JPH10204240A - 塩素含有重合体用安定剤及び塩素含有重合体組成物 - Google Patents

塩素含有重合体用安定剤及び塩素含有重合体組成物

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JPH10204240A
JPH10204240A JP1962797A JP1962797A JPH10204240A JP H10204240 A JPH10204240 A JP H10204240A JP 1962797 A JP1962797 A JP 1962797A JP 1962797 A JP1962797 A JP 1962797A JP H10204240 A JPH10204240 A JP H10204240A
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tribasic lead
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正明 菅原
Osamu Saito
修 斉藤
Toshihiro Yamamoto
敏広 山本
Kazuto Sukai
和人 須貝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素含有重合体組成物を押出成形或いは射出
成形を行った場合、成形体の外観上の異方性がなく、し
かも静的及び動的熱安定性が顕著に向上した三塩基性硫
酸鉛系の塩素含有重合体用安定剤を提供するにある。 【解決手段】 三塩基性硫酸鉛とこれを被覆する高級脂
肪酸鉛とから成る塩素含有重合体用安定剤において、三
塩基性硫酸鉛が、特定のX線回折像を有し、体積基準メ
ジアン径が0.5乃至0.8μmの範囲にあり且つアス
ペクト比が1.0乃至1.5の範囲にある三塩基性硫酸
鉛から成ることを特徴とする塩素含有重合体用安定剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静的及び動的熱安
定性に優れしかも成形時における配向による変色傾向が
防止された塩素含有重合体用安定剤並びに上記安定剤を
含有する塩素含有重合体用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素含有重合体、例えば塩化ビニル樹脂
は熱及び光に曝されるとその分子鎖内で脱塩酸を生じ、
分解、変色等が生じる。この熱分解に対して塩化ビニル
樹脂を安定化するために、従来種々の安定剤或いは安定
剤組成物が提案され、広く使用されている。
【0003】塩素含有重合体の熱安定化剤としては、三
塩基性硫酸鉛が一般的なものであり、熱安定性にも優れ
ていることから、工業的な塩素含有重合体成形品の熱安
定化に広く使用されている。
【0004】三塩基性硫酸鉛の塩素含有重合体への分散
性を向上させるために、三塩基性硫酸鉛粒子の表面を高
級脂肪酸鉛で被覆することもよく行われている。また、
三塩基性硫酸鉛として、種々のX線回折像を有するもの
を使用することも知られている。
【0005】本出願人の出願にかかる特公昭49−15
625号公報(公知例1)には、式 R=I3.27/I3.09 式中、I3.27はX線回折像のd=3.27オングストロ
ームにおける強度を、I3.09はX線回折像のd=3.0
9オングストロームにおける強度を表す、で定義される
X線強度比(R)が6以下である微結晶三塩基性硫酸鉛
を、塩素含有重合体に配合すると鉛溶出が抑制されるこ
とが記載されている。
【0006】また、特公昭58−31105号公報(公
知例2)には、0.2ミクロン以下の数平均短径、1.
8g/ml以下の嵩比重を有し且つ前記X線強度比
(R)が7以上である三塩基性硫酸鉛は、熱安定性や電
気絶縁性に優れた塩素含有重合体用安定剤となることが
記載されている。
【0007】更に、特公平7−45598号公報(公知
例3)には、d=3.27オングストローム、d=3.
14オングストロームおよびd=3.09オングストロ
ームにおけるX線回折像の相対ピーク強度をI3.27
3.14及びI3.09としたとき、下記 I3.14/I3.27=0.45〜0.75 I3.09/I3.27=0.30〜0.75 及び I3.09/I3.14=0.90〜1.50 で表されるX線回折像を有する三塩基性硫酸鉛を塩素含
有重合体用安定剤として使用することが記載されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記公知例1で用いる
微結晶三塩基性硫酸鉛は、微細結晶であるとはいえ、未
だ1乃至2μm程度の大きい粒径を有するものであり、
静的及び動的熱安定性の点で未だ十分満足しうるもので
はなかった。
【0009】また、公知例2で用いる三塩基性硫酸鉛
は、短径が0.2μm以下に減少されており、熱安定性
や電気絶縁性には優れているものの、アスペクト比が3
以上の薄片状の結晶であり、これを配合した塩素含有重
合体組成物を押出成形或いは射出成形を行った場合、成
形品に外観上の欠点を生じるのである。即ち、樹脂の押
出方向に対して直角の断面では、上層部及び下層部に比
して中間の部分では幾分白っぽい外観を呈し、一方樹脂
の押出方向に対して平行の断面では、上層部及び下層部
に比して中間の部分では幾分黒っぽい外観を呈するとい
う外観上の異方性が認められるのである。また、射出成
形においてはウエルド部に配向に伴う色むらが生じるの
である。
【0010】更に、公知例3で使用する三塩基性硫酸鉛
は、立方体に近い粒子形状を有し、成形体の外観上の異
方性が解消されているとしても、粒径が未だ大きく、静
的及び動的熱安定性の点で未だ十分満足しうるものでは
なかった。
【0011】かくして、三塩基性硫酸鉛から成る塩素含
有重合体用安定剤の分野において、成形体の外観上の異
方性の解消と、静的及び動的熱安定性の向上との両方に
おいて満足しうるものは未だ知られていない。
【0012】従って、本発明の目的は、前述した成形体
の外観上の異方性が解消され、しかも静的及び動的熱安
定性が顕著に向上した三塩基性硫酸鉛系の塩素含有重合
体用安定剤を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、三塩基
性硫酸鉛とこれを被覆する高級脂肪酸鉛とから成る塩素
含有重合体用安定剤において、三塩基性硫酸鉛が、d=
3.27オングストローム、d=3.14オングストロ
ームおよびd=3.09オングストロームにおけるX線
回折像の相対ピーク強度をI3.273.14及びI3.09とし
たとき、下記 I3.14/I3.27=0.20〜0.44 I3.09/I3.27=0.10〜0.29 及び I3.09/I3.14=0.50〜0.85 で表されるX線回折像を有し、体積基準メジアン径が
0.5乃至0.8μmの範囲にあり且つアスペクト比が
1.0乃至1.5の範囲にある三塩基性硫酸鉛から成る
ことを特徴とする塩素含有重合体用安定剤が提供され
る。
【0014】本発明に用いる三塩基性硫酸鉛は体積基準
累積粒度分布における25%粒径をD25及び75%粒
径をD75としたとき、D25/D75で定義される粒
度の均整度が3.0以下であることが好ましい。
【0015】本発明によればまた、塩素含有重合体10
0重量部当たり三塩基性硫酸鉛とこれを被覆する高級脂
肪酸鉛とから成る安定剤0.1乃至100重量部を配合
して成る塩素含有重合体組成物において、前記三塩基性
硫酸鉛が、d=3.27オングストローム、d=3.1
4オングストロームおよびd=3.09オングストロー
ムにおけるX線回折像の相対ピーク強度をI3.273.14
及びI3.09としたとき、下記 I3.14/I3.27=0.20〜0.44 I3.09/I3.27=0.10〜0.29 及び I3.09/I3.14=0.50〜0.85 で表されるX線回折像を有し、体積基準メジアン径が
0.5乃至0.8μmの範囲にあり且つアスペクト比が
1.0乃至1.5の範囲にある三塩基性硫酸鉛から成る
ことを特徴とする押出成形用塩素含有重合体組成物が提
供される。
【0016】本発明によれば更に、塩素含有重合体10
0重量部当たり三塩基性硫酸鉛とこれを被覆する高級脂
肪酸鉛とから成る安定剤0.1乃至100重量部を配合
して成る塩素含有重合体組成物において、前記三塩基性
硫酸鉛が、d=3.27オングストローム、d=3.1
4オングストロームおよびd=3.09オングストロー
ムにおけるX線回折像の相対ピーク強度をI3.273.14
及びI3.09としたとき、下記 I3.14/I3.27=0.20〜0.44 I3.09/I3.27=0.10〜0.29 及び I3.09/I3.14=0.50〜0.85 で表されるX線回折像を有し、体積基準メジアン径が
0.5乃至0.8μmの範囲にあり且つアスペクト比が
1.0乃至1.5の範囲にある三塩基性硫酸鉛から成る
ことを特徴とする射出成形用塩素含有重合体組成物が提
供される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に用いる塩素含有重合体用
安定剤は、三塩基性硫酸鉛とこれを被覆する高級脂肪酸
鉛とから成るが、用いる三塩基性硫酸鉛が、前述した相
対ピーク強度比で表されるX線回折像を有すること、体
積基準メジアン径が0.5乃至0.8μmと微細な範囲
にあること、及びアスペクト比が1.0乃至1.5と立
方体に近い形状を有することが特徴である。
【0018】本発明で安定剤として使用する三塩基性硫
酸鉛は、体積基準メジアン径が0.5乃至0.8μmと
微細でありながら、アスペクト比が1.0乃至1.5と
立方体に近い粒子形状を示すことが特徴である。この特
徴の故に、本発明の安定剤は、塩素含有重合体に配合し
て、異形押出成形や射出成形等の用途に使用したとき、
三塩基性硫酸鉛粒子の配向による白化や色むら等を生じ
ることがなく、成形体の外観特性や内部組織の均一性に
優れているのみならず、動的熱安定性や静的熱安定性も
優れており、この事実は後述する実施例及び比較例を参
照することにより明らかとなろう。
【0019】普通の方法で製造される三塩基性硫酸鉛粒
子(市販品)はb軸方向に結晶が発達しており、b/a
で定義されるアスペクト比は一般に2乃至10の範囲で
あり、体積基準メジアン径は1.5乃至5μm程度のか
なり大きなものであり、この安定剤を配合した塩素含有
重合体組成物は、成形時に粒子が配向する傾向がある。
【0020】上記の普通の三塩基性硫酸鉛を微粒子化す
るために、ボールミル等で湿式粉砕することも考えられ
るが、このように湿式粉砕した三塩基性硫酸鉛は、体積
基準メジアン径が0.5乃至1.5μm程度に微細化さ
れるが、粒子形状は、粉砕前の三塩基性硫酸鉛のそれに
似ており、アスペクト比はやはり2乃至5のオーダーで
あり、成形時にやはり粒子が配向する傾向がある。
【0021】一方、アスペクト比が1乃至1.5の範囲
にある三塩基性硫酸鉛としては、特公平7−45598
号公報(特開昭63−137937号公報)記載のもの
があるが、この粒子は、体積基準メジアン径が2乃至1
0μmのオーダーであって、熱安定性が未だ不十分であ
る。
【0022】本発明者らは、普通の方法で製造される三
塩基性硫酸鉛に、粒状の高級脂肪酸鉛を添加し、前記粒
径になるまで乾式下に衝撃粉砕を行うときには、前記粒
度特性とアスペクト比とを有し、従来にないX線回折像
を示す三塩基性硫酸鉛が得られることを見いだした。
【0023】本発明に用いる三塩基性硫酸鉛粒子と、従
来の三塩基性硫酸鉛粒子とを、X線回折像、体積基準メ
ジアン径、アスペクト比及び粒度の均整度に関して対比
すると、下記表1のとおりとなる。
【0024】表中の試料名は次のものを意味する。 A:本発明で使用する三塩基性硫酸鉛粒子、 B:特公昭49−15625号公報の図1に市販品とし
て記載された三塩基性硫酸鉛(試料No1)、 C:特公昭49−15625号公報の図1に市販品の湿
式粉砕品として記載された三塩基性硫酸鉛(試料No
2)、 D:特公昭49−15625号公報の図1に実施例2と
して記載された三塩基性硫酸鉛(試料No12、一酸化
鉛と硫酸との反応を40℃の低温で行ったもの)、 E:特公平7−45598号公報の表1に普通の合成法
によるとして記載された三塩基性硫酸鉛(試料
(A))、 F:特公平7−45598号公報の表1に高級脂肪酸等
の存在下での合成法によるとして記載された三塩基性硫
酸鉛(試料(B))、 G:特公平7−45598号公報の表1に微粒子シリカ
の共存下での合成法によるとして記載された三塩基性硫
酸鉛(試料(C))。
【0025】
【表1】 A B C D E F G X線回折像 I3.14/I3.27 0.20-0.44 0.5 0.59 0.72 0.2 0.42 0.56 I3.09/I3.27 0.10-0.29 0.08 0.3 0.55 0.06 0.14 0.61 I3.09/I3.14 0.55-0.74 0.16 0.48 0.77 0.30 0.33 1.09 体積基準メジ 0.5 -0.8 2.8 1.0 0.9 2.0 1.1 4.9 アン径 アスペクト比 1.0 -1.5 2-10 2-5 2-10 2-10 2-5 1-1.5 粒度の均整度 -3.0 8.1 5.9 4.4 6.1 5.5 2.2
【0026】上記表1の結果によると、本発明で用いる
三塩基性硫酸鉛は、X線回折像において従来知られてい
ないものであると共に、本発明で規定した体積基準メジ
アン径とアスペクト比との両方を満足するものは、全く
無く、更にD25/D75で定義される粒度の均整度が
3.0以下である点でも特異的なものである。
【0027】[三塩基性硫酸鉛及びその製造法]本発明
に用いる三塩基性硫酸鉛は、特公昭49−15625号
公報の表1に市販品として記載された針状の粒子形状の
三塩基性硫酸鉛を、高級脂肪酸鉛の粒状物の存在下に、
衝撃粉砕に付することにより得られる。
【0028】従来、高級脂肪酸鉛で被覆された三塩基性
硫酸鉛は、生成した三塩基性硫酸鉛を含有する水性の反
応混合物中に、高級脂肪酸のアンモニウム石鹸を添加
し、三塩基性硫酸鉛粒子の表面に、その場で高級脂肪酸
鉛を形成させることにより、製造されていた。
【0029】これに対して、本発明では、三塩基性硫酸
鉛を乾式で衝撃粉砕すると共に、この衝撃粉砕に際し
て、粒状の高級脂肪酸鉛を共存させるのである。この衝
撃粉砕により、三塩基性硫酸鉛粒子にはメカノケミカル
的な作用が及ぼされると共に、粒状で存在する高級脂肪
酸鉛は、磨砕混合により三塩基性硫酸鉛粒子の表面に被
覆されるだけではなく、三塩基性硫酸鉛粒子がアスペク
ト比の大きい粒子に粉砕されるのを防止するように作用
していると信じられる。
【0030】原料として用いる三塩基性硫酸鉛は、体積
基準メジアン径が1乃至5μmであり、且つアスペクト
比が2乃至5の範囲にあるものが好ましい。
【0031】鉛塩となる脂肪酸としては、炭素数8乃至
22、特に8乃至14、最も好適には8乃至12の飽和
乃至不飽和脂肪酸、例えばオクチル酸、カプリン酸、ウ
ンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸等の飽和脂肪
酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和
脂肪酸等が使用される。ステアリン酸、パルミチン酸等
を使用することもできるが、亜鉛バーニングを防止する
には、より低級の脂肪酸が好適である。安定性の点では
飽和脂肪酸が望ましく、ラウリン酸が最も好適なもので
ある。脂肪酸は勿論ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の
混合脂肪酸であってもよい。これらの脂肪酸鉛は、滑剤
としての作用をも兼ねるものであり、正塩であることが
好ましい。
【0032】三塩基性硫酸鉛に対する高級脂肪酸鉛の量
は、三塩基性硫酸鉛100重量部当たり、高級脂肪酸鉛
が0.1乃至20重量部、特に0.5乃至10重量部と
なる範囲が好ましい。高級脂肪酸鉛の量が、上記範囲よ
りも少ないときには、本発明の条件を満足する三塩基性
硫酸鉛の形成が困難となる傾向があると共に、樹脂中へ
の分散が低下する傾向があり、熱安定性も若干低下する
傾向がある。一方高級脂肪酸鉛の量が上記範囲よりも多
くなると、衝撃粉砕性が低下すると共に、滑性過多とな
る傾向もある。
【0033】衝撃粉砕は、それ自体公知の装置を用いて
行うことができ、例えば、ジョークラッシャー、ハンマ
ミル、パルペライザー、エッジランナ、スーパーミクロ
ンミル、ロールミル、ジェットミル、ファインビクトリ
ミル、ローラミル、ダイノミル、アクアマイザー、レイ
モンドミル、フェザーミル、パルベライザ、アトマイザ
ー、カッタミル、ディスパミル、ピンミル等を用いて行
うことができる。
【0034】[安定剤]本発明の安定剤は、粉粒体の形
で、即ち粉末の形で、或いは粒状物の形で、単独の安定
剤或いはワンパックの複合安定剤として使用することが
できる。粒状物の製造には、押出成形造粒法、噴霧造粒
法、回転円盤造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法等のそれ
自体公知の造粒法を用いることができる。粉粒体の粒度
は、粒度は目的に応じて任意に調節することができ、一
般に粒径が50μm乃至5mm特に70μm乃至2mm
の範囲にあるのが好適である。
【0035】本発明の複合安定剤には、それ自体公知の
樹脂用配合剤、例えば、安定助剤、着色料、無機或いは
有機の充填剤、酸化防止剤、キレート化剤、滑剤、可塑
剤、抗菌剤、光安定剤、衝撃強化剤、難燃剤、電気絶縁
向上剤等を配合することができる。
【0036】安定助剤としては、無機系或いは有機系の
安定助剤を使用することができ、無機系の安定助剤とし
ては、三塩基性硫酸鉛以外の鉛系安定剤やエアロジル、
疎水処理エアロジル等の微粒子シリカ、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カルシア、マグ
ネシア、チタニア等の金属酸化物、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カルシ
ウム等の金属炭酸塩、A型、P型等の合成ゼオライト及
びその酸処理物又はその金属イオン交換物から成る定形
粒子、アルミナ、アタパルガイド、カオリン、カーボン
ブラック、グラファイト、微粉ケイ酸、、ケイソウ土、
酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト等の安定助剤等
を使用することができる。
【0037】有機系の安定助剤としては、高級脂肪酸の
鉛塩、有機錫系安定剤、亜鉛塩、カルシウム塩、マグネ
シウム塩、バリウム塩等の金属石鹸系を用いることがで
きる。
【0038】衝撃強化剤としては、例えば30〜40%
の塩素を含有する塩素化ポリエチレン、アクリル酸エス
テルを主体とする共重合ゴムにメチルメタクリレート、
スチレン、アクリロニトリル等の単量体をグラフト重合
した多成分系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン樹脂、メタルメタクリエート・ブタジエン・スチ
レン樹脂、酢酸ビニル・エチレン共重合体樹脂などが挙
げられる。
【0039】難燃剤としてはハロゲン系難燃剤は勿論、
アンチモン、ジルコン、モリブデン、アルミニウム、シ
リカ、チタンの酸化物、水酸化物、及び硫化物、ホウ酸
亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、これら亜鉛
化合物の金属水酸化物表面処理品などが挙げられる。
【0040】電気絶縁性向上剤としては、非晶質シリ
カ、焼成カオリン、酸化アルミニウム、珪酸アルミニウ
ム、チタンホワイト、リン酸チタン、リン酸ジルコニウ
ム等を、樹脂100重量部当たり20乃至1000重量
部、特に200乃至500重量部の量で配合することが
できる。
【0041】これらの安定助剤は、単独でも2種以上の
組み合わせでも用いることができる。安定助剤は、三塩
基性硫酸鉛100重量部当たり0.1乃至200重量
部、特に0.5乃至100重量部の量で用いることが好
ましい。
【0042】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールB、ビスフェノールF、2,6−ジフェニル−4−
オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネー
ト、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレン
ビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス
〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオン酸アミド〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッ
ド〕グリコールエステル、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタ
ン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒド
ロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、
1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ルキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリ
コールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられる。
【0043】フェノール系酸化防止剤を、三塩基性硫酸
鉛100重量部当たり0.01乃至5重量部、特に0.
05乃至2重量部の量で用いることが好ましい。この酸
化防止剤は、連鎖反応による減成等を抑制するのに有用
である。
【0044】キレート化剤としては、多価アルコール、
β−ケト酸エステルまたはβ−ジケトンが好ましく、そ
の適当な例は次の通りである。
【0045】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグ
リセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール等を挙げることができる。
【0046】β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルと
しては、例えば、1,3−シクロヘキサジオン、メチレ
ンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−
1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パ
ルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベン
ゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2
−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3
−シクロヘキサンジオン、ビス(ベンゾイル)メタン、
ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−
メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベン
ゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイル
メタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベ
ンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウ
ロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス
(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−
3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセ
チルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベン
ゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイル
メタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビ
ス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメ
タン等を用いることが出来る。
【0047】これらのキレート化剤は、三塩基性硫酸鉛
100重量部当たり0.5乃至20重量部、特に1乃至
10重量部の量で配合することができる。
【0048】[塩素含有重合体組成物]本発明の安定剤
は、塩素含有重合体100重量部当たり、三塩基性硫酸
鉛が0.1乃至100重量部、特に0.5乃至10重量
部となる量で配合するのがよい。上記範囲を下回ると満
足すべき熱安定性が得られず、一方上記範囲を上回る量
で用いても、格別の利点はなく、経済的にかえって不利
となる。
【0049】塩素含有重合体としては、例えば、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素
化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合
体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソ
ブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合
体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩素化ビニル−
塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重
合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ
塩化ビニル等の重合体、及びこれらの塩素含有重合体と
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3
−メチルブテンなどのα−オレフィン重合体又はエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、などのポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリ
スチレン、アクリル樹脂、スチレンと他の単量体(例え
ば無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルな
ど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−
スチレン共重合体とのブレンド品などを挙げることがで
きる。
【0050】本発明の塩素含有重合体組成物には、それ
自体公知の塩素含有重合体用配合剤をそれ自体公知の処
方に従って、配合することができる。例えば、本発明の
組成物には、可塑剤、滑剤、充填剤、着色剤、耐候安定
剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、改質用樹脂乃至ゴム、等の公知の樹脂配合剤を、そ
れ自体公知の処方に従って配合できる。
【0051】可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑
剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステル系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、塩
素系可塑剤、テトラヒドロフタール酸系可塑剤、アゼラ
イン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系
可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、
ピロメリット酸系可塑剤などがあげられる。
【0052】滑剤としては、(イ)流動、天然または合
成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワック
ス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のも
の、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のも
の、(ハ)ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、
オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステ
アロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モ
ノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルス
テアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノス
テアレート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコ
ール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、
(ヘ)ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム等の金
属石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられ
る。
【0053】本発明による安定化塩素含有重合体組成物
は、種々の成形品を製造するための押出成形用樹脂組成
物或いは射出成形用樹脂組成物として有用であり、成形
物における三塩基性硫酸鉛粒子の配向による外観の異方
性を解消するのに有効である。
【0054】
【実施例】本発明を次の例で説明するが、本発明は以下
の例に限定されるものではない。実施例における測定
は、以下の方法で行った。 (1)X線回折測定 理学電機(株)製のRAD−IBシステムを用いて、C
u−Kαにて測定した。 ターゲット Cu フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター 検出器 SC 電圧 40KVP 電流 20mA カウントフルスケール 700c/s スムージングポイント 25 走査速度 1°/min ステップサンプリング 0.02° スリット DS1° RS0.15mm SS1° 照角 6° (2)平均粒径測定 平均粒径(メジアン径;μm)はコールターカウンター
社製のレーザー回折型粒子サイズアナライザー(コール
ターR LS130)を用いて測定した。 (3)ギヤオーブン耐熱性:静的熱安定性試験 混練成形したPVCシートをオーブン中にて190℃に
加熱し、劣化着色するまでの時間(分)を測定してシー
トの耐熱性を評価した。 (4)プラスト耐熱:動的熱安定性試験 東洋精機製作所製ラボプラストミルで、分解までのプラ
スト耐熱時間を測定した。 <試験条件> ラボプラストミル型式 20R200 ローラーミキサ型式 R−60H 容量 約60cc ブレード形状 ローラー型 ブレード回転比 2:3(L:R) 温度 190℃ 回転数 40rpm PVC充填量 63g <配合A> 塩化ビニル樹脂(重合度800) 100 重量部 ステアリン酸バリウム 0.3重量部 ステアリン酸 0.3重量部 顔料 0.5重量部 試料 3.0重量部 (5)押出成形時の配向性試験 下記配合物Bを押出加工し、厚さ4mmのポリ塩化ビニル
硬質板を作成した。この板を切断し、厚み方向切断面の
色相変化有無を観察し、三塩基性硫酸鉛の配向性を確認
した。(配向性の強い材料の場合、切断面、特に切断面
の中央部が著しく配向に起因した変色が確認される。 <配合B> 塩化ビニル樹脂(重合度800) 100 重量部 エポキシ化大豆油 3 重量部 ステアリン酸鉛 1 重量部 顔料 0.3重量部 試料 4.0重量部 評価基準は下記の通りとした。 1:切断面の変色が、見られない。 2:切断面の変色が、わずかに識別できる。 3:切断面の変色が、明確に識別できる。 (6)射出成形時の配向性試験 東芝機械(株)射出成形機による成形品のウエルド部の
配向による色むらを目視観察した。 <試験条件> 射出成形機型式 IS100F−5A 金型 75mm(肉厚)ソケット1個
取り 温度 NH.H3 185℃,H1.H2 195℃ 計量値 160mmサックバック2.0m
m スクリュー 100rpm 背圧 10Kg/cm2 <配合C>配合Aに同じ評価基準は下記の通りとした。 1:ウエルド部の色むらが、見られない。 2:ウエルド部の色むらが、わずかに識別できる。 3:ウエルド部の色むらが、明確に識別できる。
【0055】(実施例1)市販のリサージ(一酸化鉛)
粉末に水を加え、140g/Lのスラリーを調製しこの
スラリー800mLを2Lビーカーに取り、かき混ぜな
がら1.5N酢酸2mLを添加し、スラリー温度を35
〜45℃に調整し、その後、6Nの硫酸41.7mLを
強くかき混ぜながら1分で注加した。このスラリー温度
を60〜65℃に保ちながら90分間撹拌熟成を行い、
三塩基性硫酸鉛の白色スラリーとし、更に水洗、濾過を
行い、110℃で乾燥し三塩基性硫酸鉛の粉末(試料
A)を得た。
【0056】次いでステアリン酸鉛の顆粒状品3.5g
を添加し、均一に混合分散させジェットミルで体積平均
メジアン径が0.7μmになるまで粉砕して三塩基性硫酸
鉛粉末の表面にステアリン酸鉛を被覆し試料(A−1)
を得た。ここで得られた摩砕混合による表面処理三塩基
性硫酸鉛のX線回折像におけるd=3.27Å、d=
3.14Å、d=3.09Åの下記相対ピーク強度を、
先に説明した表1に示す。更に体積基準メジアン径(図
2参照)、アスペクト比(図1参照)、粒度の均整度を
測定して前記表1に示す。
【0057】(実施例2)実施例1で製造した試料A−
1の配合A組成物についてプラスト耐熱及び射出成形性
を試験し、さらに同じ配合物を160℃で5分間混練し
厚さ0.5mmのシートを作成した、このシートについ
て、ギヤオーブン耐熱試験を行った。更に配合B組成物
について押出し試験を行った、その結果を表2に示す。
【0058】(比較例1〜7)実施例2の試料A−1を
下記に示す試料B〜Gに変更した以外は同様にして測定
した、その結果を表2に示す。
【0059】B:市販品の三塩基性硫酸鉛で粒径は2〜
10μmの針状結晶品、これのメジアン径、アスペクト
比、粒度の均整度を測定して前記表1に示す。 C:Bの三塩基性硫酸鉛をポットミルを用いて湿式粉砕
し、粒径1〜2μmに粉砕したもの、これのメジアン
径、アスペクト比、粒度の均整度を測定して前記表1に
示す。 D:市販品一酸化鉛177.9gを3リットルビーカー
にとり、水1200mlを加えて40℃に加熱、6.4
N酢酸1.53mlを添加後、3N硫酸を約65ml3
0分間徐々で徐々に注加pH7.5の三塩基性硫酸鉛の
サスペンションを得、さらに二塩基性ステアリン酸鉛と
して三塩基性硫酸鉛に対して3%に相当するステアリン
酸ソーダ水溶液を加え表面処理を施す。濾過乾燥後粉砕
して試料Dを得る、これのメジアン径、アスペクト比、
粒度の均整度を測定して前記表1に示す。 E:Dの製造方法で反応温度を80℃に変更した三塩基
性硫酸鉛。これのメジアン径、アスペクト比、粒度の均
整度を測定して前記表1に示す F:鱗片状の三塩基性硫酸鉛。これのメジアン径、アス
ペクト比、粒度の均整度を測定して前記表1に示す。 G:微粒子シリカの共存下で合成された三塩基性硫酸
鉛。これのメジアン径、アスペクト比、粒度の均整度を
測定して前記表1に示す。
【0060】
【表2】 A−1 B C D E F G ギヤオーブン耐 100 80 90 90 80 90 70 熱性 190℃劣化時間(分) プラスト耐熱性 22.0 18.9 20.8 21.2 19.5 20.8 18.5 耐熱性(分) 押出成形 1 3 2 2 3 2 1 (断面の白色化) 射出成形 1 3 1 2 3 1 1 (ウエルド部色むら)
【0061】
【発明の効果】本発明では、特異なX線回折像を有し、
しかも体積基準メジアン径が0.5乃至0.8μmと微
細でありながら、アスペクト比が1.0乃至1.5と立
方体に近い粒子形状の三塩基性硫酸鉛を安定剤成分とし
て用いることにより、塩素含有重合体に配合して、異形
押出成形や射出成形等の用途に使用したとき、三塩基性
硫酸鉛粒子の配向による白化や色むら等を生じることが
なく、成形体の外観特性や内部組織の均一性に優れてい
ると共に、動的熱安定性や静的熱安定性も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される三塩基性硫酸鉛(試料A−
1)の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明で使用される三塩基性硫酸鉛(試料A−
1)の粒度分布を示すグラフである。
【図3】本発明で使用される三塩基性硫酸鉛(試料A−
1)のX線回折像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須貝 和人 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三塩基性硫酸鉛とこれを被覆する高級脂
    肪酸鉛とから成る塩素含有重合体用安定剤において、三
    塩基性硫酸鉛が、d=3.27オングストローム、d=
    3.14オングストロームおよびd=3.09オングス
    トロームにおけるX線回折像の相対ピーク強度をI3.27
    3.14及びI3.09としたとき、下記 I3.14/I3.27=0.20〜0.44 I3.09/I3.27=0.10〜0.29 及び I3.09/I3.14=0.50〜0.85 で表されるX線回折像を有し、体積基準メジアン径が
    0.5乃至0.8μmの範囲にあり且つアスペクト比が
    1.0乃至1.5の範囲にある三塩基性硫酸鉛から成る
    ことを特徴とする塩素含有重合体用安定剤。
  2. 【請求項2】 体積基準累積粒度分布における25%粒
    径をD25及び75%粒径をD75としたとき、D25
    /D75で定義される粒度の均整度が3.0以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の塩素含有重合体用安定
    剤。
  3. 【請求項3】 塩素含有重合体100重量部当たり三塩
    基性硫酸鉛とこれを被覆する高級脂肪酸鉛とから成る安
    定剤0.1乃至100重量部を配合して成る塩素含有重
    合体組成物において、前記三塩基性硫酸鉛が、d=3.
    27オングストローム、d=3.14オングストローム
    およびd=3.09オングストロームにおけるX線回折
    像の相対ピーク強度をI3.273.14及びI3.09としたと
    き、下記 I3.14/I3.27=0.20〜0.44 I3.09/I3.27=0.10〜0.29 及び I3.09/I3.14=0.50〜0.85 で表されるX線回折像を有し、体積基準メジアン径が
    0.5乃至0.8μmの範囲にあり且つアスペクト比が
    1.0乃至1.5の範囲にある三塩基性硫酸鉛から成る
    ことを特徴とする押出成形用塩素含有重合体組成物。
  4. 【請求項4】 塩素含有重合体100重量部当たり三塩
    基性硫酸鉛とこれを被覆する高級脂肪酸鉛とから成る安
    定剤0.1乃至100重量部を配合して成る塩素含有重
    合体組成物において、前記三塩基性硫酸鉛が、d=3.
    27オングストローム、d=3.14オングストローム
    およびd=3.09オングストロームにおけるX線回折
    像の相対ピーク強度をI3.273.14及びI3.09としたと
    き、下記 I3.14/I3.27=0.20〜0.44 I3.09/I3.27=0.10〜0.29 及び I3.09/I3.14=0.50〜0.85 で表されるX線回折像を有し、体積基準メジアン径が
    0.5乃至0.8μmの範囲にあり且つアスペクト比が
    1.0乃至1.5の範囲にある三塩基性硫酸鉛から成る
    ことを特徴とする射出成形用塩素含有重合体組成物。
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