JP2004507644A - 内燃機関、特に水平対向エンジンのためのクランクケーシング - Google Patents

Abstract

本発明は、内部に、クランク軸のクランクピンのための軸受穿孔２４を備える支承部分１８が設けられており、その際、これら両方のクランクケーシング半分体１０、１２が軸受穿孔２４の領域において互いにネジ止めされている構造の、２つのクランクケーシング半分体１０、１２を有し、並びに、ピストンを収容するためのシリンダ穿孔１４、１６を有する様式の、内燃機関、特に水平対向エンジンのためのクランクケーシングに関する。本発明の提案により、両方のクランクケーシング半分体１０、１２の分割面３０が、角度αのもとで指向すること、および、軸受ネジ２６、２８の長手軸線３６が、基本的に、分割面３０に対して直角に指向する。従って、横方向力の無い、且つ軸受穿孔２４に接近して設けられた、クランクケーシング半分体１０、１２のネジ止めが達せられる。

Description

【０００１】
本発明は、特許請求項１の上位概念による、内燃機関、特に水平対向エンジンのためのクランクケーシングに関する。
【０００２】
ドイツ連邦共和国特許公開第４０　０１　５１４号明細書から、２分割された水平対向エンジンのためのクランクケーシングが公知であり、これらクランクケーシングの両方の半分体は、クランク軸のためのクランクケーシングにまとめられた支承台の領域において、互いにネジ止めされている。これらクランク軸を収容するための軸受穿孔を有する支承台が、シリンダ穿孔の高さにおいて延在しているので、ドイツ連邦共和国特許公開第４０　０１　５１４号明細書の図から明らかなように、これら軸受ネジを収容するための穿孔は、シリンダ穿孔の周囲から適当な間隔を置いて装着されねばならない。従って、クランク軸のための軸受穿孔と両方のクランクケーシング半分体の固定のための穿孔との間に、適当な間隔が生じ、この間隔は、事情によっては内燃機関の作動の間じゅう、不都合な支承台の開きを誘引する。
【０００３】
従って、本発明の根底をなす課題は、両方のクランクケーシング半分体のネジ止めを、軸受ネジが、クランクピンを収容するための支承穿孔に接近して設けられるように構成することである。
【０００４】
この課題は本発明に従い、請求項１の特徴によって解決される。
【０００５】
両方のクランクケーシング半分体のネジ止めが、傾斜して、即ちシリンダ穿孔の中心軸線に関して角度のもとで行われることによって、支承台のネジ止めのための穿孔は、軸受穿孔により接近して形成され得る。傾斜ネジ止めにおいて生じる横方向力を除去するために、両方のクランクケーシング半分体の分割面は、基本的に、上記と同じ角度のもとで指向しており。この角度のもとでシリンダ穿孔の中心軸線に対して軸受ネジの長手軸線が整向されている。換言すれば、軸受ネジの長手軸線が、基本的に、両方のクランクケーシング半分体の分割面に対して直角に指向し、従って、本発明によるネジ止めにおいて、有利な方法で、横方向力は生じることはない。
【０００６】
本発明の他の利点および有利な他の構成は、下位の請求項および明細書から与えられる。
【０００７】
本発明の実施例を以下の明細書および図面において説明する。
【０００８】
図において図示された、６気筒水平対向エンジンのためのクランクケーシングは、この実施例に制限されない２つのシリンダーバンク１１および１３を有する２つのクランクケーシング半分体１０および１２から成り、これらクランクケーシング半分体内に、シリンダ穿孔１４および１６が設けられている。両方のクランクケーシング半分体１０および１２のそれぞれのクランクケーシング半分体は、多数の相前後して設けられた支承部分１８、以下に支承台１８として称する、を有し、これら支承部分においてそれぞれに図示されていないクランク軸のための軸受穿孔２４の半分体が形成されており、その際、これら軸受穿孔２４は、組み立てられた状態において、それぞれにクランク軸のクランクピンを収容する。これら支承台１８のネジ止めは、それぞれ２つの軸受ネジ２６、２８を介して行われ、これら軸受ネジによって、同時に、両方のクランクケーシング半分体１０および１２が、ネジ止めされる。図３から明らかなように、これら両方のクランクケーシング半分体１０および１２の分割面３０が、基本的にシリンダー長手軸線３４に対して垂直方向に指向する線３２に関連付けられて、角度αのもとで指向しており、この角度は、本実施例の場合に約１２°の値である。他方また、軸受ネジ２６、２８の長手軸線３６が、シリンダー長手軸線３４に関連付けられて、角度α′のもとで指向しており、この角度は、基本的に、両方のクランクケーシング半分体１０および１２の傾斜して指向する分割面の角度αに相応している。
【０００９】
軸受ネジ２６、２８が、シリンダー長手軸線３４に関連付けられて、傾斜して設けられていることによって、支承台のネジ止めのための穿孔３７は、軸受穿孔２４により接近して形成され得る。従って、燃焼の際にクランク軸に作用する燃焼力および慣性力（Ｇａｓ− ｕｎｄ Ｍａｓｓｅｎｋｒａｅｆｔｅ）は、確実に収容され、且つ支承台１８の開きは、特に軸受穿孔２４と隣接する領域において防止される。軸受ネジ２６、２８の長手軸線３６が、両方のクランクケーシング半分体１０および１２の分割面３０に対して直角に指向することによって、ネジ止めする際に、常々、付加的な形状一体的な結合によって受け止められねばならない横方向力は形成しない。相対して位置し、且つ互いに平行に設けられた軸受ネジ２６および２８のネジ頭部３８および４０は、クランクケーシング半分体１０および１２の外側のネジ面４２および４４において支持され、その際、これらネジ面４２および４４が、ほぼシリンダ穿孔１４、１６の下側端部の高さに設けられている。このネジ頭部３８がクランクケーシング半分体１２のネジ面４４に支持されている軸受ネジ２６は、他方のクランクケーシング半分体１４において、ネジ山を備える袋穴穿孔内にネジ止めしている。それに対して類似して、このネジ頭部４０がクランクケーシング半分体１４の外側のネジ面４２に支持されている軸受ネジ２８は、相対して位置しているクランクケーシング半分体１２において、ネジ山を備える袋穴穿孔内にネジ止めしている。本実施例において、６気筒水平対向エンジンのための７つの支承台１８が、設けられている。
【００１０】
図において図示された他の構造部材を、以下に説明する。切欠き部４６、４８はクランク室に所属し、開口部５０が冷却水を案内する管路であり、これら管路が相応する接続部５２を介して、冷却水を供給される。水平対向エンジンの組み込み状態に関連付けられて、軸受穿孔２４の下方に設けられた開口部５４は、図示されていないシリンダーヘッドに設けられたカムシャフトの作動のための中間軸の収容に使用される。支承台１８へと導く管路５６は、クランク軸の潤滑油供給部の役目を果たし、その際、個々の支承台１８内に、同様に、公知技術から周知の軸受メタル５８が設けられている。軸受穿孔２４を出発点とし、シリンダ穿孔１４へと導く管路６０は、ピストンのための詳細に図示されていない噴射油冷却に使用される。慣例通り、クランクケーシングに、潤滑油の浄化の役目を果たすオイルフィルター６２がネジで固定されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】内燃機関のクランクケーシングの概略的な全体図である。
【図２】図１における、矢印Ａの方向におけるクランクケーシングの平面図である。
【図３】図２における、線ＩＩ−ＩＩに沿った断面図である。
【図４】クランクケーシング半分体の斜視図である。

Claims (3)

1. 内部に、クランク軸のクランクピンのための軸受穿孔（２４）を備える支承部分（１８）が設けられており、その際、これら両方のクランクケーシング半分体（１０、１２）が軸受穿孔（２４）の領域において互いにネジ止めされている構造の、２つのクランクケーシング半分体（１０、１２）を有し、
   並びに、ピストンを収容するためのシリンダ穿孔（１４、１６）を有する様式の、内燃機関、特に水平対向エンジンのためのクランクケーシングにおいて、
   両方のクランクケーシング半分体（１０、１２）の分割面（３０）が、角度αのもとで指向すること、および、
   軸受ネジ（２６、２８）の長手軸線（３６）が、基本的に、分割面（３０）に対して直角に指向することを特徴とするクランクケーシング。
2. 軸受ネジ（２６、２８）は、クランクケーシング半分体（１０、１２）の外側のネジ面（４２、４４）に支持されており、且つこれに伴い外側から取扱い可能であることを特徴とする請求項１に記載のクランクケーシング。
3. 両方のクランクケーシング半分体（１０、１２）に一体にされたシリンダーバンクは、１８０°の角度で位置して相対して設けられていること、および、
   クランクケーシング半分体（１０、１２）のネジ止めが、シリンダ穿孔（１４、１６）の下側端部の高さで行われることを特徴とする請求項１または２に記載のクランクケーシング。