JP2004509206A - 大環状ポリエステルオリゴマーにおける種の改変、およびそれにより調製される組成物 - Google Patents
大環状ポリエステルオリゴマーにおける種の改変、およびそれにより調製される組成物 Download PDFInfo
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Abstract
MPO組成物の融解温度のような物理的特性が、成分のMPOの1つ以上の重量%を改変することによって、有意に改変され得る。例えば、有意な割合のテトラマーの除去により、低融解温度のMPO組成物が得られ得る。1つの局面において、本発明は、MPO組成物の物理的特性を改変するための方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)少なくとも2つの種のMPOを有する組成物を提供する工程;および(b)この組成物中のMPOの少なくとも1つの種の重量%を変化させる工程。別の局面において、本発明は、最も高い融解温度を有するMPOの種が5%以下の量で存在する、少なくとも2つの種のMPOを含むMPO組成物に関する。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般に、熱可塑性物質およびその物質から形成される物品に関する。より具体的には、本発明は、大環状ポリエステルオリゴマー組成物ならびにその組成物の物理的特性および化学的特性を改変するための方法に関する。なおより具体的には、本発明は、比較的低い融解温度を有する、大環状ポリエステルオリゴマー組成物に関する。
【0002】
(背景情報)
ポリ(アルキレンテレフタレート)のような線状ポリエステルは、一般に公知であり、そしてアルキレンが代表的に2〜8個の炭素原子を有する場合には、市販されている。線状ポリエステルは、強度、靭性、高い光沢および溶媒耐性を含む、多数の価値ある特性を有する。線状ポリエステルは、従来、ジオールおよびジカルボン酸またはその機能的誘導体(代表的に、ハロゲン化二酸またはエステル)を反応させることによって、調製される。線状ポリエステルは、押出し、圧縮成形、および射出成形を含む、多数の公知の技術によって、物品に加工され得る。線状ポリエステルは、大環状ポリエステルオリゴマーから生成され得る。
【0003】
大環状ポリエステルオリゴマー(MPO)は、これらをエンジニアリング熱可塑性複合材料のためのマトリックスとして魅力的にする、独自の特性を有する。これらの所望の特性は、MPOが低い溶融粘性を示し、これらが緻密な繊維状のプレフォームを容易に含浸することを可能にするという事実に由来する。さらに、特定のMPOは、得られるポリマーの融点より十分に低い温度で融解し、そして重合する。融解の際に、そして適切な触媒の存在下で、融合および結晶化は、事実上等温的に起こり得る。その結果、工具を熱的に循環させるために必要とされる時間および費用は、好都合に減少する。
【0004】
一般的に言えば、MPO組成物は、高い融解温度を有し、このことは、ポリマープロセシングユニットにおいて通常利用可能ではない特別の設備の使用を、プロセシングにおいて必要とする。より低い融解温度を有する組成物が生成され得る場合は、エポキシ樹脂の生成および取り扱いにおいて通常使用されるもののような、より容易に利用可能なプロセシング設備を使用することが可能である。
【0005】
(発明の要旨)
MPO組成物の物理的特性および/または化学的特性が、成分のMPOの1つ以上の重量%を改変することによって、有意に改変され得る。例えば、単一のMPO種(大環状ポリエステルテトラマー)の存在は、予測不可能に顕著な効果を、MPO組成物の融解温度に対して有する。大環状ポリエステルテトラマーの一部の除去は、低融点のMPO組成物を生じ得る。得られるMPO組成物は、多くの状況下で、周囲温度において結晶化する傾向が大いに減少し、これらを炭素繊維またはガラス繊維のようなフィラーと混合して、充填された高分子量線状ポリエステルに容易に転換され得るプレプレグ材を製造することを可能にするというさらなる利点を有する。
【0006】
1つの局面において、本発明は、MPOを含む組成物の物理的特性を改変するためのプロセスに関する。このプロセスは、(a)少なくとも2つの種のMPOを有する組成物を提供する工程、および(b)この組成物における少なくとも1つの種のMPOの重量%を変化させる工程を包含する。
【0007】
別の局面において、本発明は、少なくとも2つの種のMPOを含むMPO組成物に関し、この組成物において、最も高い融解温度を有するMPOの種が、5%以下の量で存在する。1つの実施形態において、ブレンド材料は、このようなMPO組成物および重合触媒をも含む。
【0008】
1つの好ましい実施形態において、本発明のMPO組成物は、30〜40%の大環状ポリエステルダイマー、30〜45%の大環状ポリエステルトリマー、0〜5%の大環状ポリエステルテトラマー、および5〜20%の大環状ポリエステルペンタマーを含む。
【0009】
本発明の上記および他の課題、局面、特徴、および利点は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲から、より明らかになる。
【0010】
(詳細な説明)
図面は、必ずしも同一縮尺ではなく、本発明の原理を説明する際に、理解を容易にするために、強調が一般的に行われる。
【0011】
MPOを含む組成物の物理的特性(例えば、融解温度)が、MPO種(例えば、大環状ポリエステルテトラマー)の重量%を改変することによって、改変され得る。低い融解温度を有するMPO組成物が、より低い温度で重合およびプロセシングされ得、これによって、ポリマープロセシングにおいて通常使用されない特別な設備に対する必要性を回避する。
【0012】
(定義)
以下の一般的な定義が、本明細書中に使用される種々の用語および表現を理解する際に助けになり得る。
【0013】
本明細書中で使用される場合、「大環状」とは、共有結合して環を形成している8個以上の原子を含む少なくとも1つの環をその分子構造に有する、環状分子を意味する。
【0014】
本明細書中で使用される場合、「オリゴマー」とは、同じかまたは異なる式の、2つ以上の同定可能な構造反復単位を含む、分子を意味する。
【0015】
本明細書中で使用される場合、「大環状ポリエステルオリゴマー(MPO)」とは、エステル官能基を有する構造反復単位を含む、大環状オリゴマーを意味する。MPOとは、代表的に、1つの特定の式の複数の分子をいう。しかし、MPOはまた、可変数の、同じかまたは異なる構造反復単位を有する、異なる式の複数の分子を含み得る。さらに、MPOは、大環状コポリエステルオリゴマー(大環状マルチポリエステルオリゴマーを含む)(すなわち、1つの環状分子内にエステル官能基を有する、2つ以上の異なる構造反復単位を有するオリゴマー)であり得る。
【0016】
本明細書中で使用される場合、「重合度(DP)」とは、オリゴマー骨格またはポリマー骨格における、同定可能な構造反復単位の数を意味する。構造反復単位は、同じかまたは異なる分子構造を有し得る。例えば、「大環状ポリエステルテトラマー」または「テトラマー」は、4のDPを有するMPOをいう。
【0017】
本明細書中で使用される場合、「種」とは、同じDPを有するMPOを意味する。例えば、大環状ポリエステルテトラマーは、1つの種である。
【0018】
本明細書中で使用される場合、「大環状ポリエステルオリゴマー組成物」とは、1つより多くの分子構造単位が存在しても存在しなくても、異なるDP値を有するMPOの混合物を含む組成物を意味する。
【0019】
本明細書中で使用される場合、「ブレンド材料」とは、少なくとも1つのMPOおよび少なくとも1つの重合触媒を含む、2つ以上の成分の混合物を意味する。好ましくは、ブレンド材料は、均一に混合される。ブレンド材料はまた、フィラーおよび当業者に認識される他の成分を含み得る。
【0020】
本明細書中で使用される場合、「実質的にホモポリエステルまたはコポリエステルのオリゴマー」とは、構造反復単位がそれぞれ実質的に同じかまたは実質的に2つの異なる構造反復単位である、ポリエステルオリゴマーを意味する。
【0021】
本明細書中で使用される場合、「アルキレン基」とは、−CnH2n−を意味し、ここでn≧2である。
【0022】
本明細書中で使用される場合、「シクロアルキレン基」とは、環状アルキレン基−CnH2n−x−を意味し、ここで、xは、環化によって置き換えられたHの数を表す。
【0023】
本明細書中で使用される場合、「モノオキシアルキレン基またはポリオキシアルキレン基」とは、[−(CH2)m−O−]n−(CH2)m−を意味し、ここで、mは、1より大きい整数であり、そしてnは、0より大きい整数である。
【0024】
本明細書中で使用される場合、「二価の芳香族基」とは、大環状分子の他の部分と結合した芳香族基を意味する。例えば、二価の芳香族基としては、メタ結合またはパラ結合した単環式芳香族基(例えば、ベンゼン)が挙げられ得る。
【0025】
本明細書中で使用される場合、「脂環式基」とは、環状構造を内部に含む、非芳香族炭化水素基を意味する。
【0026】
本明細書中で使用される場合、「フィラー」とは、ブレンド材料に含まれ得る、MPOまたは重合触媒以外の材料を意味する。フィラーは、しばしば、所望の目的または特性を達成するために含まれ、そして得られるポリエステルポリマー中に存在し得る。例えば、フィラーの目的は、安定性(例えば、化学的安定性、熱安定性、または光安定性)をこのブレンド材料またはポリエステルポリマー生成物に与えること、および/あるいはポリエステルポリマー生成物の強度を増加させることであり得る。フィラーはまた、色彩を与えるかまたは減少させ得、重量または空隙を与えて特定の密度を達成し得、火炎抵抗性を与え得(すなわち、難燃剤)、より高価な材料の代わりになり得、プロセシングを容易にし得、そして/または当業者に認識されるような他の所望の特性を提供し得る。フィラーの代表的な例は、とりわけ、フュームドシリカ(fumed silica)、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化アンモニウムと組み合わせた有機臭化物、炭酸カルシウム、チョップドファイバー、フライアッシュ、ガラス微小球、微小バルーン、砕石、ナノクレー、線状ポリマー、およびモノマーである。
【0027】
本明細書中で使用される場合、「ポリエステルポリマー複合材料」とは、別の基材(例えば、繊維状材料または粒子状材料)と結合したポリエステルポリマーを意味する。粒子状材料の代表的な例は、チョップドファイバー、ガラス微小球、および砕石である。
【0028】
本明細書中で使用される場合、「平衡した混合物」とは、熱力学的平衡または速度論的平衡にあるMPOの混合物を意味する。
【0029】
本明細書中で使用される場合、「繊維」とは、ポリマーまたは天然繊維のような、細長構造を有する任意の材料を意味する。この材料は、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、または有機ポリマー(例えば、アラミド繊維)であり得る。
【0030】
本明細書中で使用される場合、「トウ」または「ストランド」とは、通常スプール上に巻き付けられるが捻られても捻られなくてもよい、一緒になった繊維の群、または繊維の束を意味する。これらのトウまたはストランドは、織られるかまたは編まれて、ファブリックを形成し得る。
【0031】
本明細書中で使用される場合、「繊維プレフォーム」とは、所望の形状で一緒に保持された、繊維トウおよび/またはファブリックのアセンブリを意味する。代表的に、繊維プレフォームは乾燥しており、そしてしばしば、種々の厚みで、一緒に保持される。
【0032】
本明細書中で使用される場合、「プレプレグ材」とは、複合材料のマトリックスを提供するために十分な容量で、そして繊維対樹脂の比が厳重に制御されるように、樹脂材料を含浸された、炭素繊維、ガラス繊維、または他の繊維のような繊維材料を意味する。この繊維の配置は、トウの形態、ファブリックに織られたかまたは編まれたもの、あるいは非方向性のテープであり得る。
【0033】
(I.大環状ポリエステルオリゴマー(MPO))
多くの異なるMPOが、容易に作製され得、そして本発明の実施において有用である。本発明において使用され得るMPOとしては、以下の式:
【0034】
【化4】
の構造反復単位を有する、大環状ポリ(アルキレンジカルボキシレート)オリゴマーが挙げられるが、これらに限定されない。ここで、Aは、アルキレン基、またはシクロアルキレン基、またはモノオキシアルキレン基もしくはポリオキシアルキレン基であり;そしてBは、二価の芳香族基または脂環式基である。本発明において使用され得るMPOは、種々のDP値(例えば、2〜20、2〜10、2〜8、および2〜6)を有し得る。
【0035】
MPOは、公知の方法によって調製され得る。好ましいMPOの合成は、式OH−A−OHの少なくとも1つのジオールを、以下の式の少なくとも1つの塩化二酸:
【0036】
【化5】
と接触させる工程を包含し、ここで、AおよびBは、上記で定義されたとおりである。この反応は、代表的に、塩基性窒素原子の周囲に立体障害が実質的にない、少なくとも1つのアミンの存在下で実施される。このようなアミンの代表的な例は、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)である。この反応は、通常、実質的に無水の条件下で、実質的に水に非混和性の有機溶媒(例えば、塩化メチレン)中で、実施される。この反応の温度は、代表的に、約−25℃と約25℃との間である。例えば、Brunelleらに対する米国特許第5,039,783号を参照のこと。
【0037】
MPOはまた、塩化二酸と、少なくとも1つのビス(ヒドロキシアルキル)エステル(例えば、ビス(4−ヒドロキシブチル)テレフタレート)との縮合によって、調製された。この縮合は、代表的に、高度に妨害されていないアミンまたはその混合物、および少なくとも1つの他の三級アミン(例えば、トリエチルアミン)の存在下で生じる。通常、実質的に不活性の有機溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロベンゼン、またはこれらの混合物)が使用される。例えば、Brunelleらに対する米国特許第5,231,161号を参照のこと。
【0038】
大環状コポリエステルオリゴマーを含む、MPOを調製するための別の方法は、線状ポリエステルポリマーを、有機スズ化合物またはチタン酸化合物の存在下で、解重合することである。この方法において、線状ポリエステルは、線状ポリエステル、有機溶媒、およびエステル交換触媒(例えば、スズ化合物またはチタン化合物)の混合物を加熱することによって、MPOに転換される。使用される溶媒(例えば、o−キシレンおよびo−ジクロロベンゼン)は、通常、酸素および水を実質的に含まない。例えば、Brunelleらに対する米国特許第5,407,984号および同第5,668,186号を参照のこと。
【0039】
大環状ホモポリエステルオリゴマーまたはコポリエステルオリゴマーを使用して、それぞれホモポリエステルポリマーおよびコポリエステルポリーを生成することもまた、本発明の範囲内である。従って、他に言及しない限り、MPOに関する組成物、物品、またはプロセスの実施形態は、コポリエステルの実施形態をもまた含み得る。
【0040】
ホモポリマー組成物のうちでも、1つの実施形態において、ポリ(1,4−ブチレン)テレフタレート(PBT)のMPOが使用される。ホモポリマー組成物のうちでも、別の実施形態において、ポリエチレンテレフタレート(PET)のMPOが使用される。コポリマー組成物のうちでも、1つの実施形態において、MPO種は、大きな割合のPBT構造単位、PET構造単位、またはその両方を含む。1つの実施形態において、MPO種は、少なくとも約90モル%のPBT構造単位、PET構造単位、またはその両方を含む。別の実施形態において、MPO種は、優先的にPBT、および少量の他の単位(例えば、ポリ(アルキレンジカルボキシレート)単位またはエステル酸素を含む単位(例えば、Aがジエチレングリコールから誘導されるもの))を含む。
【0041】
(II.MPO組成物の物理的特性および化学的特性の設計)
1つの実施形態において、最初に生成された未改変のMPO組成物の特性とは異なる物理的特性および/または化学的特性を有する、MPO組成物が製造される。例えば、MPO組成物の融解温度は、大きな割合の大環状ポリエステルテトラマー(すなわち、4のDPを有するオリゴマー)を、MPO組成物から除去することによって、有意に低下され得る。このことは、このテトラマーが、MPOのうちでも高い融解温度であり、そして結晶化度が高いので、可能である。従って、除去は、オリゴマー組成物の融解温度および結晶化度に対して、有意な影響を有する。同様に、MPO組成物の融解温度は、このMPO組成物に、有意な割合の大環状ポリエステルテトラマーを添加することによって、有意に増加し得る。
【0042】
1つの局面において、本発明は、MPOを有する組成物の物理的特性を改変するためのプロセスに関する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)少なくとも2つの種のMPOを有する組成物を提供する工程;および(b)この組成物における少なくとも1つの種のMPOの重量%を変化させる工程。この組成物には、3つ、4つ、または5つ以上の種のMPOが存在し得ることが、理解されるべきである。さらに、好ましくは、この組成物中の1つの種のMPOの重量%が変化されるが、本発明は、組成物の1つより多くの種を変化させることを意図する。
【0043】
1つの実施形態において、改変されるべき物理的特性は、組成物の融解温度である。融解温度の他に、本発明の方法によって改変され得る他の物理的特性としては、例えば、結晶化度および粘度が挙げられる。選択された物理的特性の改変は、組成物中の少なくとも1つの種のMPOの重量%を増加または減少させるかのいずれかによって、達成され得る。
【0044】
1つの実施形態において、最も高い融解温度を有する少なくとも1つの種の重量%が、工程(b)において減少される。1つの実施形態において、少なくとも大環状ポリエステルテトラマーの重量%が、工程(b)において減少される。1つの実施形態において、MPO組成物は、大環状PBTオリゴマーを含む。別の実施形態において、MPO組成物は、大環状PETオリゴマーを含む。MPO組成物は、ホモオリゴマー、コオリゴマー、またはその両方を含み得る。1つの実施形態において、MPO組成物は、少なくとも約90モル%のPBT構造単位を有する、大環状コポリエステルオリゴマーを含む。
【0045】
熱力学的制御下での反応によって調製された生成物中に存在する、大環状ポリエステルテトラマーの割合は、一般に、速度論的制御下での反応から得られる割合より高い。熱力学的に制御される反応の一例は、解重合である。ジオールとジカルボン酸塩化物との反応は、主として速度論的に制御される。
【0046】
1つの実施形態において、本発明によって除去される大環状ポリエステルテトラマーの割合は、最初に調製されたオリゴマー組成物中の大環状ポリエステルテトラマーの総量の、少なくとも60重量%である。存在する大環状ポリエステルテトラマーの量は、オリゴマー組成物の調製の方法によって改変する。別の実施形態において、少なくとも70%の大環状ポリエステルテトラマーが除去される。なお別の実施形態において、少なくとも90%の除去が実施される。
【0047】
1つの実施形態において、大環状ポリエステルテトラマーの重量%の減少は、改変された組成物におけるその重量%を、調製方法によるMPOの平衡混合物におけるその重量%より60%低くする。別の実施形態において、重量%の減少は、70%である。なお別の実施形態において、重量%の減少は、90%である。
【0048】
ある種のMPOにおける重量%の改変を生じる任意のプロセスが利用され得る。このようなプロセスの効果は、元々のMPO組成物および割合が改変されるべき特定種の特性を含む因子に依存し得る。このようなプロセスの代表例としては、蒸留、分別晶出、抗溶媒沈澱(anti−solvent precipitation)、添加および混合、化学反応などが挙げられる。
【0049】
1つの実施形態において、ある種のMPOの除去は、分別晶出によって達成される。1つの実施形態において、大環状(macrocyclic)ポリエステルテトラマーは、分別晶出によってMPO組成物の溶液から除去される。分別晶出を容易にする任意の溶媒が利用され得る。代表的な適切な溶媒としては、芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレンおよびo−ジクロロベンゼン(ODCB))が挙げられる。例えば、1つの実施形態において、ODCB中110℃で5重量%のオリゴマー組成物の溶液は、約25℃の周囲温度に冷却され、テトラマーの大部分を含む沈澱物が形成する。
【0050】
1つの実施形態において、大環状ポリエステルテトラマーの除去は、抗溶媒沈澱によって達成され得る。代表的な適切な非溶媒としては、脂肪族炭化水素、特にC6−10の範囲のもの(例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびデカン)が挙げられる。1つの好ましい実施形態において、ヘプタンが使用される。
【0051】
抗溶媒沈澱による大環状ポリエステルテトラマーの除去プロセスの1つの実施形態において、非溶媒が、約80〜120℃の範囲の高温にてMPO溶液に添加され、その後、この混合物は、より低い温度(代表的には、約70℃以下)に冷却され得る。なぜなら、より低い温度においては、かなりの量の他のオリゴマー、またはその全体においてMPO組成物が沈澱し得るからである。添加された非溶媒の量は、しばしば使用された溶媒の約90〜110容量%である。このより低い温度に冷却する際に、優勢に大環状ポリエステルテトラマーである沈澱物が形成する。元々存在した大環状ポリエステルテトラマーの少数部分は、一般に、溶液中のMPO組成物中に残る。しかし、残った大環状ポリエステルテトラマーは、MPO組成物の融解温度および結晶化度に対して顕著な効果を有さない。
【0052】
除去されたMPO種は、種々の目的のために再利用され得る。1つの実施形態において、このMPO種(例えば、大環状ポリエステルテトラマー)は、別々にかまたは他のMPOと組合わせて重合されるか、または線状ポリエステルを生成するために直線化する。別の実施形態において、MPO種は、脱重合反応の前か間のいずれかにおいて、脱重合されることが意図される線状ポリエステルと平衡化される。線状ポリエステルとMPO組成物から除去されたMPO種との混合物の脱重合は、平衡化が実質的に完全であることを示す、線状ポリエステル単独から得られたものと同一の分布のオリゴマーを有するオリゴマー生成物を提供する。
【0053】
上記の改変プロセスを実施するための装置は、任意の慣用的装置であり得る。実際の装置は、使用される実際のプロセスに依存する。分別晶出を実施するための1つの実施形態において(図1に言及する)、本発明の組成物を生成するための装置は、反応容器110を備え得、ここで、反応成分120(例えば、線状ポリエステル、溶媒および脱重合触媒)は合わせられ、そして脱重合反応が実施される。続いて、生成物混合物は、フィルター130を通過して線状物を除去する。この濾液を、第二の容器140中に通過させ得る。ここで、非溶媒としての脂肪族炭化水素の存在下または非存在下のいずれかで室温まで冷却され、ある種のMPO(例えば、テトラマー種)を沈澱させる。次いで、この濾液を、沈澱物(例えば、大環状ポリエステルテトラマー)を除去する別のフィルター150に通す。この沈澱した大環状ポリエステルオリゴマーを、フィルター150から除去し得、反応容器110にリサイクルし得る。さらなる容器を下流に使用して、所望の形態で生成物を分離し得、そして使用される場合に非溶媒を除去し得る。
【0054】
本発明の好ましい実施形態において、MPO組成物は、少なくとも2種のMPOを含み、ここで、最高の融解温度を有する種が10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下の量で存在する。
【0055】
1つの実施形態において、MPO組成物中のMPOは、2〜約20のDPを有する。別の実施形態において、MPOは2〜約10のDPを有する。別の実施形態において、MPOは、2〜約8のDPを有する。なお別の実施形態において、MPOは、2〜約6のDPを有する。
【0056】
1つの実施形態において、最高の融解温度を有する種は、大環状ポリエステルテトラマーである。1つの実施形態において、MPO組成物は、大環状PBTオリゴマーを含む。別の実施形態において、MPO組成物は、大環状PETオリゴマーを含む。MPO組成物は、ホモオリゴマー、コオリゴマーまたはこれら両方を含み得る。1つの実施形態において、MPO組成物は、少なくとも約90モル%のPBT構造単位を有する大環状コポリエステルオリゴマーを含む。
【0057】
1つの実施形態において、MPO組成物は、30〜40%大環状ポリエステルダイマー、30〜45%大環状ポリエステルトリマー、0〜5%大環状ポリエステルテトラマー、および5〜20%大環状ポリエステルペンタマーを含む。いくつかの実施形態において、大環状ポリエステルテトラマーの%は、好ましくは約3%未満、より好ましくは約2%未満、または最も好ましくは約1%未満である。
【0058】
1つの実施形態において、MPO組成物は、フィラーを有する。別の実施形態において、MPO組成物は、重合触媒を含む。別の実施形態において、MPO組成物は、プレプレグ組成物の一部である。
【0059】
大環状ポリエステルテトラマーの大部分が除去されたMPO組成物は、もともとの割合で大環状ポリエステルテトラマーを含む対応する組成物(すなわち、MPO形成反応の改変されていない生成物混合物(平衡化されているかまたはほぼ平衡化されている))のものと比較して、顕著により低い融解温度を有する。融解温度は、典型的には、MPO組成物中の種々のMPO分子に起因して広範である。温度における最も著しい減少は、この範囲の上限値(すなわち、最後の微量の固体が融解する温度)においてである。典型的には、改変MPO組成物の融解温度範囲の上限値は、改変されていない元々のMPO組成物についての上限値より約15℃〜ほぼ70℃低くあり得る。
【0060】
融解温度におけるこの減少には、典型的には、結晶化度における顕著な減少が、特に融解温度より高温に加熱した後にクエンチする際に付随する。よって、大環状ポリエステルテトラマーが除去されたMPO組成物は、クエンチされ得、そして繊維状フィラーまたは他のフィラーを含浸させるために使用され得、この際に、ドレープかつ形成され得るプレプレグ組成物が生成される。
【0061】
(III.重合触媒)
本発明において使用され得る重合触媒は、MPOの重合を触媒し得る。他の触媒が使用され得るが、有機スズ化合物および有機チタネート化合物は、好ましい触媒である。例えば、有機スズ化合物1,1,6,6−テトラ−n−ブチル−1,6−ジスタンナ−2,5,7,10−テトラオキサシクロデカンを、重合触媒として使用し得る。他の例示的有機スズ化合物としては、n−ブチルスズ(IV)クロリド二水酸化物、ジアルキルスズ(IV)オキシド(例えば、ジ−n−ブチルスズ(IV)オキシドおよびジ−n−オクチルスズオキシド)、ならびに非環式および環式のモノアルキルスズ(IV)誘導体(例えば、n−ブチルスズトリ−n−ブトキシド)、ジアルキルスズ(IV)ジアルコキシド(例えば、ジ−n−ブチルチン(IV)ジ−n−ブトキシドおよび2,2−ジ−n−ブチル−2−スタンナ−1,3−ジオキサシクロヘプタン)、ならびにトリアルキルスズアルコキシド(例えば、トリブチルスズエトキシド)が挙げられる。例えば、Pearceらに対する米国特許第5,348,985号を参照のこと。
【0062】
また、以下に示す一般式(I)を有するトリススタンオキサン(trisstannoxane)を、分枝ポリエステルポリマーを生成するための重合触媒として使用し得る:
【0063】
【化6】
ここで、R2は、C1−4一級アルキル基であり、そしてR3は、C1−10アルキル基である。
【0064】
さらに、以下に示す一般式(II)を有する有機スズ化合物を、MPOから分枝ポリエステルポリマーを調製するための重合触媒として使用し得る:
【0065】
【化7】
ここで、R3は、上記で規定される。
【0066】
チタネート化合物である、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、および以下に示す一般式(III)を有するチタネート化合物を、重合触媒として使用し得る:
【0067】
【化8】
ここで、各R4は、独立してアルキル基であるか、または2つのR4基は、一緒になって二価脂肪族炭化水素基を形成し;R5は、C2−10の二価または三価の脂肪族炭化水素基であり;R6は、メチレン基またはエチレン基であり、そしてnは、0または1である。
【0068】
上記の一般式を有するチタネート化合物の典型的な例を、表1に示す。
(表1:式(III)を有するチタネート化合物の例)
【0069】
【化9】
(表1:式(III)を有するチタネート化合物の例(続き))
【0070】
【化10】
少なくとも1つの以下の一般式の部分を有するチタネートエステル化合物もまた、重合触媒として使用されている:
【0071】
【化11】
または
【0072】
【化12】
ここで、各R7は、独立してC2−3アルキレン基であり;R8は、C1−6アルキル基または置換されていないかもしくは置換されているフェニル基であり;Zは、OまたはNであり;ただし、ZがOの場合、m=n=0であり、ZがNである場合、m=0または1およびm+n=1であり;各R9は、独立してC2−6アルキレン基であり、そしてqは、0または1である。
【0073】
このようなチタネート化合物の典型的な例を、以下の式(VI)および式(VII)に示す:
【0074】
【化13】
(IV.ブレンド材料)
MPOおよび重合触媒を含有するブレンド材料は、容易な生成、貯蔵、運搬およびプロセシングを可能にする。適用の観点から、ブレンド材料は、1成分の使用容易な混合物である。ブレンド材料はまた、熱硬化性樹脂のようにプロセスされ得るが熱可塑性樹脂を生成し得る。さらに、ブレンド材料は、MPOおよび重合触媒を適切な時間および適切な温度で適当量にて機器に移し得るように、既存の存在する機器が改変される必要性を除外し得る。
【0075】
1つの局面において、本発明は、改変された物理的特性(例えば、上記のような融解温度)を有するMPO組成物および重合触媒を含有するブレンド材料に関する。
【0076】
MPOが実質的に化学的にインタクトであり続ける限り、重合触媒と混合される場合、MPOの物理的形態に関して制限はない。1つの実施形態において、MPOは、粉末のような固体である。この実施形態において、機械的混合を典型的に使用して、MPOを重合触媒と混合する。別の実施形態において、MPOを、混合工程の間に溶媒が残って存在する状態で、溶媒の存在下で混合する。
【0077】
1つの実施形態において、ブレンド材料はまた、上記のようなフィラーを含む。このようなフィラーの代表例としては、ピグメント、軽量フィラー、難燃剤および紫外線安定剤が挙げられる。例えば、炭酸カルシウムを使用して、機械的性能を改善するためにポリエステルポリマー生成物の粘度を増加させ得る。また、ガラス微小球を添加して、生成物の密度を低くし得る。他のフィラーとしては、ナノクレイ(例えば、生成物のモジュラスを増加させるために)、酸化アンチモンと合わせた有機ブロミド(例えば、炎光耐性を付与するために)および染料(例えば、カーボンブラックまたは二酸化チタン)が挙げられる。
【0078】
フィラーは、フィラーおよびそのフィラーを添加する目的に依存して、一般に、約0.1重量%と70重量%との間、約25重量%と約70重量%との間、または約2重量%と5重量%との間で添加される。例えば、パーセントは、炭酸カルシウムの場合、好ましくは25重量%と50重量%との間であり、ナノクレイの場合、2重量%と5重量%との間、ピグメントの場合、0.1重量%と1重量%との間、およびガラス微小球の場合、25重量%と70重量%との間である。
【0079】
ブレンド材料を調製するためのプロセスは、MPOを提供する工程およびMPOを重合触媒と混合する工程とを包含する。このブレンドを調製する場合、MPOおよび重合触媒を、種々の方法によって一緒に混合し得る。例えば、任意の慣用的なミキサーまたはブレンダーを使用して、MPOの融解温度以下の温度での攪拌を介して、MPOと重合触媒とを混合し得る。このプロセスは、窒素雰囲気のような不活性な雰囲気下で行われ得る。
【0080】
溶媒はまた、MPOを重合触媒と均一に混合する際に補助するために使用され得る。種々の溶媒を使用し得、そして溶媒が実質的に水を含まないこと以外に、使用され得る溶媒の型に関して制限はない。本発明において使用され得る溶媒の代表例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタンおよびクロロホルムが挙げられる。
【0081】
使用される溶媒の量に関して、その量がMPOおよび重合触媒の均一な混合物を生じる量ということ以外に制限はない。1つの実施形態において、MPOの重合触媒とのブレンドは、蒸発を介する溶媒の直接除去または非溶媒への混合物の添加を介する沈澱のいずれかによって単離される。別の実施形態において、固体成分のブレンドをさらに、残っている溶媒のいずれもを除去するために、MPOの融解温度より下の高温での減圧下で乾燥する。
【0082】
少なくとも1つのフィラー、または任意の他のさらなる材料をさらに有するブレンド材料を調製するプロセスは、一般に、上記と同一であるが、フィラーおよび/またはさらなる材料の特性は、考慮されなければならない。MPO、重合触媒、フィラー、任意のさらなる材料および/または溶媒は、使用される場合、最終組成物が適切な量の各成分を含む限り、任意の順番または同時に混合され得ることが理解されるべきである。
【0083】
1、2またはそれより多くの異なるフィラーを、MPOおよび重合触媒のブレンド材料を調製する際に使用することは、本発明の範囲内である。特に他でいわれない限り、フィラーを単数でいう組成物、物品またはプロセスの任意の実施形態はまた、2以上の異なるフィラーを使用する実施形態を含む。同様に、他でいわれない限り、フィラーを複数でいう組成物、物品またはプロセスの任意の実施形態はまた、1つのフィラーが使用される実施形態を含む。
【0084】
本発明の1つの実施形態において、使用される重合触媒の量は、MPOのモノマー反復単位の総モルに基づいて、一般に約0.01〜約10.0モル%、好ましくは約0.1〜約2モル%、そしてより好ましくは、約0.2〜0.6モル%である。
【0085】
ブレンド材料の特定の組成物に依存するが、ブレンド材料は、周囲温度にて保存される場合、典型的に1週間、好ましくは1ヶ月、そしてより好ましくは1年より長い保存期間を示す。
【0086】
1、2、またはそれより多くの異なる重合触媒を、MPOおよび重合触媒のブレンドを調製する際に使用することは、本発明の範囲内である。他で特にいわれない限り、重合触媒を単数でいう組成物、物品またはプロセスの任意の実施形態はまた、2以上の異なる重合触媒が使用される実施形態を含む。同様に、他でいわれない限り、重合触媒を複数でいう組成物、物品またはプロセスの任意の実施形態はまた、1つの重合触媒が使用される実施形態を含む。2以上の重合触媒を使用して、重合の速度が変化し得るか、または種々の程度の分枝を有するポリマーが生成し得る。
【0087】
(V.MPOの重合)
別の局面において、本発明は、(a)改変された物理的特性(例えば、上記のような融解温度)を有するMPO組成物を提供する工程、(b)重合触媒を提供する工程、および(c)MPOを重合させる工程を包含する、MPO組成物を重合させるためのプロセスに関する。MPOおよび重合触媒は、ブレンド材料の成分であり得る。従って、1つの実施形態において、MPO組成物を重合化するためのプロセスは、(a)改変された物理的特性(例えば、融解温度)を有するMPO組成物を有するブレンド材料を提供する工程、および(b)MPOを重合させる工程を包含する。1つの実施形態において、重合化は、130℃〜230℃の範囲で行われる。
【0088】
より低い融解温度および結晶化度の減少によって、本発明の組成物を重合して以前に知られたMPO組成物が有するものよりもより低い温度でポリエステルを線状化することは、頻繁に可能である。例えば、慣用的に調製された大環状PBTオリゴマー組成物は、(触媒として慣用的なスズ化合物の存在下で)約190℃の重合温度を必要とし得、150℃では重合しない。テトラマーのほとんどが本発明に従って除去された対応する組成物は、148℃の低い温度で高分子量PBTに重合された。
【0089】
他の局面において、テトラマーが除去されたMPO組成物は、重合触媒の存在下で広範な種々の条件下で、広範な種々の使用を有する線状ポリエステルに重合し得る点で、公知のMPO組成物と類似する。
【0090】
触媒および/またはフィラーを有するMPOのブレンドは、回転成形、樹脂フィルム注入、引き出し成形、樹脂移入成形、フィラメントワインディング、粉末被膜または加熱融解プレプレグの作製および使用、水スラリープロセス、圧縮成形、ならびに回転包装のようなプロセスにおいて重合され得る。これらのプロセスを使用して、カーボンファイバーゴルフシャフトおよび軽量な自動車シャーシ部材、構造材料などのような物品において含まれ得る複合材料を含む、ポリエステル組成物を形成し得る。
【0091】
以下の実施例は、本発明をさらに例示し、そして本発明の理解を容易にするために提供される。これらの特定の実施例は、本発明の例示であることが意図される。
【0092】
(実施例A 一般的脱重合手順)
180℃にて不活性雰囲気下で、乾燥o−ジクロロベンゼン(ODCB)中に乾燥ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)ペレットを溶解する。ODCB中の溶液としてかまたはニート固体として、チタネート触媒を添加する。脱重合反応を、約180℃で実施する。進行を決定するために、反応物を、経時的にサンプリングし得る。平衡に達する場合(通常、1時間以内)、反応物を、100℃に冷却し、そしてチタネート触媒に水を添加してクエンチする(約0.5容量%の水)。クエンチ後、ODCBの70〜95%を除去することによって、反応混合物を、濃縮する。この工程を、分離(strip)の間圧力を調整することによって70〜180℃で実施し得る。
【0093】
最初の濃縮工程の後、反応物を約70℃まで冷却し、そして溶液から落ちる線状物質のバルクを除去するために濾過し得る。MPOを含有する濾液を、約110℃で約30%固体に濃縮する。等量のヘプタンを添加し、そしてPBTテトラマーを沈澱させるために、反応物を、約70℃に冷却する。PBTテトラマーを除去するためにろ過し、そしてこの濾液を、残った線状物質を除去するためにアルミナのカラムに通す。次いで、純粋なMPOを、ヘプタン沈澱または濃縮によって分離する。
【0094】
これらの実験において使用したPBTは、General Electric(Valox315等級)によって生成され、そして使用前に約120℃にて減圧下で乾燥した。無水ODCBを、Aldrichから購入したままで使用した。チタネート触媒を、DuPontからのテトライソプロピルチタネートより調製し、これを使用前に真空蒸留した。ジオールは、モレキュラーシーブで乾燥したものである。他の試薬等級の溶媒および化学物質全てを、購入したままで使用した。
【0095】
HPLC分析を使用して、MPOの組成物を特徴付け、そして脱重合反応の進行を追跡した。HPLC分析を、Hewlett Packard Series 1050クロマトグラフィーシステムを使用して行った。サンプルを、4.6×15cm Zorbax Eclispe XBD−C8カラムを40℃で通して、1.5ml/分で溶出した。18分間にわたって50:50〜100:0までのアセトニトリル:水の直線勾配を使用した。減圧昇華によって分離した純粋なPBTダイマーを使用して、分析を較正した。フェナントレンを較正内部標準として使用して、MPOを定量した。UV検出器を用いて、254nmでピークを測定した。
【0096】
Hewlett Packard Series 1100クロマトグラフィーシステムを使用して、ポリマーMWについての分析を行った。サンプルを、2つのPhenomenex Phenogel 5μm直線300×7.8mmカラムのバンクを40℃で通して、クロロホルムを用いて1ml/分で溶出した。UV検出器を用いて、254nmでピークを検出し、そして機器を、ポリスチレン標準を使用して較正した。
【0097】
MPOのHPLC保持時間を、表1に示す。選択したMPO組成物の融解範囲のデータを、表2に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
(実施例1)
市販のPBTの22.2gサンプルを、1,450g(1,107ml)のODCBに溶解し、そして2.8モル%の混合1,4−ブタンジオール/2−メチル−2,4−ペンタンジオール(4.3:1モル)チタネート触媒の存在下で脱重合した。MPOを、11.4g、すなわち理論上51.8%の量で得た。
【0100】
反応混合物を、100℃にて水を用いてクエンチし、そしてODCBを、MPO濃度を11重量%(71mlのODCB)まで留去した。サンプルを回収し、そして溶媒を除き;これは、100〜210℃の融解温度を有することがわかった。
【0101】
ヘプタン(71ml)を、残りのオリゴマー組成物に110℃で添加し、そして反応混合物を70℃に冷却した。ここで、沈澱物が形成した。この混合物を濾過し;この濾過残渣は、HPLC分析によって、反応生成物中に約96重量%のテトラマーを含むことがわかった。この濾液を、過剰のヘプタン中に注ぎ、残りのオリゴマーを沈澱させ、これは、100〜150℃の融解温度を有することがわかった。
【0102】
(実施例2)
磁気スターラーを備えた250mlの丸底フラスコを、85gのODCB(64ml)、およびテレフタロイルクロリドのビス(4−ヒドロキシブチル)テレフタレートとの反応によって調製した15gの大環状PBTオリゴマー組成物で充たした。オリゴマー組成物のコントロールサンプルが100〜180℃の融解温度を有することがわかった。
【0103】
ヘプタン(64ml)を、110℃で残りのオリゴマー組成物に徐々に添加し、そして反応混合物を、1時間にわたって75℃に冷却し、ここで、沈澱物が形成した。この混合物を濾過し;濾過残渣が反応生成物中に約90重量%の環式テトラマーを含むことがわかった。この濾液を過剰のヘプタンに注ぎ、残りのオリゴマーを沈澱させ、これは、100〜130℃の融解温度を有することがわかった。
【0104】
(実施例3)
磁気スターラーおよび温度計を備えた3lの丸底フラスコを、700gのODCB(534ml)、およびテレフタロイルクロリドの1,4−ブタンジオールとの反応によって調製した300gの大環状PBTオリゴマー組成物で充たした。オリゴマー組成物のコントロールサンプルが120〜175℃の融解温度を有することがわかった。
【0105】
この混合物を110℃に加熱して全てのオリゴマーを溶解し、そしてヘプタン(534ml)を、110℃で徐々に添加した。反応混合物を、75℃に冷却し、ここで、沈澱物が形成した。この混合物を濾過し;濾過残渣が反応生成物中に約73重量%の環式テトラマーを含むことを見出した。この濾液を過剰のヘプタンに注ぎ、残りのオリゴマーを沈澱させ、これは、120〜158℃の融解温度を有することがわかった。
【0106】
(実施例4)
実施例1にて上記したように調製した、大環状PBTオリゴマーのODCB中5重量%溶液が、110℃で同質の液体であることがわかった。室温に冷却する際に、この溶液から沈澱物が堆積した。この沈澱物が90%純粋な環状テトラマーであること、および元々のオリゴマー組成物中に存在するテトラマーの60重量%を構成することが、分析によってわかった。
【0107】
(実施例5)
テトラマーが除去されていない、実施例2において使用したPBTオリゴマー組成物の300mgのコントロールサンプル、試験管内に配置し、そして150℃で維持された油浴中に、10分間沈めた。この組成物は、この温度では融解しなかった。テトラマーが除去されている実施例2の生成物のサンプルは、同一の温度へ加熱した場合に融解したが、冷却に際して、不透明な割れやすい固体に結晶化した。
【0108】
実施例2の生成物を150℃に加熱し、そして冷水中に沈めることによってクエンチした場合、透明であり続けた。このことは、クエンチした後に、結晶性よりもむしろ非晶質であることを示す。これは、周囲温度にて1ヶ月にわたる貯蔵の後、非晶質であり、粘着性であり続けた。対照的に、コントロールは、48時間の置くことによって、割れやすい、結晶性状態に戻った。
【0109】
(実施例6)
3lの丸底フラスコを、3,098mlのODCB(26.3g)の市販のPBTペレット、および実施例3に記載したようにMPO組成物から回収した4.9gのテトラマーで充たした。全ての固体が溶解するまで、生じた混合物を180℃に加熱し、実施例1のものと類似のチタネート触媒を、PBTと同様の割合で添加した。180℃での加熱を1時間続けた後、この混合物の一部を分析し、実施例1で観察したものと同様の割合でMPOを含むことを見出した。
【0110】
典型的な実施形態が例示の目的で示されたが、前述の記載および実施例は、本発明の範囲に対する限定であると考えられるべきではない。従って、種々の改変、適用および変更が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者に見出され得る。
【0111】
上記でいわれる特許および参考文献は、参考として援用され、以下を含む:米国特許第5,039,783号、同第5,191,013号、同第5,231,161号、同第5,348,985号、同第5,389,719号、同第5,407,984号、同第5,466,744号、同第5,591,800号、同第5,661,214号、同第5,668,186号、同第5,710,086号。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、分別晶出プロセスを包含する、本発明の実施形態の概略図である。
(技術分野)
本発明は、一般に、熱可塑性物質およびその物質から形成される物品に関する。より具体的には、本発明は、大環状ポリエステルオリゴマー組成物ならびにその組成物の物理的特性および化学的特性を改変するための方法に関する。なおより具体的には、本発明は、比較的低い融解温度を有する、大環状ポリエステルオリゴマー組成物に関する。
【0002】
(背景情報)
ポリ(アルキレンテレフタレート)のような線状ポリエステルは、一般に公知であり、そしてアルキレンが代表的に2〜8個の炭素原子を有する場合には、市販されている。線状ポリエステルは、強度、靭性、高い光沢および溶媒耐性を含む、多数の価値ある特性を有する。線状ポリエステルは、従来、ジオールおよびジカルボン酸またはその機能的誘導体(代表的に、ハロゲン化二酸またはエステル)を反応させることによって、調製される。線状ポリエステルは、押出し、圧縮成形、および射出成形を含む、多数の公知の技術によって、物品に加工され得る。線状ポリエステルは、大環状ポリエステルオリゴマーから生成され得る。
【0003】
大環状ポリエステルオリゴマー(MPO)は、これらをエンジニアリング熱可塑性複合材料のためのマトリックスとして魅力的にする、独自の特性を有する。これらの所望の特性は、MPOが低い溶融粘性を示し、これらが緻密な繊維状のプレフォームを容易に含浸することを可能にするという事実に由来する。さらに、特定のMPOは、得られるポリマーの融点より十分に低い温度で融解し、そして重合する。融解の際に、そして適切な触媒の存在下で、融合および結晶化は、事実上等温的に起こり得る。その結果、工具を熱的に循環させるために必要とされる時間および費用は、好都合に減少する。
【0004】
一般的に言えば、MPO組成物は、高い融解温度を有し、このことは、ポリマープロセシングユニットにおいて通常利用可能ではない特別の設備の使用を、プロセシングにおいて必要とする。より低い融解温度を有する組成物が生成され得る場合は、エポキシ樹脂の生成および取り扱いにおいて通常使用されるもののような、より容易に利用可能なプロセシング設備を使用することが可能である。
【0005】
(発明の要旨)
MPO組成物の物理的特性および/または化学的特性が、成分のMPOの1つ以上の重量%を改変することによって、有意に改変され得る。例えば、単一のMPO種(大環状ポリエステルテトラマー)の存在は、予測不可能に顕著な効果を、MPO組成物の融解温度に対して有する。大環状ポリエステルテトラマーの一部の除去は、低融点のMPO組成物を生じ得る。得られるMPO組成物は、多くの状況下で、周囲温度において結晶化する傾向が大いに減少し、これらを炭素繊維またはガラス繊維のようなフィラーと混合して、充填された高分子量線状ポリエステルに容易に転換され得るプレプレグ材を製造することを可能にするというさらなる利点を有する。
【0006】
1つの局面において、本発明は、MPOを含む組成物の物理的特性を改変するためのプロセスに関する。このプロセスは、(a)少なくとも2つの種のMPOを有する組成物を提供する工程、および(b)この組成物における少なくとも1つの種のMPOの重量%を変化させる工程を包含する。
【0007】
別の局面において、本発明は、少なくとも2つの種のMPOを含むMPO組成物に関し、この組成物において、最も高い融解温度を有するMPOの種が、5%以下の量で存在する。1つの実施形態において、ブレンド材料は、このようなMPO組成物および重合触媒をも含む。
【0008】
1つの好ましい実施形態において、本発明のMPO組成物は、30〜40%の大環状ポリエステルダイマー、30〜45%の大環状ポリエステルトリマー、0〜5%の大環状ポリエステルテトラマー、および5〜20%の大環状ポリエステルペンタマーを含む。
【0009】
本発明の上記および他の課題、局面、特徴、および利点は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲から、より明らかになる。
【0010】
(詳細な説明)
図面は、必ずしも同一縮尺ではなく、本発明の原理を説明する際に、理解を容易にするために、強調が一般的に行われる。
【0011】
MPOを含む組成物の物理的特性(例えば、融解温度)が、MPO種(例えば、大環状ポリエステルテトラマー)の重量%を改変することによって、改変され得る。低い融解温度を有するMPO組成物が、より低い温度で重合およびプロセシングされ得、これによって、ポリマープロセシングにおいて通常使用されない特別な設備に対する必要性を回避する。
【0012】
(定義)
以下の一般的な定義が、本明細書中に使用される種々の用語および表現を理解する際に助けになり得る。
【0013】
本明細書中で使用される場合、「大環状」とは、共有結合して環を形成している8個以上の原子を含む少なくとも1つの環をその分子構造に有する、環状分子を意味する。
【0014】
本明細書中で使用される場合、「オリゴマー」とは、同じかまたは異なる式の、2つ以上の同定可能な構造反復単位を含む、分子を意味する。
【0015】
本明細書中で使用される場合、「大環状ポリエステルオリゴマー(MPO)」とは、エステル官能基を有する構造反復単位を含む、大環状オリゴマーを意味する。MPOとは、代表的に、1つの特定の式の複数の分子をいう。しかし、MPOはまた、可変数の、同じかまたは異なる構造反復単位を有する、異なる式の複数の分子を含み得る。さらに、MPOは、大環状コポリエステルオリゴマー(大環状マルチポリエステルオリゴマーを含む)(すなわち、1つの環状分子内にエステル官能基を有する、2つ以上の異なる構造反復単位を有するオリゴマー)であり得る。
【0016】
本明細書中で使用される場合、「重合度(DP)」とは、オリゴマー骨格またはポリマー骨格における、同定可能な構造反復単位の数を意味する。構造反復単位は、同じかまたは異なる分子構造を有し得る。例えば、「大環状ポリエステルテトラマー」または「テトラマー」は、4のDPを有するMPOをいう。
【0017】
本明細書中で使用される場合、「種」とは、同じDPを有するMPOを意味する。例えば、大環状ポリエステルテトラマーは、1つの種である。
【0018】
本明細書中で使用される場合、「大環状ポリエステルオリゴマー組成物」とは、1つより多くの分子構造単位が存在しても存在しなくても、異なるDP値を有するMPOの混合物を含む組成物を意味する。
【0019】
本明細書中で使用される場合、「ブレンド材料」とは、少なくとも1つのMPOおよび少なくとも1つの重合触媒を含む、2つ以上の成分の混合物を意味する。好ましくは、ブレンド材料は、均一に混合される。ブレンド材料はまた、フィラーおよび当業者に認識される他の成分を含み得る。
【0020】
本明細書中で使用される場合、「実質的にホモポリエステルまたはコポリエステルのオリゴマー」とは、構造反復単位がそれぞれ実質的に同じかまたは実質的に2つの異なる構造反復単位である、ポリエステルオリゴマーを意味する。
【0021】
本明細書中で使用される場合、「アルキレン基」とは、−CnH2n−を意味し、ここでn≧2である。
【0022】
本明細書中で使用される場合、「シクロアルキレン基」とは、環状アルキレン基−CnH2n−x−を意味し、ここで、xは、環化によって置き換えられたHの数を表す。
【0023】
本明細書中で使用される場合、「モノオキシアルキレン基またはポリオキシアルキレン基」とは、[−(CH2)m−O−]n−(CH2)m−を意味し、ここで、mは、1より大きい整数であり、そしてnは、0より大きい整数である。
【0024】
本明細書中で使用される場合、「二価の芳香族基」とは、大環状分子の他の部分と結合した芳香族基を意味する。例えば、二価の芳香族基としては、メタ結合またはパラ結合した単環式芳香族基(例えば、ベンゼン)が挙げられ得る。
【0025】
本明細書中で使用される場合、「脂環式基」とは、環状構造を内部に含む、非芳香族炭化水素基を意味する。
【0026】
本明細書中で使用される場合、「フィラー」とは、ブレンド材料に含まれ得る、MPOまたは重合触媒以外の材料を意味する。フィラーは、しばしば、所望の目的または特性を達成するために含まれ、そして得られるポリエステルポリマー中に存在し得る。例えば、フィラーの目的は、安定性(例えば、化学的安定性、熱安定性、または光安定性)をこのブレンド材料またはポリエステルポリマー生成物に与えること、および/あるいはポリエステルポリマー生成物の強度を増加させることであり得る。フィラーはまた、色彩を与えるかまたは減少させ得、重量または空隙を与えて特定の密度を達成し得、火炎抵抗性を与え得(すなわち、難燃剤)、より高価な材料の代わりになり得、プロセシングを容易にし得、そして/または当業者に認識されるような他の所望の特性を提供し得る。フィラーの代表的な例は、とりわけ、フュームドシリカ(fumed silica)、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化アンモニウムと組み合わせた有機臭化物、炭酸カルシウム、チョップドファイバー、フライアッシュ、ガラス微小球、微小バルーン、砕石、ナノクレー、線状ポリマー、およびモノマーである。
【0027】
本明細書中で使用される場合、「ポリエステルポリマー複合材料」とは、別の基材(例えば、繊維状材料または粒子状材料)と結合したポリエステルポリマーを意味する。粒子状材料の代表的な例は、チョップドファイバー、ガラス微小球、および砕石である。
【0028】
本明細書中で使用される場合、「平衡した混合物」とは、熱力学的平衡または速度論的平衡にあるMPOの混合物を意味する。
【0029】
本明細書中で使用される場合、「繊維」とは、ポリマーまたは天然繊維のような、細長構造を有する任意の材料を意味する。この材料は、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、または有機ポリマー(例えば、アラミド繊維)であり得る。
【0030】
本明細書中で使用される場合、「トウ」または「ストランド」とは、通常スプール上に巻き付けられるが捻られても捻られなくてもよい、一緒になった繊維の群、または繊維の束を意味する。これらのトウまたはストランドは、織られるかまたは編まれて、ファブリックを形成し得る。
【0031】
本明細書中で使用される場合、「繊維プレフォーム」とは、所望の形状で一緒に保持された、繊維トウおよび/またはファブリックのアセンブリを意味する。代表的に、繊維プレフォームは乾燥しており、そしてしばしば、種々の厚みで、一緒に保持される。
【0032】
本明細書中で使用される場合、「プレプレグ材」とは、複合材料のマトリックスを提供するために十分な容量で、そして繊維対樹脂の比が厳重に制御されるように、樹脂材料を含浸された、炭素繊維、ガラス繊維、または他の繊維のような繊維材料を意味する。この繊維の配置は、トウの形態、ファブリックに織られたかまたは編まれたもの、あるいは非方向性のテープであり得る。
【0033】
(I.大環状ポリエステルオリゴマー(MPO))
多くの異なるMPOが、容易に作製され得、そして本発明の実施において有用である。本発明において使用され得るMPOとしては、以下の式:
【0034】
【化4】
の構造反復単位を有する、大環状ポリ(アルキレンジカルボキシレート)オリゴマーが挙げられるが、これらに限定されない。ここで、Aは、アルキレン基、またはシクロアルキレン基、またはモノオキシアルキレン基もしくはポリオキシアルキレン基であり;そしてBは、二価の芳香族基または脂環式基である。本発明において使用され得るMPOは、種々のDP値(例えば、2〜20、2〜10、2〜8、および2〜6)を有し得る。
【0035】
MPOは、公知の方法によって調製され得る。好ましいMPOの合成は、式OH−A−OHの少なくとも1つのジオールを、以下の式の少なくとも1つの塩化二酸:
【0036】
【化5】
と接触させる工程を包含し、ここで、AおよびBは、上記で定義されたとおりである。この反応は、代表的に、塩基性窒素原子の周囲に立体障害が実質的にない、少なくとも1つのアミンの存在下で実施される。このようなアミンの代表的な例は、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)である。この反応は、通常、実質的に無水の条件下で、実質的に水に非混和性の有機溶媒(例えば、塩化メチレン)中で、実施される。この反応の温度は、代表的に、約−25℃と約25℃との間である。例えば、Brunelleらに対する米国特許第5,039,783号を参照のこと。
【0037】
MPOはまた、塩化二酸と、少なくとも1つのビス(ヒドロキシアルキル)エステル(例えば、ビス(4−ヒドロキシブチル)テレフタレート)との縮合によって、調製された。この縮合は、代表的に、高度に妨害されていないアミンまたはその混合物、および少なくとも1つの他の三級アミン(例えば、トリエチルアミン)の存在下で生じる。通常、実質的に不活性の有機溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロベンゼン、またはこれらの混合物)が使用される。例えば、Brunelleらに対する米国特許第5,231,161号を参照のこと。
【0038】
大環状コポリエステルオリゴマーを含む、MPOを調製するための別の方法は、線状ポリエステルポリマーを、有機スズ化合物またはチタン酸化合物の存在下で、解重合することである。この方法において、線状ポリエステルは、線状ポリエステル、有機溶媒、およびエステル交換触媒(例えば、スズ化合物またはチタン化合物)の混合物を加熱することによって、MPOに転換される。使用される溶媒(例えば、o−キシレンおよびo−ジクロロベンゼン)は、通常、酸素および水を実質的に含まない。例えば、Brunelleらに対する米国特許第5,407,984号および同第5,668,186号を参照のこと。
【0039】
大環状ホモポリエステルオリゴマーまたはコポリエステルオリゴマーを使用して、それぞれホモポリエステルポリマーおよびコポリエステルポリーを生成することもまた、本発明の範囲内である。従って、他に言及しない限り、MPOに関する組成物、物品、またはプロセスの実施形態は、コポリエステルの実施形態をもまた含み得る。
【0040】
ホモポリマー組成物のうちでも、1つの実施形態において、ポリ(1,4−ブチレン)テレフタレート(PBT)のMPOが使用される。ホモポリマー組成物のうちでも、別の実施形態において、ポリエチレンテレフタレート(PET)のMPOが使用される。コポリマー組成物のうちでも、1つの実施形態において、MPO種は、大きな割合のPBT構造単位、PET構造単位、またはその両方を含む。1つの実施形態において、MPO種は、少なくとも約90モル%のPBT構造単位、PET構造単位、またはその両方を含む。別の実施形態において、MPO種は、優先的にPBT、および少量の他の単位(例えば、ポリ(アルキレンジカルボキシレート)単位またはエステル酸素を含む単位(例えば、Aがジエチレングリコールから誘導されるもの))を含む。
【0041】
(II.MPO組成物の物理的特性および化学的特性の設計)
1つの実施形態において、最初に生成された未改変のMPO組成物の特性とは異なる物理的特性および/または化学的特性を有する、MPO組成物が製造される。例えば、MPO組成物の融解温度は、大きな割合の大環状ポリエステルテトラマー(すなわち、4のDPを有するオリゴマー)を、MPO組成物から除去することによって、有意に低下され得る。このことは、このテトラマーが、MPOのうちでも高い融解温度であり、そして結晶化度が高いので、可能である。従って、除去は、オリゴマー組成物の融解温度および結晶化度に対して、有意な影響を有する。同様に、MPO組成物の融解温度は、このMPO組成物に、有意な割合の大環状ポリエステルテトラマーを添加することによって、有意に増加し得る。
【0042】
1つの局面において、本発明は、MPOを有する組成物の物理的特性を改変するためのプロセスに関する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)少なくとも2つの種のMPOを有する組成物を提供する工程;および(b)この組成物における少なくとも1つの種のMPOの重量%を変化させる工程。この組成物には、3つ、4つ、または5つ以上の種のMPOが存在し得ることが、理解されるべきである。さらに、好ましくは、この組成物中の1つの種のMPOの重量%が変化されるが、本発明は、組成物の1つより多くの種を変化させることを意図する。
【0043】
1つの実施形態において、改変されるべき物理的特性は、組成物の融解温度である。融解温度の他に、本発明の方法によって改変され得る他の物理的特性としては、例えば、結晶化度および粘度が挙げられる。選択された物理的特性の改変は、組成物中の少なくとも1つの種のMPOの重量%を増加または減少させるかのいずれかによって、達成され得る。
【0044】
1つの実施形態において、最も高い融解温度を有する少なくとも1つの種の重量%が、工程(b)において減少される。1つの実施形態において、少なくとも大環状ポリエステルテトラマーの重量%が、工程(b)において減少される。1つの実施形態において、MPO組成物は、大環状PBTオリゴマーを含む。別の実施形態において、MPO組成物は、大環状PETオリゴマーを含む。MPO組成物は、ホモオリゴマー、コオリゴマー、またはその両方を含み得る。1つの実施形態において、MPO組成物は、少なくとも約90モル%のPBT構造単位を有する、大環状コポリエステルオリゴマーを含む。
【0045】
熱力学的制御下での反応によって調製された生成物中に存在する、大環状ポリエステルテトラマーの割合は、一般に、速度論的制御下での反応から得られる割合より高い。熱力学的に制御される反応の一例は、解重合である。ジオールとジカルボン酸塩化物との反応は、主として速度論的に制御される。
【0046】
1つの実施形態において、本発明によって除去される大環状ポリエステルテトラマーの割合は、最初に調製されたオリゴマー組成物中の大環状ポリエステルテトラマーの総量の、少なくとも60重量%である。存在する大環状ポリエステルテトラマーの量は、オリゴマー組成物の調製の方法によって改変する。別の実施形態において、少なくとも70%の大環状ポリエステルテトラマーが除去される。なお別の実施形態において、少なくとも90%の除去が実施される。
【0047】
1つの実施形態において、大環状ポリエステルテトラマーの重量%の減少は、改変された組成物におけるその重量%を、調製方法によるMPOの平衡混合物におけるその重量%より60%低くする。別の実施形態において、重量%の減少は、70%である。なお別の実施形態において、重量%の減少は、90%である。
【0048】
ある種のMPOにおける重量%の改変を生じる任意のプロセスが利用され得る。このようなプロセスの効果は、元々のMPO組成物および割合が改変されるべき特定種の特性を含む因子に依存し得る。このようなプロセスの代表例としては、蒸留、分別晶出、抗溶媒沈澱(anti−solvent precipitation)、添加および混合、化学反応などが挙げられる。
【0049】
1つの実施形態において、ある種のMPOの除去は、分別晶出によって達成される。1つの実施形態において、大環状(macrocyclic)ポリエステルテトラマーは、分別晶出によってMPO組成物の溶液から除去される。分別晶出を容易にする任意の溶媒が利用され得る。代表的な適切な溶媒としては、芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレンおよびo−ジクロロベンゼン(ODCB))が挙げられる。例えば、1つの実施形態において、ODCB中110℃で5重量%のオリゴマー組成物の溶液は、約25℃の周囲温度に冷却され、テトラマーの大部分を含む沈澱物が形成する。
【0050】
1つの実施形態において、大環状ポリエステルテトラマーの除去は、抗溶媒沈澱によって達成され得る。代表的な適切な非溶媒としては、脂肪族炭化水素、特にC6−10の範囲のもの(例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよびデカン)が挙げられる。1つの好ましい実施形態において、ヘプタンが使用される。
【0051】
抗溶媒沈澱による大環状ポリエステルテトラマーの除去プロセスの1つの実施形態において、非溶媒が、約80〜120℃の範囲の高温にてMPO溶液に添加され、その後、この混合物は、より低い温度(代表的には、約70℃以下)に冷却され得る。なぜなら、より低い温度においては、かなりの量の他のオリゴマー、またはその全体においてMPO組成物が沈澱し得るからである。添加された非溶媒の量は、しばしば使用された溶媒の約90〜110容量%である。このより低い温度に冷却する際に、優勢に大環状ポリエステルテトラマーである沈澱物が形成する。元々存在した大環状ポリエステルテトラマーの少数部分は、一般に、溶液中のMPO組成物中に残る。しかし、残った大環状ポリエステルテトラマーは、MPO組成物の融解温度および結晶化度に対して顕著な効果を有さない。
【0052】
除去されたMPO種は、種々の目的のために再利用され得る。1つの実施形態において、このMPO種(例えば、大環状ポリエステルテトラマー)は、別々にかまたは他のMPOと組合わせて重合されるか、または線状ポリエステルを生成するために直線化する。別の実施形態において、MPO種は、脱重合反応の前か間のいずれかにおいて、脱重合されることが意図される線状ポリエステルと平衡化される。線状ポリエステルとMPO組成物から除去されたMPO種との混合物の脱重合は、平衡化が実質的に完全であることを示す、線状ポリエステル単独から得られたものと同一の分布のオリゴマーを有するオリゴマー生成物を提供する。
【0053】
上記の改変プロセスを実施するための装置は、任意の慣用的装置であり得る。実際の装置は、使用される実際のプロセスに依存する。分別晶出を実施するための1つの実施形態において(図1に言及する)、本発明の組成物を生成するための装置は、反応容器110を備え得、ここで、反応成分120(例えば、線状ポリエステル、溶媒および脱重合触媒)は合わせられ、そして脱重合反応が実施される。続いて、生成物混合物は、フィルター130を通過して線状物を除去する。この濾液を、第二の容器140中に通過させ得る。ここで、非溶媒としての脂肪族炭化水素の存在下または非存在下のいずれかで室温まで冷却され、ある種のMPO(例えば、テトラマー種)を沈澱させる。次いで、この濾液を、沈澱物(例えば、大環状ポリエステルテトラマー)を除去する別のフィルター150に通す。この沈澱した大環状ポリエステルオリゴマーを、フィルター150から除去し得、反応容器110にリサイクルし得る。さらなる容器を下流に使用して、所望の形態で生成物を分離し得、そして使用される場合に非溶媒を除去し得る。
【0054】
本発明の好ましい実施形態において、MPO組成物は、少なくとも2種のMPOを含み、ここで、最高の融解温度を有する種が10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下の量で存在する。
【0055】
1つの実施形態において、MPO組成物中のMPOは、2〜約20のDPを有する。別の実施形態において、MPOは2〜約10のDPを有する。別の実施形態において、MPOは、2〜約8のDPを有する。なお別の実施形態において、MPOは、2〜約6のDPを有する。
【0056】
1つの実施形態において、最高の融解温度を有する種は、大環状ポリエステルテトラマーである。1つの実施形態において、MPO組成物は、大環状PBTオリゴマーを含む。別の実施形態において、MPO組成物は、大環状PETオリゴマーを含む。MPO組成物は、ホモオリゴマー、コオリゴマーまたはこれら両方を含み得る。1つの実施形態において、MPO組成物は、少なくとも約90モル%のPBT構造単位を有する大環状コポリエステルオリゴマーを含む。
【0057】
1つの実施形態において、MPO組成物は、30〜40%大環状ポリエステルダイマー、30〜45%大環状ポリエステルトリマー、0〜5%大環状ポリエステルテトラマー、および5〜20%大環状ポリエステルペンタマーを含む。いくつかの実施形態において、大環状ポリエステルテトラマーの%は、好ましくは約3%未満、より好ましくは約2%未満、または最も好ましくは約1%未満である。
【0058】
1つの実施形態において、MPO組成物は、フィラーを有する。別の実施形態において、MPO組成物は、重合触媒を含む。別の実施形態において、MPO組成物は、プレプレグ組成物の一部である。
【0059】
大環状ポリエステルテトラマーの大部分が除去されたMPO組成物は、もともとの割合で大環状ポリエステルテトラマーを含む対応する組成物(すなわち、MPO形成反応の改変されていない生成物混合物(平衡化されているかまたはほぼ平衡化されている))のものと比較して、顕著により低い融解温度を有する。融解温度は、典型的には、MPO組成物中の種々のMPO分子に起因して広範である。温度における最も著しい減少は、この範囲の上限値(すなわち、最後の微量の固体が融解する温度)においてである。典型的には、改変MPO組成物の融解温度範囲の上限値は、改変されていない元々のMPO組成物についての上限値より約15℃〜ほぼ70℃低くあり得る。
【0060】
融解温度におけるこの減少には、典型的には、結晶化度における顕著な減少が、特に融解温度より高温に加熱した後にクエンチする際に付随する。よって、大環状ポリエステルテトラマーが除去されたMPO組成物は、クエンチされ得、そして繊維状フィラーまたは他のフィラーを含浸させるために使用され得、この際に、ドレープかつ形成され得るプレプレグ組成物が生成される。
【0061】
(III.重合触媒)
本発明において使用され得る重合触媒は、MPOの重合を触媒し得る。他の触媒が使用され得るが、有機スズ化合物および有機チタネート化合物は、好ましい触媒である。例えば、有機スズ化合物1,1,6,6−テトラ−n−ブチル−1,6−ジスタンナ−2,5,7,10−テトラオキサシクロデカンを、重合触媒として使用し得る。他の例示的有機スズ化合物としては、n−ブチルスズ(IV)クロリド二水酸化物、ジアルキルスズ(IV)オキシド(例えば、ジ−n−ブチルスズ(IV)オキシドおよびジ−n−オクチルスズオキシド)、ならびに非環式および環式のモノアルキルスズ(IV)誘導体(例えば、n−ブチルスズトリ−n−ブトキシド)、ジアルキルスズ(IV)ジアルコキシド(例えば、ジ−n−ブチルチン(IV)ジ−n−ブトキシドおよび2,2−ジ−n−ブチル−2−スタンナ−1,3−ジオキサシクロヘプタン)、ならびにトリアルキルスズアルコキシド(例えば、トリブチルスズエトキシド)が挙げられる。例えば、Pearceらに対する米国特許第5,348,985号を参照のこと。
【0062】
また、以下に示す一般式(I)を有するトリススタンオキサン(trisstannoxane)を、分枝ポリエステルポリマーを生成するための重合触媒として使用し得る:
【0063】
【化6】
ここで、R2は、C1−4一級アルキル基であり、そしてR3は、C1−10アルキル基である。
【0064】
さらに、以下に示す一般式(II)を有する有機スズ化合物を、MPOから分枝ポリエステルポリマーを調製するための重合触媒として使用し得る:
【0065】
【化7】
ここで、R3は、上記で規定される。
【0066】
チタネート化合物である、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、および以下に示す一般式(III)を有するチタネート化合物を、重合触媒として使用し得る:
【0067】
【化8】
ここで、各R4は、独立してアルキル基であるか、または2つのR4基は、一緒になって二価脂肪族炭化水素基を形成し;R5は、C2−10の二価または三価の脂肪族炭化水素基であり;R6は、メチレン基またはエチレン基であり、そしてnは、0または1である。
【0068】
上記の一般式を有するチタネート化合物の典型的な例を、表1に示す。
(表1:式(III)を有するチタネート化合物の例)
【0069】
【化9】
(表1:式(III)を有するチタネート化合物の例(続き))
【0070】
【化10】
少なくとも1つの以下の一般式の部分を有するチタネートエステル化合物もまた、重合触媒として使用されている:
【0071】
【化11】
または
【0072】
【化12】
ここで、各R7は、独立してC2−3アルキレン基であり;R8は、C1−6アルキル基または置換されていないかもしくは置換されているフェニル基であり;Zは、OまたはNであり;ただし、ZがOの場合、m=n=0であり、ZがNである場合、m=0または1およびm+n=1であり;各R9は、独立してC2−6アルキレン基であり、そしてqは、0または1である。
【0073】
このようなチタネート化合物の典型的な例を、以下の式(VI)および式(VII)に示す:
【0074】
【化13】
(IV.ブレンド材料)
MPOおよび重合触媒を含有するブレンド材料は、容易な生成、貯蔵、運搬およびプロセシングを可能にする。適用の観点から、ブレンド材料は、1成分の使用容易な混合物である。ブレンド材料はまた、熱硬化性樹脂のようにプロセスされ得るが熱可塑性樹脂を生成し得る。さらに、ブレンド材料は、MPOおよび重合触媒を適切な時間および適切な温度で適当量にて機器に移し得るように、既存の存在する機器が改変される必要性を除外し得る。
【0075】
1つの局面において、本発明は、改変された物理的特性(例えば、上記のような融解温度)を有するMPO組成物および重合触媒を含有するブレンド材料に関する。
【0076】
MPOが実質的に化学的にインタクトであり続ける限り、重合触媒と混合される場合、MPOの物理的形態に関して制限はない。1つの実施形態において、MPOは、粉末のような固体である。この実施形態において、機械的混合を典型的に使用して、MPOを重合触媒と混合する。別の実施形態において、MPOを、混合工程の間に溶媒が残って存在する状態で、溶媒の存在下で混合する。
【0077】
1つの実施形態において、ブレンド材料はまた、上記のようなフィラーを含む。このようなフィラーの代表例としては、ピグメント、軽量フィラー、難燃剤および紫外線安定剤が挙げられる。例えば、炭酸カルシウムを使用して、機械的性能を改善するためにポリエステルポリマー生成物の粘度を増加させ得る。また、ガラス微小球を添加して、生成物の密度を低くし得る。他のフィラーとしては、ナノクレイ(例えば、生成物のモジュラスを増加させるために)、酸化アンチモンと合わせた有機ブロミド(例えば、炎光耐性を付与するために)および染料(例えば、カーボンブラックまたは二酸化チタン)が挙げられる。
【0078】
フィラーは、フィラーおよびそのフィラーを添加する目的に依存して、一般に、約0.1重量%と70重量%との間、約25重量%と約70重量%との間、または約2重量%と5重量%との間で添加される。例えば、パーセントは、炭酸カルシウムの場合、好ましくは25重量%と50重量%との間であり、ナノクレイの場合、2重量%と5重量%との間、ピグメントの場合、0.1重量%と1重量%との間、およびガラス微小球の場合、25重量%と70重量%との間である。
【0079】
ブレンド材料を調製するためのプロセスは、MPOを提供する工程およびMPOを重合触媒と混合する工程とを包含する。このブレンドを調製する場合、MPOおよび重合触媒を、種々の方法によって一緒に混合し得る。例えば、任意の慣用的なミキサーまたはブレンダーを使用して、MPOの融解温度以下の温度での攪拌を介して、MPOと重合触媒とを混合し得る。このプロセスは、窒素雰囲気のような不活性な雰囲気下で行われ得る。
【0080】
溶媒はまた、MPOを重合触媒と均一に混合する際に補助するために使用され得る。種々の溶媒を使用し得、そして溶媒が実質的に水を含まないこと以外に、使用され得る溶媒の型に関して制限はない。本発明において使用され得る溶媒の代表例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタンおよびクロロホルムが挙げられる。
【0081】
使用される溶媒の量に関して、その量がMPOおよび重合触媒の均一な混合物を生じる量ということ以外に制限はない。1つの実施形態において、MPOの重合触媒とのブレンドは、蒸発を介する溶媒の直接除去または非溶媒への混合物の添加を介する沈澱のいずれかによって単離される。別の実施形態において、固体成分のブレンドをさらに、残っている溶媒のいずれもを除去するために、MPOの融解温度より下の高温での減圧下で乾燥する。
【0082】
少なくとも1つのフィラー、または任意の他のさらなる材料をさらに有するブレンド材料を調製するプロセスは、一般に、上記と同一であるが、フィラーおよび/またはさらなる材料の特性は、考慮されなければならない。MPO、重合触媒、フィラー、任意のさらなる材料および/または溶媒は、使用される場合、最終組成物が適切な量の各成分を含む限り、任意の順番または同時に混合され得ることが理解されるべきである。
【0083】
1、2またはそれより多くの異なるフィラーを、MPOおよび重合触媒のブレンド材料を調製する際に使用することは、本発明の範囲内である。特に他でいわれない限り、フィラーを単数でいう組成物、物品またはプロセスの任意の実施形態はまた、2以上の異なるフィラーを使用する実施形態を含む。同様に、他でいわれない限り、フィラーを複数でいう組成物、物品またはプロセスの任意の実施形態はまた、1つのフィラーが使用される実施形態を含む。
【0084】
本発明の1つの実施形態において、使用される重合触媒の量は、MPOのモノマー反復単位の総モルに基づいて、一般に約0.01〜約10.0モル%、好ましくは約0.1〜約2モル%、そしてより好ましくは、約0.2〜0.6モル%である。
【0085】
ブレンド材料の特定の組成物に依存するが、ブレンド材料は、周囲温度にて保存される場合、典型的に1週間、好ましくは1ヶ月、そしてより好ましくは1年より長い保存期間を示す。
【0086】
1、2、またはそれより多くの異なる重合触媒を、MPOおよび重合触媒のブレンドを調製する際に使用することは、本発明の範囲内である。他で特にいわれない限り、重合触媒を単数でいう組成物、物品またはプロセスの任意の実施形態はまた、2以上の異なる重合触媒が使用される実施形態を含む。同様に、他でいわれない限り、重合触媒を複数でいう組成物、物品またはプロセスの任意の実施形態はまた、1つの重合触媒が使用される実施形態を含む。2以上の重合触媒を使用して、重合の速度が変化し得るか、または種々の程度の分枝を有するポリマーが生成し得る。
【0087】
(V.MPOの重合)
別の局面において、本発明は、(a)改変された物理的特性(例えば、上記のような融解温度)を有するMPO組成物を提供する工程、(b)重合触媒を提供する工程、および(c)MPOを重合させる工程を包含する、MPO組成物を重合させるためのプロセスに関する。MPOおよび重合触媒は、ブレンド材料の成分であり得る。従って、1つの実施形態において、MPO組成物を重合化するためのプロセスは、(a)改変された物理的特性(例えば、融解温度)を有するMPO組成物を有するブレンド材料を提供する工程、および(b)MPOを重合させる工程を包含する。1つの実施形態において、重合化は、130℃〜230℃の範囲で行われる。
【0088】
より低い融解温度および結晶化度の減少によって、本発明の組成物を重合して以前に知られたMPO組成物が有するものよりもより低い温度でポリエステルを線状化することは、頻繁に可能である。例えば、慣用的に調製された大環状PBTオリゴマー組成物は、(触媒として慣用的なスズ化合物の存在下で)約190℃の重合温度を必要とし得、150℃では重合しない。テトラマーのほとんどが本発明に従って除去された対応する組成物は、148℃の低い温度で高分子量PBTに重合された。
【0089】
他の局面において、テトラマーが除去されたMPO組成物は、重合触媒の存在下で広範な種々の条件下で、広範な種々の使用を有する線状ポリエステルに重合し得る点で、公知のMPO組成物と類似する。
【0090】
触媒および/またはフィラーを有するMPOのブレンドは、回転成形、樹脂フィルム注入、引き出し成形、樹脂移入成形、フィラメントワインディング、粉末被膜または加熱融解プレプレグの作製および使用、水スラリープロセス、圧縮成形、ならびに回転包装のようなプロセスにおいて重合され得る。これらのプロセスを使用して、カーボンファイバーゴルフシャフトおよび軽量な自動車シャーシ部材、構造材料などのような物品において含まれ得る複合材料を含む、ポリエステル組成物を形成し得る。
【0091】
以下の実施例は、本発明をさらに例示し、そして本発明の理解を容易にするために提供される。これらの特定の実施例は、本発明の例示であることが意図される。
【0092】
(実施例A 一般的脱重合手順)
180℃にて不活性雰囲気下で、乾燥o−ジクロロベンゼン(ODCB)中に乾燥ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)ペレットを溶解する。ODCB中の溶液としてかまたはニート固体として、チタネート触媒を添加する。脱重合反応を、約180℃で実施する。進行を決定するために、反応物を、経時的にサンプリングし得る。平衡に達する場合(通常、1時間以内)、反応物を、100℃に冷却し、そしてチタネート触媒に水を添加してクエンチする(約0.5容量%の水)。クエンチ後、ODCBの70〜95%を除去することによって、反応混合物を、濃縮する。この工程を、分離(strip)の間圧力を調整することによって70〜180℃で実施し得る。
【0093】
最初の濃縮工程の後、反応物を約70℃まで冷却し、そして溶液から落ちる線状物質のバルクを除去するために濾過し得る。MPOを含有する濾液を、約110℃で約30%固体に濃縮する。等量のヘプタンを添加し、そしてPBTテトラマーを沈澱させるために、反応物を、約70℃に冷却する。PBTテトラマーを除去するためにろ過し、そしてこの濾液を、残った線状物質を除去するためにアルミナのカラムに通す。次いで、純粋なMPOを、ヘプタン沈澱または濃縮によって分離する。
【0094】
これらの実験において使用したPBTは、General Electric(Valox315等級)によって生成され、そして使用前に約120℃にて減圧下で乾燥した。無水ODCBを、Aldrichから購入したままで使用した。チタネート触媒を、DuPontからのテトライソプロピルチタネートより調製し、これを使用前に真空蒸留した。ジオールは、モレキュラーシーブで乾燥したものである。他の試薬等級の溶媒および化学物質全てを、購入したままで使用した。
【0095】
HPLC分析を使用して、MPOの組成物を特徴付け、そして脱重合反応の進行を追跡した。HPLC分析を、Hewlett Packard Series 1050クロマトグラフィーシステムを使用して行った。サンプルを、4.6×15cm Zorbax Eclispe XBD−C8カラムを40℃で通して、1.5ml/分で溶出した。18分間にわたって50:50〜100:0までのアセトニトリル:水の直線勾配を使用した。減圧昇華によって分離した純粋なPBTダイマーを使用して、分析を較正した。フェナントレンを較正内部標準として使用して、MPOを定量した。UV検出器を用いて、254nmでピークを測定した。
【0096】
Hewlett Packard Series 1100クロマトグラフィーシステムを使用して、ポリマーMWについての分析を行った。サンプルを、2つのPhenomenex Phenogel 5μm直線300×7.8mmカラムのバンクを40℃で通して、クロロホルムを用いて1ml/分で溶出した。UV検出器を用いて、254nmでピークを検出し、そして機器を、ポリスチレン標準を使用して較正した。
【0097】
MPOのHPLC保持時間を、表1に示す。選択したMPO組成物の融解範囲のデータを、表2に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
(実施例1)
市販のPBTの22.2gサンプルを、1,450g(1,107ml)のODCBに溶解し、そして2.8モル%の混合1,4−ブタンジオール/2−メチル−2,4−ペンタンジオール(4.3:1モル)チタネート触媒の存在下で脱重合した。MPOを、11.4g、すなわち理論上51.8%の量で得た。
【0100】
反応混合物を、100℃にて水を用いてクエンチし、そしてODCBを、MPO濃度を11重量%(71mlのODCB)まで留去した。サンプルを回収し、そして溶媒を除き;これは、100〜210℃の融解温度を有することがわかった。
【0101】
ヘプタン(71ml)を、残りのオリゴマー組成物に110℃で添加し、そして反応混合物を70℃に冷却した。ここで、沈澱物が形成した。この混合物を濾過し;この濾過残渣は、HPLC分析によって、反応生成物中に約96重量%のテトラマーを含むことがわかった。この濾液を、過剰のヘプタン中に注ぎ、残りのオリゴマーを沈澱させ、これは、100〜150℃の融解温度を有することがわかった。
【0102】
(実施例2)
磁気スターラーを備えた250mlの丸底フラスコを、85gのODCB(64ml)、およびテレフタロイルクロリドのビス(4−ヒドロキシブチル)テレフタレートとの反応によって調製した15gの大環状PBTオリゴマー組成物で充たした。オリゴマー組成物のコントロールサンプルが100〜180℃の融解温度を有することがわかった。
【0103】
ヘプタン(64ml)を、110℃で残りのオリゴマー組成物に徐々に添加し、そして反応混合物を、1時間にわたって75℃に冷却し、ここで、沈澱物が形成した。この混合物を濾過し;濾過残渣が反応生成物中に約90重量%の環式テトラマーを含むことがわかった。この濾液を過剰のヘプタンに注ぎ、残りのオリゴマーを沈澱させ、これは、100〜130℃の融解温度を有することがわかった。
【0104】
(実施例3)
磁気スターラーおよび温度計を備えた3lの丸底フラスコを、700gのODCB(534ml)、およびテレフタロイルクロリドの1,4−ブタンジオールとの反応によって調製した300gの大環状PBTオリゴマー組成物で充たした。オリゴマー組成物のコントロールサンプルが120〜175℃の融解温度を有することがわかった。
【0105】
この混合物を110℃に加熱して全てのオリゴマーを溶解し、そしてヘプタン(534ml)を、110℃で徐々に添加した。反応混合物を、75℃に冷却し、ここで、沈澱物が形成した。この混合物を濾過し;濾過残渣が反応生成物中に約73重量%の環式テトラマーを含むことを見出した。この濾液を過剰のヘプタンに注ぎ、残りのオリゴマーを沈澱させ、これは、120〜158℃の融解温度を有することがわかった。
【0106】
(実施例4)
実施例1にて上記したように調製した、大環状PBTオリゴマーのODCB中5重量%溶液が、110℃で同質の液体であることがわかった。室温に冷却する際に、この溶液から沈澱物が堆積した。この沈澱物が90%純粋な環状テトラマーであること、および元々のオリゴマー組成物中に存在するテトラマーの60重量%を構成することが、分析によってわかった。
【0107】
(実施例5)
テトラマーが除去されていない、実施例2において使用したPBTオリゴマー組成物の300mgのコントロールサンプル、試験管内に配置し、そして150℃で維持された油浴中に、10分間沈めた。この組成物は、この温度では融解しなかった。テトラマーが除去されている実施例2の生成物のサンプルは、同一の温度へ加熱した場合に融解したが、冷却に際して、不透明な割れやすい固体に結晶化した。
【0108】
実施例2の生成物を150℃に加熱し、そして冷水中に沈めることによってクエンチした場合、透明であり続けた。このことは、クエンチした後に、結晶性よりもむしろ非晶質であることを示す。これは、周囲温度にて1ヶ月にわたる貯蔵の後、非晶質であり、粘着性であり続けた。対照的に、コントロールは、48時間の置くことによって、割れやすい、結晶性状態に戻った。
【0109】
(実施例6)
3lの丸底フラスコを、3,098mlのODCB(26.3g)の市販のPBTペレット、および実施例3に記載したようにMPO組成物から回収した4.9gのテトラマーで充たした。全ての固体が溶解するまで、生じた混合物を180℃に加熱し、実施例1のものと類似のチタネート触媒を、PBTと同様の割合で添加した。180℃での加熱を1時間続けた後、この混合物の一部を分析し、実施例1で観察したものと同様の割合でMPOを含むことを見出した。
【0110】
典型的な実施形態が例示の目的で示されたが、前述の記載および実施例は、本発明の範囲に対する限定であると考えられるべきではない。従って、種々の改変、適用および変更が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者に見出され得る。
【0111】
上記でいわれる特許および参考文献は、参考として援用され、以下を含む:米国特許第5,039,783号、同第5,191,013号、同第5,231,161号、同第5,348,985号、同第5,389,719号、同第5,407,984号、同第5,466,744号、同第5,591,800号、同第5,661,214号、同第5,668,186号、同第5,710,086号。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、分別晶出プロセスを包含する、本発明の実施形態の概略図である。
Claims (32)
- 前記物理的特性が、前記組成物の融解温度である、請求項1に記載のプロセス。
- 工程(b)における前記大環状ポリエステルオリゴマーの少なくとも1つの種が、該組成物において最も高い融解温度の大環状ポリエステルオリゴマーである、請求項1に記載のプロセス。
- 工程(b)における前記大環状ポリエステルオリゴマーの少なくとも1つの種が、少なくとも大環状ポリエステルテトラマーを含む、請求項1に記載のプロセス。
- 工程(b)が、少なくとも前記大環状ポリエステルテトラマーの重量%を減少させる工程を包含する、請求項4に記載のプロセス。
- 工程(a)における前記少なくとも2つの種の大環状ポリエステルオリゴマーが、2〜10の重合度を有する、請求項1に記載のプロセス。
- 工程(a)における前記少なくとも2つの種の大環状ポリエステルオリゴマーが、2〜6の重合度を有する、請求項6に記載のプロセス。
- 前記組成物が、大環状ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)オリゴマーを含む、請求項1に記載のプロセス。
- 前記組成物が、大環状ポリ(エチレンテレフタレート)オリゴマーを含む、請求項1に記載のプロセス。
- 前記組成物が、大環状コポリエステルオリゴマーを含む、請求項1に記載のプロセス。
- 前記組成物が、少なくとも約90モル%のポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)構造単位を含む大環状コポリエステルオリゴマーを含む、請求項10に記載のプロセス。
- 工程(b)が、分別晶出を実施する工程を包含する、請求項1に記載のプロセス。
- 請求項1に記載のプロセスによって製造された、低下した融解温度を有する、大環状ポリエステルオリゴマー組成物。
- 前記大環状ポリエステルオリゴマーの各々が、2〜約6の範囲の重合度を有する、請求項14に記載の組成物。
- 前記最も高い融解温度を有する前記種が、大環状ポリエステルテトラマーである、請求項15に記載の組成物。
- 前記大環状ポリエステルオリゴマーが、大環状ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)オリゴマーを含む、請求項14に記載の組成物。
- 前記大環状ポリエステルオリゴマーが、大環状ポリ(エチレンテレフタレート)オリゴマーを含む、請求項14に記載の組成物。
- 前記大環状ポリエステルオリゴマーが、少なくとも約90モル%のポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)構造単位を含む大環状コポリエステルオリゴマーを含む、請求項15に記載の組成物。
- フィラーをさらに含む、請求項14に記載の組成物。
- 重合触媒をさらに含む、請求項14に記載の組成物。
- 請求項14に記載の組成物を含む、プレプレグ材組成物。
- ブレンド材料であって、以下:
(a)請求項14に記載の大環状ポリエステルオリゴマー組成物;および
(b)重合触媒、
を含む、ブレンド材料。 - フィラーをさらに含む、請求項23に記載のブレンド材料。
- 前記フィラーが、0.1%〜70%の重量%で存在する、請求項24に記載のブレンド材料。
- 請求項23に記載のブレンド材料の前記大環状ポリエステルオリゴマーを重合させることによって調製された、ポリエステルポリマー複合材料。
- 請求項26に記載のポリエステルポリマー複合材料を含む、物品。
- 大環状ポリエステルオリゴマー組成物を重合させるためのプロセスであって、以下の工程:
(a)請求項14に記載の大環状ポリエステルオリゴマー組成物を提供する工程;
(b)重合触媒を提供する工程;および
(c)該大環状ポリエステルオリゴマーを重合させる工程、
を包含する、プロセス。 - 大環状ポリエステルオリゴマー組成物を重合させるためのプロセスであって、以下の工程:
(a)請求項23に記載のブレンド材料を提供する工程;および
(b)該大環状ポリエステルオリゴマーを重合させる工程、
を包含する、プロセス。 - 工程(b)が、130℃と230℃との間の温度で実施される、請求項29に記載のプロセス。
- 前記大環状ポリエステルオリゴマー組成物が、3%未満の大環状ポリエステルテトラマーを含む、請求項31に記載の組成物。
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