JP2004166052A - 原稿給送装置、画像読取装置、画像形成装置 - Google Patents

原稿給送装置、画像読取装置、画像形成装置 Download PDF

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一夫 中村
Soichi Takada
聡一 高田
Hiroyuki Nagao
裕之 長尾
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Abstract

【課題】その使用条件(収容される原稿枚数が異なる,或いは原稿に対して追加/変更を行う状況)に拘わらず,常に最適なタイミングで原稿の給送を開始させることが可能であり,処理時間の短縮化を実現し得る原稿給送装置およびその装置を備えた画像読取装置や画像形成装置を提供すること。
【解決手段】原稿トレイ22に原稿が収容されたことが検出され,該原稿の処理に関する所定の条件(複写枚数,印刷濃度,用紙サイズ,・・等)が入力開始されたことを条件として,前記原稿トレイ22に収容された前記原稿を上昇させるよう可動トレイ22aを制御することを特徴とする原稿給送装置として構成する。
【選択図】図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状の原稿を所定の搬送路に対し順次搬送する原稿給送装置、或いはそれを具備する画像読取装置及び画像形成装置に係り、詳しくは、画像形成や画像読取等に前記原稿の処理に関する種々の条件を設定している時間を有効に利用することで速やかな原稿給紙を実現するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のデジタル複写機等の画像形成装置、或いはスキャナー等の画像読取装置には、シート状の原稿(以下、単に原稿という)を複数枚収容可能な原稿収容手段と、前記原稿収容手段に収容された原稿を昇降可能な原稿高さ変更手段と、該原稿収容手段に収容されている前記原稿に当接し、当接する前記原稿を所定の搬送路に搬送する原稿給送手段と、を具備し、前記用紙収容手段に収容された複数の原稿を、所定の搬送路に自動的に順次搬送する原稿給送装置を備えるものが一般的である。
このような原稿給送装置では、前記原稿高さ変更手段を適宜制御することにより、当該原稿給送装置を使用しない(或いは、前記原稿収容手段に原稿が無い)場合には、前記原稿収容手段を、該原稿収容手段への用紙の収容を妨げない所定位置(以下、待機位置という)に移動(下降)させる一方、当該原稿給送装置を使用する場合には、それに伴って、前記原稿収容手段を、前記待機位置から、前記原稿収容手段に収容された前記原稿の最上面が前記原稿給送手段に当接する位置(以下、使用位置という)まで移動(上昇)させるよう構成される。
従って、このような構成を有する原稿給送装置では、前記原稿収容手段に原稿を収容する際の利便(容易)性と、原稿を給送させる指示が与えられた場合の、迅速なる前記原稿の搬送との両立を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献】
特開平11−237771号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構成を有する原稿給送装置では、該原稿給送装置の使用に伴って、前記原稿高さ変更手段を駆動し、前記原稿収容手段を待機位置から使用位置まで上昇させるタイミング(条件)が重要である。
例えば、前記特許文献においては、前記原稿給送装置が設けられている画像読取装置、或いは画像形成装置等に処理を開始させる操作がなされたことを条件として前記原稿高さ変更手段を駆動する技術、或いは、前記原稿収容手段に用紙が収容され、所定時間が経過したこと条件として前記原稿高さ変更手段を駆動する技術が開示されている。
しかしながら、前者の場合には、画像形成、或いは画像読取の処理を開始させる旨の操作が行われた後に、前記原稿収容手段を、待機位置から使用位置に上昇させる構成上、ユーザが処理の開始を望む(つまりは、処理開始を操作した)タイミングと、実際に原稿の給送が開始されるタイミングとの間には前記原稿収容手段を上昇させる時間分だけズレが生じ、結果的として総処理時間を増大させると共に、ユーザの使用感を損なうという不都合を生じ得る。
一方、上述の不都合を解消するために考案されたものが後者であり、前記原稿収容手段に原稿が収容されたことを検知して所定時間経過後に、該原稿収容手段を自動的に上昇させることで、ユーザが処理の開始を望むタイミングと、実際に原稿の給送が開始されるタイミングとの間に生ずるズレを短縮し、総処理時間の短縮化と、ユーザの使用感の向上とを実現している。
ところが、前記原稿収容手段に原稿を収容するタイミングと、処理を開始させるまでのタイミングは、その使用条件に応じて異なるものであるため、後者の技術では以下の問題点が生じ得る。
具体的には、前記原稿収容手段に収容する原稿数枚(少数)の原稿を前記原稿収容手段に収容する場合には、比較的短時間で前記原稿収容手段への前記原稿の収容が完了する。しかしながら、このような場合にも、所定時間が経過するまで前記原稿収容手段は上昇せず、原稿給送は開始されないのでは、緊急を要する作業等には不向きであると言わざる得ない。
また、逆に、多数の原稿を前記原稿収容手段に収容する必要がある場合、若しくは、前記原稿収容手段に収容した原稿に対し新たな原稿を追加する、或いは前記原稿の一部を変更する(差し替える)場合等、前記原稿収容手段への用紙の収容に比較的長い時間が要求される状況では、前記原稿収容手段への前記原稿の収容が未完了であるのに、所定時間が経過すれば自動的に前記原稿収容手段が上昇するため、前記原稿の損傷や、用紙ジャムを引き起こす要因となり得る。
このように、従来公知の原稿給送装置では、処理時間の短縮化と、いかなる使用状況(収容される原稿枚数が異なる、或いは原稿に対して追加/変更を行う状況)においても適用可能である汎用性とを両立するタイミングで前記原稿収容手段を昇降させることは不可能であった。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、その使用条件が異なる場合にも、前記原稿収容手段を最適なタイミングで昇降させることが可能な原稿給送装置、および該原稿給送装置を備えた画像読取装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、複数のシート状の原稿を収容する原稿収容手段と、該原稿収容手段に前記原稿が収容されていることを検出する原稿検出手段と、該原稿収容手段に収容された前記原稿に当接し、当接した該原稿を所定の搬送路に搬送する原稿給送手段と、前記原稿収容手段に収容された前記原稿を昇降させ、該原稿と前記原稿給送手段との離接状態を切り替える原稿高さ変更手段と、前記原稿の処理に関する所定の条件を入力する信号入力手段と、を具備する原稿給送装置において、前記原稿検出手段により前記原稿が検出され、前記信号入力手段が操作されたことを条件として、前記原稿高さ変更手段を駆動して前記原稿を上昇させる原稿高さ制御手段を具備してなることを特徴とする原稿給送装置として構成される。
例えば、当該原稿給送装置が設置されている画像読取装置、或いは画像形成装置において原稿の処理に関する条件(例えば、複写枚数、濃度、用紙サイズ、・・等であり、以下処理条件という)の入力は、一般に原稿の収容が完了した直後に行われるものであり、原稿を上昇させるのに最も良いタイミングと考えられるため、このような入力作業時の時間を有効に利用して前記原稿収容手段を上昇させるようにしたものである。
つまり、前記原稿収容手段に前記原稿を収容し、しかる後、前記処理条件の入力のため前記信号入力手段操作されたことを条件として、前記原稿が収容された前記原稿収容手段を使用位置まで移動(上昇)を完了させるという、ユーザの使用手順に則した処理の流れが実現可能となる。
換言すれば、ユーザに対し、前記原稿収容手段を上昇させるため特別な操作を要求することなく、前記処理条件を入力するという通常の操作を条件として前記原稿収容手段を上昇させることが可能である。
その結果、ユーザによる画像読取、或いは画像形成を開始させる操作なされる時点では、既に前記原稿収容手段は使用位置まで上昇されており、ユーザの開始操作に応じて、速やかに、前記原稿を所定の搬送路に搬送を開始することが可能であり、総処理時間を短縮させると共に、ユーザの使用感を損なうことを防止することができる。
尚、前記処理条件の入力は、前記原稿の枚数の多少に拘わらずなされる操作であるため、前記原稿枚数の多少に拘わらず、常に最適なタイミングで前記原稿高さ変更手段を上昇させることが可能である。
【0006】
また、前記原稿高さ変更手段を駆動して前記原稿を下降させる指令を独自に入力するための下降指令入力手段を更に設けた形態であってもよい。
このような形態によれば、前記信号入力手段の操作に応じて、前記原稿収容手段が使用位置まで上昇された後に、該原稿収容手段に収容された前記原稿への原稿の追加、変更、或いは削除等を行う必要が生じた場合、当該下降指令入力手段による下降指令を入力することで、前記原稿と前記原稿給送手段との当接を解除することが可能となり、無理に前記原稿を引き出すことで生じる、該原稿或いは前記原稿給送手段の損傷を未然に防止し得る。
尚、前記原稿は、前記下降指令入力手段による指令の入力に応じて予め定められた所定量だけ下降されるよう構成することが望ましい。
これは、前記原稿収容手段に収容された前記原稿に対する変更が大きくない場合(例えば、1〜2枚の追加、削除する状況)を想定している。つまり、前記原稿収容手段を必要以上に大きく移動させることなく、少量の前記原稿の変更が可能な最低限の離間が形成されるよう、前記原の下降量が設定されており、前記原稿に対する変更作業が完了した後に、前記原稿収容手段を再び使用位置に復帰させるための時間を短縮可能となる。
また、前記下降指令入力手段による指令の入力が所定時間以上継続した場合、前記原稿は、該原稿が下降し得る最下位置まで下降させるよう構成することが望ましい。
この場合は、上述した状況とは異なり、前記原稿収容手段に収容された前記原稿に対して大きな変更が必要な場合(例えば、全原稿を交換する状況)を想定したもので、前記原稿を下降し得る最下位置まで下降させることで、前記原稿収容手段に収容された前記原稿の全交換、或いは最大積載量に近い多数枚の原稿を追加することを可能とする。
【0007】
また、本発明を、前述した形態の原稿給送装置を備える画像読取装置として捉えることも可能である。
【0008】
更には、本発明を、前述した形態の原稿給送装置、或いは画像読取装置を備える画像形成装置として捉えることも可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態及び実施例について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態及び実施例は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに、図1は本発明の実施形態に係る画像読取装置の構成を示す断面図、図2は可動トレイの動作を模式的に示す図、図3は本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図、図4は画像形成装置の操作パネルの一例を示す図、図5は本実施形態に係る画像読取装置の制御ブロック図、図6及び図7は本実施形態に係る画像読取装置における原稿高さ調整制御を示すフローチャートである。
【0010】
本発明の実施形態は、図1に示す画像読取装置として具現化される。
同図に示す正断面図の如く、本実施形態に係る画像読取装置Aは、下部筐体1、上部筐体2、排紙トレイ3を具備して概略構成される。
尚、当該画像読取装置Aは、原稿を原稿台11上に静止させて画像を読み取る静止読取モード、原稿を搬送させながら画像を読み取る走行読取モード、更には、原稿を搬送させながら両面の画像を読み取る両面読取モード、のいずれかの原稿に対する画像読み取りを行なえるよう構成される。尚、これらのモードは本図には不図示である操作部(例えば、液晶ディスプレイよりなる表示部と、設定を行うキーなどにより構成される)より任意に選択可能である。
そして、前記操作部からの入力により、静止読取モードが選択された場合には、原稿台11上の原稿の画像が、前記下部筐体の第1読取部10によって読み取られる。
一方、走行読取モードが選択された場合には、前記原稿台11に沿って搬送される原稿の画像が、前記上部筐体2内の所定位置に位置固定された第2読取部(CIS:Contact Image Sensor)23、或いは前記下部筐体1の前記第1読取部10のいずれかによって読み取られる。
他方、両面読取モードが選択された場合には、前記原稿台11に沿って搬送される原稿の画像が、前記第1読取部10及び前記第2読取部23の双方を同時に用いて読み取られる。
【0011】
以下に、上述した各モードに応じた動作を実現するべく構成された前記画像読取装置Aの各部の構成と、その動作について詳説する。
先ず、前記下部筐体1について説明する。
該下部筐体1は、前記第1読取部10と、該第1読取部10の一方の面を構成する原稿台11と、で構成される。更に、前記第1読取部10は、第1走査ユニット12、第2走査ユニット13、結像レンズ14、CCD(Charge Coupled Device)15を備える。
前記原稿台11は、原稿を静止読取モードで読み取る場合に原稿を載置するプラテンガラスの機能を果たす台である。
前記第1走査ユニット12は、前記原稿台11に沿って一定速度Vで移動しながら原稿を露光しながら走査すると共に、原稿からの反射光を前記第2走査ユニット13に導くものであり、光源(例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯などの露光ランプ)50と、原稿の反射光を第2走査ユニット13に導く第1の反射ミラー51とを備える。
前記第2走査ユニット13は、前記第1走査ユニット12に追随して所定の速度(例えば、V/2)で移動するよう制御され、前記第1反射ミラー51からの反射光を前記結像レンズ14に導く第2反射ミラー52、第3反射ミラー53を備える。
前記結像レンズ14は、前記第3反射ミラー53からの反射光を、前記CCD15上で結像させるものである。
前記CCD15は、前記結像レンズ14からの反射光をアナログの電気信号に変換するものである。なお、この電気信号は、不図示である画像処理部によってデジタルの画像データに変換され、画像メモリに記憶されたり、画像形成装置や外部の機器などに出力される。
また、本実施形態とは異なり、前記CCD15、前記結像レンズ14、前記光源50を一つに集約したユニットである縮小読取光学系(或いは等倍読取光学系)を構成し、該縮小読取光学系をVの速度で走査させるよう構成することも可能である。
前記第2走査ユニット13と前記第1走査ユニット12とは、これらの移動を同期させるために、不図示であるワイヤが巻き掛けられている。そして、このワイヤを所定の駆動機構(例えば、ステッピングモータ)によって駆動することで、両者を同期させつつ、所定の移動速度(速度差)で移動させることを可能とする。
また、前記第1読取部10は、前記原稿台11上に載置された原稿を読み取る機能に加えて、上部筐体2の原稿供給搬送装置によって供給搬送される原稿の画像を読み取る機能も有する。
つまり、前記原稿台11上の原稿を読み取る(つまりは、走行読取モードが選択されている)場合には、前記第1走査ユニット12を、図1中のPos1の位置からPos2の位置の方向に、原稿サイズ検出手段等で検出されたサイズに応じて所定距離だけ移動させつつ、原稿画像を走査する。
逆に、搬送されている原稿を読み取る(つまりは、走行読取モード、或いは両面読取モードが選択されている)場合には、前記第1走査ユニット12を、図1中のPos3の位置に停止させ、搬送される原稿画像を走査する。
搬送されたいる原稿の画像を読み取る場合の各部の動作について以下に補足する。
ここで、搬送されている原稿を読み取るモードとしては、走行読取モードと両面読取モードがある。
走行読取モード選択時には、前記第1読取部10だけが原稿の読み取りに用いられる。このモードが選択された旨の指示があると、前記第1読取部10の前記第1走査ユニット12は、ホームポジションの位置からPos3の位置に移動して停止し、そのまま停止状態を保持して搬送される原稿の読み取りを行う。
そして、不図示である制御部からの指示に応じて、前記CCD16が、前記原稿台11に沿って前記第2原稿搬送路33を搬送される原稿の画像の下側から読み取る。このような構成により、前記第1読取部10は、原稿の表面(図中では下側方向の面)に形成されている画像を読み取ることができる。
一方の両面読取モード選択時には、前記第1読取部10および前記第2読取部23の双方が原稿の読み取りに用いられる。このとき、前記第1読取部10の前記第1走査ユニット12は、上述した走行読取モード時と同様に図1中のPos3の位置に停止される。
そして、不図示である制御部の指示に応じて、前記第1読取部10が前記原稿台11に沿って前記第2原稿搬送路33を搬送される原稿の表面の画像を読み取るのは上述の走行読取モードと同様であるが、両面読取モードの場合には、それと同時に、前記第2読取部23が原稿の裏面(図中では上側方向の面)に形成されている画像を上側から読み取る。このような構成により、両面読取モードが選択されている場合には、前記第1読取部10および前記第2読取部23によって、搬送される原稿の表裏両面の画像を上下方向から一度(同時に)に読み取ることができる。
また、当該画像読取装置Aが使用されていない(或いは、原稿を走査していない)待機中には、Pos1、Pos3またはPos1の位置とPos3の位置との中間の位置のいずれかホームポジションとして停止している。
【0012】
次に、前記上部筐体2について説明する。
該上部筐体2は、当該画像読取装置A(紙面に向かって)奥側に前記下部筐体1との間に設けられたヒンジを回動支点として上方に回動可能に構成される。これにより、当該画像読取装置Aでは、前記上部筐体2を、前記原稿台11の上面を開放できるようになっており、搬送できない原稿(例えば、ブック原稿、破れ易い原稿等)を前記原稿台11に載置し、画像を読み取ることができるようになっている。
ここで、該上部筐体2は、原稿供給搬送装置B、第2読取部23、原稿マット21を具備して概略構成される。
前記原稿マット21は、前記上部筐体2を閉めたときに原稿台11に押しつけられて密着する位置に設けられた原稿を押えるためのマットである。
前記原稿供給搬送装置Bは、シート状の原稿を収容(載置)する原稿トレイ22(原稿収容手段の一例に該当)と、該原稿トレイ22に収容された原稿を1枚ずつ順次供給する原稿呼込部30(原稿給送手段の一例に該当)、該原稿呼込部30により供給される原稿を搬送する複数の搬送ローラ34を備えた屈曲した第1原稿搬送路32、該原稿搬送路32を搬送されてきた原稿を所定のタイミングで前記第2読取部23に供給するレジストローラ38を備えた第2原稿搬送路35、および原稿から画像情報を操作する前記第2読取部23と、操作された後の原稿を当該画像読取装置Bの外部へ排出する排紙ローラ40と、を具備して概略構成される。更に、前記原稿トレイ22の前記原稿呼込部30側には、前記原稿トレイ22に設けられた支点Pに対し揺動自在に構成された可動トレイ22aが設けられると共に、該原稿トレイ22上に収容された原稿を整合するために、原稿搬送方向に対して垂直な方向にスライドする一対の原稿規制板46が設けられる。
ここで、前記可動トレイ22aは、走行読取モード及び両面読取モードで読み取る原稿が載置(収容)される台であると共に、昇降機構部60(原稿高さ変更手段の一例に該当)の昇降モータ61を回転させることにより、支点Pを中心に昇降可能であり、(図2中には、最下点まで下降された前記可動トレイ22aを破線により示す)、載置されている原稿の高さを任意に変更する機能を有する。
前記可動トレイ22aの昇降動作は、前記昇降モータ61の回転動作を伝達部材(歯車)列により昇降プレート62取付けられている昇降プレート支持軸64に伝え、前記昇降プレート62を回転させることによって、該昇降プレート62が前記可動トレイ22aの底部に設けられたリブ63に接触して可動トレイ22aを押し上げることで行う。
更に、前記可動トレイ22aには、例えば光学式のセンサとアクチュエータなどからなる原稿検出器43(原稿検出手段の一例)が設けられ、該可動トレイ22aに原稿が載置されたことを検出する。
また、前記原稿呼込部30は、前記可動トレイ22aから原稿をピックアップする呼込ローラ37、ピックアップされた原稿を1枚づつ前記第1原稿搬送路32に分離して送り込む分離ローラ36等から構成されている。
前記呼込ローラ37は、アーム31に支持され、該アーム31は前記分離ローラ36の回転軸に回動可能に支持されている。そして自重等により揺動し、前記呼込ローラ37を原稿に接触させるようになっている。また、前記呼込ローラ37は、図1には不図示であるストッパー(図2(a)参照)と当接することで所定位置以下に下降しないようになっている。更に、前記アーム31には不図示である凸部が形成されており、光センサ等で構成される呼込みローラ位置検出器41により、その凸部を検出することで前記呼込ローラ37の高さを前記アーム31の高さに応じて検出できるようになっている。
また、前記分離ローラ36には、トルクリミッタを備えたローラや摩擦パット(捌きパット)が対向して設けられ、原稿が重送されることなく確実に分離された状態で搬送されるようになっている。
ここで、前記可動トレイ22aの昇降動作による、前記原稿呼込部30と原稿との離接状態の切り替えについて図2を参照しつつ説明する。
図2は、原稿を収容した前記可動トレイ22aの昇降動作に応じた前記原稿呼込部30の動作を模式的に示す図である。
図2(a)は、前記可動トレイ22aが待機位置にある場合を示しており、前記可動トレイ22aに原稿を収容した際に、収容されている原稿の最上面と、前記原稿呼込部30(前記呼込ローラ37)とが離間した位置となるよう、前記可動トレイ22aの待機位置が設定されている。尚、前記原稿トレイ22aの待機位置は、後述するように、前記呼込ローラ位置検出器41の動作信号を基準に不図示である制御部が前記昇降機構部60の前記昇降モータ61を動作制御することで位置決めされる。更に、この待機位置は、操作部の操作によって任意に調整可能であり、頻度の高い原稿の枚数に合わせてサービスマンや使用者によって調整される。
一方の図2(b)は、前記可動トレイ22aが使用位置まで上昇された場合を示しており、前記可動トレイ22aに収容された原稿の最上面が、前記原稿呼込部30(前記呼込ローラ37)に当接するように前記可動トレイ22aが位置制御されている。尚、この使用位置も、後述するように、前記呼込ローラ位置検出器41の動作信号を基準に不図示である制御部が前記昇降機構部60の前記昇降モータ61を動作制御することで位置決めされる。
このように、前記昇降モータ61により前記可動トレイ22aを昇降させることで、該可動トレイ22aに収容された原稿と、前記原稿呼込部30(前記呼込ローラ37)との離接状態を任意に切り替えることが可能であることが理解される。
また、元の図1に戻り、前記可動トレイ22aに収容された原稿は、該原稿に当接する前記原稿呼込部30(前記呼込ローラ37、分離ローラ36等)により前記第1原稿搬送路32に搬送される。
該第1原稿搬送路32は、屈曲した搬送ガイドと複数の搬送ローラ34および第1原稿搬送路32に送り込まれる原稿の搬送タイミングを検出する給紙検出器44a及び給紙検出器44bを具備して構成される。
また、第2原稿搬送路35は、前記第1原稿搬送路32に繋がるように配置され、且つ略直線状の搬送経路を形成すると共に前記レジストローラ38と給紙検出器44を具備し、原稿が撓むことができるような空間を有している。
また、前記第2読取部23は、アレイ状のイメージセンサとアレイ状の導光手段(例えば、セルフォックレンズ等のレンズアレイ)と光源(例えば、LEDアレイ光源または蛍光灯)等により構成された密着イメージセンサ(CIS)ユニットであって、前記上部筐体2における前記第2原稿搬送路35の搬送経路下流の所定位置に配置され、第1原稿搬送路32から第2原稿搬送路35へと搬送される原稿の裏面(図中では上側方向の面)の画像を読み取るためのものである。
前記第2読取部23の用紙搬送方向下流側には、該第2読取部23により画像を読み取られた原稿を排紙トレイ3に排出するための排紙ローラ40が備えられている。該排紙ローラ40の近傍には、原稿が確実に排出されたか否かを検出する排紙検出器45が備えられ、確実な原稿の排紙がなされたかどうかを確認できるよう構成される。
なお、本実施形態においては、前記可動トレイ22aの位置が、前記それぞれの読取ポイントの上部に位置するために前記第1原稿搬送路32は屈曲した搬送路になっているが、原稿トレイの位置によっては、単に傾斜を持った搬送路の場合も考え得る。
【0013】
次に、上述説明した前記画像読取装置Aをデジタル複合機に装着し、画像形成装置として本発明を具現化した実施形態について図3を参照しつつ、説明する。
ここに、図3は、前記画像読取装置Aを備えるデジタル複合機100の概略構成を示す正断面図である。
同図に示す如く、該デジタル複合機100は、前記原稿給送装置Bと前記第1読取部10とからなる前記画像読取装置Aと、該画像読取装置Aの下部に設けられる画像形成部210と、該画像形成部210下部に設けられる記録紙供給部270と、を具備して概略構成される。
尚、前記画像読取装置Aは、原稿から画像を読み取る機能を有し、その構成は上述同様であるため、その説明は省略する。
前記画像形成部210は、前記画像読取装置Aにて読取られた原稿画像に基づいて前記記録紙供給部270から供給される記録紙上に画像を形成する機能を有する。
具体的には、前記画像読取装置Aで読み取られた原稿画像(画像データ)は、不図示である画像処理部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施された後に、該画像処理部内の画像メモリに一旦記録され、所定のタイミングで順次読み出されると共に、光書込み装置であるレーザ書込みユニット227に転送される。
該レーザ書込みユニット227は、前記画像メモリから転送された画像データ、或いは外部の装置から転送されてきた画像データに応じてレーザ光を出射する半導体レーザ光源、レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザ光が感光体ドラム222上において等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどをから構成されている。なお、本実施例では、書込み装置としてレーザ書込みユニットを用いているが、LEDやEL等の発光素子アレイを用いた固体走査型の光書込みヘッドユニットを用いてもよい。
当該画像形成部210には、その他、前記感光体ドラム222の周囲に、該感光体ドラム222を所定の電位に帯電させる帯電器223、該感光体ドラム222上に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器224、該感光体ドラム222表面に形成されたトナー像を記録紙に転写する転写器(転写チャージャ等)225、トナー像の転写された記録紙から電荷を取り除き、該感光体ドラム222から記録紙を引き剥がす除電器(除電チャージャ等)229、トナー像を記録紙に転写した後の余分な(残留した)トナーを回収するクリーニング器226、を備えている。
そして、画像が転写された記録紙はその後、定着ユニット217に送られ画像が記録紙に定着される。
前記定着ユニット217の用紙搬送方向下流側には、記録紙の裏面に再度画像を形成する、或いは記録紙を反転させた後に排出するため場合に利用され、記録紙の表裏を反転させるためのスイッチバック路221を備えている。
前記定着ユニット217においてトナー像が定着された記録紙は、排紙ローラ219により外部に排出される。尚、反転排紙が選択されている場合には、前記スイッチバック路221を一旦経由することで記録紙の表裏を反転させた後に排出される。
尚、前記排紙ローラ219の用紙搬送方向下流側には、画像が形成された記録紙に対してステイプル処理、中折り処理等を行うとともに昇降トレイ261を有する後処理装置260が設けられる。
該後処理装置260に導かれた記録紙は、所定の後処理が施された後、前記昇降トレイ261上に排出される。
更に、当該画像形成部210は、任意の記録紙を外部から挿入する手差トレイ254、両面ユニット255、用紙トレイ251を具備してなる。そして、前記用紙トレイ251から給紙された用紙を、前記感光体ドラム222、転写器225等が配置された画像転写位置へと搬送する搬送手段250を備えてなる。
また、記録紙の両面に画像形成を行う時に用いられる前記両面ユニット255は、前記スイッチバック路221に通じており、該スイッチバック路221から供給された反転された記録紙を再度前記搬送手段250へと供給する。尚、当該両面ユニット255は通常の用紙カセットと交換可能な構成となっており、両面ユニット255を通常の用紙カセットに置き換えた構成とすることも可能となっている。
前記記録紙供給部270は、前記画像形成部210の下部に配置され、前記搬送手段250に通じる複数の用紙トレイ252、253を備えており、サイズの異なる記録紙を収容したり、同サイズであってもより多くの記録紙を収容することを可能とする。
尚、前記画像読取装置Aで読み取られた原稿画像に基いて、前記記録紙供給部270から前記画像形成部210に供給される記録上に記録再生するために上述の各部を連携させ、動作させる一連の処理を実現するためのプログラム或いは回路が、制御部400或いは該制御部400上で実行されるプログラムである。
このような構成のデジタル複合機自体の基本的構成、並びに各部の動作は従来構成と同様である。
【0014】
次に、本実施形態に係る前記デジタル複合機100に設けられる信号入力手段の一例である操作パネル300について図4を参照しつつ、説明する。
同図に示す如く、前記操作パネル300の左部分には、タッチパネル液晶表示装置306(以後LCDと呼称する)が配置されていて、その右側にテンキー301、スタートキー(プリント開始キー)305、クリアキー303、割込キー302、トレイU/Dキー307(下降指令入力手段の一例に該当)及び全解除キー304が配置されている。
前記LCD306の画面上には、種々の画面が切り換えて表示される。これらの画面中には、種々の条件を設定するタッチキーが配置されており、タッチキーを指で直接押圧操作して、各種の条件設定が可能になっている。また、操作のガイダンスや警告等もこのLCDに表示される。
前記LCD306の右側に配置されたキー群のうち、前記テンキー301は、LCD画面における数値(画像形成枚数等)を入力するのに使用するキーである。
また、前記スタートキー305は、画像読取動作および/または画像形成動作の開始を指示するためのキーである。
また、前記クリアキー303は、前記LCD306に表示される設定値をクリアしたり画像形成動作の中断を行うキーである。
また、前記全解除キー304は、画像読取条件や画像形成条件等の設定をデフォルト値に戻すためのキーである。
また、前記割込キー302は、実行中の画像読取や画像形成を一時中断して他の処理を許容するためのキーである。
また、トレイU/Dキー307は、前記可動トレイ22を下降させる指令を与えるキーであり、本キーを使用した場合の処理については後述する。
このような操作部300を設けることで、当該デジタル複合機100を使用するユーザは、前記LCD306或いは前記テンキー301を操作することで、希望する印刷条件を容易且つ迅速に設定し、しかる後、前記スタートキー305を押下して複写を開始させる。
【0015】
次に、本発明の実施形態に係る前記デジタル複合機100の特徴点である、複写を開始させる際の前記可動トレイ22aの昇降動作について、制御ブロックを模式的に示す図5、及びその処理の流れを示す図6、図7を参照しつつ説明する。
ここに、図6は、前記デジタル複合機100の電源を投入し、前記可動トレイ22aを待機位置まで移動させる際の処理、つまりは初期化処理の流れを示したものである。
先ず、前記デジタル複合機100を使用するユーザにより電源スイッチ(SW)500がON操作される(S1)ことで、当該デジタル複合機100に電源が通電される。
電源供給された時点で前記制御回路400は、前記呼込ローラ位置検出器41の検出結果を判定する。(S2)
かかる判定により、前記呼込ローラ位置検出器41の出力信号がOFFである、即ち前記可動トレイ22aと前記呼込ローラ37が離間した状態である(図2(a)に示す状態と同様で原稿が載置されていない状態であって、図6ではステップS2におけるNoで示す)場合には、前記可動トレイ22aを前記呼込ローラ位置検出器41の出力信号がONになるまで上昇させる。(S3)
次に、前記制御回路400は、前記ステップS2において、前記呼込ローラ位置検出器41の出力信号がONとなった時点(図2(b)に示す状態と同様で原稿が載置されていない状態であって、図6ではステップS2におけるYesで示す)で、前記可動トレイ22aの上昇を止め、下降に転じさせる。(S4)
かかる前記可動トレイ22aの下降は、前記呼込ローラ位置検出器41の出力信号がOFFになるまで継続され(図6ではステップS5におけるNoで示す)、前記呼込ローラ位置検出器41の出力信号がOFFになった時点(図6ではステップS5におけるYesで示す)から、所定量下降した後に停止される(S6)。
ここまでの処理が実行した時点で、前記可動トレイ22aを、前記呼込ローラ位置検出器41の出力信号がOFFとなる位置から所定量下降した待機位置に配置させることが可能となり、前記原稿収容手段22に原稿が収容されるのを待つ状態である待機状態が完了する。(S7)
つまり、上記S2〜S6の処理は、前記可動トレイ22aの待機位置を前記呼込ローラ41の高さ(つまりは、前記呼込ローラ位置検出器41の出力信号がOFFとなる位置)を基準とし、その基準高さから所定量だけ下降した位置に前記可動トレイ22aを配置させる処理である。
尚、前記ステップ6における設定値を変更することにより、前記可動トレイ22の待機位置を任意に変更可能である。かかる変更作業は、サービスマンやユーザにより設定可能であり、使用頻度の高い原稿枚数に合わせて調整することで、より使用状況に応じた待機位置を実現可能である。
【0016】
上述した一連の初期化処理により前記可動トレイ22が所定の待機位置に配置された状態の前記デジタル複合機100を、ユーザが使用する場合の処理の流れについて、図7を用いて説明する。
先ず、待機状態(S7)である当該デジタル複合機100の前記制御部400は、前記原稿検出器43の検出結果に応じて、前記原稿収容手段22に原稿が収容されたかどうかを判定する。(S8)
かかる判定により、原稿が収容されたと判定された場合(図7には前記ステップS8におけるYesで示す)には、待機状態から次のステップに処理を移行させる。
前記ステップS8の判定結果がYesであった場合、次に、前記制御部400は、前記操作パネル300に設けられた前記スタートキー305(図4参照)が押下されたかどうかを判定する。(S21)
ここで、このステップS8の判定結果がYesであった場合、つまりは、前記スタートキー305が押下された場合は、従来公知の制御と同様の処理が実行される。
具体的には、前記スタートキー305が押下された時点で前記昇降モータ61に駆動指令を印加することで前記可動トレイ22aを上昇させる。(S22)
かかる上昇制御は、前記呼込ローラ位置検出器41の出力信号がOFFである間(図7にはステップS23のNoで示す)継続され、前記呼込ローラ位置検出器41の出力信号がONとなって時点(図7にはステップS23のYesで示す)で終了する。(S24)
つまり、この時点で、前記原稿収容手段22に収容された原稿の最上面と前記呼込ローラ37とは当接した状態となる。(図2(b)に示す状態)
次に、前記制御部400は、当該デジタル複合機100の各部を、統合的に制御することで読み込まれた原稿画像に基づいた画像を記録紙上に記録再現し、しかる後、排出する。(S25、S26)
ここまでの処理(S22〜S26)は、前記原稿検出器43がON(つまりは、前記原稿収容手段22に原稿がある状態)である間(図7にはステップS27におけるNoで示す)繰り返され、前記原稿検出器43がOFFになった時点(つまりは、前記原稿収容手段22に原稿が無くなった状態であり、図7にはステップS27におけるYesで示す)時点で、処理を図6におけるS2に移行させる(図6及び図7には▲2▼で示す)ことで、前記可動トレイ22を待機位置へと戻し、再び、前記原稿収容手段22に原稿が収容されるまで待機する状態となる。
【0017】
ここで、通常の使用状況を考えた場合、当該デジタル複合機100を利用するユーザは、前記原稿収容手段22に原稿を収容し、前記スタートキー305を押下する前に、前記操作パネル300の前記LCD306、前記テンキー301等を利用して、今回の印刷に関する種々の印刷条件(印刷枚数、濃度、用紙サイズ、・・等)を設定すると考えられる。
そこで、本実施形態では、前記印刷条件を入力している時間を利用して前記可動トレイ22aを上昇させることで、処理時間の短縮と、いかなる使用条件においても適用可能な汎用性とを備えた前記可動トレイ22の高さ制御方法を実現する。その具体的な処理の内容について、以下に説明する。
前記制御部400は、前記ステップ21において前記スタートキー305が押下されていない状態で、前記印刷条件の入力が開始されたかどうかを判定する。(S31)
かかる判定は、前記LCD306、或いは前記テンキー301等、前記スタートキー305以外のキーが操作されたことを検出することにより行われる。
前記ステップS31において、前記印刷条件の入力が開始されたと判定された場合(図7には前記ステップS31におけるYesで示す)、前記可動トレイ22aを前記呼込ローラ検出器41がONになる位置まで上昇させる。(S32〜S34)
かかる処理は、上述説明した前記ステップS22〜S24と同様であるため、ここでは説明を省略する。
つまり、この時点で、前記原稿収容手段22に収容された原稿の最上面と前記呼込ローラ37とは当接した状態となる。(図2(b)に示す状態)
次に、前記制御部400は、前記スタートキー305が押下されたかどうかを判定し(S35)、その判定結果がYesであった場合(つまりは、前記スタートキー305が押下された場合)には、処理を通常の印刷処理である前記ステップS25に移行させる。尚、その判定結果がNoである場合(つまりは、前記スタートキー305が押下されていない場合)には、前記スタートキー305が押下されるまで待機する。
ここで、前記デジタル複合機100の実際の使用状況を考えると、前記原稿収容手段22に原稿を収容した後に、原稿を追加したい或いは差し替える状況が散見される。
そこで、本実施形態では、前記ステップS35における判定がNo(つまりは、前記スタートキー305が押下されていない状態)であって、且つ、前記トレイU/Dキー307が操作された場合(S36)には、処理をステップS37に移行させ、前記可動トレイ22aを所定量だけ下降させた後、処理を前記ステップ8へ戻している(図7には▲1▼で示す)。
ここで、前記ステップ37において、前記可動トレイ22aを下降させる、つまりは原稿を下降させる予め定められた所定量は、前記原稿収容手段22に収容された原稿の最上面と前記呼込ローラ37とをわずかに離間させる高さとすればよい。
これは、通常の使用状況では、前記原稿収容手段22に収容された前記原稿に対する変更は大きくない(例えば、1〜2枚の追加、削除する状況)と想定できることによる。つまり、前記可動トレイ22aを必要以上に大きく移動させることなく、前記原稿の変更が可能な必要最低限の隙間が形成されるよう、前記可動トレイ22aの高さを設定することで、前記原稿に対する変更作業が完了した後に、前記原稿高さ変更手段を再び使用位置に復帰させるための処理(つまり、前記ステップS22からS24に至る処理)が完了する時間を短縮することが可能となる。
一方、図7には図示していないが、トレイU/Dキー307が押し続けられた(つまりは、入力が所定時間以上継続した)場合には、その入力に応じて、下降される前記可動トレイ22aの高さを、該可動トレイ22aが移動可能な高さのうち、最も低い高さ(図1には最下位ポジションと示す)とすればよい。
この場合は、上述した状況と異なり、前記原稿収容手段22に収容された原稿に対して大きな変更が必要な場合(例えば、全原稿を交換する状況)を想定したもので、前記可動トレイ22aを最下点まで下降させることで、前記原稿収容手段に収容された前記原稿の全交換、或いは最大積載量に近い多数枚の原稿を追加することを可能とするものである。
また、前記トレイU/Dキー307は前記可動トレイ22aを上昇させる指令を発する機能をも有しており、前記呼込みローラ位置検出器41がOFFの状態で押された場合や、前記呼込みローラ位置検出器41がOFFの状態で所定以上の回数押された場合や、前記呼込みローラ位置検出器41がOFFの状態で前記可動トレイ22aが最下点に位置する状態にて押された場合等に前記可動トレイ22aを上昇させる指令を発するようになっている。尚、前述した何れの条件にて前記可動トレイ22aの上昇を開始させるかは、サービスマンや使用者にて設定可能になっている。
このように、本実施形態では、上述したような一連の処理を実行することで、ユーザが、前記原稿給送装置Aの前記原稿トレイ22に原稿が収容した後に、前記操作パネル300を操作することで前記デジタル複合機100に対する種々の前記印刷条件を設定している時間を利用して前記可動トレイ22aを上昇させ、前記原稿収容手段22に収容された原稿を、即時に搬送できる待機状態で待機させておくことが可能である。
従って、前記印刷条件の入力を終えたユーザが、前記スタートキー205を押下した時点で、前記原稿収容手段22に収容された原稿を速やかに所定の搬送路に搬送可能となり、処理時間の短縮が可能であり、ユーザの使用感を向上させ得る。
【0018】
【実施例】
上述した実施形態では、待機状態にある原稿を変更(追加、削除)するため、前記可動トレイ22aを下降させる指令を与える前記下降指令入力手段として、前記操作パネル300に対し、別個独立に前記トレイU/Dキー307を設けた形態について説明した。
しかしながら、前記下降指令入力手段としては、例えば、複数のキー操作を組み合わせた操作(例えば、「クリアキー303」と「テンキー301の「0」」とを同時に押下する操作)とし、新たなキーの追加を避けることも可能である。
また、待機状態にある原稿を変更する状況を考えると、通常、前記原稿収容部22に設けられた前記原稿規制板46をスライドさせた上で、原稿の変更作業を行うものと考えられる。
そこで、前記原稿規制板46が操作(移動)されたことを検出するとともに、その検出結果を前記下降指令入力手段による指令信号として使用する形態も考え得る。
その具体的方法としては、前記原稿規制板46に対し、その位置を検出可能なセンサ(例えば、ボリューム検出器等)を取り付け、該センサからの出力値が所定値以上変動したという判定結果を、前記下降指令入力手段による指令信号として用いればよい。
【0019】
また、上述の実施形態では、前記可動トレイ22aの高さを前記呼込ローラ37の位置変化を検出する前記呼込ローラ位置検出器41の出力値によって検出している形態について説明している。
しかしながら、前記可動トレイ22a自体に、その高さを直接検出するセンサを設け、該センサの検出結果に基づいて前記可動トレイ22aの高さを制御することも可能であることは理解に易しい。
具体的には、前記可動トレイ22aが最下点、或いは最上点にあることを検出する位置センサ(例えば、リミットスイッチ)を設け、その検出信号を基準として前記昇降モータ61を駆動制御することで、予め設定された待機位置に前記可動トレイ22aを位置固定することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置等に原稿の処理に関する条件を設定している時間を有効に利用して、前記原稿収容手段を最適なタイミングで上昇させることが可能であり、処理時間の短縮化と、いかなる使用状況(収容される原稿枚数が異なる、或いは原稿に対して追加/変更を行う状況)においても適用可能な汎用性とを両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像読取装置の構成を示す断面図。
【図2】原稿高さ変更手段の動作を模式的に示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図。
【図4】画像形成装置の操作パネルの一例を示す図。
【図5】本実施形態に係る画像読取装置の制御ブロック図。
【図6】本実施形態に係る画像読取装置における原稿高さ調整制御を示すフローチャート。
【図7】本実施形態に係る画像読取装置における原稿高さ調整制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
A…画像読取装置
B…原稿給送装置
100…デジタル複合機
S1、S2、、…処理手順(ステップ)の番号

Claims (6)

  1. 複数のシート状の原稿を収容する原稿収容手段と、該原稿収容手段に前記原稿が収容されていることを検出する原稿検出手段と、該原稿収容手段に収容された前記原稿に当接し、当接した該原稿を所定の搬送路に搬送する原稿給送手段と、前記原稿収容手段に収容された前記原稿を昇降させ、該原稿と前記原稿給送手段との離接状態を切り替える原稿高さ変更手段と、前記原稿の処理に関する所定の条件を入力する信号入力手段と、を具備する原稿給送装置において、
    前記原稿検出手段により前記原稿が検出され、前記信号入力手段が操作されたことを条件として、前記原稿高さ変更手段を駆動して前記原稿を上昇させる原稿高さ制御手段を具備してなることを特徴とする原稿給送装置。
  2. 前記原稿高さ変更手段を駆動して前記原稿を下降させる指令を入力する下降指令入力手段を更に設けてなる請求項1に記載の原稿給送装置。
  3. 前記下降指令入力手段による指令の入力に応じて、前記原稿を定められた所定量だけ下降させるようにした請求項2に記載の原稿給送装置。
  4. 前記下降指令入力手段による指令の入力が所定時間以上継続した場合、前記原稿を、該原稿が下降し得る最下位置まで下降させるようにした請求項2に記載の原稿給送装置。
  5. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の原稿給送装置を具備してなることを特徴とする画像読取装置。
  6. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の原稿給送装置、或いは前記請求項5に記載の画像読取装置を具備してなることを特徴とする画像形成装置。
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