以下、本発明の実施の一形態としての給紙装置、自動原稿搬送装置、画像読取装置および画像形成装置について、図面を用いて説明する。ここでは、前記の給紙装置、自動原稿搬送装置、画像読取装置および画像形成装置を複写機に適用した場合を示す。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態としての複写機の構成を示す断面図である。
図1において、複写機300の本体300aの上面には透光性部材からなるコンタクトガラス21bが設けられており、このコンタクトガラス21bに隣接する本体の上面にはコンタクトガラス21bよりも小面積の透光性部材からなるスリットガラス21aが設けられている(図2参照)。
また、本体300aの上部には自動原稿搬送装置としてのADF400が設けられており、このADF400は図示しないヒンジ機構を介してコンタクトガラス21bを開放および閉塞するように開閉自在になっている。
一方、複写機300の本体300a内には、画像読取装置81が設けられており、この画像読取装置81によって読取られた画像情報は書込部82によって感光体ドラム83に照射されるようになっている。
画像読取装置81は、コンタクトガラス21bまたはスリットガラス21a上の原稿(または原稿束)1を照明する光源81aと、原稿1から反射された光をそれぞれ反射する第1ミラー81b、第2ミラー81c、第3ミラー81dと、第3ミラー81dから反射された光をCCDイメージセンサ81fに結像するレンズ81eと、レンズ81eによって結像された光を電気信号に変換するCCD81fと、を備えている。
光源81aおよび第1ミラー81bは図示していない第1走行体(第1キャリッジ)に取付けられているとともに、第2ミラー81cおよび第3ミラー81dは図示していない第2走行体(第2キャリッジ)に取付けられている(図2参照)。第1キャリッジおよび第2キャリッジは、コンタクトガラス21bおよびスリットガラス21a下方において、その両側部下方に配設されたガイドレール(不図示)に沿って図1中、左右に移動するようになっている。
そして、第1キャリッジおよび第2キャリッジは、コンタクトガラス21bに載置された原稿を読取るときには、コンタクトガラス21bの下方で図1中、左右方向に移動され、スリットガラス21aを通過する原稿を読取るときには、スリットガラス21aの下方で停止される。画像読取装置81は、原稿に表示された画像(文字(テキスト)、図形、写真等を含む)を読取ることができる。
書込部82は、画像読取装置81によって読取った画像情報に応じて光変調したレーザ光を照射し、帯電させた感光体ドラム83の表面をこのレーザ光で露光するようになっている。
感光体ドラム83の周囲には、感光体ドラム83と共に画像形成手段を構成する現像装置86、転写ベルト87、クリーニング装置88、図示しない帯電装置および除電装置が設けられている。帯電装置は暗中にプラス電荷のコロナ放電をグリッドにより制御して感光体ドラムの表面を一定電位に帯電させるようになっている。
書込部82はこの一定電位に帯電された感光体ドラム83上に画像情報を含んだレーザ光を照射して感光体ドラム83上のマイナス電荷を除去して静電潜像を形成する。
現像装置86は感光体ドラム83上の電気除去された部分にマイナスに帯電されたトナーを付着させて可視像を形成する。転写ベルト87にはプラスのバイアスが印加されており、この転写ベルト87はマイナスに帯電された可視像を記録媒体としての転写紙(用紙)に転写して搬送するようになっている。
クリーニング装置88はクリーニングブレードを備えており、感光体ドラム83に残ったトナーを掻き落とすようになっている。除電装置はLEDを点灯させることにより感光体ドラム83の残留電荷を除去して次の転写紙に新たな画像を形成するための準備を行う。
このようにして画像が形成された転写紙は定着装置90に搬送され、定着装置90によりトナー画像が転写紙に定着される。
また、本体300a内にはそれぞれ異なるサイズの転写紙S1〜S5が収納された収納カセット91〜95が設けられており、この収納カセット91〜95に収納された転写紙は呼出しコロ91a〜95aによって給紙された後、搬送方向に回転する給紙ローラ91b〜95bに摺接し、分離方向に回転するリバースローラ91c〜95cによって分離された後、中継ローラ対96、97を介してレジストローラ対98に搬送され、レジストローラ対98によってタイミングを取られて感光体ドラム83と転写ベルト87の間の搬送路に搬送される。
図2は、本発明の第1の実施の形態としての自働原稿搬送装置の構成を示す断面図である。
図2において、画像形成装置の本体300aには、ADF400が搭載されている。このADF400は、第1読取部としての画像読取装置81を固定して、読取対象の原稿1を所定の速度で搬送しながら、画像読取装置81、第2読取部25の一方または両方で画像を読み取るシートスルー方式(自動搬送モード)と、読取対象の原稿を固定して、画像読取装置81を移動させながら画像を読み取る原稿固定読取方式(圧板モード)のいずれにも対応可能なものである。
一方、複写機300の本体300aは、画像読取装置81、図示していない本体給紙装置、現像装置、定着装置等を備え、図示していないホスト装置と所定のインタフェースを介して接続されており、これらが通信システムを構成している。そして、操作部108(図2参照)の操作に基づいて画像読取装置81と第2読取部25の一方または両方で読み取られた原稿1の画像形成要求が発生するか、あるいは前記ホスト装置で画像形成要求が発生すると、本体給紙ローラを駆動することにより、前記本体給紙装置に装備した転写紙を1枚ずつ搬送方向へ移動させ、レジストローラに到達すると前記転写紙を一時停止させる。この後、本体制御部111(図2参照)よりレジストローラ駆動開始要求が出されると、前記レジストローラが駆動し、転写紙を搬送方向へ移動させる。次いで、前記現像装置においては、トナーを感光体に付着させて、感光体上に原稿のトナー像を形成させる。次いで、転写ローラにより、転写紙にトナーを付着させる。こうして、転写紙に付着したトナーを定着させるために、転写紙を前記定着装置に移動させ、定着ローラで加熱・加圧処理を施すことになる。
また、図1において、ADF400は、画像形成装置の本体300aにヒンジなどの連結部材で連結され、コンタクトガラス21b上に開閉自在に搭載されている。ADF400を原稿搬送面に対して開放することで、原稿1をコンタクトガラス21b上に載置するか、あるいはコンタクトガラス21b上から取り除くことができ、原稿搬送面に対して閉じることで、原稿1をコンタクトガラス21b面に押圧できる。画像形成装置の本体300aは、前述の原稿固定読取方式およびシートスルー読取方式によって原稿を読み取るように構成されている。なお、画像読取装置81は、副走査方向の読み取りを行う際に、光源81aおよび第1ミラー81bが図1中、右側に「1」だけ進む間に第2ミラー81cおよび第3ミラー81dは「1/2」だけ進むことにより、レンズ81eの光路長を一定に保ちながら走査する構成になっている。一方、第2読取部25は密着イメージセンサを有している。また、画像形成装置の本体300aは、操作部108(図2参照)の操作により、前述した原稿固定読取方式で原稿を読み取る自動搬送モード(ADFモード)、前述したシートスルー読取方式で原稿を読み取る圧板モードなどの動作モードが任意に設定できるように構成されている。
また、図2において、自動原稿搬送装置400は、読取対象の原稿束をセットする原稿セット部A、セットされた原稿束から一枚毎原稿を分離して給送する分離給紙部B、給送された原稿を一次突き当て整合する働きと、整合後の原稿を引き出し搬送する働きのレジスト部C、搬送される原稿を反転させて、原稿面を読み取り側(下方)に向けて搬送する反転部D、原稿の表面画像を、コンタクトガラス21bの下方より読み取らせる第1読取搬送部E、読み取り後の原稿の裏面画像を読み取る第2読取搬送部F、表裏の読み取りが完了した原稿を装置外に排出する排紙部G、読み取り完了後の原稿を排紙トレイ29に積載保持するスタック部H、を含む機構部と、この機構部の搬送動作のための駆動を行う駆動部101〜105と、さらに、一連の動作を制御するコントローラ100とから構成されている(図3参照)。
図3は、ADF400の制御部の構成を示すブロック図である。図4は、第2読取部25の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、コントローラ100は、ADF側に配設された第2読取部25に対して電源を供給するとともに、本体制御部111から送信される制御信号に基づいて、第2読取部25に対して読取タイミングを示すタイミング信号を送出し、露光のための光源を点灯/消灯させるようになっている。
図4に示すように、第2読取部25は、原稿読み取り時の露光のための光源部(LED)200、原稿の画像面を読み取ってその情報を電気信号(アナログ信号)に光電変換するCCDセンサチップ201、そのアナログ信号を増幅する増幅器202、増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ203、そのディジタル信号から画情報を生成する画処理部204、その画情報を展開して蓄積するためのフレームメモリ205、フレームメモリ205に蓄積された画情報をインタフェース回路207を介して本体制御部111に送出する出力制御回路206、等を備え、ADF側からのタイミング信号に従って露光処理を行い、取得した画情報を本体側に送出するように構成されている。
前述した構成において、原稿固定読取方式により原稿画像を読み取る場合に、原稿または原稿束1をコンタクトガラス21b上にセットし、ADF400を閉状態にする。このADF400の底部には、原稿固定読取方式で原稿を読み取るときに原稿をコンタクトガラス21bに圧接するための圧板(図示せず)が設けられている。前記閉状態で、操作部108のプリントキーが押下されると、画像読取装置81を左右方向に移動させながら原稿を読み取ることになる。なお、原稿固定読取方式では、例えば、1枚のA4判原稿の読み取りごとに、コントローラ100から画像読取装置81に対して後述のゲート信号が送信され、読み取り制御が行われる。
また、シートスルー方式により原稿画像を読み取る場合に、読取対象の原稿束1をセットするときは、可動原稿テーブル3を含む原稿テーブル2上で、原稿面を上向きにした状態でセットする。さらに、原稿束1の幅方向(主走査方向(搬送方向と直交する方向))をサイドフェンス321によって規制し、幅方向の位置決めを行う。原稿がセットされたこと(セット状態)は、セットフィラー4、セットセンサ5により検知され、インタフェース(I/F)107により本体制御部111に送信される。さらに、原稿テーブル面に設けられた原稿長さセンサ30、31(反射型センサまたは、原稿1枚でも検知可能なアクチュエータ・タイプのセンサが用いられる)により原稿の搬送方向長さの概略が判定される。ここでは、少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なセンサ配置が必要となる。
可動原稿テーブル(底板)3は、底板上昇モータ105によりa、b方向(図2参照)に上下動可能になっている。コントローラ100は、原稿がセットされたことをセットフィラー4、セットセンサ5により検知すると、底板上昇モータ105を正転させて、原稿束の最上面がピックアップローラ7と接触するように可動テーブル3を上昇させる。ピックアップローラ7は、ピックアップモータ101の駆動でカム機構により、c、d方向(図2参照)に可動テーブル3と共に回動する。また、可動テーブル3は、可動テーブル3上の原稿上面により押されてc方向に回動して上昇し、給紙適正位置センサ8により回動の上限を検知される構成となっている。
この給紙適正位置センサ8は、可動原稿テーブル3が上昇し過ぎたことを検出して原稿束の上面が適正な給紙高さに保たれていることを検出するセンサである。給紙適正位置センサ8がONしたら底板上昇を停止し、給紙を繰り返すことで原稿上面位置が下がり給紙適正位置センサ8がOFFしたら、可動原稿テーブル3を上昇させて給紙適正位置センサ8が再びONするように制御を繰り返すことにより、常に原稿束の上面位置(最上位)が給紙に適した高さに維持される。
なお、セットされた原稿が全て給紙されると、底板上昇モータ105を正転させて次の原稿束をセットできるようにホームポジション位置へと可動原稿テーブル3を下降させる。本実施の形態では、可動原稿テーブル3を圧縮スプリング310によって上方へ付勢し、可動原稿テーブル3がホームポジション位置にあることを底板ホームポジション(HP)センサ 6によって検出するようにしている。
前述したように、可動原稿テーブル3上の原稿束の上面が適正な給紙高さに保たれた状態で、操作部108のプリントキーが押下され、本体制御部111からインタフェース107を介して、コントローラ100に原稿給紙信号(給紙スタート信号)が送信されると、給紙動作を開始する。ここで、ピックアップローラ7は、給紙モータ102の正転により回転駆動し、原稿テーブル2上の数枚(理想的には1枚)の原稿をピックアップする。このときの回転方向は、最上位の原稿を給紙口に搬送する方向である。給紙ベルト9は、給紙モータ102の正転により給紙方向に駆動される。この給紙ベルト9と対向するリバースローラ10は、給紙モータ102の正転により給紙と逆方向に回転駆動され、最上位の原稿とその下の原稿を分離して、最上位の原稿のみを給紙する構成となっている。
さらに詳しく説明すると、リバースローラ10は給紙ベルト9と所定圧で接し、給紙ベルト9と直接接しているとき、または原稿1枚を介して接している状態では、給紙ベルト9の回転に連れて反時計方向に連れ回りし、原稿が2枚以上給紙ベルト9とリバースローラ10との間に進入したときには、連れ回り力がトルクリミッタ(例えば、リバースローラ10のローラ軸に設けられている)のトルクよりも低くなるように設定されている。従って、原稿が2枚以上進入したときには、リバースローラ10は本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをするために、重送が防止される。
給紙ベルト9とリバースローラ10との作用により、1枚に分離された原稿は、給紙ベルト9によってさらに搬送され、突当センサ11によって先端が検知され、さらに進んで停止しているプルアウトローラ12に突き当たる。その後、前記原稿は、突当センサ11の検知情報により予め定められた距離だけ搬送され、結果的には、プルアウトローラ12に所定量撓みを持って押し当てられる。この状態で、給紙モータ102を停止させることにより、給紙ベルト9の駆動が停止する。ここで、コントローラ100は、原稿先端が突当センサ11により検知されると、ピックアップモータ101を回転させ、ピックアップローラ7を原稿上面から退避させる。従って、前記原稿は、給紙ベルト9の搬送力のみで搬送されることになる。このような動作により、原稿先端は、プルアウトローラ12の上下ローラ対のニップ部に進入し、先端の整合(スキュー補正)が行われる。プルアウトローラ12は、スキュー補正機能を有すると共に、分離後にスキュー補正された原稿を中間ローラ14まで搬送するためのローラで、給紙モータ102の逆転により駆動される。また、給紙モータ102の逆転時には、プルアウトローラ12と中間ローラ14とは駆動されるが、ピックアップローラ7と給紙ベルト9とは駆動されていない。
原稿幅センサ13は、奥行き方向に複数個並べられ、プルアウトローラ12により搬送された原稿の幅方向(搬送方向に直交する方向)のサイズを検知する。また、原稿の搬送方向の長さは、原稿の先端、後端を突当センサ11で検知することにより、モータパルスから検出されるように構成されている。プルアウトローラ12および中間ローラ14の駆動により、レジスト部Cから反転部Dに原稿が搬送される際には、レジスト部Cにおける搬送速度が、読取搬送部Eにおける搬送速度よりも高速になるように設定することで、原稿を読取位置20へ送り込む処理時間の短縮が図られている。原稿先端が読取入口センサ15により検出されると、読取入口ローラ16の上下ローラ対のニップ部に原稿先端が進入する前に、原稿搬送速度を読取搬送速度と同速にするために減速を開始すると同時に、読取モータ103を正転駆動して読取入口ローラ16、読取出口ローラ23、CIS出口ローラ27を駆動する。
前記原稿の先端をレジストセンサ17にて検知すると、コントローラ100は所定の搬送距離で減速し、前記原稿を読取位置20の手前で一時停止させると共に、インタフェース107を介して本体制御部111にレジスト停止信号を送信する。次いで、コントローラ100は、本体制御部111より読取開始信号を受信すると、レジスト停止していた原稿の先端が読取位置に到達するまでに、所定の搬送速度に立ち上がるように増速して搬送させる。コントローラ100は、読取モータ103のパルスカウントにより検出された原稿先端が画像読取装置81上方の読取位置20に到達するタイミングで、本体制御部111に対して第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を送信する。このゲート信号は、画像読取装置81上方の読取位置20を原稿後端が抜けるまで送信される。片面読み取りの場合には、読取搬送部Eを通過した原稿は、第2読取部25を経て排紙部Gへ搬送される。この際、コントローラ100は、排紙センサ24が原稿の先端を検知すると、排紙モータ104を正転駆動して排紙ローラ28を反時計方向に回転させる。
また、コントローラ100は、排紙センサ24により原稿の先端が検知されてから、排紙モータ104のパルスをカウントし、原稿後端が排紙ローラ28の上下ローラ対のニップ部から抜ける直前に排紙モータ104の駆動速度を減速させて、排紙トレイ29上に排出される原稿が飛び出さないように制御する。両面読み取りの場合には、コントローラ100は、排紙センサ24にて原稿先端を検知してから読取モータ103のパルスをカウントする。次いで、コントローラ100は、第2読取部25に原稿先端が到達するタイミングで第2読取部25に対し、副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号を送信する。このゲート信号は、第2読取部25を原稿後端が抜けるまで送信される。第2読取搬送ローラ26は、第2読取部25における原稿の浮きを抑えると同時に、第2読取部25におけるシェーディングデータを取得するための基準白部を兼ねるものである。
図5は、本発明の第1の実施の形態としての給紙機構の構成を示す図である。ここで、弾性部材としての圧縮スプリング310はホームポジション(初期位置)にある可動原稿テーブル3bにのみ図示し、他の位置にある場合は省略している。また、可動原稿テーブル3に載置される原稿が1種類(同一サイズ)の場合を示す。
図5において、給紙機構500は、可動原稿テーブル(底板)3と、可動原稿テーブル3を上方へ付勢する圧縮スプリング310と、可動原稿テーブル3の回転軸に取り付けられた駆動プーリ501と、駆動プーリ501と底板上昇モータ105の軸とに架け渡された伝導ベルト502と、最下位位置にある可動原稿テーブル3cを検出する最下位位置センサ302と、ホームポジションにある可動原稿テーブル3bを検出する前述の底板HPセンサ6と、前述の給紙適正位置センサ8と、前述の底板上昇モータ105と、前述の原稿セットセンサ5およびセットフィラー4と、前述のピックアップローラ7と、を有する構成である。
可動原稿テーブル3は下方から圧縮スプリング310により支えられており、原稿が載置されていない通常状態でホームポジションにある。ホームポジションにある可動原稿テーブル3bは、底板HPセンサ302により検出されるようになっている。
圧縮スプリング310は、原稿枚数が一定値以下の時は変位しないが、一定値を超えると徐々に変位する(縮退する)ようになっている。なお、原稿枚数は原稿の重量に比例するため、圧縮スプリング310は、原稿の重量が一定値を超えると縮退し、可動原稿テーブル3は下方へ変位することになる。また、同一種類(サイズ、厚さ等)の原稿の重量は積載高さ(原稿枚数)に比例するため、可動原稿テーブル3の下方への変位に応じて積載スペースが拡張されることになる。
圧縮スプリング310の変位により、可動原稿テーブル3は最下位位置まで下降し、最下位位置にある可動原稿テーブル3cは最下位位置センサ302により検出されるようになっている。また、可動原稿テーブル3cは、給紙時の原稿最上面に合わせて適正位置に保たれるため、例えば、1枚の原稿が載置された可動原稿テーブル3aは給紙適正位置センサ8に検出され、この給紙適正位置で給紙動作が行われることになる。
以上のように構成された複写機300について、その給紙動作(給紙開始前)を説明する。
可動原稿テーブル3がホームポジションにある(底板HPセンサ6が検知している)状態で原稿がセットされると、コントローラ100は、原稿セットセンサ5の検知情報に基づいて原稿セットを検出する。ここで、原稿の積載枚数に応じて可動原稿テーブル3の重量が一定値を超えると、前述のように可動原稿テーブル3がホームポジションから下降し、底板HPセンサ6は非検知状態(オン)となる。さらに、可動原稿テーブル3がホームポジションから最下位位置まで下降すると、最下位位置センサ302は検知状態(オフ)となる。
次いで、コントローラ100は底板上昇モータ105を駆動し、この駆動は可動原稿テーブル3の軸に伝導され、可動原稿テーブル3は上昇する。この可動原稿テーブル3に載置された原稿束の上面はピックアップローラ7と接触して押上げ、可動原稿テーブル3は給紙適正位置センサ8に検知される(オフ状態)。給紙適正位置センサ8の検知情報に基づいて、コントローラ100は可動原稿テーブル3の回動の上限を検出し、底板上昇モータ105の駆動を停止する。ここで、コントローラ100は本体制御部111からの給紙スタート信号を待つことになる。
給紙スタート信号を受信すると、コントローラ100は給紙モータ102を駆動し、ピックアップローラ7を回転させる。ピックアップローラ7の回転で可動原稿テーブル3に載置された原稿束の最上位が取り出され、分離給紙部Bに送り込まれる。
本実施の形態によれば、最下位位置よりも上方のホームポジションから給紙適正位置まで上昇させればよいので、可動原稿テーブル3の移動量を減少させることができ、結果としてファーストコピー時間を短縮することができる。これに対し、従来の給紙機構では、可動原稿テーブル3のホームポジションが最下位位置と同一であったために、例えば、可動原稿テーブル3に1枚の原稿が載置された場合、給紙スタート信号に応じて可動原稿テーブル3を最下位位置から給紙適正位置まで上昇させる必要があった。
さらに、従来の給紙機構では、可動原稿テーブル3に積載された原稿枚数に応じて底板上昇モータ105の負荷が増し、消費電力も増加する。これに対し、本実施の形態によれば、圧縮スプリング310が可動原稿テーブル3を上方へ付勢しているため、ホームポジションよりも下方に下降した圧縮スプリング310を持ち上げるときの底板上昇モータ105の負荷を減じ、消費電力を低減することができる。よって、底板上昇モータ105を従来よりも低トルクの安価なもので構成することができる。なお、原稿枚数に応じて可動原稿テーブル3がホームポジションから最下位位置まで下降するため、従来の給紙機構と同等の積載可能枚数を維持することができる。
ここで、可動原稿テーブル3に積載可能な原稿高さA1はセットフェンス330を超えないように設定されている。したがって、可動原稿テーブル3が下降を始めるタイミングは原稿高さA1に達する前に設定されている。この設定は、可動原稿テーブル3に載置された原稿高さがA1を超えると最上位の原稿がセットフェンス330を超えてしまい、その原稿が分離部Bへ入り込むことによる重送等の不具合が発生することによる。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態としての給紙機構の構成を示す図である。これは第1の実施の形態とはレバー311を除き、概ね同様の構成を有しているため、同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。なお、圧縮スプリング310はホームポジション(初期位置)にある可動原稿テーブル3bを支持するレバー311bにのみ図示し、他の位置にある場合は省略している。また、可動原稿テーブル3に載置される原稿が1種類(同一サイズ)の場合を示す。
図6において、給紙機構500はレバー311を有する。このレバー311は、駆動プーリ501の軸に回動自在に取り付けられるとともに、一端側(可動原稿テーブル3と接触する側)に圧縮スプリング310が取り付けられ、駆動プーリ501に伝導された底板上昇モータ105の駆動を可動原稿テーブル3に伝達する。ここでは、底板上昇モータ105の駆動によりレバー311が回動して可動原稿テーブル3の底部を摺動しながら押し上げるようになっている。また、レバー311を介して圧縮スプリング310により可動原稿テーブル3を上方へ付勢するようになっている。
なお、レバー311aは可動原稿テーブル3が給紙適正位置にある場合を示し、レバー311bは可動原稿テーブル3がホームポジションにある場合を示し、レバー311cは可動原稿テーブル3が最下位位置にある場合を示している。
以上のように構成された複写機300について、その原稿セット時の動作を説明する。
前述のように原稿がセットされると、コントローラ100は、原稿セットセンサ5の検知情報に基づいて原稿セットを検出する。ここで、原稿の積載枚数に応じて可動原稿テーブル3の重量が一定値を超えると、前述のように圧縮スプリング310およびレバー311に支持された可動原稿テーブル3がホームポジションから下降し、底板HPセンサ6は非検知状態(オン)となる。さらに、可動原稿テーブル3がホームポジションから最下位位置まで下降すると、最下位位置センサ302は検知状態(オフ)となる。
次いで、コントローラ100は底板上昇モータ105を駆動し、この駆動は駆動プーリ501に伝導され、駆動プーリ501の軸に取り付けられたレバー311を回動させ、可動原稿テーブル3の底部が押上げられる。この可動原稿テーブル3に載置された原稿束の上面はピックアップローラ7と接触して押上げ、可動原稿テーブル3は給紙適正位置センサ8に検知される(オフ状態)。給紙適正位置センサ8の検知情報に基づいて、コントローラ100は可動原稿テーブル3の回動の上限を検出し、底板上昇モータ105の駆動を停止する。ここで、コントローラ100は本体制御部111からの給紙スタート信号を待つことになる。
給紙スタート信号を受信すると、コントローラ100は給紙モータ102を駆動し、ピックアップローラ7を回転させる。ピックアップローラ7の回転で可動原稿テーブル3に載置された原稿束の最上位が取り出され、分離給紙部Bに送り込まれる。
本実施の形態によれば、圧縮スプリング310がレバー311を介して可動原稿テーブル3を上方へ付勢しているために、ホームポジションよりも下方に下降した圧縮スプリング310を持ち上げるときの底板上昇モータ105の負荷を減じ、消費電力を低減することができる。
また、圧縮スプリング310がレバー311の一端に取り付けられているために、所定枚数以上の原稿がセットされて可動原稿テーブル3がホームポジションから下降した後、セットされていた原稿が引き抜かれた場合に、圧縮スプリング310の弾性によってレバー311は駆動プーリ501の軸を中心として図中、時計方向に回動し、この回動によって可動原稿テーブル3はホームポジションまで上昇する。すなわち、レバー311の回動と可動原稿テーブル3の上昇は同期する。よって、第1の実施の形態と同様にファーストコピー時間を短縮することができる。
これに対し、単に圧縮スプリング310が可動原稿テーブル3を支える構成(図5参照)にレバー311を追加すると、所定枚数以上の原稿がセットされて可動原稿テーブル3がホームポジションから下降した後、セットされていた原稿が引き抜かれた場合に、可動原稿テーブル3はホームポジションに戻るが、レバー310に対しては圧縮スプリング310の弾性が作用しないために、レバー310は可動原稿テーブル3と連動しない(戻らない)場合があり得る。この場合、レバー310と可動原稿テーブル3とが離間するために、コントローラ100に対してスタート信号が供給されると、底板上昇モータ105の駆動によってレバー310が図中、時計方向に回動し、可動原稿テーブル3の底部に接するまでに所定の時間を要することになる。よって、本実施の形態に比べ、ファーストコピー時間が延びることになる。
[第3の実施の形態]
図7は、本発明の第3の実施の形態としての給紙機構の構成を示す図である。これは第1の実施の形態とはレバー311およびリンク部312を除き、概ね同様の構成を有しているため、同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。なお、圧縮スプリング310はホームポジション(初期位置)にある可動原稿テーブル3bにのみ図示し、他の位置にある場合は省略している。また、可動原稿テーブル3に載置される原稿が1種類(同一サイズ)の場合を示す。
図7において、給紙機構500は、可動原稿テーブル3に設けられたリンク部312と、駆動プーリ501の軸に取り付けられるとともに、一端側がリンク部312に接続されたレバー311と、を有する。ここでは、レバー311とリンク部312とがリンク機構を構成している。このリンク機構によって、駆動プーリ501に伝導された底板上昇モータ105の駆動を可動原稿テーブル3に伝達するようにしている。なお、リンク部312は、例えば原稿の搬送方向(給紙方向)に延びるリンク穴を有し、このリンク穴にレバー311の一端が接続され、レバー311の回動に応じて前記一端が前記リンク穴内を摺動し、可動原稿テーブル3が上下動(回動)するようになっている。
また、可動原稿テーブル3の一端側(セットフェンス330側)には圧縮スプリング310が取り付けられ、可動原稿テーブル3を上方へ付勢するようになっている。
なお、リンク部312aは可動原稿テーブル3が給紙適正位置にある場合を示し、リンク部312bは可動原稿テーブル3がホームポジションにある場合を示し、リンク部312cは可動原稿テーブル3が最下位位置にある場合を示している。
本実施の形態は、圧縮スプリング310が可動原稿テーブル3を上方へ付勢するとともに、レバー311およびリンク部312を有するリンク機構を介して、駆動プーリ501に伝導された底板上昇モータ105の駆動を可動原稿テーブル3に伝達する構成を有している。この構成により、ホームポジションよりも下方に下降した圧縮スプリング310を持ち上げるときの底板上昇モータ105の負荷を減じ、消費電力を低減することができる。
また、レバー311と可動原稿テーブル3とがリンク接続されているために、所定枚数以上の原稿がセットされて可動原稿テーブル3がホームポジションから下降した後、セットされていた原稿が引き抜かれた場合に、圧縮スプリング310の弾性によって可動原稿テーブル3は軸回り(時計方向)に回動してホームポジションまで上昇し、この上昇に応じてレバー311は駆動プーリ501の軸を中心として図中、時計方向に回動する。すなわち、可動原稿テーブル3の上昇とレバー311の回動とは同期する。よって、第1の実施の形態と同様にファーストコピー時間を短縮するとともに、安定した給紙動作を行うことができる。
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態としての給紙機構の構成を示す図である。これは第2の実施の形態とはストッパ部材305を除き、概ね同様の構成を有しているため、同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。なお、圧縮スプリング310はホームポジション(初期位置)にある可動原稿テーブル3bを支持するレバー311bにのみ図示し、他の位置にある場合は省略している。また、可動原稿テーブル3に載置される原稿が1種類(同一サイズ)の場合を示す。
図8において、給紙機構500は、最下位位置で可動原稿テーブル3の回動を規制(停止)するためのストッパ部材305を有する。このストッパ部材305は、例えば、スポンジ等の樹脂材料で形成されている。ストッパ部材305を設けることにより、可動原稿テーブル3が最下位位置にあることを検出するための最下位位置センサ302を省略し、コントローラ100の制御を簡素化することができる。また、消費電力を削減することができる。ここで、底板上昇モータ105の駆動により可動原稿テーブル3をホームポジションから下降させて最下位位置に停止させる場合には、コントローラ100は底板上昇モータ105の駆動量(例えば、駆動パルス数)に基づいて停止制御を行うようにする。これに対し、第2の実施の形態では、コントローラ100は最下位位置センサ302の検知情報(オン、オフ)に基づいて底板上昇モータ105を駆動、解除することになる。
以上のように構成された複写機300について、その原稿セット時の動作を説明する。
前述のように原稿がセットされると、コントローラ100は、原稿セットセンサ5の検知情報に基づいて原稿セットを検出する。ここで、原稿の積載枚数に応じて可動原稿テーブル3の重量が一定値を超えると、前述のように圧縮スプリング310およびレバー311に支持された可動原稿テーブル3がホームポジションから下降し、底板HPセンサ6は非検知状態(オン)となる。さらに、可動原稿テーブル3がホームポジションから最下位位置まで下降すると、ストッパ部材305に阻止されて下降を停止することになる。
次いで、コントローラ100は底板上昇モータ105を駆動し、この駆動は駆動プーリ501に伝導され、駆動プーリ501の軸に取り付けられたレバー311を回動させ、可動原稿テーブル3の底部が押上げられる。この可動原稿テーブル3に載置された原稿束の上面はピックアップローラ7と接触して押上げ、可動原稿テーブル3は給紙適正位置センサ8に検知される(オフ状態)。給紙適正位置センサ8の検知情報に基づいて、コントローラ100は可動原稿テーブル3の回動の上限を検出し、底板上昇モータ105の駆動を停止する。
ここで、本体制御部111からの給紙スタート信号を受信すると、コントローラ100は給紙モータ102を駆動し、ピックアップローラ7を回転させる。ピックアップローラ7の回転で可動原稿テーブル3に載置された原稿束の最上位が取り出され、分離給紙部Bに送り込まれる。
本実施の形態によれば、最下位位置センサ302を設ける必要がないため、部品点数の削減、コストダウン、省電力を図ることができる。
[第5の実施の形態]
図9は、本発明の第5の実施の形態としての給紙機構の構成を示す図である。図10は、本発明の第5の実施の形態としてのサイドフェンスの構成を示す図である。これは第1ら第4の実施の形態とは中間位置センサ303およびサイドフェンス位置センサ322a、322b、322c、323を除き、概ね同様の構成を有しているため、同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。なお、圧縮スプリング310はホームポジション(初期位置)にある可動原稿テーブル3bを支持するレバー311bにのみ図示し、他の位置にある場合は省略している。また、可動原稿テーブル3に載置される原稿が複数種類(例えば、幅サイズが異なるもの)の場合を示す。
図9において、給紙機構500は、ホームポジションと最下位位置との間で可動原稿テーブル3を検出するための中間位置センサ303と、幅方向に移動可能なサイドフェンス321の位置を検出するサイドフェンス位置センサ322a、322b、322c、323(図10参照)と、を有している。なお、中間位置センサ303は1つに限らず、原稿サイズに応じて複数設けるものとする。
図10に示すように、一方のサイドフェンス321´は固定されており、他の一方のサイドフェンス321は幅方向に移動可能に設けられている。複数のサイドフェンス位置センサ322a、322b、322cは、原稿テーブル2の幅方向に所定の間隔で配置されている。ここで、原稿は図中、上側のサイドフェンス321´に一端が突き当てられた状態でセットされ、図中、下側のサイドフェンス321が移動され、サイドフェンス321に他の一端が突き当てられた状態でセットを完了する。この状態で、サイドフェンス位置センサ322a、322b、322cの検知情報に基づいて載置された原稿の種類(例えば、A5、A4、A3の定型サイズ)を検出(識別)するようになっている。例えば、サイドフェンス321bは、サイドフェンス321がサイドフェンス位置センサ322cによって検知される場合を示す。サイドフェンス321aは、サイドフェンス321がサイドフェンス位置センサ322aによって検知される場合を示す。
例えば、原稿テーブル2にセットする原稿がA4サイズまたはA5サイズである場合、同一重量であってもA5サイズの積載高さはA4サイズの積載高さの2倍になる。そこで、異なる原稿サイズに対応するために、最小サイズ(例えば、A5サイズ)に合わせてホームポジションを設定し、最小サイズの原稿を積載高さA1(図5参照)まで積載して所定の重量に達すると、可動原稿テーブル3が下降を開始するようにし、下降した可動原稿テーブル3を給紙スタート信号の受信によって上昇させるようにしている。さらに、最小サイズ以外(例えば、A4サイズ)の原稿が前記所定の重量に相当する枚数以上積載されて可動原稿テーブル3が下降し、ホームポジションと最下位位置との間に設けた中間位置センサ303に検知された場合に、当該原稿サイズ(幅)と積載重量とに基づいて当該原稿の積載高さを検出(または算出)し、検出した積載高さと前記積載高さA1との差分に応じて可動原稿テーブル3を上昇させ(例えば、底板上昇モータ105を前記差分の移動量に相当するパルス数分、駆動させ)、上昇した可動原稿テーブル3を給紙スタート信号の受信によってさらに上昇させるようにしている。
コントローラ100は、中間位置センサ303の検知に基づいて最小サイズ以外の原稿の積載重量を求め、この積載重量と当該原稿サイズとに基づいて可動原稿テーブル3の移動量を求めるものである。
なお、中間位置センサ303は、最小サイズ以外の当該原稿の積載重量を検出するように配置されている。中間位置センサ303は、最小サイズ以外の当該原稿の積載重量と積載高さとの比例関係に基づいて積載高さを検出するためのものである。また、最小サイズ以外の原稿に合わせてホームポジションを設定した場合には、可動原稿テーブル3が下降を開始する重量となるまで最小サイズの原稿を積載することができないという不都合が生じる。
以上のように構成された複写機300について、その原稿セット時の動作を説明する。
可動原稿テーブル3がホームポジションにある(底板HPセンサ6が検知している)状態で原稿がセットされると、コントローラ100は、原稿セットセンサ5の検知情報に基づいて原稿セットを検出する。また、コントローラ100は、サイドフェンス位置センサ322a、322b、322cの検知情報に基づいて、原稿サイズ(幅)を検出する。
ここで、原稿サイズが最小サイズ(例えば、A5サイズ)である場合、原稿の積載枚数に応じて可動原稿テーブル3の重量が一定値を超えると、前述のように可動原稿テーブル3がホームポジションから下降し、底板HPセンサ6は非検知状態(オン)となる。また、可動原稿テーブル3がホームポジションと最下位位置の間の中間位置まで下降すると中間位置センサ303は検知状態(オフ)となる。さらに、最下位位置まで下降すると、最下位位置センサ302は検知状態(オフ)となる。
給紙スタート信号の受信によって、コントローラ100は底板上昇モータ105を駆動し、この駆動が可動原稿テーブル3の軸に伝導され、可動原稿テーブル3は上昇する。この可動原稿テーブル3に載置された原稿束の上面はピックアップローラ7と接触して押上げ、可動原稿テーブル3は給紙適正位置センサ8に検知される(オフ状態)。給紙適正位置センサ8の検知情報に基づいて、コントローラ100は底板上昇モータ105の駆動を停止し、給紙モータ102を駆動してピックアップローラ7を回転させる。ピックアップローラ7の回転で可動原稿テーブル3に載置された原稿束の最上位が取り出され、分離給紙部Bに送り込まれる。なお、可動原稿テーブル3に載置された原稿束のサイズが最小サイズであって中間位置センサ303に検知された場合には、後述の差分に応じた移動(上昇)は行われない。
また、原稿サイズが最小サイズ以外(例えば、A4サイズ)である場合、原稿の積載枚数に応じて可動原稿テーブル3の重量が一定値を超えると、前述のように可動原稿テーブル3がホームポジションから下降し、底板HPセンサ6は非検知状態(オン)となる。また、可動原稿テーブル3がホームポジションと最下位位置の間の中間位置まで下降すると中間位置センサ303は検知状態(オフ)となる。さらに、最下位位置まで下降すると、最下位位置センサ302は検知状態(オフ)となる。
ここで、可動原稿テーブル3が中間位置センサ303により検知された場合、コントローラ100は、中間位置センサ303の検知情報に基づいて積載重量を検出する。また、コントローラ100は、検出した積載重量と前述のように検出した当該原稿サイズとに基づいて当該原稿の積載高さを検出(または算出)する。さらに、コントローラ100は、検出した積載高さと、最小サイズの原稿が積載された可動原稿テーブル3がホームポジションから下降するときの積載高さ(図5のA1に相当する)と、の差分に応じて可動原稿テーブル3を上昇させるよう底板上昇モータ105を駆動した後、駆動を停止する。したがって、可動原稿テーブル3はホームポジションより上方で停止することになる。
また、コントローラ100は本体制御部111からの給紙スタート信号を待機し、給紙スタート信号を受信すると底板上昇モータ105を駆動する。そして、可動原稿テーブル3に載置された最小サイズ以外の原稿束の上面はピックアップローラ7と接触して押上げ、可動原稿テーブル3は給紙適正位置センサ8に検知される(オフ状態)。給紙適正位置センサ8の検知情報に基づいて、コントローラ100は底板上昇モータ105の駆動を停止するとともに、給紙モータ102を駆動してピックアップローラ7を回転させ、可動原稿テーブル3に載置された原稿束の最上位から分離給紙部Bに送り込むようにする。
本実施の形態によれば、コントローラ100は、原稿セット時に原稿のサイズ(幅)を検出し、最小サイズよりも大きいサイズについてはスタート信号の受信前に可動原稿テーブル3をホームポジションから所定の高さに移動させる(上昇させる)ようにしたので、原稿のサイズに応じてファーストコピー時間を短縮することができる。
なお、図10(b)に示すように、サイドフェンス321の位置を幅方向において連続的に検知可能なサイドフェンス位置センサ323を設けることにより、非定形の原稿に対応することも可能である。この場合、例えば複数種類の原稿(定形または非定形)について前記差分に相当する移動量を予め設定しておき、サイドフェンス位置センサ323の検知情報に基づいて検出された当該原稿サイズより小さいサイズに相当する設定済みの移動量を適用するようにしてもよい。
また、前述した構成に限らず、原稿サイズ(幅)を操作部108からの入力情報に基づいて判別するようにしてもよい。例えば、操作部108の表示器に表示された複数種類の原稿サイズ情報からいずれかを選択するようにし、コントローラ100は本体制御部111を介して原稿サイズ情報を取得する構成とする。この構成によれば、サイドフェンス位置センサ322a、322b、322cが不要となるため、センサ数を削減してコストダウンおよび省電力を図ることができる。
さらに、最小サイズの原稿の積載高さA1での積載重量に相当する最小サイズ以外の原稿の積載高さを予め求め、双方の差分を記憶しておき、前記入力情報に基づいて原稿サイズが最小サイズ以外であると判別した場合、原稿セット前に前記差分に相当する移動量だけ、可動原稿テーブル3をホームポジションから上昇させるように構成してもよい。この構成によれば、第1から第4の実施の形態と同様に、給紙スタート信号の受信前に可動原稿テーブル3をホームポジションまたは前記移動量だけ上昇した位置から上昇させ、適正給紙位置で待機させることもできる。