JP2004357370A - 接続装置、画像読取装置および画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ADF6は、光学読取部7のヒンジ71によって、回動支点軸71aの回りで回動可能に支持されている。ADF6と光学読取部7とを接続する電気ケーブル束72は、回動支点軸71aに平行に設けられた固定部73、75によって支持されている。固定部73と固定部75との間の電気ケーブル束72は、束線チューブ70によって被覆され、湾曲部Wを形成している。ADF6の開閉によって生ずる電気ケーブル束72のねじれは、湾曲部W、固定部73、75にて吸収する。また、湾曲部Wは、ADF6の開閉の際に変形しても、固定部73、75のスラスト方向(電気ケーブル束72の延びている方向)に平行な力を生じないので、電気ケーブル束72をスラスト方向に移動させない。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体装置とその本体装置に対して回動可能な周辺装置とを電気的に接続するための接続装置、画像読取装置および画像形成システムに関するものであり、より詳細には、例えば本体装置としての光学読取装置とその上部に設けられる周辺装置としての原稿搬送装置とを電気ケーブルによって接続する接続装置、画像読取装置および画像形成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタのような画像形成装置には、シート状の原稿を画像読取装置へと自動的に搬送して原稿を順次読取らせる原稿搬送装置が備えられている。この原稿搬送装置によって、効率的な画像読取や画像形成が行なわれる。
【0003】
画像読取装置は、例えば本体側の光学読取装置と、光学読取装置の上部に設けられ、その光学読取装置まで原稿を搬送するための原稿搬送装置とを備えた構成である。原稿搬送装置は、例えば光学読取装置に対して回動可能に設けられ、開閉動作が可能な原稿押えユニットとして機能するようになっている。
【0004】
この原稿搬送装置を用いて原稿を搬送して、光学読取装置と、原稿搬送装置側に備えられた密着画像読取センサとによって、原稿の両面をそれぞれ読取ることができる。また、ブック原稿等のように、原稿搬送装置によって搬送できない原稿に対しては、従来のように原稿を光学読取装置のプラテンガラス上に載置し、原稿搬送装置を回動して、原稿が動かないように押える原稿押えユニットとして機能させて、画像の読取りを行う。
【0005】
ここで、デジタル技術の進歩による、原稿からの読取りや電子データへの変換や電子データからの画像形成の速度が速くなるといった、画像読取装置における処理の高速化、大容量化に応じて、原稿搬送装置には、より多くの原稿がセットされるようになっている。例えば、より多くの枚数の原稿の処理を高速に行うことができるように、100〜200枚程度の非常に多い原稿が、一度にセットされるようになっている。また、画像読取装置の原稿搬送部の進歩に伴い、搬送できる原稿の種類も多様化してきている。
【0006】
そこで原稿搬送装置においては、搬送するための多数枚のシート状の原稿が原稿束として載置されている場合に、この原稿束の上面から1枚ずつシートを取り出すようになっている。これは、この原稿束の重量により、下面からの取り出しが困難であるためである。そして、シートの搬送に応じて原稿束の高さが変化すると、この変化に応じて例えば原稿が積載されてセットされているトレイの高さを制御する。このために、原稿搬送装置には、駆動源としてモータや複数の検出器等が用いられている。
【0007】
そこで、この原稿搬送装置に電力を供給するために、光学読取装置と原稿搬送装置とは、電気ケーブルによって接続されている。
【0008】
ここで、従来は、光学読取装置と原稿搬送装置とを電気ケーブルによって接続する際に、この電気ケーブルを、ユーザからは見え難い、装置本体後方の位置に配置している。これは、電気ケーブルは、できるだけ見えにくいような位置に設けられるのが外観上好ましいためである。一般的には、電気ケーブルは、装置の裏面側のヒンジ部材が設けられている箇所に設けられる。
【0009】
例えば日本国の公開特許公報「特開平10−255456号公報(公開日:1998年9月25日)」に記載された接続装置や、日本国の公開特許公報「特開2000−267206号公報(公開日:2000年9月29日)」に記載された画像形成装置の原稿押えは、上述のように、装置本体後方の位置に電気ケーブルを配置した構成である。
【0010】
また、例えば日本国の公開特許公報「特開平10−126943号公報(公開日:1998年5月15日)」に記載されたヒンジ部における接続部材の実装構造や、日本国の公開特許公報「特開平11−219232号公報(公開日:1999年8月10日)」に記載された電子機器は、電気ケーブルとしてシート状のケーブルを用いて、上述と同様に装置本体後方の位置に電気ケーブルを配置する構成である。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−255456号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2000−267206号公報
【0013】
【特許文献3】
特開平10−126943号公報
【0014】
【特許文献4】
特開平11−219232号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように手前側から開閉動作を行うようになっている原稿搬送装置に対して後ろ側にケーブルを配置すると、このケーブルが傷みやすいという問題を生ずる。
【0016】
すなわち、例えばヒンジの回動支点軸に直交する方向に電気ケーブルを這わせたり、またはさらに電気ケーブルをループ状に突き出したりして接続を行うと、開閉動作により電気ケーブルに大きな曲げ応力を与えてしまう。このため、開閉回数が嵩むにつれ、電気ケーブルへのストレスが増加してしまう。この場合、例えば断線のようなトラブルを発生してしまう虞れがある。
【0017】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気ケーブルの曲げ応力の発生を減じ、電気ケーブルに対するストレスを軽減できる接続装置、画像読取装置および画像形成システムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る接続装置は、上記課題を解決するために、本体部とその本体部に対して回動支点軸の回りに回動可能に設けられている可動部とを電気的に接続するためのケーブルを含んでいる接続装置において、上記ケーブルを上記本体部に固定するための、上記回動支点軸に平行に設けられた第1固定部と、上記ケーブルを上記可動部に固定するための、上記回動支点軸に平行に設けられた第2固定部とを備え、上記第1固定部と上記第2固定部との間の上記ケーブルが、湾曲した湾曲部となっていることを特徴としている。
【0019】
上記接続装置は、本体部の第1固定部、および可動部の第2固定部と、第1固定部と第2固定部とを結ぶ湾曲部を介して、本体部と可動部とをケーブルによって電気的に接続する。第1固定部、第2固定部においては、ケーブルの延びている方向が、回動支点軸と平行になっている。
【0020】
なお、上記のケーブルは、例えば第1固定部を介して本体部のコネクタに接続され、また、例えば第2固定部を介して可動部のコネクタに接続されるような、電気ケーブルである。また、本体部と可動部とは、電気ケーブルによって接続される電子装置である。
【0021】
上記構成によれば、可動部の回動に応じてケーブルのねじれが生じた場合に、湾曲部(向かいループ(半ループ)を形成する部分)に対してねじり応力が分配されることにより、ケーブルの特定の部分に応力が集中することがない。したがって、ケーブルへのストレスが軽減でき、ケーブルの寿命を長くすることができる。
【0022】
また、回動支点軸と平行な第1固定部、第2固定部を設けているので、回動によるケーブルの移動を少なくして、ケーブルの曲げ応力の発生を小さくできる。
【0023】
また、湾曲部に加えて、第1固定部、第2固定部を設けているので、可動部の回動に応じてケーブルのねじれが生じた場合に、湾曲部だけでなく、第1固定部、第2固定部にてそのねじれを緩和できる。したがって、さらにケーブルへのストレスを軽減し、さらにケーブルの寿命を長くすることができる。
【0024】
また、上記構成において、上記可動部を回動させたときに、上記湾曲部の末端間を結ぶ方向が、常に、上記回動支点軸と直交するような構成としてもよい。この構成であれば、第1固定部と第2固定部とを、可動部の回動支点軸と平行に設けるので、可動部の回動に応じた湾曲部の変形によって、湾曲部の末端間を結ぶ方向に生ずる力は、第1固定部と第2固定部との方向の成分を持たない。このため、湾曲部の変形にもかかわらず、第1固定部と第2固定部とにおいて、スラスト方向(ケーブルの延びている方向)へのケーブルの移動を生じさせない。
【0025】
なお、上述の接続装置を、本体部分と、該本体部分に対してヒンジ部材により回動可能に支持された部分とを電気ケーブルで接続した電子装置において、前記ヒンジ部材の回動支点軸と平行に前記電気ケーブルが向かいループを形成するように夫々の部分に固定し接続した構成の電気ケーブルの接続構造である、と表現することもできる。
【0026】
本発明に係る接続装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記第1固定部は、上記ケーブルの外側を覆うように設けた、上記ケーブルを支持するための第1支持部材を含み、上記第2固定部は、上記ケーブルの外側を覆うように設けた、上記ケーブルを支持するための第2支持部材を含み、上記第1支持部材および上記第2支持部材が、上記ケーブルに対して摩擦を与えるように上記ケーブルを支持していることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、第1支持部材、第2支持部材によってケーブルに対して摩擦を与えるので、ケーブルの断面方向に一様な摩擦力を与えることができる。したがって、部分的な損傷を防ぐことができる。また、適度な摩擦力を発生させることによって、スラスト方向へのケーブルの移動を規制することができる。また、湾曲部以外に分配された、回動により発生するねじり応力を、この摩擦によって緩和させるので、ケーブルへのストレスが軽減できる。
【0028】
なお、上記支持部材を、2分割構造の半割体によって形成してもよい。また、支持部材を、ケーブルの表面に沿った曲率を有する形状となるように設けてもよい。このようにすれば、ねじりを分配するときのケーブルと支持部材との摩擦を、より適切なものにできる。
【0029】
なお、上述の接続装置を、前記電気ケーブルを前記夫々の部分に固定する固定部は、曲率を有する支持部材より構成されており、前記電気ケーブルと支持部材との間に摩擦力が発生する程度に前記電気ケーブルが前記支持部材により支持されている構成の電気ケーブルの接続構造である、と表現することもできる。
【0030】
本発明に係る接続装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記本体部は、上記ケーブルが接続されるための第1コネクタを備え、上記可動部は、上記ケーブルが接続されるための第2コネクタを備え、上記ケーブルを固定するための束線部材によって、上記第1コネクタから上記第1固定部までの上記ケーブルの少なくとも一部が上記本体部の筐体に対して固定され、上記第2コネクタから上記第2固定部までの上記ケーブルの少なくとも一部が上記可動部の筐体に対して固定されていることを特徴としている。
【0031】
上記第1コネクタまたは第2コネクタは、一方が(通常は第1コネクタが)電力供給源のコネクタとして機能する。そして、束線部材が、第1コネクタから第1固定部、または第2コネクタから第2固定部までのケーブルの少なくとも一部を、装置の筐体に固定する。
【0032】
この構成によれば、第1固定部、第2固定部において緩和させるねじれ、またはもし生じたならばスラスト方向の移動に対して、ケーブルを束線部材にて固定するので、このねじれなどを第1コネクタ、第2コネクタに伝えることがない。したがって、第1コネクタ、第2コネクタに、ケーブルを引き抜いたり、回転させたりする力が働かないようにできる。
【0033】
なお、上述の接続装置を、前記電気ケーブルは、前記支持部材とコネクタとの間で束線部材により夫々の部分に固定されている構成の電気ケーブルの接続構造である、と表現することもできる。
【0034】
本発明に係る接続装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記ケーブルは、複数の絶縁被覆電線を束ねた電気ケーブル束であり、上記電気ケーブル束の外周を覆うように、上記電気ケーブル束を被覆するための束線チューブを設けていることを特徴としている。
【0035】
このように、複数の電気ケーブルを束ね、さらに束ねたケーブル(ケーブル束)を束線チューブによって被覆する。したがって、回動によってねじり応力が発生したときに、ケーブルと第1固定部、第2固定部との摩擦を、電気ケーブル束と束線チューブとの摩擦、束線チューブと第1固定部、第2固定部との摩擦へと分配して、ケーブルへの摩擦を軽減できる。
【0036】
また、回動によってねじれた場合に外観上の見栄えが低下することを防ぐことができる。また、ケーブルを第1固定部、第2固定部に固定する際に、側線チューブの上から固定するようにすれば、支持部材などによるケーブルの線噛み等を防止して、装置の組立てが容易になる。
【0037】
なお、上述の接続装置を、前記電気ケーブルは複数の絶縁被覆電線を束ねた電気ケーブル束であり、その電気ケーブル束の外周を、束線チューブにて更に被覆している構成の電気ケーブルの接続構造である、と表現することもできる。
【0038】
本発明に係る接続装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記可動部の上記第2固定部が、上記回動支点軸または上記回動支点軸に近接した位置に配置されていることを特徴としている。
【0039】
このように、可動部の第2固定部を、例えばヒンジの軸のような回動支点軸に近接して設ければ、可動部の回動の際の第2固定部の移動量を小さくすることができる。したがって、電気ケーブルの移動を小さくでき、曲げ応力の発生を小さくできる。また、第2固定部を回動支点軸に沿うように配置してもよい。
【0040】
なお、上述の接続装置を、前記電気ケーブルを前記夫々の部分に固定する固定部のうち少なくとも回動する側に設けられた固定部は、前記ヒンジの回動支点軸に近接した所に位置している構成の電気ケーブルの接続構造である、と表現することもできる。
【0041】
本発明に係る画像読取装置は、上記課題を解決するために、上述のいずれかの接続装置を備えていることを特徴としている。
【0042】
この接続装置は、例えば画像読取装置において、光学読取装置(本体部)とその上に設けられた原稿搬送装置(可動部)とを接続する。
【0043】
上記構成によれば、画像読取装置において上述の接続装置を用いて、電気ケーブルに対するストレスを軽減して、電気ケーブルによる故障を発生させない。また、確実に、品質の高い画像読取を行うことができる。
【0044】
本発明に係る画像形成システムは、上記課題を解決するために、上述の画像読取装置を備えていることを特徴としている。
【0045】
この構成であれば、故障の発生し難い画像形成システムを実現できる。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図9に基づいて説明すると以下の通りである。
【0047】
本実施形態の複合機(画像形成システム)1は、概略的に、図2に示すように、画像読取装置(シート搬送装置)2、画像形成装置3、シート供給装置4および後処理装置5を備えている。画像読取装置2は複合機1の上部に備えられている。画像形成装置3は画像読取装置2の下に備えられている。シート供給装置4は、画像形成装置3の下に備えられている。後処理装置5は、画像形成装置3の側面に備えられている。
【0048】
画像読取装置2は、原稿(シート)の画像を読取るためのものである。画像形成装置3は、画像読取装置2にて読取った原稿の画像を用紙(シート)に印刷するためのものである。画像形成装置3は、図示しないインタフェースを介して装置本体の外部から入力される画像データを、用紙に印刷することもできる。シート供給装置4は、用紙を蓄えて、画像形成装置3に供給するためのものである。後処理装置5は、画像形成装置3にて印刷が行われた用紙に対して、ステイプル処理のような後処理を行うものである。
【0049】
以下では、まず画像読取装置2による原稿の読取りについて説明し、その後に、画像形成装置3による印刷について説明する。
【0050】
画像読取装置2は、概略的に、図2に示すように、装置本体の上部にADF(Automatic Document Feeder)(シート搬送装置)(可動部)6を備え、装置本体の下部には光学読取部(本体部)7を備えている。画像読取装置2は、光学読取部7のCCD(CCD : Charge Coupled Device)読取ユニットと、ADF6の一部に設けられた読取部(CIS(Contact Image Sensor))とによって、原稿の両面の画像を読取ることができる。
【0051】
この画像読取装置2は、原稿の読取モードとして、静止読取モード・走行読取モード・両面読取モードの3つのモードが選択可能となっている。静止読取モードは、光学読取部7の原稿台上に載置されたブック物等の原稿の画像を、光学読取部7によって読取るモードである。また、走行読取モードおよび両面読取モードは、共に原稿トレイにセットされた原稿の画像をADF6で自動的に1枚ずつ給送しながら読取るモードである。走行読取モードでは光学読取部7によって原稿の読取りを行う。両面読取モードでは、光学読取部7およびCISの双方を利用して原稿の画像を読取る。この画像読取装置2による読取動作の詳細については、後述する。
【0052】
本実施形態の画像読取装置2は、図3(a)に示すように、ADF6と光学読取部7とが、束線チューブ70によって被覆された電気ケーブル束によって接続されている構成である。この束線チューブ70によって被覆された電気ケーブル束は、画像読取装置2の側面に配置される。このため、装置前面に位置するユーザから電気ケーブル束が見えるようになっている。
【0053】
そして、上述の静止読取モードの際には、図3(b)に示すように、ADF6を矢印D1方向に回動させる。そして、原稿を光学読取部7上の原稿台に載置して、原稿の画像を読取るようになっている。このために、図1に示すように、ADF6は光学読取部7のヒンジ71によって、回動支点軸71aの回りで回動可能に支持されている。なお、図1には、ADF6と光学読取部7との一部のみを示しており、ADF6は、図示しないさらに他のヒンジによっても、光学読取部7に支持されている。
【0054】
走行読取モードまたは両面読取モードの場合には、図4に示すように、ADF6を符号P1の位置に配置して、原稿をADF6にて1枚ずつ給送しながら原稿の画像を読取る。また、静止読取モードの場合には、ADF6を符号P2の位置まで回動させて、光学読取部7の原稿台上に原稿を載置した上で、原稿の画像を読取る。本実施形態においては、ADF6の回動範囲は、図4に示すように60°となっている。しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、それ以上の回動範囲を有するものであってもよい。
【0055】
また、図1に示すように、ADF6と光学読取部7とは、電気ケーブル束(ケーブル)72によって接続されている。この電気ケーブル束72は、絶縁被覆ケーブルを約60本束ねたものである。この電気ケーブル束72は束線チューブ70によって覆われている。束線チューブ70としては、電気絶縁用のビニールチューブ(例えば、EXLON(登録商標)−PVC ULチューブ等)を用いる。なお、束線チューブ70の構成はこれに限るものではない。
【0056】
また、ADF6はコネクタ(第2コネクタ)77を備えており、このコネクタ77に電気ケーブル束72が接続される。また、光学読取部7もコネクタ(第1コネクタ)78を備えており、このコネクタ78に電気ケーブル束72が接続される。
【0057】
また、電気ケーブル束72は、ADF6の固定部(第2固定部)73および光学読取部7の固定部(第1固定部)75によって、それぞれの装置の筐体に穏やかに支持されている。すなわち、電気ケーブル束72がねじれたときでも、固定部73、75内部において、電気ケーブル束72が回転することのできる程度に支持する。ADF6の固定部73および光学読取部7の固定部75は、回動支点軸71aに平行に設けられ、電気ケーブル束72を回動支点軸71aに平行に支持する。固定部73と固定部75との間では、束線チューブ70に被覆された電気ケーブル束72が湾曲部Wを形成している。この湾曲部Wの曲率半径は約75mmとなっている。
【0058】
このように、湾曲部Wを固定部73・75によって固定すれば、湾曲部Wにおいて束線チューブ70・電気ケーブル束72にねじれが生じた場合であっても、このねじれを湾曲部Wだけでなく、固定部73、75においても吸収することができる。これによって、ある特定の箇所のみに集中するようなねじれを防止できる。
【0059】
また、ADF6の固定部73は、回動支点軸71aに近接した位置に配置されている。このため、ADF6の開閉に応じて、固定部73が移動する量を少なくできる。したがって、湾曲部Wの変形を減らすことができる。なお、ADF6の固定部73の構成は、これに限るものではなく、回動支点軸71aそのものに合わせるように配置してもよい。
【0060】
また、電気ケーブル束72は、コネクタ78と固定部75との間において、束線部材79aによって、一部が光学読取部7の筐体に固定されている。また、電気ケーブル束72は、コネクタ77と固定部73との間において、束線部材79b・79cによって、一部がADF6の筐体に固定されている。このように、装置筐体に対して固定するようにすれば、コネクタ77・78の接続をより安定したものにできる。なお、束線部材の数、配置はこれに限るものではない。また、束線部材の構成も、図1に示す構成に限るものではなく、他の構成であってもよいことはもちろんである。
【0061】
以上のような、コネクタ77からコネクタ78までの、電気ケーブル束72を接続するための構成が、ADF6と光学読取部7とを接続する接続装置として機能する。
【0062】
ここで、固定部73は支持部材(第2支持部材)74からなり、固定部75は支持部材(第1支持部材)76からなる。この支持部材74・76は同様の構成であるので、ここでは簡単のために支持部材76の構成についてのみ説明し、支持部材74については説明を省略する。
【0063】
図5は、支持部材76の、スラスト方向(電気ケーブル束が延びている方向)に沿った断面図である。図5に示すように、支持部材76は、二分割構造の半割体76a・76bからなる。電気ケーブル束を支持する支持部材76は、内壁が曲率を有する円筒形の樹脂部材で形成されている。より詳細には、この支持部材76、すなわち半割体76a・76bは、難燃グレードの高い樹脂材、例えばABS樹脂(UL94−V2以上のグレード)を用いて金型にて形成する。
【0064】
そして、支持部材76には、内部にリブ部80a〜80dを形成する。より詳細には、半割体76aにリブ部80a・80cを設け、半割体76bにリブ部80b・80dを設ける。このリブ部80a〜80dの表面は、曲率を有するようになっており、また難燃性が高いため、電気ケーブル束72へのダメージを極力低減することができる。また、支持部材76は、電気ケーブル束72の出入り口においても、曲率を有する表面とする。
【0065】
また、半割体76a・76bを組み合わせた場合の支持部材76の直径は24mmとなっており、リブ部80a・80bにおいては20mmとなっている。なお、電気ケーブル束72を被覆する束線チューブ70の直径は19mmとなっている。このように、リブ部80a〜80dの内径を、束線チューブ70の直径よりも若干大きくしている。
【0066】
このため、電気ケーブル束72においては、リブ部80a〜80dと支持部材76の出入り口において、接触によって摩擦力が生ずるが、上述のように表面に曲率を設けた構成としているため、電気ケーブル束72へのダメージは起こらない。なお、支持部材76・束線チューブ70の構成はこれに限るものではない。
【0067】
また、図6には、支持部材76の、スラスト方向に垂直な断面図を示す。図6に示すように、2分割構造の半割体76a・76bを光学読取部7に装着して、曲面を有する半割体76a・76b、およびリブ部80a〜80dによって、電気ケーブル束72を覆う束線チューブ70を穏やかに保持することができる。すなわち、電気ケーブル束72は、束線チューブ70を被覆させた状態で軟らかく挟み込まれる。なお、この半割体76a・76bは、光学読取部7に対して着脱可能となっている。また、リブ部80a〜80dの位置は、この形態に限るものではなく、どこに配置してもよい。端のほうであってもよいし、真中にあってもよい。また、より多くのリブ部を設けるようにしてもよい。
【0068】
次に、ADF6を開閉した場合の、電気ケーブル束72および束線チューブ70の変形状態を、図7(a)(b)に基づいて説明する。
【0069】
図7(a)は、ADF6を閉じている場合の、電気ケーブル束72の状態を示す概略の平面図である。このとき、支持部材74と支持部材76との距離は、約150mmであり、湾曲部Wの曲率半径はその半分の約75mmとなっている。なお、湾曲部Wの構成はこれに限るものではない。
【0070】
ここで、ADF6を開くと、支持部材74が矢印D1方向に移動して、図7(b)に示す符号P3の位置から、符号P4の位置へと移動する。このように、本実施形態においては、ADF6の開閉の状態にかかわらず、湾曲部Wの末端70aと70bとを結ぶ方向は、ADF6の回転軸と直交し、また支持部材74、76の電気ケーブル束72が延びている方向(スラスト方向D2)とも直交する。
【0071】
このため、湾曲部Wの端70a・70b間に生ずる力は、支持部材74、76のスラスト方向D2の成分をもつことがないため、電気ケーブル束72のスラスト方向の移動を生じさせない。
【0072】
次に、画像読取装置2の詳細な構成、読取動作の詳細について説明する。
【0073】
ADF6は、図8に示すように、装置本体の上部に設けられた原稿トレイ22から、原稿搬送のためのローラR2〜R9が配置された搬送路を介して、光学読取部7およびCIS21による画像読取領域(処理領域)まで、原稿を搬送するものである。光学読取部7は、ADF6によって搬送された原稿の一面の画像を、光源ユニット13からミラーユニット14を介してCCD読取ユニット11にて読取る。また、ADF6に備えられたCIS21が、原稿の他の面の画像を読取るようになっている。以下では、まずADF6を用いた走行読取モードおよび両面読取モードにおける原稿の搬送について説明した後に、搬送の際の制御動作について説明し、それから画像読取領域における画像の読取について説明する。
【0074】
ADF6は、概略的に、原稿を搬送するための搬送路と原稿トレイ22とを含んでいる。搬送路には、原稿搬送のための搬送手段として、ローラR2〜R10が配置されている。
【0075】
この搬送路は、原稿の搬送を行うための搬送領域と、搬送された原稿の画像読取処理を行う画像読取領域とを含んでいる。ここで、搬送領域とは、例えばローラR2の位置からローラR8・R9の位置までの連続した領域に相当する。また、ローラR8・R9から原稿の搬送方向の下流側に、原稿の画像読取処理を行う画像読取領域が配置されている。また、ADF6の搬送路は、搬送される原稿の搬送方向が変化する、湾曲した形状の湾曲部23を含んでいる。
【0076】
ADF6の原稿トレイ22は、電動式のトレイである。原稿トレイ22は、原稿検出器S1を備えている。原稿検出器S1は、アクチュエータS1aおよびセンサ本体S1bからなる光学式の原稿検出器である。原稿検出器S1は、原稿トレイ22に原稿がセットされたか否かを検出する。
【0077】
また、ADF6は、原稿トレイ22の上方に呼込ローラR1を備えている。この呼込ローラR1は、ADF6の筐体に設けられたアーム25によって昇降変位自在に支持されている。また、アーム25は、ADF6の搬送路に設けられた分離ローラR2の回転軸に、回動可能に支持されている。そして、呼込ローラR1は自重により原稿トレイ22にセットされた最上層の原稿に接触するようになっている。また、呼込ローラR1は図示しないストッパにより、所定の位置以上に、すなわち必要以上に、下降しないようになっている。
【0078】
また、ADF6は、呼込ローラR1の変位を検出するための呼込ローラ位置検出器S2を備えている。呼込ローラ位置検出器S2は光センサ等で構成される。呼込ローラ位置検出器S2は、アーム25に形成される(図示しない)凸部に応じて、アーム25の揺動角から、呼込ローラR1の高さを検出する。なお、呼込ローラ位置検出器S2は、アーム25に設けた凸部を用いて直接的に呼込ローラR1の高さ位置を検出する構成に限るものではない。例えば、アーム25に連結された可動連結部を設けるとともに、アーム25から離れた位置に呼込ローラ位置検出器S2を設置し、呼込ローラ位置検出器S2がその可動連結部を用いて検出をする構成であってもよい。
【0079】
また、ADF6の原稿トレイ22は、原稿の側部を揃えて原稿の載置位置を規制するための原稿規制板30を備えている。また、原稿トレイ22は、第1原稿サイズ検出器S0と第2原稿サイズ検出器S7とを備えている。第1原稿サイズ検出器S0は、原稿規制板30の位置を検出することによって、原稿の横幅(原稿の搬送方向とは直交する方向の長さ)を判別する。第2原稿サイズ検出器S7は、アクチュエータS7aおよびセンサ本体S7bからなる。第2原稿サイズ検出器S7は、原稿の長さ(原稿の搬送方向の長さ)を判別する。第1原稿サイズ検出器S0および第2原稿サイズ検出器S7によって、原稿トレイ22上に載置されている原稿のサイズを判別できる。複合機1は、この判別結果に基づいて、画像形成する際に用いる用紙のサイズなどを選択できる。
【0080】
原稿トレイ22は、原稿がセットされると、所定のタイミングで上昇を開始する。原稿トレイ22に載置されている原稿束の最上層の原稿が呼込ローラR1を押し上げると、呼込ローラ位置検出器S2の検出に応じて、原稿トレイ22は上昇を一旦停止し、待機状態となる。その後、複合機1の図示しない制御部から、例えば原稿の供給開始信号が入力されると、ADF6は原稿束の原稿を順次搬送路へと供給する。なお、複合機1は、上述の待機状態のまま所定時間放置された場合には、例えば原稿トレイ22を所定の位置まで一旦下降させてもよい。このようにすれば、呼込ローラR1の変形を防止できる。なお、原稿トレイ22は、一旦下降する構成に限るものではなく、そのままの状態で待機状態を継続してもよい。
【0081】
また、原稿トレイ22は、原稿の読取動作を行う際には、呼び込みローラ位置検出器S2からの信号に基づいて、載置されている原稿の上面が常に所定の高さになるように、図示しない制御部によって制御される。原稿トレイ22は、昇降移動に用いるためのリブ22b、昇降プレート31、昇降プレート支持軸32に加えて、昇降機構部34および昇降モータ61を備えている。制御部の制御によって、原稿トレイ22の底部に形成されているリブ22bに、昇降機構部34の昇降プレート31を接触させ支持する。また、昇降モータ61の正逆転動作によって、歯車などの伝達系を介して昇降プレート支持軸32を回転させる。これによって、昇降プレート31が回転し、原稿トレイ22が昇降移動する。
【0082】
ADF6の搬送路には、回転駆動する呼込ローラR1によって呼込まれた原稿が、分離ローラR2・R2aによって一枚ずつの原稿に分離された上で送り込まれる。分離ローラR2は、トルクリミッタを備えた分離ローラR2aに対向して設けられている。したがって、呼込ローラR1によって複数枚の原稿が取込まれても、分離ローラR2・R2aによって、最上層(分離ローラR2側)の原稿のみが取込まれる。したがって、原稿を1枚ずつ確実に分離して搬送できる。なお、分離ローラR2aの代わりに、分離ローラR2に対向配置される摩擦パットを用いてもよい。
【0083】
ADF6の搬送路には、分離ローラR2・R2aよりも原稿の搬送方向の下流側に、給紙検出器S3が設けられている。給紙検出器S3は、アクチュエータS3aおよびセンサ本体S3bからなる。この給紙検出器S3を用いて、分離ローラR2・R2aによって原稿が確実に1枚ずつ分離供給されたか否かを判別できる。
【0084】
また、ADF6の搬送路において、給紙検出器S3よりも原稿の搬送方向の下流側には、ローラR3およびローラR4からなるローラ対が設けられている。また、ローラR3およびローラR4の下流側は、湾曲部23となっている。ローラR3およびローラR4は、原稿の搬送方向の上流側における、湾曲部23の直前の位置に設けられている。ローラR3およびローラR4は、原稿を湾曲部23に送り出す。
【0085】
湾曲部23は、ローラR5、R6・R7を備えている。湾曲部23は、ADF6の搬送路のうち、ローラR3およびローラR4よりも原稿の搬送方向の下流側から、ローラR6・R7の手前までの領域に相当する。湾曲部23においては、ローラR3およびローラR4から原稿が送り出されると、ローラR5、R6・R7を用いて原稿を搬送し、レジスト・斜行補正領域24に送り出すようになっている。
【0086】
なお、図8に示すような湾曲部23の曲率は、あらゆる種類の原稿を安定して搬送することのできる曲率に設定されている。すなわち、読取り可能な原稿のうち、最も厚い、言い換えると最も腰のある原稿であっても、円滑に搬送できる曲率となっている。
【0087】
また、湾曲部23は、給紙検出器S4を備えている。給紙検出器S4はアクチュエータS4aおよびセンサ本体S4bからなる。給紙検出器S4は、湾曲部23において原稿が無理なく搬送されているか否かを、湾曲部23からの原稿の排出を検出することによって判別する。
【0088】
原稿は、湾曲部23からローラR6・R7によってレジスト・斜行補正領域24に送り出される。レジスト・斜行補正領域24は、原稿の斜行の補正の効果を高めるために、レジストローラR8およびローラR9からなるローラ対(レジスト部)の手前に設けられた領域である。このように、レジストローラR8およびローラR9は、原稿の搬送方向の下流側に、湾曲部23から離間して設けられている。
【0089】
このレジスト・斜行補正領域24は、例えば図8に示すように、ローラR6・R7の位置とレジストローラR8およびローラR9の位置との間で、搬送する原稿Sの状態がほぼ直線となり、搬送経路のガイド面に接触せずに、極力フリーとなるように設けられている。
【0090】
なお、搬送ローラR6・R7の位置とレジストローラR8およびローラR9の位置との間の距離は、ADF6を用いて処理することが可能な原稿の中で最も小さな原稿の搬送方向の長さを最低限確保するようにする。すなわち、湾曲部23内に残っている原稿の後端部分を短くして、原稿の斜行の補正をスムーズに行い、効果を高めるようにする。
【0091】
また、ADF6は、レジスト・斜行補正領域24の出口付近のレジストローラR8およびローラR9の手前に、給紙検出器S5を備えている。給紙検出器S5は、アクチュエータS5aおよびセンサ本体S5bを含んでいる。
【0092】
原稿が湾曲部23から排出されてレジスト・斜行補正領域24に搬送され、先端が給紙検出器S5によって検出されると、レジストローラR8およびローラR9を停止させた状態で、搬送ローラR6・R7をを含む上流側の搬送ローラを用いて原稿に上流側からの搬送力を与える。これによって、所定時間にわたって原稿の先端をレジストローラR8およびローラR9の合わせ目(ニップ部)に衝突させる。このようにして斜行(スキュー)の補正を行う。
【0093】
レジスト・斜行補正領域24にて原稿の斜行の補正が行われると、所定のタイミングでレジストローラR8およびローラR9を回転させて、原稿の搬送を再開する。原稿は、原稿の表面(一面)を光源ユニット13によって露光走査するための第1の読取位置(画像読取領域)に搬送される。また、原稿は、原稿の裏面(他面)をCIS21によって読取るための第2の読取位置(画像読取領域)にさらに搬送される。すなわち、レジストローラR8およびローラR9は、画像読取領域への原稿の供給タイミングを調整するように、所定のタイミングで原稿の搬送を再開する。このようにして、ローラR3およびローラR4から送り出された原稿は、レジスト部としてのレジストローラR8およびローラR9によって、画像読取領域(第1の読取位置)に送り出される。
【0094】
画像読取装置2は、第1、第2の読取位置にてそれぞれ原稿の表面、裏面の画像を読取る。この読取動作については後述する。その後、原稿は、排紙ローラR10・R11によって、排紙トレイ17へと排出される。なお、排紙ローラR11は、ADF6ではなく光学読取部7に設けられている。また、排紙トレイ17は、画像読取装置2の側面に、原稿排出点よりも低い位置に支持されているので、原稿の排出が容易となっている。また、画像読取装置2は、排紙ローラR10・R11の搬送方向下流側に、排紙検出器S6を備えている。排紙検出器S6は、アクチュエータS6aおよびセンサ本体S6bからなる。排紙検出器S6を用いて、原稿の排出動作を確認できる。
【0095】
画像読取装置2は、以上に説明した動作を、原稿トレイ22上にセットされた原稿がなくなるまで順次に繰り返し、原稿ごとに画像の読取を行う。読取りが完了した原稿は排紙トレイ17上に順次排出する。
【0096】
ここで、画像読取装置2の備えている各手段は、図9に示すように、制御部41によって制御されている。以下では、図9に基づいて、制御部41による制御について説明をする。なお、本実施形態においては、画像形成装置3に制御部41を設けており、制御部41が情報の入出力を行って画像読取装置2の各手段を制御するようになっている。すなわち、制御部41は複合機1の制御を行う制御部である。制御部41は、マイクロコンピュータ等で構成され、各種の制御を行う。なお、複合機1の制御部の構成はこれに限るものではなく、画像読取装置2に独立の制御部を設ける構成であってもよい。
【0097】
画像読取装置2は、図9に示すように、操作部47を備えている。操作部47は、液晶タッチパネル等で構成されている。操作部47は、ユーザによる選択、指示などを検出して、制御部41に送信する。制御部41は、入力される指示などに応じて制御を行う。例えば、制御部41は、液晶タッチパネル等で構成されている操作部47に必要な情報を表示させる。また、例えば、制御部41は、ユーザによって操作部47に入力された、原稿トレイ22上の原稿の読取指示に応じて、原稿の供給開始信号を原稿トレイ22へと出力する。
【0098】
また、制御部41は、読取部としてのCIS21および光学読取部7の動作を制御する。また、制御部41は、CIS21または光学読取部7にて読取った画像データを図示しないメモリに格納する。制御部41による読取動作については後述する。
【0099】
また、画像読取装置2は、図9に示すように、各ローラR1〜R10を駆動するための原稿搬送モータ43を備えている。そして、この原稿搬送モータ43の駆動力を所望のローラに伝達するために、呼込クラッチ44、レジストローラクラッチ45などを備えている。
【0100】
呼込クラッチ44は、呼込ローラR1およびベルトなどの伝達部にて呼込ローラR1と連結されている分離ローラR2に、駆動力を伝達するためのクラッチである。レジストローラクラッチ45は、レジストローラR8に駆動力を伝達するためのクラッチである。また、画像読取装置2は、ローラR2、R3、R5、R6、R10などを駆動するための、図示しないクラッチも備えている。
【0101】
制御部41は、各クラッチを継断することによって、原稿搬送モータ43の駆動力を対応するローラに伝達し、または遮断する。例えば、クラッチを遮断した状態でレジストローラとその対向ローラとの回転を停止させた状態で、原稿を送り出して突き当てるようにして、原稿をたわんだ状態にする。そして、レジストローラとその対向ローラとの合わせ目に原稿の先端側の辺を沿わせるようにして、原稿の搬送方向に対する原稿の傾きを補正して、原稿の斜め送りを矯正する。その後にクラッチを接続して、レジストローラとその対向ローラとを回転させて、原稿を搬送する。
【0102】
また、本実施形態においては、画像読取装置2に駆動源としての一つのモータを備えて、このモータの駆動力をクラッチによって各ローラに伝達する構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ローラごとにモータをそれぞれ備えている構成であってもよい。いずれにせよ、モータの回転速度を適当に制御することによって、所望の原稿搬送を実現できればよい。
【0103】
また、制御部41は、上述した第1・第2原稿サイズ検出器S0・S7、呼込ローラ位置検出器S2、給紙検出器S3・S4・S5、排紙検出器S6、光源ユニット検出器S8、および図9に示す第3原稿サイズ検出器S9からの情報(検出結果)を取得して、制御を行うようになっている。例えば、制御部41は、原稿サイズ検出器S0・S7・S9の検出結果に基づいて、画像形成装置3にて用いる用紙、および用紙送りタイミング等の制御の切替えを行う。なお、第3原稿サイズ検出器S9は、原稿台12上にセットされた原稿のサイズを検出するためのものである。
【0104】
以上のように、制御部41が画像読取装置2の各手段を制御することによって、原稿の搬送および画像の読取が行われる。
【0105】
次に、画像読取装置2の光学読取部7およびCIS21による画像の読取について詳細に説明する。画像読取装置2は、上述のように、原稿の読取モードとして、静止読取モード・走行読取モード・両面読取モードの3つのモードが選択可能である。
【0106】
光学読取部7は、画像読取装置2の静止読取モード・走行読取モード・両面読取モードのいずれかにおいて用いられる。光学読取部7は、図8に示すように、CCD読取ユニット11、原稿台12、光源ユニット13、ミラーユニット14、および原稿台16を含んでいる。
【0107】
CCD読取ユニット11は、結像レンズ11aおよびCCD11bを備えている。CCD読取ユニット11は、光源ユニット13、ミラーユニット14を介して入射される原稿の画像を、結像レンズ11aを介してCCD11bに結像させる。CCD11bにて得た画像データは、制御部41によって、図示しないメモリに格納される。
【0108】
なお、CCD読取ユニット11は、少なくとも結像レンズ11a、CCD11b、および露光ランプのような光源13aを一つのユニットに構成した縮小読取光学系(または等倍読取光学系)のユニットを、矢印15にて示す副走査方向に走査させつつ、光源13aからの照射光に対する原稿による反射光を結像レンズ11aによってCCD11bに結像させる構成であってもよい。
【0109】
原稿台12は、プラテンガラス製であり、光学読取部7に本などの原稿を載置して読取る際の台である。原稿台16は、シート状の原稿を読取る際の原稿の台となるものである。原稿台16は、原稿台12とは別個に設けられ、副走査方向に離間した位置に備えられている。
【0110】
光源ユニット13は、光源13a、リフレクタ13b、スリット13cおよびミラー13dを含んでいる。光源13aは、読取るための原稿に照射する光を発生させる、例えば露光ランプである。リフレクタ13bは、光源13aから照射される読取用の照明光を原稿台12上の所定の読取位置に集光する凹面の反射部材である。スリット13cは、原稿からの反射光のみを通過させるための部材である。ミラー13dは、スリット13cを通過した光の光路を90°変更するためのものであり、原稿台12の面に対して反射面を45°に設置されている。
【0111】
ミラーユニット14は、光源ユニット13から原稿にて反射された光をCCD読取ユニット11へと導くためのものである。ミラーユニット14は、一対のミラー14a・14bを含んでいる。ミラー14a・14bは、光源ユニット13のミラー13dによって光路を90°変更された光の光路を更に180°変更するために反射面が相互に直交するように配置されている。
【0112】
ここで、光源ユニット13は、副走査方向(図8に示す矢印15の方向)に移動可能となっており、画像読取装置2の静止読取モードの際には、副走査方向に移動して読取を行う。
【0113】
また、ADF6は、静止読取モードのために、図8に示す状態から上方に回動して開くようになっている。これによって、図8上で画像読取装置2の原稿台12の上面が手前側から開放できるようになっており、シート状でないためにADF6では搬送できない種類の原稿、例えば、ブック物、製本済の原稿等を原稿台12上にセットできるようになっている。
【0114】
このため、ADF6は、画像読取装置2の奥側(紙面の奥側)の部分が、光学読取部7との間に設けられたヒンジ71により回動可能に支持されている。ADF6は、このヒンジを回動支点として、原稿台12に対して上方に回動して開くようになっている。なお、ADF6の底面、すなわち原稿台12と対向する面には、弾力性を有する素材で形成された原稿マット35が備えられている。
【0115】
そして、原稿台12上の原稿を読取る際には、光源ユニット13は、上述した静止読取時の光源ユニット13のスタート位置から最大原稿の読取り時の光源ユニット13のリターン位置の方向に、原稿台12上に載置されている原稿のサイズを検出するための図示しない原稿サイズ検出器で検出された原稿サイズに応じて、所定距離だけ移動するようになっている。
【0116】
より詳細には、光源ユニット13は、制御部41の制御によって、図8において参照符号13e・13f等で示すように、原稿台12の面に平行に図の矢印15の方向(副走査方向)に移動する。ミラーユニット14も、制御部41の制御によって、同様に矢印15の方向に移動する。これによって、原稿台12上に載置されている原稿の画像を読取ることができる。なお、光源ユニット13およびミラーユニット14の移動は、制御部41がステッピングモータ42またはサーボモータなどを駆動制御して行う。このとき、ミラーユニット14の移動速度は、光源ユニット13の移動速度の半分とする。また、制御部41は、光源ユニット検出器S8によって検出された光源ユニット13の位置に応じて、光源13aおよびCCD11bを制御する。
【0117】
また、光源ユニット13は、走行読取モード・両面読取モードにおいて、搬送されている原稿を読取る際には、図8において光源ユニット13として示す位置に停止して読取を行う。光源ユニット13は、この状態で、原稿台16上を搬送されてゆく原稿の一方の面(以下、この面を表面とする。)の画像を読取ることができる。
【0118】
なお、光源ユニット13は、図8に示すように、光源ユニット13eとして示す位置と光源ユニット13fとして示す位置との中間の位置、または、光源ユニット13として示す位置と光源ユニット13eとして示す位置との中間の位置を、光源ユニット13の位置検出器である、図9に示す光源ユニット検出器S8の判別結果に基づいて、ホームポジションとしている。したがって、光源ユニット13が使用されていない場合、すなわち待機中にはこのホームポジションで停止状態にある。
【0119】
一方、CIS21は、ADF6の側において、光学読取部7の原稿台16と対向する位置に備えられている。CIS21は、画像読取装置2の両面読取モードにおいて用いられる。ADF6は、原稿トレイ22上に積層状態で載置された原稿を1枚ずつ取り込んで、上述のように、CIS21に原稿の他方の面(以下、この面を裏面とする。)の画像を読取らせる。なお、CIS21は、例えばアレイ状に配列されたイメージセンサおよび導光部(セルフォックレンズ等のレンズアレイ)、並びに光源(LEDアレイ光源または蛍光灯)等を備えている。
【0120】
制御部41は、各検出器S3〜S6の検出結果に基づいて、原稿搬送モータ43、呼込クラッチ44、レジストローラクラッチ45などを制御して、原稿トレイ22に載置されている原稿の搬送を行う。また、制御部41は、CCD11bおよびCIS21を制御して原稿の画像を読取る。また、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2の検出結果に基づいて、原稿トレイ22にセットされた原稿束の最上層の高さを一定に保持するように、昇降モータ33を駆動制御する。制御部41は、以上の動作を、原稿検出器S1が原稿トレイ22上の原稿がなくなったことを検出するまで、原稿ごとに行う。
【0121】
次に、画像形成装置3を用いた印刷について説明する。画像形成装置3は、画像読取装置2にて原稿の画像を読取って得られた画像データ、または、図示しない外部の情報処理装置などから転送されてきた画像データに基づいて、シート供給装置4などから供給される用紙上に画像形成を行う。
【0122】
複合機1の画像形成装置3には、図2に示すように、画像読取装置2により読取られた原稿の画像に基づいて、シート供給装置4から画像形成装置3に供給される用紙上に画像形成を行うために、上述のように、各部を連係させて動作させるための制御部41が実装されている。
【0123】
また、画像形成装置3は、用紙トレイ51および手差トレイ54を備えている。手差トレイ54は任意の用紙を外部から取込むためのトレイである。用紙トレイ51または手差トレイ54から供給された用紙は、搬送路56により感光体ドラム59、転写器62等が配置された画像転写領域(処理領域)に搬送されて画像が転写される。その後、転写された画像が定着装置66によって用紙に定着される。
【0124】
また、画像形成装置3の下部に配置されているシート供給装置4は、画像形成装置3の搬送路56に通じる搬送路50と用紙カセット52・53とを備えている。用紙カセット52と用紙カセット53とは、用紙を大量に収容できるカセットである。用紙カセット52と用紙カセット53とは、それぞれサイズの異なる用紙を収容する。
【0125】
また、画像形成装置3は、定着装置66の用紙搬送方向の下流側に、用紙の裏面に画像を再度形成するために利用されるスイッチバック路68を備えている。スイッチバック路68により反転された用紙は、両面ユニット55を通じて搬送路56へと供給される。なお、スイッチバック路68および両面ユニット55は、用紙の両面に画像形成するときだけでなく、表裏を反転させて排出する際にも用いられる。
【0126】
用紙トレイ51または両面ユニット55から、呼込ローラを用いて搬送路56に導かれた用紙は、搬送路56を介して画像転写領域に向かって搬送される。また、用紙カセット52・53から、呼込ローラを用いて搬送路50に導かれた用紙は、その後に搬送路50・56を介して、搬送路50・56に配置されたローラ対によって画像転写領域に向かって搬送される。
【0127】
また、搬送路56は、画像転写領域の手前にも、レジスト部としてのローラ対58を備えている。これによって、印刷を行う際の用紙の斜め送りを防止するとともに、用紙を供給するタイミングを調整する。
【0128】
ここで、画像転写領域における処理について説明すると、以下のようになる。例えば画像読取装置2にて読取られた画像データは、図示しない画像処理部に送り出されて所定の画像処理が施された後、画像処理部内の画像メモリに一旦格納される。そして、所定のタイミングで順次読み出されるとともに、光書込装置であるレーザ書込ユニット60に転送される。
【0129】
レーザ書込ユニット60は、図示しない半導体レーザ光源、ポリゴンミラー、f−θレンズなどを含んでいる。半導体レーザ光源は、画像メモリから転送された画像データに応じてレーザ光を発する。ポリゴンミラーは、レーザ光を等角速度偏向する。f−θレンズは、等角速度で偏向されたレーザ光が感光体ドラム59上にて等角速度で偏向されるように補正する。なお、本実施の形態では、光書込装置としてレーザ書込ユニットを用いているが、LED(Light Emitting Diode)、EL(Electro Luminescence)等の発光素子アレイを用いた固定走査型の光書込ヘッドユニットを用いてもよい。
【0130】
感光体ドラム59の周囲には、帯電器65、現像器61、転写器62、除電器63、およびクリーニング器64が配置されている。帯電器65は感光体ドラム59を所定の電位に帯電させる。現像器61は感光体ドラム59上に形成された静電潜像にトナー(現像剤)を供給して顕像化する。転写器62は感光体ドラム59表面に形成されたトナー像を搬送されてきた用紙上に転写する。除電器63は、トナー像が転写された用紙から電荷を取り除き、感光体ドラム59から用紙を引き剥がす。クリーニング器64は、トナー像を転写した後に残留したトナーを回収する。
【0131】
感光体ドラム59上の現像剤像に対して所定のタイミングで用紙が送りこまれ、転写器62にて現像剤像が用紙に転写される。画像が転写された用紙は、定着装置66へと搬送され、定着装置66により用紙上に画像が定着される。画像が定着された用紙は、排紙ローラ67により画像形成装置3の外部へ排出される。
【0132】
排紙ローラ67の用紙搬送方向の下流側には、画像が形成された用紙に対してステイプル処理、中折り処理等を行う後処理装置5が設けられている。後処理装置5に導かれた用紙は、所定の後処理が施された後、昇降トレイ69上に排出される。
【0133】
以上のように、本実施形態に係る画像読取装置2は、ADF6と光学読取部7とを接続する電気ケーブル束72が、ADF6の回動支点軸71aに平行に設けられたADF6の固定部73、光学読取部7の固定部75によって支持され、固定部73と固定部75との間で電気ケーブル束72が湾曲部Wを形成している構成である。また、複合機1の側面に、電気ケーブル束72を被覆する束線チューブ70を設けた構成である。また、本実施形態に係る複合機1は、画像読取装置2を備えている。
【0134】
これによって、湾曲部Wに対してねじり応力を分配して、応力を集中させず、電気ケーブル束72へのストレスを軽減して、電気ケーブル束72の寿命を長くできる。また、回動支点軸71aと平行な固定部73、75を設けて、回動による電気ケーブル束72の移動を少なくし、電気ケーブル束72の曲げ応力の発生を小さくできる。また、湾曲部Wだけでなく、固定部73、75にてねじれを緩和して、さらに電気ケーブル束72へのストレスを軽減し、さらに電気ケーブル束72の寿命を長くできる。
【0135】
また、以上のように、本発明は、本体装置に対して電気的な動作を含む装置を回動可能に備えた電子装置の電気ケーブル接続構造に係り、特に、原稿を供給搬送して原稿の画像を読取る機能を有する画像読取装置とその電気ケーブル接続構造に関するものである。
【0136】
ここで、従来の接続構造の一例について、図10ないし図12に基づいて説明する。従来の複写機91は、図10に示すように、ADF92と光学読取装置93とが、ケーブル94によって接続されている構成である。そして、図11に示すように、ADF92を閉じた状態では符号P5の位置となり、ADF92を開いた状態では符号P6の位置となるため、ADF92の矢印D3方向への開閉によって、ケーブル94は変形する。
【0137】
より詳細には、図12(a)に示すように、ADF92を閉じた状態では、ケーブル94の末端94a・94b間を結ぶ方向は、ADF92のスラスト方向D4と直交している。
【0138】
しかしながら、図12(b)に示すように、ADF92を開いた状態では、ケーブル94の末端94a・94b間を結ぶ方向は、ADF92のスラスト方向D5と直交しなくなる。
【0139】
このため、ケーブル94の末端94a・94b間に生ずる力が、ADF92のスラスト方向D5の成分をもつため、ケーブル94のスラスト方向D5への移動が生じやすくなる。したがって、ケーブル94のスラスト方向D5への移動に応じて、ケーブル94の劣化が生じやすくなっていた。
【0140】
そこで、本発明は、装置本体部と回動可能な部分への電気ケーブルの接続を、ヒンジの回動支点軸と同方向に電気ケーブルが向かうように夫々の部分に固定して接続を行うことで、電気ケーブルへの曲げ応力の発生を減じ電気ケーブルに対するストレスを軽減できる電気ケーブルの接続構造とその構造を備えた画像読取装置とを提供する。
【0141】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0142】
上述の具体的な実施形態は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0143】
【発明の効果】
本発明に係る接続装置は、以上のように、ケーブルを本体部に固定するための、回動支点軸に平行に設けられた第1固定部と、上記ケーブルを可動部に固定するための、上記回動支点軸に平行に設けられた第2固定部とを備え、上記第1固定部と上記第2固定部との間の上記ケーブルが、湾曲した湾曲部となっている構成である。
【0144】
それゆえ、湾曲部に対してねじり応力を分配して、応力を集中させず、ケーブルへのストレスを軽減して、ケーブルの寿命を長くできるという効果を奏する。また、回動支点軸と平行な第1固定部、第2固定部を設けて、回動によるケーブルの移動を少なくし、ケーブルの曲げ応力の発生を小さくできるという効果を奏する。また、湾曲部だけでなく、第1固定部、第2固定部にてねじれを緩和して、さらにケーブルへのストレスを軽減し、さらにケーブルの寿命を長くできるという効果を奏する。
【0145】
本発明に係る接続装置は、以上のように、上記構成において、上記第1固定部は、上記ケーブルの外側を覆うように設けた、上記ケーブルを支持するための第1支持部材を含み、上記第2固定部は、上記ケーブルの外側を覆うように設けた、上記ケーブルを支持するための第2支持部材を含み、上記第1支持部材および上記第2支持部材が、上記ケーブルに対して摩擦を与えるように上記ケーブルを支持している構成である。
【0146】
それゆえ、ケーブルの断面方向に一様な摩擦力を与えて、部分的な損傷を防ぎ、適度な摩擦力を発生させることによって、スラスト方向へのケーブルの移動を規制できるという効果を奏する。
【0147】
本発明に係る接続装置は、以上のように、上記構成において、上記本体部は、上記ケーブルが接続されるための第1コネクタを備え、上記可動部は、上記ケーブルが接続されるための第2コネクタを備え、上記ケーブルを固定するための束線部材によって、上記第1コネクタから上記第1固定部までの上記ケーブルの少なくとも一部が上記本体部の筐体に対して固定され、上記第2コネクタから上記第2固定部までの上記ケーブルの少なくとも一部が上記可動部の筐体に対して固定されている構成である。
【0148】
それゆえ、ケーブルを束線部材にて固定して、ねじれなどを第1コネクタ、第2コネクタに伝えることがなく、第1コネクタ、第2コネクタに対して、ケーブルを引き抜いたり、回転させたりする力が働かないようにできるという効果を奏する。
【0149】
本発明に係る接続装置は、以上のように、上記構成において、上記ケーブルは、複数の絶縁被覆電線を束ねた電気ケーブル束であり、上記電気ケーブル束の外周を覆うように、上記電気ケーブル束を被覆するための束線チューブを設けている構成である。
【0150】
それゆえ、ケーブルと第1固定部、第2固定部との摩擦を、電気ケーブル束と束線チューブとの摩擦、束線チューブと第1固定部、第2固定部との摩擦へと分配して、ケーブルへの摩擦を軽減できるという効果を奏する。
【0151】
本発明に係る接続装置は、以上のように、上記構成において、上記可動部の上記第2固定部が、上記回動支点軸または上記回動支点軸に近接した位置に配置されている構成である。
【0152】
それゆえ、可動部の回動の際の第2固定部の移動量を小さくすることができ、、電気ケーブルの移動を小さくして、曲げ応力の発生を小さくできるという効果を奏する。
【0153】
本発明に係る画像読取装置は、以上のように、上述のいずれかの接続装置を備えている構成である。
【0154】
それゆえ、画像読取装置において上述の接続装置を用いて、電気ケーブルに対するストレスを軽減して、電気ケーブルによる故障を発生させないという効果を奏する。
【0155】
本発明に係る画像形成システムは、以上のように、上述の画像読取装置を備えている構成である。
【0156】
それゆえ、故障の発生し難い画像形成システムを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接続装置を含んでいる画像読取装置の一部を示す斜視図である。
【図2】上記画像読取装置を含んでいる画像形成システムの概略を示す断面図である。
【図3】(a)は上記画像形成システムの斜視図であり、(b)は(a)とは異なる状態の上記画像形成システムの斜視図である。
【図4】上記画像形成システムの側面図である。
【図5】上記接続装置の一部を示す断面図である。
【図6】上記接続装置の一部の、図5とは異なる方向における断面図である。
【図7】(a)は上記接続装置の他の一部を示す平面図であり、(b)は上記接続装置の他の一部の(a)とは異なる状態を示す平面図である。
【図8】上記画像読取装置の断面図である。
【図9】上記画像形成システムの一部の概略のブロック図である。
【図10】従来の画像読取装置の斜視図である。
【図11】上記画像読取装置の側面図である。
【図12】(a)は上記画像読取装置の接続構造を示す平面図であり、(b)は上記画像読取装置の接続構造の(a)とは異なる状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 複合機(画像形成システム)
2 画像読取装置
6 ADF(シート搬送装置)(可動部)
7 光学読取装置(本体部)
70 束線チューブ
71 ヒンジ
71a 回動支点軸
72 電気ケーブル束(ケーブル)
73 固定部(第2固定部)
74 支持部材(第2支持部材)
75 固定部(第1固定部)
76 支持部材(第1支持部材)
76a・76b 半割体
77 コネクタ(第2コネクタ)
78 コネクタ(第1コネクタ)
79a〜79c 束線部材
80a〜80d リブ部
D2、D4、D5 スラスト方向
W 湾曲部
Claims (7)
- 本体部とその本体部に対して回動支点軸の回りに回動可能に設けられている可動部とを電気的に接続するためのケーブルを含んでいる接続装置において、
上記ケーブルを上記本体部に固定するための、上記回動支点軸に平行に設けられた第1固定部と、
上記ケーブルを上記可動部に固定するための、上記回動支点軸に平行に設けられた第2固定部とを備え、
上記第1固定部と上記第2固定部との間の上記ケーブルが、湾曲した湾曲部となっていることを特徴とする接続装置。 - 上記第1固定部は、上記ケーブルの外側を覆うように設けた、上記ケーブルを支持するための第1支持部材を含み、
上記第2固定部は、上記ケーブルの外側を覆うように設けた、上記ケーブルを支持するための第2支持部材を含み、
上記第1支持部材および上記第2支持部材が、上記ケーブルに対して摩擦を与えるように上記ケーブルを支持していることを特徴とする請求項1に記載の接続装置。 - 上記本体部は、上記ケーブルが接続されるための第1コネクタを備え、
上記可動部は、上記ケーブルが接続されるための第2コネクタを備え、
上記ケーブルを固定するための束線部材によって、上記第1コネクタから上記第1固定部までの上記ケーブルの少なくとも一部が上記本体部の筐体に対して固定され、上記第2コネクタから上記第2固定部までの上記ケーブルの少なくとも一部が上記可動部の筐体に対して固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の接続装置。 - 上記ケーブルは、複数の絶縁被覆電線を束ねた電気ケーブル束であり、
上記電気ケーブル束の外周を覆うように、上記電気ケーブル束を被覆するための束線チューブを設けていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の接続装置。 - 上記可動部の上記第2固定部が、上記回動支点軸または上記回動支点軸に近接した位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の接続装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の接続装置を備えていることを特徴とする画像読取装置。
- 請求項7に記載の画像読取装置を備えていることを特徴とする画像形成システム。
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