JPH0873224A - 顔料およびその製造法 - Google Patents

顔料およびその製造法

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JPH0873224A
JPH0873224A JP23949494A JP23949494A JPH0873224A JP H0873224 A JPH0873224 A JP H0873224A JP 23949494 A JP23949494 A JP 23949494A JP 23949494 A JP23949494 A JP 23949494A JP H0873224 A JPH0873224 A JP H0873224A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は前記の有害元素を含む黄色顔料に代
替えできる、優れた顔料特性を持つ新規な顔料およびそ
の製造法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明にかかる顔料は比表面積が2〜15m
2/gであり、組成AlxFe2-xTiO5・yTiO2(但し、0<
x≦1.5、0≦y)という構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な無毒無公害の顔
料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境汚染の問題から黄鉛、カドミ
ウムイエロ−、チタンイエロ−等の有害元素を含む顔料
の使用が制限されつつあり、これらの有害元素を含む顔
料を代替えできる新規な黄色顔料の開発が急がれてい
る。黄褐色〜赤褐色を呈し、且つ有害元素を含まない鉱
物としてFe2TiO5 (シュ−ドブルッカイト)が報告され
ている。鈴木はアナタ−ゼ型TiO2とα-Fe2O3 (ヘマタ
イト)を原料にしてFe2TiO5を合成し、800℃以上でF
e2TiO5が生成し始めるものの、 反応を完結させるには
1200℃以上に加熱する必要があると報告したが、こ
のような高温度で合成されたFe2TiO5は粒子が大きいた
め、 彩度、着色力および隠蔽力に劣るものでしかなか
った( 鈴木福二、色材、57、1052-1059(1984))。
【0003】特開昭50-51128はFe2TiO5を含む黄色顔料
として、Fe2TiO5・xTiO2 (x=0〜約15)を提案し
た。この顔料はFe2TiO5とTiO2からなる黄色顔料であ
る。 この発明は、Fe2TiO5とTiO2の混合割合により色調
を調整でき、 原料に含水酸化物を使用した為600〜
1100℃の低温度での合成が可能であり1μm以下の
微細粒子が得られるとし、更には、還元雰囲気で反応さ
せると黄味の強い生成物が得られること等を特徴として
いるが、このような手段を講じても得られる生成物の色
調は彩度の低いものでしかなく上記の顔料の代替えには
成り得なかった。陶山等はTiCl4−FeCl3(あるいはFeCl
2)系、 800〜1250℃での気相反応によってTiO2
−Fe2O3系微粉体を合成し、 平均粒子径が0.03〜
0.1μmの粉末を得たが、これらの粉末は、 アナタ
−ゼ型TiO2、Fe2TiO5およびα-Fe2O3からなり、その色
調はα-Fe2O3の混入の影響で赤味の強いものであり、黄
色顔料として利用できるものではなかった(陶山容子、
加藤昭夫、色材、53、1035-1043(1980))。
【0004】Al2O3−Fe2O3系の化合物としてはAlFeO3
けが存在し、この化合物は大気圧下では1318〜14
08℃の範囲で安定に存在すると報告されている(Arnu
lf Muan、American Journal of Science 、256 、413-4
22(1958))。金子等は、硫酸第2鉄と硫酸アルミニウ
ムの混合水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を添加してp
Hが10〜12の範囲に中和して得た水酸化第2鉄と、
水酸化アルミニウムの共沈殿物を350〜900℃で5
時間加熱した場合、AlFeO3は生成せずにα-Fe2O3とα-A
l2O3が生成したと報告した(金子純久、伊藤征司郎、桑
原利秀、近畿大学工学部第20周年記念論文集、15〜21(1
978)) 。Al2O3−TiO2系の化合物としてはAl2TiO5のみ
が報告されており、この化合物は、Fe2TiO5構造を持
ち、 1250℃よりも低い温度ではα-Al2O3とルチル
型TiO2に分解するとされている。 また、Goldberg は、
TiCl4とAlCl3の混合水溶液にアンモニアを添加して得た
共沈澱物を1200℃以上の温度に加熱して合成したAl
2TiO5に、Fe2O3を添加してFexAl2-xTiO5とし、この固溶
体は室温で安定とした。(Daniel Goldberg, Rev. Int.
Haut es. et Refract., 5, 181-194(1968))。しか
し、この方法で合成した固溶体は焼結が著しく進行して
凝結状態にあり、顔料として使用できるものではなかっ
た。
【0005】尚、徳永等はTiCl4−AlBr3−O2系の800
〜1400℃での気相反応により、TiO2−Al2O3系微粉
体を合成し、1200℃以上、Al2O3約20mol%以上でA
l2TiO5が生成したが、この相は準安定的に生成したもの
であり、 1100〜1250℃でα-Al2O3とルチル型T
iO2に分解したと報告した(徳永幸男、陶山容子、加藤
昭夫、日本化学会誌、No.11 、1758-17102(1982)) 。
彼等はAl2TiO5−Fe2TiO5系については何ら記載していな
い。尚、二酸化チタンにFeやAlが固溶することは公知で
ある(清野学、 "酸化チタン物性と応用" 、技法堂出
版、(1991)pp.96)。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】このように、有害元素
を含む黄色顔料の代替えとなる新規な黄色顔料の開発が
急がれてはいるものの、その開発は遅々として進まず現
実には前記の有害元素を含む黄色顔料を使用せざるを得
ない状況が続いていた。 また、Fe2TiO5-Al2TiO5系固溶
体の微細粒子粉末の合成例はなかった。本発明は前記の
有害元素を含む黄色顔料に代替えできる、優れた顔料特
性を持つ新規な顔料およびその製造法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明者等は上記の課題を解決
する為鋭意研究を行った結果、Fe2TiO5- Al2TiO5系の固
溶体の微細粒子粉末は極めて黄味が強く、彩度の高い黄
色を呈することを見出し本発明を完成した。本発明は2
〜15m2/gの範囲の比表面積と組成AlxFe2-xTiO5
yTiO2(但し、0<x≦1.5、0≦y)を有すること
を特徴とする顔料を提供するものである。この顔料はAl
xFe2-xTiO5単相、あるいは AlxFe2-xTiO5 とTiO2から構
成される。TiO2相には若干量のFeとAlが固溶していても
よい。 AlxFe2-xTiO5 ・yTiO2においては、xの値とy
の値により色調が変化し、xの値を大きくすると黄味が
強くなり、yの値を大きくすると白度が高く、淡い色調
の顔料が得られる。尚、構成相であるTiO2にFeが固溶し
た場合淡黄色を呈し、黄色の発色に寄与する。本発明に
かかる耐熱性顔料の比表面積は2〜15m2/gの範囲
内であればよいが、3〜12m2/gの範囲がより好ま
しい。本発明のAlxFe2-xTiO5・yTiO2のxの値は0<x
≦1.5の範囲であればよいが、より好ましくは0.02
≦x≦1.2、最も好ましくは0.03≦x≦1.0で
ある。すなわち、xがこの値よりも小さいと粉末の色調
が褐色を呈して黄色顔料としての利用価値が減少するた
め好ましくなく、また、大きすぎると屈折率が低下する
ために着色力や隠蔽力の小さい顔料となる為好ましくな
い。
【0008】屈折率に関しては一般に加成性が成立し、
以下の式で表すことができる。 n=1+ρΣPiKi ρ :密度 Pi:i番目の成分の重量分率 Ki:i番目の成分の重量屈折率 本発明の顔料の各成分について、各データは以下の通り
である。 589nmでの屈折率であるnD ルチル型TiO2 2.72 アナターゼ型TiO2 2.52 α−Al23 1.77 α−Fe23 3.08 重量屈折率 TiO2 0.40 Al23 0.20 Fe23 0.39 なお、Fe23については重量屈折率は文献に記載され
ていないが、α−Fe23の屈折率と密度から計算し
た。上記のデータを使用して上式によりFe2TiO5
Al2TiO5の屈折率を計算すると以下の結果が得られ
た。 Fe2TiO5 2.73 (ρ=4.4) Al2TiO5 2.07 (ρ=3.7) 本発明の顔料は、上記の数値を使用して上式に基づいて
屈折率を計算した時、2.3以上、好ましくは2.4以
上の屈折率を有することが望ましい。
【0009】また、yの値は0以上であればよいが、好
ましくは0≦y≦10、より好ましくは0≦y≦7であ
る。この範囲では、彩度のより優れた顔料が得られる。
本発明の顔料は無毒無公害であることおよび耐熱性に優
れることを特徴とするが、焼結粒子が少ない為、水中で
の分散性および分散安定性にも優れているので、各種の
水溶性樹脂に混合して容易に塗料化できる。本発明にか
かる顔料の平均粒子径は好ましくは1μm以下、より好
ましくは0.1−1.0μm、最も好ましくは0.2−
0.7μmである。粒子径は顔料を水中に分散し、粒度
計で測定することにより求めることができる。本発明に
かかる顔料の粒子形状は粒状ないし柱状である。含水酸
化物生成後、中和により生じた塩を洗浄せずに焼成した
場合は、柱状の形態を採る傾向がある。
【0010】本発明にかかる顔料は、優れた耐熱性を有
し、たとえば約200℃以上の温度で処理される有機プ
ラスチック(ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチ
レンなど)、あるいは500℃以上の温度までに加熱さ
れるエナメル、セラミックス、セラミック塊状物または
コンクリート屋根タイル粒状物に対する無機うわぐすり
などの製造に使用することができる。
【0011】本発明にかかる顔料は代表的には以下の方
法で製造される。すなわち、硫酸チタニル水溶液を加熱
加水分解して生成する凝集沈殿物を洗浄後解膠して得ら
れるチタニアゾル、あるいはチタンの塩酸酸性水溶液を
加熱加水分解後解膠して得られるチタニアゾルに、水溶
性鉄化合物および水溶性アルミニウム化合物を添加後、
アルカリを添加して中和した後、濾過、洗浄、乾燥、焼
成すればよい。チタニアゾルの成分であるチタニア微粒
子は、含水酸化チタンを意味し、本発明においては、非
晶質のものやアナタ−ゼ型およびルチル型の構造を示す
ものが使用される。硫酸チタニル水溶液を加熱加水分解
して生成する凝集沈殿物からのチタニアゾルは、凝集沈
殿物を洗浄した後スラリ−状とし、水酸化ナトリウム水
溶液やアンモニア水等のアルカリで中和し、濾過、洗浄
して硫酸根を除去し、引き続きスラリ−化し、塩酸や硝
酸等の一塩基酸を加えて、該スラリ−のpHを3以下、
望ましくは2〜1に調整して解膠することにより得られ
る。また、チタンの塩酸酸性水溶液を加熱加水分解して
生成する凝集沈殿物からのチタニアゾルは、濾過、洗浄
後、スラリ−化し、塩酸や硝酸等の一塩基酸を加えて、
該スラリ−のpHを3以下、望ましくは2〜1に調整す
ることで得られる。
【0012】硫酸チタニル水溶液やチタンの塩酸酸性水
溶液を加熱加水分解して得られる含水酸化チタンの凝集
沈殿物をTiO2源としてそのまま使用しても差し支えない
が、分散性に優れ、且つ鮮明な色調の黄色顔料粉末を得
るにはチタニアゾルをTiO2源に使用する方が好ましい。
特に、硫酸チタニル源の含水酸化チタンをTiO2源に使用
する際には含水酸化チタンに含まれるSO3の影響でα-Fe
2O3 が顔料粉末中に残存し、赤味の強い顔料粉末が得ら
れ易いので、 予め洗浄によりSO3を除去することが望ま
しい。水溶性鉄化合物としては、塩化第2鉄、塩化第1
鉄、硝酸第2鉄、硝酸第1鉄等が使用できる。硫酸塩
は、AlxFe2-xTiO5・yTiO2式においてxおよびyが大き
くてFe含有量が少ない場合には問題なく使用できる場合
もあるが、概して、α-Fe2O3の残存により赤味の強い顔
料粉末が得られる傾向にあるので使用しない方が好まし
い。また、第1鉄塩を使用する場合には酸化雰囲気で焼
成する必要がある。水溶性アルミニウム化合物として
は、塩化アルミニウム、ポリアルミニウムクロライド、
硝酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等が使用でき
る。硫酸アルミニウムはFe2O3 源と同様な理由で使用し
ない方が好ましい。
【0013】アルカリを添加して中和する時のスラリ−
のpHは8〜10の範囲が適切である。すなわち、この
範囲よりも低い領域ではα-Fe2O3の混入により赤味の強
い顔料粉末が得られる傾向にあり、また、高い領域では
アルミウニムの溶解度が大きくなる為好ましくない。中
和により得られたスラリ−は噴霧乾燥しても良いし、濾
過による固液分離後、洗浄、乾燥しても良い。焼成温度
は800〜1100℃が適切である。すなわち、これよ
りも低い温度では反応の完結に長時間を必要とする為好
ましくなく、また、高温度では粒子の焼結が進み、分散
性が悪く且つ不鮮明な色調の顔料粉末が得られやすい。
尚、チタンの塩酸酸性水溶液に、前記の水溶性鉄化合物
および水溶性アルミニウムを添加混合してチタン、鉄お
よびアルミニウムの酸性水溶液とし、これにアルカリを
添加して中和して得た含水酸化物を800〜1100℃
で焼成する方法も有効である。
【0014】更に、本発明は前記の粒子の表面に被覆
層、好ましくはケイ素の含水酸化物およびアルミニウム
の含水酸化物から成る群より選ばれた少なくとも1種の
含水酸化物の被覆層を設けた顔料を提供する。本発明の
顔料は、水分散性に優れているが、塗料中での分散性や
分散安定性については分散媒樹脂樹脂や溶剤との馴染み
が問題となり、樹脂や溶剤の種類によっては分散安定性
に問題が生ずる場合がある。このような場合には公知の
方法で、粒子表面を例えばケイ素やアルミニウムの含水
酸化物等で被覆処理して馴染みを改善することが好まし
い。本発明の顔料は水分散性に優れているので、このよ
うな被覆処理が特に有効に活用される。被覆材の種類、
使用量は特に限定するものではなく、使用される樹脂や
溶剤の種類に合わせて適宜選択し、処理することができ
る。例えば、前述のケイ素および/またはアルミニウム
の含水酸化物による処理をしても良いし、スズの含水酸
化物および/またはジルコニウムの含水酸化物を最内層
に被覆し、次にケイ素の含水酸化物を中間層に被覆し、
最後にアルミニウムの含水酸化物で被覆しても良い。そ
の他、チタニウム、セリウムまたは亜鉛等の含水酸化物
で被覆することもできる。更に、公知の有機被覆材、例
えばステアリン酸アルミニウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸、アルカノ−ルアミンのような界面活性剤、多価
アルコ−ル、オルガノシロキサン化合物、シラン系、チ
タネ−ト系およびアルミニウム系のカップリング剤など
も使用できる。一般的には、ケイ素および/またはアル
ミニウムの含水酸化物による処理が好適に行われる。ケ
イ素やアルミニウムの含水酸化物で処理する場合は、 S
iO2およびAl2O3に換算してTiO2に対してそれぞれ1〜2
0重量%が適当である。処理量が多すぎると返って分散
性が低下する。
【0015】この被覆処理は公知の方法で行うことがで
きる。例えば、ケイ素および/またはアルミニウムの含
水酸化物により処理する場合には、前記の焼成工程で得
られたAlxFe2-xTiO5相あるいはAlxFe2-xTiO5相とFe,Al
固溶二酸化チタンからなる顔料を、TiO2として50〜2
50g/リットル、望ましくは120〜200g/リッ
トルの濃度となるよう水中に分散させて水性スラリ−と
し、このスラリ−に水溶性のケイ素および/またはアル
ミニウム化合物を、好ましくはケイ素の含水酸化物およ
び/またはアルミニウムの含水酸化物の被覆量が焼成品
に対しSiO2およびAl2O3に換算してそれぞれ1〜20重
量%となるような量で添加後、中和すればよい。たとえ
ば、水溶性のケイ酸塩として、ケイ酸ナトリウムを使用
した場合には、硫酸、硝酸、塩酸などの酸を上記の水性
スラリ−に添加して、該スラリ−のpHを7に調整す
る。また、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アル
ミニウムを使用した場合には、水酸化ナトリウムや水酸
化カリウム等のアルカリを添加して顔料粒子を分散させ
た水性スラリ−のpHを7に調整する。
【0016】また、各種無機・有機被覆材による処理方
法も公知であり、必要に応じ適当な方法により処理する
ことができる。尚、天然産のルチル型酸化チタンやイル
メナイトなどの鉱石をTiO2源として製造したチタニウム
化合物はニオブ、タンタルなどを始めとする鉱石に由来
する各種の不純物を含んでおり、この内の一部が顔料中
に残存してくるが、色調に対する影響は軽微であり何ら
問題はない。本発明にかかる顔料は、無毒無公害な黄色
顔料として公知の全ての分野に使用することができ、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、よう着用トラフィックペイ
ント、エナメル、セラミックス、釉薬等の着色材として
特に好適に使用される。以下に実施例を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。以下の実施例は単に例示の為に記
すものであり、発明の範囲がこれらによって制限される
ものではない。
【0017】実施例1〜10 TiO2として120g/リットルのチタニアゾル3リット
ルに、 Fe2O3として260g/リットルの塩化第2鉄水
溶液とAl2O3 として120g/リットルのポリアルミニ
ウムクロライド水溶液を表1に示す組成に相当する量添
加した後、200g/リットルの水酸化ナトリウム水溶
液を滴下して該スラリ−のpHを9.0に調整した後、
1時間撹拌し続けた。濾過、洗浄後、110℃で乾燥し
た。乾燥物をアルミナるつぼに入れ電気炉に挿入して、
200℃/時の速度で950℃まで昇温した後、該温度
に1時間保持した。250℃/時の速度で200℃まで
降温した後、電気炉より焼成物を取り出した。石川式擂
潰機で粉砕した後、 935Kg/cm2の圧力で加圧成
形した試料の色調をスガ試験機株式会社製カラ−テスタ
−SC−2−CHにより測色した。測色値を表1に示
す。尚、この表にはBET法による比表面積の測定値も
記した。
【0018】
【表1】
【0019】比較例1〜5 TiO2として120g/リットルのチタニアゾル3リット
ルに、 Fe2O3として210g/リットルの塩化第2鉄水
溶液を表2に示す組成に相当する量添加した後、200
g/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して該ス
ラリ−のpHを9.0に調整した後、1時間撹拌し続け
た。濾過、洗浄後、110℃で乾燥した。乾燥物をアル
ミナるつぼに入れ電気炉に挿入して、200℃/時の速
度で950℃まで昇温した後、該温度に1時間保持し
た。250℃/時の速度で200℃まで降温した後、電
気炉より焼成物を取り出した。実施例1〜10と同様な
条件で加圧成形体の色調および粉末のBET比表面積を
測定した。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】実施例および比較例の生成物を粉末X線回
折により調べたところ、実施例のシュ−ドブルッカイト
相の回折線は比較例のシュ−ドブルッカイト相の回折線
よりも高角度側に移行していた。例えば、実施例2のシ
ュ−ドブルッカイト相の(230)格子面間隔dは2.
721オングストロームであり、比較例1のそれは2.
749オングストロームであった。これは、Fe3+よりも
イオン半径の小さいAl3+がシュ−ドブルッカイトの結晶
格子に置換固溶したためと判断される。また、比較例の
試料はシュ−ドブルッカイト相とルチル型TiO2相からな
っていたが、実施例の試料はシュ−ドブルッカイト相、
ルチル型TiO2相およびアナタ−ゼ型TiO2相で構成されて
いた。実施例1〜10の生成物と宇部サイコン製ABS
樹脂サイコラックUT−30をナカタニ機械製2軸2ベ
ント型押出機を使用して280℃で混練した後、山城精
機製縦型射出成形機SAV−30−30により同温度で
射出成形した。射出試験機での滞留時間を5〜60分ま
で変化させて試験片を作製し色調を調べたところ、試験
片の色調には特に有意差はなく、耐熱性には何ら問題の
ないことが分かった。
【0022】実施例11〜12 TiO2として100g/リットルのチタニアゾル3リット
ルに、 Fe2O3として260g/リットルの塩化第1鉄水
溶液とAl2O3 として80g/リットルの硝酸アルミニウ
ム水溶液を表3に示す組成に相当する量添加した後、2
00g/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して
該スラリ−のpHを9.5に調整した後、1時間撹拌し
続けた。濾過、洗浄後、110℃で乾燥した。乾燥物を
アルミナるつぼに入れ電気炉に挿入して、200℃/時
の速度で900℃まで昇温した後、該温度に1時間保持
した。250℃/時の速度で200℃まで降温した後、
電気炉より焼成物を取り出した。実施例1〜10と同様
な条件で加圧成形体の色調および粉末のBET比表面積
を測定した。結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】実施例11の試料はシュ−ドブルッカイト
相とルチル型TiO2相の2相から構成されていた。
【0025】実施例13 実施例2で得られた焼成粉末200gを150g/リッ
トルの水性スラリ−とし、 Al2O3として200g/リッ
トルのアルミン酸ナトリウム水溶液130mlを添加し
た後、塩酸を滴下して、該スラリ−のpHを6.5に調
整した。濾過、洗浄して110℃で乾燥した。得られた
顔料の粒径を株式会社セイシン企業製SK LASER MICRON
SIZER PRO-7000S で測定したところ、0.25μmであ
った。得られた顔料を以下の割合で配合した。 粉末 8.0g オイルフリーアルキッド 40.0g (大日本インキ化学工業製M−6401) トルエン/酢酸ブチル(1/1) 4.0ml 3mmφのアルミナビーズ60.0gを使用し、レッド
デビル社製ペイントコンディショナーで分散させ、アル
キッド塗料を作製し、各分散時間における塗料中の粒を
5分毎にグラインドゲージで調べた。10μm以下にな
るまでの分散時間は15−20分であり、分散性に優れ
ていた。
【0026】実施例14 実施例2で得られた焼成粉末300gを250g/リッ
トルの水性スラリ−とし、SiO2として85g/リットル
のケイ酸ナトリウム水溶液280mlを添加した後、
更にAl2O3として107g/リットルの硫酸アルミニウ
ム水溶液240mlを添加した。該スラリ−に水酸化ナ
トリウム水溶液を滴下してpHを7.0に調整した。濾
過、洗浄して110℃で乾燥した。得られた顔料の粒径
を株式会社セイシン企業製 SK LASER MICRON SIZER PR
O-7000S で測定したところ、0.34μmであった。得
られた顔料を以下の割合で配合した。 粉末 5.82g ニトロセルロース溶剤 22.1g 溶剤 10.1g DBP 1.9g ニトロセルロース溶剤は、重量比でニトロセルロース:
酢酸ブチル:酢酸エチル:エチルセロソルブ:トルエン
=10:8:5:4:6の混合溶剤であり、溶剤は重量
部で酢酸ブチル:酢酸エチル:エチルセロソルブ:トル
エン=8:5:4:6の混合溶剤である。80mlのマ
ヨネーズ瓶に上記配合物と3mmφのアルミナビーズ6
5.0gを投入し、レッドデビル社製ペイントコンディ
ショナーで分散させ、ニトロセルローズ塗料を作製し、
各分散時間における塗料中の粒を5分毎にグラインドゲ
ージで調べた。10μm以下になるまでの分散時間は1
5−20分であり、分散性に優れていた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が2〜15m2/gであり、 組
    成AlxFe2-xTiO5・yTiO2(但し、0<x≦1.5、0≦
    y)を有することを特徴とする顔料。
  2. 【請求項2】 粒子表面に被覆層を有する請求項1記載
    の顔料。
  3. 【請求項3】 粒子表面に、ケイ素の含水酸化物および
    アルミニウムの含水酸化物からなる群から選ばれた少な
    くとも1種の含水酸化物の被覆層を有する請求項1記載
    の顔料。
  4. 【請求項4】 比表面積が2〜15m2/gであり、 組
    成AlxFe2-xTiO5・yTiO2(但し、0<x、0≦y)を有
    し、屈折率が2.3以上である顔料。
  5. 【請求項5】 含水酸化チタンの分散スラリ−に水溶性
    鉄化合物および水溶性アルミニウム化合物を添加した
    後、アルカリを添加して中和し、濾過、洗浄、乾燥後、
    800〜1100℃で焼成することを特徴とする請求項
    1記載の顔料の製造法。
  6. 【請求項6】 含水酸化チタンの分散スラリ−に水溶性
    鉄化合物および水溶性アルミニウム化合物を添加した
    後、アルカリを添加して中和し、濾過、洗浄、乾燥後、
    800〜1100℃で焼成し、この後該焼成物を水中に
    分散して水性スラリ−とし、このスラリ−に水溶性のケ
    イ素化合物およびアルミニウム化合物からなる群より選
    ばれる少なくとも1種の化合物を添加後中和することを
    特徴とする請求項3記載の顔料の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の顔料を含むことを特徴と
    する塗料および樹脂組成物。
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