JP2004502038A - フィン用アルミニウム箔の製造法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、熱交換器に使用されるフィンへの適用に適したアルミニウム合金箔を製造する方法を開示する。本発明の方法は、約0.27〜0.55質量%の鉄、約0.06〜0.55質量%のケイ素および所望により約0.20質量%までの銅を含む、溶融アルミニウム系合金を供給する工程、溶融アルミニウム系合金から、コイル巻きストリップを連続鋳造する工程、連続鋳造コイルを、最終厚み約0.076〜約0.152 mmに冷間圧延する工程を含んでなる。アルミニウム合金板を、約260℃未満の温度および約10℃の最大過熱で部分的に焼鈍し、これにより、このアルミニウム合金箔を、実質的に再結晶化させることなく焼鈍することを含んでなる。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、熱交換器、特にコンデンサーおよび蒸発器コイルに使用されるフィンへの適用に適したアルミニウム箔を製造する方法に関する。
【0002】
(背景技術)
アルミニウムは、非常に高い熱伝導性を有するため、従来から、熱交換器においてアルミニウム箔が汎用されている。このようなフィンは、一般に銅管上に付設して、機械的に組み立てている。空調装置の寸法が大きくなるにつれてフィンが長くなるため、フィンは、屈曲することなく持ち上げうるのに充分な強度を有することが重要である。フィンの強度が低いと、コイルを屈曲して装置を組み立てる際に取扱いによって損傷しうる。コイルの剛性を改善するための1つの方法は、アルミニウム箔の厚みを増大させることである。この方法は、コスト高となり、質量が増大するため、空調装置の製造業者は、より強いアルミニウム箔の使用を好んでいる。
【0003】
以上の用途において最も汎用されているアルミニウム合金は、AA 1100系アルミニウム合金である。この合金は、以下の表1に示す組成を有する。
【表1】
Figure 2004502038
【0004】
この種のアルミニウム合金は、完全に焼鈍すると、その強度が非常に低くなる。例えば、代表的な降伏強度は、20.7〜41.4 MPa(3〜6 ksi)であり、極限引張強度(UTS)は、96.5〜110.3 MPa(14〜16 ksi)である。このアルミニウム合金は、高い成形性を示し、その伸び率は、一般に24%を越え、オールセン値は、0.25 in(6 mm)を越える。この成形性が不充分である場合、銅管を通過させるためにアルミニウム合金板に形成されるカラーは、リフレアー(reflare)またはカラー本体自体にクラックが生じうる。このようなクラックは、望ましくない。なぜなら、フィンに通過させた後に、銅管を膨張して、カラーと銅管との間に良好な接続を形成するからである。カラーにクラックが形成されると、フィンと銅管との間の熱伝導性は、悪化する。ゼロテンパーである、AA 1100系アルミニウム合金板は、優れたカラーを形成するので、この用途に汎用されている。長いフィンのような用途においてより高い強度が望まれる場合、問題が起こる。
【0005】
一般に、直接鋳造法またはDC法によって形成されるAA 1100系アルミニウム合金は、熱間圧延され、次いで最終厚み0.1〜0.13 mm(0.004〜0.005 in)に冷間圧延されるが、このアルミニウム合金は、部分的に焼鈍することができる。この部分的焼鈍工程には、冷間圧延されたアルミニウム合金板を温度240〜270℃で加熱することが含まれる。この処理時間の間に、冷間圧延されたアルミニウム合金板の強度は低下するが、その成形性は増加する。冷間圧延処理は、アルミニウムの構造を完全に破壊する。アルミニウム合金板を加熱する場合、第1工程で、回復が起こり、第2工程で再結晶化が起こる。代表的な焼鈍工程によれば、回復工程では強度は徐々に低下するが、再結晶化工程は急減な強度の低下を伴う。部分的焼鈍済みのアルミニウム合金板について、望ましい代表的な機械特性を、以下の表2に示す。
【0006】
【表2】
Figure 2004502038
【0007】
部分的焼鈍材料は、完全に回復した構造を有し、初期粒子の形成を開始している(初期再結晶化)。このような粒子は小さく、その直径は、一般に25μm未満である。この部分的焼鈍材料は、フィン用途では非常に良好に機能し、カラーのクラックは、一般に5%未満である。
【0008】
しかしながら、DC鋳造法は、高コストである。近年、ベルトキャスターやロールキャスターなどの装置を用いる連続鋳造法に移行する傾向がある。連続キャスターにより、、30 mm未満の厚み、より一般的には25 mm未満の厚みを有する、鋳造したままのストリップが製造される。ロールキャスター法により、一般に、直接冷間圧延可能な厚み6 mmまたはそれ以下のストリップが製造される。ベルトキャスター法により、直接的に冷間圧延可能なストリップが製造されるか、またはインライン圧延機(これは、鋳造したスラブの厚みを、固化後であるが冷却前に冷間圧延に適した厚みに減少させる)に使用しうるストリップが製造される。DC鋳造材料では、熱間圧延工程に先立ち、約500℃の予熱処理(均質化処理)を行う。この均質化工程は、連続鋳造法には存在しないため、2つの材料の熱履歴は著しく異なっている。その結果、DC鋳造法によるAA 1100系アルミニウム合金材料では、部分的焼鈍された優れたアルミニウム合金板を得られるが、対応する連続キャスター(CC)鋳造によるアルミニウム合金板では、これまで、所望の性能を得るのに成功していない。CC鋳造材料は、強度が等しいDC鋳造材料よりも成形性が劣る。(伸び率またはオールセン値によって特徴付けられる)成形性を、焼鈍温度の上昇によって改善する試みは、89.6〜96.5 MPaの下限よりも著しく低い降伏強度の低下をもたらす。
【0009】
これまで、一本ロール連続鋳造法、および一本ロールキャスト処理に付し、均質化し、冷間圧延し、焼鈍してアルミニウム箔生成物を製造できるアルミニウム系合金組成物を用いて、アルミニウム箔の改善された製造法を開発すべく、種々の研究および試みがなされてきた。例えば、米国特許第5,466,312号(Ward, Jr.)は、約0.08〜0.20質量%のケイ素、約0.24〜0.50質量%の鉄および約0.21〜0.30質量%の銅並びに残部アルミニウムおよび不可避的不純物から本質的になる溶融アルミニウム系合金を用いるアルミニウム箔の製造法を開示する。アルミニウム合金組成物を連続鋳造して、コイル巻き鋳造ストリップを形成する。得られたコイル巻き鋳造ストリップを、均質化し、冷間圧延し、次いで最後に450〜650°Fの再結晶化焼鈍工程に付す。この温度範囲では、アルミニウム箔において再結晶化が起こる。
【0010】
米国特許第5,554,234号(Takeuchi)は、フィン製造での使用に適した、高強度アルミニウム合金を提案している。この特許によれば、アルミニウム合金は、最大0.1質量%のケイ素、0.10〜1.0質量%の鉄、0.1〜0.50質量%のマンガンおよび0.01〜0.15質量%のチタン並びに残部アルミニウムおよび不可避的不純物を含む。また、この特許は、フィンの製造での使用に適した高強度アルミニウム合金の製造法を開示しており、この製造法は、アルミニウム合金インゴットを430〜580℃に加熱する工程、インゴットを熱間圧延してアルミニウム合金板材料を得る工程および250〜350℃で均質化焼鈍処理を適用する工程(この工程は、開示目的のため、金属間化合物をアルミニウム合金の金属組織内に分散させる。)を含んでなる。
【0011】
米国特許第4,737,198号(Shabel)は、組成成分範囲として約0.5〜1.2質量%の鉄、0.7〜1.3質量%のマンガンおよび0〜0.5質量%のケイ素を含む合金を鋳造し、微小構造を制御するために、鋳造した合金を約1,100°F未満、好ましくは約1,050°F未満の温度で均質化し、次いで最終厚みに冷間圧延する方法を開示する。その後、冷間圧延した合金を部分的に焼鈍して、所望のレベルの強度および成形性を達成している。
【0012】
特開平5−51710は、温度350〜450℃の熱空気クッションに沿ってアルミニウム箔を担持する熱空気炉によって温度150〜250℃でアルミニウム箔を焼鈍したアルミニウム箔を提案する。特開平6−93397は、アルミニウム箔製造用のアルミニウム合金およびアルミニウム箔の特性を改善するための処理法を開示し、この処理法では、冷間圧延し、400℃まで熱処理し、温度250〜450℃で焼鈍処理し、次いでさらに冷間圧延処理に付している。
【0013】
(発明の開示)
(発明が解決しようとする技術的課題)
本発明の目的は、AA 1100系アルミニウム合金の連続鋳造法をベースとする、熱交換器フィン用のアルミニウム合金箔の改善された製造法を提供することである。
【0014】
(その解決方法)
本発明は、熱交換器に使用されるフィン用のアルミニウム合金箔を製造する方法を提供する。アルミニウム合金は、AA 1100系のアルミニウム合金、例えば、約0.27〜0.55質量%の鉄および約0.06〜0.55質量%のケイ素を含むアルミニウム合金であってよい。
【0015】
またアルミニウム合金は、好ましくは約0.05〜0.20質量%の銅を含む。溶融形態の上記アルミニウム合金を、アルミニウム合金ストリップに連続鋳造し、この連続鋳造したストリップを、最終厚み約0.076〜0.152 mmに冷間圧延する。冷間圧延したストリップを、約260℃未満の温度および約10℃の最大過熱で部分的焼鈍処理に付す。このようにして、実質的に再結晶化させることなく、アルミニウム合金箔の焼鈍処理を実施することができる。
【0016】
本発明は、空調装置に用いられるコンデンサーおよび蒸発器を含む熱交換器用のフィンの製造への使用に適した、強靭であるが成形性が改善されたアルミニウム合金箔を提供する。
【0017】
(発明を実施するための最良の形態)
CC鋳造材料とDC鋳造材料との相違は、合金組成とは関連して説明できないことが見出された。例えば、高含有量および低含有量の鉄(0.27〜0.55%)、高含有量および低含有量のケイ素(0.06〜0.55%)並びに含有量を変化させた銅(0.00〜0.12%)を含む種々の組成のアルミニウム合金を試験したが、得られた結果は、常に同じであった。CC鋳造材料は、DC鋳造材料よりも成形性が劣る。例えば、DC鋳造材料の伸び率は、降伏強度が96.5 MPaである場合、約22%である。CC鋳造材料について、等しい伸び率における対応する降伏強度は、約48.3〜62.1 MPaである。
【0018】
CC鋳造材料とDC鋳造材料との相違は、部分的に焼鈍した2つ材料の微小構造の相違によって明らかにすることができる。初期再結晶化の間、DC鋳造材料は小さい粒子を形成するが、CC鋳造材料は大きい粒子を形成する。これは、CC鋳造材料において、バルク成形性よりもむしろ、このような大きい粒子の存在によって再結晶化部位が殆どわずかしか利用されていないという事実に起因するようである。これは予想外のことである。なぜなら、この分野では常に、カラーのクラックは、不充分な伸び率またはオールセン値によって引起こされるものと考えられていたからである。この考えは、一部しか真実ではない。部分的に再結晶化した材料が、再結晶化粒子を、5%を越えない量、好ましくは2%以下の量でしか含んでいない限り、カラーのクラックは、伸び率がわずか16〜18%である場合でも、形成されなかった。すなわち、フィン用途で充分に機能しうるCC鋳造材料については、部分的な焼鈍の間に、材料の著しい再結晶化を防止することが重要である。
【0019】
さらに、CC鋳造材料中の大きい粒子の存在は、焼鈍温度だけでなく、炉において生じる過熱とも、相関しうる。ヒートヘッドまたは過熱は、炉内における、金属温度と空気またはガス温度との差である。空気またはガス温度は、熱源付近または炉内気流中の熱電対によって直接測定し、また金属温度は、一般に、炉中のコイル内に設置した熱電対によって測定する。再結晶化を防止しつつ回復処理を実施可能にするには、焼鈍温度は、260℃を越えるべきでなく、好ましくは245〜255℃とすべきである。過熱は、10℃を越えるべきでなく、好ましくは7℃未満とすべきである。これらの条件下では、再結晶化は起こらない。焼鈍時間は、材料の回復を完成するように規定される。本発明の方法に課された小さい過熱は、焼鈍工程の間に、最大限に可能な温度の均一性を確保し、その結果、回復のために可能な最高温度で操作しつつ、ごく少量の再結晶化粒子の形成さえも防止することを確保することができる。
【0020】
以上のような焼鈍処理に従えば、CC鋳造材料は、本質的に回復された微小構造であって、あったにせよ極僅かな再結晶化粒子しか含んでいない微小構造を有することができる。このような材料の代表的な特性を、以下の表3に示す。
【表3】
Figure 2004502038
【0021】
この材料は、伸び率が対応するDC鋳造材料よりも実質的に小さいが、フィン用途において非常に良好に機能することができる。
【0022】
カラー形成の間、アルミニウムは、著しく延伸される。この延伸度は、カラーの設計に依存する。しかしながら代表的な用途では、カラーリフレアー(reflaring)の間、径方向の伸長度は、20%程度である。これが、レフレアーの間にクラックが現れる主な理由である。大きい再結晶化粒子が局部的に存在すれば、このような粒子は、材料の残部に比べてより柔軟であるので、より大きい程度で延伸する。そのため、バルク特性が優れている場合でもクラックが出現する。再結晶化を防止し、焼鈍処理を最適化して最大可能な成形性を得ることにより、カラーのクラックを防止することができる。
【0023】
現在、フィン用途では、DC鋳造材料のみが良好に機能しているにすぎない。その代替品としてCC鋳造材料を開発することによって、本発明は、非常に経済的な代替材料を提供することができる。
【0024】
本発明の方法は、従来技術では成しえなかった強度と成形性との組合せを達成するために、Cu−Fe−Si−Al系合金を連続鋳造し、この合金を、薄地の合金板または合金箔、例えば約0.076〜0.152 mm厚の合金板に加工し、次いで制御した部分的焼鈍処理に付すことを含む。部分的焼鈍処理は、好ましくは、コイル形態の冷間圧延された合金板を用いるバッチ焼鈍処理で実施する。
【0025】
本発明の合金の好適な組成範囲を、以下の表4に示す。
【表4】
Figure 2004502038
【0026】
連続鋳造処理の間に、単一の金属間化合物種(α相)が形成されるように、ケイ素の量は、0.3〜0.5質量%、好ましくは0.36〜0.44質量%の範囲から選択され、また鉄の量は、0.3〜0.5質量%、好ましくは0.39〜0.47質量%の範囲から選択される。材料は、後均質化処理に付されないため、冷間圧延処理による表面圧延欠陥(スマット)の形成を防止することができる。
所定範囲量の銅によって、合金箔圧延段階の間に、過度の加工硬化を引起こすことなく、最終製品の強度が増加する。
【0027】
特定の合金は、ベルトキャスターおよびインライン圧延機を用い、1.7 mm厚に鋳造される。次いで、合金を最終製品の厚みに冷間圧延する。フィン素材用途には、最終生成物の厚みは約0.076〜0.152 mmの範囲である。次いで、部分的焼鈍処理を施して、強度および成形性を最適化する。焼鈍温度250℃で達成しうる強度と成形性との組合せの一例を、以下の表5に示す。
【0028】
【表5】
Figure 2004502038
【0029】
焼鈍温度248℃で達成しうる強度と成形性との組合せの別の例を、以下の表6に示す。
【表6】
Figure 2004502038
【0030】
上記両方の例のリフレアークラックの割合は、DC鋳造材料と同じく、0.5%である。DC鋳造材料およびCC鋳造材料の両材料において、わずか2本のフィンが欠陥を示したにすぎない。同じ数のフィンについて、DC鋳造材料とCC鋳造材料とを比較すると、欠陥の数は同じであった。
【0031】
本発明の方法は、良好な成形性を示す、微粒化高強度のフィン素材合金を製造できることがわかった。本発明の合金は、フィン素材用の薄地合金板または合金箔を製造しうる点で、特に有用である。本発明の方法は、約500℃の予熱処理を先行させる熱間圧延工程を含まない。
【0032】
(実施例)
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
実施例
以下に示した組成を有するAA 1100系アルミニウム合金を、ベルトキャスターおよびインライン圧延機を用いて、1.7 mmの厚みに鋳造した。合金組成を以下の表7に示す。
【0033】
【表7】
Figure 2004502038
【0034】
次いで、得られたコイルを、3回のパスで0.10 mmの厚みに冷間圧延した。最終コイルを、種々の焼鈍処理法およびヒートヘッド50℃で焼鈍した。焼鈍したコイルをフィンプレスで試験し、リフレアークラック数を数え、対応するDC鋳造材料(特性値:降伏強度100 MPaおよび伸び率22%)と比較した。結果を以下の表8に示す。
【0035】
【表8】
Figure 2004502038
【0036】
上記データからわかるように、リフレアークラックは、一般に、伸び率の増加および降伏強度の低下につれて増加する。これらの試料を光学的に調べると、構造は、部分的に再結晶化した大きい粒子の存在を示した。他方、DC鋳造材料の構造は、あったとしても非常に小さい粒子しか示さなかった。大きい粒子の形成は、恐らく、炉内で維持された大きいヒートヘッド(これは、コイルの一部を、目標温度よりも著しく高い温度に到達させ、これにより、粒子の成長をもたらす。)によって生じたようである。
【0037】
以上の現象を回避し、再結晶化を防止するため、新規な焼鈍処理が考案されたのである。この焼鈍処理には、炉において、10℃を越えない、好ましくは7℃未満の非常に小さいヒートヘッドに維持することが含まれる。また、焼鈍温度は、総体的に再結晶化の回避をもたらした。なぜなら、これが、CC鋳造材料の乏しい性能にとって主な理由であると考えられるからである。結果を以下の表に示す。
【表9】
Figure 2004502038
【0038】
リフレアークラックの割合は、DC鋳造材料と同じで、0.5%であった。DC鋳造材料およびCC鋳造材料の両材料において、わずか2本のフィンが欠陥を示したにすぎない。同じ数のフィンについて、DC鋳造材料とCC鋳造材料とを比較すると、欠陥の数は同じであった。

Claims (7)

  1. 熱交換器フィンに使用されるアルミニウム合金箔を製造する方法であって、
    (a)約0.27〜0.55質量%の鉄および約0.06〜0.55質量%のケイ素を含む溶融アルミニウム系合金を供給する工程、
    (b)溶融アルミニウム系合金を、アルミニウム合金ストリップに連続鋳造する工程、および
    (c)連続鋳造したアルミニウム合金ストリップを、最終厚み約0.076〜約0.152 mmに冷間圧延する工程
    を含んでなる方法であって、
    上記アルミニウム合金ストリップを、約260℃未満の温度および約10℃の最大過熱で部分的に焼鈍し、これにより、このアルミニウム合金箔を、実質的に再結晶化させることなく焼鈍することを特徴とする方法。
  2. アルミニウム合金は、さらに約0.05〜0.20質量%の銅を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. アルミニウム合金は、約0.36〜0.44質量%の鉄および約0.39〜約0.47質量%のケイ素を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. アルミニウム合金箔を、約10時間未満の時間、部分的に焼鈍することを特徴とする請求項1、2または3に記載の方法。
  5. アルミニウム合金箔を、約245〜255℃の範囲の温度で部分的に焼鈍することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 焼鈍の間の過熱は、約7℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法によって製造される熱交換器フィンに使用されるアルミニウム合金。
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