JP2004514580A - 自動車用燃料リザーバ - Google Patents

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Abstract

自動車用燃料リザーバ又はタンク(1)が、貯蔵容器(4)を有し、この貯蔵容器は、燃料フィルタから直接来る燃料の供給を受け、貯蔵容器(4)の外部に位置する少なくとも1つの低吸込み箇所で燃料を吸い込み、そしてこの燃料を貯蔵容器(4)内における燃料の所望の最低レベルより上で且つ低吸い込み箇所よりも高いところに位置する少なくとも1つの高送出し箇所で貯蔵容器(4)に送り出すことができる吸込み装置を有している。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、貯蔵容器を有する自動車用燃料リザーバに関する。
この種の貯蔵容器は、鎮静化容器又は保持容器とも呼ばれており、燃料ポンプ供給するための燃料貯蔵部を形成する。
【0002】
(背景技術)
仏国特許出願公開第2768667号明細書は、貯蔵容器を有する自動車用燃料リザーバを開示している。貯蔵容器には、噴出ノズルを有するジェットポンプによって燃料が供給され、この噴出ノズルは、燃料のジェットをその壁に設けられた開口部を通して送り出す。噴出ノズルは、ジェットポンプが稼働していないときに、容器が空にならないようにすることができる弁を備えている。
仏国特許出願公開第27782948号明細書は、貯蔵容器及びこの容器の内側に設けられたジェットポンプを有する燃料リザーバを記載している。貯蔵容器のベースは、弁を備えた開口部を有している。
仏国特許出願公開第2391935号明細書は、貯蔵容器内へ開口していて過剰の燃料を再循環させる導管を備えた燃料リザーバを記載している。貯蔵容器は、コーナリングの際に開いて燃料の追加供給を行うことができるようになった弁を備えている。
【0003】
これら公知のリザーバでは、弁が設けられていることにより、リザーバは製造が複雑になり、しかも、貯蔵容器の信頼性が低くなると共に、時宜を得ないで空になるという問題が生じる場合がある。さらに、弁は、所望の漏れ止め具合を備えていない。
このため、自動車をリザーバ内の燃料の量が僅かな状態で坂道に長期間にわたって駐車した後では、貯蔵容器は、弁を備えた開口部を介して空になる傾向があり、その結果、燃料ポンプが燃料切れになる場合がある。
【0004】
本発明は、特に、燃料リザーバの製造を簡単にすると共にこれらの信頼性を向上させることを目的としている。
【0005】
本発明は、この目的を、自動車用燃料リザーバが、貯蔵容器に加えて、燃料フィルタから直接来る燃料が供給され、貯蔵容器の外部に位置する少なくとも1つの低吸込み箇所で燃料を吸い込み、そしてこの燃料を貯蔵容器内における燃料の所望の最低レベルより上で且つ低吸込み箇所よりも高いところに位置する少なくとも1つの高送出し箇所で貯蔵容器に送り出すことができる吸込み装置を有しているという特徴により達成する。
本発明により、底部が漏れ止め状態の貯蔵容器の製造が可能になる。というのは、貯蔵容器に1以上の弁を設ける必要が無いからである。
【0006】
(発明の開示)
特定の実施形態では、貯蔵容器は、頂部が開口部を介してリザーバ内へ通じる容積部を構成する壁を有し、吸込み装置は、燃料をこの開口部を介して貯蔵容器内へ送り込むことができる。
吸込み装置は有利には、ジェットポンプである。
このジェットポンプの送出し速度は、好ましくは、このジェットポンプによって送り出される燃料の量が燃料ポンプによって消費される除去量を補償し、貯蔵容器内に燃料の最少レベルを保証して燃料ポンプが燃料切れを起こさないようにするよう選択される。
【0007】
本発明の好ましい実施形態では、ジェットポンプは、好ましくは実質的に貯蔵容器の全高にわたって延びる実質的に垂直の吸込みダクトを有している。
この場合、ジェットポンプは、噴出ノズルを有し、この噴出ノズルは、実質的に切頭円錐形であるのがよく、この噴出ノズルは、燃料を吸込みダクト内へ噴出させてベンチュリ効果により吸込みダクトのベースのところに減圧状態を生じさせ、かかる減圧状態により、貯蔵容器の外部のリザーバ内に入っている燃料を吸い込むことができる。
【0008】
吸込みダクトは、その下方部分に、ベースを有し、このベースは、実質的に切頭円錐形であるのがよく、噴出ノズルと協働して、吸い込んだ燃料を流通させることができる通路を構成しているのが好ましい。
吸込みダクトのベースは有利には、噴出ノズルの供給導管の通過を可能にする側方開口部を有する。
吸込みダクトは、噴出ノズルの配置後にリザーバ内に固定される付加部品の形態で製造されるのが好ましい。
【0009】
別の好ましい実施形態では、吸込みダクトは、実質的に半円筒形の側方延長部を有し、この延長部は、噴出ノズルの供給導管とオーバラップする位置を占める。
この種の側方延長部により噴出ノズル上での吸込みダクトの保持及び位置決めを向上させることができる。
【0010】
特定の実施形態では、吸込みダクトはその上方端部に、ノーズを有し、前記ノーズは、ノーズ内を流れる燃料が貯蔵容器に流れ込むことができるよう配置された注ぎ口を形成している。
注ぎ口を形成するこの種のノーズは、ジェットポンプが燃料を低流量で送り出しているときに特に有用である。というのは、この燃料は次にノーズに沿って流れ、貯蔵容器内へ流れ込むことができるからである。
注ぎ口を形成するノーズは好ましくは、貯蔵容器の壁を横切る。
【0011】
別の特定の実施形態では、吸込みダクトは、その上方部分にエルボを有している。
吸込みダクトは、例えばダクトを実質的に半分ほど上ったところに位置する絞り部を有するのがよい。
吸込みダクトは有利には、この絞り部の高さ位置に設けられた補剛リブを有する。
吸込みダクトはその上方端部が、吸込みダクト内を流れる燃料を貯蔵容器内へ流し込むことができる管に連結されるのがよい。
かかる管は、管から出た燃料を貯蔵容器内へ差し向けるように配置されたエルボを形成するのが有利である。
この管を使用すれば、例えば上述したような注ぎ口を形成するノーズを無しで済ますことができる。
【0012】
ジェットポンプは、圧力調整器を介して送油されるのが好ましい。
この圧力調整器は有利には、リザーバの底壁に固定された支持体に取り付けられる。
この支持体は、例えば、穴を備えた固定タブを有するのがよく、リザーバの底壁と一体に作られたスタッドがこれら穴の中に据え込まれている。
噴出ノズルは、支持体と一体に作られるのが好ましい。
【0013】
吸込みダクトの実質的に半円筒形の側方延長部は又、好ましくは、少なくとも第1の固定部材を支持し、この第1の固定部材は、圧力調整器の支持体の一部をなす第2の固定部材と好ましくはラッチ止めにより協働できる。
このように、吸込みダクトを圧力容器の支持体の固定後にリザーバ内の定位置に容易に配置することができる。
これにより、リザーバの種々の要素の組み立てが、簡単になる。
【0014】
特定の実施形態では、圧力容器の支持体は側方スロットを備えた管状本体を有し、これら側方スロットにより、圧力調整器の支持体を保持するクリップを管状本体の軸線に対し横断方向に係合させることができる。
特定の実施形態では、リザーバは、燃料ポンプを有し、この燃料ポンプは、燃料ポンプからリザーバへの振動の伝達を減衰させることができる保持部材によりリザーバ貯蔵容器内に吊り下げ状態で保持されている。
好ましい実施形態では、この保持部材は、貯蔵容器の上方部分に載っている。
このため、保持部材を貯蔵容器上に配置することによりこれをリザーバ内の定位置に容易に配置することができる。
【0015】
保持部材は、
・貯蔵容器上に載る固定アームを備えた固定リングと、
・燃料ポンプを受け入れる支持スカートと、
・支持スカートを固定リングに連結する弾性変形可能な枝部と、
を有するのが好ましい。
【0016】
保持部材は、プラスチック材料を一体成形することにより作られるのが好ましい。
固定アームは、ラッチ止めにより貯蔵容器に固定されるような形状になっているのが好ましい。
このため、保持部材の固定は容易である。
【0017】
特定の実施形態では、固定アームは各々、固定リングの軸線に実質的に垂直であって、リングの上方部分に連結された上方部分と、固定リングの軸線に実質的に平行であって、これに連結された直立部及びこの直立部と協働して貯蔵容器の壁が嵌まるのど部を形成する係止タブを有する下方部分とを有し、こののど部の高さは好ましくは、固定リングの高さに実質的に等しい。
各係止タブは、貯蔵容器の壁に設けられた凹部に嵌まってラッチ止め可能な歯を有しているであるのが有利である。
【0018】
少なくとも1つの固定アームの直立部は好ましくは、貯蔵容器内で貯蔵容器の壁に形成されたのど部と嵌合でき、それにより、貯蔵容器上での固定リングの保持具合が向上する。
支持スカートは、複数の、好ましくは3つの内方に突出した長手方向リブを有するのが好ましい。
このようなリブにより、燃料ポンプと支持スカートの接触面積を制限することができ、このため、燃料ポンプからリザーバへの振動の伝達を一段と減少させることができる。
【0019】
支持スカートは、支持脚部によって下方に延長され、この支持脚部は、燃料ポンプの底部ストップとして役立つのが好ましい。
少なくとも1つ、好ましくは複数の弾性変形可能な枝部が各々、実質的に保持部材の軸線を含む平面内に延びるのが好ましい。
少なくとも1つ、好ましくは複数の弾性変形可能な枝部は各々、同様に好ましくは、少なくとも1つ、好ましくは2つの屈曲点を有する。
少なくとも1つの屈曲点、好ましくは2つの屈曲点が設けられていることにより保持部材は、振動減衰性能を発揮し、この振動減衰性能は、屈曲点を備えていない枝部によって得られる振動減衰性能よりも優れていることが判明している。
【0020】
特定の実施形態では、少なくとも1つ、好ましくは複数の枝部は各々、2つの実質的に直線状の部分を有し、これら直線状部分のうち一方は、他方よりも長く、例えば、その長さは他方の長さの実質的に2倍である。
好ましい実施形態では、枝部は変形例として、支持スカート及び固定リングの上方軸方向端部及び下方軸方向端部に連結される。
かかる変形構成例は、軸方向と横断方向の両方向における燃料ポンプの振動を効果的に減衰しながら支持スカートの良好な保持を行うのに有利であることが判明している。
【0021】
好ましい実施形態では、枝部は、支持スカート及び固定リングに、これら要素の軸線に実質的に垂直に連結される。
保持部材を横から見ると、即ち、支持スカート及び固定リングの軸線に垂直な方向に見ると、固定リングの軸方向端部は好ましくは、支持スカートの軸方向端部相互間に位置している。
【0022】
特定の実施形態では、リザーバは、吸込みダクトから出た燃料を貯蔵容器内へ差し向けることを目的とするそらせ板を有する。
この種のそらせ板は、ジェットポンプが燃料を高流量で送り出し、燃料を吸込みダクトから垂直に噴出させようとする場合に特に有用である。
この場合、そらせ板は、この燃料の流れを燃料が貯蔵容器内へ戻って落下するように選択された方向にそらすことができる。
そらせ板は好ましくは、保持部材と一体に作られる。
特に、そらせ板を固定リングで支持するのがよい。
そらせ板は好ましくは、注ぎ口を形成するノーズの上方に延びている。
【0023】
特定の実施形態では、そらせ板は、貯蔵容器の内部に向かって開口し、2つの実質的に平行な壁によって固定リングに固定された内方に湾曲した部分を有するのがよい。
吸込みダクトの上方端部のところにエルボ即ち管が設けられている場合、上述のそらせ板はもはや不要である。
貯蔵容器は、リザーバの底壁と一体に形成されるのが好ましい。
このため、向上した漏れ止め具合を得ることができると共にリザーバに対する貯蔵容器の固定、又は、保持に関する問題を解決できる。
換言すると、リザーバに対する貯蔵容器の固定は、貯蔵容器がリザーバの底壁と同一材料から成形されることによりこの底壁に固定される場合、特に信頼性が高く且つ簡単である。
【0024】
貯蔵容器の壁を、貯蔵容器の外部に延び、リザーバの底壁に連結された仕切りと一体に作るのがよい。
かかる仕切りは、リザーバ内における燃料の波動に対して障害物となり、その機械的挙動の向上の一因となりうる。
リザーバは、貯蔵容器の外部に設けられた燃料フィルタのハウジングを有し、このハウジングは好ましくは、成形法によりリザーバの底壁と一体に形成されるのが有利である。
貯蔵容器は、吸込みダクトを少なくとも部分的に収容する空間を構成する凹角部を有しているのが好ましい。
この場合、吸込みダクトをリザーバの内部で貯蔵容器に近接して位置決めするのがよく、それにより、貯蔵容器への吸込みダクトからの燃料の供給が容易になる。
【0025】
リザーバは好ましくは、2つの互いに組み立てられたシェル半部を有する。
この場合、リザーバ内に配置するのが必要な要素を、2つのシェル半部を組み立てる前に定位置に配置できるので、リザーバをその壁に大きな寸法の開口部を設けることなく構成できる。もしそうでなければ、かかる大きな寸法の開口部の形成により、炭化水素排出ガス成分に関する基準にリザーバを合致させることが困難になりがちである。
【0026】
リザーバは、貯蔵容器の上方で終端する補給ノズルを有し、この補給ノズルは、貯蔵容器に少量の燃料を注ぐことができるのが好ましい。これは、補給ノズル内へ導入される燃料は全て、リザーバの残部を充填する前に貯蔵容器を充填し始めるからである。
本発明は又、個別的に上述のリザーバの構成要素のうち任意の1つに関する。
かくして、特に、本発明は、リザーバの底壁と一体に作られた貯蔵容器に関する。
【0027】
本発明は又、上述したような燃料ポンプを保持する部材に関する。
本発明は又、リザーバの底壁と一体に作られた燃料フィルタのハウジングに関する。
本発明は又、上述したようなジェットポンプ及び上述したような圧力調整器の支持体に関する。
本発明の内容は、添付の図面を参照して例示の実施形態の以下の詳細な説明を読むと一層よく理解されよう。なお、これら例示の実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0028】
(発明を実施するための最良の形態)
図1は、下方シェル半部2及び上方シェル半部(図示せず)から成る燃料リザーバ1を示しており、これらシェル半部は一方が他方に周囲のところで当接した状態で組み立てられる。
【0029】
シェル半部2は、リザーバの底壁3を構成し、自動車の燃料供給系統の種々の要素を支持している。
特に、図2で一層明確に理解できるように、底壁3は、貯蔵容器4及びリザーバ内における燃料の波動の大きさを制限すると共にリザーバを補剛するようになった1組のリブ5を支持している。
【0030】
底壁3は同様に、燃料フィルタを受け入れるハウジングを構成する回転筒体である壁7を支持している。
このハウジングは、頂部がノズルを備えたカバー8で閉鎖され、これらノズルには、管9,10,11が対応関係をなして連結されている。
管9は、燃料フィルタを貯蔵容器4の底部から燃料を吸い込むようになった燃料ポンプ15に連結している。
管10は、ノズル16に連結され、このノズル16により、自動車のエンジンに連結された外部管をリザーバに連結できる。
自動車のエンジンによって吸い込まれなかった過剰の燃料は、管11及び圧力調整器20を経てジェットポンプ19に差し向けられる。
【0031】
燃料計21が、シェル半部2に固定されている。
燃料ポンプ15は、保持部材30によって貯蔵容器4内に保持されており、かかる保持部材は、図3A及び図3Bに別々に示されている。
この保持部材30は、支持スカート31を有し、この支持スカート内には、燃料ポンプ15及び図示の例では貯蔵容器4への固定に用いられる4本のアーム33を備えた固定リング32が固定されている。
支持スカート31は、枝部34,35によって固定リング32に連結されており、支持スカートの形状は、燃料ポンプからリザーバへの振動の伝達を減少させるよう選択されている。
【0032】
この例示の実施形態では、支持スカート31は、その全高にわたって延びていて、その軸線Xの周りに一定の角度間隔で分布して設けられた3つの内部リブ39を有している。
これらリブ39は、燃料ポンプ15と支持スカート31の接触面積を減少させることができ、これは、燃料ポンプからリザーバへの振動の伝達を制限することに役立つ。
【0033】
各枝部34,35は、2つの実質的に直線状の部分37,38を有し、これら直線状部分のうちの一方の長さは、他方の長さの実質的に2倍であり、これら実質的に直線状部分37,38は各々、1つの屈曲点を有している。
特に図3Bで理解できるように、実質的に直線状の部分37は、エルボにより支持スカート31に垂直に連結され、実質的に直線状の部分38はエルボにより固定リング32に垂直に連結されている。
【0034】
実質的に直線状の部分37,38は、実質的にU字形の部分によって互いに連結され、この実質的にU字形の部分は、枝部35については上に凹であり、枝部34については下に凹である。
さらに、枝部34,35の実質的に直線状の部分37は、支持スカート31の上方端部と下方端部に交互に連結され、枝部34,35の実質的に直線状の部分38は、固定リング32の上方端部と下方端部に交互に連結されている。
【0035】
図3A及び図3Bで理解できるように、各固定アーム33は、実質的に垂直の直立部41を有し、この直立部は、軸線Xを含む平面内で延びていて、一方の側部が固定リング32の実質的に全高にわたって連結されている。
各固定アーム33は、実質的に水平な支持壁42を頂部に有し、この支持壁の下面には上述の直立部41及び係止タブ43が連結されており、係止タブは、歯44を備えている。
【0036】
図3Bで理解できるように、係止タブ43と直立部41はこれらの間に、貯蔵容器4の壁を貫入させることができるのど部45を形成している。
この場合、歯44は、貯蔵容器4の壁に設けられた凹部(図2では見えない)と嵌合する。
保持部材30が定位置にあるとき、貯蔵容器4の上方端部49は、支持壁42の下面に当接する。
【0037】
図2で理解できるように、貯蔵容器4は、互いに平行なリブ51,52の内面相互間に形成された溝50を有している。
これらリブ51,52は、固定アーム33の各直立部41がこれと対応関係をなす溝50と嵌合するように配置されている。
支持壁42は更に、のど部45に隣接した直立部41のコーナ部のところで下面に横方向リブ54を有している。
このリブ54は、保持部材30が貯蔵容器4上の定位置にあるとき、リブ51,52上に載るようになっている。
【0038】
保持部材30は、燃料ポンプ15を支持する脚部56を更に有し、この支持脚部56は、その下方端部に、内向きのエルボ57を有し、燃料ポンプ15がこのエルボ57に軸方向に当たるようになっている。
【0039】
最後に保持部材30は、そらせ板すなわちデフレクタ36を有し、その機能については以下に詳細に説明する。
このそらせ板36は、2つの互いに平行な枝部59によって固定リング32に連結された内方湾曲部分58を有している。
【0040】
ジェットポンプ19は、図4〜図7に示されている。
このポンプは、実質的に垂直の導管62によって包囲された切頭円錐形ベース61を含む吸込みダクト60を有しており、この導管62は、図示の例では端部に注ぎ口を形成するノーズ63を備え、このノーズの役目については以下に詳細に説明する。
切頭円錐形ベース61は、上方に向いた噴出オリフィス67を備える噴出ノズル66を受け入れ、この噴出ノズルにより燃料を導管62内へ比較的高速で噴出させることができる。
【0041】
噴出ノズル66は、特に2つの直径方向反対側に設けられたリブにより切頭円錐形ベース61内に固定されており、これらリブ68は、図6で理解できるように切頭円錐形ベース61内に突き出ている。
これらリブ68は、噴出ノズル66と切頭円錐形ベース61との間に燃料を流すための空間が得られるようにすることができ、この空間は、リザーバの底壁3に近接したところで吸込みダクト60の下方端部71内へ通じている。
【0042】
噴出ノズル66は、燃料を加速するように頂部に向かって先細になった円錐形の形をしている。
図示の例では、噴出ノズル66は、圧力調整器20が収納された支持体73と一体に作られ、この圧力調整器は、図面を分かりやすくするために一部しか示されていない。
支持体73は、管状本体74を有し、この管状本体の上方部分は、拡大されており、この本体74は、圧力調整器20を受け入れることを目的とするハウジングを構成している。
【0043】
上方部分75は、本体74の下方部分と協働して肩76を形成し、圧力調整器20のカラー77をこの肩76に当接して支持することができる。
上方部分75には側方スロット78が設けられ、これら側方スロットにより、圧力調整器20の保持クリップ80を本体74内に設けることができる。
このクリップ80は、カラー77の上方で圧力調整器20に係合できる2つの枝部81を有している。
クリップ80の枝部81はこれと同様に、スロット78相互間に延びる材料のブリッジ83を把持している。
【0044】
特に図6で理解できるように、圧力調整器20は、下に向いた出口導管83の周りに形成された複数の導入オリフィス85を有している。
出口導管88は、支持体73の内部スカート89内に受け入れられ、この内部スカート89は、本体74と協働して環状空間90を形成し、この環状空間90は、管11の連結に用いられるノズル91と連絡している。
導入オリフィス85は、環状室90内へ開口している。
Oリングシール92により、圧力調整器20を本体74内に設けた場合の漏れ止めが保証され、これに対し、出口導管88ののど部94内に収納されたOリングシール93により、出口導管を内部スカート89内に設けた場合の漏れ止めが保証される。
【0045】
内部スカート89は下方端部が、噴出ノズル66と連通した導管96内へ開口している。
支持体73の成形を容易にするため、導管96は、噴出ノズル66から見て反対側の側部でオリフィス97を介して外部に開口しており、このオリフィス97は、支持体73の製造後はボール98によって施栓される。
【0046】
また、成形を容易にする理由で、噴出ノズル66は、オリフィス67から見て反対側の側部でオリフィス99によって外部に開口しており、このオリフィス99は、噴出ノズル66の製造後、付加要素100によって施栓される。
支持体73は、各々がオリフィス102を備えた固定タブ101を有し、かかるオリフィス102により、固定タブは、リザーバの底壁3と一体に形成されたスタッド103を受け入れることができる。
【0047】
各スタッド103は、穴102内への挿入後、図2で理解できるように支持体73が下方シェル半部2に取り付けられたままになるよう据え込まれる。
支持体73は、噴出ノズル66に連結された導管96の端部の高さ位置に、吸い込み導管60を固定するようになった2つのタブ110を有している。
これら2つのタブ110は、実質的に垂直且つ互いに平行であり、これら上方端部の付近に各々凹部111を有している。
吸込みダクト60は、実質的に半円筒形の側方延長部120を有し、この側方延長部は、図7で理解できるように下方に開放していて、導管96とオーバラップするよう設計されている。
【0048】
側方延長部120は、2つの実質的に互いに平行で垂直な係止タブ121を支持し、これら係止タブ121は、外部に、タブ110の凹部111内へ嵌まってラッチ止めが行われるよう配置された歯122を備えている。
【0049】
タブ110と導管96の間隔は、吸込みダクト60を少ない取付け遊びで支持体73に固定できるように側方延長部120の直立部の厚さに実質的に一致していることが図7を参照するとわかる。
【0050】
貯蔵容器4は、凹角部130を有し、この凹角部130は、図2で理解できるように吸込みダクト60を少なくとも部分的に収納できる空間を形成する。
このように、そらせ板36は、注ぎ口63を形成するノーズの上方の位置を占めることができる。
ノーズは、その自由端部131のところに、導管62を経て流れ出た燃料が低流量の場合には貯蔵容器4内へ落下することができるようにする凹部を有している。
燃料ポンプの作動中、自動車のエンジンによって使われなかった燃料は、圧力調整器20及びジェットポンプ19を通った後、貯蔵容器4に戻される。
【0051】
噴出ノズル66は、管11からの燃料を、比較的高速で導管62内を上方に噴出させ、それにより、ベンチュリ効果により貯蔵容器4の外部の燃料が吸込みダクト60内へ吸い込まれるように切頭円錐形ベース61の下方端部71のところに減圧状態を生じさせる。
導管62を通って流れる燃料の流量が多い場合、そらせ板36は、燃料の流れを、燃料が貯蔵容器4内へ戻って落下することができるように燃料ポンプ15の方向にそらす。
【0052】
導管102内の燃料の流量が少ない場合、そらせ板36は、作用せず、又は、それほど作用、燃料が貯蔵容器4内へ落下することができるようにするのは本質的にノーズ63である。
貯蔵容器4は好ましくは、リザーバの補給ノズル(図示せず)が貯蔵容器内へ開口する端部と直列状態にあり、それにより、貯蔵容器4がまず最初に充填される。
上述した燃料リザーバの種々の構成要素をリザーバ内の燃料と適合性があれば任意の材料で作ることができる。
【0053】
保持部材30を作るため、ポリアセタール、ポリアミド、又は、高密度ポリエチレンを用いることができるが、これらには限定されない。
枝部34,35の数並びにこれらの幅及び形状は、燃料ポンプ15の振動数の関数として選択される。
燃料リザーバのシェル半部を、任意の材料の付形法、特に、射出成形法、回転成形法、又は、吹き込み成形法により作ることができる。
燃料リザーバの2つのシェル半部を例えば高密度ポリエチレンで作るのがよい。
【0054】
当然のことながら、本発明は、今説明した例示の実施形態には限定されない。
特に、ジェットポンプの配置の仕方、又は燃料ポンプを貯蔵容器内の定位置に保持する仕方を変更することができる。
第1の変形例(図示せず)では、注ぎ口を形成するノーズ及びそらせ板に代えて、吸込みダクトの上方部分にエルボを用い、このエルボは貯蔵容器の上方で開口する。
【0055】
図8は、本発明の変形実施形態としてのジェットポンプ19′を示している。
ジェットポンプ19′は、吸込みダクト140を有し、この吸込みダクト140をほぼ半分ほど上がったところに絞り部141が設けられている。
図8を参照すると、絞り部141の下のダクト部分140aの横断面は、絞り部141の上方のダクト部分140bの横断面よりも大きいことが注目されよう。
ダクト140は、絞り部141の高さ位置に配置された4つの外部保護リブ142を有している。
ダクト140は、その上方端部が、管部分145から出た燃料が直接貯蔵容器4内へ落下するように貯蔵容器4内の壁を横切る管145に連結されている。
図示の例では、燃料の出る管136の端部147は、貯蔵容器4の壁の上縁部よりも低い位置にある。
変形例として、端部147を貯蔵容器4の壁の上縁部よりも高くしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の例示の一実施形態の燃料リザーバのシェル半部の概略斜視図である。
【図2】
貯蔵容器をより明確に示す図1の詳細の拡大図である。
【図3A】
燃料ポンプの保持部材を単独で示す概略斜視図である。
【図3B】
保持部材の詳細図である。
【図4】
ジェットポンプ及び圧力調整器の支持体の概略斜視図である。
【図5】
図4に示すジェットポンプ及び圧力調整器の支持体の中央平面断面図である。
【図6】
図4に示すジェットポンプ及び圧力調整器の支持体の部分断面概略斜視図である。
【図7】
図5のVII−VII線矢視断面図である。
【図8】
本発明の変形実施形態としてのジェットポンプ及び圧力調整器の概略側面図である。

Claims (10)

  1. 貯蔵容器(4)を有する自動車用燃料リザーバ(1)であって、
    燃料フィルタ(7)から直接来た燃料が供給され、貯蔵容器(4)の外部に位置する少なくとも1つの低い吸込み箇所で燃料を吸い込み、この燃料を貯蔵容器(4)内における燃料の所望の最低レベルより上で且つ低吸込み箇所よりも高いところに位置する少なくとも1つの高い送出し箇所で貯蔵容器(4)に送り出すことができる吸込み装置を有している、
    ことを特徴とするリザーバ。
  2. 貯蔵容器(4)は、頂部が開口部を介してリザーバ内へ通じる容積部を構成する壁を有し、吸込み装置は、燃料を前記開口部を介して貯蔵容器内へ送り込むことができることを特徴とする請求項1記載のリザーバ。
  3. 吸込み装置は、ジェットポンプ(19;19′)である、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のリザーバ。
  4. ジェットポンプ(19;19′)は、好ましくは実質的に貯蔵容器(4)の全高にわたって延びる実質的に垂直の吸込みダクト(60;140)を有している、
    ことを特徴とする請求項3記載のリザーバ。
  5. 吸込みダクト(60)はその上方端部に、ノーズ(63)を有し、前記ノーズは、ノーズ内を流れる燃料が貯蔵容器(4)に流れ込むことができるよう配置された注ぎ口を形成している、
    ことを特徴とする請求項4記載のリザーバ。
  6. ジェットポンプ(19;19′)は、圧力調整器(20)を介して供給される、
    ことを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか一に記載のリザーバ。
  7. 吸込みダクト(60)から出た燃料を貯蔵容器に差し向けるそらせ板(36)を有している、
    ことを特徴とする請求項4〜6のうちいずれか一に記載のリザーバ。
  8. 貯蔵容器(4)は、リザーバの底壁(3)と一体に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一に記載のリザーバ。
  9. 2つの互いに組み立てられたシェル半部(2)を有している、
    ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか一に記載のリザーバ。
  10. 貯蔵容器(4)の上方で終端した補給ノズルを有している、
    ことを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか一に記載のリザーバ。
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