JP2980726B2 - 粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体成型用塩化ビニル
系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、自動車内装材料
に適する粉体回転成型用または粉体スラッシュ成型用の
粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
自動車内装材料としてのクラッシュパッド、アームレス
ト、ヘッドレスト、コンソール、メーターカバーあるい
はドアトリム等のカバーリング材料においては、軽量で
かつソフト感に優れ、しかも高級感のある皮しぼ模様や
ステイッチ模様等を施したものが一段と求められてい
る。
【0003】従来、これらのカバーリング材料として
は、塩化ビニル樹脂とABS樹脂とを主体とした軟質シ
ートの真空成型品やペースト用塩化ビニル樹脂と可塑剤
とを主体としたゾルの回転成型またはスラッシュ成型品
(以下ゾル成型品と呼ぶ)が用いられてきた。しかしな
がら、上記の真空成型品は軽量化という点ではその目的
を達しているものの、ソフト感に乏しく、かたい感触の
ものしか得られず、さらには高級感のある皮しぼ模様あ
るいはスティッチ模様等を施した複雑な形状性のあるも
のを賦形させることは困難であった。また、上記の真空
成型品は、成型時の残留歪みが大きく、長時間使用して
いると亀裂が生じ易いという欠点もかかえている。
【0004】他方、上記のゾル成型品は、ソフト感はあ
るものの、ゲル化温度が低いために金型内での溶融が速
く、フローマークやリップあるいはゾルの糸引き等の現
象が起こるために、表面平滑性に欠けるとか、金型から
のゾルの排出に時間がかかり過ぎるとか、カバーリング
材料が肉厚化する等の欠点をかかえている。また、上記
のゾル成型品は、色を替えて成型する場合に、タンクや
配管等の掃除が大変であるとか、経日による粘度変化が
起こるために、長時間の保存には耐えられない等の欠点
もある。
【0005】これらの欠点を解決する方法として、最近
粉末成型法が脚光を浴びてきている。この粉末成型法と
しては、流動浸漬法、静電塗装法、粉末溶射法、粉末回
転成型法または粉末スラッシュ成型法等があるが、特に
自動車内装材のカバーリング材料には、粉末回転成型法
または粉末スラッシュ成型法が適している。
【0006】かかる粉末回転成型法または粉末スラッシ
ュ成型法は、180℃以上の温度にある金型と粉末供給
ボックスとを一体化させて、原料の粉末を回転もしくは
揺動、または噴射させることにより金型内面に溶着さ
せ、未溶着粉末は自動的あるいは強制的に粉末供給ボッ
クスに回収する方法である。
【0007】かかる粉末成型法に使用される金型の加熱
方法には、ガス加熱炉方式、熱媒体油循環方式、熱媒体
油または熱流動砂内への浸漬方式あるいは高周波誘導加
熱方式等がある。
【0008】上記粉末成型法によって成型される粉末組
成物は、粉体流動性や成型性に優れたものでなければな
らない。そこで、塩化ビニル樹脂に、可塑剤、安定剤、
顔料等の添加剤を加え、これらを加熱用ジャケットのつ
いたブレンダーや高速回転型ミキサーを使ってドライブ
レンドして粉末組成物をつくることが行なわれている。
【0009】また、粉体流動性を向上させるため、微粒
の塩化ビニル樹脂や微粒の炭酸カルシウムやシリカ等の
無機充填剤をドライブレンド終了後冷却段階で添加する
ことも行われている。
【0010】また、粉末成型時の金型汚染防止性能(以
下耐金型汚染性と呼ぶ)に優れ、かつ剥離性に優れた効
果を示す粉末成型によるカバーリング材料用の粉末組成
物に対する必要性も高い。しかしながら、上記粉末成型
法で成型される従来の粉末組成物は、耐金型汚染性が充
分ではなかった。即ち、前述の粉末成型法においては、
前述のごとく高温の金型に粉末組成物を溶着させて成型
するために、成型ショット回数が増加するにつれて次第
に金型が汚染されてくる。金型が汚染されてくると金型
内面のシボ浅現象が起こり、表面に艶が発生し、さらに
汚れ物質の中に粘着性のものがあると、金型からの表皮
材の脱型性が悪くなったり、場合によっては、欠肉を生
じたりして好ましくない。
【0011】このような場合には、金型の洗浄のため成
形を一時中断せざるを得なくなり、生産性が著しく低下
する。また、金型の洗浄のために余分な労力と薬剤(ア
ルカリ洗浄液、酸洗浄液、ハロゲン系炭化水素溶剤等)
が必要であるとか、汚れが著しくこれらの洗浄では対応
が困難である等の場合には、機械的なブラッシング(真
鍮ブラッシングや微粒のガラスビーズを強制的に空気と
ともに噴射させてブラッシングさせる方法等)が必要で
ある。しかし、このようなブラッシングを頻繁に行なう
とシボ浅現象の発生や金型寿命を短かくすることにつな
がる。
【0012】従って、金型の汚れの少ない、すなわち耐
金型汚染性に優れた粉末組成物を開発することは、工業
的にも、経済的にも極めて重要なこととなっており、耐
金型汚染性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物の開発が望
まれていた。
【0013】さらに、このような粉体成型は、高温で行
なわれるために、成型時に分解ガスが発生し、成型品に
気泡が生じるために貯蔵安定性等の物性が劣るという問
題や、湿気の多い場所に長時間保管すると充分な物性の
成型品が得られないという問題もあり、耐金型汚染性と
ともに貯蔵安定性の改良も望まれていた。
【0014】その対策として、たとえばハイドロタルサ
イト化合物と酸化カルシウムとを併用する方法(特開昭
63−132953号公報)または過塩素酸金属塩また
は過塩素イオン型ハイドロタルサイト類化合物を添加す
る方法(特開平1−65159号公報)等が提案された
が、まだ充分ではなく、特に高温脱型性、吸湿時の経日
粉体特性、比較的低温(80〜120℃)に長期間曝し
た時の変色、物性の低下等が生じる問題があり、その改
善が強く望まれていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる現
状に鑑み、粉体成型における耐金型汚染性に優れ、高温
脱型性、吸湿時の経過日粉体特性にも優れ、しかも比較
的低温に長時間曝した時の変色、物性の低下を生じない
塩化ビニル系樹脂組成物を見出すべく鋭意検討を重ねた
結果、塩化ビニル系樹脂に対して、ハイドロタルサイト
化合物またはゼオライト化合物、酸化カルシウムおよび
ハロゲン化酸素酸塩またはその金属塩を添加することに
よって優れた効果を奏することを見出し本発明を完成し
た。
【0016】すなわち、本発明は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に、(a)ハイドロタルサイト化合物および
ゼオライト化合物から選ばれた無機化合物の少なくとも
一種0.01〜20重量部、(b)酸化カルシウム0.
01〜10重量部および(c)ハロゲン化酸素酸塩また
はその金属塩0.01〜10重量部を添加してなる、粉
体成型用塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0017】以下、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に
ついて詳細に説明する。
【0018】本発明で使用される(a)成分のハイドロ
タルサイト化合物あるいはゼオライト化合物のうち、ハ
イドロタルサイト化合物は、次の一般式(I)で表され
るマグネシウムとアルミニウムとを含む含水複塩化合物
である。
【0019】 Mg1-x Alx (OH)2 X/2 ・ mH2 O (I) (上式中、x は0<x≦0.5の範囲の実数であり、A
はCO3 またはSO4 を示し、mは実数を示す。)
【0020】上記ハイドロタルサイト化合物は天然物で
あってもよく、また合成品であってもよい。合成方法と
しては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−3
0039号公報、特公昭51−29129号公報等に記
載の公知の方法を例示することができる。また、本発明
においては、その結晶構造、結晶粒子径等に制限される
ことなく使用することが可能である。
【0021】また、上記ハイドロタルサイト化合物の表
面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アル
カリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金
属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワ
ックス等で被覆したものも使用できる。
【0022】さらに、上記一般式(I)中の金属の一部
を亜鉛等の他の金属で置換した化合物も使用できる。
【0023】また、上記ゼオライト化合物は、独特の三
次元のゼオライト結晶構造を有するアルミノケイ酸塩で
あり、その代表例としては、A型、X型、Y型およびP
型ゼオライト、モノデナイト、アナルサイト、ソーダラ
イト族アルミノケイ酸塩、クリノブチロライト、エリオ
ナイトおよびチャバサイト等、ならびにこれらのアルミ
ノケイ酸塩の第Ia族金属の全部または一部が第II族ま
たは第IV族の金属イオンを用いてイオン交換した金属置
換型を挙げることができる。これらゼオライト化合物
は、結晶水(いわゆるゼオライト水)を有する含水物ま
たは結晶水を除去した無水物のいずれでもよい。
【0024】これらのハイドロタルサイト化合物あるい
はゼオライト化合物の添加量は、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは
0.05〜10重量部である。
【0025】また、本発明の(b)成分である酸化カル
シウムは、石灰石、カルシウムの炭酸塩、水酸化物、硝
酸塩等を強熱して得られる白色粉末をそのまま使用する
ことも可能であるが、水分により発熱を起こすために、
たとえば、脂肪酸、可塑剤、プロセスオイル等を加えて
ペースト状あるいは湿性粉末等の形にして使用すること
が望ましい。
【0026】これらの酸化カルシウムの添加量は、他の
添加剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物の水分量によって
左右されるが、通常、塩化ビニル系樹脂100重量部に
対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜
5重量部である。
【0027】さらに、本発明の(c)成分であるハロゲ
ン化酸素酸塩またはその金属塩としては、たとえば過塩
素酸、過ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、亜塩素
酸、次亜塩素酸、亜臭素酸等の金属塩およびアンモニウ
ム塩が挙げられ、金属としてはリチウム、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、錫等が挙げられ、
これらは含水塩であってもよい。
【0028】また、これらのハロゲン化酸素酸塩は、た
とえば、アルコール、グリコール、エステル類あるいは
ケトン類等に溶解させた液状として使用してもよく、さ
らに(a)成分のハイドロタルサイト化合物およびゼオ
ライト化合物から選ばれた無機化合物をハロゲン化酸素
酸で処理することにより得られるハロゲン化酸素酸塩を
使用してもよい。
【0029】これらのハロゲン化酸素酸塩またはその金
属塩の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重
量部である。
【0030】本発明の組成物で安定剤として用いられる
上記(a)〜(c)成分の化合物は、それぞれ別個に塩
化ビニル系樹脂に添加することもできるが、これらの各
成分を混合して添加することもでき、この場合には、必
要に応じて他の安定剤、可塑剤あるいは助剤成分等をも
含む、いわゆる複合系添加剤として用いることもでき
る。
【0031】本発明における塩化ビニル系樹脂として
は、懸濁重合法、塊状重合法及び乳化重合法でつくられ
る塩化ビニル重合体又は塩化ビニルと共重合し得るエチ
レン、プロピレン、ビニルアセテート等の共重合体或い
はエチレンとビニルアセテート共重合体と塩化ビニルと
のグラフト共重合体およびこれらの二種以上の重合体の
混合物等が挙げられる。
【0032】また、本発明の組成物には、粉体成型用塩
化ビニル系樹脂組成物に通常用いられる他の安定剤、可
塑剤および他の添加剤を併用することもできる。
【0033】本発明の組成物に併用できる他の安定剤と
しては、有機カルボン酸、フェノール類および有機リン
酸類の金属塩、エポキシ化合物、有機ホスファイト化合
物、純有機系安定化助剤等が挙げられる。
【0034】有機カルボン酸、フェノール類および有機
リン酸類の金属塩を構成する金属としては、リチウム、
カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネ
シウム、ストロンチウム、亜鉛、錫、セシウム、アルミ
ニウムあるいは有機錫等が挙げられる。
【0035】また、上記有機カルボン酸としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナン
ト酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル
酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリ
ン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イ
ソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステ
アリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、安息香酸、モノク
ロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安
息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アミノ安息
香酸、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、アセトキシ安
息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸、エ
ライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、
チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチル
メルカプトプロピオン酸等の一価カルボン酸;シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フ
タール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、ヒドロキ
シフタール酸、クロルフタール酸、アミノフタール酸、
マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン酸、
イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸等の二
価カルボン酸あるいはこれらのモノエステルまたはモノ
アマイド化合物;ブタントリカルボン酸、ブタンテトラ
カルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロフ
ァン酸、ピロメリット酸等の三価または四価カルボン酸
のジまたはトリエステル化合物が挙げられる。
【0036】また、上記フェノール類の例としては、第
三ブチルフェノール、ノニルフエノール、ジノニルフエ
ノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノー
ル、オクチルフェノール、フェノール、クレゾール、キ
シレノール、n−ブチルフェノール、イソアミルフェノ
ール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、イ
ソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノー
ル、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、第三オ
クチルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクタデ
シルフェノール、ジイソブチルフェノール、メチルプロ
ピルフェノール、ジアミルフェノール、メチルイソフキ
シルフェノール、メチル第三オクチルフェノール等が挙
げられる。
【0037】また、上記有機リン酸類としては、モノま
たはジ−オクチル、−デシル、−ドデシル、−トリデシ
ル、−テトラデシル、−ヘキサデシル、−オクタデシ
ル、−フェニル、−トリル、−キシリル、−オクチルフ
ェニル、−ノニルフェニルリン酸、ピロリン酸あるいは
亜リン酸等が挙げられる。
【0038】これら有機カルボン酸、フェノール類ある
いは有機リン酸類の金属塩の添加量は、塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重
量部、より好ましくは0.05〜5重量部である。
【0039】上記エポキシ化合物としては、ビスフェノ
ール型およびノボラック型のエポキシ樹脂、エポキシ化
大豆油およびエポキシ化アマニ油等の天然油脂のエポキ
シ化物、エポキシ化トール油脂肪酸オクチル等のエポキ
シ化不飽和脂肪酸のアルキルエステル、ビニルシクロヘ
キセンジエポキシ等の脂環式エポキシ化合物が挙げられ
る。
【0040】これらのエポキシ化合物の添加量は、塩化
ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.0
1〜20重量部、より好ましくは0.05〜10重量部
である。
【0041】上記有機ホスファイト化合物の例として
は、たとえば、ジフェニルデシルホスファイト、トリフ
ェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチル
ヘキシル)ホスファイト、トリブチルホスファイト、ジ
ラウリルアシッドホスファイト、ジブチルアシッドホス
ファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、
トリラウリルトリチオホスファイト、トリラウリルホス
ファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)−1,4−
シクロヘキサンジメチルホスファイト、ジステアリルペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルアシッ
ドホスファイト、テトラデシル−1,1,3−トリス
(2’−メチル−5’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ
フェニル) ブタンジホスファイト、テトラ(C12 〜15混
合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニル
ジホスファイト、トリス(4−ヒドロキシ−2,5−ジ
第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ
混合ノニルフェニル)ホスファイト、水素化−4,4’
−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ジ
フェニル・ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−
第三ブチル−5−メチルフェノール)〕チオジエタノー
ルジホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス
〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5
−メチルフェノール)〕−1,6−ヘキサンジオールジ
ホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデン
ジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、
フェニルジイソデシルホスファイト、テトラトリデシル
(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファ
イト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフ
ァイト等が挙げられる。
【0042】これらの有機ホスファイト化合物の添加量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましく
は0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜5
重量部である。
【0043】上記純有機系安定化助剤としては、ビスフ
ェノールA、水添ビスフェノールA等のフェノール類;
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトールアジペート、マンニトール、ソルビ
トールのごとき多価アルコール類およびこれらのエステ
ル化合物または部分エステル化合物類;ジベンゾイルメ
タン、ベンゾイルアセトン、ステアロイルベンゾイルメ
タン、デヒドロ酢酸等のβ−ジケトン化合物およびこれ
らの金属塩;2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリ
ジン−3,5−ジカルボン酸ジドデシルエステル、2−
フェニルインドール、メラミン等の有機含窒素化合物等
が挙げられる。
【0044】これら純有機系安定化助剤の添加量は、塩
化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.
001〜5重量部、より好ましくは0.005〜3重量
部である。
【0045】これらの他の安定剤は、目的に応じて二種
以上を組み合わせて用いることができる。一般的には、
本発明の組成物に、さらに、有機酸の金属塩/有機ホス
ファイト化合物を組合せて用いることが好ましい。
【0046】本発明に用いられる可塑剤としては、塩化
ビニル系樹脂に通常用いられている可塑剤を任意に使用
することができる。たとえば、ジブチルフタレート、ブ
チルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデ
シルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキ
シルフタレート、ジオクチルテレフタレート等のフタレ
ート系可塑剤;ジオクチルアビペート、ジイソノニルア
ジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリ
コール)アジペート等のアジペート系可塑剤;トリフェ
ニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキ
シレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)
ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキ
シエチル)ホスフェートオクチルジフェニルホスフェー
ト等のホスフェート可塑剤系;多価アルコールとして、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等
と二塩基酸としてシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸、フタール酸、イソフタール酸、テ
レフタール酸等を用い、必要により一価アルコール、モ
ノカルボン酸をストッパーに使用したポリエステル系可
塑剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキ
シ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキ
シ化サフラワー油、エポキシ化ステアリン酸メチル、−
ブチル、−2−エチルヘキシル、−ステアリルエステ
ル、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化トール油脂
肪酸エステル、エポキシ化アマニ油脂肪酸エステル等の
エポキシ系可塑剤;その他、テトラヒドロフタール酸系
可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、
ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリッ
ト酸系可塑剤等が挙げられる。
【0047】その他必要に応じて、本発明の組成物には
たとえば流動性改良剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン系光安定剤、架橋剤、充填剤、顔料、発泡剤、帯電防
止剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃
剤、蛍光剤、光劣化剤、防黴剤、殺菌剤、非金属安定
剤、加工助剤、離型剤等を包含させることができる。
【0048】本発明の粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成
物は、たとえば以下のように製造される。懸濁重合また
は塊状重合法で製造された塩化ビニル系樹脂に、上記
(a)〜(c)の各成分と、及び必要に応じ可塑剤、カ
ルボン酸、有機リン酸塩またはフェノールの金属塩、ヒ
ドロキシ脂肪酸オリゴエステルまたはその塩、その他の
添加剤等をスーパーミキサー等の混合機で均一に分散さ
せて組成物とする。尚、流動性改良剤を添加する場合
は、ドライブレンドした後、クーリングミキサー等で冷
却してから流動性改良剤を添加し、ドライブレンドした
塩化ビニル系樹脂の表面に均一に被覆して組成物とす
る。
【0049】
【実施例】次に実施例によって本発明の組成物の安定化
効果を具体的に示す。しかしながら本発明は次に挙げら
れた実施例によって限定されるものではない。
【0050】実施例1 下記の配合による塩化ビニル系樹脂組成物を、ギヤーオ
ーブンで110℃×1時間ドライアップした後、らいか
い器を用いて15分間攪拌してコンパウンドを作成し
た。クロム製鏡面板を300℃のギヤーオーブンに約1
5分間入れて取り出した後、上記クロム製鏡面板が24
0℃になった時点で上記コンパウンドを速やかに均一の
厚さに広げ10秒間放置した。金型をさかさにし、その
まま30秒間放置(ゲル化)した後、水槽に浸漬して冷
却した。60℃まで冷却した後、形成されたゲル化シー
トを剥離して、クロム製鏡面板の曇り度合と該シートの
剥離度合とを調べて脱型性および耐金型汚染性を評価し
た。評価は10段階に分け、良1←─→10悪で表わし
た。
【0051】また、クロム製鏡面板上の成型シートに発
泡ウレタンを一定の厚さで注入したものを120℃のオ
ーブンに入れ、300時間および450時間経過後のシ
ートの着色度をハンター比色計を用いて測定し、オリジ
ナルとの色差(ΔE)を求めて、比較的低温で暴露した
時の着色性を評価した。その結果を次の表−1に示す。
【0052】 〔配 合〕 重量部 懸濁重合PVC 90 ペーストPVC 10 ジ(C9 〜11混合アルキル)フタレート 65 エポキシ化大豆油 5 ステアリン酸亜鉛 0.3 過塩素酸バリウム 1.2 無機化合物(表−1) 1.5 CML#31* 1.0 テトラ(C12 〜15混合アルキル)ビスフェノール 1.0 ホスファイト * :近江化学工業製粉末状酸化カルシウム
【0053】
【0054】実施例2 下記の配合で実施例1と同様の操作で脱型性、耐金型汚
染性および低温暴露時の着色性を評価し、その結果を表
−2に示した。
【0055】 (配 合) 重量部 懸濁重合PVC 100 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 45 エポキシ化アマニ油 5 ビスフェノールAジグリシジルエーテル 3 ステアリン酸カルシウム 1.5 塩基性オクチル酸亜鉛 1.0 過塩素酸金属塩(表−2) 1.0 アルカマイザー4*1 1.25 CML#242*2 1.5 ジ(トリデシル)フェニルホスファイト 1.0 *1: 協和化学工業製亜鉛変性合成ハイドロタルサイト *2: 近江化学工業製ペースト状酸化カルシウム
【0056】
【0057】
【発明の効果】本発明の粉体成型用塩化ビニル系樹脂組
成物は、粉体成型における耐金型汚染性、剥離性に優れ
るばかりでなく、比較的低温で長時間暴露した時の着色
性にもすぐれた効果をもつものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3:24 3:34) (C08K 3/18 3:22 3:24 3:26) (56)参考文献 特開 平1−65157(JP,A) 特開 平3−172336(JP,A) 特開 平3−252440(JP,A) 特開 昭63−132953(JP,A) 特開 昭58−122951(JP,A) 特開 昭61−34042(JP,A) 特開 昭61−272258(JP,A) 特開 昭63−277259(JP,A) 特開 平4−173854(JP,A) 特開 平4−318047(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に、
    (a)ハイドロタルサイト化合物およびゼオライト化合
    物から選ばれた無機化合物の少なくとも一種0.01〜
    20重量部、(b)酸化カルシウム0.01〜10重量
    部および(c)ハロゲン化酸素酸塩またはその金属塩
    0.01〜10重量部を添加してなる、粉体成型用塩化
    ビニル系樹脂組成物。
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