JP2004338714A - 折り畳み式運搬用容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】折り畳み式運搬用容器は、底壁12と、その底壁12の周縁に沿って立設された対向する各一対の側壁13,14とを備えた容器本体11から構成されている。さらに、各側壁13,14の下端部には回動手段(軸受け部及び回動軸部)が設けられており、容器本体11が折り畳み可能に構成されている。短側壁13の内側面上端部には、折り畳み状態の短側壁13を上方に引き上げるための指掛け部48が設けられている。さらに、底壁12の上面に、折り畳み状態の短側壁13を上方に引き上げるための底壁凹部102を凹設するのが好ましい。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、底壁及び側壁からなる容器本体を備え、不使用時には平板状に小さく折り畳むことができるように構成された折り畳み式運搬用容器に関するものである。より詳しくは、容器本体の組み立て作業を非常に簡単に行うことができるように構成された折り畳み式運搬用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の折り畳み式運搬用容器としては、四角板状に形成された底壁と、その底壁の周縁に沿って立設された各一対の第一側壁及び第二側壁とを備えた有底四角箱状の容器本体から構成された折り畳み式運搬用容器が知られている(特許文献1参照)。この折り畳み式運搬用容器は、前記各側壁の下端部に各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段が設けられており、第一側壁を底壁の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことによって、容器本体が折り畳み可能に構成されている。さらに、前記第一側壁の外側面には略中央部に操作部を備えるとともに両端部に係合突起が設けられた係合部材が添設されているうえ、前記第二側壁の両端部には前記係合突起と係合して第一側壁の内方への回動を規制する係合部が設けられている。そして、前記係合部材の操作部を上動又は下動させることにより、前記係合突起と係合部との係合状態が解除されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−40263号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の折り畳み式運搬用容器では、折り畳み状態の容器本体の高さを低く形成させるために、底壁の上面に第一側壁が当接されるように構成されていた。このため、折り畳み状態の容器本体を組み立てる際には、前記第一側壁の内側面先端部と底壁の上面との間に手指を挿入しにくかったことから、第一側壁を底壁の周縁に立設させる作業に多くの時間がかかっていた。
【0005】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、容器本体の組立て作業をより一層容易に行うことができるように構成された折り畳み式運搬用容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、四角板状に形成された底壁と、その底壁の対向する一側縁に沿って立設された一対の第一側壁と、前記底壁の対向する他側縁に沿って立設された一対の第二側壁とを備えた有底四角箱状の容器本体から構成され、前記各側壁の下端部には、各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことによって、容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式運搬用容器であって、前記第一側壁の内側面上端部に折り畳み状態の第一側壁を上方に引き上げるための第一引き上げ凹部を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、請求項1に記載の発明において、前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだとき、該第一側壁の先端部が底壁の上面に当接するように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第一引き上げ凹部を前記第一側壁の中央部に設けたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記第二側壁の内側面上端部に折り畳み状態の第二側壁を上方に引き上げるための第二引き上げ凹部を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記第二側壁の内側面下端部に下方ほど容器本体の外方に位置するように形成された摺動凹部を設けるとともに、前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだとき、該第一側壁の先端部が前記摺動凹部の下方に位置するように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、四角板状に形成された底壁と、その底壁の対向する一側縁に沿って立設された一対の第一側壁と、前記底壁の対向する他側縁に沿って立設された一対の第二側壁とを備えた有底四角箱状の容器本体から構成され、前記各側壁の下端部には、各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことによって、容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式運搬用容器であって、前記底壁の上面に折り畳み状態の第一側壁を上方に引き上げるための底壁凹部又は底壁凸部を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1(a)及び図4(a)に示すように、実施形態の折り畳み式運搬用容器を構成する容器本体11は、合成樹脂(ポリプロピレン)により有底長四角箱状に形成されている。この容器本体11は、長四角板状に形成された底壁12と、その底壁12の対向する一側縁に沿って立設された第一側壁としての一対の短側壁13と、前記底壁12の対向する他側縁に沿って立設された第二側壁としての一対の長側壁14とを備えている。さらに、前記短側壁13の外側面上端部には、合成樹脂(ポリプロピレン)によりほぼ長四角柱状に形成された係合部材15が添設されている。この折り畳み式運搬用容器の容器本体11は、一対の短側壁13を底壁12の上面に折り畳んだ後、一対の長側壁14を短側壁13の上面に折り畳むことによって、折り畳み可能に構成されている。
【0013】
底壁12の対向する一側縁には、ほぼ四角柱状に形成された対向する一対の支持突条21が容器本体11のコーナ部間を繋ぐように立設され、その上端面で短側壁13を支持している。底壁12の対向する他側縁には、ほぼ長四角柱状に形成された対向する一対の支持突条22が容器本体11のコーナ部間を繋ぐように立設され、その上端面で長側壁14を支持している。前記支持突条21の高さは短側壁13の厚みとほぼ同じになるように形成され、支持突条22の高さは短側壁13の厚みと長側壁14の厚みとを加えた長さとほぼ同じになるように形成されている。
【0014】
各支持突条21,22の上端部内方位置には、所定間隔をおいて回動手段を構成する軸受け部23が四角孔状に凹設されており、短側壁13及び長側壁14の下端部に設けられた四角柱状に形成された回動手段を構成する回動軸部24を回動可能に軸着している。なお、図3及び図7(a)に示すように、これら回動軸部24の左右両側部には、横円柱状に形成された回動手段を構成する左右一対の回動軸24aが突設されている。また、支持突条21の外側部には、ほぼ長四角孔状に形成された左右一対の収容凹部26が設けられている。
【0015】
図3(a)に示すように、短側壁13の中央部には、把持孔31が長四角孔状に貫設されている。この把持孔31の上端部両側方には、付勢手段を構成する左右一対の横リブ32が短側壁13の外側面に沿って横方向に延びるように突設されている。短側壁13の上端部には、同側壁13の上端縁に沿って容器本体11の外側方に延びる上部フランジ33が突設されている。これら横リブ32と上部フランジ33との間に位置する短側壁13の上端部外側面は、長四角柱状に形成された係合部材15を上下動可能となるように添着するための正面長四角形状に形成された添着部34となっている。
【0016】
この添着部34の左右両端部には、スライド掛合孔35が上下方向に延びる長孔状(長四角孔状)に貫設されている。このスライド掛合孔35の外面側には、長四角板状に形成された添着板36が横リブ32の先端部と上部フランジ33の先端部との間を上下方向に繋ぐように配設されている。この添着部34の中央部には、長孔としての左右一対の第2スライド掛合孔37が上下方向に延びる長孔状に貫設されている。各第2スライド掛合孔37の中央部には、短側壁13の内側面を長四角形状に僅かに凹設することにより左右一対のスライド凹溝38が設けられている。これらスライド凹溝38は、第2スライド掛合孔37の左右両側縁に沿ってそれぞれ上下方向に延びる長四角形状に形成されている。
【0017】
図3(a)から(c)に示すように、短側壁13の左右両側部には、その外側部上方位置を長四角形状に凹設することによって掛合凹部41が設けられている。この掛合凹部41の上部及び下部には、いずれも正面ほぼI字状に形成された規制手段を構成する上部規制凸部42a及び下部規制凸部42bが短側壁13の外側方に延びるように突設されている。上部規制凸部42aは、その基端部中央に側面長四角孔状に貫設することによって第1長孔43が設けられており、全体として正面I字状、側面コ字状となるように形成されている。また、前記第1長孔43の内側方位置には、掛合凹部41の周縁に沿って突設された側壁リブの基端部を側面長四角孔状に貫設することによって第2長孔44が設けられている。
【0018】
一方、前記下部規制凸部42bの先端部上端面には、三角板状に形成された立設状態維持手段を構成する立設状態維持凸部47が設けられている。図3(b)に示すように、この立設状態維持凸部47は、下部規制凸部42bの先端側ほど低くなるように傾斜した傾斜面47aと、同下部規制凸部42bの基端部側に位置し、短側壁13と平行な垂直面に沿うように配設された当接面47bとを備えた直角三角形状に形成されている。
【0019】
図2及び図3(a)に示すように、短側壁13の内側面上端部には、第一引き上げ凹部としての指掛け凹部48が設けられている。この指掛け凹部48は、前記把持孔31の上方に位置する短側壁13の中央に設けられている。さらに、この指掛け凹部48の外面は、短側壁13の内側面と前記上部フランジ33の上面との間の境界部を面取りすることにより滑らかに膨出する弧状となるように形成されている。
【0020】
図1、図8及び図9に示すように、長側壁14の左右両端部には、長四角板状に形成された折返部60が短側壁13と平行に延びるように突設されている。この折返部60の先端部には、長四角板状に形成された規制板61が短側壁13と平行に延びるように突設され、容器本体11を組立てたとき短側壁13の掛合凹部41内に収容されるように構成されている。この規制板61は、前記折返部60よりも薄い板状に形成されており、容器本体11を組立てたとき短側壁13が容器本体11の外方に回動するのを規制するようになっている。また、前記規制板61が設けられた側の折返部60の端面は、容器本体11を組立てたとき短側壁13の掛合凹部41の外端縁と近接配置されるように構成されている。
【0021】
この規制板61の上部及び下部には、いずれも長四角孔状に形成された規制手段を構成する上部規制孔62a及び下部規制孔62bが貫設されている。さらに、下部規制孔62bの裏面には、下部規制孔62bの周縁に沿って長四角枠状に形成された規制手段を構成する掛合枠部63が容器本体11の内方に延びるように突設されている。これら規制孔62a,62bは、容器本体11を組立てたとき短側壁13の規制凸部42a,42bが係入されるように構成されており、長側壁14が容器本体11の外方に回動するのを規制する。また、図1(b)に示すように、容器本体11を折り畳んだとき、これら規制板61及び掛合枠部63は、支持突条21の収容凹部26内に収容されるようになっている。
【0022】
図8(a)、(b)に示すように、折返部60の上部には、長側壁14の両端部内側面をほぼ長四角形状に凹設することによって係合凹部64が設けられている。この係合凹部64の上端部には、前記折返部60の内側面に沿って延びるとともに、前記規制板61と平行に延びる板状の係合部65が垂下されている。この係合部65の先端部(容器本体11内方側)には、先端側ほど容器本体11の外方へと傾斜するように形成された傾斜面65aが設けられている。
【0023】
また、前記下部規制孔62bの開口部(容器本体11の外端部)には、立設状態維持手段を構成する立設状態維持凹部66が設けられている。この立設状態維持凹部66は、下部規制孔62bの上端部下面を四角孔状に所定深さ凹設することにより正面、側面及び底面四角形状に形成されており、容器本体11を組立てたとき下部規制凸部42bの立設状態維持凸部47上端部が係入されるようになっている。さらに、この立設状態維持凹部66の内端部には、短側壁13と平行な垂直面に沿うように配設された当接面66aが設けられており、容器本体11を組立てたとき立設状態維持凸部47の当接面47bと当接されるように構成されている。
【0024】
図4に示すように、各長側壁14の内側面下端部には、摺動凹部としての左右一対の摺動凹部67が設けられている。この摺動凹部67は、図4(a)に二点鎖線で示されるように短側壁13を底壁12の上面に折り畳んだとき、該側壁13の先端部(上端部)の上方に位置するように設けられている。この摺動凹部67は、長側壁14の壁面を容器本体11の外方へと膨出させることにより、正面四角形状、側断面弧状となるように形成されている。さらに、この摺動凹部67は、下方ほど容器本体11の外方に位置するように形成されているうえ、その下端は長側壁14の壁面下端まで延設されている。
【0025】
図1(a)、図5及び図9に示すように、合成樹脂によりほぼ長四角柱状に形成された係合部材15は、短側壁13の上端部外側面(添着部34)に沿って上下方向に所定幅スライド可能となるように添設されている。この係合部材15は、合成樹脂により長四角柱状に形成された操作部材71と、その操作部材71の左右両端部に配設される左右一対の連結部材72と、前記操作部材71の中央部裏面に配設される左右一対の樹脂ピン73とからなる5個の部材により構成されている。この係合部材15は、操作部材71、並びに各一対の連結部材72及び樹脂ピン73を射出成形した後、それら各部材を一体的に連結するように構成されている。
【0026】
操作部材71は、合成樹脂により長四角柱状に形成されている。この操作部材71の中央部外側面には、長四角孔状に形成された操作凹部76が設けられているうえ、その操作凹部76の下端部には、横方向に延びる操作部としての操作リブ77が容器本体11の外側方に突設されている。この操作凹部76の両側方に位置する操作部材71の外側面には、四角孔状に形成された添着凹部78が設けられている。図5及び図9に示すように、この添着凹部78の中央には、樹脂ピン73を挿入するための係止孔79が円孔状(円筒状)に貫設されている。また、この操作部材71の両端部裏面には、円筒状に形成された各一対の連結筒80が突設されている。
【0027】
図7(a)から(d)に示すように、一方の連結部材72は、合成樹脂によりほぼ長四角柱状に形成されている。この連結部材72の一端部には、棒状(略長四角棒状)に形成された係合突起91が横方向に延びるように突設されている。図6(d)に示すように、この係合突起91の上端部前方側は、側断面弧状となるように面取りされたテーパ面91aが設けられている。さらに、同連結部材72の他端部には、左右一対の連結孔92がそれぞれ円孔状(円筒状)に貫設されている。図8に示すように、これら一対の連結孔92は、操作部材71の連結筒80を係入させることにより、操作部材71と連結部材72とを一体化させる。また、この連結部材72の前面には、前記連結筒80を取り囲むように前方側へと突出した枠部93が正面コ字状となるように突設されている。この枠部93は、連結部材72の上下端部と、前記係合突起91が突設されている側との3方を取り囲むように正面コ字状となるように形成されている。
【0028】
これら連結孔92と係合突起91との中間位置には、図6(c)に示すように前記枠部93の前端部(前端縁)に対して所定深さ窪むように形成された段部94が設けられている。さらに、この段部94の裏面には、平断面三角形状に形成されたスライド突条95が突設されているうえ、そのスライド突条95の一側面は、連結部材72の裏面に対し垂直に延びるとともに上下方向に延びるように構成された摺接面95aとなっている。
【0029】
一方、この連結部材72の下端部には、弾性変形可能な長四角板状に形成された付勢手段を構成する左右一対の付勢板96が突設(垂下)されている。これら一対の付勢板96は、連結部材72の下端面より斜め下方に延びるとともに、正面ハ字状となるように配置されている。また、前記操作部材71の他端部に連結される他方の連結部材72は、前記一方の連結部材72に対して左右対称となる形状に形成されている。
【0030】
図5及び図8に示すように、樹脂ピン73は、合成樹脂により側面T字状(釘状)、平断面円形状に形成されている。この樹脂ピン73は、その一端部(頭部)に円板状に形成された抜止め板98が設けられているうえ、他端部(先端部)には略円錐状に形成された円錐部99が設けられている。前記円錐部99の基端部には、樹脂ピン73の外周面に沿って抜止め凸部99aが僅かに突出するように設けられている。さらに、この抜止め凸部99aは、図6(c)に示すように、樹脂ピン73の外周面のうち、左右に対向する位置において僅かに分断された分断部99bが存在している。
【0031】
そして、この係合部材15を短側壁13の添着部34に添着する際には、まず、図1(a)及び図4に示すように、左右の連結部材72の係合突起91をそれぞれ第2長孔44及び第1長孔43内に挿通させるとともに、同連結部材72の段部94をそれぞれ添着板36の裏面に位置するように配置する。このとき、これら連結部材72のスライド突条95は、その摺接面95aが短側壁13のスライド掛合孔35の内端縁と係合するように配置される。この状態で、両連結部材72の連結孔92内に操作部材71の連結筒80を挿入係止させることにより、これら3つの部材71,72は一体化される。
【0032】
次に、短側壁13の裏面から第2スライド掛合孔37及び係止孔79内に樹脂ピン73を挿入することにより、同樹脂ピン73の中央部が第2スライド掛合孔37内に挿通された状態で、同樹脂ピン73の先端部(円錐部99)が係止孔79内に抜止め係止される。なおこのとき、前記樹脂ピン73の両分断部99bは、同樹脂ピン73の左右両側部に位置するように配置された状態で第2スライド掛合孔37内に挿入されるようにするとよく、この場合には樹脂ピン73を容易に第2スライド掛合孔37内に挿入することが可能となる。
【0033】
その結果、この係合部材15は、その両端部に位置する段部94及びスライド突条95がスライド掛合孔35及び添着板36と係合されつつ、添着部34に沿って上下動されるように構成される。さらに、同係合部材15の中央部裏面に位置する左右一対の樹脂ピン73は、抜止め板98を短側壁13裏面に凹設されたスライド凹溝38と係合させつつ、第2スライド掛合孔37に沿って上下動可能に添着されている。さらに、この係合部材15は、その両端部下面に突設された各一対の付勢板96の先端部が、付勢手段を構成する横リブ32の上面と当接されていることから、常に上方に付勢されている。
【0034】
一方、図1(a)に示すように、組立て状態の容器本体11は、短側壁13両端部の掛合凹部41の外側面に長側壁14の規制板61の内側面が近接又は当接して配置されているうえ、前記掛合凹部41の各規制凸部42a,42bが規制孔62a,62b内に係入された状態となっている。さらに、図8に示すように、前記係合部材15両端部の係合突起91は、基端側から順に短側壁13の第2長孔44及び第1長孔43内に挿通された状態になっている。加えて、前記係合突起91の先端部は、長側壁14の係合凹部64内に挿入されているうえ、係合部65と係合された状態となっている。
【0035】
上記折り畳み式運搬用容器の作用について以下に記載する。
さて、図1(b)に示される折り畳み状態の容器本体11を組立てる際には、まず、一対の長側壁14を上方に回動させて支持突条22上に立設させた後、一対の短側壁13を上方に回動させて支持突条21上に立設させる。前記短側壁13を上方に回動させる際には、まず、手指の先端を指掛け凹部48と底壁12上面との間に挿入しながら指掛け凹部48に引掛けた後、そのまま手指を上方に引き上げることによって短側壁13を容易に回動させることができる。
【0036】
また、この折り畳み状態の容器本体11は、短側壁13上に折り畳まれた一対の長側壁14の先端部間の隙間101を通して前記指掛け凹部48に手指を引掛けて引き上げることにより、該指掛け凹部48が設けられている短側壁13と、その短側壁13に隣接する両長側壁14とを同時に回動させることができる。このとき、前記両長側壁14は、内側面下端部に設けられた摺動凹部67が回動初期の短側壁13の先端部外側面と当接されて上方に浮き上げられる。続いて、前記短側壁13の左右両端部(係合突起91)と摺動凹部67とが当接した後、前記短側壁13の両端部が摺動凹部67に沿って滑らかに摺動しながら両長側壁14を上方に押し上げる。その結果、対向する一対の長側壁14が支持突条22の上端面上に立設され、続いて、前記短側壁13が支持突条21の上端面上に立設される。
【0037】
このとき、短側壁13の両端部に突設された両下部規制凸部42bの先端部が、隣接する両長側壁14の規制板61に設けられた掛合枠部63の先端部に係合される。その結果、左右の長側壁14が支持突条22上で安定して立設された状態となるとともに、前記短側壁13の回動方向が定められ、その短側壁13と両長側壁14との相対的な位置関係が固定される。
【0038】
続いて、前記下部規制凸部42bが掛合枠部63内に係入されるとともに、短側壁13の上部規制凸部42aの先端部が、隣接する両長側壁14の規制板61に設けられた上部規制孔62aと係合される。さらに、短側壁13の下部規制凸部42bの先端部が、隣接する両長側壁14の規制板61に設けられた下部規制孔62bと係合され、短側壁13と両長側壁14との位置関係がより一層強力に固定される。すなわち、短側壁13の回動に伴う両長側壁14の外側方及び内側方への回動が確実に規制された状態となる。
【0039】
またこのとき、係合部材15の係合突起91は、そのテーパ面91aが長側壁14の係合部65と当接された後、その傾斜面65a上を滑りながら前記付勢手段に抗して一旦下動された後、前記係合部65との当接状態の終了とともに付勢手段の付勢力に従って上動される。その結果、前記係合突起91の先端部が係合凹部64内に挿入されるとともに係合部65と係合された状態となり、前記短側壁13が容器本体11の内方に回動するのが防止される。さらに、前記長側壁14の規制板61が短側壁13の外側面を覆うように突設されていることから、短側壁13の外方への回動も規制されている。従って、この組立て状態の短側壁13は、容器本体11の内方及び外方のいずれの方向にも回動規制され、支持突条21の上端面上で垂直方向に立設固定されている。
【0040】
また、左右一対の長側壁14は、短側壁13の両端部外側面と当接された状態で配置されていることから、容器本体11内方への回動が防止されている。さらに、図1(a)に示されるように、長側壁14の規制板61に設けられた各規制孔62a,62b内に、短側壁13の両端部に設けられた各規制凸部42a,42bが係入されていることから、長側壁14の容器本体11外方への回動も規制されている。従って、この組立て状態の一対の長側壁14は、容器本体11の内方及び外方のいずれの方向にも回動規制され、支持突条22の上端面上で垂直方向に立設固定されている。
【0041】
さらにこのとき、下部規制凸部42bの立設状態維持凸部47は、下部規制孔62bの立設状態維持凹部66内に係入された状態となり、前記短側壁13が容器本体11の内方に回動して折り畳まれるのがより一層確実に抑えられている。加えて、前記立設状態維持凸部47の当接面47bは、前記立設状態維持凹部66の当接面66aと当接された状態となっており、短側壁13と長側壁14との間の相対的な立設状態がより一層安定化されて互いにぐらつき難くなっている。
【0042】
この折り畳み式運搬用容器は、対向する一対の把持孔31を両手で把持することによって運搬される。なおこのとき、前記把持孔31内に親指以外の手指を挿入するとともに、前記指掛け凹部48に親指を添えることによって、極めて安定した状態で容器本体11を運搬することができる。この折り畳み式運搬用容器の容器本体11は、組立てられた状態で上下に積み重ねることができる。
【0043】
一方、この組立て状態の容器本体11を折り畳む際には、まず、短側壁13の上端部に設けられた係合部材15の操作リブ77を下方に押圧し、添着部34の外側面上で係合部材15を下方にスライドさせた状態で、同側壁13を容器本体11の内方に回動させる。このとき、前記係合部材15は、付勢板96の付勢力に抗しながら下方にスライドされ、そのスライドに伴って係合突起91が下動されて係合突起91と長側壁14の係合部65との係合状態が解除される。続いて、短側壁13が容器本体11の内方に回動可能な状態になる。
【0044】
次に、残り一対の長側壁14を前記折り畳まれた両短側壁13の上面に折り畳むことによって、図1(b)に示されるように、容器本体11が平板状に小さくコンパクトに折り畳まれる。このとき、長側壁14の両端部に突設されている規制板61は、支持突条21の収容凹部26内に収容されており、折り畳まれた状態の長側壁14の上端面が低い位置に配置されている。また、この折り畳み式運搬用容器の容器本体11は、折り畳まれた状態で上下に積み重ねることができるとともに、折り畳み状態又は組立て状態の容器本体11の上下に、組立て状態又は折り畳み状態の容器本体11を積み重ねることもできる。
【0045】
上記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態の折り畳み式運搬用容器は、四角板状に形成された底壁12と、その底壁12の周縁に沿って立設された側壁13,14とを備えた容器本体11から構成されている。さらに、この折り畳み式運搬用容器では、各側壁13,14の下端部に各側壁13,14を容器本体11の内方に折り畳むための回動手段(軸受け部23及び回動軸部24)が設けられており、容器本体11が折り畳み可能に構成されている。加えて、この折り畳み式運搬用容器は、短側壁13の内側面上端部に指掛け凹部48が設けられており、この指掛け凹部48と底壁12上面との間に手指の先端が引掛けられるようになっている。
【0046】
このため、この折り畳み式運搬用容器では、容器本体11の組立て時には、指掛け凹部48に手指を引掛けて引き上げることにより、前記手指が短側壁13の表面上で滑ったりすることなく、該短側壁13を迅速かつ容易に引き上げることができる。従って、短側壁13の内側面先端部と底壁上面との間に手指が挿入されにくい構成である前記従来の折り畳み式運搬用容器と比較して、容器本体11の組立て作業をより一層容易に行うことができる。
【0047】
・ この折り畳み式運搬用容器では、短側壁13の先端部内側面と底壁12の上面とが当接した状態で折り畳まれるようになっている。このため、折り畳まれた状態で複数の容器本体11を上下に積み重ねる際には、積み重ねられた容器本体11の全高さが低くなることから、極めてコンパクトになって便利である。
【0048】
・ この折り畳み式運搬用容器では、長側壁14の下端部内側面に摺動凹部67が設けられている。この摺動凹部67は、容器本体11の折り畳み状態で短側壁13の左右両端部(添着板36)の上方に位置するように設けられている。このため、折り畳み状態の短側壁13を上方へ回動させる際には、該短側壁13の両端部が摺動凹部67に摺接しながら隣接する一対の長側壁14を上方に押し上げて回動させることができる。従って、この折り畳み状態の折り畳み式運搬用容器では、1枚の短側壁13を上方に回動させる操作を行うのみで、該短側壁13と隣接する一対の長側壁14とを同時に回動させることができることから、容器本体11の組立て作業を著しく容易に行うことができる。
【0049】
特に、係合部材15の係合突起91にテーパ面91aが設けられている場合には、該テーパ面91aの滑らかな外面が滑らかに凹設された摺動凹部67と摺接されることから、長側壁14の回動が著しくスムーズに行われる。さらにこのとき、前記係合突起91は容器本体11の外面に露出しないことから外観が良好である。
【0050】
・ この折り畳み式運搬用容器は、底壁12と、その底壁12の対向する一側縁に沿って立設された一対の短側壁13と、同底壁12の対向する他側縁に沿って立設された一対の長側壁14とを備えた容器本体11から構成されている。さらに、各側壁13,14の下端部には、各側壁13,14を容器本体11の内方に折り畳むための軸受け部23及び回動軸部24が設けられており、短側壁13を底壁12の上面に折り畳んだ後、長側壁14を短側壁13の上面に折り畳むことによって、容器本体11が折り畳み可能に構成されている。加えて、短側壁13の外側面には、中央部に操作リブ77を備えるとともに両端部に係合突起91が設けられた係合部材15が添設され、長側壁14の両端部には係合突起91と係合して短側壁13の容器本体11内方への回動を規制するための係合部65が設けられている。
【0051】
このため、この折り畳み式運搬用容器は、係合部材15の操作リブ77を下方に押圧することによって、係合突起91と係合部65との係合状態をワンタッチで解除することができることから、組立て状態の容器本体11を極めて容易に折り畳むことができる。特に、片手で1枚の短側壁13をワンタッチで底壁12の上面に折り畳むことが可能であることから、折り畳み作業の作業性が極めて良好である。
【0052】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図10(a)、(b)に示すように、短側壁13の内側面には、凹部形成手段としての左右一対の間隔保持突条111が上下方向に延びるように突設されている。これら間隔保持突条111は、短側壁13の上部(中央高さよりも上方)、好ましくは短側壁13壁面の上端部(上端から3分の1以内の高さ)に設けられている。また、これらの間隔保持突条111は、短側壁13壁面の左右両端に設けられている。各間隔保持突条111は、図10(b)に示すように、短側壁13を底壁12の上面に折り畳んだとき、その先端面が底壁12の上面に当接するようになっている。なおこのとき、折り畳み状態の短側壁13の上端が前記支持突条22の上端よりも下方に位置するよう各間隔保持突条111の突設高さは、概ね5〜10mmに設定されている。
【0053】
即ち、これら両間隔保持突条111間に位置する短側壁13の内側面は、該間隔保持突条111の先端面よりも(相対的に)容器本体11の外方側に凹んだ第一引き上げ凹部となっている。また、各間隔保持突条111の近傍に位置する短側壁13の内側面上端部も同様に、該間隔保持突条111の先端面よりも(相対的に)容器本体11の外方側に凹んだ第一引き上げ凹部となっている。
【0054】
容器本体11を折り畳んだとき、これらの間隔保持突条111により短側壁13の内側面(第一引き上げ凹部)は底壁12の上面から僅かに離間した位置に配置されている。つまり、図10(b)に示すように、短側壁13の下面先端部と底壁12の上面との間には、手指Fを引掛けて該短側壁13を上方に回動させるための指掛け空間112が形成されている。この指掛け空間112は、折り畳み状態の短側壁13の下面先端部全体と底壁12の上面との間に亘って形成されている。
【0055】
さて、折り畳み状態の容器本体11を組立てる際には、一対の長側壁14の先端部間の隙間101を通して前記指掛け空間112内に手指を挿入した後、短側壁13の下面先端部に手指を引掛けてそのまま上方に引き上げる。これにより、前記第1実施形態と同様に、前記短側壁13と、その短側壁13に隣接する両長側壁14とを同時に上方に回動させることができる。
【0056】
従って、第2実施形態の折り畳み式運搬用容器は、短側壁13の上部に一対の間隔保持突条111が突設され、これら間隔保持突条111により折り畳み状態の短側壁13の下面先端部と底壁12の上面との間に指掛け空間112が設けられている。また、間隔保持突条111は短側壁13壁面の左右両端部に設けられている。このため、容器本体11を組立て、その内部に収容物を収容する際には該収容物と各間隔保持突条111との接触が抑制される。
【0057】
そして、この折り畳み式運搬用容器では、容器本体11の組立て時には、前記指掛け空間112に手指がスムーズに挿入され、この手指を短側壁13の下面先端部に引掛けることにより、手指が短側壁13の表面上で滑ったりすることなく、該短側壁13を迅速かつ容易に引き上げることができる。従って、第1実施形態と同様に容器本体11の組立て作業をより一層容易に行うことができる。
【0058】
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 指掛け凹部48の外面を滑らかに膨出する弧状となるように形成する代わりに、滑らかに凹む弧状となるように形成してもよい。また、短側壁13の内側面上端部を凹設することにより指掛け凹部48を側面及び正面四角形状に形成してもよい。或いは、前記指掛け凹部48は、短側壁13の内側面と上部フランジ33の上面との間を直線的に繋ぐように面取りされていてもよい。
【0059】
・ 指掛け凹部48を短側壁13の内側面上端縁全体に形成してもよい。
・ 摺動凹部67を長側壁14の壁面を容器本体11の外方へと膨出させることにより、正面四角形状、側断面傾斜状又は正面四角形状、側断面段差状となるように形成してもよい。このとき、上記と同様に、摺動凹部67は下方ほど容器本体11の外方に位置するように形成されているうえ、その下端は長側壁14の壁面下端まで延設されている。
【0060】
・ 長側壁14の内側面上端部に第二引き上げ凹部としての指掛け凹部を設けてもよい。前記第二引き上げ凹部としての指掛け凹部は、上記指掛け凹部48と同様に構成される。なお、前記指掛け凹部は、長側壁14の内側面上端縁全体に設けてもよく、或いは一部(好ましくは中央部)に設けてもよい。
【0061】
・ 指掛け凹部48に手指を引掛ける代わりに、自動組立てロボットのアームを引掛けてもよい。このとき、前記指掛け凹部48は前記アームを引掛けるための第一引き上げ凹部となる。前記アームは、上記実施形態の手指と同様の動作を行うものである。
【0062】
また、前記第一引き上げ凹部は、短側壁13の中央部に設ける代わりに、図3(a)に二点鎖線で示される位置(第一引き上げ凹部48a)に設けられていてもよい。この第一引き上げ凹部48aは、対向する一対のコーナ部付近の短側壁13の内側面上端部に設けられており、この場合には短側壁13の回動時の容器本体11全体の安定性を容易に高めることができる。
【0063】
・ 上記第1実施形態の折り畳み式運搬用容器において、係合部材15を省略し、短側壁13の左右両端部と、長側壁14の左右両端部との間の接合部における係合関係によって、容器本体11の組立てが可能となるように構成してもよい。例えば、立設状態維持凹部66と立設状態維持凸部47との係合関係によって組立て状態の短側壁13が容器本体11の内方に折り畳まれないように構成してもよい。
【0064】
・ 図2(b)に二点鎖線で示すように、底壁12の壁面を下方へと膨出させることにより側断面弧状となるように形成された底壁凹部102を設けること。前記底壁凹部102は、折り畳み状態の短側壁13の先端部(上端部)の真下に設けられている。また、前記底壁凹部102の代わりに、底壁12の壁面に底壁凹部102としての底壁孔を穿設してもよい。なおこのとき、指掛け凹部48を省略しても構わない。これらのように構成した場合、上記実施形態と全く同様に、容器本体11の組立て作業をより一層容易に行うことができる。
【0065】
・ 第2実施形態の折り畳み式運搬用容器において、各短側壁13に設けられる間隔保持突条111は2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上でもよい。なお、間隔保持突条111を1つとする場合は、この間隔保持突条111を短側壁13の内側面上端部のほぼ中央部に設けるのが好ましい。またこのとき、短側壁13の内側面上端部全体に亘って間隔保持突条111を設けてもよい。
【0066】
・ 間隔保持突条111を短側壁13の内側面中央部又は下端部に設けてもよい。なおこのとき、短側壁13壁面の左右両端に間隔保持突条111を設ける構成が好ましい。
【0067】
・ 図10(b)に二点鎖線で示すように、短側壁13壁面を容器本体11内方へ膨出させることにより凹部形成手段としての間隔保持突部113を設けてもよい。
【0068】
・ 図11に示すように、短側壁13の上部フランジ33の上端面(例えば中央部)に凹部形成手段としての第一凹部形成突部114を立設する構成を採用してもよい。第一凹部形成突部114は、正面視半円弧状をなし、前記上部フランジ33の厚さ方向のほぼ中央部又は短側壁13の外端部に突設されている。そして、第一凹部形成突部114の内側部と短側壁13の内側面上端部(短側壁13壁面の延長線上)との間は、短側壁13の内側面(壁面)よりも(相対的に)容器本体11の外方側に凹んだ第一引き上げ凹部となっている。このように構成した場合、第一凹部形成突部114に手指を引掛けてそのまま上方に引き上げることにより短側壁13を容易に回動させることができる。
【0069】
・ 図12に示すように、短側壁13の上部フランジ33の上端面(例えば中央部)に、その外端側に向かうに連れて傾斜する収容凹部としての第一収容凹部115を設け、該第一収容凹部115に凹部形成手段としての引き上げ部材116(例えば第一凹部形成突部114と同一形状)を挿脱可能に収容してもよい。すなわち、図12に二点鎖線で示すように、短側壁13を底壁12の上面に折り畳んだときには、引き上げ部材116の先端部が自重により第一収容凹部115から抜け出し、短側壁13の上部フランジ33よりも外方へ突出するようになっている。このとき、引き上げ部材116の下端と短側壁13の下面先端部(短側壁13壁面の延長線上)との間は、短側壁13の下面(組立て状態の短側壁13の内側面)よりも(相対的に)容器本体11の上方(外方側)に凹んだ第一引き上げ凹部となっている。このように構成した場合、引き上げ部材116を把持してそのまま上方に引き上げることにより短側壁13を容易に回動させることができる。なお、短側壁13を底壁12の周縁に立設させたときには、引き上げ部材116はその自重により第一収容凹部115内に収容される。
【0070】
・ 図13(a)、(b)に示すように、短側壁13の上部フランジ33の上端面(例えば中央部)に凹部形成手段としての第二凹部形成突条117を立設する構成を採用してもよい。図13(b)に示すように、第二凹部形成突条117は平面視コ字状をなしている。第二凹部形成突条117の内側部と短側壁13の内側面上端部(短側壁13壁面の延長線上)との間は、短側壁13の内側面(壁面)よりも(相対的に)容器本体11の外方側に凹んだ第一引き上げ凹部となっている。このように構成した場合、第二凹部形成突条117に手指を引掛けてそのまま上方に引き上げることにより短側壁13を容易に回動させることができる。なおこのとき、図13(b)に二点鎖線で示すように、第二凹部形成突条117を平面視半円状に形成してもよい。
【0071】
・ 図14(a)に示すように、短側壁13の内側面上端部(例えば中央部)に凹部形成手段としての間隔保持部材118を設けてもよい。この間隔保持部材118は正面視コ字状に形成されている。また、短側壁13の内側面上端部には正面コ字状をなす収容凹部としての第二収容凹部118aが凹設され、この第二収容凹部118a内に間隔保持部材118が収容されている。さらに、間隔保持部材118はその上端部が第二収容凹部118aの上端部に回動可能に支持されるとともに、同第二収容凹部118aに挿脱可能に支持されている。すなわち、図14(b)に示すように、短側壁13を底壁12の上面に折り畳んだときには、間隔保持部材118は自重によりその上端部を支軸として底壁12方向に回動して垂下され、間隔保持部材118の先端面(下端面)と底壁12の上面とが当接する。このとき、第2実施形態と同様に、短側壁13の内側面は、間隔保持部材118の先端面よりも(相対的に)容器本体11の外方側に凹んだ第一引き上げ凹部となっている。このように構成した場合、折り畳み状態の短側壁13の下面先端部に手指を引掛けてそのまま上方に引き上げることにより短側壁13を容易に回動させることができる。なお、第二収容凹部118aの形状を正面視四角形状等に変更してもよい。
【0072】
・ 図15に示すように、短側壁13の上部フランジ33の上端面(例えば中央部)に第一引き上げ凹部としての第一指掛け凹部119を凹設してもよい。該第一指掛け凹部119は前記上部フランジ33の上面から短側壁13の内側面上端部との間に形成され、正面視四角形状及び側面視四角形状となっている。このように構成した場合、第一指掛け凹部119に手指を挿入し、その上縁部119aに手指を引掛けて引き上げることにより、短側壁13を容易に回動させることができる。
【0073】
・ 上記間隔保持突条111、間隔保持突部113、第一凹部形成突部114、引き上げ部材116、第二凹部形成突条117、間隔保持部材118又は第一指掛け凹部119と同様の構成を長側壁14にも設けてもよい。このとき、長側壁14の内側面上端部には第二引き上げ凹部が形成される。
【0074】
・ また、図16に示すように、底壁12の壁面を上方へと膨出させることにより底壁凸部120を設けてもよい。この底壁凸部120は、折り畳み状態の短側壁13の先端部(上端部)の真下に設けられている。また、底壁凸部120の数は特に限定されるものではなく、その形状は側断面略四角形状又は側断面半円状でもよい。なおこのとき、前記間隔保持突条111は省略してもよい。これらのように構成した場合、上記第2実施形態と全く同様に、容器本体11の組立て作業をより一層容易に行うことができる。また、この底壁凸部120は底壁12の上面の左右両端に設けるのが好ましい。さらに、底壁凸部120を支持突条22の下端部全体に沿って設ける構成を採用してもよい。
【0075】
なお、本発明を応用した技術として、以下のものが考えられる。
・ 図17(a)及び(b)に示すように、上部フランジ33の上端面(例えば中央部)に引き上げ突条121を突設する構成を採用してもよい。この引き上げ突条121は断面四角形状をなしている。また、短側壁13を底壁12の上面に折り畳んだとき、引き上げ突条121の内側面は底壁12の上面に当接するようになっている。さらに、上記引き上げ突条121の左右両側部には把持凹部121aが設けられている。このように構成した場合、引き上げ突条121の把持凹部121aを手指で把持して引き上げることにより、短側壁13を容易に回動させることができる。
【0076】
・ 図15に二点鎖線で示すように、上部フランジ33の上端面に第二指掛け凹部119bを凹設してもよい。この第二指掛け凹部119bは上部フランジ33の厚さ方向のほぼ中央部に設けられている。また、第二指掛け凹部119bは平面視四角形状に形成されている。このように構成した場合、上記と同様に第二指掛け凹部119b内に手指を挿入し、手指を引掛けて引き上げることにより、短側壁13を容易に回動させることができる。なお、第二指掛け凹部119bの形状を平面視楕円形状等に変更してもよい。
【0077】
・ 短側壁13の上端部に第一磁石を設けるとともに、短側壁13を底壁12の上面に折り畳んだとき、前記第一磁石の下方に位置する底壁12に第二磁石を設けること。すなわち、これら第一磁石及び第二磁石により折り畳み状態の短側壁13と底壁12との間の間隔を形成するための間隔保持手段が構成される。
【0078】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記第一引き上げ凹部は、第一側壁の内側面上端縁を面取りすることにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0079】
・ 前記第一引き上げ凹部は、第一側壁の上端部に凹部形成手段を設けることにより構成され、該凹部形成手段は第一側壁の内側面又は上端面に設けられた第一凹部形成突部、第二凹部形成突条又は第一指掛け凹部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0080】
・ 前記第一引き上げ凹部は、第一側壁の上端部に凹部形成手段を設けることにより構成され、該凹部形成手段は第一側壁の内側面又は上端面に凹設された収容凹部に挿脱可能に収容された引き上げ部材又は間隔保持部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0081】
・ 一対の第二側壁を第一側壁の上面に折り畳んだとき、両第二側壁の先端部間に隙間が形成されるように構成したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0082】
・ 前記底壁の上面に折り畳み状態の第一側壁を上方に引き上げるための底壁凹部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0083】
(1) 前記第一側壁の外側面には中央部に操作部を備えるとともに両端部に係合突起が設けられた係合部材を添設し、前記第二側壁の両端部には前記係合突起と係合して第一側壁の内方への回動を規制するための係合部を設け、前記係合部材の操作部を上動又は下動させることにより前記係合突起と係合部との係合状態を解除するように構成したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0084】
(2) 前記第二側壁の両端部に第一側壁の外方への回動を規制するための規制板を設けたことを特徴とする前記(1)に記載の折り畳み式運搬用容器。
(3) 前記第二側壁の両端部に第一側壁の外方への回動を規制するための規制板を設けるとともに、前記規制板と第一側壁の両端部との接合部に、第二側壁の外方への回動を規制するための規制手段を設けたことを特徴とする前記(1)又は前記(2)に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0085】
(4) 前記第一側壁と係合部材との接合部に、前記係合突起と係合部との係合状態を維持するように係合突起を所定方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする前記(1)から前記(3)のいずれかに記載の折り畳み式運搬用容器。
【0086】
(5) 前記係合突起と係合部とが当接する当接部において、前記係合突起の外側部に傾斜面を備えたことを特徴とする前記(1)から前記(4)のいずれかに記載の折り畳み式運搬用容器。
【0087】
(6) 前記係合突起と係合部とが当接する当接部において、前記係合部の内側部に傾斜面を備えたことを特徴とする前記(1)から前記(5)のいずれかに記載の折り畳み式運搬用容器。
【0088】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項6に記載の発明の折り畳み式運搬用容器によれば、容器本体の組立て作業をより一層容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態の一部を破断した容器本体を示す側面図、(b)は同じく折り畳み状態の容器本体を示す側面図。
【図2】(a)は第1実施形態の一部を破断した折り畳み状態の容器本体を示す正面図、(b)は図2(a)の部分拡大断面図。
【図3】(a)は第1実施形態の短側壁を示す正面図及び背面図、(b)は同じく短側壁を示す側面図、(c)は図3(a)の3c−3c線から見た短側壁を示す側断面図。
【図4】(a)は第1実施形態の一部を破断した組立て状態の容器本体を示す正面図、(b)は図4(a)の4b−4b線から見た長側壁を示す側断面図。
【図5】第1実施形態の係合部材が添着された短側壁の一部を示す正面図。
【図6】(a)は第1実施形態の樹脂ピンを示す側面図、(b)は同じく平面図、(c)は同じく正面図。
【図7】(a)は第1実施形態の連結部材を示す正面図、(b)は同じく連結部材を示す背面図、(c)は同じく連結部材を示す平面図、(d)は同じく連結部材を示す側面図。
【図8】(a)は第1実施形態の長側壁の一部を示す正断面図、(b)は同じく長側壁を示す側断面図。
【図9】図1(a)の9−9線から見た容器本体の一部を示す平断面図。
【図10】(a)は第2実施形態の短側壁を示す正面図及び背面図、(b)は同じく一部を破断した折り畳み状態の短側壁の部分拡大断面図。
【図11】第2実施形態の別例の第一凹部形成突部を示す正面図。
【図12】第2実施形態の別例の引き上げ部材を示す側面図。
【図13】(a)は第2実施形態の別例の第二凹部形成突条を示す正面図、(b)は図13(a)の平面図。
【図14】(a)は第2実施形態の別例の間隔保持部材を示す正面図、(b)は折り畳み状態の短側壁の部分拡大図。
【図15】第2実施形態の別例の第一指掛け凹部を示す斜視図。
【図16】底壁凸部を示す部分拡大断面図。
【図17】(a)は第2実施形態を応用した引き上げ突条を示す正面図、(b)は図17(a)の平面図。
【符号の説明】
11…容器本体、12…底壁、13…第一側壁としての短側壁、14…第二側壁としての長側壁、23…回動手段を構成する軸受け部、24…回動手段を構成する回動軸部、24a…回動手段を構成する回動軸、48…第一引き上げ凹部としての指掛け凹部、48a…第一引き上げ凹部、67…摺動凹部、102…底壁凹部、111…間隔保持突条、112…第一引き上げ凹部としての指掛け空間。
Claims (6)
- 四角板状に形成された底壁と、その底壁の対向する一側縁に沿って立設された一対の第一側壁と、前記底壁の対向する他側縁に沿って立設された一対の第二側壁とを備えた有底四角箱状の容器本体から構成され、
前記各側壁の下端部には、各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、
前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことによって、容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式運搬用容器であって、
前記第一側壁の内側面上端部に折り畳み状態の第一側壁を上方に引き上げるための第一引き上げ凹部を設けたことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。 - 前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだとき、該第一側壁の先端部が底壁の上面に当接するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式運搬用容器。
- 前記第一引き上げ凹部を第一側壁の中央部に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の折り畳み式運搬用容器。
- 前記第二側壁の内側面上端部に折り畳み状態の第二側壁を上方に引き上げるための第二引き上げ凹部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の折り畳み式運搬用容器。
- 前記第二側壁の内側面下端部に下方ほど容器本体の外方に位置するように形成された摺動凹部を設けるとともに、
前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだとき、該第一側壁の先端部が前記摺動凹部の下方に位置するように構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の折り畳み式運搬用容器。 - 四角板状に形成された底壁と、その底壁の対向する一側縁に沿って立設された一対の第一側壁と、前記底壁の対向する他側縁に沿って立設された一対の第二側壁とを備えた有底四角箱状の容器本体から構成され、
前記各側壁の下端部には、各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、
前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことによって、容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式運搬用容器であって、
前記底壁の上面に折り畳み状態の第一側壁を上方に引き上げるための底壁凹部又は底壁凸部を設けたことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
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JP2014043253A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | Sanko Co Ltd | 箱体 |
CN106235940A (zh) * | 2016-09-21 | 2016-12-21 | 成都创慧科达科技有限公司 | 一种浴室辅助穿衣装置 |
JP2020090320A (ja) * | 2018-12-07 | 2020-06-11 | 岐阜プラスチック工業株式会社 | 組立てボックス |
-
2003
- 2003-05-08 JP JP2003130752A patent/JP2004338714A/ja active Pending
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