JP3922696B2 - 折り畳み式運搬用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、不使用時には小さくコンパクトに折り畳んで収納及び運搬することができるように構成された折り畳み式運搬用容器に関するものである。より詳しくは、折り畳み作業を非常に簡単に行うことができるように構成された折り畳み式運搬用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の折り畳み式運搬用容器としては、実開昭63−117725号公報に開示されている折り畳み式コンテナが知られている。この折り畳み式コンテナは、矩形状の底板の四辺部に対して直接的に若しくはそこに形成された基部に対して、それぞれ側壁を構成する壁板を、その下辺部において丁番構造をもって内方に折り畳み可能に取り付けた構造を有している。さらに、このコンテナには、前記側壁の角部を構成する、互いに隣り合った前記壁板の相互に隣接する側辺部において、その何れか一方の側辺部に対して、他方の側辺部に係止されてそれら両壁板の外方への開きを相互に規制する係止部材が設けられている。加えて、前記隣接する側辺部のうちの何れか一方の側辺部に対して、他方の側辺部に形成された係合孔に付勢力をもって離脱可能に係合されてそれら両壁板の内方への回動を相互に規制する係合部材が設けられている。そして、前記両係合部材を付勢力に抗して横方向にスライド操作し、前記係合孔に対する係合を解くことによって、前記係合部材が設けられた側壁を内方に回動させて容易に折り畳むことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の折り畳み式コンテナでは、左右一対の係合部材が側壁の両端部の離間した位置に設けられているうえ、これら2つの係合部材を同時に係合孔から離脱させることにより前記側壁が折り畳まれるように構成されていた。このため、前記側壁を折り畳む際には、側壁の両端部に両手を添えて操作することにより両係合部材と係合孔との係合状態を解除する必要があり、一度に一方の側壁のみしか折り畳むことができなかった。
【0004】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、折り畳み作業をより一層容易に行うことができるとともに、組立て状態での安定性を容易に高めることができるように構成された折り畳み式運搬用容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、四角板状に形成された底壁と、その底壁の対向する一側縁に沿って立設された一対の第一側壁と、前記底壁の対向する他側縁に沿って立設された一対の第二側壁とを備えた有底四角箱状の容器本体から構成され、前記各側壁の下端部には、各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことによって、容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式運搬用容器であって、前記第一側壁の外側面には、略中央部に操作部を備えるとともに両端部に係合突起が設けられた係合部材を添設し、前記第二側壁の両端部には、第一側壁の外方への回動を規制するための規制板と、前記係合突起と係合して第一側壁の内方への回動を規制するための係合部とを設け、前記規制板と第一側壁の両端部との接合部には、第二側壁の外方への回動を規制するための規制手段と、第一側壁の内方への回動を抑えてその立設状態を維持しやすくするための立設状態維持手段とを設け、前記係合部材の操作部を下動させることにより、前記係合突起と係合部との係合状態を解除するように構成し、前記係合突起と係合部との係合状態を維持するように係合突起を付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、請求項1に記載の発明において、前記規制手段を、第一側壁の外側面に突設された規制凸部と、その規制凸部が係入されるように前記規制板に貫設された規制孔とから構成するとともに、前記規制凸部の先端部に立設状態維持凸部を設け、前記規制孔と係脱可能に係合するように構成し、前記立設状態維持凸部と規制孔とにより立設状態維持手段を構成したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、請求項2に記載の発明において、前記規制孔に前記立設状態維持凸部を係脱可能に係入させるための立設状態維持凹部を凹設したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、この発明を具体化した第1実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図2〜図5に示すように、第1実施形態の折り畳み式運搬用容器を構成する容器本体21は、合成樹脂(ポリプロピレン)により有底長四角箱状に形成されている。この容器本体21は、長四角板状に形成された底壁22と、その底壁22の対向する一側縁に沿って立設された一対の短側壁23と、前記底壁22の対向する他側縁に沿って立設された一対の長側壁24とを備えている。さらに、前記短側壁23の外側面上端部には、合成樹脂(ポリプロピレン)によりほぼ長四角板状に形成された係合部材25が添設されている。この折り畳み式運搬用容器の容器本体21は、一対の短側壁23を底壁22の上面に折り畳んだ後、一対の長側壁24を短側壁23の上面に折り畳むことによって、折り畳み可能に構成されている。
【0010】
底壁22の対向する一側縁には、ほぼ四角柱状に形成された支持突条31aが容器本体21のコーナ部間を繋ぐように立設され、その上端面で短側壁23を支持している。また、底壁22の対向する他側縁には、ほぼ長四角柱状に形成された支持突条31bが容器本体21のコーナ部間を繋ぐように立設され、その上端面で長側壁24を支持している。前記支持突条31aの高さは、短側壁23の厚みとほぼ同じになるように形成されている。前記支持突条31bの高さは、短側壁23の厚みと長側壁24の厚みとを加えた長さとほぼ同じになるように形成されている。
【0011】
各支持突条31a,31bの上端部内方位置には、所定間隔をおいて回動手段を構成する軸受け部32が設けられ、短側壁23及び長側壁24の下端部内方位置に設けられた回動手段を構成する回動軸33を回動可能に軸着している。この構成によって、各短側壁23及び長側壁24は、容器本体21の内方に回動することができるとともに、容器本体21の外方に回動され難くなっている。さらに、前記短側壁23及び長側壁24の下端面並びに支持突条31a,31bの上端面は、いずれも水平方向に延びる平坦面によって構成されており、容器本体21を組立てたとき、短側壁23及び長側壁24が支持突条31a,31b上で安定状態で立設されやすくなっている。
【0012】
一方、支持突条31aの外側部には、ほぼ長四角形状に凹設された左右一対の収容凹部35が設けられている。また、短側壁23及び長側壁24の上端部中央には、把持孔36a,36bが長四角孔状に凹設され、容器本体21を容易に把持することができるように構成されている。
【0013】
図7に示すように、短側壁23の両端部には、その外側部上方位置を長四角形状に凹設することによって掛合凹部41が設けられている。この掛合凹部41の下端部、中央部及び上端部には、いずれも側面ほぼ逆コ字状に形成された規制手段を構成する下部規制凸部42a、中央部規制凸部42b及び上部規制凸部42cが短側壁23の外側方に延びるように突設されている。上部規制凸部42cの基端部中央には、長四角孔状に形成された第1長孔43が横方向に延びるように貫設されている。また、前記第1長孔43の内側方位置には、掛合凹部41の周縁に沿って突設された側壁リブの基端部を長四角孔状に貫設することによって第2長孔44が設けられている。
【0014】
前記第2長孔44の内方に位置する短側壁23の外側面には、付勢手段を構成する側面逆ハ字状に形成された左右一対の側壁凸部45が外側方に突設されている。図9に示すように、各側壁凸部45の両側方に位置する短側壁23の外側面には、平断面ほぼL字状に形成された各一対のスライド掛合突起46が外側方に突設されている。また、前記スライド掛合突起46の基端部には、短側壁23を成形する際の金型において、上型と下型のみによる上下抜きによりスライド掛合突起46を形成させることができるように構成された長孔46aが貫設されている。
【0015】
一方、図7(a)及び(b)に示すように、前記中央部規制凸部42bの先端部上端面には、三角板状に形成された立設状態維持手段を構成する立設状態維持凸部47が設けられている。この立設状態維持凸部47は、中央部規制凸部42bの先端側ほど低くなるように傾斜した傾斜面47aと、同中央部規制凸部42bの基端部側に位置し、短側壁23と平行な垂直面に沿うように配設された当接面47bとを備えた直角三角形状に形成されている。
【0016】
図6に示すように、長側壁24の両端部には、長四角板状に形成された折返し部50が短側壁23と平行に延びるように突設されている。この折返し部50の先端部には、長四角板状に形成された規制板51が短側壁23と平行に延びるように突設され、容器本体21を組立てたとき、前記短側壁23の掛合凹部41内に収容されるように構成されている。この規制板51は、前記折返し部50よりも薄い板状に形成され、容器本体21を組立てたとき、短側壁23が容器本体21の外方に回動するのを規制するように構成されている。また、前記規制板51が設けられた側の折返し部50の端面は、容器本体21を組立てたとき、前記短側壁23の掛合凹部41の外端縁と接合されるように構成されている。
【0017】
この規制板51の下端部、中央部及び上端部には、いずれも長四角孔状に形成された規制手段を構成する下部規制孔52a、中央部規制孔52b及び上部規制孔52cが貫設されている。さらに、中央部規制孔52bの裏面には、中央部規制孔52bの周縁に沿って長四角枠状に形成された規制手段を構成する掛合枠部53が容器本体21の内方に延びるように突設されている。これら規制孔52a,52b,52cは、容器本体21を組立てたとき、前記短側壁23の規制凸部42a,42b,42cが係入されるように構成されており、長側壁24が容器本体21の外方に回動するのを規制するように構成されている。また、図5に示すように、容器本体21を折り畳んだとき、これら規制板51及び掛合枠部53は、前記支持突条31aの収容凹部35内に収容されるようになっている。
【0018】
図6(b)及び(c)に示すように、規制板51の基端部には、長側壁24の両端部内側面をほぼ長四角形状に凹設することによって係合凹部54が設けられている。この係合凹部54の上端部には、前記折返し部50の内側面に沿って延びるとともに、前記規制板51と平行に延びる係合部55が垂下されている。この係合部55の先端部(容器本体21内方側)には、先端ほど容器本体21の外方へと傾斜するように形成された傾斜面55aが設けられている。
【0019】
一方、前記中央部規制孔52bの開口部(容器本体21の外面側の開口部、即ち外端部)には、立設状態維持手段を構成する立設状態維持凹部56が設けられている。この立設状態維持凹部56は、中央部規制孔52bの上端部下面を四角孔状に所定深さ凹設することにより正面、側面及び底面四角形状に形成されており、容器本体21を組立てたとき前記中央部規制凸部42bの立設状態維持凸部47上端部が係入されるようになっている。さらに、この立設状態維持凹部56の内端部には、短側壁23と平行な垂直面に沿うように配設された当接面56aが設けられており、容器本体21を組立てたとき前記立設状態維持凸部47の当接面47bと当接されるように構成されている。
【0020】
図1及び図8に示すように、合成樹脂によりほぼ長四角板状に形成された係合部材25は、短側壁23の上端部外側面に沿って上下方向に所定幅スライド可能となるように添設されている。この係合部材25の両端部には、長四角柱状に形成された係合突起61が外側方に延びるように突設されている。これら係合突起61の上端部外側には、上端ほど容器本体21の内方へと傾斜するように形成された第2傾斜面61aが設けられている。
【0021】
係合部材25の下端部中央には、横方向に延びる操作部としての操作リブ62が外側方に突設されている。この操作リブ62と係合突起61との中間位置には、係合部材25を構成する壁面を外側方に向かって四角箱状に突出させることによって突設部63が設けられており、この突設部63の裏面は四角形状に凹設された凹設部64となっている。なお、この凹設部64は、係合部材25の裏面側及び下面側において開口されている。また、前記突設部63の両側面基端部には、左右一対のスライド掛合孔65が上下方向に延びる長孔状に貫設されている。
【0022】
図8及び図9に示すように、前記凹設部64の中央部には、側面下向き矢印状に形成された付勢手段を構成する付勢突起66が係合部材25の裏面側に設けられている。この付勢突起66は、長四角柱状に形成された付勢凸部66aと、その付勢凸部66aの両側面下端部から斜め上方に延びるように突設された左右一対の付勢板66bとから構成されている。前記付勢凸部66aの基端部は凹設部64の壁面から突設されているうえ、その先端部には前記両付勢板66bが突設されている。これら付勢板66bは、付勢凸部66aの長さ方向(鉛直方向)に対しほぼ45°の角度で斜め上方に延びるように設けられているうえ、図1(b)に示すように付勢凸部66aに対し所定角度弾性変形可能に構成されている。
【0023】
上記のように構成された係合部材25は、短側壁23の外側面上端部の所定位置に組み付けられて使用される。この係合部材25を組み付ける場合には、まず、図1(a)に示すように、一方の係合突起61を短側壁23の一端部に設けられた第2長孔44及び第1長孔43内に挿入した後、他方の係合突起61を短側壁23の他端部に設けられた第2長孔44及び第1長孔43内に挿入する。次に、係合部材25の各スライド掛合孔65を短側壁23のスライド掛合突起46と対応させた状態で係合部材25を短側壁23の外側面に向かって押圧する。その結果、前記各スライド掛合突起46がスライド掛合孔65の周縁部に無理嵌めされ、係合部材25が短側壁23の外側面に添着される。
【0024】
このとき、係合部材25は、短側壁23の外側面に設けられた各一対のスライド掛合突起46がスライド掛合孔65の周縁部と係合された状態で上下方向に所定幅スライドすることができるようになっている。さらに、各一対の付勢板66bが短側壁23の側壁凸部45の上端部と当接されることによって常に上方に付勢されている。また、係合部材25を下方に押圧してスライドさせた場合には、図1(b)に示すように、前記両付勢板66bが側壁凸部45の上端部に摺接しながら弾性変形されるように構成されている。さらに、図3に示すように、前記係合突起61の先端は、長側壁24の内側面と掛合凹部41の外端縁との中間位置に配設されており、折り畳み状態の容器本体21における支持突条31bの内側面と当接しないように構成されているうえ、組立て途中の長側壁24の内側面と当接しないように構成されている。
【0025】
一方、図4に示すように、組立て状態の容器本体21は、短側壁23両端部の掛合凹部41の外側面に長側壁24の規制板51の内側面が近接又は当接して配置されているうえ、前記掛合凹部41の各規制凸部42a,42b,42cが規制孔52a,52b,52c内に係入された状態となっている。さらに、図1(a)に示すように、前記係合部材25両端部の係合突起61は、基端側から順に短側壁23の第2長孔44及び第1長孔43内に挿通された状態になっている。加えて、図1(c)に示すように、前記係合突起61の先端部は、長側壁24の係合凹部54内に挿入されているうえ、係合部55と係合された状態となっている。
【0026】
上記折り畳み式運搬用容器の作用について以下に記載する。
さて、図5に示される折り畳み状態の容器本体21を組立てる際には、まず、対向する一対の長側壁24を回動軸33を中心に90°回動させて支持突条31bの上端面上に立設させた後、残り一対の短側壁23を同様に回動させて支持突条31aの上端面上に立設させる。前記短側壁23を回動させる際には、まず、図10(a)に示されるように、短側壁23の両端部に突設された両中央部規制凸部42bの先端部が、隣接する両長側壁24の規制板51に設けられた掛合枠部53の先端部と係合される。その結果、前記短側壁23と隣接する左右の長側壁24が支持突条31b上で安定状態で立設された状態となるとともに、前記短側壁23の回動方向が定められ、前記短側壁23と両長側壁24との相対的な位置関係が固定される。
【0027】
続いて、図10(b)及び(c)に示されるように、前記中央部規制凸部42bが掛合枠部53内に係入されるとともに、短側壁23の下部規制凸部42aの先端部が、隣接する両長側壁24の規制板51に設けられた下部規制孔52aと係合される。さらに、短側壁23の上部規制凸部42cの先端部が、隣接する両長側壁24の規制板51に設けられた上部規制孔52cと係合され、短側壁23と両長側壁24との位置関係がより一層強力に固定される。すなわち、短側壁23の回動に伴う両長側壁24の外側方及び内側方への回動が確実に規制された状態となる。
【0028】
またこのとき、係合部材25の係合突起61は、その第2傾斜面61aが長側壁24の係合部55と当接された後、その傾斜面55a上を滑りながら前記付勢手段に抗して一旦下動された後、前記係合部55との当接状態の終了とともに付勢手段の付勢力に従って上動される。その結果、図10(c)に示されるように、前記係合突起61の先端部が係合凹部54内に挿入されるとともに係合部55と係合された状態となり、前記短側壁23が容器本体21の内方に回動するのが防止される。さらに、前記長側壁24の規制板51が短側壁23の外側面を覆うように突設されていることから、短側壁23の外方への回動も規制されている。従って、この組立て状態の短側壁23は、容器本体21の内方及び外方のいずれの方向にも回動規制され、支持突条31aの上端面上で垂直方向に立設固定されている。
【0029】
また、左右一対の長側壁24は、短側壁23の両端部外側面と当接された状態で配置されていることから、容器本体21内方への回動が防止されている。さらに、図4に示されるように、長側壁24の規制板51に設けられた各規制孔52a,52b,52c内に、短側壁23の両端部に設けられた各規制凸部42a,42b,42cが係入されていることから、長側壁24の容器本体21外方への回動も規制されている。従って、この組立て状態の一対の長側壁24は、容器本体21の内方及び外方のいずれの方向にも回動規制され、支持突条31bの上端面上で垂直方向に立設固定されている。
【0030】
さらにこのとき、中央部規制凸部42bの立設状態維持凸部47は、中央部規制孔52bの立設状態維持凹部56内に係入された状態となり、前記短側壁23が容器本体21の内方に回動して折り畳まれるのがより一層確実に抑えられている。加えて、前記立設状態維持凸部47の当接面47bは、前記立設状態維持凹部56の当接面56aと当接された状態となっており、短側壁23と長側壁24との間の相対的な立設状態がより一層安定化されて互いにぐらつき難くなっている。
【0031】
この折り畳み式運搬用容器は、一対の短側壁23又は長側壁24の中央部に設けられた把持孔36a又は36bを両手で把持することによって運搬される。また、この折り畳み式運搬用容器の容器本体21は、組立てられた状態で上下に積み重ねることができる。
【0032】
この組立て状態の折り畳み式運搬用容器では、使用時に係合部材25が手指やその他の突起物等に誤って引掛けられることにより不測に上下動(誤作動)し、前記係合突起61による短側壁23の回動規制が解除されるおそれがある。しかしながら、この折り畳み式運搬用容器では、前記係合突起61による回動規制とは別に、立設状態維持凸部47と立設状態維持凹部56とが係合状態にあり、前記誤作動による短側壁23の非意図的な折り畳みが一時的に食い止められ得る。特に、前記係合部材25はそのスライド方向である上下方向への押圧力によって誤作動するが、短側壁23の折り畳みはほぼ水平方向に作用する押圧力によって行われ、これら両方向への押圧力が不測かつ同時に作用するおそれは極めて少ない。
【0033】
一方、この組立て状態の折り畳み式運搬用容器の容器本体21を折り畳む際には、まず、短側壁23の上端部に設けられた係合部材25の操作リブ62を下方に押圧し、短側壁23の外側面上で係合部材25を下方にスライドさせた状態で、対向する一対の短側壁23を容器本体21の内方に回動させる。このとき、図1(b)に示されるように、付勢板66bの付勢力に抗して係合部材25が下方にスライドされるのに伴って係合突起61が下動され、図1(c)に二点鎖線で示されるように前記係合突起61と長側壁24の係合部55との係合状態が解除され、短側壁23が容器本体21の内方に回動可能な状態になる。
【0034】
なお、前記係合部材25は、操作リブ62の下端面が把持孔36aの外側面上端部と当接されることにより、所定幅以上は下動されないようになっている。また、上記立設状態維持凸部47と立設状態維持凹部56との間の係脱可能な係合状態は、係合突起61と係合部55との間の係合状態解除後における意図的な短側壁23の回動作業に際して比較的容易に解除され得る。即ち、前記凹凸関係による係合状態は、両当接面47b,56a同士のごく僅かな領域のみで行われており、短側壁23の折り畳み方向への直接的な押圧力に対してはほとんど有効な抑止力とはなり得ず、円滑な折り畳み作業が行えるようになっている。
【0035】
続いて、残り一対の長側壁24を前記折り畳まれた両短側壁23の上面に折り畳むことによって、図3及び図5に示されるように、容器本体21が平板状に小さくコンパクトに折り畳まれる。このとき、図5に示されるように、長側壁24の両端部に突設されている規制板51は、支持突条31aの収容凹部35内に収容されており、折り畳まれた状態の長側壁24の上端面が低い位置に配置されている。また、この折り畳み式運搬用容器の容器本体21は、折り畳まれた状態で上下に積み重ねることができるとともに、折り畳み状態又は組立て状態の容器本体21の上下に、組立て状態又は折り畳み状態の容器本体21を積み重ねることもできる。
【0036】
上記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この折り畳み式運搬用容器は、長四角板状に形成された底壁22と、その底壁22の対向する一側縁に沿って立設された一対の短側壁23と、前記底壁22の対向する他側縁に沿って立設された一対の長側壁24とを備えている。さらに、前記各側壁23,24の下端部には、各側壁23,24を容器本体21の内方に折り畳むための軸受け部32及び回動軸33が設けられ、前記短側壁23を底壁22の上面に折り畳んだ後、長側壁24を短側壁23の上面に折り畳むことによって、容器本体21が折り畳み可能に構成されている。
【0037】
加えて、短側壁23の外側面には、中央部に操作リブ62を備えるとともに両端部に係合突起61が突設された係合部材25が添設されている。そのうえ、長側壁24の両端部には、短側壁23の外方への回動を規制するための規制板51が突設されているうえ、前記係合突起61と係合して短側壁23の内方への回動を規制するための係合部55が設けられている。さらに、前記規制板51と短側壁23の両端部との接合部には、長側壁24の外方への回動を規制するための規制手段(規制孔52a,52b,52c及び規制凸部42a,42b,42c)が設けられている。そして、前記係合部材25の操作リブ62を下動させることにより、前記係合突起61と係合部55との係合状態を解除するように構成されている。
【0038】
このため、前記係合部材25の操作リブ62を下方に押圧することによって、前記係合突起61と係合部55との係合状態をワンタッチで解除することができることから、組立て状態の容器本体21を極めて容易に折り畳むことが可能である。特に、片手で1枚の短側壁23をワンタッチで底壁22の上面に折り畳むことが可能であることから、両手で1枚の短側壁を折り畳む構成である前記従来の折り畳み式コンテナと比較して、より一層折り畳み作業を容易に行うことができる。また、容器本体21の組立て時においても、1枚の短側壁23を支持突条31a上に立設固定する作業を片手のみを用いてほぼワンタッチで行うことができることから、組立て作業も極めて容易に行うことができる。
【0039】
さらに、この折り畳み式運搬用容器は、前記規制板51と短側壁23の両端部との接合部に、短側壁23の内方への回動を抑えてその短側壁23の立設状態を維持しやすくするための立設状態維持手段が設けられていることから、容器本体21の組立て状態における安定性を容易に高めることができる。即ち、この組立て状態の容器本体21の短側壁23は、前記係合突起61及び係合部55の係合による回動規制と、立設状態維持手段による回動規制との2種類の回動規制が同時に作用しながら隣接する長側壁24により支持されていることから、容器本体21の内方へと著しく回動され難くなっている。特に、前記立設状態維持手段は、不測に解除されるおそれが少ないことから、前記係合突起61及び係合部55の係合による回動規制が係合部材25の不測の上下動(誤作動)により解除されるのを食い止める効果を発揮し、短側壁23が非意図的に折り畳まれるのを極めて効果的に抑えることができる。また、前記2種類の回動規制により支持されることによって、組立て状態の容器本体21の係合突起61にかかる荷重を低減させることもできる。
【0040】
・ この折り畳み式運搬用容器は、係合部材25の操作リブ62が把持孔36aと近接した位置に設けられていることから、組立て状態の容器本体21の両把持孔36aを両手で把持した状態であっても、その状態で自由に動かすことが可能な親指を用いて操作リブ62を下方に押圧操作することができる。さらに、前記操作リブ62が下方に押圧されるように構成されていることから、前記の状態で親指による押圧力を操作リブ62に極めて効果的に及ぼすことが可能となっている。なお、この折り畳み方法においては、前記親指により操作リブ62を上方に押圧操作する場合であってもほぼ同様に効果的であるが、例えば横方向に押圧操作する場合にはあまり効果的に押圧力を加えることはできない。
【0041】
・ この折り畳み式運搬用容器では、短側壁23の両端部外側面に突設された中央部規制凸部42bと、その中央部規制凸部42bが係脱可能に係入されるように規制板51の中央部に貫設された中央部規制孔52bとから、長側壁24の外方への回動を規制する規制手段が構成されている。さらに、前記中央部規制凸部42bの先端部外側面(上端面、下端面、左側面又は右側面)には、立設状態維持凸部47が突設され、前記中央部規制孔52bの開口部と係脱可能に係合するように構成されている。そして、これら立設状態維持凸部47と中央部規制孔52bとにより、短側壁23の立設状態を安定維持しやすくするための立設状態維持手段が構成されている。
【0042】
このため、この折り畳み式運搬用容器は、中央部規制凸部42bの先端部に、中央部規制孔52bの開口部と係合するように構成された立設状態維持凸部47を設けるという極めて簡単な構成の付加により、組立て状態の容器本体21の安定性を著しく容易に高めることが可能である。特に、前記立設状態維持凸部47は、その上端部のみが中央部規制孔52bの開口部に対して係合するように、即ち係脱容易となるように構成されていることから、短側壁23の立設作業及び折り畳み作業を容易に行うことができる。
【0043】
・ さらに、前記中央部規制孔52bの開口部に立設状態維持凸部47の上端部を係脱可能に係入させるための立設状態維持凹部56を設けることによって、組立て状態の容器本体21において、中央部規制凸部42bの先端部が規制板51よりも外側方に突出する突出幅を無くすか、又は小さくすることが容易となる。このため、この折り畳み式運搬用容器では、組立て状態の容器本体21の使用時に、中央部規制凸部42bの先端部が引掛けられたり破損したりするおそれを著しく容易に低減させることができることから、使いやすさと外観とを容易に高めることができる。
【0044】
・ この折り畳み式運搬用容器では、立設状態維持凸部47を中央部規制凸部42bの上端面に突設するとともに、容器本体21を組立てたとき回動軸33の真上位置に立設状態維持凸部47及び立設状態維持凹部56の両当接面47b,56aが配置されるように構成されている。このため、立設状態維持凸部47の上端部は、短側壁23を立設させたときに最も高い位置に配置されるようになっている。従って、この折り畳み式運搬用容器では、短側壁23を回動させて立設又は折り畳む際に、立設状態維持凸部47の上端部が中央部規制孔52b及び掛合枠部53と摺接し難くなり、容器本体21の組立て及び折り畳み作業を容易かつ円滑に行うことができる。
【0045】
・ この折り畳み式運搬用容器では、組立て状態の容器本体21において立設状態維持凸部47の当接面47bと、立設状態維持凹部56の当接面56aとが互いに当接するように構成されている。このため、容器本体21の組立て状態における短側壁23と長側壁24とが互いにぐらつき難くなり、使用しやすさを著しく高めることが容易である。
【0046】
・ 短側壁23と係合部材25との接合部に、係合突起61と係合部55との係合状態を維持するように、係合突起61を所定方向に付勢する側壁凸部45及び付勢突起66を設けることによって、容器本体21の組立て作業を極めて容易に行うことができる。すなわち、この構成により、回動軸33を中心に一対の長側壁24を回動して立設させた後、同様に一対の短側壁23を回動して立設させることによって、前記係合突起61と係合部55とを自動的に係合させることが可能となる。さらに、前記側壁凸部45及び付勢突起66により、容器本体21の組立て状態を容易に維持することも可能であり、容器本体21の使用時における使いやすさを充分に発揮させることができる。
【0047】
・ 操作リブ62を下動させることにより、係合突起61と係合部55との係合状態を解除するように構成することによって、組立て状態の容器本体21を運搬する際の誤作動を容易に防止し、運搬時の作業性を容易に高めることができる。すなわち、組立て状態の容器本体21を運搬する際には、把持孔36aの下方から上方へ向かって指を挿入して容器本体21を持ち上げる。このとき、誤って操作リブ62の下端面に指を引掛ける可能性が極めて高いが、本実施形態の容器本体21では、たとえ操作リブ62の下端面に指を引掛けた場合であっても、容器本体21の形状はそのままの状態で維持されるように構成されている。
【0048】
・ 係合突起61と係合部55とが当接する当接部において、係合突起61の外側部(容器本体21の外側面側)に第2傾斜面61aを備えることによって、容器本体21の組立て時に、係合突起61を容易かつ滑らかに係合部55と係合させることができる。このため、容器本体21の組立て作業を容易かつ迅速に行うことができる。さらに、前記当接部において係合部55の内側部(容器本体21の内側面側)に傾斜面55aを備えることによって、容器本体21の組立て作業をさらに容易かつ迅速に行うことができる。
【0049】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図14に示すように、第2実施形態の折り畳み式運搬用容器は、図11に示される操作部材81、図12に示される一方の連結部材82及び図示しない他方の連結部材の3個の部品により構成された係合部材83を備えている。この係合部材83は、操作部材81及び一対の連結部材82を射出成形した後に一体的に連結するように構成されている。
【0050】
図11(a)及び(b)に示すように、操作部材81は、合成樹脂により側面ほぼ長四角形状に形成されている。この操作部材81の中央部外側面下端部には、操作部としての操作リブ62が横方向に延設されている。また、操作部材81の両端部には、長四角板状に形成された連結板84が設けられている。これら連結板84は、操作部材81の外側面に沿って設けられており、その内側面(裏面又は背面)側には円筒状に形成された各一対の係合筒85が突設されている。
【0051】
図12(a)及び(b)に示すように、操作部材81の一端部に連結される一方の連結部材82は、合成樹脂によりほぼ長四角柱状に形成されているうえ、その先端部には係合突起61が突設されている。この連結部材82の基端部外側面には、長四角形状に形成された連結凹部86が所定深さ凹設されており、図13に示されるように操作部材81の一端部と連結されるとき、連結板84を収容するように構成されている。この連結凹部86の中央部には、左右一対の円孔87が貫設されており、図13に示されるように操作部材81の一端部と連結されるとき、対応する係合筒85を嵌入させるように構成されている。
【0052】
図12(b)に示すように、連結凹部86と係合突起61との間の連結部材82の中央部には、その外側面を所定深さ凹設することによって添着凹部88が設けられている。この添着凹部88の先端部外側面には、三角柱状に形成された添着突起89が突設されている。さらに、この添着突起89は、連結部材82の先端側ほど低くなるように形成されている。
【0053】
連結部材82の下端面中央部には、その連結部材82の先端部へと向かって斜め下方に延びる付勢手段を構成する下部付勢板90が突設されている。この下部付勢板90は、連結部材82の下端面に対しておよそ30°の角度をなすように延設されているうえ、弾性変形可能に構成されている。また、操作部材81の他端部に連結される他方の連結部材は、前記一方の連結部材82と左右対称となる形状に形成されている。
【0054】
一方、図14に示すように、上記係合部材83が添着される短側壁23は、上記実施形態における側壁凸部45、スライド掛合突起46及び長孔46aが省略されている。さらに、第2長孔44が設けられている側壁リブの外端部には、長四角板状に形成された添着板91が短側壁23の内側方に延びるように設けられている。この添着板91、前記側壁リブ及びそのリブに上下に隣接する側壁リブ、並びに短側壁23によって、短側壁23の上端部外側には一対の添着ポケット92が形成されている。加えて、この添着ポケット92を構成する添着板91の中央部には、上下方向に長孔状に延びる添着スライド孔93が貫設されている。
【0055】
そして、前記係合部材83を容器本体21の短側壁23外側面に添着する際には、図14に示すように、まず、一方の添着ポケット92内に一方の連結部材82の先端部を挿入し、係合突起61を第1長孔43及び第2長孔44内に挿通させるとともに、添着スライド孔93内に添着突起89を係入させる。次に、他方の添着ポケット92内に他方の連結部材の先端部を同様に挿入した後、操作部材81により左右の連結部材82を連結固定させる。このとき、操作部材81の両端部に設けられた各一対の係合筒85を連結部材82の円孔87内に嵌入させるとともに、操作部材81両端部の連結板84を連結部材82の連結凹部86内に収容させる。
【0056】
この係合部材83は、その両端部外側面に突設された一対の添着突起89が、短側壁23両端部の添着スライド孔93内で上下方向にガイドされながらスライドするように構成されており、所定幅上動及び下動することができるようになっている。さらに、この係合部材83は、その両端部下面に突設された一対の下部付勢板90の先端部が、付勢手段を構成する添着ポケット92の下端部(側壁リブの上面)と当接していることから、常に上方に付勢されている。そして、この折り畳み式運搬用容器の容器本体21は、上記実施形態と全く同様に折り畳み及び組立てを行うことができる。
【0057】
従って、この第2実施形態の折り畳み式運搬用容器は、射出成形後の部品の組み付け作業、特に係合部材83の短側壁23外側面への添着作業を容易に行うことができることから、容器本体21の製造を容易に行うことができる。また、上記第1実施形態と全く同様の効果も発揮され得る。
【0058】
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 中央部規制孔52bに立設状態維持凸部を設けること。さらに、中央部規制凸部42bに、前記中央部規制孔52bの立設状態維持凸部を係入させるための立設状態維持凹部を設けてもよい。
【0059】
・ 下部規制凸部42a又は上部規制凸部42cに立設状態維持凸部47を設けること。また、例えば図7(a)に示すように、掛合凹部41の周縁に沿うように突設された側壁リブ101と、規制板51の周縁部との間に立設状態維持手段を設けてもよい。
【0060】
・ 立設状態維持凸部47を中央部規制凸部42bの先端部下端面、先端部左側面、先端部右側面等の中央部規制凸部42bの先端部外周縁に突設してもよい。
【0061】
・ 立設状態維持凹部56を省略するとともに、立設状態維持凸部47の当接面47bが中央部規制孔52bの外端部に位置する開口部(開口縁)と係合されるように構成すること。
【0062】
・ 掛合枠部53を省略しても構わない。
・ 立設状態維持凸部47の傾斜面47aを、その中央部が僅かに上方に膨出するような正面円弧状(正面略扇状)に形成させてもよい。
【0063】
・ 立設状態維持凸部47の当接面47bは、短側壁23と平行な垂直面に沿うように形成されていなくてもよく、例えば短側壁23と所定の角度を有する垂直面に沿うように形成させてもよい。また、この立設状態維持凸部47の当接面47bは、組立て状態の容器本体21において平断面横V字状又は横U字状となるように形成されていても構わない。このように構成した場合、当接面47bの面積を容易に増大させることができることから、立設状態維持手段による短側壁23の立設状態をより一層安定化させることが可能である。また、この立設状態維持凸部47の当接面47bは、垂直面に沿うように形成されていなくてもよい。
【0064】
・ 立設状態維持手段として、中央部規制凸部42bの外側面及び中央部規制孔52b(掛合枠部53)の内側面に、短側壁23と直交方向以外の方向(好ましくは短側壁23と平行)に延びる1本若しくは複数本の突条を突設させ、組立て状態の容器本体21において互いに係合するように構成してもよい。なお、前記複数本の突条を突設させる際にはバーコート状に形成させるのが好ましい。また、前記突条の代わりに、中央部規制凸部42bの外側面及び中央部規制孔52b(掛合枠部53)の内側面に突起を設け、組立て状態の容器本体21において互いに係合するように構成してもよい。
【0065】
・ 立設状態維持手段として、中央部規制凸部42bの外側面に突条又は突起を設け、組立て状態の容器本体21において中央部規制孔52b(掛合枠部53)の内側面に当接するように構成してもよい。逆に、立設状態維持手段として、中央部規制孔52b(掛合枠部53)の内側面に突条又は突起を設け、組立て状態の容器本体21において中央部規制凸部42bの外側面に当接するように構成してもよい。
【0066】
・ 中央部規制孔52bを貫設せずに、中央部規制凸部42bの突出幅を僅かに短く形成させること。このように構成した場合、容器本体21を組立てたとき、中央部規制凸部42bが掛合枠部53内に係入されることにより規制手段が構成されることから、長側壁24の外方への回動を規制することができる。また、その他の規制孔52a,52c及び規制凸部42a,42cについても同様に構成してもよい。
【0067】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記立設状態維持手段を、前記規制板と第一側壁の両端部との接合部に設けられた立設状態維持凹部と立設状態維持凸部とにより構成し、容器本体を組立てたとき前記立設状態維持凹部と立設状態維持凸部とが係合するように構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の折り畳み式運搬用容器。
【0068】
・ 前記立設状態維持手段を、前記規制凸部の外面と前記規制孔の内面との間に設けられた凹凸関係により構成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0069】
・ 前記規制手段を第一側壁の外側面に突設された規制凸部と、その規制凸部が係入されるように前記規制板の内側面に突設された掛合枠部とから構成するとともに、前記立設状態維持手段を、前記規制凸部の外面と前記掛合枠部の内面との間に設けられた凹凸関係により構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の折り畳み式運搬用容器。
【0070】
・ 容器本体を組立てたとき、前記立設状態維持凸部が回動手段の真上に配置されるように構成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0071】
・ 容器本体を組立てたとき、前記立設状態維持凸部と規制孔とが当接するように構成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の折り畳み式運搬用容器。
【0074】
・ 前記係合部材を複数の部品によって構成し、容器本体に添着する際に一体的に連結するように構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の折り畳み式運搬用容器。このように構成した場合、容器本体の製造を容易に行うことができる。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項3に記載の発明の折り畳み式運搬用容器によれば、折り畳み作業をより一層容易に行うことができるとともに、組立て状態での安定性を容易に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)及び(b)はいずれも、第1実施形態の折り畳み式運搬用容器の容器本体の一部を示す部分拡大側面図、(c)は図1(a)の1c−1c線から見た容器本体を示す断面図。
【図2】 (a)は第1実施形態の折り畳み式運搬用容器の容器本体を示す正面図、(b)は同じく正断面図。
【図3】 第1実施形態の一部の側壁を折り畳んだ容器本体を示す平面図。
【図4】 第1実施形態の一部を破断した容器本体を示す側面図。
【図5】 第1実施形態の折り畳まれた状態の容器本体を示す側面図。
【図6】 (a)は第1実施形態の長側壁を示す側面図、(b)は同じく側断面図、(c)は図6(a)の6c−6c線から見た長側壁を示す断面図。
【図7】 (a)は第1実施形態の短側壁の一部を示す正面図、(b)は同じく側面図。
【図8】 (a)は第1実施形態の係合部材の一部を示す正面図、(b)は同じく背面図。
【図9】 第1実施形態の係合部材が添設された容器本体を示す平断面図。
【図10】 (a)〜(c)はいずれも、第1実施形態の容器本体を組立て又は折り畳む際の作用を示す正断面図。
【図11】 (a)は第2実施形態の係合部材を構成する操作部材を示す正面図、(b)は同じく操作部材を示す背面図。
【図12】 (a)は第2実施形態の係合部材を構成する一方の連結部材を示す正面図、(b)は同じく底面図。
【図13】 第2実施形態の係合部材の一部を示す部分拡大断面図。
【図14】 第2実施形態の容器本体の一部を示す部分拡大側面図。
【符号の説明】
21…容器本体、22…底壁、23…第一側壁としての短側壁、24…第二側壁としての長側壁、25…係合部材、32…回動手段を構成する軸受け部、33…回動手段を構成する回動軸、42a…規制手段を構成する下部規制凸部、42b…規制手段を構成する規制凸部としての中央部規制凸部、42c…規制手段を構成する上部規制凸部、47…立設状態維持手段を構成する立設状態維持凸部、51…規制板、52a…規制手段を構成する下部規制孔、52b…規制手段を構成する規制孔としての中央部規制孔、52c…規制手段を構成する上部規制孔、53…規制手段を構成する掛合枠部、55…係合部、56…立設状態維持手段を構成する立設状態維持凹部、61…係合突起、62…操作部としての操作リブ、81…係合部材を構成する操作部材、82…係合部材を構成する連結部材、83…係合部材。
Claims (3)
- 四角板状に形成された底壁と、その底壁の対向する一側縁に沿って立設された一対の第一側壁と、前記底壁の対向する他側縁に沿って立設された一対の第二側壁とを備えた有底四角箱状の容器本体から構成され、
前記各側壁の下端部には、各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、
前記第一側壁を底壁の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことによって、容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式運搬用容器であって、
前記第一側壁の外側面には、略中央部に操作部を備えるとともに両端部に係合突起が設けられた係合部材を添設し、
前記第二側壁の両端部には、第一側壁の外方への回動を規制するための規制板と、前記係合突起と係合して第一側壁の内方への回動を規制するための係合部とを設け、
前記規制板と第一側壁の両端部との接合部には、第二側壁の外方への回動を規制するための規制手段と、第一側壁の内方への回動を抑えてその立設状態を維持しやすくするための立設状態維持手段とを設け、
前記係合部材の操作部を下動させることにより、前記係合突起と係合部との係合状態を解除するように構成し、
前記係合突起と係合部との係合状態を維持するように係合突起を付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。 - 前記規制手段を、第一側壁の外側面に突設された規制凸部と、その規制凸部が係入されるように前記規制板に貫設された規制孔とから構成するとともに、
前記規制凸部の先端部に立設状態維持凸部を設け、前記規制孔と係脱可能に係合するように構成し、
前記立設状態維持凸部と規制孔とにより立設状態維持手段を構成したことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式運搬用容器。 - 前記規制孔に前記立設状態維持凸部を係脱可能に係入させるための立設状態維持凹部を凹設したことを特徴とする請求項2に記載の折り畳み式運搬用容器。
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