しかしながら、前述のような原稿の画像が形成されたシートを多数枚原稿トレイにセットして供給搬送し、原稿の画像を画像読取装置に読取らせる原稿読取装置では、原稿トレイにセットされたシートの最上層から1枚のみを取り出して原稿読取装置へ供給搬送する必要があるため、原稿トレイに昇降機能(上下方向の移動機能)を備えさせた昇降トレイが用いられる(例えば、特許文献3参照)。このような昇降トレイには、昇降トレイ自身の上下の移動範囲内において、昇降トレイ上にシートが正しくセットさているか否かを検出するシート検出器(原稿検出器)が備えられており、昇降トレイにシートがセットされている場合には更に昇降トレイの奥の正規の位置にまでシートが挿入されていて正しくセットされているか否かをも検出できるようになっている。
通常、前述のようなシート検出器は、従来の一般的な固定された原稿トレイである場合でも、前述したような昇降機能を有する昇降トレイであっても、トレイの下側又は上側に接触式のセンサとして取り付けられており、このセンサの棒状の接触子がシートの先端部に接触してシートが正しくセットされているか否かを検出する構成が採用されている。
ところが、原稿トレイ(又は昇降トレイ)に収容するシートの積載量を多くした場合には、原稿を検出するセンサの接触子の長さを長くする必要が生じる。具体的には、図20に示すように接触子であるアクチュエータS1a’とセンサ本体S1b’とからなる上部原稿検出器S1’を原稿トレイ22の上側に備える場合には、アクチュエータS1a’の動作範囲をかなりの程度まで大きくする必要がある。すなわち、アクチュエータS1a’の長さを長くする必要があり、アクチュエータS1a’と呼込ローラR1、分離ローラR2,R2a及び分離ローラ軸との間で干渉が発生する。一方、図21に示すように接触子であるアクチュエータS1aとセンサ本体S1bとからなる下部原稿検出器S1を原稿トレイ22の下側に備える場合には、アクチュエータS1aの動作範囲が比較的小さくて済むが、カールしたシートSRが存在するような場合には、原稿トレイ22の原稿束SBの量が少なくなって原稿トレイ22が上昇した状態では、シートの検出ができなくなり、誤検出が発生する虞がある。また、図には示していないが、原稿トレイ22の上側にセンサを備えた場合でも、シートの枚数が少なくなり、しかもシートがカールしているような場合にはシートの検出が困難となり、誤検出の虞が生じる。
一方、原稿トレイにセットされているシートの上面側から下面側へ、又は逆に下面側から上面側へ光を投射してシートを検出するように構成された光学式のセンサも実用化されている。しかし、このような光学式のセンサをシート検出器として用いた場合には、多種多様のシートの検出を確実に行わせるための調整が困難であると共に、透明なOHPフィルムは勿論のこと、一部に半透明又は透明の部分を有するシートには使用できないという問題点を有している。
また、昇降トレイに収容するシートの積載量が多い場合には、昇降トレイの昇降動作範囲が広くなり、昇降トレイの初期位置、又は原稿のセット量によっては原稿が供給できる高さに昇降トレイを上昇させるまでの時間が長くなることが起こるので、昇降トレイの初期位置(ホームポジション)を昇降範囲の中間に設定することが考えられている。この中間位置に昇降トレイを位置させるためには、昇降トレイの中間位置を検出するための検出器を単独で設けることが考えられるが、コストアップに繋がるという問題点を有する。そこで、従来では、昇降範囲の何れかの端部(上部又は下部)の位置を検出できる検出器を設け、該検出器により得られる信号に基づいて昇降トレイの位置がホームポジションとなるように制御するようにしていた。したがって、電源投入後等の初期状態においては昇降トレイの位置がホームポジションにあるか否かが把握できないため、一旦、昇降範囲の下限位置又は上限位置まで昇降トレイを移動させた後、所定量だけ上昇移動又は下降移動させる必要があり、動作可能な状態となるまでに無駄な動作を行わなければならないという問題点を有していた。
更に、電源投入後等の初期状態において、昇降トレイを下限位置の待機させておき、所定時間が経過した時点で給送可能な状態まで昇降トレイを上昇移動させることも提案されているが、利用者が意図しない状態で昇降トレイが上昇する虞があり、原稿のセットを行っている途中であるにも関わらず昇降トレイが上昇してしまうという問題点を有していた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、シート収容手段に収容されているシートの有無を検出する検出手段を備え、この検出手段によりシート収容手段の昇降位置を検出する構成とすることにより、検出器の数を増やすことなくシート収容手段の昇降範囲の中間位置を検出することができ、しかも電源投入後の初期動作を低減して動作時間の短縮化が図れるシート給送装置、並びに、該シート給送装置を備える画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係るシート給送装置は、複数のシートを積層して収容するシート収容手段と、該シート収容手段を昇降させる昇降手段と、該昇降手段により前記シート収容手段を上昇させて当接したシートを最上層から順次的に取出して搬送路へ搬送するシート搬送手段とを備えるシート給送装置において、前記シート収容手段に収容されているシートの有無を検出する検出手段を備え、該検出手段により前記シート収容手段の昇降位置を検出すべくなしてあり、前記検出手段は、前記シート収容手段よりも高い位置から下方へ延出されており、前記シート収容手段に収容されたシートに接触する第1の接触子と、前記シート収容手段よりも低い位置から上方へ延出されており、前記シート収容手段に収容されたシートに接触する第2の接触子とを備え、前記第1又は第2の接触子が前記シート収容手段に収容されたシートに接触することによりシートが有ることを検出すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、シート収容手段に収容されているシートの有無を検出する検出手段を備え、この検出手段によりシート収容手段の昇降位置を検出するようにしている。したがって、シート収容手段の昇降位置を検出するための新たな検出手段を設ける必要がなくなるため、コストの上昇が抑えられる。
本発明にあっては、シート収容手段の上下両側に分割された接触子がシート収容手段に収容されているシートの有無を検出するようにしてあるため、これらの接触子を利用することによりシート収容手段の昇降範囲の中間位置を検出することが可能となる。
本発明に係るシート給送装置は、前記第1の接触子が前記シート収容手段に収容されているシートを検出する第1の検出領域の一部と、前記第2の接触子が前記シート収容手段に収容されているシートを検出する第2の検出領域の一部とが重複するように、前記第1,第2の接触子が形成されていることを特徴とする。
本発明にあっては、シート収容手段の上側に設けられた接触子がシートを検出する検出領域の一部と、シート収容手段の下側に設けられた接触子がシートを検出する検出領域の一部とが重複するように構成されているため、シート収容手段の昇降範囲においてシートが検出されない領域が無くなり、検出精度が高まる。また、シートの検出と同時にシート収容手段の昇降位置が検出される。
本発明に係るシート給送装置は、前記シート収容手段が昇降範囲の略中間位置に存する場合、前記第1,第2の接触子による検出領域の一部が互いに重複するように、前記第1,第2の接触子が形成されていることを特徴とする。
本発明にあっては、シート収容手段が昇降範囲の略中間位置にある場合、両接触子による検出領域の一部が互いに重複するように構成されているため、昇降範囲におけるシート収容手段の中間位置が検出でき、電源投入後等の初期動作において中間位置の設定が正確に行える。
本発明に係るシート給送装置は、前記第2の接触子により前記シート収容手段の昇降位置を検出すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、シート収容手段の下側に設けられた接触子によりシート収容手段の昇降位置を検出するようにしているため、収容しているシートによって昇降位置の検出が阻害されることがなくなる。
本発明に係るシート給送装置は、前記第2の接触子は、前記第1の検出領域にて前記シート収容手段の昇降位置を検出すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、シート収容手段の上側に設けられた接触子がシートを検出する領域にて、下側に設けられた接触子がシート収容手段の昇降位置を検出するようにしている。したがって、シート収容手段に収容されているシートの有無と、シート収容手段の昇降位置とが同時に検出される。
本発明に係るシート給送装置は、電源が投入された際に前記シート収容手段が所定の昇降位置となるように前記昇降手段を制御する手段を備え、電源が投入された際に前記第2の接触子がシート収容手段を検出した場合、前記手段による制御を停止すべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、電源が投入された際にシート収容手段の下側に設けられた接触子がシート収容手段を検出した場合、シート収容手段が所定の昇降位置となるように行う制御を省略するようにしているため、無駄なイニシャル動作を実施せずに済み、シート収容手段を所定の昇降位置にセットする動作の所要時間が短縮される。
本発明に係るシート給送装置は、前記シート搬送手段が前記シート収容手段に収容されているシートに当接していることを検出する給送位置検出手段と、前記シート収容手段が最下位置に存することを検出する最下位置検出手段とを更に備え、前記第1,第2接触子が共に前記シート収容手段に収容されているシートを検出し、かつ前記シート搬送手段がシートに当接していることを前記給送位置検出手段が検出した場合、前記昇降手段は、前記最下位置検出手段が前記シート収容手段を検出するまで下降させるべくなしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、シート収容手段の上下両側に設けられた接触子が共にシートを検出し、かつシート搬送手段がシートに当接していることを給送位置検出手段が検出した場合、シート収容手段を最下位置まで下降させるようにしてあるため、シート収容手段にセットされたシートの量が多すぎる場合にはシート収容手段が下降することとなる。したがって、昇降範囲の中間位置をシート収容手段のホームポジションとしている場合において、セットしたシートの量が多すぎる場合にはホームポジションの再設定が自動的に行われ、シートを追加セットできる空きスペースが形成されるため、操作性を低下させずに済むとともに、シートの量に応じた最適な制御が可能となる。
本発明に係る画像読取装置は、前述した発明の何れかに記載したシート給送装置と、前記シート搬送手段により搬送されたシート上の画像を読取る画像読取手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、新たな検出手段を設けることなくシート収容手段の昇降範囲の中間位置を検出することができ、電源投入時等において無駄な動作を低減して動作時間の短縮化が図れるとともに、シート搬送手段により搬送されたシート上の画像を読取れる。
本発明に係る画像形成装置は、前述した発明に記載の画像読取装置と、前記画像読取手段にて読取られた画像をシート上に形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、新たな検出手段を設けることなくシート収容手段の昇降範囲の中間位置を検出することができ、電源投入時等において無駄な動作を低減して動作時間の短縮化が図れるとともに、読取った画像をシート上に形成することができる。
本発明による場合は、シート収容手段に収容されているシートの有無を検出する検出手段を備え、この検出手段によりシート収容手段の昇降位置を検出するようにしている。したがって、シート収容手段の昇降位置を検出するための新たな検出手段を設ける必要がなくなるため、コストの上昇を抑えることができる。
本発明による場合は、シート収容手段の上下両側に分割された接触子がシート収容手段に収容されているシートの有無を検出するようにしてあるため、これらの接触子を利用することによりシート収容手段の昇降範囲の中間位置を検出することができる。
本発明による場合は、シート収容手段の上側に設けられた接触子がシートを検出する検出領域の一部と、シート収容手段の下側に設けられた接触子がシートを検出する検出領域の一部とが重複するように構成されているため、シート収容手段の昇降範囲においてシートが検出されない領域が無くなり、検出精度を高めることができる。また、シートの検出と同時にシート収容手段の昇降位置を検出することができる。
本発明による場合は、シート収容手段が昇降範囲の略中間位置にある場合、両接触子による検出領域の一部が互いに重複するように構成されているため、昇降範囲におけるシート収容手段の中間位置を検出することができ、電源投入後等の初期動作において中間位置の設定を正確に行うことができる。
本発明による場合は、シート収容手段の下側に設けられた接触子によりシート収容手段の昇降位置を検出するようにしているため、収容しているシートにより阻害されることなく昇降位置を検出することができる。
本発明による場合は、シート収容手段の上側に設けられた接触子がシートを検出する領域にて、下側に設けられた接触子がシート収容手段の昇降位置を検出するようにしている。したがって、シート収容手段に収容されているシートの有無と、シート収容手段の昇降位置とを同時に検出することができる。
本発明による場合は、電源が投入された際にシート収容手段の下側に設けられた接触子がシート収容手段を検出した場合、シート収容手段が所定の昇降位置となるように行う制御を省略するようにしているため、無駄なイニシャル動作を実施せずに済み、シート収容手段を所定の昇降位置にセットする動作の所要時間を短縮することができる。
本発明による場合は、シート収容手段の上下両側に設けられた接触子が共にシートを検出し、かつシート搬送手段がシートに当接していることを給送位置検出手段が検出した場合、シート収容手段を最下位置まで下降させるようにしてあるため、シート収容手段にセットされたシートの量が多すぎる場合にはシート収容手段が下降することとなる。したがって、昇降範囲の中間位置をシート収容手段のホームポジションとしている場合において、セットしたシートの量が多すぎる場合にはホームポジションの再設定が自動的に行われ、シートを追加セットできるスペースが形成されるため、操作性を低下させずに済むとともに、シートの量に応じた最適な制御が可能となる。
本発明による場合は、新たな検出手段を設けることなくシート収容手段の昇降範囲の中間位置を検出することができ、電源投入時等において無駄な動作を低減して動作時間の短縮化が図れるとともに、シート搬送手段により搬送されたシート上の画像を読取ることができる。
本発明による場合は、新たな検出手段を設けることなくシート収容手段の昇降範囲の中間位置を検出することができ、電源投入時等において無駄な動作を低減して動作時間の短縮化が図れるとともに、読取った画像をシート上に形成することができる。
以下、本発明に係るシート給送装置を、自動原稿搬送装置を備える画像読取装置及び画像形成装置に適用した形態についてその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、実施の形態1では画像読取装置について説明し、実施の形態2では画像形成装置について説明する。
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係る画像読取装置の機械的構成を示す縦断面図である。図中1は、画像読取装置であり、該画像読取装置1は、大略的に光学系2、及びその上方に配置される自動原稿搬送装置3(以下、ADF3と称する。ADF : Automatic Document Feeder)により構成されており、原稿の一面又は両面に形成された画像を読取ることができるスキャナ装置として利用されるものである。
光学系2は、第1の読取手段であるCCD読取ユニット11(CCD : Charge Coupled Device)、光源ユニット13、及びミラーユニット14を備えており、光源ユニット13及びミラーユニット14を利用することにより、ガラス製の原稿台12上に載置され、平面支持された原稿の画像を所定位置に設けられたCCD読取ユニット11に読取らせる。CCD読取ユニット11は、結像レンズ11a及びCCD11bを備えており、後述する各部を通過した原稿からの反射光を、結像レンズ11aを介してCCD11bに結像させている。
光源ユニット13は、露光ランプ13a、その露光ランプ13aから照射される読取用の照明光を前記原稿台12上の所定の読取位置に集光する凹面のリフレクタ13b、原稿からの反射光のみを通過させるスリット13c、及びスリット13cを通過した光の光路を90°変更するために原稿台12の面に対して反射面を45°に設置されたミラー13d等により構成されている。ミラーユニット14は、光源ユニット13のミラー13dで光路を90°変更された光の光路を更に180°変更するために反射面が相互に直交するように配置された一対のミラー14a,14bにより構成されている。
光源ユニット13は参照符13e,13f等で示すように、原稿台12の面に平行に図の白抜矢符の方向(副走査方向)に移動し、ミラーユニット14も同様に白抜矢符の方向に移動することによって、原稿台12上に載置されている原稿の画像を読取ることができる。なお、このとき、ミラーユニット14の移動速度は光源ユニット13の移動速度の半分にする必要がある。また、これらの光源ユニット13及びミラーユニット14の移動はステッピングモータ(図2参照)により行われる。
なお、CCD読取ユニット11は、少なくとも結像レンズ11a、CCD11b、及び露光ランプ13aを一つのユニットに構成した縮小読取光学系(又は等倍読取光学系)のユニットを副走査方向に走査させつつ、露光ランプ13aから照射した光を原稿によって反射させた反射光を結像レンズ11aを介してCCD11bに結像させる構成であってもよい。
また、この光学系2には、原稿台12とは別に、副走査方向に離間した位置に原稿台16が備えられている。光源ユニット13は、この原稿台16の下方にて静止した状態で、原稿台16上を搬送されてゆく原稿の一方の面(以下、この面を表面とする)の画像を読取ることができる。この原稿台16上を搬送された原稿の出口付近には、排紙トレイ17が設けられている。
一方、ADF3は、第2の読取手段であるCIS21(Contact Image Sensor)を原稿台16と対向する位置に備えている。ADF3は、原稿トレイ22上に積層状態で載置された原稿を1枚ずつ取り込んでCIS21に原稿の他方の面(以下、この面を裏面とする)の画像を読取らせる。このため、ADF3は、各種のローラR1〜R11、検出器S0〜S8、湾曲搬送経路23及びレジスト・斜行補正領域24を更に備えている。
なお、CIS21は、例えばアレイ状に配列されたイメージセンサ及び導光手段(セルフォックレンズ等のレンズアレイ)、並びに光源(LEDアレイ光源又は蛍光灯)等を備えている。
なお、各種のローラR1〜R10は原稿搬送モータ(図2参照)により駆動されるようになっている。また、詳細については後述するが、呼込ローラR1、及びベルトなどの伝達手段にて連結されている分離ローラR2には呼込ローラクラッチ(図2参照)が、レジストローラR8,R9の何れか一方にはレジストローラクラッチ(図2参照)がそれぞれ接続されており、後述する制御部(図2参照)の制御によりこれらのクラッチが継断されることにより、原稿搬送モータの駆動力が呼込ローラR1、分離ローラR2、レジストローラR8,R9に伝達されたり、遮断されたりする。
原稿トレイ22は電気モータである昇降モータ33の駆動力により昇降する電動式のトレイであり、複数のシートを積層して収容する。原稿トレイ22の先端部近傍には、原稿がセットされた場合に原稿の先端部に当接して回動する接触子であるアクチュエータS1a’とこの回動を検知するセンサ本体S1b’とからなる接触式の上部原稿検出器S1’、及び原稿トレイ22の昇降移動に応じて回動するように構成されたアクチュエータS1aとこの回動を検知するセンサ本体S1bとからなる接触式の下部原稿検出器S1が設けられている。画像読取装置1の電源が投入された場合に下部原稿検出器S1がオンとなったとき、すなわち、下部原稿検出器S1のセンサ本体S1bがアクチュエータS1aの回動を検知したとき、その高さ位置を保つように昇降モータ33を制御して原稿トレイ22を停止させる。また、この時点で上部原稿検出器S1’がオンとなったとき、すなわち、上部原稿検出器S1’のセンサ本体S1b’がアクチュエータS1a’の回動を検知したとき、利用者によって原稿トレイ22に原稿がセットされたと判断し、原稿読取りの開始指示が与えられるまでその状態で待機する。なお、原稿トレイ22に原稿がセットされている、いないに関わらず、この状態での原稿トレイ22の高さ位置をホームポジション(HP)と呼び、電源投入後の原稿トレイ22の高さ位置がホームポジションでない場合、又は原稿の読取りが完了した場合、画像読取装置1の制御部が昇降モータを駆動制御し、その高さ位置がホームポジションとなるように原稿トレイ22を昇降移動させるようにしている。
そして、原稿の読取りを開始させる信号が入力された場合、呼込ローラR1と分離ローラR2とが回転駆動されて原稿束の最上層の原稿から順次取込まれる。呼込ローラR1の下流側には、分離ローラR2,R2aが配置されている。呼込ローラR1はアーム25により支持されており、アーム25は分離ローラR2の回転軸に回動可能に支持されている。そして、呼込ローラR1は自重により原稿トレイ22にセットされた最上層の原稿に接触するようになっている。また、呼込ローラR1は図示しないストッパにより必要以上に下降しないように構成されている。後述するように、アーム25には凸部が形成されており、光センサ等で構成された呼込ローラ位置検出器S2によって、呼込ローラR1の高さをアーム25の揺動角から検出できるようになっている。
なお、本実施の形態では、アーム25に凸部を設けて呼込ローラ位置検出器S2を設置し、この呼込ローラ位置検出器S2により直接的に呼込ローラR1の高さ位置を検出する構成を採っているが、呼込ローラ位置検出器S2をアーム25から離れた位置に設置する構成であってもよい。その場合には、可動連結手段を用いてアーム25の高さ位置を検出できるようにすればよい。
分離ローラR2は、トルクリミッタを備えた分離ローラR2a(代わりに摩擦パットであってもよい)に対向して設けられている。したがって、呼込ローラR1によって複数枚の原稿が取込まれても、分離ローラR2,R2aによって、呼込ローラR1が密着していた最上層の原稿のみが取込まれ、原稿が重送されることなく1枚ずつ原稿が確実に分離されて搬送されるようになっている。
なお、原稿が前記分離ローラR2,R2aで確実に分離供給されたか否かは、アクチュエータS3a及びセンサ本体S3bからなる給紙検出器S3によって検出される。そして、原稿は所定のタイミングで下流側の湾曲搬送経路23へと搬送される。
湾曲搬送経路23では、原稿は搬送ローラR3〜R7によって搬送され、無理なく搬送されているか否かは、アクチュエータS4a及びセンサ本体S4bからなり、湾曲搬送経路23からの原稿の排出を検出する給紙検出器S4によって検出される。湾曲搬送経路23は、多種の原稿を安定して搬送することができる曲率となっており、読取り可能な原稿のうち、最も厚い、すなわち最も腰のある原稿を円滑に搬送できる曲率で構成されている。
湾曲搬送経路23から排出された原稿は、レジスト・斜行補正領域24に搬送され、その先端が該レジスト・斜行補正領域24の出口付近にあるレジストローラR8,R9の手前に配置された給紙検出器S5によって検出された場合、レジストローラR8,R9を停止させた状態で、所定時間に亘って上流側からの搬送力でもって原稿の先端をレジストローラR8,R9の合わせ目に衝突させ、レジスト及び斜行の補正を行う。給紙検出器S5は、アクチュエータS5a及びセンサ本体S5bにより構成される。
レジスト・斜行補正領域24は、湾曲搬送経路23の下流側に位置する搬送ローラR6,R7からレジストローラR8,R9までのレジスト・斜行補正領域24において、前述のような原稿のレジスト及び斜行の補正を行えるように、搬送ローラR6,R7とレジストローラR8,R9との間で原稿Sの状態がほぼ直線となり、搬送経路のガイド面から極力フリーとなるように考慮されている。なお、搬送ローラR6,R7とレジストローラR8,R9との間の距離は、原稿送り装置として処理することが可能な原稿の中で、最も小さな原稿の搬送方向の長さが最低限確保されていればよい。すなわち、湾曲搬送経路23内に残っている原稿の後端部分が短い程、原稿のレジスト及び斜行の補正がスムーズに行えることとなる。
レジスト・斜行補正領域24においてレジスト及び斜行の補正が行われた原稿は、所定のタイミングで搬送が再開され、原稿の表面を露光走査するための第1の読取り位置Pos1へと搬送される。さらに、原稿の裏面を露光走査するための第2の読取り位置Pos2を通過する。第1の読取り位置Pos1には光源ユニット13が、第2の読取り位置Pos2にはCIS21がそれぞれ臨んでいる。
このようにして表面または表裏両面の画像を読取られた原稿は、排出ローラR10,R11(ただし、排出ローラR11は光学系2側に設けられている)によって、原稿排出点よりも低い位置にある画像読取装置1の側面に支持された排紙トレイ17上へと排出される。この原稿の排出動作の確認は、アクチュエータS6a及びセンサ本体S6bからなる排紙検出器S6によって検出される。以上の動作が、原稿トレイ22上にセットされた原稿がなくなるまで順次的に繰返され、読取りが完了した原稿はすべて排紙トレイ17上に順次排出される。
ところで、原稿が順次給紙される毎に原稿束の高さが下がってくるので、呼込ローラR1の位置が下がった分だけ原稿トレイ22を上昇させて、常に原稿束の最上層と呼込ローラR1とが所定の高さ関係を保てるように制御する必要がある。このため、原稿トレイ22は、支点22aを中心に揺動可能になっており、その支点22aとは反対側の端部に設けられたリブ22bが、昇降プレート31によって押し上げられることで上昇可能となっており、逆に、昇降プレート31が下がることによりリブ22bが下降するようになっている。昇降プレート31は、リブ22bとは反対側の端部がプレート支持軸32に固着されており、このプレート支持軸32が、伝達部材(歯車)列からなる昇降機構部34を介して昇降モータ33によって回転駆動される。
原稿トレイ22が下降した場合には、その先端部の底面が図中の破線により示したようにストッパの上面に当接してそれ以上の下降が禁じられる。この状態において、原稿トレイ下限位置検出器S8のアクチュエータS8aが原稿トレイ22の下面に当接して所定角度だけ回動するように構成されており、この回動をセンサ本体S8bが検知することにより、原稿トレイ22が最下位置に位置していることを検出できるようになっている。
一方、原稿がセットされている状態で原稿トレイ22を上昇させた場合には、原稿の最上層が呼込ローラ位置検出器S2に当接するように構成されており、また、原稿がセットされていない状態で原稿トレイ22を上昇させた場合には、原稿トレイ22の上面が呼込ローラ位置検出器S2に当接するように構成されている。すなわち、呼込ローラ位置検出器S2は、原稿の最上層が適正な搬送レベルにあるか否かを検出できるだけでなく、原稿トレイ22の上限位置をも検出できるようになっている。
更に、原稿トレイ22は、前述したように安定した原稿の搬送を保証できるように設定された湾曲搬送経路23によって必然的に形成される湾曲搬送経路23の入口側の高さ位置と出口側の高さ位置との間の範囲内で昇降変位できるようになっている。原稿トレイ22がこの範囲内で下降方向に移動した場合には、原稿トレイ22と呼込ローラR1との間隔が大きくなるので原稿を大量に載置することが可能となるとともに、原稿トレイ22上に載置された大量の原稿の最上層を湾曲搬送経路23の入口へと給紙可能な状態まで上昇させることにより、順次給紙することができるようになっている。
また、原稿トレイ22には、原稿の側部を揃えて原稿の載置位置を規制するための原稿規制板30が設けられており、この原稿規制板30の位置は、原稿の横幅(原稿の給送方向とは直交する方向の長さ)を検出するための第1原稿サイズ検出器S0によって検出されるようになっている。なお、原稿トレイ22には、原稿の長さ(原稿の給送方向の長さ)を検出するためのアクチュエータS7a及びセンサ本体S7bからなる第2原稿サイズ検出器S7も設置されている。これらの第1及び第2原稿サイズ検出器S0,S7により、原稿トレイ22上に載置されている原稿のサイズが検出され、この検出結果に基づいて画像形成時の用紙選択等が行われる。
一方、原稿台12上の原稿を読取る際には、光源ユニット13は、図中の位置Pos3(静止位置の読取り時の光源ユニット13のスタート位置)から位置Pos4(最大原稿の読取り時の光源ユニット13のリターン位置)の方向に、原稿台12上に載置されている原稿のサイズを検出するための第3原稿サイズ検出器(図2参照)で検出された原稿サイズに応じて所定距離だけ移動するようになっている。
これに対して、搬送されてくる原稿を読取る際には、光源ユニット13は、第1の読取り位置Pos1(走行原稿の読取り時の光源ユニット13の位置)に停止している。また、光源ユニット13は、位置Pos3と位置Pos4との中間の位置、または位置Pos3と第1の読取り位置Pos1との中間の位置の何れかを、光源ユニット13の位置検出器である光源ユニット検出器(図2参照)の検出結果に基づいてホームポジションとしている。したがって、光源ユニット13が使用されていない場合、すなわち待機中にはこのホームポジションで停止状態にある。
ここで、ADF3は、原稿台12上に載置された原稿を読取るために、画像読取装置1の奥側(紙面の奥側)の部分が光学系2との間に設けられたヒンジ(図示せず)により回動可能に支持されている。このヒンジを回動支点として、ADF3は原稿台12に対して上方に回動して開くようになっている。すなわち、ADF3が上方に回動して開くことにより、図1上で画像読取装置1の原稿台12の上面が手前側から開放できるようになっており、シート状でないためにADF3では搬送できない種類の原稿、例えば、ブック物、製本済の原稿等を原稿台12上にセットできるようになっている。
なお、ADF3の底面、すなわち原稿台12と対向する面には、弾力性を有する素材で形成された原稿マット35が備えられている。
前述のように構成される画像読取装置1は、静止読取モード、走行読取モード、両面読取モードの3つのモードで原稿の読取りが可能である。静止読取モードは、光源ユニット13及びミラーユニット14を走査させ、CCD読取ユニット11により原稿台12上に載置されたブック物等の原稿の画像を読取るモードである。また、走行読取モード及び両面読取モードは、共に原稿トレイ22にセットされた原稿の画像をADF3で自動的に1枚ずつ給送しながら読取るモードであり、走行読取モードではCCD読取ユニット11によって原稿の読取りを行い、両面読取モードでは、CCD読取ユニット11及びCIS21の双方を利用して原稿の画像を読取る。
なお、本実施の形態において、原稿トレイ22にセット可能な原稿の最大枚数は、例えば通常のコピー用紙程度の厚さであれば200枚程度である。
図2は本実施の形態に係る画像読取装置1の制御系の構成を示すブロック図である。なお、図2では図1に示した構成と同一又は対応する部分には同一の参照符号を付しており、その説明については省略することとする。
画像読取装置1はマイクロコンピュータ等で構成される制御部41を備えており、各種の制御を行う。制御部41には、原稿トレイ22にセットされた原稿のサイズを検出する第1,第2原稿サイズ検出器S0,S7、原稿台12上にセットされた原稿のサイズを検出する第3原稿サイズ検出器S9の検出結果が与えられており、制御部41は、これらの原稿サイズ検出器S0,S7,S9の検出結果に基づいて、使用する用紙及びタイミング等の制御の切替えを行う。
CCD読取ユニット11を利用した原稿の読取りでは、制御部41は、ステッピングモータ42を駆動制御して光源ユニット13及びミラーユニット14を前述の如く移動させるとともに、光源ユニット検出器S10よって検出された光源ユニット13の位置に応じて、露光ランプ13a及びCCD11bを制御し、原稿の画像を読取る。
これに対して、ADF3を利用した原稿の読取りでは、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2の検出結果に基づいて昇降モータ33を駆動制御して、原稿トレイ22にセットされた原稿束の最上層の高さを一定に保持しながら、原稿トレイ22上の原稿がなくなったことを上部原稿検出器S1’が検出するまで、各検出器S3〜S6の検出結果に基づいて原稿搬送モータ43、呼込ローラR1の呼込ローラクラッチ44及びレジストローラR8,R9のレジストローラクラッチ45を制御して搬送を行ないつつ、CCD11b及びCIS21を制御して原稿の画像を読取る。
このようにして読取った画像のデータ(画像データ)は、画像メモリ40に一時的に格納された後、制御部41が指示するタイミングにて読出処理が行われ、適宜の転送先へ転送される。また、制御部41は、液晶タッチパネル等で構成されている操作部46に必要な情報を表示させるとともに、操作部46を通じて入力される選択操作を受付ける。
図3は画像読取装置1の操作部46の構成例を示す模式図である。操作部46は、図1には示されていないが、画像読取装置1の上面に設けられており、各種ハードウェアキーK1〜K8を備えるとともに、液晶タッチパネルで構成した操作パネルP等を備えている。
操作部46に備えられている各種のハードウェアキーK1〜K8は、K1が数字入力のためのテンキーであり、K2が割り込み処理のためのキーであり、K3がクリアキーであり、K4がオールクリア(全解除)キーであり、K5が原稿の読取りを開始させるためのスタートキーであり、K6,K7,K8はそれぞれファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能を選択するための機能切替キーである。
なお、本実施の形態に係る画像読取装置1は、外部のファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリ通信手段、用紙上に画像形成を行う画像形成手段等を備えていないため、必ずしも機能切替キーK6〜K8を備えている必要はないが、画像読取装置1が、ファクシミリ通信手段、画像形成手段を備えた画像形成装置に後付機器として接続される場合があるため、これらの機能切替キーK6〜K8を予め備える構成であってもよい。
操作パネルPの画面上には種々の画面が切替え表示される。これらの画面では、種々の条件を設定するためのタッチキーが表示され、それらのタッチキーを利用者が指で直接押圧操作することにより各種の条件設定が可能になる。また、操作のガイダンス及び警告等もこの操作パネルPに表示されるように構成されている。なお、原稿トレイ22に原稿がセットされ、給紙可能となった場合にはスタートキーK5を点灯させ、利用者に対してその旨を知らしめるように構成されている。
以下では、原稿トレイ22を昇降移動させる際の各部の動作状態について説明する。図4は原稿トレイ22の昇降範囲を説明する模式図であり、図5は原稿トレイ22の先端近傍を拡大した拡大斜視図である。図4に示すように、アーム25の下方の位置には、原稿トレイ22にセットされた原稿の先端部が揃った状態で、しかも原稿トレイ22にセットされている原稿束の最上層の上面が原稿トレイ22が上昇した場合に呼込ローラR1の下側に当接する位置に正しくセットされるようにするための原稿先端規制板28が設けられている。この原稿先端規制板28は、呼込ローラR1の軸方向と平行な平板状に形成されており、その下端部が原稿トレイ22側へ折り曲げられて突出する形状に形成されていて、この部分が原稿トレイ22の下限位置(最下位置)のストッパ280を構成する。
したがって、原稿トレイ22が下降した場合にはその先端部の底面が図2に破線で示した如くストッパ280の上面に当接し、それ以上の下降が禁じられる。なお、原稿トレイ22が下限位置に達したことは、前述したようにアクチュエータS8aとセンサ本体S8bとからなる原稿トレイ下限位置検出器S8によって検出される。
下部原稿検出器S1のセンサ本体S1bは、原稿トレイ22が下限位置に位置している場合であっても干渉しないように原稿トレイ22の底面よりも更に低い位置に固定されている。下部原稿検出器S1の接触子であるアクチュエータS1aは、センサ本体S1bの側端部を回動中心として上方へ向けられていて原稿の給送方向へ回動可能な棒状の接触子である。なお、図5に示したように原稿トレイ22の先端部にはアクチュエータS1aが接触しないように切欠部22sが設けられており、原稿トレイ22が下限位置にある場合にアクチュエータS1aの先端の位置が昇降範囲の中間位置よりも若干上側へ突出するように構成されている。
原稿トレイ22を下限位置から上昇させた場合、原稿トレイ22の先端部の底面側に設けたリブ22cがアクチュエータS1aの先端近傍に設けたくの字型の押圧部S1cを押圧し、アクチュエータS1aを原稿の給送方向へ回動させるように構成されている。なお、図には示していないが、原稿先端規制板28にも切欠部を設けており、アクチュエータS1aと原稿先端規制板28とが接触しないようになっている。したがって、下部原稿検出器S1のアクチュエータS1aの検出領域は、原稿トレイ22の昇降範囲の下限位置と中間位置との間の範囲である下部領域全体と、この下部領域を上側へ若干越えた領域までをカバーすることとなる。
一方、上部原稿検出器S1’のセンサ本体S1b’は、原稿トレイ22が上限位置、すなわち、原稿トレイ22に原稿がセットされていない状態で原稿トレイ22が呼込ローラR1に当接する位置、にある場合であっても干渉しないように原稿トレイ22の上面よりもさらに更に高い位置に固定されている。上部原稿検出器S1’の接触子であるアクチュエータS1a’は、センサ本体S1b’の側端部を回動中心として下方へ向けられていて原稿の給送方向へ回動可能な棒状の接触子である。なお、図5に示したように原稿トレイ22の先端部にはアクチュエータS1a’が接触しないように切欠部22s’が設けられており、原稿トレイ22に原稿がセットされていない場合にアクチュエータS1a’の先端の位置が昇降範囲の中間位置よりも若干下側へ突出するように構成されている。
また、原稿トレイ22に原稿をセットした場合、アクチュエータS1a’は原稿の先端部により押圧され、アクチュエータS1a’が原稿の給送方向へ回動するように構成されている。なお、図には示していないが原稿先端規制板28にも切欠部を設けており、アクチュエータS1a’と原稿先端規制板28とが接触しないようになっている。したがって、上部原稿検出器S1’のアクチュエータS1a’の検出領域は、原稿トレイ22の昇降範囲の上限位置と中間位置との間の範囲である上部領域全体と、この上部領域を下側へ若干越えた領域までをカバーすることとなる。
図6〜図12は待機時又は原稿読取時における各部の動作状態を説明する模式図であり、図13は各検出器S1,S1’,S2,S8の出力に応じて定まる原稿トレイ22の状態を示す図表である。図6は原稿トレイ22がホームポジションで待機している状態を示している。この状態では、原稿トレイ22のリブ22cが下部原稿検出器S1のアクチュエータS1aに設けた押圧部S1cを押圧して回動するので、これをセンサ本体S1bが検出して下部原稿検出器S1が検知状態(オン状態)となる。一方、原稿トレイ22には原稿がセットされていないため、上部原稿検出器S1’のアクチュエータS1a’は回動せず、上部原稿検出器S1’が非検知状態(オフ状態)となる。また、この状態では下限位置にも上限位置にも達していないため、原稿トレイ下限位置検出器S8及び呼込ローラ位置検出器S2の双方が非検知状態(オフ状態)となる。
したがって、この場合の原稿トレイ22は、図13に示した「状態6」の状態、すなわち、原稿トレイ22には原稿がセットされておらず、また原稿トレイ22は昇降範囲の中間位置にある状態となる。
図7は、図6に示した待機状態において原稿トレイ22に適量の原稿束SBをセットした状態を示している。この状態では、図6と同じように原稿トレイ22のリブ22cが下部原稿検出器S1のアクチュエータS1aに設けた押圧部S1cを押圧して回動しているため、これをセンサ本体S1bが検出して下部原稿検出器S1が検知状態(オン状態)となっている。一方、原稿トレイ22に原稿束SBがセットされた場合には、原稿束SBの先端部が上部原稿検出器S1’のアクチュエータS1a’を押圧して回動させるため、これをセンサ本体S1b’が検出して上部原稿検出器S1’が検知状態(オン状態)となる。また、この状態では下限位置にも上限位置にも達していないため、原稿トレイ下限位置検出器S8及び呼込ローラ位置検出器S2の双方は非検知状態(オフ状態)となっている。
したがって、この場合に原稿トレイ22は、図13に示した「状態1」の状態となり、原稿トレイ22には十分な原稿がセットされており、また原稿トレイ22は昇降範囲の中間位置以下にあることが検出される。
図8は、原稿トレイ22にセットされた原稿束SBの最上層が搬送レベルにある場合の状態を示している。この状態では、下部原稿検出器S1のアクチュエータS1a及び上部原稿検出器S1’のアクチュエータS1a’が原稿の搬送方向へ回動しているため、下部原稿検出器S1及び上部原稿検出器S1’の双方が検知状態(オン状態)となっている。一方、原稿トレイ22にセットされた原稿束SBが呼込ローラR1を押上げることによりアーム25の揺動角が変化するため、これを呼込ローラ位置検出器S2のセンサが検出して呼込ローラ位置検出器S2が検知状態(オン状態)となる。なお、原稿トレイ22は下限位置にないため、原稿トレイ下限位置検出器S8は非検知状態(オフ状態)となっている。
したがって、原稿トレイ22は、図13に示した「状態2」の状態となり、原稿トレイ22には十分な原稿がセットされており、また原稿トレイ22にセットした原稿束SBの最上層が搬送可能な状態にあることが検出される。
図9は、原稿がセットされていない状態で原稿トレイ22が上限位置に達した場合の状態を示している。この状態では、原稿トレイ22のリブ22cによる押圧が解除されるため、下部原稿検出器S1のアクチュエータS1aが原稿の搬送方向へ回動されていない状態となり、下部原稿検出器S1が非検知状態(オフ状態)となる。また、原稿トレイ22に原稿がセットされていないため、上部原稿検出器S1’も非検知状態(オフ状態)となる。一方、原稿トレイ22の上面が呼込ローラR1を押上げることによりアーム25の揺動角が変化するため、これを呼込ローラ位置検出器S2のセンサが検出して呼込ローラ位置検出器S2が検知状態(オン状態)となる。なお、原稿トレイ22は下限位置にないため、原稿トレイ下限位置検出器S8は非検知状態(オフ状態)となっている。
したがって、原稿トレイ22は、図13に示した「状態15」の状態となり、原稿トレイ22にセットされた原稿は無く、また原稿トレイ22が上限位置に達している状態であることが検出される。
図10は、原稿トレイ22にセットされた原稿束SBの量が少なく、原稿トレイ22が下部領域にある場合の状態を示している。この状態では、下部原稿検出器S1のアクチュエータS1a自体が原稿トレイ22にセットされた原稿束SBの先端部によって押圧され、アクチュエータS1aが原稿の搬送方向へ回動するため、これをセンサ本体S1bが検出して下部原稿検出器S1が検知状態(オン状態)となる。一方、セットされた原稿束SBの最上層は、上部原稿検出器S1’のアクチュエータS1a’の先端部よりも下方に位置しているため、アクチュエータS1a’は原稿束SBから押圧されず、原稿の搬送方向に回動していないため、上部原稿検出器S1’は非検知状態(オフ状態)となる。一方、原稿トレイ22は中間位置よりも下方に位置しているが、下限位置には達していないために、原稿トレイ下限位置検出器S8は非検知状態(オフ状態)となり、原稿の搬送レベルを検出する呼込ローラ位置検出器S2も非検知状態(オフ状態)となる。
したがって、原稿トレイ22は、図13に示した「状態5」の状態、すなわち、原稿トレイ22にセットされた原稿束SBが少量であり、原稿トレイ22が中間位置よりも下方にある状態となる。なお、「状態6」の状態(図6参照)と、「状態5」の状態(図10参照)とは、本実施の形態による検出器の構成では区別できないこととなるが、原稿トレイ22を上昇させて行く過程において、上部原稿検出器S1’によって原稿の有無が検出されるため、使用上の問題はないと考えられる。
図11は、原稿トレイ22が下限位置にあるときに少量の原稿束SBがセットされた場合の状態を示している。この状態では、下部原稿検出器S1のアクチュエータS1a自体が原稿トレイ22にセットされた原稿束SBの先端部によって押圧され、アクチュエータS1aが原稿の搬送方向へ回動するため、これをセンサ本体S1bが検出して下部原稿検出器S1が検知状態(オン状態)となる。一方、セットされた原稿束SBの最上層は、上部原稿検出器S1’のアクチュエータS1a’の先端部よりも下方に位置しているため、アクチュエータS1a’は原稿束SBから押圧されず、原稿の搬送方向に回動していないため、上部原稿検出器S1’は非検知状態(オフ状態)となる。また、図10と異なって、原稿トレイ22の下面が原稿トレイ下限位置検出器S8のアクチュエータS8aを回動させているため、原稿トレイ下限位置検出器S8は検知状態(オン状態)となる。また、原稿の搬送レベルを検出する呼込ローラ位置検出器S2も非検知状態(オフ状態)となっている。
したがって、原稿トレイ22は、図13に示した「状態8」の状態となり、原稿トレイ22にセットされた原稿束SBが少量であり、原稿トレイ22が下限位置に位置していることが検出される。
図12は、原稿トレイ22が下限位置にあるときに多量の原稿束SBがセットされた場合の状態を示している。この状態では、下部原稿検出器S1のアクチュエータS1a自体が原稿トレイ22にセットされた原稿束SBの先端部によって押圧され、アクチュエータS1aが原稿の搬送方向へ回動するため、これをセンサ本体S1bが検出して下部原稿検出器S1が検知状態(オン状態)となる。また、上部原稿検出器S1’のアクチュエータS1a’自体も原稿束SBによって押圧されるため、アクチュエータS1a’が原稿の搬送方向へ回動し、これをセンサ本体S1b’が検出して上部原稿検出器S1’が検知状態(オン状態)となる。更に、原稿トレイ22の下面が原稿トレイ下限位置検出器S8のアクチュエータS8aを回動させているため、原稿トレイ下限位置検出器S8は検知状態(オン状態)となる。また、原稿の搬送レベルを検出する呼込ローラ位置検出器S2は非検知状態(オフ状態)となっている。
したがって、原稿トレイ22は、図13に示した「状態3」の状態となり、原稿トレイ22にセットされた原稿束SBが多く、原稿トレイ22が下限位置に位置していることが検出される。
以下、画像読取装置1の制御部41が原稿トレイ22を制御する際の制御手順について説明する。図14は原稿トレイ22が待機状態となるまでの制御手順を説明するフローチャートである。画像読取装置1の電源が投入された場合(ステップS11)、制御部41は、原稿トレイ22が所定位置(ホームポジション)に位置しているか否かを判断する(ステップS12)。本実施の形態では、原稿トレイ22が中間位置に位置している場合をホームポジションとして設定しており、下部原稿検出器S1、原稿トレイ下限位置検出器S8、及び呼込ローラ位置検出器S2の出力に基づいて中間位置に位置しているか否かを判断することができる。原稿トレイ22が所定位置に存在すると判断した場合(S12:YES)、原稿トレイ22を昇降させずにその位置で維持し(ステップS13)、原稿の読取りを指示する信号が入力されるまで待機する(ステップS14)。
一方、ステップS12において、原稿トレイ22が所定位置に存在しないと判断した場合(S12:NO)、制御部41は、昇降モータ33を駆動制御して原稿トレイ22を下降させる(ステップS15)。このとき、制御部41は、昇降モータ33を駆動制御して原稿トレイ22を下降移動させつつ、原稿トレイ下限位置検出器S8の出力を監視することにより、原稿トレイ22の最下位置を検出したか否かを判断する(ステップS16)。最下位置を検出していない場合(S16:NO)、処理をステップS12へ戻す。また、原稿トレイ22の最下位置を検出したと判断した場合(S16:YES)、制御部41はその状態から昇降モータ33を所定のステップ数だけ駆動して、所定の位置まで上昇させ(ステップS17)、原稿の読取りを指示する信号が入力されるまで待機する(S14)。
なお、本実施の形態では、ステップS12において原稿トレイ22が所定に位置にないと判断した場合、一旦、最下位置まで下降させ、その後、昇降モータ33を駆動制御することにより所定位置まで上昇させる構成としたが、原稿の読取位置まで上昇させた後に所定位置まで下降させるように制御する構成であっても良いことは勿論のことである。
図15及び図16は画像読取装置1が原稿を読取る際の制御部41の制御手順を説明するフローチャートである。まず、画像読取装置1の制御部41は、上部原稿検出器S1’がオンとなったか否かを判断することにより、原稿トレイ22に原稿がセットされたか否かを判断する(ステップS21)。原稿がセットされていないと判断した場合、すなわち、上部原稿検出器S1’がオンとなっていないと判断した場合(S21:NO)、原稿がセットされるまで待機する。
上部原稿検出器S1’がオンとなったと判断した場合(S21:YES)、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2がオンとなったか否かを判断する(ステップS22)。上部原稿検出器S1’がオンとなった時点で呼込ローラ位置検出器S2がオンとなった場合(S22:YES)、昇降モータ33を駆動制御することにより、原稿トレイ22を下降させる(ステップS23)。原稿トレイ22を下降移動させている間、制御部41は、原稿トレイ下限位置検出器S8の出力を監視することにより、原稿トレイ22が最下位置に達したか否かを判断する(ステップS24)。最下位置に達していないと判断した場合(S24:NO)、原稿トレイ22の下降移動を継続させる。
原稿トレイ22が最下位置に達したと判断した場合(S24:YES)、制御部41は、昇降モータ33の駆動を停止させ、原稿トレイ22の下降移動を停止させる(ステップS25)。次いで、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2が依然としてオンとなっているか否かを判断し(ステップS26)、呼込ローラ位置検出器S2がオンとなっていると判断した場合(S26:YES)、原稿積載量が超過したことを表示すると共に、大容量原稿モードの案内を表示する(ステップS27)。ここで、大容量原稿モードとは、原稿トレイ22に一度にセットできないくらいの多量の原稿を一連のデータとして読取るモードであり、数回に分けて読取らせるための案内を操作パネルPに表示するようにしている。次いで、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2がオフとなったか否かを判断することにより、セットされた原稿の一部が取り除かれたか否かを判断する(ステップS28)。呼込ローラ位置検出器S2がオンのままであると判断した場合(S28:NO)、呼込ローラ位置検出器S2がオフになるまで待機する。
ステップS25で原稿トレイ22を停止させた後、呼込ローラ位置検出器S2がオフとなっていると判断した場合(S26:NO)、又は大容量原稿モードの案内を表示した後、呼込ローラ位置検出器S2がオフになったと判断した場合(S28:YES)、制御部41は、上部原稿検出器S1’がオンであるか否かを判断する(ステップS29)。上部原稿検出器S1’がオンであると判断した場合(S29:YES)、原稿積載量が多いと判定する(ステップS30)。また、上部原稿検出器S1’がオフであると判定した場合(S29:NO)、又はステップS22において、呼込ローラ位置検出器S2がオフであると判定した場合(S22:NO)、原稿積載量が少ないと判定する(ステップS31)。
次いで、制御部41は、例えば、操作パネルPの画面上に判定結果を出力し(ステップS32)、昇降モータ33を制御することにより原稿トレイ22を上昇させる(ステップS33)。原稿トレイ22を上昇移動させている間、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2の出力を監視し、呼込ローラ位置検出器S2がオンとなったか否か、すなわち、原稿トレイ22が原稿の搬送レベルに達したか否かを判断する(ステップS34)。呼込ローラ位置検出器S2がオンとなっていない場合(S34:NO)、原稿トレイ22の上昇移動を継続させ、呼込ローラ位置検出器S2がオンとなった場合(S34:YES)、原稿トレイ22の上昇移動を停止させる(ステップS35)。その後、例えば操作部46のスタートキーK5の押圧操作等により制御部41が生成するスタート信号に基づいて、原稿の給送及び搬送を開始させ、原稿画像の読取りを行う(ステップS36)。
実施の形態2.
前述の実施の形態では、本発明のシート給送装置を備える画像読取装置について説明したが、プリンタ装置のような画像形成装置、及びスキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を有する複合機等に適用することも可能である。本実施の形態では、シート給送装置を備える画像形成装置について説明する。
図17は本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。本実施の形態の画像形成装置100は、前述した画像読取装置1、用紙上に画像形成を行う画像形成ユニット210、画像形成された用紙に後処理を施す後処理ユニット260、及び画像形成ユニット210に用紙を供給搬送する給紙ユニット270を備えている。画像形成ユニット210は画像読取装置1の下部に設けられており、後処理ユニット260及び給紙ユニット270は、それぞれ画像形成ユニット210の側部及び下部に設けられている。
なお、画像読取装置1は、原稿から画像を読取る機能を有し、その構成及び動作は前述と同様であるため、その説明は省略する。
画像形成ユニット210は、画像読取装置1にて原稿の画像を読取って得られた画像データ、又は図に示していない外部の情報処理装置から転送されてきた画像データに基づいて、給紙ユニット270から供給される用紙上に画像形成を行う機能を有する。
具体的には、前述の画像データは画像処理部(不図示)に送出されて所定の画像処理が施された後、画像処理部内の画像メモリに一旦格納され、所定のタイミングで順次読み出されるとともに、光書込装置であるレーザ書込ユニット227に転送される。
レーザ書込ユニット227は、画像メモリから転送された画像データに応じてレーザ光を発する半導体レーザ光源、レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザ光が感光体ドラム222上で等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどから構成されている。
なお、本実施の形態では、光書込装置としてレーザ書込ユニットを用いているが、LED(Light Emitting Diode)、EL(Electro Luminescence)等の発光素子アレイを用いた固定走査型の光書込ヘッドユニットを用いてもよい。
感光体ドラム222の周囲には、感光体ドラム222を所定の電位に帯電させる帯電器223、感光体ドラム222上に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器224、感光体ドラム222表面に形成されたトナー像を搬送されてきた用紙上に転写する転写器225、トナー像が転写された用紙から電荷を取り除き、感光体ドラム222から用紙を引き剥がす除電器229、トナー像を転写した後に残留したトナーを回収するクリーニング器226が配置されている。
画像が転写された用紙は、定着ユニット217へと搬送され、定着ユニット217により用紙上に画像が定着される。画像が定着された用紙は、排紙ローラ219により外部へ排出される。
排紙ローラ219の用紙搬送方向の下流側には、画像が形成された用紙に対してステイプル処理、中折り処理等を行う後処理ユニット260が設けられており、後処理ユニット260に導かれた用紙は、所定の後処理が施された後、昇降トレイ261上に排出される。
更に、画像形成ユニット210は、用紙トレイ251、及び任意の用紙を外部から取込むための手差トレイ254を備えている。そして、用紙トレイ251又は手差トレイ254から供給された用紙は、用紙搬送手段250により感光体ドラム222、転写器225等が配置された画像転写位置に搬送される。
また、定着ユニット217の用紙搬送方向の下流側には、用紙の裏面に画像を再度形成するために利用されるスイッチバック路221を備えている。スイッチバック路221により反転された用紙は、両面ユニット255を通じて再度用紙搬送手段250へと供給される。なお、スイッチバック路221及び両面ユニット255は、用紙の両面に画像形成するときだけでなく、表裏を反転させて排出する際にも利用される。
給紙ユニット270は、前述の画像形成ユニット210の下部に配置され、画像形成ユニット210の用紙搬送手段250に通じる複数の用紙カセット252,253を備えており、サイズが異なる大量の用紙を収容する。
画像形成装置100には、画像読取装置1により読取られた原稿の画像に基づいて、給紙ユニット270から画像形成ユニット210に供給される用紙上に画像形成を行うために、前述の各部を連係させて動作させるための制御部41が実装されている。
以下、本実施の形態に係る画像形成装置100が実行する処理をフローチャートを用いて説明する。図18及び図19は画像読取装置1が原稿を読取る際の制御部41の制御手順を説明するフローチャートである。まず、画像形成装置100の制御部41は、上部原稿検出器S1’がオンとなったか否かを判断することにより、原稿トレイ22に原稿がセットされたか否かを判断する(ステップS41)。原稿がセットされていないと判断した場合、すなわち、上部原稿検出器S1’がオンとなっていないと判断した場合(S41:NO)、原稿がセットされるまで待機する。
上部原稿検出器S1’がオンとなったと判断した場合(S41:YES)、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2がオンとなったか否かを判断する(ステップS42)。上部原稿検出器S1’がオンとなった時点で呼込ローラ位置検出器S2がオンとなった場合(S42:YES)、昇降モータ33を駆動制御することにより、原稿トレイ22を下降させる(ステップS43)。原稿トレイ22を下降移動させている間、制御部41は、原稿トレイ下限位置検出器S8の出力を監視することにより、原稿トレイ22が最下位置に達したか否かを判断する(ステップS44)。最下位置に達していないと判断した場合(S44:NO)、原稿トレイ22の下降移動を継続させる。
原稿トレイ22が最下位置に達したと判断した場合(S44:YES)、制御部41は、昇降モータ33の駆動を停止させ、原稿トレイ22の下降移動を停止させる(ステップS45)。次いで、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2が依然としてオンとなっているか否かを判断し(ステップS46)、呼込ローラ位置検出器S2がオンとなっていると判断した場合(S46:YES)、原稿積載量が超過したことを表示すると共に、大容量原稿モードの案内を表示する(ステップS47)。次いで、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2がオフとなったか否かを判断することにより、セットされた原稿の一部が取り除かれたか否かを判断する(ステップS48)。呼込ローラ位置検出器S2がオンのままであると判断した場合(S48:NO)、呼込ローラ位置検出器S2がオフになるまで待機する。
ステップS45で原稿トレイ22を停止させた後、呼込ローラ位置検出器S2がオフとなっていると判断した場合(S46:NO)、又は大容量原稿モードの案内を表示した後、呼込ローラ位置検出器S2がオフになったと判断した場合(S48:YES)、制御部41は、上部原稿検出器S1’がオンであるか否かを判断する(ステップS49)。上部原稿検出器S1’がオンであると判断した場合(S49:YES)、原稿積載量が多いと判定する(ステップS50)。また、上部原稿検出器S1’がオフであると判定した場合(S49:NO)、又はステップS42において、呼込ローラ位置検出器S2がオフであると判定した場合(S42:NO)、原稿積載量が少ないと判定する(ステップS53)。
原稿トレイ22に積載された原稿量が多いと判定した場合(S50)、制御部41は、画像メモリ40の記憶領域のうち、読込んだデータを記憶させるための領域を大きく確保すると共に(ステップS51)、通信回線経由で外部から送られてくる画像データの受信等の他の処理の受付を禁止する(ステップS52)。一方、原稿トレイ22に積載された原稿量が少ないと判定した場合(S53)、制御部41は、画像メモリ40の記憶領域のうち、読込んだデータを記憶させるための領域を小さく確保すると共に(ステップS54)、他の処理用にも画像メモリ40の容量を確保し、画像読取装置1による原稿の読込処理と他の処理との同時処理を可能に設定する(ステップS55)。
次いで、制御部41は、昇降モータ33を制御することにより原稿トレイ22を上昇させる(ステップS56)。原稿トレイ22を上昇移動させている間、制御部41は、呼込ローラ位置検出器S2の出力を監視し、呼込ローラ位置検出器S2がオンとなったか否か、すなわち、原稿トレイ22が原稿の搬送レベルに達したか否かを判断する(ステップS57)。呼込ローラ位置検出器S2がオンとなっていない場合(S57:NO)、原稿トレイ22の上昇移動を継続させ、呼込ローラ位置検出器S2がオンとなった場合(S57:YES)、原稿トレイ22の上昇移動を停止させる(ステップS58)。その後、例えば操作部46のスタートキーK5の押圧操作等により制御部41が生成するスタート信号に基づいて、原稿の給送及び搬送を開始させ、原稿画像の読取りを行う(ステップS59)。