JP2977222B2 - 粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物に関
し、さらに詳しくは、自動車内装材料に適する粉末回転
成型または粉末スラッシュ成型用粉体系塩化ビニル樹脂
系組成物に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
近年、自動車内装材料としてのクラッシュパッド、ア
ームレスト、ヘッドレスト、コンソール、メーターカバ
ーあるいはドアトリムなどのカバーリング材料において
は、軽量でかつ、ソフト感に優れ、しかも高級感のある
皮しぼ模様やステイッチ模様などを施したものが一段と
求められている。
従来、これらのカバーリング材料としては、塩化ビニ
ル樹脂とABS樹脂とを主体とした軟質シートの真空成型
品やペースト用塩化ビニル樹脂と可塑剤とを主体とした
ゾルの回転成型またはスラッシュ成型品(以下ゾル成型
品と呼ぶ)が用いられてきた。
ところが、真空成形品は軽量化という点では目的を達
しているものの、ソフト間に乏しく、硬い感触のものし
か得られなく、更に高級感のある皮しぼ模様或いはステ
イッチ模様などを施した複雑な形状性のあるものを賦形
さすことは困難である。
また、真空成形品は成形時の残留歪みが大きく、長時
間の使用に於いて亀裂が生じ易いという欠点もかかえて
いる。
他方、ゾル成型品はソフト感はあるものの、ゲル化温
度が低いので金型内での溶融が速く、フローマークやリ
ップ或いはゾルの糸引きなどの現象が起こる。
そのために、裏面平滑性に欠けるとか、金型からのゾ
ルの排出に時間が掛り過ぎるとか、カバーリング材料が
肉厚化するなどの欠点をかかえている。
また、ゾルの場合は色替え時のタンクや配管の掃除が
大変であるとか、経日による粘度変化を伴うので長時間
の保存には耐えられないなどの問題もある。
これらの欠点や問題点を解決するのに、近年は粉体成
型法が脚光を浴びてきている。この粉体成型法には一般
には流動浸漬法、静電塗装法、粉末溶射法、粉末回転成
型法または粉末スラッシュ成型法などがあるが、特に自
動車内装材のカバーリング材料には粉末回転成型法また
は粉末スラッシュ成型法が適している。
かかる粉末回転成型法または粉末スラッシュ成型法は
180℃以上の温度にある金型と粉末供給ボックスとを一
体化させて回転または揺動、あるいは噴射させて金型内
面に粉末を溶着させ、未溶着粉末は自動的あるいは強制
的に粉末供給ボックスに回収する方法である。
また、かかる粉体成型方法に使用される金型の加熱方
法にはガス加熱炉方式、熱媒体油循環方式、熱媒体油ま
たは熱流動砂内への浸漬方式あるいは高周波誘導加熱方
式などがある。
かかる粉体成型法に使用される粉末組成物は粉体流動
性や成型性に優れたものでなければならない。塩化ビニ
ル樹脂と可塑剤、安定剤、顔料などを加熱用ジャケット
のついたブレンダーや高速回転型ミキサーを使ってドラ
イブレンドして粉末組成物をつくることはよく知られて
いる。
また、粉体流動性を向上させるため、微粒の塩化ビニ
ル樹脂や微粒の炭酸カルシウムやシリカなどの無機充填
材をドライブレンドした後冷却段階で添加することが従
来からよく知られている。
また、粉末成型時の金型汚染防止性能(以下耐金型汚
染性と呼ぶ)に優れ、かつ剥離性に優れた効果を示す粉
体成型によるカバーリング材料用の粉末系組成物に対す
る必要性も高い。さらに、これらの粉体成型においては
前述の如く高温の金型に粉末系組成物を溶着させて成型
するので、成型ショット回数が増加するにつれて段々金
型が汚染されてくる。
金型が汚染されてくると金型内部のシボ浅現象が起こ
り、表面に艶が発生し、さらに金型の汚れ物質の中に粘
着性のものがあると金型からの表皮材の脱型性が悪くな
ったり、場合によっては、欠肉を生じたりして好ましく
ない。
そのような場合には金型の洗浄のため成型を一時中断
せざるを得なくなり、生産性が著しく低下する。みゃ
た、金型の洗浄のために余分な労力と薬剤(アルカリ洗
浄液、酸洗浄剤、ハロゲン系炭化水素溶剤など)が必要
であるとか、汚れが著しくこれらの洗浄では対応が困難
な場合、機械的なブラッシング(真鋳ブラッシングや微
粒のガラスビーズを強制的に空気と共に噴射させてブラ
ッシングさせる方法など)が必要である。しかしながら
このようなブラッシングを頻繁に行なうとシボ浅現象や
金型寿命を短くすることにつながる。
これらの欠点を改良するために、例えばバリウム/亜
鉛金属塩とマグネシウム化合物を併用する方法(特開昭
60−161451号公報)、炭素原子数18以上の高級脂肪酸を
使用する方法(特開昭62−41247号公報)、バリウム/
亜鉛金属塩と過塩素酸金属塩および/または過塩素酸イ
オン型ハイドロタルサイト類化合物を使用する方法(特
開昭62−270645号公報)、合成ハイドロタルサイト系安
定剤と酸化カルシウムの併用(特開昭63−132953号公
報)あるいはアルキル基の炭素数が5〜8の脂肪酸等の
バリウム/亜鉛金属塩とポリアクリル酸系化合物の併用
(特開平1−215845号公報)などが提案され、金型汚染
性および剥離性に関してはある程度の改善がなされたが
まだ不充分であり、また塩化ビニル系樹脂そのものの熱
安定性が十分ではなかった。
従って、金型の汚れの少ないすなわち耐金型汚染性に
優れ、しかも剥離性にも優れるばかりではなく、熱安定
性にも選れた粉末系塩化ビニル系樹脂組成物を開発する
ことが工業的にも、経済的にも極めて重要なこととなっ
ており、耐金型汚染性、剥離性および熱安定性に優れた
塩化ビニル系樹脂組成物の開発が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者はかかる現状に鑑み、粉体成型における耐金
型汚染性および剥離性に優れ、しかも、熱安定性に良好
な塩化ビニル系樹脂組成物を見出すべく鋭意検討を重ね
た結果、塩化ビニル系樹脂に対して、可塑剤、トリアル
キル酢酸のII族金属塩の少なくとも1種およびハイドロ
タルサイト化合物の少なくとも1種を配合することによ
って優れた効果を奏することを見出し本発明を完成し
た。
すなわち、本発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部
に、(a)可塑剤30〜100重量部、(b)一般式 (式中R1,R2及びR3は、これらの炭素原子数の合計が3
〜18であるアルキル基を示す。) で示されるトリアルキル酢酸のII族金属塩の少なくとも
1種0.05〜10重量部およびハイドロタルサイト化合物の
少なくとも1種0.01〜10重量部を配合してなる粉体成型
用塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
以下、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物について詳細
に説明する。
本発明で使用される可塑剤としては、ジブチルフタレ
ート、ブチルベンジルフタレート、ジヘプチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、
ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレートな
どのフタレート系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイ
ソノニルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペ
ートなどのアジペート系可塑剤、トリフェニルホスフェ
ート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホス
フェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェー
ト、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジ
フェニルホスフェートなどのホスフェート系可塑剤、そ
の他のポリエステル系可塑剤、テトラヒドロフタレート
系可塑剤、アゼレート系可塑剤、セバケート系可塑剤、
ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリテ
ート系可塑剤などがあげられる。
これらの可塑剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重
量部に対して30〜100重量部である。
また、本発明で用いられるトリアルキル酢酸のII属金
属塩を構成するトリアルキル酢酸としては、たとえば、
2,2−ジメチルプロピオン酸、2−メチル−2−エチル
酢酸、2,2−ジメチルペンタノン酸、2,2−ジエチル−4
−メチルペンタノン酸、2,4−ジエチル−2−プロピル
ペンタノン酸、2−メチル−2−プロピルカプロン酸、
2,2−ジメチルカプロン酸、2,5−ジメチル−2−エチル
カプロン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、2−エチル−
2−プロピルヘプタン酸、2,2,6−トリメチルヘプタン
酸、2,2,6−トリエチルヘプタン酸、2−エチル−2−
プロピル−5−メチルヘプタン酸、2,2−ジメチルカプ
リル酸、2,2,7−トリメチルカプリル酸、2,2−ジエチル
−7−メチルカプリル酸、2−メチル−2−ブチルデカ
ノール酸、2,2,7−トリメチルデカノール酸、2,2,6−ト
リエチルドデカノン及びこれらの混合物等があげられ
る。また、トリアルキル酢酸のII属金属塩を構成するII
属の金属としては、たとえば、マグネシュウム、カルシ
ュウム、バリュウム、亜鉛、カドミウム、ストロンチュ
ウム等があげられる。これらの塩は正塩であっても塩基
性塩であってもよい。
これらトリアルキル拡散のII属金属塩の少なくとも1
種の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.0
5〜10重量部である。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、トリア
ルキル酢酸以外のカルボン酸、有機リン酸類またはフェ
ノール類の金属(Li,Na,K,Ca,Ba,Mg,Sr,Zn,Cd,Sn,Cs,A
l,有機Sn)塩を添加することができる。
上記カルボン酸としては、たとえば、カプロン酸、カ
プリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプ
リン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−
ヒドロキシステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシ
ノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、ア
ラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸および類
似酸ならびに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、
大豆油脂肪酸及び綿実油脂肪酸などの天然に産出する上
記の酸の混合物、安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、
エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、
キシリル酸、サリチル酸、5−t−オクチルサリチル
酸、ナフテン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の一価カ
ルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、オキシフタル酸、クロルフタル酸、アミノフタル
酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン
酸、イタコン酸、アコニット酸等の二価カルボン酸のモ
ノエステルなどがあげられる。
また、上記有機リン酸類としては、モノまたはジオク
チルリン酸、モノまたはジドデシルリン酸、モノまたは
ジオクタデシルリン酸、モノまたはジ(ノニルフェニ
ル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホス
ホン酸ステアリルエステルなどがあげられる。
さらに、上記フェノール類としては、フェノール、ク
レゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノー
ル、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどがあげ
られる。
これらの金属塩の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重
量部に対して0.05〜10重量部が好ましい。
本発明の組成物は、さらにハイドロタルサイト化合物
を併用することにより優れた相乗効果を示す。
上記ハイドロタルサイト化合物とはマグネシウム及び
/又は亜鉛とアルミニウムの炭酸複塩化合物であり、こ
れらは、点難ハイドロタルサイト及び合成ハイドロタル
サイトを含有する。合成ハイドロタルサイトは次の式で
表される化合物であり、マグネシウムとアルミニウムの
比率は任意に変化させることができ、また、含まれる結
晶水の量も加熱脱水の程度によって任意に変化させるこ
とができる。
Mgy1Zny2Alx・(OH)・(CO3x/2・mH2O (式中、x、y1、及びy2は各々下記式であらわされる条
件を満足する数を示し、mは0又は任意の正数を示す。
0<x≦0.5、y1+y2=1−x、y1≧y2、 0.3≦y1<1、0<y2<0.5) また、上記式の炭酸の一部を過塩素酸で置き換えた過
塩素酸変性品であってもよい。
これらのハイドロタルサイト化合物の添加量は、塩化
ビニル系樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、特に
0.05〜5重量部が好ましい。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、エポキ
シ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エ
ポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ
油、エポキシ化サフラワー油などのエポキシ化動植物
油、エポキシ化ステアリン酸メチル、−ブチル、−2−
エチルヘキシル、−ステアリル、エポキシ化ポリプタジ
エン、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、
エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化アマニ
油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエー
テル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイト、ジシクロ
ヘキセンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシ
ル−6−メチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレー
トなどのエポキシ化合物を添加することができる。
本発明の組成物は、さらに加工助剤および滑剤を併用
することにより優れた効果を示す。
上記加工助剤および滑剤としては、パラフィンワック
ス、マイクロワックス、低重合ポリエチレン等の炭化水
素化合物、カルナウバロウ、蜜ロウ、モンタンロウ等の
天然ワックス、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸、ステアル
アミド、オレイルアミド、パルミチルアミド、メチレン
ビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の
脂肪酸アミド、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オク
チル、グリセリンモノオレート、グリセリンモノステア
レート等のエステル化合物、アクリル酸エステルポリマ
ー、メタクリル酸エステルポリマー等のポリマー等があ
げられる。
これら加工助剤および滑剤の添加量は、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、特に0.1〜5重
量部が好ましい。
本発明の組成物は、さらに有機ホスファイト化合物を
併用することにより優れた相乗効果を示す。
上記有機ホスファイト化合物の例としては、たとえ
ば、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニルホス
フエイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ト
リデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)
ホスファイト、トリブチルホスファイト、ジラウリルア
シッドホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、
トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリ
ルトリチオホスファイト、トリラウリルホスファイト、
ビス(ネオペンチルグリコール)−1,4−シクロヘキサ
ンジメチルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイ
ト、トリス(ラウリル−2−チオリチル)ホスファイ
ト、テトラデシル−1,1,3−トリス(2′−メチル−
5′−第三ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)ブタン
ジホスファイト、テトラ(C12〜15混合アルキル)−4,
4′−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ト
リス(4−ヒドロキシ−2,5−ジ第三ブチルフェニル)
ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニスフェニル)
ホスファイト、水素化−4,4′−イソプロピリデンジフ
ェノールポリホスファイト、ジフェニル・ビス〔4,4′
−n−ブチリデンビテ(2−第三ブチル−5−メチルフ
ェノール)〕チオジエタノールジホスファイト、ビス
(オクチルフェニル)・ビス〔4,4′−n−ブチリデン
ビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)〕−1,
6−ヘキサンジオールジホスファイト、フェニル−4,4′
−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトー
ルジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイ
ト、テトラトリデシル(2−第三ブチル−5−メチルフ
ェノール)ジホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチ
ルフェニル)ホスファイトなどがあげられる。
これらの有機ホスファイト化合物の添加量は、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部、特に0.1
〜3重量部が好ましい。
さらに、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に、過塩素
酸の金属塩を併用することにより特に優れた効果を発揮
する。
これらの過塩素酸の金属塩としては、例えば、ナトリ
ウム、カリウム、リチウムなどの周期律表第I a族金属
塩、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどの第II a
族金属塩、亜鉛塩、アルミニウム塩などがあげられ、こ
れらの金属塩のうち、特に、第II a族の金属塩が安定化
効果が大きく好ましい。
これらの過塩素酸金属塩の添加量は、塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して0.01〜5重量部、特に0.01〜3重
量部が好ましい。
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂とは、懸濁重合
法、塊状重合法及び乳化重合法でつくられる塩化ビニル
重合体又は塩化ビニルと共重合体し得るエチレン、プロ
ピレン、ビニールアセチートなどの共重合体或いはエチ
レンとビニルアセチート共重合体と塩化ビニルとのグラ
フト共重合体およびこれらの二種以上の重合体の混合物
も含まれるが、必ずしもこれに限定するものではない。
その他、必要に応じた通常塩化ビニル系樹脂に使用さ
れる添加剤、たとえば、架橋剤、充填剤、発泡剤、帯電
防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、
難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型
剤、顔料、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウムなど
の金属水酸化物、酸化物、炭酸カルシウムなどの金属炭
酸塩、ゼオライト類、粉末けい酸(シリカ)類、塩基性
塩類、耐熱向上剤などを配合することができる。
本発明の粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物は、たと
えば、以下のように製造される。懸濁重合または塊状重
合法で製造された塩化ビニル系樹脂に、(a)可塑剤、
(b)トリアルキル酢酸のII族金属塩の少なくとも1
種、ハイドロタルサイト化合物の少なくとも1種、その
他の添加剤などをスーパーミキサーなどの混合機で均一
に分散させるか、流動性改良剤を添加する場合は、ドラ
イブレンドした後、クーリングミキサーなどで冷却して
から流動性改良剤を添加し、ドライブレンドした塩化ビ
ニル系樹脂の表面に均一に被覆して組成物とする。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこ
れらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1 下記の配合による塩化ビニル系樹脂組成物を、ギヤー
オーブンで110℃×1時間ドライアップした後、擂潰器
を用いて15分間撹拌してコンパウンドを作成した。該コ
ンパウンドをクロム製鏡面板(写真用フエロ板)上に均
一の厚さになるように広げ、250℃のギヤーオーブン中
に入れて3分間加熱溶融(ゲル化)させる。これを取り
出して空気冷却後、成型シートを剥離して、クロム製鏡
面板の曇り度合とシートの剥離度合を調べて脱型性およ
び金型汚染性を評価した。
評価は10段階に分け、良110悪で表した。
また、前記成型シートを230℃のキヤーオーブンに入
れ、耐熱着色性の試験を行った。
評価は上記脱型性および金型汚染性と同様10段階に分
け、良110悪で表した。
この結果を下記表−1に示した。
(配合) 懸濁重合PVC 100重量部 C9〜11混合直鎖アルキルフタル酸エステル (DL−911P シェル化学(株)製) 65 エポキシ化大豆油 5 DHT−4A(協和化学工業(株)製 合成ハイドロタルサイト) 1.0 テトラ(C12〜15混合アルキル)−4,4′− イソプロピデンジフェニルジホスファイト 0.5 オクチル酸バリウム 0.1 試料化合物 0.3 実施例2 次の配合の組成物について、実施例1と同様の操作で
脱型性、金型汚染性および耐熱着色性を評価し、その結
果を下記表−2に示した。
(配合) 懸濁重合PVC 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 65 エポキシ化大豆油 5 DHT−4A 1.0 トリスノニルフェニルホスファイト 0.5 オクチル酸亜鉛 0.1 試料化合物 0.3 実施例3 次の配合の組成物について、実施例1と同様の操作で
脱型性、金型汚染性および耐熱着色性を評価し、その結
果を下記表−3に示した。
(配合) 懸濁重合PVC 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 65 エポキシ化アマニ油 5 DHT−4A 1.0 ポリアクチル酸系加工助剤 (MARK LS−5 アデカ・アーガス化学(株)製) 1.0 テトラ(C12〜15混合アルキル)−4,4′− イソプロピデンフェニルジホスファイト 0.5 試料化合物 表−3 〔発明の効果〕 本発明の粉体成型用塩化ビニル系樹脂組成物は、脱型
性および金型汚染性に優れるばかりではなく、耐熱着色
性にも優れた効果をもつものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/06 C08K 5/098 C08K 3/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部に、(a)可
    塑剤30〜100重量部、(b)一般式 (式中R1,R2及びR3は、これらの炭素原子数の合計が3
    〜18であるアルキル基を示す。) で示されるトリアルキル酢酸のII族金属塩の少なくとも
    1種0.05〜10重量部およびハイドロタルサイト化合物の
    少なくとも1種0.01〜10重量部を配合してなる粉体成型
    用塩化ビニル系樹脂組成物。
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