JP2014180757A - 超音波バリ取り装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 超音波を放射して成形品のバリを除去するようなバリ取り装置において、超音波周波数の波長をλmmとした場合に、貯留槽2の深さを1.25λmmとし、貯留槽2の底面側に配置される超音波放射手段6の周波数域を18〜28KHz、ワット密度2W/cm2以上とし、洗浄水中に浸漬した成形品を上下方向に少なくとも1/2λmmのストロークで上下動させる揺動手段9を設ける。また、洗浄水の溶存酸素量を1mg/リットル以下にし、バリ取り洗浄水の水温を4〜8℃とする。
【選択図】 図1
Description
一方、超音波洗浄液を脱気して超音波バリ取りを行っている際、洗浄液中に大気中の気体が溶存するのを防止するため、洗浄液の液面上に液面シャッター部材を被せてバリ取りするような技術も知られている。(例えば、特許文献2参照。)
また、洗浄液の脱気度を保持するためには、液面上に液面シャッター部材を被せるだけでは限度があることも見出した。
この際、前記超音波放射手段の周波数域を、24〜28KHzであるようにするか、または、18〜22KHzであるようにすれば好適である。
また、洗浄水の水面上に洗浄水を流す遮蔽手段により、洗浄水中に液面から大気が侵入して溶存酸素が増加するのを防止するようにすれば、貯留槽内の洗浄水に溶存酸素が増加するのを効果的に防止することができ、キャビテーションの衝撃力低下を防止することができる。
また、水面の高さを所定値に設定することで、超音波振動板や貯留槽の壁等の損傷を避けることができる。
なお、中空糸モジュール5による脱気能力は、溶存酸素量1mg/リットル以下に脱気できるものとしている。
そして、本実施例では、周波数域18〜22KHzのものと、周波数域24〜28KHzのものとの2機種を構成している。
前述のように、貯留槽2の隣にはオーバーフロー槽10が設けられており、貯留槽2の深さは、前述の超音波振動板15から放射される周波数の波(一点鎖線)の波長をλmmとしたとき、1.25λmmにしている。これは、図2に図示しているように、底面の超音波振動板15から放射された周波数の波の振幅が、洗浄水の水面上で最小になる深さであり、このような深さにすることで、振動板15や貯留槽2などが破損するような不具合を防止することができる。
そしてこのような値に貯留槽2の深さを設定しておけば、洗浄水がそれ以上供給される場合にはオーバーフロー槽10に流れるため、振動板15等の損傷を防止することができる。
これは、超音波周波数の波の振幅が最大の箇所は、キャビテーションが破裂することによって洗浄水の温度が高くなる傾向にある場所であるからであり、このため、スリット孔y、zから送り込まれた冷水は、このような場所を効果的に冷却し、貯留槽2内全域の温度を4〜8℃に保持するのに有効である。
そして、これらスリット孔x、y、zから送り込まれた洗浄水は、層状に流動し、対向壁付近まで流動すると、最上層のオーバーフローの流れに引き込まれるような流れとなる。
なお、貯留槽2内やオーバーフロー槽10内の所定箇所には、熱伝対を設け、同部の洗浄水の温度を測定できるようにしている。
そこで本発明では、貯留槽2の洗浄水中に浸漬した成形物を上下に所定ストーク往復動させることにより、成形品の全ての箇所を最大振幅の場所を通過させることができるようにした揺動手段9を設けているので、以下、その揺動手段9について図3に基づき説明する。
なお、本実施例では、このストローク量を(1/2λ+10)mmとしている。
貯留槽2の洗浄水中に成形品を浸漬する。この際、成形品をカゴ20に入れ、カゴ20ごと浸漬してスライド受台17上に載置する。
一方、貯留槽2内の洗浄水は、溶存酸素量が1mg/リットル以下に脱気されており、水温は4〜8℃に維持されている。
また、この間、貯留槽2内の洗浄水は、循環路4を通して循環されており、循環中に、中空糸モジュール5により溶存酸素量1mg/リットル以下が保持され、熱交換器14によって水温が4〜8℃に保持されて再び貯留槽2に戻される。
一方、このような強力な衝撃力であっても、水面の位置が周波数の波の振幅が最小の位置であるため、振動板15や貯留槽2の壁等が破損するような不具合を防止することができる。
これは、貯留槽(幅660mm奥行き480mm)を9区画に分割し、溶存酸素量1mg/リットル以下、周波数25KHz、ワット密度2W/cm2連続発振時の水温、10.4℃、9.2℃、6.2℃、5.0℃の各区画の音圧データである。
このため本発明では、従来では除去することが困難であったバリも効果的に除去することができるようになった。
Claims (3)
- バリを有する成形品をバリ取り洗浄水に浸漬し、このバリ取り洗浄水中に超音波を放射してバリを除去する装置であって、放射する超音波周波数の波長をλmmとした場合に、深さ1.25λmmのバリ取り洗浄水を貯留することのできる洗浄水貯留槽と、この洗浄水貯留槽の底面側に配置され且つバリ取り洗浄水中に周波数域18〜28KHzの超音波をワット密度2W/cm2以上で放射することができる超音波放射手段と、洗浄水中に浸漬した成形品を上下方向に少なくとも1/2λmmのストロークで上下動させる揺動手段と、バリ取り洗浄水の溶存酸素量を1mg/リットル以下に脱気する脱気手段と、バリ取り洗浄水を4〜8℃に冷却・保持する冷水手段を備え、前記洗浄水貯留槽には、洗浄水の水面上に洗浄水を流すことによって貯留槽内の洗浄水の溶存酸素が増加するのを防止する遮蔽手段が設けられることを特徴とする超音波バリ取り装置。
- 前記超音波放射手段の周波数域は、24〜28KHzであることを特徴とする請求項1に記載の超音波バリ取り装置。
- 前記超音波放射手段の周波数域は、18〜22KHzであることを特徴とする請求項1に記載の超音波バリ取り装置。
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