JPH0671239A - 超音波洗浄方法及びその装置 - Google Patents

超音波洗浄方法及びその装置

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JPH0671239A
JPH0671239A JP23082392A JP23082392A JPH0671239A JP H0671239 A JPH0671239 A JP H0671239A JP 23082392 A JP23082392 A JP 23082392A JP 23082392 A JP23082392 A JP 23082392A JP H0671239 A JPH0671239 A JP H0671239A
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ultrasonic
liquid
cleaning
tank
cleaning liquid
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JP23082392A
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Yoshihide Shibano
佳英 柴野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ワーク表面を均一に洗浄できる超音波洗浄方法
及びこの方法に好適で、低コストで作業環境を汚染しな
い超音波洗浄装置を提供する。 【構成】超音波振動子2から洗浄液3中に超音波を放射
し、洗浄液3中に前記超音波の波長の1/4以上の深さ
に浸漬されたワーク4を洗浄する。超音波洗浄槽1から
導管8,9により洗浄液3を導入して脱気する貯液槽7
を設ける。貯液槽7内で洗浄液3の液面の上限及び下限
を検知する液面検知手段10a,10bを設ける。液面
検知手段10bにより貯液槽7内の洗浄液3の液面の下
限WL2bが検知されると貯液槽7内を減圧にして導管
8から洗浄液3を導入し、液面の上限WL2aが検知さ
れると貯液槽7内を加圧して洗浄液3を導管9から超音
波洗浄槽1に供給する空気調圧手段を設ける。超音波洗
浄槽1の洗浄液3の液面は、貯液槽7内の液面の変動に
対応して前記超音波の波長の1/2以上の幅で上下動さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、底部に超音波振動子が
取着された超音波洗浄槽に供給された洗浄液中にワーク
を浸漬し、前記超音波振動子から前記洗浄液に超音波を
放射して前記ワークの表面を洗浄する超音波洗浄方法及
び装置に関するものであり、特に前記超音波振動子によ
る超音波の放射を、前記超音波洗浄槽に供給された洗浄
液の液面を上下動させながら行う超音波洗浄方法及び装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、底部に超音波振動子が取着された
超音波洗浄槽に供給された洗浄液中にワークを浸漬し、
前記超音波振動子から前記洗浄液に超音波を放射して該
ワークの表面を洗浄する超音波洗浄方法が知られてい
る。
【0003】本発明者の検討によれば、前記超音波洗浄
方法では、前記洗浄液に超音波を放射すると前記洗浄液
中に空洞(キャビテーション)が生じ、このキャビテー
ションが崩壊するときに生じる衝撃波(マイクロジェッ
ト、以下単に衝撃波と記載することがある)に曝される
ことにより、ワークの表面に付着している異物等が除去
されるものと考えられる。従って、前記超音波洗浄を効
率よく行うためには、まず前記キャビテーションが発生
しやすい条件を整えなければならない。
【0004】本発明者は、前記キャビテーションの発生
条件について検討を重ねた結果、前記キャビテーション
は前記洗浄液に溶存している気体の濃度が低いほど発生
しやすく、逆に溶存気体の濃度が高いと超音波の放射に
よりこの溶存気体が気化して気泡を生じ、この気泡に前
記超音波が吸収されて前記キャビテーションが発生しに
くくなることを見出した。従って、溶存気体の気泡が発
生する場合には、この気泡のバブリングによる洗浄効果
以外、超音波による洗浄効果はほとんど得られない。
【0005】従来、洗浄液から溶存気体を除去する脱気
手段としては、沸騰槽を設けて洗浄液を沸騰させる装
置、気体分離膜モジュールに洗浄液を通す装置等が知ら
れている。しかし、前記沸騰槽を設ける装置では装置全
体が大掛かりになるうえに精度の高い脱気が困難であ
り、気体分離膜モジュールを用いる装置では前記気体分
離膜モジュールがアルコール等の特定の溶剤に侵されや
すい傾向があり、使用できる洗浄液が限定されるとの不
都合がある上、いずれもコストが高くなる。
【0006】そこで、本発明者は前記洗浄液の溶存気体
を除去する脱気手段として、超音波洗浄槽の洗浄液の一
部を前記超音波洗浄槽の外部に設けられた貯液槽に導入
し、この貯液槽内を真空にすることにより導入された洗
浄液を脱気する装置を考案した(実願平3−36246
号明細書参照)。
【0007】前記超音波洗浄装置は、図2示のように、
底部に超音波振動子24を備える超音波洗浄槽21に供
給された洗浄液22中にワークを浸漬し、超音波振動子
24から洗浄液22に超音波を放射して該ワークの表面
を洗浄する超音波洗浄装置であって、超音波洗浄槽21
に供給された洗浄液22をポンプ25により超音波洗浄
槽21の一方から他方へ循環させる循環管路23が設け
られている。そして、超音波洗浄槽21の外部に脱気槽
26を設け、循環管路23と脱気槽26とを接続し循環
管路23から洗浄液22を取り出して脱気槽26に導入
する管路27を設け、脱気槽26の上部空間28に連な
る真空ポンプ29を設けてなるものである。
【0008】前記明細書記載の超音波洗浄装置では、循
環管路23に備えられたポンプ25により循環管路23
から管路27を介して洗浄液22を取り出して脱気槽2
6に導入したのち、真空ポンプ29を作動させることに
より脱気槽26の上部空間28を減圧し、洗浄液22に
溶存する気体を上部空間28に放出させて、洗浄液22
を脱気する。脱気したのちは、真空ポンプ29を停止し
て脱気された洗浄液22を循環管路23を介して超音波
洗浄槽21に戻す。前記洗浄槽22の移動は、ポンプ2
5を作動させながらバルブSV1乃至SV8の開閉を組
み合わせることにより行われる。
【0009】前記明細書記載の超音波洗浄装置によれ
ば、大掛かりな装置や気体分離膜モジュール等を使用す
ることなく、前記脱気槽26に洗浄液22を導入し、脱
気槽26の上部空間を減圧するだけで、容易かつ高い精
度で洗浄液22の溶存気体を除去することができるの
で、コストを低減することができる。
【0010】しかしながら、前記超音波洗浄装置では、
脱気槽26の上部空間28を減圧にするために真空ポン
プ29を用いているので、前記真空ポンプ29が水封式
のときには騒音が激しく、油回転方式のときには油煙が
発生して、共に作業環境を害する虞れがある。さらに、
水封式真空ポンプでは冷却水がそのまま排出されるた
め、排水処理の点からも問題があり、さらに改善が望ま
れる。
【0011】ところで、本発明者は前記のようにして溶
存気体が除去されて脱気された洗浄液における前記キャ
ビテーションが発生する状況について検討を重ねた結
果、前記超音波振動子から前記洗浄液に超音波を放射す
ると、超音波の定在波が発生し、前記洗浄液の特定の場
所でのみ前記キャビテーションが盛んに発生することを
見出した。従って、超音波洗浄を効率よく行うために
は、脱気された洗浄液を使用するとともに、洗浄しよう
とするワークを前記キャビテーションが盛んに発生する
帯域に浸漬して、ワーク全体が前記衝撃波に曝されるよ
うにする必要があるものと考えられる。しかし、前記ワ
ークが前記キャビテーションが盛んに発生する帯域幅よ
りも大きいときには、前記ワークの一部分が前記キャビ
テーションが盛んに発生する帯域に浸漬されていても、
他の部分はキャビテーションが殆ど発生しない帯域に位
置することになり、前記ワークに前記衝撃波に曝される
部分と曝されない部分とができて均一に洗浄できないと
の不都合がある。
【0012】前記不都合を解決するために、特開平2−
109334号公報には、洗浄しようとするワークと超
音波洗浄槽に供給された洗浄液の液面とを相対的に移動
させることにより、前記前記キャビテーションが盛んに
発生する帯域が前記ワークの表面に沿って移動するよう
にして、前記ワーク表面の前記衝撃波に曝される部分を
増加させることにより均一に洗浄しようとする方法が記
載されている。前記公報には、前記洗浄方法を実施する
ために、下記の3つの装置が開示されている。その第1
の装置は超音波洗浄槽にサイホンの作用を有する曲管を
取り付けてワークを前記超音波洗浄槽に浸漬するとその
ワークの容積に相当する量の洗浄液が前記曲管内を移動
して洗浄液の液面を上下動させるものであり、第2の装
置は超音波洗浄槽内にワークを載置する浮遊自在の底板
を設け、この底板の下方から洗浄液の供給圧を変動させ
て供給することにより、前記底板を上下に移動させてワ
ークと洗浄液の液面とを相対的に移動させるものであ
る。また、第3の装置は超音波洗浄槽の底部にバブリン
グ装置を設けて気泡を発生させ、ワークに気泡を付着さ
せてその浮力の消長により前記ワークを上下動させる装
置である。
【0013】しかしながら、前記第1の装置では洗浄液
の液面の上下幅がワークの容積により定まるのでワーク
の大きさによってはワークを均一に洗浄できるほど十分
に液面が上下しないことがあり、また前記第2の装置で
は前記底板が洗浄液の供給圧の変動により上下に移動さ
れるので、前記底板がワークを均一に洗浄できるほど十
分に移動しないことがある。さらに、前記第3の装置で
はバブリング装置により気泡を発生させるために、前記
キャビテーションが発生しにくくなり、洗浄効果が減殺
されるとの不都合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、ワークの表面を均一に洗浄することがで
きる超音波洗浄方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は前記超音波洗浄方法の実施に好適であると
ともに、低コストで作業環境を害することのない超音波
洗浄装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記キャビ
テーションが発生する状況についてさらに、検討を重ね
た結果、図3示のように超音波振動子2から超音波洗浄
槽1に供給された洗浄液3に超音波を放射すると、洗浄
液3の液面WL1を基準とする定在波31が発生し、こ
の定在波31は超音波洗浄槽1の底部の超音波振動子2
に近い部分の洗浄液3には発生しないこと、洗浄液3の
液面から前記超音波の波長の1/4の深さのところに前
記キャビテーションが盛んに発生する第1の帯域32a
が出現し、以下1/2波長ごとに第2、第3の前記キャ
ビテーションが盛んに発生する帯域32b,32c,…
が現れることを見出した。尚、超音波は音圧変化による
疎密波であるが、図示の便宜上、定在波31は正弦波で
示した。
【0016】前記現象は、前記定在波31は超音波が洗
浄液3の液面で反射することにより発生し、前記キャビ
テーションは前記定在波31のピーク(音圧変化が最も
激しい部分)33a,33b,33c,…で盛んに発生
しているものと考えることにより説明される。
【0017】従って、前記キャビテーションが盛んに発
生する帯域幅よりも大きなワークの表面を超音波洗浄に
より均一に洗浄するためには、単にワークと洗浄液の液
面とを相対的に移動させるだけでは不十分であり、洗浄
液の液面を超音波の波長の1/2以上の幅で上下動させ
ることにより、1/2波長の間隔で出現する前記キャビ
テーションが盛んに発生する帯域32a,32b,32
c,…を互いにその移動範囲が重なり合うように移動さ
せることが必要であると考えられるに到った。
【0018】本発明は前記知見に基づいて成されたもの
であり、本発明の超音波洗浄方法は底部に超音波振動子
が取着された超音波洗浄槽に供給された洗浄液中にワー
クを浸漬し、該超音波振動子から該洗浄液に超音波を放
射して該ワークの表面を洗浄する超音波洗浄方法におい
て、該洗浄液中に該ワークを該超音波振動子から放射さ
れる超音波の波長の1/4以上の深さに浸漬し、該洗浄
液の液面を該超音波の波長の1/2以上の幅で上下動さ
せながら該超音波振動子による超音波の放射を行うこと
を特徴とする。
【0019】また、本発明の超音波洗浄方法は、底部に
超音波振動子が取着された超音波洗浄槽に供給された洗
浄液中にワークを浸漬し、該超音波振動子から該洗浄液
に超音波を放射して該ワークの表面を洗浄する超音波洗
浄装置であって、該超音波洗浄槽に導管を介して接続さ
れ該導管により該超音波洗浄槽からの洗浄液を導入して
該超音波洗浄槽の液面を上下動させる気密に密封された
貯液槽を設け、該貯液槽内の洗浄液の液面の上限及び下
限を検知する液面検知手段を設け、該液面検知手段によ
り該貯液槽内の洗浄液の液面の下限が検知されたときに
該貯液槽内を減圧にして該導管により該貯液槽内に該洗
浄液を導入すると共に該洗浄液を脱気し、該液面検知手
段により該貯液槽内で該洗浄液の液面の上限が検知され
たときに該貯液槽内を加圧して該貯液槽内に導入された
該洗浄液を該導管により該超音波洗浄槽に供給する空気
調圧手段を設けてなることを特徴とする超音波洗浄装置
により有利に実施することができる。
【0020】前記超音波洗浄装置において、前記空気調
圧手段は、前記脱気槽内の空気を吸引して前記脱気槽内
を減圧にするエジェクターと前記脱気槽内を大気に開放
して減圧を解除する大気開放弁とからなることを特徴と
する。
【0021】また、前記超音波洗浄装置は、前記洗浄液
中に前記ワークが該超音波振動子から放射される超音波
の波長の1/4以上の深さに浸漬され、前記超音波洗浄
槽の前記洗浄液の液面が、前記超音波振動子から放射さ
れる超音波の波長の1/2以上の幅で上下動されること
を特徴とする。
【0022】
【作用】本発明の超音波洗浄方法によれば、前記超音波
振動子による超音波の放射を、前記超音波洗浄槽に供給
された洗浄液の液面を前記超音波の波長の1/2以上の
幅で上下動させながら行うので、前記洗浄液の液面を基
準にして発生するキャビテーションが盛んに発生する帯
域が前記液面の変化にともなって、前記ワークの表面に
沿って前記超音波の波長の1/2以上の幅で移動する。
【0023】前記キャビテーションが盛んに発生する帯
域は、液面から前記超音波の波長の1/4の深さのとこ
ろに第1の帯域が出現し、以下1/2波長ごとに第2、
第3の帯域が現れるので、前記のように洗浄液の液面を
上下動させることにより、前記キャビテーションが盛ん
に発生する各帯域の移動範囲が互いに重なり合う。
【0024】従って、前記洗浄液中に前記ワークを前記
超音波振動子から放射される超音波の波長の1/4以上
の深さに浸漬して、前記のように洗浄液の液面を該超音
波の波長の1/2以上の幅で上下動させながら超音波を
放射することにより、前記ワークの表面に前記キャビテ
ーションが崩壊するときに生じる衝撃波に曝されない部
分が無くなり、前記ワークの表面が均一に洗浄される。
【0025】また、本発明の超音波洗浄装置によれば、
前記貯液槽は前記導管を介して前記超音波洗浄槽と接続
されており、前記液面検知手段により前記貯液槽内の洗
浄液の液面の上限及び下限が検知されるようになってい
る。前記液面検知手段により前記液面の下限が検知され
ると前記空気調圧手段が前記貯液槽内を減圧にするよう
に作動され、前記導管から前記貯液槽内に洗浄液が導入
される。
【0026】このとき、前記洗浄液は減圧された前記貯
液槽内に導入されることにより、洗浄液中に溶存してい
る気体が放出され、脱気される。また、前記超音波洗浄
槽内では、洗浄液が前記貯液槽に移動するために液面が
下降する。
【0027】次に、前記貯液槽内の洗浄液の液面が上限
に達したことが前記液面検知手段により検知されると、
今度は前記空気調圧手段が前記貯液槽内を加圧するよう
に作動され、前記貯液槽内に導入されることにより脱気
された洗浄液が前記導管により前記超音波洗浄槽に供給
され、前記超音波洗浄槽内では洗浄液の液面が上昇す
る。
【0028】前記超音波洗浄槽に供給された洗浄液中に
ワークを浸漬し、前記超音波振動子から前記洗浄液に超
音波を放射して前記ワークの表面を洗浄しながら、前記
操作を繰り返すことにより、前記超音波洗浄槽内の洗浄
液が常に脱気された状態が維持されると共に、前記超音
波洗浄槽内では洗浄液の液面が上下動するので、前記ワ
ークの表面に沿って前記キャビテーションが盛んに発生
する帯域が移動する。従って、前記ワークの表面では前
記衝撃波に曝されない部分が減少し、前記ワークの表面
が効率よく洗浄される。
【0029】しかも、本発明の超音波洗浄装置によれ
ば、真空ポンプを用いずに、前記エジェクターと大気解
放弁とからなる空気調圧手段により貯液槽内を減圧にす
るので、騒音が低減されるとともに油煙が発生せず、冷
却水が不要であるので冷却水の排水処理の問題も生じな
い。
【0030】さらに、本発明の超音波洗浄装置によれ
ば、前記超音波洗浄槽の前記洗浄液の液面が、前記超音
波振動子から放射される超音波の波長の1/2以上の幅
で上下動されるようにすることにより、前記超音波の波
長の1/2の幅ごとに現れる前記キャビテーションが盛
んに発生する各帯域の移動範囲が互いに重なり合うよう
になる。従って、前記洗浄液中に前記ワークを前記超音
波振動子から放射される超音波の波長の1/4以上の深
さに浸漬して、前記のように洗浄液の液面を該超音波の
波長の1/2以上の幅で上下動させながら超音波を放射
することにより、前記ワークの表面に前記衝撃波に曝さ
れない部分が無くなり、前記ワークの表面が均一に洗浄
される。
【0031】
【実施例】次に、添付の図面を参照しながら本発明の超
音波洗浄方法及びこの方法に使用される装置についてさ
らに詳しく説明する。図1は本実施例の超音波洗浄装置
の構成を示す模式図である。
【0032】本実施例の超音波洗浄装置は、図1に示す
ように、超音波洗浄槽1の底部に超音波振動子2が取着
され、超音波洗浄槽1に供給された洗浄液3中にワーク
4を浸漬し、超音波振動子2から洗浄液3に超音波を放
射してワーク4の表面を洗浄するようになっている。
【0033】超音波洗浄槽1の側面には、洗浄液排出口
5及び洗浄液供給口6が相対向して設けられており、共
に図示しない整流装置を内蔵している。また、超音波洗
浄槽1の外部には、超音波洗浄槽1に供給された洗浄液
3の液面WL1aよりも高い位置に気密に密封された貯
液槽7が設けられ、貯液槽7は排出用導管8により洗浄
液排出口5と、また供給用導管9により洗浄液供給口6
とそれぞれ接続されている。前記貯液槽7は、排出用導
管8により超音波洗浄槽1からの洗浄液3を導入して脱
気するとともに、超音波洗浄槽1の洗浄液3の液面を下
降させる。また、脱気された洗浄液3を供給用導管9に
より超音波洗浄槽1に供給して、超音波洗浄槽1の洗浄
液3の液面を上昇させる。
【0034】貯液槽7には、貯液槽7内部で前記洗浄液
3の液面が上下動する際に、洗浄液3の液面の上限WL
2a及び下限WL2bを検知するフロースイッチ10
a,10bが設けられている。フロースイッチ10a,
10bは液面検知手段であり、フロースイッチ10aに
より前記洗浄液3の液面の上限WL2aが、フロースイ
ッチ10bにより前記洗浄液3の液面の下限WL2bが
それぞれ検知される。フロースイッチ10a,10b
は、洗浄液3が液面の下限WL2bから上限WL2aま
で導入されることにより、超音波洗浄槽1内の洗浄液3
の液面が超音波振動子2から放射される超音波の波長の
1/2以上の幅で下降するように設定されている。
【0035】貯液槽7は上部に設けられた排気用導管1
1を介して、貯液槽7内の空気を吸引して減圧にするエ
ジェクター12に接続されており、排気用導管11の貯
液槽7とエジェクター12との間には脱気槽7内を大気
に開放して減圧を解除する大気開放弁として3方弁式の
電磁弁13が設けられ、電磁弁13はフロースイッチ1
0a,10bと電気的に接続されている。前記エジェク
ター12及び電磁弁13により空気調圧手段14が構成
されており、空気調圧手段14はフロースイッチ10b
により貯液槽7内に導入された洗浄液3の液面の下限W
L2bが検知されたときに、貯液槽7内を減圧にして排
出用導管8により貯液槽7内に洗浄液3を導入する。ま
た、フロースイッチ10aにより貯液槽7内に導入され
た洗浄液3の上限WL2aが検知されたときに、貯液槽
7内を加圧して貯液槽7内に導入された洗浄液3を供給
用導管9により超音波洗浄槽1に供給して超音波洗浄槽
1の液面を上昇させる。
【0036】尚、排出用導管8及び供給用導管9にはそ
れぞれ逆止弁14,15が設けられ、洗浄液3が所定の
方向にのみ流れるようになっている。また、排出用導管
8には流量調整弁16が設けられており、洗浄液3の流
量を調整できるようになっている。
【0037】次に、本実施例の超音波洗浄装置の作動及
びこの装置を用いる超音波洗浄方法について説明する。
【0038】まず、超音波洗浄槽1に供給された洗浄液
3中にワーク4を超音波振動子2から放射される超音波
の波長の1/4以上の深さに浸漬し、超音波振動子2か
ら洗浄液3に超音波を放射する。このとき、超音波洗浄
槽1内の洗浄液3の液面はWL1aで示される位置にあ
り、貯液槽7内の洗浄液3の液面はWL2bで示される
下限の位置にある。
【0039】前記状態で超音波振動子2から洗浄液3に
超音波を放射すると、図3示のように液面WL1aから
前記超音波の波長の1/4の深さのところに前記超音波
によるキャビテーションが盛んに発生する第1の帯域3
2aが出現し、以下1/2波長ごとに第2、第3の帯域
が32b,32c,…が現れる。このとき、ワーク4が
キャビテーションが盛んに発生する各帯域32a,32
b,32c,…の一つの帯域幅よりも大きいと、ワーク
4の表面の一部分が前記衝撃波に曝されても他の部分は
前記衝撃波に曝されず、ワーク4の表面が均一に洗浄さ
れない。
【0040】そこで、本実施例の装置では次にようにし
て超音波洗浄槽1内の洗浄液3の液面を変動させること
により、前記超音波によるキャビテーションが盛んに発
生する帯域32a,32b,32c,…を移動させ、ワ
ーク4の表面に前記衝撃波に曝されない部分が無くなる
ようにする。
【0041】まず、フロースイッチ10bが貯液槽7内
の洗浄液3の液面の下限WL2bを検知することによ
り、空気調圧手段14が作動される。空気調圧手段14
は、前記のように、エジェクター12及び電磁弁13か
らなり、エジェクター12は常に貯液槽7内の空気を吸
引するように作動されている。そして、フロースイッチ
10bによる洗浄液3の液面の下限WL2b検知信号を
受けて電磁弁13が排気用導管11により貯液槽7とエ
ジェクター12とを接続すると、貯液槽7内の空気がエ
ジェクター12により吸引されて貯液槽7内が減圧にさ
れるので、洗浄液3が排出用導管8により超音波洗浄槽
1から貯液槽7内に導入される。
【0042】エジェクター12は、真空ポンプと異なり
水封式でも油回転方式でもないので、真空ポンプに比較
して騒音が少なく、油煙を発生することもない。また、
冷却水を使用しないので、冷却水に係わる排水処理も必
要ない。
【0043】前記洗浄液3の導入は、洗浄液3の液面が
貯液槽7内でその上限であるWL2aに達したことがフ
ロースイッチ10aにより検知されるまで継続される。
そして、この導入される間に洗浄液3に溶存している気
体が減圧下にある貯液槽7の上部空間に放出され、洗浄
液3が脱気される。このとき、流量調整弁16を絞って
貯液槽7内に導入される洗浄液3の量をエジェクター1
2により吸引される空気量よりも低く抑えることによ
り、洗浄液3に溶存している気体が放出されやすくな
る。
【0044】フロースイッチ10a,10bの間隔は前
述のように設定されているので、貯液槽7内の洗浄液3
の液面が上限WL2aに達すると、超音波洗浄槽1内の
洗浄液3の液面は当初の液面WL1aからWL1bで示
される位置まで前記超音波の波長の1/2以上の幅で下
降する。
【0045】次に、貯液槽7内で洗浄液3の液面が上限
WL2aに達したことがフロースイッチ10aにより検
知されると、電磁弁13が作動し、排気用導管11を介
して貯液槽7が大気に開放される。この結果、貯液槽7
内は相対的に加圧された状態となり、しかも貯液槽7は
超音波洗浄槽1に供給された洗浄液3の当初の液面WL
1aよりも高い位置にあるので、貯液槽7内に導入され
ることにより脱気された洗浄液3が供給用導管9を介し
て超音波洗浄槽1に供給される。
【0046】前記脱気された洗浄液3の供給は、貯液槽
7内の洗浄液3の液面が下限WL2bに達したことがフ
ロースイッチ10bにより検知されるまで継続される。
そして、前記脱気された洗浄液3が供給されることによ
り、超音波洗浄槽1の洗浄液3の液面が当初の液面WL
1aに復帰し、前記超音波の波長の1/2以上の幅で上
昇する。
【0047】前記貯液槽7内の洗浄液3の液面が下限W
L2bに達したことがフロースイッチ10bにより検知
されると、再び貯液槽7内が減圧にされ、前記動作が繰
り返される。この結果、超音波洗浄槽1には脱気された
状態の洗浄液3が断続的に供給され、超音波洗浄槽1内
の洗浄液3が常に脱気された状態に維持される。
【0048】また、前記のようにして超音波洗浄槽1内
の洗浄液3の液面を前記超音波の波長の1/2以上の幅
で上下動させることにより、前記洗浄液3の液面を基準
として現れる図3示のキャビテーションが盛んに発生す
る帯域32a,32b,32c,…も前記超音波の波長
の1/2以上の幅で上下動する。前記帯域32a,32
b,32c,…の相互の間隔は前記超音波の波長の1/
2の幅であるので、超音波洗浄槽1内の当初の液面WL
1a下、前記超音波の波長の1/4の深さから洗浄液3
の底部付近の定在波31が現れない領域までの間では、
各帯域32a,32b,32c,…の移動する範囲が互
いに重なり合う。
【0049】従って、洗浄液3中に、前記超音波の波長
の1/4以上の深さに、ワーク4を浸漬することによ
り、ワーク4の表面は前記のように上下動を繰り返すキ
ャビテーションが盛んに発生する帯域32a,32b,
32c,…のいずれかによる前記衝撃波に曝され、全く
衝撃波に曝されない部分が無くなる。
【0050】前記超音波洗浄槽1から排出された洗浄液
3は、洗浄液排出口5から排出用導管8により貯液槽7
に導入されて脱気されたのち、供給用導管9により洗浄
液供給口6から超音波洗浄槽1に循環される。このと
き、洗浄液排出口5及び洗浄液供給口6は、前記のよう
に図示しない整流装置を内蔵し、しかも超音波洗浄槽1
の側面に相対向して設けられているので、超音波洗浄槽
1内には洗浄液供給口6から洗浄液排出口5に向けて超
音波振動子2に平行な層流が形成され、前記キャビテー
ションがさらに発生しやすくなるとの効果が得られる。
【0051】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
の超音波洗浄方法によれば、超音波洗浄槽に供給された
洗浄液中にワークを超音波振動子から放射される超音波
の波長の1/4以上の深さに浸漬し、前記超音波洗浄槽
の液面を超音波振動子から放射される超音波の波長の1
/2以上の幅で上下動させることにより、キャビテーシ
ョンが盛んに発生する帯域の幅よりも大きいワークであ
っても、前記ワークの表面で前記キャビテーションが崩
壊するときに生じる衝撃波に曝されない部分が無くな
り、前記ワークの表面を均一に洗浄することができる。
【0052】また、本発明の超音波洗浄装置によれば、
超音波洗浄槽の外部に設けられた貯液槽内を減圧にし
て、この貯液槽内に前記超音波洗浄槽内から洗浄液を導
入するだけで、前記洗浄液を容易かつ高精度で脱気する
ことができるので、コストが低減される。前記減圧はエ
ジェクターと大気開放弁とからなる空気調圧手段による
ので、騒音が低減されるとともに油煙が発生せず、作業
環境を向上させることができる。また、前記エジェクタ
ーは冷却水を使用しないので、冷却水の排水処理も不要
になる。
【0053】しかも、本発明の超音波洗浄装置によれ
ば、前記貯液槽内に前記超音波洗浄槽内から洗浄液を導
入して脱気することにより、同時に前記超音波洗浄装置
内の洗浄液の液面が上下動させることができ、前記ワー
クの表面では前記衝撃波に曝されない部分を減少させ
て、前記ワークの表面を効率よく洗浄することができ
る。
【0054】さらに、本発明の超音波洗浄装置によれ
ば、前記洗浄液中に前記ワークを前記超音波の波長の1
/4以上の深さに浸漬して、前記超音波洗浄槽の前記洗
浄液の液面が、前記超音波振動子から放射される超音波
の波長の1/2以上の幅で上下動されるようにすること
により、前記ワークの表面で前記衝撃波に曝されない部
分を無くすことができ、前記ワークの表面を均一に洗浄
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる超音波洗浄装置の一実施例の構
成を示す模式図。
【図2】従来の超音波洗浄装置の構成例を示す模式図。
【図3】脱気された洗浄液中でのキャビテーションの発
生状況を示す模式図。
【符号の説明】
1…超音波洗浄槽、 2…超音波振動子、 3…洗浄
液、 4…ワーク、7…貯液槽、 8,9…導管、 1
0a,10b…液面検知手段、12…エジェクター、
13…大気開放弁、 14…空気調圧手段。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底部に超音波振動子が取着された超音波洗
    浄槽に供給された洗浄液中にワークを浸漬し、該超音波
    振動子から該洗浄液に超音波を放射して該ワークの表面
    を洗浄する超音波洗浄方法において、 該洗浄液中に該ワークを該超音波振動子から放射される
    超音波の波長の1/4以上の深さに浸漬し、該洗浄液の
    液面を該超音波の波長の1/2以上の幅で上下動させな
    がら該超音波振動子による超音波の放射を行うことを特
    徴とする超音波洗浄方法。
  2. 【請求項2】底部に超音波振動子が取着された超音波洗
    浄槽に供給された洗浄液中にワークを浸漬し、該超音波
    振動子から該洗浄液に超音波を放射して該ワークの表面
    を洗浄する超音波洗浄装置であって、 該超音波洗浄槽に導管を介して接続され該導管により該
    超音波洗浄槽からの洗浄液を導入して該超音波洗浄槽の
    液面を上下動させる気密に密封された貯液槽を設け、該
    貯液槽内の洗浄液の液面の上限及び下限を検知する液面
    検知手段を設け、該液面検知手段により該貯液槽内の洗
    浄液の液面の下限が検知されたときに該貯液槽内を減圧
    にして該導管により該貯液槽内に該洗浄液を導入すると
    共に該洗浄液を脱気し、該液面検知手段により該貯液槽
    内で該洗浄液の液面の上限が検知されたときに該貯液槽
    内を加圧して該貯液槽内に導入された該洗浄液を該導管
    により該超音波洗浄槽に供給する空気調圧手段を設けて
    なることを特徴とする超音波洗浄装置。
  3. 【請求項3】前記空気調圧手段が前記脱気槽内の空気を
    吸引して前記脱気槽内を減圧にするエジェクターと前記
    脱気層内を大気に開放して減圧を解除する大気開放弁と
    からなることを特徴とする請求項2記載の超音波洗浄装
    置。
  4. 【請求項4】前記洗浄液中に前記ワークが該超音波振動
    子から放射される超音波の波長の1/4以上の深さに浸
    漬され、前記超音波洗浄槽の前記洗浄液の液面が、前記
    超音波振動子から放射される超音波の波長の1/2以上
    の幅で上下動されることを特徴とする請求項2記載の超
    音波洗浄装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014180757A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Blue Star R&D Co Ltd 超音波バリ取り装置
WO2016038679A1 (ja) * 2014-09-09 2016-03-17 株式会社ブルー・スターR&D 超音波バリ取り装置

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