JPH06345427A - 酸化亜鉛粉末およびその製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛粉末およびその製造方法

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JPH06345427A
JPH06345427A JP14174493A JP14174493A JPH06345427A JP H06345427 A JPH06345427 A JP H06345427A JP 14174493 A JP14174493 A JP 14174493A JP 14174493 A JP14174493 A JP 14174493A JP H06345427 A JPH06345427 A JP H06345427A
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zinc oxide
oxide powder
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zinc
alkali
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JP14174493A
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Hideyo Fujii
秀世 藤井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G9/00Compounds of zinc
    • C01G9/02Oxides; Hydroxides

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 平均粒径が0.001μm〜1.0μmで、
リチウム、ナトリウムおよびカリウムよりなるアルカリ
原子の少なくとも1種を、亜鉛原子1モル当たり0.0
005モル〜0.01モル含有してなる酸化亜鉛粉末。 【効果】 紫外線吸収波長端を約400nm近傍の長波
長側にシフトさせることが可能で、UVA、UVBの全
紫外線領域の紫外線遮蔽剤として使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化亜鉛粉末およびその
製造方法に関する。詳しくは、平均粒径が0.001μ
m〜1.0μm、長径と短径の比が3未満で、波長40
0nm近傍までの全紫外線遮蔽能を有する微粒状酸化亜
鉛粉末およびその製造方法に関する。
【0002】近年、オゾンホールによる地表到達紫外線
量の増加は、主としてUVB(波長290〜320nm
の紫外線)により生ずる日焼けや雪焼けによる皮膚の急
性炎症、あるいは主としてUVA(波長320〜400
nmの紫外線)の繰り返し照射により生ずる皮膚の老
化、更にはメラノーマ等の皮膚癌増大等、生物に悪影響
を与えるのみならず、工業製品や食品等に於いては紫外
線劣化の増大を惹起するとしてこの問題解決が重要な課
題となっている。
【0003】
【従来の技術】従来より微粒状、例えば0.02μm程
度の酸化亜鉛粉末は紫外線遮蔽能を有しており、化粧
料、塗料等の分野に於いて紫外線遮蔽剤として遍く使用
されている(例えば特開昭62−275025号、特開
昭62−275182号等)。しかしながら該微粒状酸
化亜鉛粉末の吸収波長端は高々385nm〜390nm
であり、400nmを越える全紫外線領域までの広範囲
に於いて優れた紫外線遮蔽能を有するものは知られてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下におい
て、本発明者は400nm近傍までの全紫外線領域の紫
外線遮蔽能に優れる酸化亜鉛粉末を得るべく鋭意検討し
た結果、格子欠陥を生じせしめた酸化亜鉛粉末の前駆体
或いは酸化亜鉛粉末に特定の金属原子を被着せしめ、こ
れを非酸化性雰囲気で焼成する場合、あるいは酸化亜鉛
粉末の前駆体或いは酸化亜鉛粉末に特定の金属原子を被
着し、格子欠陥を生じせしめた後、これを非酸化性雰囲
気で焼成する場合には、上記物性を全て満足する微粒状
酸化亜鉛粉末が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、平均粒
径が0.001μm〜1.0μmで、リチウム、ナトリ
ウムおよびカリウムよりなるアルカリ原子の少なくとも
1種を、亜鉛原子1モル当り0.0005モル〜0.0
1モル含有してなる酸化亜鉛粉末を提供するにある。
【0006】また本発明は、亜鉛塩溶液にアルカリイオ
ンを含有する溶液を混合し、水溶液又はアルコール溶液
中で中和反応により酸化亜鉛粉末の前駆体を析出し、次
いで該前駆体を焼成して酸化亜鉛粉末を得る方法に於い
て、該前駆体或いは酸化亜鉛粉末にリチウム、ナトリウ
ム及びカリウムを含有するアルカリ化合物の少なくとも
1種を亜鉛原子1モル当りアルカリ原子として0.00
01モル〜0.03モルを被着せしめ、次いで該被着物
に格子欠陥を生じせしめた後、非酸化雰囲気中で焼成す
ることを特徴とする酸化亜鉛粉末の製造方法を提供する
にある。
【0007】更に本発明は、亜鉛塩溶液にアルカリイオ
ンを含有する溶液を混合し、水溶液又はアルコール溶液
中で中和反応により酸化亜鉛粉末の前駆体を析出し、次
いで該前駆体を焼成して酸化亜鉛粉末を得る方法に於い
て、該前駆体或いは酸化亜鉛粉末に格子欠陥を生じせし
めた後、次いで、該前駆体或いは酸化亜鉛粉末にリチウ
ム、ナトリウム及びカリウムを含有するアルカリ化合物
の少なくとも1種を亜鉛原子1モル当りアルカリ原子と
して0.0001モル〜0.03モルを被着せしめ、非
酸化雰囲気中で焼成することを特徴とする酸化亜鉛粉末
の製造方法を提供するものである。
【0008】以下本発明を更に詳しく説明する。本発明
の酸化亜鉛粉末は、平均粒径が約0.001μm〜約
1.0μm、好ましくは約0.001μm〜約0.5μ
m、長径と短径の比が約3未満、好ましくは約2未満で
ある所謂微粒子状であり板状や針状とは異なる。酸化亜
鉛粉末は、平均粒径が微細であるほど紫外線遮蔽能が高
くなるが、微粒化するほど触媒能が発現し有機系成分を
含有する化粧料、包材あるいは塗料等の用途においては
製品組成を変質する等の悪影響を与えるので、平均粒径
は約0.001μmまでの範囲で使用される。
【0009】本発明に於いて酸化亜鉛粉末は、リチウ
ム、ナトリウムおよびカリウムよりなるアルカリ原子の
少なくとも1種を、亜鉛原子1モル当り約0.0005
モル〜約0.03モル、好ましくは約0.001モル〜
約0.01モル含有するものである。アルカリ原子の量
が上記範囲を外れる場合には紫外線の吸収波長端を長波
長側にシフトさせる効果が低減する。また、本発明の酸
化亜鉛粉末は紫外線の最高吸収波長域を長波長側にシフ
トさせる目的より、他の金属を添加し、亜鉛との複合酸
化物とすることも可能である。このような金属としては
例えば、Fe、Cr、Ce、及びTiの金属、或いは金
属化合物が挙げられる。これらは金属原子として亜鉛原
子1モル当り約0.0001モル〜約0.5モルの範囲
で適用される。含有量が0.5モルを越える場合には亜
鉛粉末が着色し酸化亜鉛粉末の特徴である白色粉体とし
ての特性が消滅するのみならず、可視光線の透過性が低
下する。
【0010】本発明に於いて、酸化亜鉛粉末の製法とし
ては、特に制限されないが、(1)亜鉛塩溶液にアルカ
リイオンを含有する溶液を混合し、水溶液又はアルコー
ル溶液中で中和反応により酸化亜鉛粉末の前駆体を析出
し、次いで該前駆体を焼成して酸化亜鉛粉末を得る方法
に於いて、該前駆体或いは酸化亜鉛粉末にリチウム、ナ
トリウム及びカリウムを含有するアルカリ化合物の少な
くとも1種を亜鉛原子1モル当りアルカリ原子として
0.0001モル〜0.03モルを被着せしめ、次いで
該被着物に格子欠陥を生じせしめた後、非酸化雰囲気中
で焼成し酸化亜鉛粉末を得る方法、および、(2)亜鉛
塩溶液にアルカリイオンを含有する溶液を混合し、水溶
液又はアルコール溶液中で中和反応により酸化亜鉛粉末
の前駆体を析出し、次いで該前駆体を焼成して酸化亜鉛
粉末を得る方法に於いて、該前駆体或いは酸化亜鉛粉末
に格子欠陥を生じせしめた後、次いで、該前駆体或いは
酸化亜鉛粉末にリチウム、ナトリウム及びカリウムを含
有するアルカリ化合物の少なくとも1種を亜鉛原子1モ
ル当りアルカリ原子として0.0001モル〜0.03
モルを被着せしめ、非酸化雰囲気中で焼成し酸化亜鉛粉
末を得る方法が挙げられる。
【0011】上記方法に於いて亜鉛塩溶液は、硫酸亜
鉛、硝酸亜鉛及び塩化亜鉛等の無機塩類、又は、蟻酸亜
鉛及び酢酸亜鉛等の有機酸塩や亜鉛アルコキシドが挙げ
られる。亜鉛アルコキシドの場合は低級アルコール、多
価アルコール、ジメチルホルムアミド、低級エステル、
テトラヒドロフラン等の水溶性有機溶媒中に溶解し使用
すればよい。またアルカリイオンを含有する溶液として
は亜鉛塩溶液との中和反応により酸化亜鉛粉末の前駆
体、例えば微粒状塩基性亜鉛塩または微粒状水酸化亜鉛
等を生成し得るものであれば特に制限されないが、例え
ばアンモニアガス、アンモニア水、尿素水溶液、ヘキサ
メチレンテトラミン水溶液あるいはこれらの混合溶液等
が挙げられる。
【0012】亜鉛塩溶液とアルカリイオンを含有する溶
液を混合し、水溶液又はアルコール溶液中で中和反応に
より微粒状の水酸化物や塩基性塩の前駆体を得る方法は
特開昭62−275025号及び特開昭62−2751
82号等により公知であり、使用原料の種類、反応時の
亜鉛塩溶液中の亜鉛濃度、これと接触せしめる溶液中の
アルカリイオン濃度、或いは反応温度、反応系のPH濃
度、原料の添加速度等により析出する微粒状前駆体の粒
度が異なるので、簡単な予備実験により平均粒度が約
1.0μm以下の前駆体を析出させれば良い。
【0013】また、前駆体中に他の金属を添加し複合体
となす場合には、亜鉛塩溶液とアルカリイオンを含有す
る溶液を混合し、水溶液又はアルコール溶液中で中和反
応により酸化亜鉛の前駆体を析出させるに際し、該溶液
中に所望とする金属、あるいは該金属の化合物、例えば
Fe、Cr、Ce、或いはTiから選ばれた少なくとも
1種を、該溶液中の亜鉛原子1モル当り、金属原子とし
て0.0001モル〜0.5モルの範囲で存在させ実施
する方法、あるいは亜鉛塩溶液とアルカリイオンを含有
する溶液を混合し、水溶液又はアルコール溶液中で中和
反応により酸化亜鉛の前駆体を析出させた後、この前駆
体に所望とする金属、あるいは該金属の化合物を混合
し、必要により濾過又は蒸発乾燥する方法等が使用され
る。
【0014】これらの金属化合物は酸化物、水酸化物、
塩化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩等のいずれ
の形で使用してもよいが、一般的には硫酸鉄、硫酸クロ
ム、硫酸セリウム、硫酸チタニル、硝酸鉄、硝酸クロ
ム、硝酸セリウム、硝酸チタニル、塩化鉄、塩化クロ
ム、塩化セリウム、塩化チタン、酢酸鉄、酢酸クロム、
酢酸セリウム、酢酸チタン等の水溶液が使用される。
【0015】本発明に於いて上記方法により得られた酸
化亜鉛の前駆体は次いで該前駆体に格子欠陥を生じせし
めた後、あるいは特定のアルカリ金属を被着せしめ、次
いで格子欠陥を生じせしめることを必須とする。該前駆
体への格子欠陥の付与方法としては機械的衝撃を与える
方法、より具体的にはボールミル、振動ミル、ジグザグ
分級機による分級、ハンマーミル、擂潰機によるモルタ
リング等の粉砕処理、分級処理及び摩砕処理等、あるい
は非酸化雰囲気で前駆体を約600℃〜約1000℃、
好ましくは約700℃〜約900℃で焼成したのち室温
に直ちに取り出すことにより、亜鉛1モルに対し酸素が
1モル未満の酸化物となす化学的に衝撃を加える方法が
挙げられる。格子欠陥を生じせしめる、或いはアルカリ
金属を被着せしめる前駆体は湿潤状態であってもよい
し、乾燥、更には焼成されたものであってもよい。この
場合の焼成は公知の方法が採用される。この焼成を非酸
化雰囲気で約600℃〜約1000℃で焼成し直ちに室
温に取り出し急冷する場合には得られた酸化亜鉛粉末に
格子欠陥が生じているので、アルカリ処理に際し、或い
はアルカリ処理後に格子欠陥を生じせしめる処理を再度
行う必要はない。
【0016】本発明に於いて酸化亜鉛の前駆体或いは酸
化亜鉛粉末に被着せしめるアルカリ化合物はリチウム、
ナトリウムおよびカリウムの少なくとも1種であればよ
く、特に制限されないが通常、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム及び水酸化カリウム等が使用される。 これ
らアルカリは、亜鉛原子1モル当りアルカリ原子として
0.0001モル〜0.03モルを被着せしめればよ
く、特定濃度のアルカリ溶液中に該前駆体或いは酸化亜
鉛粉末を浸漬した後、濾過、乾燥する方法、或いは特定
濃度のアルカリ溶液と該前駆体或いは酸化亜鉛粉末を混
合した後、蒸発乾燥する方法等が採用される。前駆体或
いは酸化亜鉛粉末へのアルカリ化合物の被着に際して
は、水溶性有機溶剤中で超音波分散処理、或いは、必要
なら界面活性剤による分散処理等により分散処理した
後、前駆体とアルカリ化合物を混合し、スプレードライ
ヤー、ドラムドライヤー及びロータリーエバポレーター
等で乾燥することが推奨される。かかる処理により、凝
集していた酸化亜鉛前駆体は均一分散し、凝集の実質的
にない微粒状酸化亜鉛粉末が得られる。リチウム、ナト
リウムおよびカリウムのアルカリ原子はいずれを用いて
も紫外線の吸収波長端を長波長側にシフトすることがで
きるが、就中、リチウムがより長波長側にシフトでき
る。
【0017】乾燥後の粉末は次いで焼成するが、本発明
に於いては、焼成は非酸化性雰囲気で行うことを必須と
する。焼成を酸化性雰囲気で実施する場合には、紫外線
の吸収波長端は400nm以上にシフトする効果が発現
しない。該焼成雰囲気は不活性ガスあるいは還元性ガス
が焼成時に存在すればよい。例えば、水素、一酸化炭素
及びアンモニア等を窒素、アルゴン及びヘリウム等の不
活性ガスで希釈して炉内に通気すれば良いし、より簡単
には、圧抜きを着けた炉心管内に木炭又はコークス等を
共存させ、管内空気を置換しないで焼成することにより
一酸化炭素を発生させても良い。
【0018】焼成温度は被焼成前駆体の温度が約650
℃〜約900℃となる温度で約10分間以上、通常約3
0分〜約1時間実施される。焼成温度が高過ぎると低次
の酸化亜鉛が生成して収量が低下するので好ましくな
く、低過ぎると長波長側へのシフト効果が低下する。焼
成炉の種類は特に制限されるものではなく、管状炉、箱
型炉、キルン炉およびガス炉等が使用される。焼成後、
微粒状物質は必要ならば、解砕処理した後、所望粒度に
分級して一般用樹脂充填剤、ゴム用充填剤、顔料、化粧
品用顔料、更には化粧料、衣料、塗料、食品包装材料等
の各種用途の全紫外線遮蔽剤として使用可能である。
【0019】
【発明の効果】このようにして得られた本発明の微粒状
酸化亜鉛粉末は、従来市販の最高級酸化亜鉛粉末(平均
粒径0.02μm)の紫外線吸収波長端が約380nm
近傍であるのに対し、約400nm〜約420nm程度
までシフトせしめ、さらに最高吸収波長域をも約360
nm近傍から約380nm近傍までシフトせしめ得たも
ので、UVA、UVB及び全紫外線領域の紫外線遮蔽剤
として、その工業的価値は頗る大である。
【0020】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが本発明は以下の実施例のみに限定されるものでは
ない。なお、本発明に於いて紫外線吸収波長端及び最高
吸収波長域とは以下の測定法によるものである。 紫外線吸収波長端; 酸化亜鉛粉末0.18gとシリコ
ンオイル(KS−62F/信越化学社製)1.02gを
めのう乳鉢で良く混合し、この混合物を脱脂ポリプロピ
レンフイルム(厚み50μm)にドクターブレード法に
て25μmの厚みで塗布して、その分光拡散透過率曲線
(50φ積分球付き/日立330分光光度計)を記録紙
上に描き、紫外線吸収域から可視光線透過域の立ち上が
り曲線と、可視光線透過域曲線から接線三角図形法によ
る直線をそれぞれの曲線に沿って引き、可視光線透過域
の立ち上がり曲線と可視光線透過域曲線の直線の交点の
波長を測定し紫外線吸収波長端とした。 最高吸収波長域; 上記方法に於いて記録紙上の紫外線
吸収域とその可視光線透過域の立ち上がり曲線から、接
線三角図形法による直線をそれぞれの曲線に沿って引
き、立ち上がり部の交点の波長を測定し最高吸収波長域
とした。
【0021】実施例1 工業用95%硝酸亜鉛6水塩362gをエタノール12
00ml中に入れ、これを30分間撹拌混合して溶解し
た。続いて99%のヘキサメチレンテトラミン280g
を水1600mlに溶かした水溶液を加えて、更に撹拌
した。これを加熱し、温度80℃にて撹拌下5時間続い
て温度100℃で1時間、加水分解反応を行い加水分解
反応生成物を得た。 これを濾過し、水1000mlで
洗浄し、エタノール置換した後、100℃で乾燥し次い
で700℃1h焼成した。次いで水酸化リチウム1水和
物(LiOH・H2 O/和光純薬社製)0.36gを溶
解したエタノール中に供給し、30分間超音波分散処理
した後、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥し、次い
で乾燥物を振動ミルで10分、粉砕処理して、92gの
粉末を得た。 得られた粉末2.5gを磁製ボートに入
れシールして木炭と共に、圧抜きを着けた管状炉内に供
給し、昇温速度200℃/hで昇温し、温度850℃で
30分間還元焼成して、平均粒径0.01μmの酸化亜
鉛粉末2.2gを得た。
【0022】上記で得られた酸化亜鉛粉末0.18gと
シリコンオイル(KS−62F/信越化学社製)1.0
2gをめのう乳鉢で良く混合し、この混合物を脱脂ポリ
プロピレンフイルム(厚み50μm)にドクターブレー
ド法にて25μmの厚みで塗布して、その分光拡散透過
率曲線(50φ積分球付き/日立330分光光度計)を
測定した所、その紫外線の吸収波長端は414nmであ
った。
【0023】実施例2 実施例1において、700℃焼成物に格子欠陥を生じせ
しめる方法として振動ミルに代えジグザグ分級機(10
0MZR型・ドイツ、アルピネ社製、回転数8000r
pm)分級し、アルカリ源として水酸化リチウム1水和
物を水酸化ナトリウム0.15gに代えた他は、実施例
1と全く同様に分散及び還元焼成処理して平均粒径0.
01μmの酸化亜鉛粉末を得た。その紫外線の吸収波長
端を実施例1と同様に測定した所405nmであった。
【0024】実施例3 実施例1において、アルカリ源として水酸化リチウム1
水和物を水酸化カリウム0.26gに代えた他は実施例
1と全く同様に分散及び還元焼成処理して平均粒径0.
01μmの酸化亜鉛粉末を得た。その紫外線の吸収波長
端を実施例1と同様に測定した所404nmであった。
【0025】実施例4 平均粒径0.02μmの市販酸化亜鉛粉末(住友セメン
ト(株)社製)50gを擂潰機により摩砕処理した後、
水酸化リチウム1水和物0.152gを溶解したエタノ
ール溶液中に供給し、30分間超音波分散処理した後、
ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥した。その後、実
施例1と全く同様に還元焼成処理して酸化亜鉛粉末を得
た。その紫外線の吸収波長端を実施例1と同様に測定し
た所403nmであった。
【0026】実施例5 硫酸亜鉛7水和物(ZnSO4 ・7H2 O/和光純薬社
製)86.7gを脱イオン水に加温溶解して150ml
に調製し、これに予め調製した3規定苛性ソーダ水溶液
を、PH値が約8.1になるまで撹拌しつつ滴加して中
和反応を行い水酸化物の沈澱を生成した。室温下に熟成
を2h処理し、濾過、水洗浄を行ない、更にエタノール
置換して、水酸化リチウム1水和物0.074gを溶解
したエタノール溶液中に供給し、30分間超音波分散処
理した後、ロータリーエバポレーターで蒸発乾燥し、前
駆体粉末30.1gを得た。その後、実施例1と全く同
様に還元焼成処理して平均粒径0.05μmの酸化亜鉛
粉末を得た。その紫外線の吸収波長端を実施例1と同様
に測定した所404nmであった。
【0027】実施例6 実施例1において、700℃焼成後の酸化亜鉛粉末を5
0g用い、水酸化リチウム1水和物の添加量を0.64
gに代えた他は、実施例1と全く同様に分散及び還元焼
成処理して平均粒径0.01μmの酸化亜鉛粉末を得
た。その紫外線の吸収波長端を実施例1と同様に測定し
た所402nmであった。
【0028】実施例7 実施例1において、700℃焼成後の酸化亜鉛粉末を5
0g用い、水酸化リチウム1水和物の添加量を0.01
3gに代えた他は、実施例1と全く同様に分散及び還元
焼成処理して平均粒径0.01μmの酸化亜鉛粉末を得
た。その紫外線の吸収波長端を実施例1と同様に測定し
た所400nmであった。
【0029】実施例8 実施例1において、水酸化リチウム添加処理物の焼成方
法を、窒素ガス置換して通気シールした炉芯管内に供給
し、更に窒素ガス置換及び通気シールを実施しつつ、昇
温速度200℃/hで昇温し、温度900℃で30分
間、非酸化性雰囲気で焼成する方法に代えた他は実施例
1と全く同様にして焼成し、平均粒径0.01μmの酸
化亜鉛粉末を得た。その紫外線の吸収波長端を実施例1
と同様に測定した所407nmであった。
【0030】比較例1 実施例1において、700℃焼成後の酸化亜鉛粉末(平
均粒径0.01μm)の紫外線の吸収波長端を実施例1
と同様に測定した所、389nmであった。
【0031】比較例2 実施例1において、得られた700℃焼成物にアルカリ
物質を被着させないで、同様に還元雰囲気中で焼成して
平均粒径0.01μmの酸化亜鉛粉末を得た。その紫外
線の吸収波長端を実施例1と同様に測定した所390n
mであった。
【0032】比較例3 実施例4において、市販原料(超微粒子酸化亜鉛:平均
粒径0.02μm/住友セメント社製)の紫外線の吸収
波長端を実施例1と同様に測定した所、389nmであ
った。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.001μm〜1.0μm
    で、リチウム、ナトリウムおよびカリウムよりなるアル
    カリ原子の少なくとも1種を、亜鉛原子1モル当り0.
    0005モル〜0.01モル含有してなる酸化亜鉛粉
    末。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収波長端が400nm以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の酸化亜鉛粉末。
  3. 【請求項3】 亜鉛塩溶液にアルカリイオンを含有する
    溶液を混合し、水溶液又はアルコール溶液中で中和反応
    により酸化亜鉛粉末の前駆体を析出し、次いで該前駆体
    を焼成して酸化亜鉛粉末を得る方法に於いて、該前駆体
    或いは酸化亜鉛粉末にリチウム、ナトリウム及びカリウ
    ムを含有するアルカリ化合物の少なくとも1種を亜鉛原
    子1モル当りアルカリ原子として0.0001モル〜
    0.03モルを被着せしめ、次いで該被着物に格子欠陥
    を生じせしめた後、非酸化雰囲気中で焼成することを特
    徴とする酸化亜鉛粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 亜鉛塩溶液にアルカリイオンを含有する
    溶液を混合し、水溶液又はアルコール溶液中で中和反応
    により酸化亜鉛粉末の前駆体を析出し、次いで該前駆体
    を焼成して酸化亜鉛粉末を得る方法に於いて、該前駆体
    或いは酸化亜鉛粉末に格子欠陥を生じせしめた後、次い
    で、該前駆体或いは酸化亜鉛粉末にリチウム、ナトリウ
    ム及びカリウムを含有するアルカリ化合物の少なくとも
    1種を亜鉛原子1モル当りアルカリ原子として0.00
    01モル〜0.03モルを被着せしめ、非酸化雰囲気中
    で焼成することを特徴とする酸化亜鉛粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化亜鉛粉末の前駆体が微粒状塩基性亜
    鉛塩または微粒状水酸化亜鉛である請求項3および4記
    載の酸化亜鉛粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化亜鉛粉末の前駆体或いは酸化亜鉛粉
    末に格子欠陥を生じせしめる方法が、機械的衝撃および
    /または熱衝撃によるものであることを特徴とする請求
    項3および4記載の酸化亜鉛粉末の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101597080A (zh) * 2008-06-05 2009-12-09 中国科学院福建物质结构研究所 一种可用于锂电池负极的橄榄状氧化锌及壳核结构氧化锌-过氧化锌微米颗粒
KR101024525B1 (ko) * 2008-07-16 2011-03-31 한국세라믹기술원 산화아연입자를 포함하는 자외선 차단제 조성물,이의 제조방법 및 이를 이용한 기능성 섬유제품
WO2015098945A1 (ja) 2013-12-24 2015-07-02 堺化学工業株式会社 酸化セリウム被覆酸化亜鉛粒子、その製造方法、紫外線遮蔽剤及び化粧料
CN108975384A (zh) * 2018-09-21 2018-12-11 宁夏京成天宝饲料添加剂有限公司 一种纳米氧化锌及其低温制备方法
CN115353141A (zh) * 2022-08-24 2022-11-18 中国科学院理化技术研究所 一种缺陷氧化锌、其制备方法及其在催化热解塑料中的应用

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