JP4246933B2 - 光触媒粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化チタン、酸化亜鉛等の光触媒能を有する無機微粒子が、合成炭酸カルシウム表面に直接、担持固定されていることを特徴とする光触媒粒子、及びその製造方法に関する。より詳しくは、無機微粒子のもつ光触媒能が効果的に付与され、抗菌性フィラー、有害物質の分解能や消臭能をもつ特殊フィラー、光分解性プラスチック用フィラーなどとしての有効性を示す光触媒粒子、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業用無機粉体として用いられている物質には、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン等がある。
このうちの炭酸カルシウムには、天然に産出する結晶質石灰石を粉砕することによって得られる重質炭酸カルシウムと、化学的沈殿反応によって得られる軽質炭酸カルシウム、すなわち合成炭酸カルシウムとがある。
【0003】
前者の重質炭酸カルシウムは、破砕、粉砕、分級という比較的簡易な操作で製造できる長所を有する一方、物理的粉砕特有の不規則不定形の粒子となるほか、粒度分布も広く、特定粒子形状、粒子径によってもたらされる特性は弱くなる。これに対して、後者の合成炭酸カルシウムは、化学的沈殿反応によって製造され、その製造条件を調節することによって、粒子の形状や粒子径をコントロールすることが可能である。
【0004】
合成炭酸カルシウムの製造方法には、生石灰の消化によって得られる消石灰スラリーに炭酸ガスを吹き込むことによって炭酸カルシウムを沈殿させる炭酸ガス化合法、塩化カルシウム等の可溶性カルシウム塩の水溶液に炭酸ナトリウム等の可溶性炭酸塩を導入することによって炭酸カルシウムを沈殿させる溶液法、重炭酸カルシウム水溶液に消石灰を添加することによって炭酸カルシウムを沈殿させる水処理法などが知られている。
【0005】
これらの合成炭酸カルシウムの製造方法においては、消石灰スラリーあるいは塩化カルシウム水溶液などの濃度や温度、炭酸ガスあるいは炭酸塩などを導入する速度(炭酸化反応速度)、撹拌条件あるいは添加剤の使用などの製造条件を調節することによって、様々な粒子形状、粒子径をもった炭酸カルシウムを製造することが可能である。
【0006】
その合成炭酸カルシウムの粒子形状としては、粒子径0.02〜0.1μmのコロイド状、粒子径0.1〜0.5μmの立方体状、長径1〜3μm、短径0.2〜1μmの紡錘状、長径1〜3μm、短径0.1〜0.5μmの柱状などが知られている。これらの合成炭酸カルシウムは、その独特の粒子形状や粒子径によってもたらされる優れた特性を活かし、樹脂、ゴム、プラスチック等の高分子材料のフィラー、製紙における填料や顔料、塗料のフィラーなどとして、広く用いられているものである。
【0007】
また、酸化チタンについては、硫酸法や塩素法によって得られる粒子径0.1〜0.5μmのアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンが、塗料や繊維、製紙の分野で填料、顔料として用いられている。酸化チタンは、白色無機顔料のなかでも屈折率が高く、配合される製品の不透明性、隠蔽性、着色性などを向上させるには最も効果があるとされている。
【0008】
その酸化チタンは、前記した性質に加えて光触媒能を有することも知られており、近年においてはその光触媒能を利用するための検討が多くなされている。この光触媒能とは、物質に光を照射することによって、その物質の価電子帯の電子が励起され、正孔と電子が生じることによって発現される機能であり、特に正孔と水との反応によって生成するヒドロキシラジカルなどの活性酸素種のもつ強い酸化力を利用して、防汚、抗菌、防カビ、脱臭、空気清浄など様々な分野で検討がなされてきている。
【0009】
このような光触媒能を有する無機微粒子としては、酸化チタンのほかに、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化カドミウム等の金属酸化物、チタン酸ストロンチウム、タンタル酸カリウム等の複酸化物や、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化鉛、硫化銅、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化アンチモン、硫化ビスマス等の金属硫化物などが挙げられる。
【0010】
これら光触媒能を有する無機微粒子は、粒子径を小さくして比表面積を増大させることによって光触媒活性を高めることができる。この点に関し先の酸化チタンについてみると、光触媒用には一次粒子径が数〜数10nmといった微粒子が用いられている。このように微粒子化することによって活性を高めることができるが、その反面ハンドリングや製品への配合において問題点も生じている。一般に、無機微粒子はその粒子径が小さいほど凝集しやすい性質をもつ。
【0011】
したがって、酸化チタンなどの光触媒能を有する無機微粒子に関しても、配合される製品によっては、その組成物中で容易に凝集し、その結果光触媒能が低くなることもある。さらに、微粒子状態であることによって、回収が困難であること、配合される組成物の粘度を上昇させる弊害も有る。また、紙製の光触媒フィルターなどを製造するために、紙中に光触媒能を有する無機微粒子を内填させようとした場合、その微細性が原因となリ抄紙工程での歩留まりが低くなることなども問題点といえる。
【0012】
そこで、酸化チタンなどの光触媒活性を有する無機微粒子を、鉱物などの担持体に担持させる複合化についての検討がなされてきている。その複合化の手法としては、バインダーを用いて担持体にコートする方法、スラリー化あるいはゾル化した無機微粒子を用いて担持体表面に担持させる方法、無機微粒子の前駆体として金属アルコキシドなどの有機金属化合物を用いその分解などによって担持体表面に析出させる方法などが知られている。
【0013】
例えば、特開11−49588号公報では、酸化チタンや酸化亜鉛などの光触媒が、セメントや水ガラスといった無機物質あるいは有機シリコンなどをバインダーとして、天然石表面に担持された光触媒付き天然石が、また特開平10−5537号公報では、金属アルコキシドや金属カップリング剤といった有機金属化合物の溶液に、水酸化カルシウムなどの粉体を添加、混合し、その後乾燥、焼成することによって得られる酸化チタン、酸化マンガンなどを被覆したカルシウム質脱硫剤が提案されている。
【0014】
さらに、特開2000−325785公報では、光触媒作用を有する無機微粒子と無機物質からなる担持体との混合系において、両者の表面電位が逆となるようなpHに調節して両者を付着させ、その後乾燥、焼成することによって得られる光触媒物質が付着された担持体が、特開平10−130619号公報では、酸化亜鉛微粒子懸濁液から繊維や紙などの基体表面に、酸化亜鉛微粒子を付着させた酸化亜鉛微粒子付着複合体が、また特開2001−46883公報では、シリカゲルをチタン含有溶液に含浸させた後、加熱焼成することによって得られる光触媒能を有するシリカゲル成形体などが提案されている。
【0015】
しかしながら、上記した技術についても幾つかの問題点を抱えているのが現状である。バインダーを用いる方法については、有機系のバインダーを使用した場合、無機微粒子のもつ光触媒能によってバインダーが分解され、剥がれ落ちてしまうため長期使用に耐えられないという問題点がある。無機系のバインダーの場合は、光触媒能によるバインダーの分解は抑制されるものの、無機微粒子表面をバインダーが覆うかたちとなるため光触媒活性が低下してしまう。
【0016】
また、光触媒活性を有する無機微粒子のスラリーあるいはゾルを用いる方法においては、上記したバインダーによる問題点はないが、無機微粒子の担持力が弱いという短所を有している。それを回避するために焼成処理を行なうことによって担持力を向上させることも可能ではあるが、熱処理を行うことによって当然製造コストが高くなるほか、ある程度の耐熱性を有する担持体のみに限定される。
【0017】
さらに、光触媒活性を有する無機微粒子をスラリー化あるいはゾル化させるためには、特定のpH条件下に調節する必要があり、そのpH条件下で安定な担持体のみに適用が限られてしまう。例えば、酸化チタンゾルはpH2以下の酸性領域で安定であるため、炭酸カルシウムなどの耐酸性の低い物質に利用することはできない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記した通り、酸化チタンなどの光触媒能を有する無機微粒子の担持に関しては多くの検討がなされてきているが、本発明者らは、担持体として炭酸カルシウムに着目し、光触媒能を有する無機微粒子と炭酸カルシウムとが複合化された新規素材について鋭意検討を重ねた結果、開発に成功したのが本発明である。
すなわち、本発明の解決課題は、炭酸カルシウムに無機微粒子のもつ光触媒能が効果的に付与された光触媒粒子、及びその製造方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決する光触媒粒子及びその製造方法を提供するものであり、光触媒粒子は光触媒能を有する無機微粒子が合成炭酸カルシウム表面に直接、担持固定されていることを特徴とする。また、その製造方法は合成炭酸カルシウムの生成工程の炭酸化反応過程において、光触媒能を有する無機微粒子を共存させ、該無機微粒子を合成炭酸カルシウム表面に直接、担持固定させることを特徴とする。
【0020】
そして、本発明の光触媒粒子は、光触媒と、他の特性を持つ粒子とを複合化する際の課題であったバインダーに起因する問題、凝集といった無機微粒子の微細性によって引き起こされる問題などを解決できるものであり、かつ比較的簡易な装置、操作によって製造できるという利点も有する。また、本発明の光触媒粒子は、その光触媒能を活用して、抗菌性フィラー、有害物質の分解能や脱臭能をもつ特殊フィラー、光分解性プラスチック用フィラーなどとしての応用が期待できるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、それらによって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
本発明の光触媒粒子は、光触媒能を有する無機微粒子が合成炭酸カルシウム表面に直接、担持固定されていることを特徴とするものである。
【0022】
本発明の光触媒粒子を構成する第1の成分である炭酸カルシウムに関しては、何らかの化学的反応によって製造される合成炭酸カルシウムであれば良く、その形態としては、例えば、粒子径0.02〜0.1μmのコロイド状炭酸カルシウム、粒子径0.1〜0.5μmの立方体状炭酸カルシウム、長径1〜3μm、短径0.1〜0.5μmの柱状炭酸カルシウム、長径1〜3μm、短径0.2〜1μmの紡錘状炭酸カルシウムなどの各種のものがある。なお、本明細書でいう粒子径とは、特に断りのない限り、電子顕微鏡法による粒子径のことを指す。
【0023】
第2の構成成分である光触媒能を有する無機微粒子については、光触媒能を有する無機物質であれば特に制限されることなく利用可能であり、それについて具体的に例示すると次ぎのとおりのものがある。すなわち、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化カドミウム等の金属酸化物が利用できる。
【0024】
また、チタン酸ストロンチウム、タンタル酸カリウム等の複酸化物や硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化鉛、硫化銅、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化アンチモン、硫化ビスマス等の金属硫化物も利用できる。利用するに当たっては、単独使用のみではなく、前記例示した中から2種以上を組み合わせて使用することもできる。中でも、光触媒能が強く、現在でも単独で利用されている酸化チタンや、酸化亜鉛を使用することがより望ましい。
【0025】
これらの光触媒能を有する無機微粒子の粒子径については、該無機微粒子を担持固定させる炭酸カルシウムの粒子径よりも小さければ特段の制約はないが、その光触媒能は、粒子径が小さいほど効果的に発揮されることから、無機微粒子の種類によって差異はあるが、一般的には一次粒子の平均径は1〜1000nmがよく、好ましくは1〜500nmがよく、より望ましくは1〜50nmがよい。
【0026】
本発明の光触媒粒子は、上述した炭酸カルシウムと光触媒能を有する無機微粒子とから構成されるものであり、該無機微粒子が合成炭酸カルシウム表面に直接、すなわちバインダーを介在させない状態で担持固定されていることを特徴とする。
また、本発明の光触媒粒子の製造方法は、合成炭酸カルシウムを生成する炭酸化反応過程において、光触媒能を有する無機微粒子を共存させ、該無機微粒子を炭酸カルシウム表面に直接、担持固定させることを特徴とするものである。
【0027】
その合成炭酸カルシウムを生成させる方法としては、各種の常法が採用可能である。それには、生石灰の消化によって得られる消石灰スラリーに炭酸ガスを吹き込むことによって炭酸カルシウムを沈殿させる炭酸ガス化合法、塩化カルシウム等の可溶性カルシウム塩水溶液に炭酸ナトリウムなどの可溶性炭酸塩を添加し炭酸カルシウムを沈殿させる溶液法、重炭酸カルシウム水溶液に消石灰を添加し炭酸カルシウムを沈殿させる水処理法などがあるが、何れも本発明における合成炭酸カルシウムの生成工程に利用可能である。
【0028】
合成炭酸カルシウムの製造においては、消石灰スラリーや塩化カルシウム等の可溶性カルシウム塩水溶液の濃度や温度、炭酸ガスや可溶性炭酸塩の導入速度(炭酸化速度)、さらには撹拌条件や添加剤使用などといった合成条件によって、生成する合成炭酸カルシウムの粒子形状や粒子径をコントロールできることが知られている。
【0029】
例えば、炭酸ガス化合法における消石灰スラリーの温度について述べると、低温域ではコロイド状炭酸カルシウムが、高温域では柱状炭酸カルシウムが、両者の中間では紡錘状炭酸カルシウムが生成しやすい傾向にある。本発明においては、合成炭酸カルシウムの生成条件についても特段の制約はなく、光触媒粒子に求められる形状に合わせて、適宜調節することができる。
【0030】
炭酸化反応時に共存させる光触媒能を有する無機微粒子に関しても、特段の制約はなく、上述したような金属酸化物、複酸化物あるいは金属硫化物などが好適に使用できる。中でも、光触媒能が強く、現在でも単独で利用されている酸化チタンや、酸化亜鉛を使用することがより望ましい。その粒子径についても既に述べたように該無機微粒子を担持固定させる炭酸カルシウムの粒子径よりも小さければ特段の制約はないが、これらの光触媒能は、その粒子径が小さいほど効果的に発揮されることから、前述したとおり一次粒子の平均径は1〜1000nmがよく、好ましくは1〜500nmがよく、より望ましくは1〜50nmがよい。
【0031】
光触媒能を有する無機微粒子を共存させる量としては、光触媒粒子に求められる光触媒能の強さや炭酸カルシウムの比表面積などを考慮して、適宜調節することが可能であるが、炭酸カルシウム100重量部に対して、0.01〜50重量部とするこがよく、好ましくは0.1〜25重量部がよく、より望ましくは0.5〜10重量部がよい。
【0032】
前述の範囲がよいのは、0.01重量部未満であると、光触媒能を有する無機微粒子のもつ光触媒能がほとんど発揮されないことが多いためである。逆に50重量部を超える場合には、炭酸カルシウム表面に担持固定されないままの無機微粒子が製造された光触媒粒子中に残存することになり、その結果未担持の無機微粒子の存在が、製造された光触媒粒子の性状に悪影響を及ぼすことがあるためである。
【0033】
光触媒能を有する無機微粒子を炭酸化反応過程に共存させることは、前述した該無機微粒子を添加することによって達成できるほか、予め、原料中に該無機微粒子が含有されたものを用いることなどによっても可能である。光触媒能を有する無機微粒子を添加する場合において、該無機微粒子の添加時の形態は、粉体のままであっても、水等に分散させたスラリーあるいはゾルの状態であっても良く、水に分散させた状態で添加する際には、必要に応じて、分散剤やpH調整のための酸性またはアルカリ性物質を含有する状態であっても良い。
【0034】
特に、光触媒能を有する無機微粒子をより分散させた状態で炭酸カルシウム表面に担持固定させたい場合には、スラリーあるいはゾルの状態で添加することが望ましく、さらには分散剤の使用やpH調整、機械的分散処理によって、無機微粒子の分散度を向上させたものを用いるのがより好適である。
【0035】
また、光触媒能を有する無機微粒子を共存させる炭酸化反応過程とは、カルシウムイオンあるいはカルシウム化合物などのカルシウム源と、炭酸ガス、炭酸イオンあるいは炭酸化合物などの炭酸源とが反応し、炭酸カルシウムが生成する過程を指す。光触媒能を有する無機微粒子を添加する場合、その添加時期は、炭酸化反応過程の途中は勿論のこと、炭酸化反応を開始する以前であっても良く、炭酸化反応によって炭酸カルシウムが生成する過程において、該無機微粒子を共存させることによって、本発明の光触媒粒子は製造される。
【0036】
光触媒能を有する無機微粒子を添加した後は、引き続き炭酸ガス等の炭酸源を導入して、反応を継続させる。なお、炭酸化反応の完了については、スラリーのpHを計測することによって判断することができる。例えば、炭酸ガス化合法の場合、炭酸化の完了前は未反応の消石灰が残留しており、そのためスラリーのpHは10〜13とアルカリ性を示す。それに対して、炭酸化反応が完了するとスラリーpHは中性付近にまで低下する。
【0037】
以上の方法によって得られる光触媒粒子は、用途に応じて、スラリー状態のまま、又はスラリーを脱水、乾燥することによって乾燥粉の状態として使用することができる。また、必要に応じて、有機あるいは無機系の表面処理剤にて処理を行っても良い。
【0038】
本発明の光触媒粒子は、合成炭酸カルシウム表面に、光触媒能を有する無機微粒子が直接、担持固定されているものであり、従来より炭酸カルシウムを使用している分野においてはそのまま利用でき、更には光触媒能を有する無機微粒子と他粒子との複合化における課題であったバインダーに起因する問題をはじめ、作業性や凝集といった無機微粒子の微細性によって引き起こされる問題などを解決でき、かつ比較的簡易な装置、操作によって製造できるという利点も有する。
【0039】
そして、本発明の光触媒粒子は、その光触媒能を活用して、様々な分野での応用が考えられる。例えば、シックハウス症候群の原因とされるアルデヒド類、発ガン性が問題となっている塩素系有機化合物、土壌汚染の原因となる農薬類などの有害有機物や、硫黄酸化物、窒素酸化物などの大気汚染物質を分解する環境触媒がその一例である。
【0040】
また、セルフクリーニング機能をもつトンネル照明器具、標識などの道路関連資材への応用や、建築物の内外装材、浴室、トイレなどの住宅設備などへ防汚効果を付与するための防汚材や防汚塗料のフィラーとしての利用、さらには抗菌効果を活かした樹脂やセラミックス、光分解性をもつプラスチックや紙のフィラーなどの分野で利用することが考えられる。
【0041】
【実施例】
本発明について、実施例及び比較例を挙げて、さらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0042】
[実施例1]
工業用生石灰120gを、70℃に加温した水道水1.0L中に投入し、30分間撹拌して、生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を取り除いてから、適量の水道水を加え、固形分濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この消石灰スラリーの温度を30℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し、炭酸化反応を開始した。
【0043】
炭酸化反応を開始してから60分が経過した時点で、X線回折法により測定された粒子径(以下、X線粒子径とい記す)が7nmの酸化チタンの水分散体(石原産業製STS−02)33g(酸化チタンとして10g)を添加した後、引き続いて炭酸ガスを導入して炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7に達した時点で炭酸ガスの導入を終了させた。
得られた生成物を、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、長径1.5〜2μmの紡錘状炭酸カルシウム粒子表面に、酸化チタン粒子が担持されていることが確認された。
【0044】
[実施例2]
工業用生石灰120gを、70℃に加温した水道水1.0L中に投入し、120分間撹拌して、生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を取り除いてから、適量の水道水を加え、固形分濃度76g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この消石灰スラリーの温度を40℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.20L/分の速度で導入し、炭酸化反応を開始した。
【0045】
炭酸化反応を開始してから90分が経過した時点で、X線粒子径が20nmの酸化チタンの水分散体(石原産業製STS−21)50g(酸化チタンとして10g)を添加した後、引き続いて炭酸ガスを導入して炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7に達した時点で炭酸ガスの導入を終了させた。
得られた生成物を、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、長径1.5〜2μmの柱状炭酸カルシウム粒子表面に、酸化チタン粒子が担持されていることが確認された。
【0046】
[実施例3]
工業用生石灰90gを、70℃に加温した水道水1.0L中に投入し、30分間撹拌して、生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を取り除いてから、適量の水道水を加え、固形分濃度55g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この消石灰スラリーの温度を20℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを1.0L/分の速度で導入し、炭酸化反応を開始した。
【0047】
炭酸化反応を開始してから5分が経過した時点で、X線粒子径が7nmの酸化チタンの水分散体(石原産業製STS−02)33g(酸化チタンとして10g)を添加した後、引き続いて炭酸ガスを導入して炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7に達した時点で炭酸ガスの導入を終了させた。
得られた生成物を、透過型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径0.08μmのコロイド状炭酸カルシウム粒子表面に、酸化チタン粒子が担持されていることが確認された。
【0048】
[実施例4]
工業用生石灰120gを、70℃に加温した水道水1.0L中に投入し、30分間撹拌して、生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を取り除いてから、適量の水道水を加え、固形分濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この消石灰スラリーの温度を28℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し、炭酸化反応を開始した。
【0049】
炭酸化反応を開始してから5分が経過した時点で、一次粒子の平均径が500nmの酸化亜鉛(関東化学製試薬特級)50gを200mLの水道水に分散させたスラリーを添加した後、引き続いて炭酸ガスを導入して炭酸化反応を継続させた。スラリーのpHが7に達した時点で炭酸ガスの導入を終了させた。
得られた生成物を、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、長径1.5〜2μmの紡錘状炭酸カルシウム粒子表面に、酸化亜鉛粒子が担持されていることが確認された。
【0050】
[実施例5]
濃度10.0g/Lの硝酸亜鉛水溶液500mLに、硝酸を適量加えてpHを1.3に調節し、恒温水槽内で70℃に保持しながら30分間撹拌を続けた。その後チオアセトアミド17.0gを加え、5分間撹拌してから、恒温水槽内で70℃に保持した状態で30分間静置し、硫化亜鉛を沈殿させた。
沈殿物は、遠心分離し、その後洗浄して未反応物を除去した。洗浄後の沈殿物を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、粒子径80〜100nmの球状の硫化亜鉛微粒子が確認された。
【0051】
次に、工業用生石灰12.0gを、70℃に加温した水道水100mL中に投入し、30分間撹拌して、生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を取り除いてから、適量の水道水を加え、固形分濃度74g/Lの消石灰スラリー200mLを調製した。この消石灰スラリーに前記方法で得られた粒子径80〜100nmの硫化亜鉛1.0gを添加し、スラリーの温度を35℃に調節した。
【0052】
その後撹拌しながら炭酸ガスを0.04L/分の速度で導入し、炭酸化反応を開始した。スラリーのpHが7に達した時点で炭酸ガスの導入を終了させた。
得られた生成物を、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、長径1.5〜2μmの紡錘状炭酸カルシウム粒子表面に、硫化亜鉛粒子が担持されていることが確認された。
【0053】
[比較例1]
工業用生石灰120gを、70℃に加温した水道水1.0L中に投入し、30分間撹拌して、生石灰を消化させた後、100メッシュフルイにて消化残渣を取り除き、その後適量の水道水を加え、固形分濃度74g/Lの消石灰スラリー2.0Lを調製した。この消石灰スラリーの温度を30℃に調節してから、撹拌しながら炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入し、炭酸化反応を開始した。
【0054】
スラリーのpHが7に達した後、X線粒子径が7nmの酸化チタン(石原産業製ST−01)15gを添加し、炭酸ガスを0.35L/分の速度で導入しながら30分間撹拌を続けた。
得られた生成物を、走査型電子顕微鏡にて観察したところ、長径1.5〜2μmの紡錘状炭酸カルシウムと、数μmの酸化チタンの凝集粒子とが、各々独立した状態で確認された。
【0055】
[光触媒能の評価]
実施例で得られた光触媒粒子の光触媒能評価試験を行った。その試験の方法は以下の通りである。
100mLの共栓付き三角フラスコに、各試料1.0gを秤採り、20.0μmol/Lの濃度に調製したメチレンブルー水溶液50.0mLを加えた。この三角フラスコを、内面にアルミ製シートを貼付したクリーンベンチ内で、振とうしながら、波長350nmの紫外光を2時間照射した。
【0056】
次に、紫外線照射後の溶液を遠心分離機により固形分を取り除いた後、紫外・可視分光光度計(日立製作所製 U−3210)にて溶液の吸光度を測定し、試験後のメチレンブルー濃度を算出した。また、比較のために紫外線を照射しない場合についても同様の試験を行ったほか、酸化チタンおよび酸化亜鉛そのものについても光触媒能評価を行った。それらの評価結果は表1に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0004246933
【0058】
表1から明らかなように、本発明の光触媒粒子は、紫外線を照射することによって光触媒能を発現し、メチレンブルーを分解するため、試験後のメチレンブルー濃度が低下していることがわかる。すなわち、紫外線照射を行った場合と、行わなかった場合とを比較してみると、紫外線照射を行った場合の方が、メチレンブルー濃度が低くなっており、本発明の光触媒粒子が光触媒能を有することが確認できる。なお、紫外線を照射しない場合についてもメチレンブルー濃度の低下が認められるが、これは粒子表面へのメチレンブルーの吸着によるものと考えられる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の光触媒粒子は、光触媒能を有する無機微粒子が合成炭酸カルシウム表面に直接、担持固定されており、炭酸カルシウムに無機微粒子のもつ光触媒能が効果的に付与されていることから、その光触媒能を活用して、抗菌性フィラー、有害物質の分解能や脱臭能をもつ特殊フィラー、光分解性組成物用フィラーなどとしての応用が期待できるものである。
【0060】
また、本発明の光触媒粒子は、光触媒と、他の特性を持つ粒子とを複合化する際の課題であったバインダーに起因する問題をはじめ、作業性や凝集といった無機微粒子の微細性によって引き起こされる問題などをも解決したものであり、かつ比較的簡易な装置、操作によって製造できるという利点も有する。

Claims (7)

  1. 光触媒能を有する無機微粒子が合成炭酸カルシウム表面に直接、担持固定されており、かつ合成炭酸カルシウムの形態が、紡錘状、柱状、立方体状、またはコロイド状である光触媒粒子。
  2. 合成炭酸カルシウムの生成工程の炭酸化反応過程において、光触媒能を有する無機微粒子を共存させ、該無機微粒子を合成炭酸カルシウム表面に直接、担持固定させることを特徴とする、光触媒粒子の製造方法。
  3. 無機微粒子が、金属酸化物、金属複酸化物または金属硫化物である請求項2に記載の光触媒粒子の製造方法。
  4. 金属酸化物が、酸化チタンまたは酸化亜鉛である請求項3に記載の光触媒粒子の製造方法。
  5. 無機微粒子の一次粒子の平均径が、1〜1000nmである請求項2ないし4のいずれか1に記載の光触媒粒子の製造方法。
  6. 無機微粒子が、合成炭酸カルシウム100重量部に対して0.01〜50重量部である請求項2ないし5のいずれか1に記載の光触媒粒子の製造方法。
  7. 合成炭酸カルシウムの形態が、紡錘状、柱状、立方体状、またはコロイド状である請求項2ないし6のいずれか1に記載の光触媒粒子の製造方法。
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