JP2002532654A - 燃料噴射弁の組立及び分解のための組立装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 内燃機関のシリンダヘッド（４）の受容孔（３）内への燃料噴射弁（２）の組立及び分解のための組立装置（１）が、燃料噴射弁（２）に係合する少なくとも２つの係合部材（９，１０）を有している。ばね弾性的な係合部材（９，１０）に、燃料噴射弁（２）への押し付け力の伝達のための押し付け面（１１，１２）及び係止切欠き（１７，１８）が形成されており、該係止切欠き内に燃料噴射弁（２）の係止突起（１９，２０）が燃料噴射弁（２）への分解力の伝達のために係合している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、内燃機関のシリンダヘッドの受容孔内へ、若しくは該受容孔からの
燃料噴射弁、特に高圧直接噴射弁の組立及び分解のための組立装置に関する。高
圧直接噴射弁によって燃料が直接に内燃機関の燃焼室内に噴射される。

【０００２】 本発明は請求項１の上位概念に記載の形式の組立装置から出発している。既に
ドイツ連邦共和国特許出願第１９７０５９９０Ａ１号明細書により、燃料噴射弁
を少なくとも部分的に取り囲む本体を備えた組立装置が公知であり、この場合、
本体の第１の端部に内側へ向けられたつば区分が形成されており、かつ本体の、
第１の端部と相対する第２の端部に外側へ向けられたつば区分が形成されている
。半径方向内側へ向けられたつば区分が燃料噴射弁の溝内に差し込み可能である
のに対して、外側に向けられたつば区分が燃料噴射弁の受容開口から突出してい
る。シリンダヘッドの受容孔から突出するつば区分に適当な工具、例えば組立ア
イゼン(Montiereisen)が係合させられて、組立装置が燃料噴射弁と一緒に受容孔
から取り出される。

【０００３】 このような公知の組立装置は、燃料噴射弁に押し付け力を伝達して、燃焼室内
に生じる燃焼圧力に抗して保持するためには適していない。従って、燃料噴射弁
の押し付けは、別個の押し付け装置を介して行われ、若しくは燃料噴射弁がもっ
ぱら摩擦力によって受容孔内にロックされている。内側に向けられたつば区分が
燃料噴射弁に受容孔内への燃料噴射弁の圧入のための押し込み力を伝達できる。
このために、内側に突入するつば区分が燃料噴射弁の対応する溝内に係合する。
この場合欠点として、押し付け力が燃料噴射弁の中心軸線に対して同心てきにか
つ対称的に作用せず、片側に作用する。さらに、燃料噴射弁の差し込みの際の組
立装置の取り扱いに改善の余地が残されている。

【０００４】 米国特許第４５６１１５９号公報により、ディーゼル噴射弁のための分解装置
が公知である。燃料噴射弁の、噴射開口と逆の側の端部区分が側方から分解装置
のスリット内に差し込み可能である。該分解装置はシリンダヘッドの受容孔内に
差し込まれず、組み立てられた状態で受容孔内に残されない。米国特許第４５６
１１５９号公報に開示の分解装置は、燃料噴射弁の分解の前に燃料噴射弁に取り
付けられる工具延長部を成すものである。分解装置を介して燃料噴射弁に押し付
け力を伝達することは、不可能である。分解装置と燃料噴射弁との結合が比較的
煩雑である。

【０００５】 発明の利点： 請求項１の特徴部分に記載の構成を備えた本発明に基づく組立装置においては
利点として、両方の係合部材によって、同心的並びに対称的な押し付け力が燃料
噴射弁に伝達され、その結果、燃料噴射弁の傾き若しくは傾倒が避けられる。組
立装置と燃料噴射弁との間の係止結合によって、組立装置内への燃料噴射弁の装
着の際の取り扱いが著しく改善される。燃料噴射弁は側方からではなく軸線方向
で組立装置内に導入され、このことは半自動的若しくは全自動的な製造過程の改
善に特に寄与する。

【０００６】 請求項２以下に記載の手段により、請求項１に記載の組立装置の有利な改善が
可能である。

【０００７】 直径方向で相対する２つの係合部材が設けられている場合には、押し付け力並
びに分解力の導入が高い精度で燃料噴射弁の中心軸線に対して同心的かつ対称的
に行われる。

【０００８】 燃料噴射弁に形成された係止突起が、有利には組立装置の押し付け面と逆の側
に傾斜部を有している。傾斜部が、係合部材に設けられた係止切欠き内への係止
突起の係合を容易にする。

【０００９】 組立装置が有利には受容孔内に極めてわずかな遊びで以て案内されていて、例
えば自動車の内燃機関に使用されて振動運動にさらされる場合でも、受容孔内で
の組立装置の軸線方向での正確な整合を保証している。

【００１０】 有利には係合部材間に、燃料噴射弁の接続プラグのための切欠きが設けられて
おり、従って、組立装置に装着された燃料噴射弁の接続プラグが係合部材間に配
置される。

【００１１】 次に本発明を図示の実施例に基づき詳細に説明する。図１には、本発明に基づ
く組立装置１の実施例の噴射側の端部が示してある。本発明に基づく組立装置１
内に燃料噴射弁２が装着されている。組立装置１及び燃料噴射弁２が内燃機関の
シリンダヘッド４の受容孔３内に差し込まれている。燃料噴射弁２は、燃料を内
燃機関の燃焼室内に直接に噴射する高圧直接噴射弁である。

【００１２】 シリンダヘッド４の受容孔３は、拡大された区分５、狭められた区分６及び拡
大された区分５と狭められた区分６とを接続する弁２を押し付ける機能は、本発
明に基づく組立装置１の２つの機能のうちの１つである。組立装置１は図１に示
す噴射側の端部に２つの係合部材９，１０を有しており、該係合部材(Angriffse
lement)は直径方向で互いに相対して配置されている。組立装置１は２つより多
くの係合部材、例えば３つ若しくは４つの係合部材を有していてよく、これらの
係合部材は有利には周方向で均一に分配して配置されている。両方の係合部材９
，１０はそれぞれ端面側の押し付け面１１，１２を有しており、該押し付け面が
燃料噴射弁２のケーシング本体１４のリング状の対向面(Gegenflaeche)に係合し
て、燃料噴射弁２を燃焼室内に生じる燃焼圧力に抗して押し付けるようになって
いる。この場合、燃料噴射弁２は組立装置１から生ぜしめられた押し付け力によ
って円錐形の区分１５で、受容孔３の円錐形の区分７に圧着される。受容孔３及
び燃料噴射弁２の部分的に円錐形の構造に基づき、燃料噴射弁２が受容孔３の中
心軸線１６に関連して軸線方向で正確に整合される。

【００１３】 両方の係合部材９，１０は、図１には示してない本体(Hauptkoerper)に結合さ
れており、該本体は燃料噴射弁２を有利には環状に若しくはスリーブ状に取り囲
んでいる。前記本体の同じく図示してない取り付け区分が、シリンダヘッド４の
受容孔３から突出していて、シリンダヘッド４に取り付け可能である。取り付け
区分の領域が、シリンダヘッド４の幾何学形状に正確に適合されている。押し付
け力が、例えば取り付け区分に設けられた組立用ねじによって組立装置１に生ぜ
しめられてよい。

【００１４】 組立装置（取り付け装置）１は有利には、シリンダヘッド４の受容孔３に対し
て極めてわずかな遊びしか有しておらず、その結果、組立装置１が受容孔３内を
軸線方向に正確に案内されており、従って、燃料噴射弁２が不都合な条件下で、
例えば振動運動(Ruettelbewegung)の発生に際しても軸線方向に正確に向けられ
ている。

【００１５】 両方の係合部材９，１０は、実施例ではすべての側で閉じられた係止切欠き(R
astausnehmung)１７，１８を有している。係止切欠き１７，１８は実施例では方
形の横断面を有している。係止切欠き１７，１８内に、燃料噴射弁２に半径方向
に一体成形された係止突起１９，２０が、燃料噴射弁２を組立装置１内に軸線方
向で押し込むことに基づき導入可能である。係止突起１９，２０が有利には、押
し付け面１１，１２と逆の側に傾斜部２１，２２を有しており、該傾斜部が燃料
噴射弁２の装着に際して係合部材９，１０を半径方向外側へ弾性的にばね変形（
たわみ変形）させる。係止突起１９，２０が係止切欠き１７，１８内に完全に係
合すると、係合部材９，１０が弾性的に半径方向に戻りたわみ変形し、その結果
、燃料噴射弁２が係止突起１９，２０を介して係合部材９，１０にロックされる
。組立装置１への燃料噴射弁２のこのような取り付けは、シリンダヘッド４の受
容孔３内への燃料噴射弁２及び組立装置１の挿入の前に行われる。組立装置１を
受容孔３内に挿入した後には、組立装置１は受容孔３に対してわずかな遊びであ
ることに基づき係合部材９，１０の半径方向での弾性的なたわみ変形及び係止突
起１９，２０からの係合解除に対して確保されている。

【００１６】 係止突起１９，２０がそれぞれ係合面２３，２４を有しており、該係合面が、
係合部材９，１０に形成された対向面２５，２６に分解時に係合する。従って、
受容孔３からの組立装置１の引き抜きに際して、燃料噴射弁２が軸線方向で連行
されて、受容孔３から引き抜かれる。

【００１７】 組立装置１への燃料噴射弁２の取り付けは、係止切欠き１７，１８及び係止突
起１９，２０で形成された係止結合部によって著しく容易になり、従って取り扱
いが著しく改善される。燃料噴射弁２は組立装置１に側方からではなく、軸線方
向で導入され、このことは自動的な製造にとって著しく有利である。

【００１８】 図２は、組立装置１の図１に示す実施例の噴射側の端部の、即ち図１の下側か
ら見た平面図である。両方の係合部材９，１０が見えており、この場合、押し付
け面１１，１２が図２では分かりやすくするために網目ハッチングで示してある
。さらに両方の係合部材９，１０内の係止切欠き１７，１８が示してある。直径
方向（対角線方向）で相対する両方の係合部材９，１０間に切欠き３０，３１が
設けられており、この場合、両方の切欠き３０，３１の少なくとも１つの切欠き
が、燃料噴射弁２の接続プラグを切欠き３０，３１によって受容できる幅を有し
ており、接続プラグは燃料噴射弁２を組立装置（取り付け装置）１に取り付けた
後に係合部材９，１０間に配置される。

【００１９】 両方の係合部材９，１０は、両方の係合部材９，１０から噴射方向と逆の方向
に延びる本体３２に弾性的に結合され、若しくは該本体と一体的に形成されてい
る。本体３２は有利には燃料噴射弁２を環状にすべての側から取り囲んでいる。

【００２０】 図３は本発明の理解を助けるために、組立装置１の図１及び図２の実施例の側
面を示している。１つの係合部材９及び実施例で方形の係止切欠き１７が見えて
いる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に基づく組立装置の実施例の噴射側の端部、該組立装置内に装着された
燃料噴射弁並びに内燃機関のシリンダヘッドを部分的に破断して概略的に示す図
。

【図２】 本発明に基づく組立装置の図１に示す実施例の噴射側の端部の平面図。

【図３】 本発明に基づく組立装置の図１及び図２に示す実施例の側面図。

【符号の説明】

１ 組立装置、 ２ 燃料噴射弁、 ３ 受容孔、 ４ シリンダヘッ ド、 ８ 噴射区分、 ９、１０ 係合部材、 １１，１２ 押し付け面 、 １５ 区分、 １６ 中心軸線、 １７，１８ 係止切欠き、 １ ９，２０ 係止突起、 ２１，２２ 傾斜部、 ２３，２４ 係合面、 ２５，２６ 対向面、 ３０，３１ 切欠き、 ３２ 本体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3G024 AA04 DA02 GA13 GA40 HA03 3G066 AA02 AA07 AD12 BA56 CC01 CC03 CD04

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のシリンダヘッド（４）の受容孔（３）内での燃料
   噴射弁（２）の組立及び分解のための組立装置（１）であって、該組立装置に燃
   料噴射弁（２）に係合する係合部材（９，１０）が設けられており、該係合部材
   を介して燃料噴射弁（２）に、受容孔（３）内での燃料噴射弁（２）の押し付け
   のための押し付け力並びに燃料噴射弁（２）の分解のための分解力が生ぜしめら
   れるようになっている形式のものにおいて、 ばね弾性的な少なくとも２つの係合部材（９，１０）が設けられており、該各係
   合部材に、燃料噴射弁（２）への押し付け力の伝達のための押し付け面（１１，
   １２）及び係止切欠き（１７，１８）が形成されており、該係止切欠き内に燃料
   噴射弁（２）の係止突起（１９，２０）が燃料噴射弁（２）への分解力の伝達の
   ために係合するようになっていることを特徴とする、燃料噴射弁の組立及び分解
   のための組立装置。
2. 【請求項２】 直径方向に相対する２つの係合部材（９，１０）が設けられ
   ている請求項１記載の組立装置。
3. 【請求項３】 係合部材（９，１０）が組立装置（１）の本体（３２）に軸
   線方向で接続されていて、該本体（３２）と半径方向にばね弾性的に結合されて
   いる請求項１又は２記載の組立装置。
4. 【請求項４】 本体（３２）が、受容孔（３）から突出する取り付け区分を
   有しており、該取り付け区分がシリンダヘッド（４）に取り付け可能である請求
   項１から３のいずれか１項記載の組立装置。
5. 【請求項５】 燃料噴射弁（２）に形成された係止突起（１９，２０）が、
   組立装置（１）の押し付け面（１１，１２）と逆の側に傾斜部（２１，２２）を
   有している請求項１から４のいずれか１項記載の組立装置。
6. 【請求項６】 係止切欠き（１７，１８）がすべての側で閉じられていて、
   ほぼ方形の横断面を有している請求項１から５のいずれか１項記載の組立装置。
7. 【請求項７】 組立装置（１）が受容孔（３）内に極めてわずかな遊びで以
   て案内されている請求項１から６のいずれか１項記載の組立装置。
8. 【請求項８】 係合部材（９，１０）間に、燃料噴射弁（２）の接続プラグ
   のための切欠き（３０，３１）が設けられている請求項１から７のいずれか１項
   記載の組立装置。
9. 【請求項９】 当該組立装置（１）が金属薄板から深絞りによって製造可能
   である請求項１から８のいずれか１項記載の組立装置。