメチレンブルーの吸
着によるメチレンブルー濃度の低下が認められており、
吸着の影響を考慮する必要があると判断した。
【0045】そこで、紫外線を照射せず、吸着のみが起
こる条件下でのメチレンブルー溶液の吸光度から、メチ
レンブルーの最大吸着量を算出し、その分を差し引いた
かたちで、光触媒能によるメチレンブルー分解量を計算
した。したがって、以下でいうメチレンブルー分解量と
は、試料の光触媒能によって分解されたメチレンブルー
量の最小値を表すものである。試験結果は表1および2
に示す通りであった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表1からわかるように、本発明の金属成分
担持無機粉体の評価では、時間の経過とともにメチレン
ブルー濃度が低下しており、光触媒能によってメチレン
ブルーが分解されている。また、実施例1〜3および8
〜13の評価結果から明らかなように、担持させる金属
量を変化させることによって光触媒能の強弱をコントロ
ールできる。なお、比較例の試料や、紫外線を照射しな
い試料についてもメチレンブルー濃度の低下が認められ
ているが、これは粉体表面へのメチレンブルーの吸着に
起因するものであることが確認されている。
【0049】すなわち、表2には、紫外線を照射した場
合と、照射しない場合のメチレンブルーの濃度が対比し
て記載してあり、照射しない場合は吸着によるメチレン
ブルーの濃度低下分を示すものである。この表2の結果
によれば、その濃度低下分を差し引いたとしても、本発
明の金属成分担持無機粉体の場合、メチレンブルー濃度
が確実に低下しており、金属成分を超微細状態で担持さ
せることによって、光触媒能を発現していることが理解
できる。
【0050】
【発明の効果】本発明の金属担持無機粉体の製造方法
は、脂肪酸金属塩で被覆後焼成することで超微細な状態
の金属又は金属酸化物を担持した無機粉体が製造できる
ので、製造工程が単純で、かつ原料となる無機粉体も安
価な汎用品が利用できるから、経済性にも優れ実用性が
極めて高い。
【0051】また、この方法で得られた金属担持無機粉
体は、シックハウス症候群の原因とされるアルデヒド類
や、発ガン性が問題となっている塩素系有機化合物、土
壌汚染を引き起こす農薬類などの有害有機物や、硫黄酸
化物、窒素酸化物などの大気汚染物質を分解する環境触
媒、トンネル照明器具、標識などの道路関連設備や、建
築物の内外装材、浴室、トイレなどの住宅設備などへ防
汚効果を付与するための防汚材や防汚塗料、紫外線遮蔽
効果を生かした化粧料、抗菌効果を生かした樹脂や塗
料、あるいはセラミックスの抗菌性フィラー等として有
効に活用することが期待でき、産業上は勿論地球環境や
住環境の保護においても、その意義は大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 1/02 C09C 1/02 1/30 1/30 3/06 3/06 3/08 3/08 (72)発明者 武井 孝 神奈川県相模原市上溝1517−2 (72)発明者 志村 直明 東京都八王子市下柚木2−11−17−101 (72)発明者 杉山 佳央 東京都調布市若葉町2−20−30−406 (72)発明者 丸塚 奈々美 東京都調布市西つつじヶ丘4−24−7− 201 (72)発明者 田辺 克幸 東京都西多摩郡日の出町平井8−1 日鉄 鉱業株式会社内 (72)発明者 三觜 幸平 東京都西多摩郡日の出町平井8−1 日鉄 鉱業株式会社内 Fターム(参考) 4G004 BA00 4G069 AA03 AA08 BA15B BA16B BA48A BB16A BB16B BC09A BC09B BC35A BC35B BD05A BD05B CA11 DA05 EA01Y FB06 FB07 FB23 4G073 BA11 BA52 BB65 BD15 BD21 CC10 FE04 FF06 UA02 UA08 UB25 UB31 UB33 4G076 AA16 BF06 CA02 DA01 DA02 DA16 DA29 DA30 4J037 AA04 AA05 AA08 AA09 AA10 AA15 AA17 AA18 AA25 AA29 CB01 CB09 EE02 EE26 EE43 EE44 FF21 FF26 FF28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粉体表面を脂肪酸金属塩で表面処理
    後、加熱焼成により無機粉体の表面を被覆している脂肪
    酸金属塩に含まれる金属を、金属または金属酸化物とし
    て無機粉体表面に担持させることを特徴とする金属担持
    無機粉体の製造方法。
  2. 【請求項2】 表面処理が乾式で行われることを特徴と
    する請求項1に記載の金属担持無機粉体の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面処理が湿式で行われることを特徴と
    する請求項1に記載の金属担持無機粉体の製造方法。
  4. 【請求項4】 表面処理がベンゼンまたはヘキサンを溶
    媒として行われることを特徴とする請求項3に記載の金
    属担持無機粉体の製造方法。
  5. 【請求項5】 脂肪酸金属塩が、脂肪酸亜鉛であること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    金属担持無機粉体の製造方法。
  6. 【請求項6】 無機粉体が、珪酸カルシウム又は炭酸カ
    ルシウムであることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれか1項に記載の金属担持無機粉体の製造方法。
  7. 【請求項7】 加熱焼成が大気中又は酸素雰囲気中でな
    されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1
    項に記載の金属担持無機粉体の製造方法。
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