JP2004518863A - 固定装置 - Google Patents

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Abstract

内燃機関のシリンダヘッド(2)に燃料噴射弁(1)を固定する固定装置であって、少なくとも1つの抑え体(11)が設けられており、該抑え体(11)がシリンダヘッド(2)の端面(12)に固定されていて、燃料噴射弁(1)がシリンダヘッド(2)の受容孔(9)に固定されている形式のものにおいて、少なくとも1つの抑え体(11)が、燃料噴射弁(1)の、流出側端部(6)に形成された段部(7)に支持されていて、燃料噴射弁(1)を少なくとも部分的に取り囲んで把持している。

Description

【0001】
従来の技術
本発明は、請求項1の上位概念部に記載された形式の燃料噴射弁を固定するための固定装置に関する。
【0002】
既にドイツ連邦共和国特許第2926490号明細書に基づいて公知の、燃料噴射弁を吸気管に固定するための固定装置では、燃料分配導管もしくは差込みニップルにおける燃料噴射弁の軸方向固定は、U字形の固定クランプとして構成された固定エレメントによって行われ、この固定エレメントもしくは固定クランプは半径方向においてばね弾性的な2つの脚を備えている。固定クランプはこの場合取り付けられた状態において、差込みニップルの対応する貫通孔を貫通して、燃料噴射弁の接続管片にリング溝として形成された切欠き内において係止可能である。差込みニップルの貫通孔と固定クランプとの間、及びリング溝と固定クランプとの間における軸方向遊びは、シール部材の緊張なしに燃料噴射弁の正確な固定を達成するために、小さく保たれることが望ましい。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許第2926490号明細書に基づいて公知の固定装置における欠点としては特に、燃料噴射弁に対する種々異なった保持部材の緊張作用が挙げられる。そして燃料噴射弁において生じる力の流れは、変形を惹起し、ひいては弁ニードルの行程変化やひっかかりを引き起こし、また、一般的に薄壁に形成され複数箇所で互いに溶接されているケーシング部分の圧力負荷又は曲げ負荷を生ぜしめる。さらに、例えば支持カラーによる各固定処置は、燃料噴射弁の半径方向寸法を増大させ、ひいては取付け時における所用スペースを増大させることになる。
【0004】
発明の利点
請求項1の特徴部に記載のように構成された本発明による燃料噴射弁用の固定装置には、公知のものに比べて次のような利点を有している。すなわち本発明による固定装置では、燃料噴射弁は噴射側端部に、該端部に固定されたカラー又は段部を有しており、このカラー又は段部には可撓性の抑え体が係合作用し、この抑え体は燃料噴射弁の端部を完全に又は部分的に取り囲んで把持しており、これによって燃料噴射弁はシリンダヘッドにおいて押さえ付けられる。このように構成することによって、軸方向力又は曲げ力は流出側端部においてしか弁ケーシングに作用しない。
【0005】
請求項1記載の本発明による固定装置の別の有利な構成は、請求項2以下に記載されている。
【0006】
本発明の利点としてはさらに、抑え体が簡単に金属薄板から打抜きによって製造可能であり、かつ個々の燃料噴射弁に対しても、並んで配置された燃料噴射弁に対しても適している、ということが挙げられる。
【0007】
抑え体は有利には、ねじ又は緊締爪によって簡単な形式でシリンダヘッドの端面に固定される。
【0008】
さらに別の有利な構成では、抑え体が、一体的に形成された抑えポット形部材の形で構成されており、このような抑えポット形部材は、シリンダヘッドの受容孔において燃料噴射弁により大きな安定性を与えることができる。
【0009】
さらにまた、抑えポット形部材の端部にスリットや弾性的な舌状部が形成されていると、燃料噴射弁の迅速かつ簡単な取付け・取外しが可能であり、有利である。
【0010】
抑えポット形部材を段付けすることによって、固定装置はシリンダヘッドのほぼ如何なる受容孔にも取り付けることができ、これによって、極めて大きな孔横断面においてもアダプタとして使用することができる。
【0011】
図面
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【0012】
図1は、燃料噴射弁のための本発明のように構成された固定装置の第1実施例を示す全体図である。
【0013】
図2Aは、本発明のように構成された固定装置の1実施例を示す平面図である。
【0014】
図2Bは、図2Aに示された固定装置の変化実施例を示す平面図である。
【0015】
図3は、本発明による固定装置の第2実施例を示す平面図である。
【0016】
図4は、図3に示された固定装置の縦断面図である。
【0017】
図5は、図3及び図4に示された固定装置と燃料噴射弁との固定過程を示す図である。
【0018】
実施例の記載
図1には、燃料噴射弁用の本発明のように構成された固定装置の第1実施例が部分的に断面された概略的に示されている。
【0019】
燃料噴射弁1は、直接噴射する燃料噴射弁1の形で構成されており、特に混合気圧縮型火花点火式の内燃機関(詳細には図示せず)の燃焼室内に燃料を直接噴射するために、シリンダヘッド2に取り付けられている。燃料噴射弁1は供給側の端部3に、燃料供給導管4への接続部を有している。燃料噴射弁1は、燃料噴射弁1を作動させるための電気的な接触接続のための接続部5を有している。
【0020】
燃料噴射弁1の流出側端部6には段部7が形成されており、この段部7はシリンダヘッド2の受容孔9の壁8に接触している。段部7はこの場合例えば旋削によって製造されることができ、又は溶接によって球形の形状を燃料噴射弁1の流出側端部6に固定することも可能であり、これによってさらに受容孔9内における良好な案内が得られる。
【0021】
燃料噴射弁1をシリンダヘッド2の受容孔9内に固定するために、本発明によれば固定装置10が設けられている。固定装置10は抑え体11から成っており、この抑え体11は図示の第1実施例では2部分から形成されていて、燃料噴射弁1の流出側端部6に接触している。有利には抑え体11は金属薄板から例えば打ち抜かれている。抑え体11は、燃料噴射弁1の流出側端部6に形成された段部7に支持されている。抑え体11は側部16でシリンダヘッド2の端面12に、図1の左側に示されているように、シリンダヘッド2にねじ込まれたねじ13を用いて固定されているか、又は図1の右側に示されているように、同様にシリンダヘッド2の端面12に設けられた緊締爪14を用いて固定されている。後者は、抑え体11における孔を省くことができるので、より簡単な取付け可能性の点で傑出している。
【0022】
抑え体11の有利な形状はこの場合次のように、すなわちシリンダヘッド2の端面12における側部16の固定によって、燃料噴射弁1を段部7を介してシリンダヘッド2における受容孔9に押し込むばね作用が生じるように、選択されている。燃料噴射弁1の軸方向における安定性は、一方では燃料導管4の案内によって、かつ他方では燃料噴射弁1の流出側端部6の領域における抑え体11の部分的な取り囲みによって達成される。
【0023】
図2A及び図2Bには、燃料噴射弁1の本発明による固定装置10の2つの実施例が略示されている。以下において同じ部材には、すべての図において同一符号が用いられている。
【0024】
燃料の流れ方向で固定装置10を見ると、シリンダヘッド2の端面12を越えて突出している、抑え体11の側部16が分かる。この抑え体11の側部16は、図2A及び図2Bにおいて、例えばシリンダヘッド2における固定のための孔15を備えている。
【0025】
図2Aには、対称的な1対の抑え体11が示されており、この抑え体11は1つの燃料噴射弁1を固定するために働き、これに対して図2Bには、複数の燃料噴射弁1を直接は位置するための抑え体11が示されており、この場合より簡単な固定のため及びさらなる安定化のために、それぞれ隣接した抑え体11は一体的に形成されている。
【0026】
図3には、燃料噴射弁1のための本発明のように構成された固定装置10の第2実施例が平面図で示されている。
【0027】
図1に示された固定装置10の実施例とは異なり、図3に示された第2実施例は一体的に、つまりポット形に形成されている。抑えポット形部材17はこの実施例においても、シリンダヘッド2の端面12に抑えポット形部材17を固定するために、孔15を備えた2つの側部16を有している。切欠き18は、燃料噴射弁1を作動させるための導電体(図示せず)を貫通させるために働く。このような抑えポット形部材17は例えば深絞りによって製造することができる。
【0028】
燃料噴射弁1の流出側端部6に形成された段部7を、抑えポット形部材17に導入できるようにするために、少なくとも1つの、図示の実施例では2つのスリット19が設けられており、両スリット19は抑えポット形部材17の流出側端部6に対称的に配置されている。燃料噴射弁1の外側形状もしくはシリンダヘッド2の受容孔9の形状に合わせるために、抑えポット形部材17は図4から明らかなように、複数の段部20を有している。
【0029】
図5には、図3及び図4に示された固定装置10内における燃料噴射弁1の固定過程が示されている。
【0030】
既に上で述べたように、固定装置10がポット形に形成されている場合には、少なくとも1つのスリット19が設けられていなくてはならず、これによって初めて、燃料噴射弁1の、段部7によって肉厚になった端部6を、抑えポット形部材17内に係止することが可能になる。燃料噴射弁1をに挿入する過程は、図5に簡略化されて示されている。
【0031】
燃料噴射弁1の押込み時に、まず初めスリット19に隣接した抑えポット形部材17の舌状部21は、燃料噴射弁1の流出側端部6における段部7への圧力によって後退する。この動作は図5の左側に示されている。
【0032】
燃料噴射弁1がさらに舌状部21のばね力に抗して抑えポット形部材17に押し込まれると、舌状部21は段部7の供給側においてその本来の形状にスナップ式に戻り、燃料噴射弁1に接触する。同時に、取り付けられた燃料噴射弁1を短時間引っ張ることによって、舌状部21は段部7に支持され、シリンダヘッド2の受容孔9内における燃料噴射弁1及び抑えポット形部材17の取付け後に燃料噴射弁1を固定することができる。燃料噴射弁1を取り外したい場合には、燃料噴射弁1は抑えポット形部材17から引き出され、この動作は、段部7の球形形状によって容易に行われる。
【0033】
抑えポット形部材17の固定は、第1実施例におけるように、孔15を通して案内されたねじ13を用いてか、又は緊締爪14を用いて行うことができる。
【0034】
本発明は図示の実施例に制限されるものではなく、例えば、自己着火式内燃機関の燃料室への噴射のための燃料噴射弁1のためにも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
燃料噴射弁のための本発明のように構成された固定装置の第1実施例を示す全体図である。
【図2A】
本発明のように構成された固定装置の1実施例を示す平面図である。
【図2B】
図2Aに示された固定装置の変化実施例を示す平面図である。
【図3】
本発明による固定装置の第2実施例を示す平面図である。
【図4】
図3に示された固定装置の縦断面図である。
【図5】
図3及び図4に示された固定装置と燃料噴射弁との固定過程を示す図である。

Claims (9)

  1. 内燃機関のシリンダヘッド(2)に燃料噴射弁(1)を固定する固定装置であって、少なくとも1つの抑え体(11)が設けられており、該抑え体(11)がシリンダヘッド(2)の端面(12)に固定されていて、燃料噴射弁(1)がシリンダヘッド(2)の受容孔(9)に固定されている形式のものにおいて、少なくとも1つの抑え体(11)が、燃料噴射弁(1)の、流出側端部(6)に形成された段部(7)に支持されていて、燃料噴射弁(1)を少なくとも部分的に取り囲んでおり、抑え体(11)が、取り付けられた状態においてプレロードをかけられるように、成形されていることを特徴とする固定装置。
  2. 少なくとも1つの抑え体(11)が、側部(16)を有しており、該側部(16)がシリンダヘッド(2)の端面(12)を越えて突出している、請求項1記載の固定装置。
  3. 少なくとも1つの抑え体(11)の側部(16)が、シリンダヘッド(2)の端面(12)に少なくとも1つのねじ(13)を用いて固定されており、該ねじ(13)が側部(16)における少なくとも1つの孔(15)を貫通している、請求項1又は2記載の固定装置。
  4. 少なくとも1つの抑え体(11)の側部(16)が、シリンダヘッド(2)の端面(12)に少なくとも1つの緊締爪(14)を用いて固定されており、該緊締爪(14)が側部(16)をシリンダヘッド(2)の端面(12)に押圧する、請求項1又は2記載の固定装置。
  5. 隣接した各2つの抑え体(11)が、直列に配置された燃料噴射弁(1)を固定するために一体的に形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の固定装置。
  6. 抑え体(11)が、一体的に形成された抑えポット形部材(17)の形で構成されている、請求項1記載の固定装置。
  7. 抑えポット形部材(17)が、流出側端部(22)に少なくとも1つのスリット(19)を有している、請求項6記載の固定装置。
  8. 抑えポット形部材(17)が流出側端部(22)に、弾性的に変形可能な少なくとも1つの舌状部(21)を有している、請求項7記載の固定装置。
  9. 抑えポット形部材(17)の側部(16)がそれぞれ、孔(15)を貫いて突出している少なくとも1つのねじ(13)によって、又は少なくとも1つの緊締爪(14)によって、シリンダヘッド(2)の端面(12)に固定されている、請求項6から8までのいずれか1項記載の固定装置。
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