以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置を備えた自動原稿搬送装置および画像形成装置の概略構成図である。また、図2は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置を備えた自動原稿搬送装置の構成図である。また、図3は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置を備えた自動原稿搬送装置の制御系のブロック図である。なお、画像形成装置としては、スキャナー装置等の画像読取り装置を搭載した複写機、ファクシミリ装置、複写機能とファクシミリ機能等を備えた複合機等に適用することができるものであり、本実施の形態では、画像形成装置が複写機である場合を例に説明を行う。
まず、構成について説明する。
図1、図2に示すように、画像形成装置70は、原稿の搬送および裏面の読取りを行う画像読取り装置としての自動原稿搬送装置50と、原稿の表面の読取りおよび転写紙への画像形成を行う画像形成装置本体60とを備えている。また、自動原稿搬送装置50は図示しないヒンジ機構を介して画像形成装置本体60に対して開閉自在に設けられている。
画像形成装置本体60内には、画像読取り部81が設けられており、この画像読取り部81によって読取られた画像情報は書込部82によって感光体ドラム83に照射されるようになっている。
画像読取り部81は、コンタクトガラス22またはスリットガラス21上の原稿を照明する光源81aと、原稿から反射された光をそれぞれ反射する第1ミラー81b、第2ミラー81c、第3ミラー81dと、第3ミラー81dから反射された光をCCDイメージセンサ81fに結像するレンズ81eと、レンズ81eによって結像された光を電気信号に変換するCCDイメージセンサ81fとを備えている。
光源81aおよび第1ミラー81bは図示しない第1走行体に取付けられているとともに、第2ミラー81cとおよび第3ミラー81dは第2走行体に取付けられており、第1走行体および第2走行体はコンタクトガラス22およびスリットガラス21に沿って移動するようになっている。
そして、第1走行体および第2走行体は、コンタクトガラス22に載置された原稿を読取るときには、コンタクトガラス22の下方で図1中、左右方向に移動され、スリットガラス21を通過する原稿を読取るときには、スリットガラス21の下方で停止される。
書込部82は、画像読取り部81によって読取った画像情報に応じて光変調したレーザ光を照射し、帯電させた感光体ドラム83の表面をこのレーザ光で露光するようになっている。
感光体ドラム83の周囲には、感光体ドラム83とともに画像形成手段を構成する現像装置86、転写ベルト87、クリーニング装置88、図示しない帯電装置および除電装置が設けられている。帯電装置は暗中にプラス電荷のコロナ放電をグリッドにより制御して感光体ドラムの表面を一定電位に帯電させるようになっている。
書込部82はこの一定電位に帯電された感光体ドラム83上に画像情報を含んだレーザダイオードを照射して感光体ドラム83上のマイナス電荷を除去して静電潜像を形成する。
現像装置86は感光体ドラム83上の電気除去された部分にマイナスに帯電されたトナーを付着させて可視像を形成する。転写ベルト87にはプラスのバイアスが印加されており、この転写ベルト87はマイナスに帯電された可視像を記録媒体としての転写紙(用紙)に転写して搬送するようになっている。
クリーニング装置88はクリーニングブレードを備えており、感光体ドラム83に残ったトナーを掻き落とすようになっている。除電装置は内部のLEDを点灯させることにより感光体ドラム83の残留電荷を除去して次の転写紙に新たな画像を形成するための準備を行う。
上記の工程によって画像が形成された転写紙は、定着装置90に搬送されるとともに、定着装置90によりトナー画像が定着される。
また、画像形成装置本体60内にはそれぞれ異なるサイズの転写紙がそれぞれ収納された収納カセット91〜95が設けられており、この収納カセット91〜95に収納された転写紙は呼出しコロ91a〜95aによって給紙された後、搬送方向に回転する給紙ローラ91b〜95bおよび給紙ローラ91b〜95bに摺接し、分離方向に回転するリバースローラ91c〜95cによって分離された後、中継ローラ対96、97を介してレジストローラ対98に搬送され、レジストローラ対98によってタイミングを取られて感光体ドラム83と転写ベルト87の間の搬送路に搬送される。
一方、自動原稿搬送装置50は、図2に示すように、複数の原稿からなる原稿束1が原稿面を上向きにして載置される原稿テーブル2と、原稿テーブル2に載置された原稿束1から最上部の原稿を搬送するピックアップローラ7と、ピックアップローラ7により搬送された原稿を分離する給紙ベルト9およびリバースローラ10と、分離されて1枚になった原稿を画像形成装置本体60のスリットガラス21の近傍まで搬送するプルアウトローラ12、中間ローラ14、読取り入口ローラ16と、スリットガラス21の近傍まで搬送された原稿をスリットガラス21に接触させながら搬送する読取りローラ19と、スリットガラス21の読取り位置20で読取りを終えた原稿を更に搬送する読取り出口ローラ23と、読取り出口ローラ23により搬送された原稿を排出する排紙ローラ28と、排出された原稿が載置される排紙トレイ29とを備えている。
原稿テーブル2に載置された原稿は、排紙トレイ29に排出されるまでに搬送経路の各部を通過するようになっている。搬送経路は、原稿束1が載置される原稿セット部Aと、載置された原稿束1から一枚の原稿を分離して給送する分離給送部Bと、給送された原稿の表面に当接して整合するとともに整合後の原稿を引き出して搬送するレジスト部Cと、搬送される原稿をターンさせて、原稿の表面を下方に向けて搬送するターン部Dと、原稿の表面をスリットガラス21の下方より読取らせる第1読取搬送部Eと、原稿の裏面を読取る第2読取搬送部Fと、表裏の読取りが完了した原稿を外部に排出する排紙部Gと、排出された原稿が載置されるスタック部Hとから構成されている。ここで、原稿の表面とは、原稿テーブル2で上向きとなり第1読取搬送部Eにおいて読取りが行われる面のことをいい、原稿の裏面とは、原稿テーブル2で下向きとなり第2読取搬送部Fにおいて読取りが行われる面のことをいう。
図3に示すように、自動原稿搬送装置50は、自動原稿搬送装置50全体の制御を行うコントローラ100を備えている。また、自動原稿搬送装置50は、コントローラ100に信号を入力するセンサ等として、レジストセンサ17、原稿セットセンサ5、排紙センサ24、突き当てセンサ11、原稿幅センサ13、読取り入口センサ15、給紙適正位置センサ8、ホームポジションセンサ6を備えている。また、自動原稿搬送装置50は、コントローラ100から信号を出力して駆動制御するアクチュエータ等として、第2読取り部25、ピックアップモータ101、給紙モータ102、読取りモータ103、排紙モータ104、底板上昇モータ105を備えている。
また、画像形成装置本体60は、画像形成装置本体60の制御を行う本体制御部111と、各種の入力操作や動作指示を行う操作部108とを備えている。コントローラ100と本体制御部111はI/F107を介して接続されており、双方の間で制御信号等のデータの授受が行われるようになっている。
図4は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、第2読取り部25は、コントローラ100からの点灯信号に基づいて原稿に光を照射する光源部200と、原稿からの反射光を受光する複数のセンサチップ201と、各センサチップ201から出力された信号を増幅する複数の増幅部202と、増幅された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D203と、デジタル変換された信号に画像処理を施す画処理部204と、画像処理された信号を記憶するフレームメモリ205と、コントローラ100からのタイミング信号に基づいてフレームメモリ205に記憶された信号の出力制御を行う出力制御回路206と、出力制御回路206からの信号を本体制御部111に出力するI/F回路207とを備えている。なお、第2読取り部25には、コントローラ100から電源が供給されるようになっている。
ここで、原稿テーブル2に載置された原稿が排紙トレイ29に排出されるまでの順番に従って自動原稿搬送装置50の詳細な構成を説明する。
まず、複数の原稿からなる原稿束1は、可動原稿テーブル3を含む原稿テーブル2上に、表面が上向きの状態で載置される。次いで、原稿束1の幅方向の位置、即ち搬送方向と直行する方向の位置が図示しないサイドガイドによって位置決めされる。原稿テーブル2上に原稿が載置されたことはセットフィラー4および原稿セットセンサ5により検知され、検知信号がI/F107を介して画像形成装置本体60の本体制御部111に出力される。
また、原稿の搬送方向長さの概略は、原稿テーブル2の表面に設けられた原稿長さ検知センサ30、31により検知される。原稿長さ検知センサ30、31としては、光学的手段により原稿と接触せずに検知する反射型センサまたは原稿が1枚の場合でも検知可能な接触式のアクチェータータイプのセンサを用いることができる。また、原稿長さ検知センサ30、31は、原稿の配置が縦と横の何れになっているかを判断できるように配置されている。
可動原稿テーブル3は、底板上昇モータ105により図2の矢印a、b方向に上下動するように構成されている。また、原稿が原稿テーブル2上に載置されたことがセットフィラー4および原稿セットセンサ5により検知されると、コントローラ100は、底板上昇モータ105を正転させて原稿束1の最上部の原稿がピックアップローラ7と接触するように可動原稿テーブル3を上昇させるようになっている。以下、原稿束1の最上部の原稿がピックアップローラ7と接触する位置を給紙適正位置という。
ピックアップローラ7は、ピックアップモータ101によりカム機構を介して図2の矢印c、d方向に動作するとともに、上昇した可動原稿テーブル3上の原稿により押されて矢印c方向に持ち上げられ、給紙適正位置センサ8により移動の上限が検知されるようになっている。給紙適正位置センサ8は、可動原稿テーブル3が上昇して原稿束1の最上部の原稿が適正な高さに保たれていることを検知するためのセンサである。
操作部108が操作されて、両面モードまたは片面モードの何れかが指定された後にプリントキーが押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に原稿給紙信号が出力されると、コントローラ100は、給紙モータ102を正転させることにより、ピックアップローラ7を回転させるようになっている。回転を開始したピックアップローラ7は、原稿テーブル2の最上部の原稿または最上部の原稿を含む数枚の原稿をピックアップするようになっている。
次いで、給紙モータ102の正転により、給紙ベルト9およびリバースローラ10を時計方向に駆動すると、給紙ベルト9が原稿を給紙方向に導くとともに、リバースローラ10が原稿を給紙方向と逆の方向に押し出すため、原稿束1の最上部の原稿とその下の原稿とが分離し、最上部の原稿のみが給紙されるようになっている。
具体的には、リバースローラ10は、給紙ベルト9と所定圧で接しており、給紙ベルト9と直接接している状態、または1枚の原稿を介して接している状態では、給紙ベルト9の回転に連られて、図示しないトルクリミッタの働きにより本来の駆動方向と異なる反時計方向に回転するようになっている。また、2枚以上の原稿が給紙ベルト9とリバースローラ10の間に侵入した時は、リバースローラ10は、給紙ベルト9と連れ回りせず、本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをして重送を防止するようになっている。
給紙ベルト9とリバースローラ10との作用により1枚に分離された原稿は、給紙ベルト9によって送られた後、突き当てセンサ11によってその先端が検知され、更に搬送されて停止しているプルアウトローラ12に当接するようになっている。次いで、突き当てセンサ11に検知された位置から所定距離送られた原稿がプルアウトローラ12に所定量撓みを持って押し当てられた状態になると、給紙モータ102が停止されて給紙ベルト9の駆動が停止するようになっている。この際に、ピックアップモータ101を回転させることでピックアップローラ7を原稿上面から退避させ、原稿を給紙ベルト9の搬送力のみで送ることにより、原稿の先端がプルアウトローラ12に挟持され、先端の整合、いわゆるスキュー補正が行われるようになっている。プルアウトローラ12は、スキュー補正機能を有するとともに、分離後にスキュー補正された原稿を中間ローラ14まで搬送するためものであり、給紙モータ102の逆転により駆動されるようになっている。なお、給紙モータ102の逆転時は、プルアウトローラ12および中間ローラ14は駆動されるが、ピックアップローラ7と給紙ベルト9は駆動されないようになっている。
原稿幅センサ13は、CISと称される密着イメージセンサ等の光電変換素子を原稿の搬送方向と直行する方向に複数並べたものから構成されており、搬送経路の対向部に配置された図示しない照射光源から照射された直接光の受光レベルを出力するようになっている。コントローラ100は、原稿が原稿幅センサ13の位置を通過する際に、原稿幅センサ13における原稿によって遮光された部分と遮光されなかった部分のレベル差を検知して、プルアウトローラ12により搬送された原稿の幅方向のサイズを判定し、本体制御部111へ通知するようになっている。また、原稿の搬送方向の長さは原稿の先端と後端を突き当てセンサ11で読取ることによりモータパルスから検知するようになっている。プルアウトローラ12および中間ローラ14の駆動によりレジスト部Cからターン部Dに原稿が搬送される際には、レジスト部Cでの搬送速度を第1読取搬送部Eでの搬送速度よりも高速に設定して、原稿を第1読取搬送部Eへ送り込む処理時間の短縮を図っている。
原稿の先端が読取り入口センサ15により検知されると、読取り入口ローラ16に原稿の先端が進入する前に原稿搬送速度を読取搬送速度と等しくするために、コントローラ100は、原稿の搬送速度を減速するとともに、読取りモータ103を正転駆動して読取り入口ローラ16、読取り出口ローラ23およびCIS出口ローラ27を駆動するようになっている。原稿の先端がレジストセンサ17により検知されると、コントローラ100は、所定の搬送距離をかけて原稿の搬送速度を減速し、読取り位置20の手前で原稿を一時停止(レジスト停止)するとともに、I/F107を介して本体制御部111にレジスト停止信号を出力するようになっている。本体制御部111から読取り開始信号が受信されると、コントローラ100は、レジスト停止していた原稿を、読取り位置20にその先端が到達するまでに所定の搬送速度に立ち上がるように増速して搬送するようになっている。また、コントローラ100は、読取りモータ103のパルスカウントにより検知された原稿の先端が読取り位置20に到達するタイミングで、本体制御部111に対して表面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を出力するようになっている。なお、ゲート信号は、原稿の後端が第1読取搬送部Eを抜けるまで継続して出力されるようになっている。
動作モードが片面モードである場合には、コントローラ100は、第1読取搬送部Eを通過した原稿を、第2読取り部25を経て排紙部Gに搬送するようになっている。この際に、排紙センサ24により原稿の先端が検知されると、コントローラ100は、排紙モータ104を正転駆動して排紙ローラ28を反時計方向に回転するようになっている。また、コントローラ100は、排紙センサ24が原稿の先端を検知してからの排紙モータ104のパルスカウントを行い、原稿の後端が排紙ローラ28のニップ域から抜け出る直前に排紙モータ104の駆動速度を減速させることにより、排紙トレイ29上に排出される原稿が飛び出さないようにしている。
動作モードが両面モードである場合には、コントローラ100は、排紙センサ24により原稿の先端が検知されてからの読取りモータ103のパルスカウントを行い、第2読取り部25に原稿の先端が到達するタイミングで、第2読取り部25に対して副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号を出力するようになっている。ゲート信号は、第2読取り部25を原稿の後端が抜け出るまで継続して出力されるようになっている。
なお、第2読取り部25の表面には、原稿に付着した糊上の異物等が転写されることを防止するため、防汚コーティング処理が施されている。第2読取りローラ26は、第2読取り部25の読取り面25b(図6参照)に対向配置されており、読取り位置25a(図6参照)を通過する原稿を読取り面25b側へ押圧して第2読取り部25における原稿の浮きを抑えると同時に、第2読取り部25におけるシェーディングデータを取得してシェーディング補正をするための基準白部を兼ねるものである。すなわち、第2読取りローラ26は、白色のシェーディング部材を兼ねている。
図5は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置の第2読取りローラの構成を示す斜視図である。また、図6は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置の第2読取りローラの構成を示す側面図である。また、図7は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置のガイド部材の構成を示す側面図である。また、図8は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置の第2読取りローラの軸受の構成を示す斜視図である。
図5〜図8に示すように、第2読取りローラ26の回転軸26aの両端は、軸受302によりそれぞれ軸支され、軸受302は、ガイド部材301に嵌合する円筒部302aと、第2読取り部25の読取り面25b(図6参照)に突き当たって読取り面25bとガイド部材301および第2読取りローラ26との間隔を一定に保つための突き当て部302bとを備えている。第2読取りローラ26は、通過する原稿に接触して回転するようになっている。
ガイド部材301は、原稿を第2読取り部25の読取り面25bにおける読取り位置25aに導く傾斜部301aと、支持部材306の支持部306bが挿入される溝301bと、軸受302を囲み込むよう形成された側面部301cと、側面部301cにU字形状の開口として形成され軸受302の円筒部302aが嵌合する嵌合穴301dとを備えている。
ガイド部材301の嵌合穴301dは、軸受302の円筒部302aの少なくとも原稿搬送方向上流側と下流側を包囲するようにして円筒部302aに嵌合される。すなわち、嵌合穴301dは、軸受302の円筒部302aの下側においてのみ接しておらず、円筒部302aの上側と原稿搬送方向上流側と下流側を包囲している。このため、軸受302の円筒部302aがガイド部材301の嵌合穴301dに嵌合して両者が確実に固定されるため、ガイド部材301は、軸受302および第2読取りローラ26に追従して移動することとなる。
ガイド部材301は、ガイド部材の強度を確保しその変形を防止するために、強度の高い金属やガラス入り樹脂等の材質のものから構成されている。特に、ガイド部材301を金属やガラス入り樹脂等の材質のものから構成することにより、ガイド部材301の傾斜部301aの原稿幅方向中央部が原稿に押されて変形することが防止される。
支持部材306は、フレーム305に固定される固定部306aと、ガイド部材301の溝301bに挿入されて傾斜部301aの形状を保持するよう背面側から支持する支持部306bとを備えている。このため、支持部材306は、強度の高い材質から構成されることに加えて、支持部材306の支持部306bにより背面側から支持されているので、その中央部が搬送される原稿により原稿搬送方向下流側に変形することが防止されるようになっている。
支持部306bは、第2読取り部25の読取り面25bと垂直になるよう延在しており、このため、ガイド部材301が支持部306bに挿入および支持された状態のまま、ガイド部材301および第2読取りローラ26が第2読取り部25の読取り面25bに対して垂直に一定の範囲で移動できるようになっている。
支持部材306の固定部306aと軸受302との間には圧縮バネ303が配置されており、圧縮バネ303の一端が軸受302に固定され、圧縮バネ303の他端が支持部材306の固定部306aに固定されている。
圧縮バネ303は、軸受302および第2読取りローラ26を第2読取り部25に向って付勢するようになっている。このため、圧縮バネ303により軸受302の突き当て部302bが第2読取り部25の読取り面25bに突き当たった状態となるようガイド部材301および第2読取りローラ26が第2読取り部25の変位に追従して移動し、読取り面25bにおける読取り位置25aと第2読取りローラ26との間に原稿が読取り面25bに接触しながら通過できる程度の一定の狭い間隔が形成されるとともに、第2読取り部25の読取り面25bとガイド部材301の傾斜部301aとの間に、傾斜部301aが読取り位置25aに原稿を導くための最適な一定の間隔(図6中にXで示す)が形成されるようになっている。
読取り面25bにおける読取り位置25aと第2読取りローラ26との間隔は、原稿の厚みより僅かに狭い値となるよう設定されており、このため、読取り面25bに付着した汚れを原稿により除去するセルフクリーニングが行われるようになっている。
なお、圧縮バネ303による軸受302および第2読取りローラ26の付勢方向は、支持部材306の支持部306bの延在方向と略平行となっている。換言すると、支持部材306は、軸受302および第2読取りローラ26の移動方向と平行に延在している。
また、傾斜部301aと読取り面25bとの間隔および傾斜部301aと読取り位置25aとの間隔が変化しないよう、第2読取り部25に対するガイド部材301の姿勢を一定に保つために、突き当て部302bの原稿搬送方向の長さは、ガイド部材301の原稿搬送方向の長さが許す限り大きくすることが好ましい。
このように、本実施の形態では、軸受302の円筒部302aが支持部材306の嵌合穴301dに嵌合するようになっているので、傾斜部301aを有するガイド部材301と第2読取りローラ26と軸受302は、一体となって第2読取り部25の変位に追従し、第2読取り部25と第2読取りローラ26とガイド部材301の傾斜部aの3つの位置関係は変化しないようになっている。
ガイド部材301および第2読取り部25の原稿搬送方向上流側には、第2読取り部25に原稿を導く搬送ガイド部材307が設けられている。搬送ガイド部材307は、固定部307aにおいてカシメ等の手段によりフレーム305に固定されている。
フレーム305に固定された搬送ガイド部材307、支持部材306と、支持部材306に対して圧縮バネ303を介して固定された軸受302、第2読取りローラ26およびガイド部材301は、開閉ユニット310を構成している。
開閉ユニット310は、フレーム305のフレーム側面部305aに設けられた回動軸305bを中心として回動するようになっている。このため、開閉ユニット310を図6に示す状態から反時計回りに回転させると、第2読取り部25とガイド部材301が第2読取り部25から離隔するので、第2読取り部25のメンテナンスや紙詰まりの解消作業を行うことができるようになっている。なお、第2読取り部25とガイド部材301を第2読取り部25に対して開放した場合も、支持部材306の支持部306bによりガイド部材301が支持された状態のままとなっており、第2読取り部25とガイド部材301を第2読取り部25に対して再び閉塞した後も、支持部材306の支持部306bによりガイド部材301が支持された状態が維持される。フレーム305およびフレーム305のフレーム側面部305aに設けられた回動軸305bは、本発明における開閉手段を構成している。
次に動作について説明する。
図9(a)〜図9(c)は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置の動作を示す側面図である。
図9(a)に示すように、第2読取り部25の読取り面25bが原稿の通過する基準位置320上に正しく位置しているとき、読取り面25bの原稿幅方向両端部に第2読取りローラ26の軸受302が突き当たることにより、読取り面25bと第2読取りローラ26との間隔が一定に保たれる。
また、図9(b)に示すように、第2読取り部25が製造工程における取付け誤差等によって基準位置320よりも上側に位置してしまっているときでも、第2読取り部25に向かって付勢されている第2読取りローラ26が第2読取り部25に追従することにより、読取り面25bと第2読取りローラ26との間隔が一定に保たれる。
同様に、図9(c)に示すように、第2読取り部25が製造工程における取付け誤差等によって基準位置320よりも上側に位置してしまっているときでも、第2読取り部25に向かって付勢されている第2読取りローラ26が第2読取り部25に追従することにより、読取り面25bと第2読取りローラ26との間隔が一定に保たれる。
図9(b)、図9(c)に示す場合において、第2読取りローラ26は、図6に示すように支持部材306の支持部306bの延在方向すなわち読取り面25bに垂直な方向に移動して第2読取り部25に追従するため、読取り位置25aから原稿搬送方向に変位することがない。
従って、第2読取りローラ26と一体となって変位するガイド部材301に設けられた傾斜部301aやその頂点301apも、読取り位置25aから原稿搬送方向に変位することなく第2読取り部25に追従するため、傾斜部301aにより原稿が第2読取り部25の読取り位置25aに進入する際の湾曲軌跡が変化せず、原稿の正確な搬送や読取りができなくなってしまうことがない。
また、読取り面25bと第2読取りローラ26との間隔は、原稿の厚みより僅かに狭い値に保たれるので、読取り面25bに付着した汚れを原稿により除去するセルフクリーニングを安定して行うことができる。
なお、ガイド部材301と軸受302との嵌合が何らかの理由により解除されてしまい、ガイド部材301が第2読取り部25に接触してしまうことを防ぐために、図10に示すように、ガイド部材301の側面部301cの上部を読取り面25bに突き当てるように構成してもよい。
図10は、本発明の一実施の形態に係る画像読取り装置のガイド部材の他の構成を示す側面図である。
図10に示すように、ガイド部材301の側面部301cの上部に2つの突起301eを形成し、これらの突起301eが読取り面25bに突き当たることにより読取り面25bとガイド部材301の傾斜部301aとの間隔を一定に保つようにしてもよい。この場合、傾斜部301aと読取り面25bとの間隔および傾斜部301aと読取り位置25aとの間隔が変化しないよう、第2読取り部25に対するガイド部材301の姿勢を一定に保つために、2つの突起301eの間隔は、ガイド部材301の原稿搬送方向の長さが許す限り大きくすることが好ましい。
以上のように、本実施の形態に係る画像読取り装置は、第2読取りローラ26と第2読取りローラ26を軸支する軸受302に固定され、第2読取りローラ26および軸受302の原稿搬送方向上流側に配置されるとともに第2読取り部25の読取り面25b側に原稿を導くガイド部材301の傾斜部301aを備えたので、第2読取り部25が変位した場合であっても、ガイド部材301の傾斜部301aが第2読取りローラ26、軸受302と一体となって第2読取り部25に追従して移動するとともに、ガイド部材301の傾斜部301aと第2読取りローラ26との原稿搬送方向の距離が変化しないので、原稿を読取り位置25aに安定して導いて、原稿の正確な搬送や読取りをすることができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、読取り位置25aを通過する原稿と接触して回転する第2読取りローラ26により原稿を第2読取り部25の読取り面25b側へ押圧するので、第2読取りローラ26が回転することにより原稿との擦れが少なくなるため、第2読取りローラ26がシェーディング補正のための白色のシェーディング部材を兼ねている場合であっても、第2読取りローラ26に原稿の汚れが付着してシェーディング補正に悪影響が及ぶことを防止することができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、第2読取りローラ26と、第2読取り部25の読取り面25bに突き当たって第2読取りローラ26と第2読取り部25との間隔を一定に保つ突き当て部302bを有し第2読取りローラ26の回転軸26aを軸支する軸受302とを備え、傾斜部301aを有するガイド部材301が、突き当て部302bを有する軸受302に固定されているので、ガイド部材301と第2読取り部25との間隔を高い精度で一定に保つことができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、ガイド部材301の原稿幅方向両端部に、第2読取り部25の読取り面25bに突き当たって読取り面25bとガイド部材301との間隔を一定に保つ突起301eを設けたので、軸受302とガイド部材301との固定が解除されてしまった場合であっても、ガイド部材301の突起301eが読取り面25bに突き当たることにより読取り面25bとガイド部材301との間隔が一定に保たれるので、ガイド部材301が原稿の搬送を妨げることを防止することができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、軸受302の原稿搬送方向上流側と下流側を包囲するようガイド部材301が軸受302と嵌合することにより、軸受302にガイド部材301が固定されるので、ガイド部材301が軸受302と確実に固定され、ガイド部材301の位置が変化することを防止することができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、ガイド部材301が金属から構成されるので、ガイド部材301の強度が確保されて変形が防止されるため、読取り面25bとガイド部材301との間隔が一定に保たれ、第2読取り部25の読取り面25b側に安定して原稿を導くことができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、ガイド部材301が、ガラス入り樹脂から構成されるので、ガイド部材301の強度が確保されて変形が防止されるため、読取り面25bとガイド部材301との間隔が一定に保たれ、第2読取り部25の読取り面25b側に安定して原稿を導くことができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、第2読取り部25に対して第2読取りローラ26およびガイド部材301を開閉するよう、回動軸305bを中心に回動するフレーム305にこれら第2読取りローラ26およびガイド部材301が支持されるので、原稿詰まりの解消や第2読取り部25のクリーニングのために、第2読取りローラ26およびガイド部材301を第2読取り部25から開放することができるので、メンテナンス性を向上することができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、ガイド部材301の変形を防止するようガイド部材301を支持する支持部材306を備えたので、剛性のある原稿が搬送された場合においても、ガイド部材301の傾斜部301aが原稿から受ける圧力により変形することが支持部材306により防止されるので、読取り面25bとガイド部材301の傾斜部301aとの間隔が一定に保たれ、第2読取り部25の読取り面25b側に安定して原稿を導くことができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、支持部材306の支持部306bが、第2読取りローラ26およびガイド部材301の移動方向と平行に延在するので、第2読取り部25の変位に追従して第2読取りローラ26が移動しても、第2読取りローラ26とともに移動するガイド部材301を支持部材306が支持することができる。
また、本実施の形態に係る画像読取り装置は、回動軸305bを中心に回動するフレーム305に第2読取りローラ26およびガイド部材301が支持され、且つ、支持部材306によりガイド部材301が支持された状態のまま、第2読取り部25に対して第2読取りローラ26、ガイド部材301および支持部材306が開閉されるので、第2読取り部25に対して第2読取りローラ26、ガイド部材301および支持部材306を開閉するときに、支持部材306によりガイド部材301が支持された状態のままであるので、ガイド部材301を第2読取り部25に対して開閉することによりガイド部材301と第2読取り部25との位置関係が変化した場合であっても、支持部材306がガイド部材301を常に支持し、剛性のある原稿から受ける圧力によりガイド部材301の傾斜部301aが変形することが支持部材306により防止されるので、読取り面25bとガイド部材301の傾斜部301aとの間隔が一定に保たれ、第2読取り部25の読取り面25b側に安定して原稿を導くことができる。