JPH11302482A - 塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた成形物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた成形物

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JPH11302482A
JPH11302482A JP10112331A JP11233198A JPH11302482A JP H11302482 A JPH11302482 A JP H11302482A JP 10112331 A JP10112331 A JP 10112331A JP 11233198 A JP11233198 A JP 11233198A JP H11302482 A JPH11302482 A JP H11302482A
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JP
Japan
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vinyl chloride
weight
chloride resin
copolymer
parts
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JP10112331A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Kaneko
和義 金子
Hideji Matsumura
松村  秀司
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塩化ビニル系樹脂を用いた成形物は温水廻りに
おいて、成形物の変形、変色等が起こり、内装材等の外
観を重視する材料として用いることが出来なかった塩化
ビニル系樹脂に相溶性のある共重合体樹脂と酸化チタン
を添加することにより、耐温水性において極めて高い改
善効果が得られる塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、α
−メチルスチレンが30〜100重量%、不飽和ニトリ
ルが10〜50重量%およびN−芳香族マレイミドが0
〜30重量%を共重合させて得られる共重合体樹脂10
〜80重量部と酸化チタン0.1〜20重量部からなる
耐温水性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物および該塩化
ビニル系樹脂組成物を溶融成形してなる塩化ビニル系樹
脂成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐温水性の良好な塩
化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた成形物に関
し、詳しくは、塩化ビニル系樹脂に対して、塩化ビニル
単独重合体よりもガラス転移温度が高く耐熱性に優れた
共重合体樹脂と、熱安定性に優れた酸化チタンを含有さ
せることにより耐温水性に優れた塩化ビニル系樹脂組成
物および成形物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅等の内装材として塩化ビニル
系樹脂成形物を用いるケースが増えてきている。その内
装材の中でも特に、窓枠、扉枠、階段手すり、敷居、鴨
居等の材料として樹脂成形物は用いられている。しか
し、これらの内装材において、台所、浴室等の温水廻り
での使用は難しかった。というのは、硬質塩化ビニル系
樹脂は、耐熱性の指標であるガラス転移温度(動的粘弾
性において周波数1〜100Hzで測定した場合のta
nδ値の主分散ピ−ク値)が75℃〜85℃であり、ガ
ラス転移温度が120℃以上のアクリロニトリル−スチ
レン系、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系等
の樹脂に対して耐熱性が劣ることは公知の事実である。
【0003】このため、実用耐熱温度の限界値が65℃
と考えられる塩化ビニル系樹脂では、60℃以上の温水
に対して、樹脂自体の熱劣化を起こし、変形、変色等を
起こす欠点がある。このため、塩化ビニル系樹脂を用い
た成形物を温水廻りに用いると、成形物の変形、変色等
が起こり、内装材等の外観を重視する材料としては不向
きであり、使用範囲が限定されてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来の
方法での問題点である、温水廻り用途への展開に対し
て、塩化ビニル系樹脂に対して、塩化ビニル系樹脂と相
溶性である共重合体樹脂と酸化チタンを添加することに
より、耐温水性において極めて高い改善効果が得られた
塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決するため鋭意研究を行った結果、塩化ビニル
系樹脂に対して、耐熱改質剤である共重合体樹脂および
酸化チタンを添加することにより、その相乗効果として
温水による変形、変色等を抑制させることができ、耐温
水性が向上するという本発明に至ったものである。
【0006】すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対し、α−メチルスチレン30〜100重量
%、不飽和ニトリル10〜50重量%およびN−芳香族
マレイミド0〜30重量%を共重合させて得られる共重
合体樹脂10〜80重量部と酸化チタン0.1〜20重
量部からなる耐温水性に優れる塩化ビニル系樹脂組成物
である。さらに本発明は、前記の塩化ビニル系樹脂組成
物を溶融成形してなる塩化ビニル系樹脂成形物である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は耐温水性を向上させるた
め、上述の共重合体樹脂を添加することにより、ガラス
転移温度が向上し、さらに、酸化チタンを添加すること
により、熱安定性が向上し、これら共重合体樹脂と酸化
チタンの相互作用により、特に温水に対する耐熱性を改
善した塩化ビニル系樹脂組成物および成形物を得ること
を目的とする。
【0008】本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂と
は、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルと他の単量体と
の共重合体、塩化ビニルと他の重合体とのグラフト共重
合体、あるいは上記単独重合体、共重合体およびグラフ
ト共重合体の塩素化物等が挙げられる。これらの塩化ビ
ニル系樹脂の重合度は、通常400〜3000程度であ
り、好ましくは500〜2500、さらに好ましくは7
00〜2000である。この重合度が400未満である
と成形物とした時の強度が不足し、3000を超えると
成形加工性が低下する。
【0009】さらに、これら塩化ビニル系樹脂に加え
て、塩化ビニル系樹脂として架橋塩化ビニル系樹脂も用
いることができる。この架橋塩化ビニル系樹脂の重合度
は、通常400〜6000程度であり、好ましくは60
0〜4000であり、さらに好ましくは700〜250
0である。架橋塩化ビニル系樹脂は、一般的に架橋度は
10%以上であり、大半は30%前後である。
【0010】塩化ビニル単独重合体の場合、その製造方
法は従来公知の重合方法で行われ、例えば懸濁重合等が
挙げられる。これらは、市場で容易に入手可能であり、
例えば、大洋塩ビ(株)社製のTH−500、TH−7
00、TH−1000、TH−1300、TH−170
0、TH−2000等を用いることができ、重合度は各
々500、700、1000、1300、1700、2
000である。
【0011】塩化ビニル共重合体として、例えば、エチ
レン−塩化ビニル共重合体および酢酸ビニル−塩化ビニ
ル共重合体の場合、その製造方法は従来公知の重合方法
で行われ、例えば、懸濁重合等が挙げられる。これらエ
チレン−塩化ビニル共重合体としては、市場で容易に入
手可能であり、例えば、大洋塩ビ(株)社製のTE−6
50、TE−800、TE−1050、TE−130
0、TE−1700等を用いることができ、重合度はそ
れぞれ650、780、1050、1300、1700
である。また、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体として
も、例えば、大洋塩ビ(株)社製のTV−800があ
り、重合度は780であり、これらにおいても、市場で
容易に入手可能である。
【0012】次に、塩化ビニルをグラフト共重合させて
なる塩化ビニル系グラフト共重合体とは、アルキルアク
リレートおよび/またはアルキルメタクリレートと多官
能性単量体との共重合体(以下、アクリル系共重合体と
記す。)に塩化ビニルをグラフト共重合させてなり、詳
しくは、アクリル系共重合体1〜30重量部に塩化ビニ
ルを99〜70重量部グラフト共重合させたものであ
る。
【0013】ここでアクリル系共重合体におけるアルキ
ルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレート
としては、その単独での二次転移点が−10℃以下であ
ることが耐衝撃性の改良の点から有利であり、具体例と
しては、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルア
クリレート、イソ−ブチルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート,n−オクチルアクリレート、n−
デシルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n
−デシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート等が挙げられる。この場合
アルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリ
レートの使用量は、アクリル系共重合体中99〜70重
量%が好適である。その量が99重量%を越えては曲げ
弾性率が低下し、70重量%未満では耐衝撃性が低下す
るので好ましくない。
【0014】また、多官能性単量体とは、アルキルアク
リレートおよび/またはアルキルメタクリレートと共重
合可能であり、共重合体中あるいはグラフト共重合体中
で架橋等に関与するモノマー類であって、例えばエチレ
ングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、1,3−プロピレングリコールジメ
タクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリ
レート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート
等の(ポリ)アルキレングリコールのアクリレートもし
くはメタクリレート類、ジアリルフタレート、ジアリル
マレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート
等のポリアリル化合物類、ジビニルベンゼン、ブタジエ
ン等が挙げられる。なお多官能性単量体の使用量は、ア
クリル系共重合体中1〜30重量%が好適であり、1重
量%未満では曲げ弾性率が低下し、また30重量%を越
えると耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0015】これらアクリル系共重合体を得る方法とし
ては、乳化重合、溶液重合、塊状重合等のいずれの重合
方法でも行うことができ、また乳化剤、分散剤、触媒等
も一般に公知のものを用いて重合体を得ることができ
る。
【0016】こうして得られたアクリル系共重合体をグ
ラフト共重合の幹ポリマーとして塩化ビニルをグラフト
共重合して塩化ビニル系グラフト共重合体を得ることが
できる。ここでグラフト共重合方法としては乳化重合、
懸濁重合、溶液重合、無溶媒重合等の重合方法が挙げら
れる。ここで塩化ビニル系グラフト共重合体の含有量が
10重量%未満では耐衝撃性の向上が望めない。耐衝撃
性を要求される用途においては、塩化ビニル系グラフト
共重合体の含有量を10重量%以上にした方が望まし
い。
【0017】また、エチレン−酢酸ビニル共重合体に対
して塩化ビニルをグラフト共重合させてなる塩化ビニル
系グラフト共重合体の場合、上述のアクリル系共重合体
に塩化ビニルをグラフト共重合させたものと同様な方法
により、エチレン−酢酸ビニル共重合体をグラフト共重
合の幹ポリマーとして塩化ビニルをグラフト共重合して
塩化ビニル系グラフト共重合体を得るものである。ここ
でグラフト共重合方法としては乳化重合、懸濁重合、溶
液重合、無溶媒重合等の重合方法が挙げられる。このエ
チレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体で
は、エチレン−酢酸ビニルによるゴム弾性が付与してい
るため、低温での脆性、耐衝撃性および耐候性は極めて
優れている。
【0018】これらの塩化ビニル系グラフト共重合体
は、市場で容易に入手可能であり、アクリル−塩化ビニ
ルグラフト共重合体としては、例えば、大洋塩ビ(株)
社製のTA−I200、TA−I100、TA−E20
0、TA−E230等を用いることができ、重合度はそ
れぞれ500、700、1000、1300である。ま
た、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合
体としては、例えば、大洋塩ビ(株)社製のTG−11
0、TG−120、TG−130等を用いることができ
る。これらの塩化ビニル系グラフト共重合体を単独で、
あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0019】塩化ビニル系樹脂の塩素化物として、例え
ば、塩素化ポリ塩化ビニルがあり、これらは市場で容易
に入手可能であり、例えば、鐘淵化学工業(株)社製の
H−305、H−727、H−829等を用いることが
でき、重合度はそれぞれ500、700、900であ
り、塩素含有量は63%、67%、68%である。この
塩素化ポリ塩化ビニルを用いる場合、このもの自体の耐
熱性が他の塩化ビニル系樹脂より高いため、上述の共重
合体樹脂の添加重量部を少なくすることができる。
【0020】架橋塩化ビニル系樹脂としては、市場で容
易に入手可能であり、例えば、チッソ(株)社製のSD
7E、SD10E、SD13E、SD7X、SD10X
や信越化学工業(株)社製のGR800T、GR130
0T、GR2500T等を用いることができ、それらの
重合度は各々、700、1000、1300、750、
1000であり、800、1300、2500である。
【0021】この様に、塩化ビニル系樹脂としては、上
述の塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル共重合体、塩化
ビニル系グラフト共重合体、塩素化塩化ビニル系樹脂、
架橋塩化ビニル系樹脂等が挙げられ、それぞれを単独
で、あるいはこれらのうち2種類以上を一般的な公知の
方法で混合して用いることができる。
【0022】本発明で用いられる共重合体樹脂とは、α
−メチルスチレン30〜100重量%、不飽和ニトリル
10〜50重量%と必要に応じてN−芳香族マレイミド
0〜30重量%を共重合させて得られる共重合体樹脂で
あり、耐温水性における熱変形、熱変色の抑制効果を向
上させるために用いている。その製造方法は、これら単
量体を用いた乳化重合法、懸濁重合法等により、粉体と
して得ることができる。また、塊状重合法により得る場
合は、共重合体樹脂が塊状物となるために、用いる場合
においては粉砕する必要がある。
【0023】上述の共重合体樹脂におけるα−メチルス
チレンは、比重0.9062(25℃)、分子量11
8.18、融点−23.21℃、沸点161〜162
℃、粘度0.945cps(20℃)、引火点53.9
℃のものである。共重合体樹脂において、α−メチルス
チレンの共重合量が30重量%未満では耐熱性の向上が
不十分であり、100重量%を超えると重合速度が著し
く低下する。
【0024】不飽和ニトリルとしては、例えば、アクリ
ロニトリル、メタアクリロニトリル等があり、特にアク
リロニトリルが好ましく用いられ、アクリロニトリルを
主体としてメタアクリロニトリルを含有した共重合体を
用いることもできる。この不飽和ニトリルの共重合量が
10重量%未満では重合速度が遅く、50重量%を超え
ると熱安定性が低下する。
【0025】また、N−芳香族マレイミドとしては、N
−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミ
ド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−メトキシ
フェニルマレイミド等が用いられる。このN−芳香族マ
レイミドは必要に応じて用いなくてもよいが、用いる場
合においての共重合量が30重量%を超えると衝撃強度
が低下する。
【0026】また、前述の共重合体樹脂において、塩化
ビニル系樹脂との相溶性バランスを制御する目的で単量
体として、例えば、スチレン、パラメチルスチレン、p
−t−ブチルスチレン等の芳香族化合物、メタクリル酸
メチル、アクリル酸メチル等のメタアクリル酸、アクリ
ル酸のアルキルエステル、メタアクリロニトリル等の不
飽和ニトリル、マレイミド、Nマレイミド、N−t−ブ
チルマレイミド等のマレイミド系単量体等が挙げられ
る。これらは単独で,あるいはこれらのうち2種以上を
一般的な公知の方法で混合して用いることができる。
【0027】また、α−メチルスチレン30〜100重
量%、不飽和ニトリル10〜50重量%、N−芳香族マ
レイミド0〜30重量%、およびこれらと共重合可能な
ビニル系単量体とを共重合させて得られる共重合体樹脂
は、市場で用意に入手可能であり、例えば、宇部サイコ
ン(株)社製のS700N(α−メチルスチレン75重
量%、不飽和ニトリル25重量%)、S802N(α−
メチルスチレン70重量%、不飽和ニトリル20重量
%、N−芳香族マレイミド10重量%)、S803N
(α−メチルスチレン35重量%、不飽和ニトリル25
重量%、N−芳香族マレイミド20重量%、スチレン2
0重量%)等がある。
【0028】本発明で用いられる酸化チタンとは、一般
的に白色無機顔料として、耐候性、耐光性、耐熱性、高
い着色力、機械的および電気的特性等を付与させる他
に、耐温水性における変色の抑制効果に対して用いられ
ており、この酸化チタンには、アナタース型とルチル型
の結晶型とに分けられ、アナタース型は高温でルチル型
に転移する。ルチル型の基本的性質は、比重が4.2、
屈折率が2.71、誘電率が114、融点が1858℃
で、高い隠蔽力があり、紫外線吸収能力も大きい。
【0029】酸化チタンの例としては、硫酸法ルチルの
小粒径アルミニウム処理、塩素法ルチルの小粒径アルミ
ニウム処理、硫酸法ルチルの中粒径アルミニウム処理、
硫酸法ルチルの中粒径アルミニウム−シリコン−亜鉛処
理、硫酸法ルチルの中粒径アルミニウム−亜鉛処理、塩
素法ルチルの中粒径アルミニウム−シリコン処理、塩素
法ルチルの大粒径アルミニウム−シリコン処理のもの等
が挙げられる。
【0030】これらの酸化チタンは、硫酸法酸化チタン
では、例えば、石原産業(株)社製のR−670(小粒
径、アルミニウム処理、酸化チタン含有量93%、平均
粒径0.21μm)、R−820(中粒径、アルミニウ
ム−シリコン−亜鉛処理、酸化チタン含有量93%、平
均粒径0.26μm)、R−850(中粒径、アルミニ
ウム−シリコン処理、酸化チタン含有量90%、平均粒
径0.24μm)、R−580(大粒径、アルミニウム
処理、酸化チタン含有量94%、平均粒径0.28μ
m)等が挙げられる。
【0031】また、塩素化法酸化チタンでは、例えば、
石原産業(株)社製の、CR−67(小粒径、アルミニ
ウム処理、酸化チタン含有量92%、平均粒径0.22
μm)、CR−90(中粒径、アルミニウム−シリコン
処理、酸化チタン含有量90%、平均粒径0.25μ
m)、CR−95(大粒径、アルミニウム−シリコン処
理、酸化チタン含有量90%、平均粒径0.28μm)
等が挙げられる。
【0032】これら酸化チタンの添加重量部数は、該塩
化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜20重量
部であり、好ましくは0.5〜15重量部であり、さら
に好ましくは1〜10重量部である。0.1重量部未満
では耐温水性の向上効果が期待できない。20重量部を
越えると耐温水性において成形品表面に酸化チタンのブ
リーディング現象(成形品表面に酸化チタンが浮き出し
てくる)が発生し、成形品の色、模様等に問題が起こ
る。
【0033】本発明において、後述の方法により得られ
る塩化ビニル系樹脂組成物は、その他一般に用いられて
いる安定剤、滑剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、顔料および充填剤等、さらに、特殊用途に
対する添加剤として、発泡を付与させる発泡剤、木質感
を付与させるカシューナッツ殻油変性フェノール系樹脂
等を必要に応じて用いることができ、これらは、市場で
容易に入手可能である。
【0034】ここでいう安定剤としては、市場で容易に
入手可能であり、例えば、鉛白、三塩基性硫酸鉛、二塩
基性亜リン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、三塩基性マレイ
ン酸鉛、ステアリン酸鉛等の鉛系安定剤、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム
等の金属石鹸、バリウム/亜鉛、カルシウム/亜鉛等の
金属塩がある。
【0035】また、有機錫系安定剤としては、メチル
基、ブチル基あるいはオクチル基等のアルキル基を有
し、置換基の種類によりカルボキシレート系、マレート
系あるいはメルカプト系に大別される。これらは市場で
容易に入手可能であり、例えば、ジメチル錫ビス−2−
エチルヘキシルチオグリコレート、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫マレート、ジブチル錫メルカプト、メ
チル錫メルカプト、ジオクチル錫ビス−2−エチルヘキ
シルチオグリコレート等が挙げられる。さらに、無毒安
定剤として熱安定性、透明性、電気特性等が優れている
ハイドロタルサイト化合物も用いることができる。
【0036】滑剤としては、流動パラフィン、パラフィ
ンワックス、合成ポリエチレンワックス等の炭化水素
系、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステ
アリン酸等の脂肪酸系、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸
系、グリセリンモノステアレート、ジステアリルフタレ
ート、グリセリンモノオレート、ブチルステアレート、
ステアリン酸モノグリセライド、硬化油等のエステル
系、ステアリン酸アルコール等の高級アルコール系等が
挙げられる。これらは各々単独使用、あるいは2種類以
上を混合して用いることができる。
【0037】可塑剤としては、例えば、フタル酸ジ2エ
チルヘキシル、フタル酸ジイソノニル等のフタル酸系、
エポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸ブチル等のエポキ
シ系、アジピン酸ジ2エチルヘキシル、アジピン酸ジイ
ソノニル等の脂肪族二塩基酸エステル系、前記の脂肪族
二塩基酸とグリコールの重縮化合物からなるポリエステ
ル系、塩素化パラフィン系、トリクレジルホスフェイ
ト、トリフェニルホスフェイト等のリン酸エステル系、
トリ2エチルヘキシルトリメリテート、トリイソデシル
トリメリテート等のトリメリット酸エステル系等を用い
ることができる。これらは各々単独使用、あるいは2種
類以上を混合して用いることができる。
【0038】加工助剤としては、例えば、ポリメチルメ
タアクリレート(PMMA)が挙げられる。 酸化防止
剤としては、例えば、フェノール系、イオウ系、リン酸
系に大別される。特にフェノール系は良く用いられ、例
えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−
ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)イソシアネレート等が挙げられる。
【0039】紫外線吸収剤としては、例えば、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0040】顔料としては、例えば、ベンガラ、黄鉛、
カーボンブラック、カーボンホワイト、リトポン等が挙
げられる。
【0041】充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、クレー、含水珪酸、無水珪酸、珪酸カルシウム、珪
酸アルミニウムアスベスト粉、酸化アンチモン、タル
ク、三水和アルミニウム、水和硼酸亜鉛、酸化マグネシ
ウム、重曹、硝酸加里、水酸化カルシウム、雲母、合成
フッ素雲母等が挙げられ、中でも、炭酸カルシウムが好
ましく用いられる。他に、必要に応じて難燃剤、チョー
キング防止剤、帯電防止剤等も用いることができる。
【0042】発泡を付与させる目的として、以下の発泡
剤を添加して用いることができる。その発泡剤として
は、例えば、p,p’−オキシビス−ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド(OBSH)、アゾジカルボンアミド(A
DCA)、炭酸水素ナトリウム(重曹:NaHCO3)等
が挙げられる。これらは、単独あるいは複合して用いる
ことができる。これらの発泡剤は、例えば、永和化成工
業(株)社製のセルボンSCP(NaHCO3)、DS−
25(ADCA+OBSH)、セルマイクC1(ADC
A)等が挙げられる。これら発泡剤の合計添加重量部数
は、該塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.05
〜5.0重量部であり、好ましくは0.1〜3.0重量
部であり、さらに好ましくは0.2〜1.5重量部であ
る。0.05重量部未満では比重軽減効果がなく、発泡
倍率の向上はあまり期待できない。5.0重量部を越え
ると高発泡状態となり、成形品の強度が十分に保てず、
極限られた成形品しか得られないことになり、成形加工
性に問題が出てくる。
【0043】手触り感や艶等の木質感を付与させる目的
として、以下のカシューナッツ殻油変性フェノール系樹
脂等を添加して用いることができる。そのカシューナッ
ツ殻油変性フェノール系樹脂としては、漆科アナカルデ
ィウム植物カシュ樹の実の殻に含まれる黒褐色の液体
(カードル、アナカルド酸が主成分)を熱処理により得
られたカーダノールをホルムアルデヒド等とともに酸処
理を施したノボラック型カシューナッツ殻油変性フェノ
ール系樹脂、あるいはアルカリを触媒に使用して処理を
施したレゾール型カシューナッツ殻油変性フェノール系
樹脂、あるいは他の処理を施した架橋構造を有している
アルキルフェノール系硬化樹脂である。これらは市場で
容易に入手可能であり、例えば、東北化工(株)社製の
センライトカシューダストFF−1045、FF−11
40、FF−1148、FF−2090等が挙げられ
る。これらの添加重量部数は、該塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して0.5〜100重量部であり、好まし
くは1〜60重量部であり、さらに好ましくは2〜40
重量部である。添加部数が0.5重量部未満では手触り
による表面が荒れたような木質感は多少あるが、目視に
よる木質感が少なく、100重量部を越えると成形加工
性が著しく低下する。
【0044】本発明における塩化ビニル系樹脂組成物を
得る方法としては、前述の塩化ビニル系樹脂に対し、α
−メチルスチレンが30〜100重量%、不飽和ニトリ
ルが10〜50重量%、必要に応じてN−芳香族マレイ
ミドが0〜30重量%、およびこれらと共重合可能なビ
ニル系単量体とを共重合させて得られる共重合体樹脂お
よび酸化チタンと、さらに、安定剤、滑剤、充填剤、必
要に応じてその他の添加剤を添加し、例えば、ヘンシェ
ルミキサー、バンバリーミキサー、リボンブレンダー等
の攪拌機により攪拌、混合を行い配合粉として、あるい
は得られた配合粉を、例えばコニカル二軸押出機、パラ
レル二軸押出機、単軸押出機、コニーダー型混練機、ロ
ール混練機等の混練機により造粒したペレットとして得
ることができる。
【0045】また他に、塩化ビニル系樹脂組成物を得る
方法としては、塩化ビニル系樹脂を懸濁重合法等の従来
公知の製造方法により得て、この得られた塩化ビニル系
樹脂に対してα−メチルスチレン、不飽和ニトリル、さ
らに必要に応じてN−芳香族マレイミドを加えて乳化重
合法、懸濁重合法等の重合方法により共重合させる二段
階重合方法により得られた塩化ビニル系樹脂共重合体を
用いることができる。この塩化ビニル系樹脂共重合体に
対して、酸化チタンと、さらに、安定剤、滑剤、充填
剤、必要に応じてその他の添加剤を添加し、前述と同様
にして、耐温水性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を得
ることができる。
【0046】これらの塩化ビニル系樹脂組成物である配
合粉あるいはペレットを用いて、例えば、コニカル二軸
押出機、パラレル二軸押出機、単軸押出機等の押出機に
より溶融成形加工することにより耐温水性に優れた塩化
ビニル系樹脂成形物として得ることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0048】溶融押出して得た塩化ビニル系樹脂組成物
のペレットを、さらに押出成形を行い、得られた成形品
を用いて、耐温水性における色変化および寸法変化率の
評価について以下のように行った。但し、ここで、耐温
水性の色変化を評価する場合、変化度を明白にするため
に、予め、塩化ビニル系樹脂組成物中に顔料等を添加す
ることにより、色を付けておく方が良い。着色せずに白
色のままであると、色変化度が明白に現れないことがあ
る。
【0049】評価のための成形品は、冷却サイジング台
を装備した池貝鉄工(株)社製の口径40mmの単軸フ
ルフライト型スクリュー押出機FS40−25(スクリ
ュー直径40mm、L/D=25)にて、シリンダー設
定温度130〜170℃、アダプター設定温度135〜
165℃、ダイス設定温度145〜180℃の条件で、
幅80mm、厚み4mm、長さ約50mmの平板成形品
を押出成形した。ここで得られた成形品を用いて各項目
について評価した。
【0050】耐温水性については、(株)二葉科学製の
循環式熱風乾燥機DG(DFR)−100内に水を入れ
た容器を入れておき、水温が70℃になるように加熱し
ておき、その70℃温水中に、上述の成形品を100時
間浸漬させ、浸漬前後での成形品表面の色変化および成
形品の寸法変化を測定した。
【0051】色変化は、成形品表面の色差を測定した。
測定は、日本電色工業(株)社製のシグマ80Colo
r Measuring Systemにより、浸漬0
時間の成形品を基準として行い、△E値が5以下で合格
と判断した。
【0052】寸法変化は、70℃温水浸漬前後の成形品
の流れ方向および幅方向の寸法を測定し、各々の寸法変
化率を算出した。寸法変化率は、成形品流れ方向で±
0.5%以下、幅方向で±0.15%以下で合格と判断
した。
【0053】実施例1 攪拌翼を装備した内容積800Lの重合機に、塩化ビニ
ル3200g、脱イオン水4800g、分散安定剤16
00ppm、重合開始剤690ppmを装入し、公知の
懸濁重合方法により、64℃で5時間重合反応を行った
後、未反応モノマーを回収し、スラリーを脱水乾燥させ
たところ、2580gの塩化ビニル系樹脂である白色粉
末が得られた。この得られた塩化ビニル系樹脂は、平均
重合度が700である塩化ビニル単独重合体であり、こ
の塩化ビニル単独重合体2000gを用いて、α−メチ
ルスチレン300g、アクリロニトリル300g、N−
フェニルマレイミド300g、メタクリル酸メチル10
0g、脱イオン水、分散安定剤、重合開始剤を用いて、
公知の懸濁重合方法により、75℃で6時間重合反応を
行った後、未反応モノマーを除去し、脱水乾燥させて粉
末状の塩化ビニル系樹脂共重合体2850gを得た。
【0054】上述の塩化ビニル系樹脂共重合体150重
量部を用いて、酸化チタン(石原産業(株)社製、R−
820)5重量部、安定剤としてメチル錫メルカプト
(勝田化工(株)社製、TM−181FSJ)1重量
部、内部滑剤としてジステアリルフタレートエステル
(ヘンケル白水(株)社製、ロキシオールG60)2重
量部、外部滑剤として高分子複合エステル0.5重量
部、変性ポリエチレン2重量部、加工助剤としてポリメ
チルメタクリレート8重量部、化学発泡剤として、AD
CAとOBSHの複合発泡剤(永和化成工業(株)社
製、DS−25)0.5重量部、充填剤として炭酸カル
シウムを5重量部等を添加したものを、三井三池加工機
(株)社製ヘンシェルミキサ−FM20B−FD20D
/K型にて混合し、得られた組成物を池貝鉄工(株)社
製、口径30mmの単軸押出機(PCM−30)にて、
シリンダーおよびダイス設定温度を120〜140℃で
溶融押出を行い、塩化ビニル系樹脂組成物のペレットを
得た。
【0055】得られたペレットを用いて、池貝鉄工
(株)社製、口径40mmの単軸押出機(FS40−2
5)にて、シリンダー設定温度140〜160℃、アダ
プター設定温度150℃、ダイス設定温度160℃の条
件で、幅80mm、厚み4mm、長さ約50mmの平板
成形品を押出成形した。この平板成形品を用いて、上述
のとおりに各項目について評価を行った。
【0056】結果としては、70℃の温水浸漬後におけ
る色変化では、△E値が2.10であり、成形品の寸法
変化率では、流れ方向が0.19%、幅方向が0.10
%であった。
【0057】実施例2 塩化ビニル系樹脂として、市販の平均重合度700の塩
化ビニル単独重合体(大洋塩ビ(株)社製、TH−70
0)100重量部を用い、共重合体樹脂として、市販の
α−メチルスチレン75重量%、不飽和ニトリル25重
量%を重合させて得られる共重合体樹脂(宇部サイコン
(株)社製、S700N)30重量部、酸化チタン(石
原産業(株)社製、R−820)5重量部、安定剤とし
てメチル錫メルカプト(勝田化工(株)社製、TM−1
81FSJ)1重量部、内部滑剤としてジステアリルフ
タレートエステル(ヘンケル白水(株)社製、ロキシオ
ールG60)2重量部、外部滑剤として高分子複合エス
テル0.5重量部、変性ポリエチレン2重量部、加工助
剤としてポリメチルメタクリレート10重量部、化学発
泡剤として、ADCAとOBSHの複合発泡剤(永和化
成工業(株)社製、DS−25)0.5重量部、充填剤
として炭酸カルシウムを5重量部等を添加したものを、
三井三池加工機(株)社製ヘンシェルミキサ−FM20
B−FD20D/K型にて混合し、得られた組成物を池
貝鉄工(株)社製、口径30mmの単軸押出機(PCM
−30)にて、シリンダーおよびダイス設定温度を12
0〜140℃で溶融押出を行い(以下、造粒と略す)、
塩化ビニル系樹脂組成物のペレットを得た。
【0058】得られたペレットを用いて、池貝鉄工
(株)社製、口径40mmの単軸押出機(FS40−2
5)にて、シリンダー設定温度140〜160℃、アダ
プター設定温度150℃、ダイス設定温度160℃の条
件で、幅80mm、厚み4mm、長さ約50mmの平板
成形品を押出成形した。この平板成形品を用いて、上述
のとおりに各項目について評価を行った。結果を表1に
示す。
【0059】実施例3 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度780のエチレン
−塩化ビニル共重合体(大洋塩ビ(株)社製、TE−8
00)100重量部を用い、共重合体樹脂として、α−
メチルスチレン75重量%、不飽和ニトリル25重量%
を重合させて得られる共重合体樹脂(宇部サイコン
(株)社製、S700N)を20重量部、酸化チタン
(石原産業(株)社製、R−820)を0.5重量部用
いた他は実施例2と同様にして造粒、成形を行い、各項
目を評価した。結果を表1に示す。
【0060】実施例4 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度700の架橋塩化
ビニル系樹脂(チッソ(株)社製、SD−7E)100
重量部を用い、共重合体樹脂とし、α−メチルスチレン
35重量%、不飽和ニトリル25重量%、N−芳香族マ
レイミド20重量%、スチレン20重量%を重合して得
られる共重合体樹脂(宇部サイコン(株)社製、S80
3N)を70重量部用いた他は実施例2と同様にして造
粒、成形し、各項目を評価した。結果を表1に示す。
【0061】実施例5 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1000の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体(大洋塩ビ(株)社製、TA−
E 200)100重量部を用い、共重合体樹脂とし
て、α−メチルスチレン70重量%、不飽和ニトリル2
0重量%、N−芳香族マレイミド10重量%を重合して
得られる共重合体樹脂(宇部サイコン(株)社製、S8
02N)を10重量部、酸化チタン(石原産業(株)社
製、R−820)を3重量部用いた他は実施例2と同様
にして造粒、成形を行い、各項目を評価した。結果を表
1に示す。
【0062】比較例1 共重合体樹脂、酸化チタンともに用いない他は実施例2
と同様にして造粒、成形を行い、各項目を評価した。耐
温水性浸漬試験後の成形品において、色差△E値が1
6.45、流れ方向の寸法変化率が2.89%、幅方向
の寸法変化率が0.18%と大きく、耐温水性は不十分
であった。結果を表1に示す。
【0063】比較例2 酸化チタンを用いない他は実施例2と同様にして造粒、
成形を行い、各項目を評価した。耐温水性浸漬試験後の
成形品において、色差△E値が15.98、流れ方向の
寸法変化率が1.25%と大きく、耐温水性は不十分で
あった。結果を表1に示す。
【0064】比較例3 共重合体樹脂を用いないで、酸化チタン(石原産業
(株)社製、R−820)を25重量部用いた他は実施
例3と同様にして造粒、成形を行い、各項目を評価し
た。耐温水性浸漬試験後の成形品において、色差△E値
が10.05、流れ方向の寸法変化率が3.01%、幅
方向の寸法変化率が0.28%と大きく、耐温水性は不
十分であった。結果を表1に示す。
【0065】比較例4 共重合体樹脂として、α−メチルスチレン75重量%、
不飽和ニトリル25重量%を重合させて得られる共重合
体樹脂(宇部サイコン(株)社製、S700N)を90
重量部、酸化チタン(石原産業(株)社製、R−82
0)を0.05重量部用いた他は実施例3と同様にして
造粒を行ったが、押出機のモーター負荷および樹脂圧力
が極端に上昇し、樹脂圧力では最大値である350kg
/cm2 を超えてしまい、造粒不能であった。結果を表
1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、耐温水性に優れた塩化
ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた成形物を提供す
ることができ、産業上、従来の使用範囲を越えた新しい
用途開発において、優位である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 27/06 35:06) (C08F 212/12 220:42 222:40)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、α
    −メチルスチレンが30〜100重量%、不飽和ニトリ
    ルが10〜50重量%およびN−芳香族マレイミドが0
    〜30重量%を共重合させて得られる共重合体樹脂10
    〜80重量部と酸化チタン0.1〜20重量部からなる
    耐温水性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物を
    溶融成形してなる塩化ビニル系樹脂成形物。
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