JP4182669B2 - 粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法 - Google Patents

粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高純度であって平衡水分量が小さく、且つ、吸油量が改善された粒状ヘマタイト粒子粉末を工業的、経済的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
本発明によって製造される粒状ヘマタイト粒子粉末の主な用途は、塗料用、樹脂着色用、印刷インキ用、化粧品用、建築材料用等の赤色系着色酸化鉄顔料である。
【0003】
【従来技術】
粒状ヘマタイト粒子は、浅赤色から濃赤色までの赤色を呈している為、顔料とビヒクル又は樹脂とを混合して塗料、着色樹脂、印刷インキ、化粧品を製造する際に、また、顔料とセメント、コンクリート、アスファルト等とを混合して建築用材料を製造する際に赤色系着色酸化鉄顔料として広く使用されている。
【0004】
粒状ヘマタイト粒子の粒子サイズと色相とは密接な関係にあり、粒状ヘマタイト粒子の粒子サイズを制御することによって浅赤色から濃赤色までの広範囲の色相を有する粒状ヘマタイト粒子が製造されている。粒子サイズが大きくなる程色相は濃くなる傾向にあり、平均粒子径が0.2μm以下の粒状ヘマタイト粒子は浅赤色であり、その下限値は0.05μmである。平均粒子径が0.4〜0.6μmの粒状ヘマタイト粒子は濃赤色であり、平均粒子径が0.2μmを超え、0.4μm未満のヘマタイト粒子は浅赤色乃至濃赤色である。
【0005】
粒状ヘマタイト粒子粉末は、文化や生活面から、また作業性、環境性の面から、品質や諸特性の改良が行われている。一方、近時、工業性、経済性の面から安価な原料を使用し、オートクレーブ等の特殊な容器を使用することなく品質や諸特性が優れた赤色系着色酸化鉄顔料を製造することが強く要求されている。
【0006】
従来、赤色系着色酸化鉄顔料の代表的な製造法として、硫酸第一鉄水溶液と水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ水溶液とを用いて得られた水酸化第一鉄を含む懸濁液に、pH4.5〜6.5であって温度65〜90℃の範囲で酸素含有ガスを通気することによりマグネタイト粒子を生成し、該マグネタイト粒子を濾別、水洗、乾燥後450〜800℃の温度範囲で加熱することにより製造する方法(例えば、特公昭49−35520号公報等)及び水溶液中からヘマタイト粒子を生成させ、該ヘマタイト粒子を濾別、水洗後、乾燥する方法(例えば、特公昭35−1224号公報、特公昭38−9852号公報、特開昭49−73400号公報、特開昭51−8193号、特開2001−200177号等)等が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】
高純度であって平衡水分量が小さく、且つ、吸油量が改善された粒状ヘマタイト粒子粉末を工業的、経済的に有利に製造することは現在最も要求されているところであるが、粒状ヘマタイト粒子を製造する前出公知方法による場合には未だ十分とは言い難い。
【0008】
即ち、前出特公昭49−35520号公報記載の製造法による場合には、原料として高価な水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ水溶液を使用するため、工業的、経済的とはいえない。
【0009】
前出特公昭35−1224号公報記載の方法は、非硫化鉄鉱粒子と硝酸水溶液とを用い、残渣を分離した硝酸鉄水溶液を密閉容器中50℃以上の温度で加熱した後急冷することによりヘマタイト粒子を生成させるものであり、鉄原料として安価な非硫化鉄鉱粒子を用いるものではあるが、オートクレーブという特殊な容器が必要である。
【0010】
前出特公昭38−9852号公報記載の製造法は、オートクレーブを用いて第一鉄塩のpH価が4〜5である酸性溶液に、鉄材の存在下、気体酸化剤の連続圧入により、水溶液中からヘマタイト粒子を生成させるものであり、鉄原料として安価な鉄材を用いるものではあるが、オートクレーブという特殊な容器が必要である。
また、生成物は「本法により製造される赤色酸化第二鉄はアルファ型酸化鉄で分析の結果、反応温度が95℃にて得られるものはFe231/2H2Oであり120℃にて得られるものはFe23であった。」なる記載の通り、常圧下においては純度が低いヘマタイト粒子しか得られない。
【0011】
前出特開昭49−73400号公報記載の方法は、第一鉄塩水溶液に、種晶及び金属鉄の存在下、酸素含有ガスを通気することによりヘマタイト粒子を生成させるものであり、オートクレーブ等の特殊な容器を用いてはいないものの、生成ヘマタイト粒子中に、約15重量%以下のα−FeOOHが混在している。
【0012】
前出特開昭51−8193号公報記載の方法は、酸根の当量以上の量の炭酸水素アルカリ単独、若しくは、炭酸水素アルカリと炭酸アルカリ、水酸化アルカリを併用して全アルカリは酸根の当量以上で、水酸化アルカリ成分は酸根の当量以下である量のアルカリを第一鉄塩水溶液に加え、pH7〜11、65℃以上沸点以下の温度で酸化反応を行うものであり、オートクレーブ等の特殊な容器を用いてはいないものの、アルカリ水溶液として高価な炭酸アルカリを併用しており、工業的、経済的とは言い難い。また、「X線分析の結果、大部分がヘマタイトであった。」なる記載の通り、ヘマタイト以外に不純物を含有するものであった。
【0013】
前出特開2001−200177号記載の方法は、塩化鉄水溶液に、鉄材とヘマタイト種晶との存在下、温度70〜100℃の範囲内において酸素含有ガスを通気することにより粒状ヘマタイト粒子を主成分とする赤褐色沈澱を生成させるにあたり、前記ヘマタイト種晶として温度90℃以上において希硝酸と鉄材との間の反応により生成したヘマタイトを用いることにより、彩度の優れた酸化鉄赤色顔料を得るものであり、純度や平衡水分量等を改善するものではない。
【0014】
そこで、本発明は、高純度であって平衡水分量が小さく、且つ、吸油量が改善された粒状ヘマタイト粒子粉末を安価な鉄原料を用いてオートクレーブ等の特殊な容器を用いることなく、工業的、経済的に製造することを技術的課題とする。
【0015】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0016】
即ち、本発明は、硝酸第一鉄水溶液に、鉄材とヘマタイト種晶との存在下、温度80〜90℃の範囲内において酸素含有ガスを通気することにより粒状ヘマタイト粒子を主成分とする赤褐色沈澱を生成させた後、該赤褐色沈澱を濾別、水洗、乾燥し、次いで、空気中450〜900℃の温度範囲で加熱することを特徴とする粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法である。(発明1)
【0017】
また、本発明は、ヘマタイト種晶が、鉄材を含む温度90〜95℃の水溶液に、該温度範囲に維持しながら希硝酸を添加することにより硝酸第二鉄沈澱を生成させ、次いで、該硝酸第二鉄を加水分解することにより生成したヘマタイト粒子であることを特徴とする発明1記載の粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法である。(発明2)
【0018】
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
【0019】
先ず、本発明に係る粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法について述べる。
【0020】
本発明において使用する鉄塩水溶液としては、硝酸第一鉄水溶液を使用することが肝要である。硝酸第一鉄水溶液以外の塩化鉄等の鉄塩水溶液を使用しても、本発明の目的とする粒状ヘマタイト粒子粉末は得られない。工業性、経済性を考慮すれば、濃度が1.0〜2.5mol/lの範囲のpH2〜4の水溶液が好ましい。
【0021】
本発明における鉄材としては、スクラップ鉄等が使用でき、具体的には、チョッパー等各種形態のものがある。存在させる鉄材の量は、粒状ヘマタイト粒子の生成反応が終了するまでに消費される量を超える過剰量である。鉄材の量が不足する場合には、ヘマタイト種晶の十分な成長反応が困難となる。そのため、水溶液中から生成した粒状ヘマタイト粒子を加熱して得られた粒状ヘマタイト粒子もまた平均粒子径が小さく、所望の色相を有する赤色系着色酸化鉄顔料を得ることが困難となる。
【0022】
本発明におけるヘマタイト種晶としては、平均粒子径0.005μm以上、0.1μm未満の範囲、好ましくは0.005〜0.05μm、より好ましくは0.01〜0.05μmの範囲であって、粒子形状が粒状であることが好ましい。ヘマタイト種晶の平均粒子径が上記範囲外の場合には、その後の粒状ヘマタイト粒子の生成反応においてヘマタイト種晶の均一且つ十分な成長反応が困難となり、水溶液中から生成する粒状ヘマタイト粒子の粒度分布が不均斉となりやすい。
【0023】
平均粒子径が上記範囲のヘマタイト種晶は、鉄材を含む温度90〜95℃、好ましくは90〜94℃の水溶液に、該温度範囲に維持しながら希硝酸を添加することにより硝酸第二鉄沈澱を生成させ、次いで、該硝酸第二鉄を加水分解することにより得ることができる。
【0024】
ヘマタイト種晶の生成反応における希硝酸の添加時の温度が90℃未満の場合には、ヘマタイト粒子以外に多量のα−FeOOH(ゲータイト)等が生成しやすくなる。95℃を越える場合には、ヘマタイト種晶の生成反応速度が急速となり、生成ヘマタイト種晶のサイズ等の品質制御が困難となる。
【0025】
添加する希硝酸の濃度は20〜30%が好ましい。
【0026】
希硝酸の添加方法は、一時に全部を添加しても、また、分割添加しても連続添加してもよい。好ましくは連続添加である。
【0027】
ヘマタイト種晶の生成反応における硝酸第二鉄の加水分解反応は、溶液を循環する等系を均一にすることにより反応を均一に行うことが肝要である。
【0028】
加水分解反応時の温度は、希硝酸を添加するときの温度と同様に90〜95℃の範囲で行なえばよい。加水分解反応時の時間は、1〜4時間が好ましい。
【0029】
本発明に係る粒状ヘマタイト粒子粉末の製造にあたり、ヘマタイト種晶は、スラリー、ケーキ及び粉末のいずれの形態で使用してもよいが、スラリーが好ましい。殊にスラリー濃度が20〜40g/lの範囲のものが好ましい。
【0030】
粒状ヘマタイト粒子の製造にあたり存在させるヘマタイト種晶の量は、水溶液中から生成する粒状ヘマタイト粒子に対して5〜40重量%が好ましく、より好ましくは10〜30重量%である。5重量%未満である場合には、ヘマタイト種晶が少ないためにヘマタイト種晶の均一な成長反応が困難となる。40重量%を越える場合には、種晶が多いことに起因して、目的とする大きさの粒状ヘマタイト粒子を得るために長時間を要し、工業的、経済的ではない。
【0031】
本発明における酸素含有ガス通気時の水溶液温度は、80〜90℃、好ましくは82〜90℃である。80℃未満の場合には、生成粒状ヘマタイト粒子中に多量のゲータイト粒子が混在してくる。90℃を越える場合にも、粒状ヘマタイト粒子を主成分とする赤褐色沈澱が得られるが、必要以上に温度を高くする意味はない。80〜90℃の温度範囲内であれば、反応初期から反応終了時までの温度及び空気通気量を一定としてもよいし、また、反応母液の粘度や生成粒状ヘマタイト粒子の大きさ(色相)等の反応の状況を見ながら温度及び空気通気量を変化させてもよい。
【0032】
粒状ヘマタイト粒子粉末の生成反応において、鉄材とヘマタイト種晶とを含む硝酸第一鉄水溶液の反応粘度が低くゲル状態にならない場合には、必要により、追加の硫酸第一鉄溶液を添加して、高濃度で反応を行ってもよい。
【0033】
本発明における酸素含有ガスは、例えば空気を液中に通気することにより行う。
【0034】
ヘマタイト種晶の成長反応の反応終点は、生成赤褐色沈澱の一部を定期的に抜き取り、抜き取った赤褐色粉末の色と標準とする顔料の色とを比較し、所望の色相と同一となった時とする。
【0035】
ヘマタイト種晶の成長反応が終了すると、200〜330メッシュの篩を用いて鉄材を赤褐色沈澱から分別、除去する。
【0036】
本発明における赤褐色沈澱は、常法により濾別、水洗、乾燥する。必要により常法によりアトマイザー等を用いて粉砕してもよい。
【0037】
得られた赤褐色粉末は、粒状ヘマタイト粒子が96重量%以下であって残部がα−FeOOH及び/又はα−Fe23・XH2Oである混合粉末である。この混合粉末は平衡水分量が0.8〜1.2%程度と大きく、着色力は100%以下と小さく、耐熱性も220℃以下と小さいものである。また、殊に、平均粒子径が0.4〜0.6μmの濃赤色粉末は、数個が集合して見かけ上大きな凝集粒子となって水溶液中から生成するため粉砕に伴う小粒子化による色相変化が大きく粉砕前に濃赤色を呈するものであっても、粉砕後には浅赤色に変化し、濃赤色の色相の顔料を得ることが困難である。具体的には、L*値が22〜24、a*値が24〜29、b*値が13〜20である濃赤色が粉砕後にはL*値が25〜29、a*値が30〜34、b*値が30〜35の浅赤色となる。
【0038】
本発明における水溶液中から生成した赤褐色粉末は、空気中450〜900℃、好ましくは600〜900℃の温度範囲で加熱する。
450℃未満の場合には、高純度であって平衡水分量が小さく、且つ、吸油量が改善された粒状ヘマタイト粒子粉末を得ることが困難となる。900℃を越える場合には、粒子及び粒子相互間で焼結が生起して固い粒子となるため粉砕が困難となり、その結果、ビヒクル中や樹脂中への分散が困難となる。
【0039】
空気中における加熱時間は、好ましくは30〜150分間、より好ましくは50〜100分間である。30分未満の場合には、脱水が不十分であり平衡水分量が小さいヘマタイト粒子を得ることが困難となる。150分を越えて必要以上に長時間加熱する必要はない。
【0040】
本発明に係る粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法によれば、平均粒子径が0.05〜0.6μmであって、ヘマタイトが97重量%以上、好ましくは97.5重量%以上、より好ましくは98重量%以上の高純度であって、平衡水分量が0.5%以下、好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.25%以下であって、吸油量が3〜35%、好ましくは5〜33%程度改善された粒状ヘマタイト粒子粉末が得られる。また、耐熱性は450℃以上、好ましくは500℃以上であり、その上限値は800℃であり、着色力も105%以上に改善されていた。着色力の上限は120%である。更に、平均粒子径が0.4〜0.6μmの粒状ヘマタイト粒子は、粉砕によっても小粒子化による色相変化がなく、所望の色相、即ち、L*値22〜24、a*値24〜29、b*値13〜20である赤色系酸化鉄顔料が得られる。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
【0042】
尚、以下の実施の形態、後出実施例及び比較例における粒子の平均粒子径は、BET法により測定した値から算出した値で示した。
【0043】
顔料の純度は、JIS K 5109−1972「べんがら(顔料)」の「7.3 酸化第二鉄」の測定方法に基づいて、試料を塩酸に溶かし、塩化第一すず溶液を加えて鉄を還元し、さらに塩化第二水銀溶液を加えて塩化第一水銀の沈澱を作り、指示薬としてジフェニルアミン−4−スルホン酸ナトリウム溶液を加え、重クロム酸カリウム溶液で滴定する方法により求めた値で示した。
【0044】
平衡水分量は、JIS K 5101−1978「顔料試験方法」の「22.水溶分」に従って測定した値で示した。
【0045】
吸油量は、JIS K 5101−1978「顔料試験方法」の「19.吸油量」に従って測定した値で示した。
【0046】
耐熱性は、下記測定用試料片を電気炉に入れ、電気炉の温度を種々変化させて各温度において15分間加熱処理を行い、塗布板の各温度における加熱前後での色相(L*値、a*値、b*値)を、多光源分光測色計(MSC−IS−2D、スガ試験機(株)製)Multi−spctro−colour−Meterを用いて測定し、加熱前の測色値を基準に下記式で示されるΔE*を求め、片対数グラフを用いて横軸に加熱温度を、縦軸にΔE*値をプロットし、ΔE*値がちょうど2.0となるときの温度を塗布膜の耐熱温度とした。
【0047】
ΔE*=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
ΔL*値: 比較する試料の加熱処理前後のL*値の差
Δa*値: 比較する試料の加熱処理前後のa*値の差
Δb*値: 比較する試料の加熱処理前後のb*値の差
【0048】
なお、測色用試料片は、後述する処法によって調製した塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成することによって得た。上記測色用試料片を多光源分光測色計(MSC−IS−2D、スガ試験機(株)製)Multi−spctro−colour−Meterを用いてHunterのLab空間によりL*値、a*値及びb*値をそれぞれ測色し、国際照明委員会(Commission Internationnale de l’Eclairage,CIE)1976(L*値、a*値、b*値)均等知覚空間に従った値で示した。
【0049】
着色力は、加熱前後の赤色系顔料のそれぞれを用いて下記に示す方法に従って作製した展色エナメルのそれぞれを、キャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、 該塗布片について、多光源分光測色計(MSC−IS−2D、スガ試験機株式会社製)Multi−spectro−colour−Meterを用いてL*値を測色し、標準試料として用いた加熱処理前のLs*値と加熱処理後のLm*値とを用いて下記式に従って算出した値を着色力(%)として示した。
【0050】
着色力(%)=100+[(Ls*−Lm*)×10]
【0051】
原色エナメルの作製:
上記試料粉体10gとアミノアルキッド樹脂16g及びシンナー6gとを配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで45分間混合分散した後、アミノアルキッド樹脂50gを追加し、更に5分間ペイントシェーカーで分散させて、原色エナメルを作製した。
【0052】
展色エナメルの作製:
上記原色エナメル12gとアミラックホワイト(二酸化チタン分散アミノアルキッド樹脂)40gとを配合し、ペイントシェーカーで15分間混合分散して、展色エナメルを作製した。
【0053】
色相は、試料0.5gとヒマシ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片を作製し、 該塗布片について、多光源分光測色計(MSC−IS−2D、スガ試験機株式会社製)Multi−spectro−colour−Meterを用いてJIS Z 8729に定めるところに従ってそれぞれ測定した。
【0054】
<ヘマタイト種晶の製造>
反応容器に、鉄材360Kgと水とを投入して全容5m3とした後、90℃まで昇温し、次いで、90℃に維持しながら、濃度30%の希硝酸を18 l/分の割合で連続的に15分間添加することにより、硝酸第二鉄沈澱を生成させた。次いで、上記硝酸第二鉄沈澱を含む懸濁液に濃度30%の希硝酸を5.5 l/分の割合で150分間連続的に添加して加水分解反応を行った。反応懸濁液の一部を採取し、120℃で乾燥して得られた赤褐色粉末は、ヘマタイトであり、平均粒子径が0.03μmであった。(種晶Aとする。)
【0055】
<ヘマタイト種晶の成長反応>
別の反応容器に、鉄材チョッパー5000Kgを投入した後、上記ヘマタイト種晶スラリー(ヘマタイト種晶濃度0.21mol/l)を6m3投入し、次いで、濃度1.8mol/lの硝酸第一鉄8m3を投入した後、水を加え全容を30m3とした。得られた鉄材及びヘマタイト種晶を含む硝酸第一鉄水溶液(ヘマタイト種晶の存在量は、生成ヘマタイト粒子に対し、20wt%に相当する。)に空気を通気しながら5時間かけて82℃まで昇温した後、82〜85℃の温度範囲に24時間保持した。この時のFe2+濃度は、38g/lであった。
次いで、鉄材及び反応生成物を含む上記硝酸第一鉄水溶液に、空気を85〜88℃の温度範囲において40時間通気しながら赤褐色沈澱の生成を行った。
上記赤褐色沈澱を常法により濾別、水洗し、次いで120℃で乾燥した後、粉砕した。
この赤褐色粉末は、平均粒子径0.15μmであって、ヘマタイト含有量が95%であり、平衡水分量が1.1%、吸油量が35ml/100g、耐熱性が190℃であった。また、着色力は、100%、色相は、L*値が32.2、a*値が35.6及びb*値が38.2であった。
<加熱工程>
上記赤褐色粉末50Kgを空気中700℃で1時間加熱した。
加熱して得られた粉末は、平均粒子径0.16μmであって、ヘマタイト含有量が98%であり、平衡水分量が0.2重量%、吸油量が32ml/100g、耐熱性が450℃であった。また、着色力は112%、色相はL*値が31.0、a*値が34.7及びb*値が36.8であった。
【0056】
【作用】
本発明において最も重要な点は、硝酸第一鉄水溶液に、鉄材とヘマタイト種晶との存在下、温度80〜90℃の範囲内において酸素含有ガスを通気することにより粒状ヘマタイト粒子を主成分とする赤褐色沈澱を生成させた後、該赤褐色沈澱を濾別、水洗、乾燥し、次いで、空気中450〜900℃の温度範囲で加熱した場合には、オートクレーブ等の特殊な容器を用いることなく高純度であって平衡水分量が小さく、且つ、吸油量が改善された粒状ヘマタイト粒子粉末を工業的、経済的に有利に得ることができるという事実である。
【0057】
高純度のヘマタイト粒子が得られる理由について、本発明者は、水溶液中から生成した赤褐色粉末を加熱することにより該赤褐色粉末に混在しているα−FeOOH及び/又はα−Fe23・XH2Oの結晶内不純物であるH2Oが除去され、α−FeOOH及びα−Fe23・XH2Oはヘマタイトに変態することによるものと考えている。
【0058】
平衡水分量が小さい粒状ヘマタイト粒子が得られる理由について、本発明者は、同様に、水溶液中から生成した赤褐色粉末を加熱することにより、ヘマタイト粒子表面が平滑になり、水分が吸着しにくくなるものと考えている。
【0059】
吸油量が小さい粒状ヘマタイト粒子が得られる理由について、本発明者は、同様に水溶液中から生成した赤褐色粉末を加熱することにより、ヘマタイト粒子の表面積が小さくなると共に粒子表面が平滑になることによるものと考えている。
【0060】
耐熱性が優れている粒状ヘマタイト粒子が得られる理由について、本発明者は、前述した通り、α−FeOOH及びα−Fe23・XH2Oの結晶内不純物であるH2Oが除去されることにより、耐熱性の大きいヘマタイトに変態したことによるものと考えている。
【0061】
着色力が優れているヘマタイト粒子が得られる理由について、本発明者は、水溶液中から生成した多結晶集合粒子が加熱することにより単一の結晶粒子になることによるものと考えている。
【0062】
浅赤色から濃赤色までの広範囲の任意の色相を有する粒状ヘマタイト粒子粉末が得られる理由について、本発明者は、粒子サイズの制御が可能になったことによるものと考えている。
【0063】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を示す。
【0064】
<ヘマタイト種晶の製造>
反応容器に、鉄材400Kgと水とを投入して全容5m3とした後、92℃まで昇温し、次いで、92℃に維持しながら、濃度30%の希硝酸を18 l/分の割合で連続的に30分間添加することにより、硝酸第二鉄沈澱を生成させた。次いで、上記硝酸第二鉄沈澱を含む懸濁液に濃度30%の希硝酸を5.6 l/分の割合で50分間連続的に添加して加水分解反応を行った。反応懸濁液の一部を採取し、120℃で乾燥して得られた赤褐色粉末は、ヘマタイトであり、平均粒子径が0.05μmであった。(種晶Bとする。)
【0065】
<ヘマタイト種晶の成長反応>
前駆体1〜5
粒状ヘマタイト種晶の成長反応における鉄材の量、ヘマタイト種晶スラリーの種類、濃度及び量、ヘマタイト種晶の存在量、硝酸第一鉄の濃度及び量、全容、ヘマタイト種晶の成長反応時における空気通気量、温度及び時間を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして粒状ヘマタイト粒子粉末を製造した。
【0066】
得られた粒状ヘマタイト粒子粉末の主要製造条件及び諸特性を表1〜表2に示す。なお、前駆体5で得られた粒状ヘマタイト粒子粉末の粉砕前におけるL*値は23.47、a*値は28.31及びb*値は18.10であった。
【0067】
<加熱工程>
実施例1〜8
生成ヘマタイト粒子粉末の種類、加熱工程における温度及び時間を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして粒状ヘマタイト粒子粉末を得た。得られた粒状ヘマタイト粒子粉末の主要製造条件及び諸特性を表3に示す。
【0068】
なお、水溶液中から生成した前駆体5の粒状ヘマタイト粒子粉末を加熱して得られた粒状ヘマタイト粒子は、粉砕後においても濃赤色を呈しており、粉砕前と粉砕後で色相の変化はほとんどなかった。
【0069】
【表1】
Figure 0004182669
【0070】
【表2】
Figure 0004182669
【0071】
【表3】
Figure 0004182669
【0072】
【発明の効果】
本発明に係る粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法によれば、高純度であって平衡水分量が小さく、且つ、吸油量が改善されており、しかも、着色力及び耐熱性が優れている粒状ヘマタイト粒子粉末が得られるので、塗料用、着色樹脂用、印刷インキ用、化粧品用、建材用赤色系着色酸化鉄顔料として好適である。
【0073】
更に、本発明に係る粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法によれば、上記諸特性を有する粒状ヘマタイト粒子粉末をオートクレーブ等の特殊な容器を用いることなく、安価な鉄原料を用いることにより得ることができるので工業的、経済的に有利である。

Claims (2)

  1. 硝酸第一鉄水溶液に、鉄材とヘマタイト種晶との存在下、温度80〜90℃の範囲内において酸素含有ガスを通気することにより粒状ヘマタイト粒子を主成分とする赤褐色沈澱を生成させた後、該赤褐色沈澱を濾別、水洗、乾燥し、次いで、空気中450〜900℃の温度範囲で加熱することを特徴とする粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法。
  2. ヘマタイト種晶が、鉄材を含む温度90〜95℃の水溶液に、該温度範囲に維持しながら希硝酸を添加することにより硝酸第二鉄沈澱を生成させ、次いで、該硝酸第二鉄を加水分解することにより生成したヘマタイト粒子であることを特徴とする請求項1記載の粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法。
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