JP7404708B2 - 塩素含有樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

塩素含有樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、塩素含有樹脂組成物及びその成形体に関する。
ポリ塩化ビニルに代表される塩素含有樹脂は、柔軟性が高く加工しやすいうえ、機械的強度等の物性にも優れるため、電線、パイプ、継手、異型等の用途に広く使用されている。一方で、塩素含有樹脂は耐熱性(熱安定性ともいう)に課題があり、加工時や使用時の熱に不安定で加熱により分解が生じ、塩化水素や塩素ガスが発生するため、耐熱性や加工性向上の観点から、塩素含有樹脂とともに安定剤が併用されるのが通常である。
昨今の環境問題への意識の高まりにより、近年は従来から使用されてきた鉛系安定剤または有機錫系安定剤に代えて、主にカルシウムやマグネシウム、アルミニウム、亜鉛の各化合物から構成されている低毒性の安定化剤(通称CaZn系安定剤)が使用されることが多くなってきている。しかし、CaZn安定剤は、従来の鉛系安定剤や有機錫系安定剤と比較すると熱安定性に課題があり、射出成形を行った場合に成形体にシルバーストリークやフラッシュを発生させ、これらによる外観不良や物性低下が大きな問題、課題となっている。これに対し、低毒性であって耐熱性等に優れた安定剤として、所定の粒子径の酸化亜鉛粒子を塩素含有樹脂等のハロゲン含有樹脂の安定剤として使用することが開示されている(特許文献1参照)。また、低毒性の安定化剤を使用しながらシルバーストリークやフラッシュの発生を抑制した塩素含有樹脂組成物として、所定の割合のシリカ含有被覆層を表面に有するアルカリ土類金属水酸化物を塩素含有樹脂に対して所定の割合で含む塩素含有樹脂組成物が開示されている(特許文献2参照)。
特開2006-124502号公報 特開2010-70681号公報
上記のとおり、低毒性であって耐熱性等に優れた安定剤や、低毒性の安定化剤を使用しながらシルバーストリークやフラッシュの発生を抑制した塩素含有樹脂組成物が開示されている。しかし、本発明者の検討によると、射出成形で大口径継手等の大型成形体を作製する場合、小口径継手の成形に比べて成形加工条件が厳しいため、シルバーストリーク、フラッシュがより発生しやすくなり、従来技術ではこれらの不具合の発生抑制の点で不十分であるとことが判明した。このため、より耐熱性が優れるとともに、シルバーストリーク、フラッシュの発生をより十分に抑制することができる塩素含有樹脂組成物が求められている。
本発明は、上記現状に鑑み、低毒性の安定化剤を使用した場合でも、耐熱性に優れ、シルバーストリークやフラッシュの発生を十分に抑制することができる塩素含有樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、低毒性の安定化剤を使用した場合でも、耐熱性に優れ、シルバーストリークやフラッシュの発生を十分に抑制することができる塩素含有樹脂組成物について検討したところ、塩素含有樹脂に対して、シリカで被覆された水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウムの少なくとも1つと、所定の平均粒子径を有する微細な酸化亜鉛とをそれぞれ所定の割合で添加すると、安定剤として低毒性の安定化剤を使用した場合でも、大型成形体の射出成形時におけるシルバーストリークやフラッシュの発生を十分に抑制することができ、外観の良好な成形体を得ることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、塩素含有樹脂100質量部に対して、シリカ被覆金属水酸化物として0.07~0.9質量部のシリカ被覆水酸化マグネシウム及び/又はシリカ被覆水酸化カルシウムと、0.02~0.35質量部の平均粒子径が0.1~0.5μmである酸化亜鉛とを含むことを特徴とする塩素含有樹脂組成物である。
上記シリカ被覆金属水酸化物は、シリカ被覆水酸化マグネシウムであることが好ましい。
上記塩素含有樹脂組成物は、可塑剤の含有量が塩素含有樹脂100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましい。すなわち、硬質系材料に用いることが好ましい。
本発明はまた、本発明の塩素含有樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体でもある。
本発明の塩素含有樹脂組成物は耐熱性に優れ、低毒性の安定化剤を使用し、大型成形体の射出成形体を作製した場合においてもシルバーストリークやフラッシュの発生を十分に抑制し、外観の良好な成形体を製造することができることから、大型継手等の大型の射出成形体を含む各種射出成形体の原料として好適に使用することができる。
以下、本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
1.塩素含有樹脂組成物
本発明の塩素含有樹脂組成物は、塩素含有樹脂100質量部に対して、シリカ被覆金属水酸化物として0.07~0.9質量部のシリカ被覆水酸化マグネシウム及び/又はシリカ被覆水酸化カルシウムと、0.02~0.35質量部の平均粒子径が0.1~0.5μmである酸化亜鉛とを含むことを特徴とする。
射出成形は、溶融した塩素含有樹脂組成物をノズルから高圧で金型に一気に射出して成形する方法であることから、樹脂組成物とノズルとの摩擦又は樹脂組成物同士の摩擦のため、加工温度より数十度樹脂組成物の温度が上昇する。それゆえ、極めて高レベルの耐熱性が要求される。近年使用が増えている低毒性の安定化剤は、熱安定性に課題があり、射出成形時にシルバーストリークやフラッシュが発生する原因となるが、射出成形機が小型であれば、射出圧(背圧)が小さく、また成形機中での滞留時間が短いため、シリカ被覆水酸化マグネシウム等を添加することで塩素含有樹脂組成物に耐熱性を付与し、シルバーストリークやフラッシュの発生をある程度抑えることができる。しかし、射出成形で大型の製品をつくる場合、シリンダー内に多量の塩素含有樹脂を入れ、溶融粘度が十分に低下するように加熱し続けるため、塩素含有樹脂が加熱される時間が長くなり、その間に塩素含有樹脂はシリカ被覆水酸化マグネシウム等により付与された耐熱の限界を超え、塩化水素等の発生量が増大する。ここで増大した塩化水素は水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムと反応し、水分が発生する。また、大型製品の製造時には射出機の背圧も大きくなるのでノズル先端で樹脂に大きな摩擦が発生して発熱するが、この時点では低毒性の安定化剤の耐熱付与能力は相当低下しているためこれも樹脂からの大幅な脱塩化水素及び水分発生の原因となる。塩化水素及び水分があると樹脂が発泡し、成形体にシルバーストリークやフラッシュが発生する。
これに対し、塩素含有樹脂組成物がシリカ被覆水酸化マグネシウム及び/又はシリカ被覆水酸化カルシウムと所定の粒子径の微細な酸化亜鉛をそれぞれ所定の割合で含むことで、塩素含有樹脂組成物を耐熱性に優れ、かつ、大型成形体の射出成形時においてもシルバーストリークやフラッシュの発生を十分に抑制されたものとすることができ、また得られる成形体の着色も抑制することができる。
本発明の塩素含有樹脂組成物は、塩素含有樹脂100質量部に対して、シリカ被覆金属水酸化物として0.07~0.9質量部のシリカ被覆水酸化マグネシウム及び/又はシリカ被覆水酸化カルシウムを含むものであればよいが、シリカ被覆水酸化マグネシウム及び/又はシリカ被覆水酸化カルシウムの含有量は、塩素含有樹脂100質量部に対して、0.1~0.75質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.1~0.5質量部であり、更に好ましくは、0.1~0.35質量部である。
本発明の塩素含有樹脂組成物は、塩素含有樹脂100質量部に対して、0.02~0.35質量部の平均粒子径が0.1~0.5μmである酸化亜鉛を含むものであればよいが、酸化亜鉛の含有量は、塩素含有樹脂100質量部に対して、好ましくは、0.05~0.3質量部であり、より好ましくは、0.1~0.25質量部である。
1)塩素含有樹脂
本発明の塩素含有樹脂組成物が含む塩素含有樹脂としては、塩素原子を含む樹脂(重合体)である限り特に限定されないが、塩化ビニル系樹脂が好ましい。これにより、柔軟性や難燃性に優れる成形体が得られる。
塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン等の単独重合体;塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-プロピレン共重合体、塩化ビニル-スチレン共重合体、塩化ビニル-イソブチレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-ウレタン共重合体、塩化ビニル-アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-スチレン-無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル-スチレン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-ブタジエン共重合体、塩化ビニル-イソプレン共重合体、塩化ビニル-塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-マレイミド共重合体等の共重合体;等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
なお、塩素含有樹脂と塩素非含有樹脂とのブレンド品を使用してもよいし、また塩化ビニル系樹脂を得るための重合方法は特に限定されない。
2)シリカ被覆水酸化マグネシウム、シリカ被覆水酸化カルシウム
本発明の塩素含有樹脂組成物が含むシリカ被覆水酸化マグネシウムやシリカ被覆水酸化カルシウムは、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムの表面の少なくとも一部がシリカによって覆われているものであればよいが、未被覆の水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム100質量部に対して、SiO換算で0.1~20質量部のシリカで被覆されたものであることが好ましい。このような割合で被覆されたものであることで、樹脂に対し、十分な発泡抑制効果を発揮しながら耐熱性を維持できる。より好ましくは、未被覆の水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム100質量部に対して、SiO換算で0.1~15質量部のシリカで被覆されたものであり、更に好ましくは、SiO換算で8~12質量部のシリカで被覆されたものである。
なお、本発明において「シリカ」とは、非含水のケイ素酸化物を意味する。
本発明の塩素含有樹脂組成物は、シリカ被覆水酸化マグネシウム及び/又はシリカ被覆水酸化カルシウムを含むものであればよいが、シリカ被覆水酸化マグネシウムを含むことが好ましい。シリカ被覆水酸化マグネシウムを含むことで、本発明の塩素含有樹脂組成物が耐熱性により優れたものとなる。
上記水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムの表面にシリカの被覆層を形成する方法は特に限定されず、乾式被覆法(メカノケミカル反応)や湿式沈殿法やゾル混合乾燥法等の各方法を採用することができ、例えば特開2010-70681号公報を参照して行うことができる。
3)酸化亜鉛
本発明の塩素含有樹脂組成物が含む酸化亜鉛は、平均粒子径が0.1~0.5μmであればよいが、平均粒子径が0.1~0.4μmのものが好ましい。より好ましくは、平均粒子径が0.1~0.3μmのものである。
酸化亜鉛の平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
4)安定剤
本発明の塩素含有樹脂組成物が含む低毒性の安定化剤としては、有機酸亜鉛、有機酸カルシウム、有機酸バリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記有機酸亜鉛、有機酸カルシウム、有機酸バリウムにおける有機酸としては特に限定されないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2-エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p-t-ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n-プロピル安息香酸、アミノ安息香酸、N,N-ジメチルアミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p-t-オクチルサリチル酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸等の1価有機カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヒドロキシフタル酸、クロルフタル酸、アミノフタル酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸等の2価有機カルボン酸;等の他、2価有機カルボン酸のモノエステル又はモノアミド化合物、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の3価又は4価の有機カルボン酸のジ又はトリエステル;等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、炭素数12~20の高級脂肪酸が好ましい。具体的には、適度な滑性と塩素含有樹脂との相溶性がある、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸の亜鉛塩等が好ましい。
上記安定剤の含有量は特に限定されず、例えば、塩素含有樹脂100質量部に対して0.01質量部以上であることが好ましい。これにより、樹脂組成物から得られる成形体の変色を効果的に抑制することができる。より好ましくは0.1質量部以上である。また、5質量部以下であることが好ましく、これにより、耐熱性をより高めることができ、成形体の外観がより低下せず、色調もより良好なものとなる。より好ましくは2質量部以下である。
5)充填剤
本発明の塩素含有樹脂組成物はまた、充填剤を含んでも良い。充填剤は中和剤としても機能する。
上記充填剤としては特に限定されず、無機塩類、無機酸化物、無機水酸化物等の無機粉体が挙げられ、例えば、亜鉛、チタン、鉄、セリウム、バリウム、カルシウム、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、ストロンチウム、硼素、ジルコニウム等の塩類、酸化物、水酸化物、複合酸化物が挙げられる。塩類としては特に限定されず、例えば、硫酸塩、炭酸塩、塩酸塩、酢酸塩、硝酸塩等が挙げられる。具体的には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、硫酸マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸亜鉛、チタン酸亜鉛、チタン酸バリウム、タルク等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、炭酸カルシウムが好適である。
炭酸カルシウムを使用する場合は、比表面積(BET比表面積)が25m/g未満であるものが好ましい。より好ましくは23m/g以下、更に好ましくは20m/g以下、特に好ましくは18m/g以下であり、また、下限は0.1m/g以上が好ましい。より好ましくは0.5m/g以上である。上記範囲を超える場合には、加工時にプレートアウトを生じる等の悪影響を与えるおそれがある。
上記樹脂組成物が充填剤を含む場合、その含有量は特に限定されず、例えば、塩素含有樹脂100質量部に対して40質量部以下であることが好ましい。40質量部を超えるとプレートアウトを生じる恐れがある。より好ましくは、20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。
6)他の成分
本発明の塩素含有樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては例えば、加工助剤、強化剤、滑剤、初着防止剤、酸化防止剤、着色剤、耐熱助剤等の各種添加剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
その他の成分の量は、塩素含有樹脂組成物全体100質量部に対して、それぞれ15質量部以下であることが好ましい。より好ましくは、10質量部以下であり、更に好ましくは、5質量部以下である。
各種添加剤はそれぞれ特に限定されないが、加工助剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系重合体等のアクリル系加工助剤が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。アクリル系加工助剤は、上記のアクリル酸及び/又はそのエステルや、メタクリル酸及び/又はそのエステルそれぞれの単独の重合体であっても2種以上の共重合体であってもよい。重合体の重量平均分子量は20万~700万であることが好ましい。
上記アクリル系加工助剤の市販品としては、例えば、三菱レイヨン製のメタブレンPタイプ、カネカ製のカネエースPAシリーズ、ローム・アンド・ハース製のパラロイドKシリーズ等が挙げられる。
強化剤としては、例えば、MBS(メチルメタクリレート-ブタジエンスチレン共重合体)等のブタジエン系強化剤、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、流動パラフィン、工業用白色鉱油、合成パラフィン、石油系ワックス、ペトロラタム;無臭軽質炭化水素、シリコーンオルガノポリシロキサン、脂肪酸、脂肪族アルコール、高級脂肪酸、動物又は植物油脂から得られた脂肪酸及びそれらの脂肪酸を水素添加したもので、炭素数が8~22のもの;ヒドロキシステアリン酸等の直鎖ヒドロキシ脂肪酸;動物、植物油脂又はそれらの脂肪酸エステルを還元又は天然ロウを分解蒸留して得られる炭素数4以上のもの;トリデシルアルコール、ポリエチレングリコールで分子量200~9500のもの;ポリプロピレングリコールで分子量1000以上のもの;ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレン-ブロック重合体で分子量1900~9000のもの;の他、オレイルパルミトアマイド、ステアリルエルカ酸アマイド、2ステアロアミドエチルステアレート、エチレンビス脂肪酸アマイド、N,N’-オレオイルステアリルエチレンジアミン、N,N’ -ビス(2ヒドロキシエチル)アルキル(C12~C18)アマイド、N,N’ビス(ヒドロキシエチル)ラウロアマイド、N-アルキル(C16~C18)トリメチレンジアミンと反応したオレイン酸脂肪酸ジエタノールアミン、ジ(ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミンモノアセテートのジステアリン酸エステル、ステアリン酸n-ブチル水添ロジンメチルエステル、セバチン酸ジn-ブチル、セバチン酸ジイソブチル、セバチン酸ジ2エチルヘキシル、セバチン酸ジn-オクチル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリンラクトステアリル、ペンタエリスリトールステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸ジエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸トリエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸テトラエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリエチレングリコールヤシ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールトール油脂肪酸エステル、エタンジオールモンタン酸エステル、1,3ブタンジオールモンタン酸エステル、ジエチレングリコールステアリン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、トリグリセライド、アマニ油、パーム油、12-ヒドロオキシステアリン酸のグリセリンエステル、水添魚油、牛脂、スパームアセチワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、密蝋、木蝋、硬化鯨油ラウリルステアレート、ステアリルステアレートなど一価脂肪族アルコールの脂肪族飽和酸エステル、ラノリン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど高級脂肪酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、フッ素系樹脂、ポリ4フッ化エチレン、4フッ化エチレン/6フッ化プロピレン共重合体、ポリ塩化3フッ化エチレン、ポリフッ化ビニル、その他プロピレングリコールアルギネート、ジアルキルケトン、アクリルコポリマー(例えばAllnex製モダフロー等)が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ第三ブチル-p-クレゾール、2,6-ジフェニル-4-オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、ジステアリル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサメチレンビス〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサメチレンビス〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’-チオビス(6-第三ブチル-m-クレゾール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-第三ブチルフェノール)、2,2-メチレンビス(4-エチル-6-第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’-ブチリデンビス(6-第三ブチル-m-クレゾール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ第三ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4-第二ブチル-6-第三ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2-第三ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス〔(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2-第三ブチル-4-メチル-6-(2-アクリロイルオキシ-3-第三ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{(3-第三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}〕エチル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3-第三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、及び、ペンタエリスリトールテトラ(β-ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ-アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2-第三ブチル-4-(3-第三ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ第三ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(C12-15混合アルキル)-4,4’-n-ブチリデンビス(2-第三ブチル-5-メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ第三ブチルフェニル)(オクチル)ホスファイト等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、TiO、酸化ジルコニウム、BaSO、リトポン(硫化亜鉛と硫酸バリウムとの混合物)、カーボンブラック、カーボンブラックと二酸化チタンの混合物、酸化鉄、Sb、Cr、コバルトブルー、コバルトグリーン等のスピネル、ウルトラマリンブルー等の無機顔料や、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、アントラキノン顔料等の有機顔料が挙げられる。更に、上記顔料を複合した複合顔料も挙げられる。
耐熱助剤としては、例えば、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール化合物、ジペンタエリスリトールとアジピン酸との部分エステル、ポリオール類及びトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
初着防止剤としては、β-ジケトン化合物類が挙げられる。具体的には、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、ステアロイルベンゾイルメタン、カプロイルベンゾイルメタン、デヒドロ酢酸、トリベンゾイルメタン、1,3-ビス(ベンゾイルアセチル)ベンゼン等、あるいはこれらの金属塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛等)等が挙げられる。
上記以外のその他の成分として可塑剤があるが、本発明の塩素含有樹脂組成物では可塑剤の含有量が塩素含有樹脂100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましい。外観不良が生じやすいのは可塑剤の含有量が少ない硬質系の樹脂組成物から得られた成形体の場合である。したがって、樹脂組成物が可塑剤の含有量が少ない硬質系のものである場合に、本発明の効果がより顕著に発揮されることになる。可塑剤の含有量は、より好ましくは、0.1重量%以下であり、更に好ましくは含まないことである。
2.成形体
本発明はまた、上述した本発明の塩素含有樹脂組成物を用いてなる成形体、すなわち本発明の塩素含有樹脂組成物から形成される成形体でもある。このような成形体は、耐熱性に優れ、また、シルバーストリークやフラッシュの発生が十分に抑制された外観不良の少ない成形体である。
上記成形体を得るための成形方法(成型方法)は特に限定されず、例えば、押出成形、射出成形、ロール成形、ディップ成形、ブロー成形等が挙げられる。上述したように、本発明の塩素含有樹脂組成物は射出成形時のシルバーストリークやフラッシュの発生が十分に抑制されたものであるから、上記成形方法の中でも射出成形によって成形体が作製されることは本発明の好適な実施形態である。
上記成形体として更に好ましくは、管、継手である。特に継手は通常、複雑な形状からなるため、高温で成形されるのが通常である。また、加工成形機としては射出成形機が用いられる。上述したとおり、本発明の樹脂組成物は射出成形に要求される耐熱性を有し、更に射出成形時のシルバーストリークやフラッシュの発生が十分に抑制されたものであるから、このように上記成形体が継手である形態は、本発明の好適な形態の1つであり、中でも成形体が大型の継手である形態が特に好適である。
ここで、大型の継手とは、口径が30mm以上であるパイプを繋ぐための継手を指す。大型の継手はかなり重く、土中深くに埋設されるため、小型の継手よりはるかに大きな強度、特に耐衝撃性強度が要求される。そこで、通常は強化剤を添加して強度を向上させているが、強化剤は樹脂組成物の溶融粘度を大きくするため加工成形時の温度をことさら高くする必要があり、耐熱性が更に要求される。
本発明を詳細に説明するために以下に具体例を挙げるが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「%」及び「wt%」とは「重量%(質量%)」を意味する。
酸化亜鉛の平均粒子径は、以下の方法により測定した。
<平均粒子径の測定>
酸化亜鉛を分散媒であるヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に加え、レーザー回折/散乱法粒度分布測定装置(BECKMAN COULTER製、製品名:LS 13 320)を用いて測定した。
[測定条件]
分散媒:ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液
測定上限:2000μm
測定下限:0.017μm
粒子屈折率:2.00
粒子形状:非球形
溶媒屈折率:1.333
合成例
水酸化マグネシウム(ナカライテスク製)3000gを20Lのイオン交換水に添加し、撹拌して水酸化マグネシウムのスラリーを得た。
上記水酸化マグネシウムのスラリーを80℃に加温し、ケイ酸ナトリウム(日本化学工業製)をSiOとして300g加えた後、更に、スラリーのpHが9になるまで、硫酸を1時間かけて加えた。このスラリーを80℃で1時間熟成させ、水酸化マグネシウム粒子の表面に高密度のシリカ含有被覆層を形成した。得られたスラリーから被覆水酸化マグネシウム粒子を濾過にて分離、水洗し、乾燥し、粉砕して、本発明の塩素含有樹脂組成物の一成分であるアルカリ土類金属水酸化物を得た。
1.原料
後述の表1に記載する原料は以下のとおりである。
(a)塩素含有樹脂
塩化ビニル系樹脂:信越化学工業社製、TK-700、重合度700
(b)酸化亜鉛:堺化学工業社製、微細酸化亜鉛、平均粒子径0.28μm
(c)シリカ被覆水酸化マグネシウム:合成例に記載の水酸化マグネシウム粒子
(d)充填剤
重質炭酸カルシウム:白石カルシウム製 μパウダー3S
(e)加工助剤
アクリル系加工助剤:カネカ製 カネエースPA-20
(f)安定剤
ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製、SZ-P
ステアリン酸カルシウム:堺化学工業社製、SC-P
(g)初着防止剤
ジベンゾイルメタン:油脂製品製、製品名 DBM
(h)耐熱助剤
ジペンタエリスリトール:広栄化学社製、ジペンタリット300
実施例1~12、比較例1~12
塩化ビニル樹脂100質量部に表1記載の添加剤を配合した。得られた塩化ビニル樹脂組成物をロール表面温度170℃に調整した8インチロール機(KANSAI ROLL社製)にて5分間混練し、厚さ0.3mmのロールシートを作成した。このシートを用い、以下それぞれの試験を行った。結果を表1、2に示す。
<プレス耐熱試験1>
上記で作成したシートを7枚重ねてプレス表面温度220℃のプレス機(TOYOSEIKI MINI TEST PRESS-10)を用い、厚さ2mmになるように100kg/cmにて1分間保持した。プレス後のシートで、色差計にてYI値を求めた。
YI値では耐熱性の差がわかりにくい場合もあるため、目視で黄変、褐変、黒変の変化の程度を判定し、同時にプレスシートに発生した気泡の多寡も判定した。耐熱性、発泡性は以下の基準で判定した。
[耐熱性]
◎:非常に良好(変色なし)
〇:良好(ほぼ変色なし)
×:不良(著しい変色あり)
[発泡性]
◎:気泡なし
〇:気泡数が3cm×3cm四方中1個以上10個未満
×:気泡数が3cm×3cm四方中10個以上
<プレス耐熱試験2>
上記で作成したシートを7枚重ねてプレス表面温度220℃のプレス機(TOYOSEIKI MINI TEST PRESS-10)を用い、厚さ2mmになるように100kg/cmにて5分間保持した。プレス後のシートで、プレス耐熱試験1と同様の評価を行った。
Figure 0007404708000001
Figure 0007404708000002
表1、2に示した結果から、塩素含有樹脂組成物がシリカ被覆水酸化マグネシウム及び酸化亜鉛をそれぞれ所定の割合で含むことで、耐熱性に優れ、かつ、樹脂の発泡が抑制されることが確認された。シルバーストリークやフラッシュは樹脂の発泡を原因とするものであるため、この結果から、本発明の塩素含有樹脂組成物は、耐熱性に優れ、シルバーストリークやフラッシュの発生を十分に抑制することができる樹脂組成物であることが確認された。

Claims (4)

  1. 塩素含有樹脂100質量部に対して、シリカ被覆金属水酸化物として0.1~0.5質量部のシリカ被覆水酸化マグネシウム及び/又はシリカ被覆水酸化カルシウムと、0.02~0.35質量部の平均粒子径が0.1~0.5μmである酸化亜鉛とを含むことを特徴とする塩素含有樹脂組成物。
  2. 前記シリカ被覆金属水酸化物は、シリカ被覆水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載の塩素含有樹脂組成物。
  3. 前記塩素含有樹脂組成物は、可塑剤の含有量が塩素含有樹脂100質量部に対して、1質量部以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塩素含有樹脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の塩素含有樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
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