JP2004330035A - 超音波洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波洗浄を行うための洗浄液から脱気する時間や洗浄時間を短縮すると同時に、洗浄効果を高めることが出来るようにする。
【解決手段】金属、またはセラミックス、または硬質樹脂、またはこれらの複合体からなるワークを超音波で洗浄する際、洗浄槽2のカゴ11内にワークを投入した後、蓋7をして洗浄槽2内を密封し、真空引き回路4で真空引きすることで洗浄槽2内の真空度が大気圧より0.09Mpa以上低い負圧になるようにする。その後、この洗浄槽2内に、貯留タンク3から脱気した洗浄液を導入し、その後、大気開放弁30を開いて洗浄槽2内を大気圧状態に戻して超音波洗浄する。
【選択図】 図1
【解決手段】金属、またはセラミックス、または硬質樹脂、またはこれらの複合体からなるワークを超音波で洗浄する際、洗浄槽2のカゴ11内にワークを投入した後、蓋7をして洗浄槽2内を密封し、真空引き回路4で真空引きすることで洗浄槽2内の真空度が大気圧より0.09Mpa以上低い負圧になるようにする。その後、この洗浄槽2内に、貯留タンク3から脱気した洗浄液を導入し、その後、大気開放弁30を開いて洗浄槽2内を大気圧状態に戻して超音波洗浄する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば金属やセラミックスや硬質樹脂等のワークを超音波洗浄する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば液晶配向用に使用される感光性樹脂板等の薄板ワークを精密洗浄する技術として、例えば本出願人は、厚みの薄い洗浄槽内にワークを投入し、この洗浄槽内に貯留タンク内の洗浄液を導入するとともに、この洗浄槽内の洗浄液を脱気しながら超音波洗浄した後、洗浄槽から貯留タンクに洗浄液を戻すような技術を開示している。(例えば、特許文献1参照。)。
そして、洗浄液から脱気することで、超音波の伝播特性を向上させると同時にキャビテーションの衝撃力を強化し、また、洗浄槽内の洗浄液を貯留タンクから導入したり、洗浄後貯留タンクに戻したりするような手順を踏むことにより、ワークの取り出しから乾燥までの一連の作業を効率的に行えるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−346489号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記技術のように洗浄液を脱気しながら超音波洗浄する場合、例えば洗浄槽内に投入されたワークの下面に凹部等があるような際には、洗浄槽内にワークを投入した後に洗浄液を導入すると、凹部内に空気が溜まった状態になり、この空気が洗浄液中に溶解して、洗浄液から脱気する脱気時間や洗浄時間が長引いたり、空気溜まりが出来たまま超音波洗浄が始まったりして、充分な洗浄効果が得られない等の不具合があった。
因みに、この洗浄液の脱気の程度は、金属やセラミックスや硬質樹脂等のワークの場合、溶存酸素量が3mg/l程度以下が好ましいことが明らかにされている。
【0005】
そこで本発明は、洗浄液から脱気する時間や洗浄時間を短縮すると同時に、効果的に洗浄効果を高めることが出来るようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、金属、またはセラミックス、または硬質樹脂、またはこれらの複合体からなるワークを超音波で洗浄する方法において、洗浄槽内に前記ワークを投入した後、洗浄槽内を密封して真空引きすることで洗浄槽内を真空度を0.09Mpa(ゲージ圧)以下の負圧にし、この洗浄槽内に脱気した洗浄液を導入するとともに、その後、洗浄槽内を大気圧状態に戻して超音波洗浄するようにした。
【0007】
このように、洗浄槽内に洗浄液を導入する前に、ワークだけを投入して洗浄槽内を真空引きすれば、ワーク周辺の空気溜まり等の空気を除去することが出来、その後導入する洗浄液から脱気して例えば溶存酸素量を3mg/l程度にする際も、その脱気効率を高めることが出来るため、一連の洗浄作業を効率的に行うことが出来る。
また、洗浄槽内を負圧した後、洗浄液を導入しようとすると、格別な送給ポンプ等がなくても弁等を開くだけで充填出来るため好都合である。
ここで、真空度0.09Mpa(ゲージ圧)以下の負圧とは、大気圧より0.09Mpa以上低い圧力であり、真空度は低ければ低いほど効果的であるが、実用上、大気圧より0.09Mpa(ゲージ圧)低い負圧であれば問題は生じない。これに対して、真空度がこのレベルまで達しないと、その後、洗浄液を導入した際、ワークの形状等によって空気溜まりが生じたり、洗浄液に溶存する気体の溶存量が多くなるようになって、洗浄効果が低下したり、洗浄時間が長くなったりする等の不具合が生じる。
【0008】
また、洗浄する際、洗浄槽内を大気圧状態に戻すことにより、キャビティの衝撃力をより高めることが出来る。これに対して、洗浄槽内を真空状態に保ったまま超音波洗浄すると、例えば、キャビティが消滅する際(周囲の液体を吸収する吸収爆発)の衝撃力が弱まる等によって、洗浄効果を高めることが出来ない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る超音波洗浄装置のシステム構成図である。
【0010】
本発明は、金属やセラミックスや硬質樹脂やこれらの複合体からなるワークを超音波で洗浄する際、洗浄効果を高めると同時に、効率良く洗浄作業を行うことが出来るようにされ、洗浄槽にワークを投入した後、洗浄槽内を真空引きすることで、ワーク周辺に付着する空気を除去し、その後、洗浄槽内に脱気した洗浄液を導入して超音波洗浄することを特徴としている。
【0011】
そこで、まず本超音波洗浄装置のシステム構成の概要について、図1に基づき説明する。
本超音波洗浄装置1は、超音波洗浄を行う洗浄槽2と、洗浄液を貯留する貯留タンク3と、洗浄液中に含まれる気体を脱気する脱気回路4と、洗浄槽2内を真空引きするための真空引き回路5と、洗浄槽2内を大気圧の戻すための大気開放弁30を備えており、洗浄槽2と貯留タンク3との間には、洗浄液を出し入れするための洗浄液ライン6が連結され、この洗浄液ライン6は、洗浄槽2との接続側で複数本の分岐ライン6a、6b、6cに分岐するとともに、各分岐ライン6a、6b、6cには、エアバルブAVが配設されている。
【0012】
前記洗浄槽2には、開閉自在な蓋7が設けられ、この蓋7に後述する真空引き回路5の真空引きライン25が接続されており、また、蓋7を閉めた後、洗浄槽2の内部を密封するため、洗浄槽2には、パッキン8が設けられ、また、洗浄槽2に向けて蓋7を押圧するためのエアシリンダ10が設けられている。
そして、洗浄槽2内には、金属やセラミックスや硬質樹脂等のワークが投入されるカゴ11と、超音波振動子12が収容されており、カゴ11は、スピードコントロールモータ13によって揺動自在または回転自在にされている。
【0013】
また、この洗浄槽2内には、洗浄液の液面レベルを検知するためのレベル検知部14と、洗浄時の液面レベルを調整するための液面調整用パイプ15と、排液時の液面を規制する液面規制パイプ19が設けられており、前記液面調整用パイプ15は、前記分岐ライン6cに接続されるとともに、液面規制パイプ19は分岐ライン6aに接続されている。
【0014】
前記脱気回路4は、基本的に貯留タンク3内の洗浄液から脱気できるようにされ、その他、洗浄時間が長くなるような場合等には、洗浄槽2内の洗浄液からも脱気できるようにされている。
すなわち、この脱気回路4のうち、貯留タンク3内の洗浄液から脱気する回路は、貯留タンク3に接続される引出しライン16と、この引出しライン16の他端側に接続される脱気筒17と、この脱気筒17の上部に、真空引きライン18やトラップ筒20を介して接続される真空ポンプ21と、脱気筒17の下部に接続される戻しライン22と、この戻しライン22の途中に配設される循環ポンプ23や熱交換器24を備えており、戻しライン22の延出端部は、貯留タンク3に接続されている。
【0015】
また、脱気回路4のうち、洗浄槽2内の洗浄液から脱気する回路は、前記分岐ライン6bと引出しライン16の途中とを連結する連結ライン31と、前記熱交換器24の下流側から洗浄槽2に接続される戻しライン32を備えており、連結ライン31を通して洗浄槽2から引き出した洗浄液を脱気して、戻しライン32を通して洗浄槽2内に戻すようにしている。
【0016】
前記真空引き回路5は、前記蓋7に接続される真空引きライン25と、この真空引きライン25の他端側に接続される真空ポンプ26を備えており、前記真空引きライン25の途中には、三方弁27やトラップ筒28が設けられている。
そして、このトラップ筒28や、前記脱気回路4のトラップ筒20に溜まる洗浄液は、各ラインを通して貯留タンク3に戻すことが出来るようにされている。
【0017】
尚、洗浄槽2の蓋7には、洗浄槽2内部の真空度を測定するための真空計33を設けている。
【0018】
以上のような超音波洗浄装置による洗浄方法について説明する。
洗浄槽2の蓋7を開けた状態でカゴ11の中にワークを投入する。このとき、殆どの洗浄液は貯留タンク3内に戻されているが、洗浄槽2にも液面規制パイプ19の高さ以下に一部の洗浄液が残っており、この洗浄液の液面は、カゴ11の高さ位置に達しないレベルとされている。これは、洗浄槽2に一部の洗浄液を残すことにより、洗浄槽2内に洗浄液を導入する時間を短縮するためである。
一方、貯留タンク3内の洗浄液は、脱気回路4により脱気されている。すなわち、脱気回路4の真空ポンプ21が作動して脱気筒17内を真空にし、引出しライン16を通して貯留タンク3内の洗浄液を脱気筒17に吸引して脱気するとともに、脱気された洗浄液を戻しライン22を通して貯留タンク3内に戻し、この操作を連続的に循環させて脱気している。
【0019】
そして、洗浄槽2のカゴ11にワークが投入されると、蓋7が閉められてエアシリンダ10の押圧により洗浄槽2内部が密封された後、真空引き回路5により洗浄槽2内が真空引きされる。そして、真空計33により、洗浄槽2内の真空度が、大気圧より0.095Mpa低くなったことが検知されると、分岐ライン6aのエアバルブAVが開かれて、貯留タンク3内の洗浄液が洗浄槽2内に導入される。
【0020】
洗浄槽2内に洗浄液が導入され、液面がレベル検知部14のアッパセンサ34で検知されると、分岐ライン6aのエアバルブAVが閉じられて洗浄液の流入が停止し、液面が所望のレベルに精密に調整される。すなわち、分岐バルブ6cのエアバルブAVが開かれて、液面調整用パイプ15の上面を超える洗浄液は、該液面調整用パイプ15内を通って下方に落下し、貯留タンク3内に戻される。
因みに、この液面レベルの調整は、超音波の波長との関係で、超音波振動子12からの距離を一定値にセットし、発振波と反射波の山と山が重なり合うようにしてキャビティの衝撃力を高めるために必要なものである。
【0021】
液面レベルの調整が完了すると、大気開放弁30が開かれて洗浄槽2内が大気圧に戻され、次いで、超音波振動子12が作動して超音波洗浄が開始される。
この際、必要に応じてモータ13の作動によりカゴ11が揺動または回転させられ、また、洗浄時間が長い場合等は、洗浄槽2内の洗浄液が脱気回路4に送り込まれて脱気させられる。すなわち、分岐ライン6bのエアバルブAVから連結ライン31を通して洗浄液が脱気筒17に送り込まれ、脱気された洗浄液は戻しライン32を通して洗浄槽2内に戻される。そしてこのような脱気した洗浄液で超音波洗浄することにより洗浄効果が高まる。
【0022】
超音波洗浄が完了すると、洗浄槽2の蓋7が僅かに開けられて洗浄槽2の大気開放面積が充分確保された後、分岐ライン6aのエアバルブAVが開かれて、洗浄液は貯留タンク3に戻される。
この際、次回に洗浄槽2への洗浄液導入を効率的に行うため、液面規制パイプ19により洗浄槽2内に一部の洗浄液が残ることについては前述の通りである。
そして、貯留タンク3に戻された洗浄液は、脱気回路4を循環して脱気される。
【0023】
以上のような要領により、洗浄槽2内にワークを投入する際、洗浄槽2内に洗浄液を導入しておき、この洗浄液内にワークを投入して脱気や超音波洗浄を行う代わりに、洗浄液のない洗浄槽2内にワークを投入し、洗浄槽2内を真空引きした後、脱気した洗浄液を導入するようにしたため、その後の脱気や超音波洗浄等の一連の作業をより効率的に行うことができる。
【0024】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、装置構成は一例である。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明は、金属、またはセラミックス、または硬質樹脂、またはこれらの複合体からなるワークを超音波で洗浄する際、洗浄槽内にワークを投入した後、洗浄槽内を密封して真空引きすることで洗浄槽内の真空度を所定値以下の負圧にし、この洗浄槽内に脱気した洗浄液を導入するとともに、その後、洗浄槽内を大気圧状態に戻して超音波洗浄するようにしたため、ワーク周辺の空気溜まり等の空気を効率的に除去することが出来、その後導入する洗浄液から脱気する際も、その脱気効率を高めることが出来る。
このため、一連の洗浄作業を効率的に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波洗浄装置のシステム構成図
【符号の説明】
1…超音波洗浄装置、2…洗浄槽、3…貯留タンク、4…脱気回路、5…真空引き回路、7…蓋、12…超音波振動子、30…大気開放弁。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば金属やセラミックスや硬質樹脂等のワークを超音波洗浄する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば液晶配向用に使用される感光性樹脂板等の薄板ワークを精密洗浄する技術として、例えば本出願人は、厚みの薄い洗浄槽内にワークを投入し、この洗浄槽内に貯留タンク内の洗浄液を導入するとともに、この洗浄槽内の洗浄液を脱気しながら超音波洗浄した後、洗浄槽から貯留タンクに洗浄液を戻すような技術を開示している。(例えば、特許文献1参照。)。
そして、洗浄液から脱気することで、超音波の伝播特性を向上させると同時にキャビテーションの衝撃力を強化し、また、洗浄槽内の洗浄液を貯留タンクから導入したり、洗浄後貯留タンクに戻したりするような手順を踏むことにより、ワークの取り出しから乾燥までの一連の作業を効率的に行えるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−346489号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記技術のように洗浄液を脱気しながら超音波洗浄する場合、例えば洗浄槽内に投入されたワークの下面に凹部等があるような際には、洗浄槽内にワークを投入した後に洗浄液を導入すると、凹部内に空気が溜まった状態になり、この空気が洗浄液中に溶解して、洗浄液から脱気する脱気時間や洗浄時間が長引いたり、空気溜まりが出来たまま超音波洗浄が始まったりして、充分な洗浄効果が得られない等の不具合があった。
因みに、この洗浄液の脱気の程度は、金属やセラミックスや硬質樹脂等のワークの場合、溶存酸素量が3mg/l程度以下が好ましいことが明らかにされている。
【0005】
そこで本発明は、洗浄液から脱気する時間や洗浄時間を短縮すると同時に、効果的に洗浄効果を高めることが出来るようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、金属、またはセラミックス、または硬質樹脂、またはこれらの複合体からなるワークを超音波で洗浄する方法において、洗浄槽内に前記ワークを投入した後、洗浄槽内を密封して真空引きすることで洗浄槽内を真空度を0.09Mpa(ゲージ圧)以下の負圧にし、この洗浄槽内に脱気した洗浄液を導入するとともに、その後、洗浄槽内を大気圧状態に戻して超音波洗浄するようにした。
【0007】
このように、洗浄槽内に洗浄液を導入する前に、ワークだけを投入して洗浄槽内を真空引きすれば、ワーク周辺の空気溜まり等の空気を除去することが出来、その後導入する洗浄液から脱気して例えば溶存酸素量を3mg/l程度にする際も、その脱気効率を高めることが出来るため、一連の洗浄作業を効率的に行うことが出来る。
また、洗浄槽内を負圧した後、洗浄液を導入しようとすると、格別な送給ポンプ等がなくても弁等を開くだけで充填出来るため好都合である。
ここで、真空度0.09Mpa(ゲージ圧)以下の負圧とは、大気圧より0.09Mpa以上低い圧力であり、真空度は低ければ低いほど効果的であるが、実用上、大気圧より0.09Mpa(ゲージ圧)低い負圧であれば問題は生じない。これに対して、真空度がこのレベルまで達しないと、その後、洗浄液を導入した際、ワークの形状等によって空気溜まりが生じたり、洗浄液に溶存する気体の溶存量が多くなるようになって、洗浄効果が低下したり、洗浄時間が長くなったりする等の不具合が生じる。
【0008】
また、洗浄する際、洗浄槽内を大気圧状態に戻すことにより、キャビティの衝撃力をより高めることが出来る。これに対して、洗浄槽内を真空状態に保ったまま超音波洗浄すると、例えば、キャビティが消滅する際(周囲の液体を吸収する吸収爆発)の衝撃力が弱まる等によって、洗浄効果を高めることが出来ない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る超音波洗浄装置のシステム構成図である。
【0010】
本発明は、金属やセラミックスや硬質樹脂やこれらの複合体からなるワークを超音波で洗浄する際、洗浄効果を高めると同時に、効率良く洗浄作業を行うことが出来るようにされ、洗浄槽にワークを投入した後、洗浄槽内を真空引きすることで、ワーク周辺に付着する空気を除去し、その後、洗浄槽内に脱気した洗浄液を導入して超音波洗浄することを特徴としている。
【0011】
そこで、まず本超音波洗浄装置のシステム構成の概要について、図1に基づき説明する。
本超音波洗浄装置1は、超音波洗浄を行う洗浄槽2と、洗浄液を貯留する貯留タンク3と、洗浄液中に含まれる気体を脱気する脱気回路4と、洗浄槽2内を真空引きするための真空引き回路5と、洗浄槽2内を大気圧の戻すための大気開放弁30を備えており、洗浄槽2と貯留タンク3との間には、洗浄液を出し入れするための洗浄液ライン6が連結され、この洗浄液ライン6は、洗浄槽2との接続側で複数本の分岐ライン6a、6b、6cに分岐するとともに、各分岐ライン6a、6b、6cには、エアバルブAVが配設されている。
【0012】
前記洗浄槽2には、開閉自在な蓋7が設けられ、この蓋7に後述する真空引き回路5の真空引きライン25が接続されており、また、蓋7を閉めた後、洗浄槽2の内部を密封するため、洗浄槽2には、パッキン8が設けられ、また、洗浄槽2に向けて蓋7を押圧するためのエアシリンダ10が設けられている。
そして、洗浄槽2内には、金属やセラミックスや硬質樹脂等のワークが投入されるカゴ11と、超音波振動子12が収容されており、カゴ11は、スピードコントロールモータ13によって揺動自在または回転自在にされている。
【0013】
また、この洗浄槽2内には、洗浄液の液面レベルを検知するためのレベル検知部14と、洗浄時の液面レベルを調整するための液面調整用パイプ15と、排液時の液面を規制する液面規制パイプ19が設けられており、前記液面調整用パイプ15は、前記分岐ライン6cに接続されるとともに、液面規制パイプ19は分岐ライン6aに接続されている。
【0014】
前記脱気回路4は、基本的に貯留タンク3内の洗浄液から脱気できるようにされ、その他、洗浄時間が長くなるような場合等には、洗浄槽2内の洗浄液からも脱気できるようにされている。
すなわち、この脱気回路4のうち、貯留タンク3内の洗浄液から脱気する回路は、貯留タンク3に接続される引出しライン16と、この引出しライン16の他端側に接続される脱気筒17と、この脱気筒17の上部に、真空引きライン18やトラップ筒20を介して接続される真空ポンプ21と、脱気筒17の下部に接続される戻しライン22と、この戻しライン22の途中に配設される循環ポンプ23や熱交換器24を備えており、戻しライン22の延出端部は、貯留タンク3に接続されている。
【0015】
また、脱気回路4のうち、洗浄槽2内の洗浄液から脱気する回路は、前記分岐ライン6bと引出しライン16の途中とを連結する連結ライン31と、前記熱交換器24の下流側から洗浄槽2に接続される戻しライン32を備えており、連結ライン31を通して洗浄槽2から引き出した洗浄液を脱気して、戻しライン32を通して洗浄槽2内に戻すようにしている。
【0016】
前記真空引き回路5は、前記蓋7に接続される真空引きライン25と、この真空引きライン25の他端側に接続される真空ポンプ26を備えており、前記真空引きライン25の途中には、三方弁27やトラップ筒28が設けられている。
そして、このトラップ筒28や、前記脱気回路4のトラップ筒20に溜まる洗浄液は、各ラインを通して貯留タンク3に戻すことが出来るようにされている。
【0017】
尚、洗浄槽2の蓋7には、洗浄槽2内部の真空度を測定するための真空計33を設けている。
【0018】
以上のような超音波洗浄装置による洗浄方法について説明する。
洗浄槽2の蓋7を開けた状態でカゴ11の中にワークを投入する。このとき、殆どの洗浄液は貯留タンク3内に戻されているが、洗浄槽2にも液面規制パイプ19の高さ以下に一部の洗浄液が残っており、この洗浄液の液面は、カゴ11の高さ位置に達しないレベルとされている。これは、洗浄槽2に一部の洗浄液を残すことにより、洗浄槽2内に洗浄液を導入する時間を短縮するためである。
一方、貯留タンク3内の洗浄液は、脱気回路4により脱気されている。すなわち、脱気回路4の真空ポンプ21が作動して脱気筒17内を真空にし、引出しライン16を通して貯留タンク3内の洗浄液を脱気筒17に吸引して脱気するとともに、脱気された洗浄液を戻しライン22を通して貯留タンク3内に戻し、この操作を連続的に循環させて脱気している。
【0019】
そして、洗浄槽2のカゴ11にワークが投入されると、蓋7が閉められてエアシリンダ10の押圧により洗浄槽2内部が密封された後、真空引き回路5により洗浄槽2内が真空引きされる。そして、真空計33により、洗浄槽2内の真空度が、大気圧より0.095Mpa低くなったことが検知されると、分岐ライン6aのエアバルブAVが開かれて、貯留タンク3内の洗浄液が洗浄槽2内に導入される。
【0020】
洗浄槽2内に洗浄液が導入され、液面がレベル検知部14のアッパセンサ34で検知されると、分岐ライン6aのエアバルブAVが閉じられて洗浄液の流入が停止し、液面が所望のレベルに精密に調整される。すなわち、分岐バルブ6cのエアバルブAVが開かれて、液面調整用パイプ15の上面を超える洗浄液は、該液面調整用パイプ15内を通って下方に落下し、貯留タンク3内に戻される。
因みに、この液面レベルの調整は、超音波の波長との関係で、超音波振動子12からの距離を一定値にセットし、発振波と反射波の山と山が重なり合うようにしてキャビティの衝撃力を高めるために必要なものである。
【0021】
液面レベルの調整が完了すると、大気開放弁30が開かれて洗浄槽2内が大気圧に戻され、次いで、超音波振動子12が作動して超音波洗浄が開始される。
この際、必要に応じてモータ13の作動によりカゴ11が揺動または回転させられ、また、洗浄時間が長い場合等は、洗浄槽2内の洗浄液が脱気回路4に送り込まれて脱気させられる。すなわち、分岐ライン6bのエアバルブAVから連結ライン31を通して洗浄液が脱気筒17に送り込まれ、脱気された洗浄液は戻しライン32を通して洗浄槽2内に戻される。そしてこのような脱気した洗浄液で超音波洗浄することにより洗浄効果が高まる。
【0022】
超音波洗浄が完了すると、洗浄槽2の蓋7が僅かに開けられて洗浄槽2の大気開放面積が充分確保された後、分岐ライン6aのエアバルブAVが開かれて、洗浄液は貯留タンク3に戻される。
この際、次回に洗浄槽2への洗浄液導入を効率的に行うため、液面規制パイプ19により洗浄槽2内に一部の洗浄液が残ることについては前述の通りである。
そして、貯留タンク3に戻された洗浄液は、脱気回路4を循環して脱気される。
【0023】
以上のような要領により、洗浄槽2内にワークを投入する際、洗浄槽2内に洗浄液を導入しておき、この洗浄液内にワークを投入して脱気や超音波洗浄を行う代わりに、洗浄液のない洗浄槽2内にワークを投入し、洗浄槽2内を真空引きした後、脱気した洗浄液を導入するようにしたため、その後の脱気や超音波洗浄等の一連の作業をより効率的に行うことができる。
【0024】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、装置構成は一例である。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明は、金属、またはセラミックス、または硬質樹脂、またはこれらの複合体からなるワークを超音波で洗浄する際、洗浄槽内にワークを投入した後、洗浄槽内を密封して真空引きすることで洗浄槽内の真空度を所定値以下の負圧にし、この洗浄槽内に脱気した洗浄液を導入するとともに、その後、洗浄槽内を大気圧状態に戻して超音波洗浄するようにしたため、ワーク周辺の空気溜まり等の空気を効率的に除去することが出来、その後導入する洗浄液から脱気する際も、その脱気効率を高めることが出来る。
このため、一連の洗浄作業を効率的に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波洗浄装置のシステム構成図
【符号の説明】
1…超音波洗浄装置、2…洗浄槽、3…貯留タンク、4…脱気回路、5…真空引き回路、7…蓋、12…超音波振動子、30…大気開放弁。
Claims (1)
- 金属、またはセラミックス、または硬質樹脂、またはこれらの複合体からなるワークを超音波で洗浄する方法であって、洗浄槽内に前記ワークを投入した後、洗浄槽内を密封して真空引きすることで洗浄槽内の真空度を0.09Mpa(ゲージ圧)以下の負圧にする工程と、この洗浄槽内に脱気した洗浄液を導入する工程と、洗浄槽内を大気圧状態に戻して超音波洗浄する工程を備えたことを特徴とする超音波洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003127658A JP2004330035A (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 超音波洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003127658A JP2004330035A (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 超音波洗浄方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004330035A true JP2004330035A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33504077
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003127658A Pending JP2004330035A (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 超音波洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004330035A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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