JP2004323172A - 給紙装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を大幅に削減する。
【解決手段】画像形成装置の機器本体90の側部に設けられ、横軸96回りに回動することにより上部が開放された開放姿勢と機器本体90の側面91に収納された収納姿勢との間で姿勢変更可能な主トレイ20と、この主トレイ20に装填される用紙の長さ方向に出没可能に装着された補助トレイ30とを備えてなるものであり、機器本体90と主トレイ20との間に主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で当該主トレイ20に収納姿勢を保持させる、係止突起216および係止孔部材951からなる係止手段が設けられ、主トレイ20と補助トレイ30との間には、収納姿勢の主トレイ20が機器本体90から引き出されることにより補助トレイ30を突出させる巻きばねが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】画像形成装置の機器本体90の側部に設けられ、横軸96回りに回動することにより上部が開放された開放姿勢と機器本体90の側面91に収納された収納姿勢との間で姿勢変更可能な主トレイ20と、この主トレイ20に装填される用紙の長さ方向に出没可能に装着された補助トレイ30とを備えてなるものであり、機器本体90と主トレイ20との間に主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で当該主トレイ20に収納姿勢を保持させる、係止突起216および係止孔部材951からなる係止手段が設けられ、主トレイ20と補助トレイ30との間には、収納姿勢の主トレイ20が機器本体90から引き出されることにより補助トレイ30を突出させる巻きばねが設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置への適用が好適な給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献1に記載されているような、複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置に適用される給紙トレイが知られている。この給紙トレイは、画像形成装置の機器本体の側部に開閉可能に設けられた主トレイと、この主トレイに出没可能に付設された補助トレイとを備えて構成されている。主トレイは、長さ寸法が標準的なサイズの用紙に対応して設定されているとともに、補助トレイは、主トレイから引き出された状態で標準的な用紙より大サイズの用紙を支持し得るように長さ寸法が設定されている。そして、主トレイと補助トレイとの間には、主トレイが機器本体から引き出されることによりこの運動と連動して補助トレイを主トレイから突出させる連動手段が付設されている。
【0003】
したがって、画像形成装置に給紙するべく主トレイを機器本体から引き出すと、人手を煩わすことなく補助トレイが自動的に突出するため、マニュアル操作で補助トレイを引き出さなければならないものに比べて便利である。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−221533号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の給紙装置は、主トレイの開閉動作に連動して補助トレイを出没させるための連動手段が、ピニオンや円弧状ラックを用いた複雑な構造のものであるため、部品点数が多く、部品コストおよび組み付けコストが嵩むという問題点が存在した。
【0006】
また、給紙トレイに用紙のサイズを検出するためのセンサが設けられ、このセンサの検出結果で画像形成装置内の所定の機器がその用紙サイズに対応するように構成されている場合がある。このような場合、補助トレイを引き出さない状態で大サイズの用紙を給紙トレイに載置すると、用紙は、給紙トレイから外部にはみ出した部分が下方に垂れ下がることに誘引されてセンサに対向した部分が上方に向けて浮き上がり、これによってセンサが正確に用紙サイズを検出し得なくなることがある。そして、用紙サイズが正確に検出されないと、装置内での用紙搬送時などに用紙詰りが多発するため、補助トレイが主トレイから引き出されているか否かを検出するセンサがさらに追加して設けられることがあるが、こうすれば部品コストや組み付けコストがさらに嵩むという新たな問題点が提起される。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、部品点数を大幅に削減した上で主トレイを収納姿勢から開放姿勢に姿勢変更させることにより補助トレイを自動的に突出させることができる給紙装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定の機器本体の側部に用紙を載置可能に設けられた給紙用の主トレイと、この主トレイに給紙方向に出没可能に装着された補助トレイとを備えてなる給紙装置において、前記主トレイと補助トレイとの間には、補助トレイを突出方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明によれば、補助トレイは、付勢手段の付勢力によって主トレイから突出されるため、給紙装置は、主トレイと補助トレイとを合わせた大きさになり、大きなサイズの用紙に対応し得るようになる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記主トレイは、機器本体の側部に設けられた横軸回りに回動することにより上部が開放された用紙の載置が可能な開放姿勢と、機器本体の側部に収納された収納姿勢との間で姿勢変更可能で、且つ収納姿勢に姿勢設定された状態で補助トレイの突出が阻止されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、収納姿勢に姿勢設定されている主トレイを機器本体の側部から引き出すと、補助トレイは、付勢手段の付勢力によって主トレイから突出するため、主トレイを機器本体から引き出して一旦開放姿勢に姿勢設定させた上で補助トレイをマニュアル操作で引き出すものに比較し、マニュアル操作が不要な分操作性が大幅に向上する。
【0012】
また、一旦開放姿勢に姿勢設定された主トレイを機器本体の側部に収納するに際しては、補助トレイを付勢手段の付勢力に抗して主トレイに向けて押圧没入させ、この状態を維持しながら主トレイを機器本体の側部に向けて横軸回りに回動させればよい。このように略ワンタッチ操作で突出している補助トレイを没入させつつ主トレイを機器本体内に収納することが可能であり、収納時の操作性も良好である。
【0013】
そして、かかる補助トレイの自動的な突出構造が、付勢手段のみによって行われるようになされているため、従来の主トレイの引き出し操作に連動して補助トレイを自動的に突出させる、ピニオンやラックを用いた複雑な構造の連動手段に比べて部品点数が大幅に削減され、部品コストおよび組み付けコストの低減化に貢献する。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記付勢手段として弾性部材が採用されていることを特徴とするものである。
【0015】
この発明によれば、付勢手段として弾性部材が採用されているため、補助トレイを突出さる突出構造を簡単なものにすることができ、部品コストの低減化に寄与する。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記機器本体と主トレイとの間には、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態で当該主トレイに収納姿勢を保持させる係止手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
この発明によれば、主トレイは、機器本体に収納された状態で係止手段に係止されることにより収納姿勢が安定する。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記主トレイには、収納姿勢に姿勢設定された補助トレイの突出を阻止する一方、所定の操作で前記突出阻止を解消する解除手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、解除手段を操作しない限りたとえ主トレイが機器本体から引き出されても補助トレイが主トレイから突出することはなく、主トレイが開放姿勢に姿勢設定された状態で補助トレイを引き出すか否かの選択性を確保することができる。因みに、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態では、たとえ解除手段を操作しても、補助トレイが突出することはない。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る給紙装置の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、給紙装置が収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、給紙装置が開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。図1に示すように、給紙装置10は、画像形成装置へ用紙を給紙するに際し、当該用紙の束を装填するためのものであり、画像形成装置の箱形を呈した機器本体90の所定の側面91に開閉可能(すなわち一側面に収納された収納姿勢と、軸回りに回動することにより上部が開いた開放姿勢との間で姿勢変更可能)に設けられている。
【0021】
機器本体90の前記側面91には、矩形状を呈した収納面92が設けられ、前記給紙装置10は、収納姿勢に姿勢設定された状態でこの収納面92に密着される一方、収納姿勢において下縁部回りに時計方向に回動されることにより収納面92から離間して上部が開いた開放姿勢に姿勢設定されるようになっている。
【0022】
前記収納面92の周りには、矩形環状の枠体93が設けられ、この下部には幅方向一対でブラケット94が固定されているとともに、上縁部には外方に向かって突出した幅方向に延びる庇部95が突設されている。
【0023】
そして、給紙装置10は、前記一対のブラケット94にそれぞれ設けられた各横軸96回りに回動することにより、図1の(イ)に示す収納姿勢と、図1の(ロ)に示す開放姿勢との間で姿勢変更可能になっているとともに、収納姿勢に姿勢設定された状態で、上縁部が庇部95の下面に略摺接しながら対向するようになっている。また、機器本体90の収納面92の下部には、幅方向に延びるように形状設定された給紙口97が開口され、開放姿勢の給紙装置10に載置された用紙は、1枚ずつがこの給紙口97を通って機器本体90内に導入されるようになっている。
【0024】
かかる給紙装置10は、主トレイ20と、この主トレイ20に付設された補助トレイ30と、この補助トレイ30を主トレイ20から外方に向けて突出させる付勢手段40とを備えた基本構成を有している。
【0025】
前記主トレイ20は、前記機器本体90の収納面92に対応した用紙載置面201を有するトレイ本体21と、このトレイ本体21の用紙載置面201に形成された用紙幅設定部材22とを備えている。トレイ本体21は、上面が開口した浅い容器状に形成され、矩形状の表板211と、この表板211の周縁に形成された周壁212と、対向する周壁212間に架設された所定本数のリブ215とからなっている。そして、周壁212の縦方向に延びる一対の縦枠213の下端部が前記各横軸96によってそれぞれ軸支され、これによって主トレイ20が横軸96回りに回動し得るようになっている。
【0026】
また、横軸96は、主トレイ20が上方に向かって斜めに延びる開放姿勢に姿勢設定された状態で、表板211の幅方向に延びる下端縁部が機器本体90の側面91に当止するようにブラケット94における設置位置が設定され、これによって主トレイ20の開放姿勢が維持されるようになっている。
【0027】
また、周壁212の横方向に延びる一対の横枠214の上方のものには、出没自在の係止突起216が幅方向(横枠214の長手方向)に一対で設けられている一方、機器本体90側の枠体93上部に設けられた庇部95には、これら一対の係止突起216に対応した一対の係止孔部材951が設けられ、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で、前記各係止突起216が対応した係止孔部材951の係止孔に嵌まり込み、これによって主トレイ20の収納姿勢が維持されるようになっている。本発明の係止手段は、本実施形態においては、係止突起216と係止孔部材951とによって構成されている。
【0028】
そして、前記係止突起216は、図略のスプリングによって突出方向に付勢され、係止孔部材951に対する挿脱が行われるに際し、スプリングの付勢力に抗して一旦トレイ本体21内に没入したのち突出するため、主トレイ20の姿勢変更操作時にはクリック感が得られることになる。
【0029】
また、トレイ本体21の表板211には、その上部位置に取っ手217が設けられている。この取っ手217は、収納姿勢に姿勢設定された給紙装置10を引き出す際に把持される。
【0030】
前記一対の用紙幅設定部材22は、用紙載置面201に載置される用紙の幅方向の位置決めを行うものであり、トレイ本体21の用紙載置面201に幅方向に正逆移動可能に設けられている。かかる用紙幅設定部材22は、通常、用紙を用紙載置面201に載置するに先立ち当該用紙のサイズに応じて位置設定され、これによって用紙載置面201に載置された用紙の束が位置ずれするのが防止されるようになっている。
【0031】
前記補助トレイ30は、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態で、トレイ本体21の上部の横枠214から外部に突出し、これによって主トレイ20に装填された用紙の後部を支持するものであり、幅寸法が主トレイ20の幅寸法より若干短めに設定された中実の板体によって形成されている。
【0032】
一方、トレイ本体21の上部の横枠214には、この補助トレイ30を通すための切欠き開口218が設けられ、補助トレイ30は、この切欠き開口218を介して主トレイ20に対し出没し得るようになっている。そして、かかる補助トレイ30は、切欠き開口218にはめ込まれた状態で、トレイ本体21の周壁212に裏板219が嵌め込まれ、ねじ止めその他で固定されることによって出没自在に主トレイ20に装着される。因みに、前記用紙載置面201は、裏板219の表面によって形成されている。
【0033】
また、補助トレイ30の幅方向の中央位置には、基端側の縁部に向かって切り欠かれた切欠き凹部31が設けられている。この切欠き凹部31は、トレイ本体21の表板211の背面側に設けられた用紙センサ11との干渉を防止するためのものであり、補助トレイ30が主トレイ20内に収納された収納位置と、主トレイ20から突出した突出位置との間で位置変更しても、用紙センサ11と干渉しないように形状設定されている。
【0034】
以下、補助トレイ30を外方に向けて付勢する付勢手段40について図2を基に説明する。図2は、トレイ本体21の平面視の断面図であり、(イ)は、補助トレイ30が収納位置に位置設定された状態、(ロ)は、補助トレイ30が突出位置に位置設定された状態をそれぞれ示している。
【0035】
補助トレイ30は、図2に示すように、トレイ本体21の表板211の裏面側(図2の紙面の表面側)に膨設された複数条のリブ215に囲まれた状態で出没可能にトレイ本体21に内装されている。これらのリブ215のうち上下方向に延びるものは、それらの上端部が収納位置に位置設定された補助トレイ30の下端縁部に当止するように寸法設定され、これによって補助トレイ30がトレイ本体21内に没入し過ぎないようにするストッパの役割を果たすようになされている。
【0036】
また、補助トレイ30の図1における左側の縦枠213の内側には、所定の軸回りに回動自在に軸支された筋交い杆203が設けられているとともに、この筋交い杆203の先端には所定形状の係合部204(図3参照)が設けられている一方、機器本体90に取り付けられた枠体93の図1における左方部分からは機器本体90の内方に向かって延設されたフレーム931が設けられている。このフレーム931に上下方向に延びる案内長孔932が設けられ、前記係合部204が案内長孔932に上下動可能に係合されている。
【0037】
したがって、主トレイ20が横軸96回りに回動することによって係合部204は案内長孔932に案内されつつ昇降することになる。そして、案内長孔932は、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態で、係合部204が当該案内長孔932の下端縁部に当止するように長さ設定されているため、筋交い杆203も主トレイ20の姿勢設定のための一部材として機能するようになっている。
【0038】
また、補助トレイ30の幅方向(図2の左右方向)の下部両側縁には、互いに反対方向に突出した幅方向一対の突出片32が設けられ、補助トレイ30は、突出位置に位置設定された状態(図2の(ロ))でこれらの突出片32が切欠き開口218の外側の横枠214に当止することにより抜け止めされるようになっている。
【0039】
前記付勢手段40として、本実施形態においては巻きばね41が採用されている。巻きばね41は、線状のばね材が円形に巻かれることによって形成したばね本体42と、このばね本体42の一方の端部から接線方向に延設された第1延設杆43と、同他方の端部から延設された第2延設杆44とからなっている。かかる巻きばね41は、第1および第2延設杆43,44が鈍角に開いた状態では付勢力が発生せず、第1および第2延設杆43,44が外力によって互いに接近する方向に向かうように弾性変形することで付勢力の発生するものが採用されている。
【0040】
一方、トレイ本体21の裏面側であって、補助トレイ30の左右の縁部から若干外方に離間した位置には、補助トレイ30の上下寸法と略等しい上下方向に延びる幅方向一対の係止リブ2151がそれぞれ設けられているとともに、各係止リブ2151の対向面側の略中間位置には、ばね本体42の内径寸法より径寸法が若干小さい円突起202が突設されている。また、補助トレイ30の左右の各突出片32には、互いに接近する方向に向かって穿孔された三角形状の一対の逃し孔33が設けられている。
【0041】
そして、ばね本体42を円突起202に外嵌するとともに、第1延設杆43を係止リブ2151に沿わせ、さらに第2延設杆44の先端を逃し孔33に挿入することによって、巻きばね41が主トレイ20と補助トレイ30との間に介設されるようにしている。
【0042】
したがって、補助トレイ30が、図2の(イ)に示すように、主トレイ20内に押し込まれて収納された状態では、巻きばね41の第2延設杆44が逃し孔33の上縁部に押圧されて第1および第2延設杆43,44により形成される角度が鋭角となるように弾性変形している。補助トレイ30に対する押し込み方向へ向かう力が解除されると、補助トレイ30は、主トレイ20から突出することになる。
【0043】
これに対し、図2の(ロ)は、補助トレイ30に対する押し込み力が解除された状態を示しているが、この状態では、巻きばね41は、その付勢力で第2延設杆44が補助トレイ30を上方に押し上げて第1および第2延設杆43,44が鈍角を形成するように開いた状態になっている。
【0044】
以下本発明の作用を、図3を基に、必要に応じて図1および図2を参照しながら説明する。図3は、本発明に係る給紙装置10の作用を説明するための給紙装置10および枠体93の側面図であり、(イ)は、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【0045】
まず、図3の(イ)に示すように、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態では、巻きばね41(図2)の付勢力に抗してトレイ本体21内に収納された補助トレイ30は、その付勢力によって上縁部が機器本体90の庇部95に押圧当止した状態になっている。また、係止突起216(図1の(ロ))が庇部95の係止孔部材951の係止孔に係合し、これによって収納姿勢に姿勢設定された主トレイ20の姿勢変更が抑制された状態(すなわち主トレイ20が勝手に開かない状態)になっている。
【0046】
この状態で、取っ手217を把持しながら主トレイ20を手前に引くと、係止突起216の係止孔部材951に対する係合が解消され、主トレイ20は、横軸96回りに時計方向に回動し、図3の(ロ)に示すように、開放姿勢に姿勢設定される。そして、トレイ本体21の上部の横枠214が枠機器本体90の庇部95から外れると、庇部95による補助トレイ30への相対的な押圧当止が解消されるため、今まで収納位置に位置設定されていた補助トレイ30は、巻きばね41の付勢力によって上方に向けて突出し、これによって、図3の(ロ)に示すように、突出位置に位置設定されることになる。
【0047】
開放姿勢に姿勢設定された主トレイ20を収納するには、図3の(ロ)に示す突出位置に位置した補助トレイ30を巻きばね41の付勢力に抗して主トレイ20の方向に向けて押圧しつつ、主トレイ20を横軸96回りに反時計方向に回動させればよい。こうすることによって、補助トレイ30は、その上縁部が庇部95の下部に入り込むとともに、トレイ本体21の係止突起216が庇部95の係止孔部材951に係合し、これによって、図3の(イ)に示すように、収納姿勢に姿勢設定された状態になる。
【0048】
本発明に係る給紙装置10は、以上詳述したように、画像形成装置の機器本体90の側部に設けられ、横軸96回りに回動することにより上部が開放された開放姿勢と機器本体90の側面91に収納された収納姿勢との間で姿勢変更可能な主トレイ20と、この主トレイ20に装填される用紙の長さ方向に出没可能に装着された補助トレイ30とを備えてなるものを前提とするものである。
【0049】
そして、機器本体90と主トレイ20との間に主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で当該主トレイ20に収納姿勢を保持させる、係止突起216および係止孔部材951からなる係止手段が設けられ、主トレイ20と補助トレイ30との間には、収納姿勢の主トレイ20が機器本体90から引き出されることにより補助トレイ30を突出させる巻きばね41が設けられているため、係止手段による係止を解除した上で収納姿勢に姿勢設定されている主トレイ20を機器本体90の側面91から引き出すと、補助トレイ30は、巻きばね41の付勢力によって主トレイ20から自動的に突出する。したがって、主トレイ20を機器本体90から引き出して一旦開放姿勢に姿勢設定させた上で補助トレイ30をマニュアル操作で引き出すものに比較し、マニュアル操作が不要な分操作性を大幅に向上させることができる。
【0050】
また、一旦開放姿勢に姿勢設定された主トレイ20を機器本体90の側面91に収納するに際しては、補助トレイ30を巻きばね41の付勢力に抗して主トレイ20に向けて押圧没入させ、この状態を維持しながら主トレイ20を機器本体90の側面91に向けて横軸96回りに回動操作した上で、係止手段に係止させればよい。このように略ワンタッチ操作で突出している補助トレイ30を没入させつつ主トレイ20を機器本体90内に収納することが可能であり、収納時の良好な操作性を確保することができる。
【0051】
そして、かかる補助トレイ30の自動的な突出構造が、1つの巻きばね41のみによって行われるようになされているため、従来の主トレイ20の引き出し操作に連動して補助トレイ30を自動的に突出させる、ピニオンやラックを用いた複雑な構造の連動手段に比べて部品点数が大幅に削減され、部品コストおよび組み付けコストの低減化に貢献することができる。
【0052】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0053】
(1)上記の実施形態においては、主トレイ20の収納姿勢を維持させるための係止手段としてトレイ本体21に設けた係止突起216と、機器本体90に設けた係止孔部材951とからなるものを採用しているが、本発明は、かかる係止手段の採用を必須とするものではなく、特に設けなくても、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で、補助トレイ30の上縁部が巻きばね41の付勢力によって機器本体90の庇部95に押圧当止するため、これによって主トレイ20の収納姿勢を維持させることができる。すなわち、本発明の係止手段は、巻きばね41の付勢力を利用して補助トレイ30の上縁部を庇部95に当接させる構成をも含むものである。
【0054】
(2)上記の実施形態においては、付勢手段40として巻きばね41が採用されているが、本発明は、付勢手段40が巻きばね41であることに限定されるものではなく、コイルバネや板バネや、さらにはゴム材料など、所定の弾性を有する弾性材料であればどのようなものを採用してもよい。
【0055】
(3)上記の実施形態においては、トレイ本体21に幅方向で一対の巻きばね41を内装しているが、本発明は、巻きばね41が一対であることに限定されるものではなく、状況によっては一方側にのみ採用してもよい。
【0056】
(4)上記の実施形態においては、主トレイ20と補助トレイ30との間にストッパの役割を担った筋交い杆203が介設されているが、本発明は、筋交い杆203の採用を必須とするものではなく、他の構造で主トレイ20の開放姿勢を保持し得るのであれば、この構造を採用してもよい。実際、上記の実施形態においては、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態で、トレイ本体21の周壁212の下部の横枠214が機器本体90の側面91に当止し、これによって主トレイ20が開放姿勢を維持し得るストッパ機能を備えたものになっており、したがって、二重でストッパを設ける必要性は存在しない。
【0057】
(5)図4は、給紙装置の他の実施形態を示す断面図であり、(イ)は、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で操作レバーが操作された状態、(ハ)は、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【0058】
この実施形態においては、取っ手217の内部にコイルスプリング233によりトレイ本体21の裏板219側に向けて付勢される操作レバー(解除手段)23が設けられている。この操作レバー23は、取っ手217と平行なレバー本体231と、このレバー本体231の上縁部から延設された、図4において逆コ字状のコ字状部材232とからなっている。コ字状部材232の右面開口は取っ手217の背面側と対向され、この状態でコ字状部材232と取っ手217との間に前記コイルスプリング233が介設されている。
【0059】
一方、補助トレイ30には、その上縁部にコ字状部材232に対応した係止突片301が設けられ、コイルスプリング233によって付勢されたコ字状部材232の下端縁が、図4の(イ)に示すように係止突片301に干渉することによって補助トレイ30の主トレイ20からの突出が阻止される一方、コイルスプリング233の付勢力に抗してレバー本体231をレバー本体231の方向に操作することにより、図4の(ロ)に示すように、コ字状部材232の係止突片301に対する係合が解除されるようになっている。
【0060】
このように構成されたこの実施形態の給紙装置10によれば、給紙装置10が機器本体90の収納面92に収納された状態では、図4の(イ)に示すように、レバー本体231が取っ手217から離間した状態で、コ字状部材232の左方下縁部が補助トレイ30の係止突片301に係止され、これによって補助トレイ30は、主トレイ20からの突出が規制された状態になっている。
【0061】
そして、給紙装置10を機器本体90の収納面92から引き出すに際しては、まず、レバー本体231と取っ手217とが片方の手で把持される。これによって、図4の(ロ)に示すように、レバー本体231がコイルスプリング233の付勢力に抗して取っ手217と当接するとともに、コ字状部材232の係止突片301に対する係止が解除され、補助トレイ30は、巻きばね41(図2)の付勢力によって主トレイ20から上方へ突出し得る状態なる。因みに、図4の(ロ)に示す状態では、補助トレイ30の上縁部が機器本体90の枠体93の庇部95に当止した状態になっているため、補助トレイ30が突出することはない。
【0062】
ついで、図4の(ロ)に示す状態で、レバー本体231を手前側に引けば、主トレイ20が横軸96回りに時計方向に回動し、これによって、図4の(ハ)に示すように、給紙装置10が機器本体90の収納面92から引き出される。そして、補助トレイ30が主トレイ20から引き出された状態では、補助トレイ30の上縁部の庇部95に対する当止が解消されるため、補助トレイ30は、巻きばね41の付勢力によって補助トレイ30から上方に向けて突出する。
【0063】
そして、補助トレイ30が主トレイ20から突出した後にレバー本体231から手を離すことにより、操作レバー23は、図4の(ハ)に示すように、コイルスプリング233の付勢力によって図4における左方に移動し、これによってコ字状部材232が補助トレイ30に当接した状態になる。
【0064】
また、係止突片301の下面には、下方に向かうに従い突出量が漸減するように設定された傾斜面302が形成されている。したがって、補助トレイ30を主トレイ20へ没入させることにより、この傾斜面302がコイルスプリング233の付勢力に抗して操作レバー23のコ字状部材232を取っ手217の方向に向けて移動させるため、係止突片301はコ字状部材232をすり抜けて下降し、係止突片301がコ字状部材232を通過した状態でコ字状部材232がコイルスプリング233の付勢力で元の位置に戻るため(図4の(イ)参照)、係止突片301がコ字状部材232に係合し、これによって補助トレイ30の主トレイ20からの突出が規制される。
【0065】
この実施形態においては、給紙装置10が開放姿勢に姿勢設定された状態であっても、補助トレイ30を収納位置に位置設定することにより補助トレイ30の主トレイ20からの突出が阻止されるため、使い勝手がさらに良好になる。
【0066】
【発明の効果】
本発明の給紙装置によれば、主トレイと補助トレイとの間には、補助トレイを突出方向に付勢する付勢手段を設けたため、給紙装置は、付勢手段の付勢力によって主トレイから突出した補助トレイと主トレイとを合わせた大きさになり、大きなサイズの用紙に対応することができる。
【0067】
そして、かかる給紙装置において、主トレイは、機器本体の側部に設けられた横軸回りに回動することにより上部が開放された用紙の載置が可能な開放姿勢と、機器本体の側部に収納された収納姿勢との間で姿勢変更可能で、且つ収納姿勢に姿勢設定された状態で補助トレイの突出が阻止されるように構成することで、収納姿勢に姿勢設定されている主トレイを機器本体の側部から引き出すことにより、補助トレイを、付勢手段の付勢力によって主トレイから外部に自動的に突出させることができる。
【0068】
したがって、従来の主トレイを機器本体から引き出して一旦開放姿勢に姿勢設定させた上で補助トレイをマニュアル操作で引き出すものに比較し、マニュアル操作が不要な分操作性が大幅に向上させることができる。
【0069】
また、一旦開放姿勢に姿勢設定された主トレイを機器本体の側部に収納するに際しては、補助トレイを付勢手段の付勢力に抗して主トレイに向けて押圧没入させ、この状態を維持しながら主トレイを機器本体の側部に向けて横軸回りに回動操作した上で、係止手段に係止させればよく、略ワンタッチ操作で突出している補助トレイを没入させつつ主トレイを機器本体内に収納することが可能であり、収納時の良好な操作性を確保することができる。
【0070】
そして、かかる補助トレイの自動的な突出構造が、付勢手段のみによって行われるようになされているため、従来の主トレイの引き出し操作に連動して補助トレイを自動的に突出させる、ピニオンやラックを用いた複雑な構造の連動手段に比べて部品点数が大幅に削減され、部品コストおよび組み付けコストの低減化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給紙装置の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、給紙装置が収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、給紙装置が開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【図2】トレイ本体の平面視の断面図であり、(イ)は、補助トレイが収納位置に位置設定された状態、(ロ)は、補助トレイが突出位置に位置設定された状態をそれぞれ示している。
【図3】本発明に係る給紙装置の作用を説明するための給紙装置および枠体の側面図であり、(イ)は、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、主トレイが開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【図4】給紙装置の他の実施形態を示す断面図であり、(イ)は、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態で操作レバーが操作された状態、(ハ)は、主トレイが開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
10 給紙装置 11 用紙センサ
20 主トレイ 201 用紙載置面
202 円突起 203 筋交い杆
204 係合部 21 トレイ本体
211 表板 212 周壁
213 縦枠 214 横枠
215 リブ 2151 係止リブ
216 係止突起 217 取っ手
218 切欠き開口 219 裏板
22 用紙幅設定部材 23 操作レバー(解除手段)
231 レバー本体 232 コ字状部材
233 コイルスプリング 30 補助トレイ
301 係止突片 302 傾斜面
31 切欠き凹部 32 突出片
33 逃し孔 40 付勢手段
41 巻きばね 42 ばね本体
43 第1延設杆 44 第2延設杆
90 機器本体 91 側面
92 収納面 93 枠体
931 フレーム 932 案内長孔
94 ブラケット 95 庇部
951 係止孔部材 96 横軸
97 給紙口
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置への適用が好適な給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献1に記載されているような、複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置に適用される給紙トレイが知られている。この給紙トレイは、画像形成装置の機器本体の側部に開閉可能に設けられた主トレイと、この主トレイに出没可能に付設された補助トレイとを備えて構成されている。主トレイは、長さ寸法が標準的なサイズの用紙に対応して設定されているとともに、補助トレイは、主トレイから引き出された状態で標準的な用紙より大サイズの用紙を支持し得るように長さ寸法が設定されている。そして、主トレイと補助トレイとの間には、主トレイが機器本体から引き出されることによりこの運動と連動して補助トレイを主トレイから突出させる連動手段が付設されている。
【0003】
したがって、画像形成装置に給紙するべく主トレイを機器本体から引き出すと、人手を煩わすことなく補助トレイが自動的に突出するため、マニュアル操作で補助トレイを引き出さなければならないものに比べて便利である。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−221533号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の給紙装置は、主トレイの開閉動作に連動して補助トレイを出没させるための連動手段が、ピニオンや円弧状ラックを用いた複雑な構造のものであるため、部品点数が多く、部品コストおよび組み付けコストが嵩むという問題点が存在した。
【0006】
また、給紙トレイに用紙のサイズを検出するためのセンサが設けられ、このセンサの検出結果で画像形成装置内の所定の機器がその用紙サイズに対応するように構成されている場合がある。このような場合、補助トレイを引き出さない状態で大サイズの用紙を給紙トレイに載置すると、用紙は、給紙トレイから外部にはみ出した部分が下方に垂れ下がることに誘引されてセンサに対向した部分が上方に向けて浮き上がり、これによってセンサが正確に用紙サイズを検出し得なくなることがある。そして、用紙サイズが正確に検出されないと、装置内での用紙搬送時などに用紙詰りが多発するため、補助トレイが主トレイから引き出されているか否かを検出するセンサがさらに追加して設けられることがあるが、こうすれば部品コストや組み付けコストがさらに嵩むという新たな問題点が提起される。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、部品点数を大幅に削減した上で主トレイを収納姿勢から開放姿勢に姿勢変更させることにより補助トレイを自動的に突出させることができる給紙装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定の機器本体の側部に用紙を載置可能に設けられた給紙用の主トレイと、この主トレイに給紙方向に出没可能に装着された補助トレイとを備えてなる給紙装置において、前記主トレイと補助トレイとの間には、補助トレイを突出方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明によれば、補助トレイは、付勢手段の付勢力によって主トレイから突出されるため、給紙装置は、主トレイと補助トレイとを合わせた大きさになり、大きなサイズの用紙に対応し得るようになる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記主トレイは、機器本体の側部に設けられた横軸回りに回動することにより上部が開放された用紙の載置が可能な開放姿勢と、機器本体の側部に収納された収納姿勢との間で姿勢変更可能で、且つ収納姿勢に姿勢設定された状態で補助トレイの突出が阻止されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、収納姿勢に姿勢設定されている主トレイを機器本体の側部から引き出すと、補助トレイは、付勢手段の付勢力によって主トレイから突出するため、主トレイを機器本体から引き出して一旦開放姿勢に姿勢設定させた上で補助トレイをマニュアル操作で引き出すものに比較し、マニュアル操作が不要な分操作性が大幅に向上する。
【0012】
また、一旦開放姿勢に姿勢設定された主トレイを機器本体の側部に収納するに際しては、補助トレイを付勢手段の付勢力に抗して主トレイに向けて押圧没入させ、この状態を維持しながら主トレイを機器本体の側部に向けて横軸回りに回動させればよい。このように略ワンタッチ操作で突出している補助トレイを没入させつつ主トレイを機器本体内に収納することが可能であり、収納時の操作性も良好である。
【0013】
そして、かかる補助トレイの自動的な突出構造が、付勢手段のみによって行われるようになされているため、従来の主トレイの引き出し操作に連動して補助トレイを自動的に突出させる、ピニオンやラックを用いた複雑な構造の連動手段に比べて部品点数が大幅に削減され、部品コストおよび組み付けコストの低減化に貢献する。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記付勢手段として弾性部材が採用されていることを特徴とするものである。
【0015】
この発明によれば、付勢手段として弾性部材が採用されているため、補助トレイを突出さる突出構造を簡単なものにすることができ、部品コストの低減化に寄与する。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記機器本体と主トレイとの間には、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態で当該主トレイに収納姿勢を保持させる係止手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
この発明によれば、主トレイは、機器本体に収納された状態で係止手段に係止されることにより収納姿勢が安定する。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記主トレイには、収納姿勢に姿勢設定された補助トレイの突出を阻止する一方、所定の操作で前記突出阻止を解消する解除手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、解除手段を操作しない限りたとえ主トレイが機器本体から引き出されても補助トレイが主トレイから突出することはなく、主トレイが開放姿勢に姿勢設定された状態で補助トレイを引き出すか否かの選択性を確保することができる。因みに、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態では、たとえ解除手段を操作しても、補助トレイが突出することはない。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る給紙装置の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、給紙装置が収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、給紙装置が開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。図1に示すように、給紙装置10は、画像形成装置へ用紙を給紙するに際し、当該用紙の束を装填するためのものであり、画像形成装置の箱形を呈した機器本体90の所定の側面91に開閉可能(すなわち一側面に収納された収納姿勢と、軸回りに回動することにより上部が開いた開放姿勢との間で姿勢変更可能)に設けられている。
【0021】
機器本体90の前記側面91には、矩形状を呈した収納面92が設けられ、前記給紙装置10は、収納姿勢に姿勢設定された状態でこの収納面92に密着される一方、収納姿勢において下縁部回りに時計方向に回動されることにより収納面92から離間して上部が開いた開放姿勢に姿勢設定されるようになっている。
【0022】
前記収納面92の周りには、矩形環状の枠体93が設けられ、この下部には幅方向一対でブラケット94が固定されているとともに、上縁部には外方に向かって突出した幅方向に延びる庇部95が突設されている。
【0023】
そして、給紙装置10は、前記一対のブラケット94にそれぞれ設けられた各横軸96回りに回動することにより、図1の(イ)に示す収納姿勢と、図1の(ロ)に示す開放姿勢との間で姿勢変更可能になっているとともに、収納姿勢に姿勢設定された状態で、上縁部が庇部95の下面に略摺接しながら対向するようになっている。また、機器本体90の収納面92の下部には、幅方向に延びるように形状設定された給紙口97が開口され、開放姿勢の給紙装置10に載置された用紙は、1枚ずつがこの給紙口97を通って機器本体90内に導入されるようになっている。
【0024】
かかる給紙装置10は、主トレイ20と、この主トレイ20に付設された補助トレイ30と、この補助トレイ30を主トレイ20から外方に向けて突出させる付勢手段40とを備えた基本構成を有している。
【0025】
前記主トレイ20は、前記機器本体90の収納面92に対応した用紙載置面201を有するトレイ本体21と、このトレイ本体21の用紙載置面201に形成された用紙幅設定部材22とを備えている。トレイ本体21は、上面が開口した浅い容器状に形成され、矩形状の表板211と、この表板211の周縁に形成された周壁212と、対向する周壁212間に架設された所定本数のリブ215とからなっている。そして、周壁212の縦方向に延びる一対の縦枠213の下端部が前記各横軸96によってそれぞれ軸支され、これによって主トレイ20が横軸96回りに回動し得るようになっている。
【0026】
また、横軸96は、主トレイ20が上方に向かって斜めに延びる開放姿勢に姿勢設定された状態で、表板211の幅方向に延びる下端縁部が機器本体90の側面91に当止するようにブラケット94における設置位置が設定され、これによって主トレイ20の開放姿勢が維持されるようになっている。
【0027】
また、周壁212の横方向に延びる一対の横枠214の上方のものには、出没自在の係止突起216が幅方向(横枠214の長手方向)に一対で設けられている一方、機器本体90側の枠体93上部に設けられた庇部95には、これら一対の係止突起216に対応した一対の係止孔部材951が設けられ、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で、前記各係止突起216が対応した係止孔部材951の係止孔に嵌まり込み、これによって主トレイ20の収納姿勢が維持されるようになっている。本発明の係止手段は、本実施形態においては、係止突起216と係止孔部材951とによって構成されている。
【0028】
そして、前記係止突起216は、図略のスプリングによって突出方向に付勢され、係止孔部材951に対する挿脱が行われるに際し、スプリングの付勢力に抗して一旦トレイ本体21内に没入したのち突出するため、主トレイ20の姿勢変更操作時にはクリック感が得られることになる。
【0029】
また、トレイ本体21の表板211には、その上部位置に取っ手217が設けられている。この取っ手217は、収納姿勢に姿勢設定された給紙装置10を引き出す際に把持される。
【0030】
前記一対の用紙幅設定部材22は、用紙載置面201に載置される用紙の幅方向の位置決めを行うものであり、トレイ本体21の用紙載置面201に幅方向に正逆移動可能に設けられている。かかる用紙幅設定部材22は、通常、用紙を用紙載置面201に載置するに先立ち当該用紙のサイズに応じて位置設定され、これによって用紙載置面201に載置された用紙の束が位置ずれするのが防止されるようになっている。
【0031】
前記補助トレイ30は、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態で、トレイ本体21の上部の横枠214から外部に突出し、これによって主トレイ20に装填された用紙の後部を支持するものであり、幅寸法が主トレイ20の幅寸法より若干短めに設定された中実の板体によって形成されている。
【0032】
一方、トレイ本体21の上部の横枠214には、この補助トレイ30を通すための切欠き開口218が設けられ、補助トレイ30は、この切欠き開口218を介して主トレイ20に対し出没し得るようになっている。そして、かかる補助トレイ30は、切欠き開口218にはめ込まれた状態で、トレイ本体21の周壁212に裏板219が嵌め込まれ、ねじ止めその他で固定されることによって出没自在に主トレイ20に装着される。因みに、前記用紙載置面201は、裏板219の表面によって形成されている。
【0033】
また、補助トレイ30の幅方向の中央位置には、基端側の縁部に向かって切り欠かれた切欠き凹部31が設けられている。この切欠き凹部31は、トレイ本体21の表板211の背面側に設けられた用紙センサ11との干渉を防止するためのものであり、補助トレイ30が主トレイ20内に収納された収納位置と、主トレイ20から突出した突出位置との間で位置変更しても、用紙センサ11と干渉しないように形状設定されている。
【0034】
以下、補助トレイ30を外方に向けて付勢する付勢手段40について図2を基に説明する。図2は、トレイ本体21の平面視の断面図であり、(イ)は、補助トレイ30が収納位置に位置設定された状態、(ロ)は、補助トレイ30が突出位置に位置設定された状態をそれぞれ示している。
【0035】
補助トレイ30は、図2に示すように、トレイ本体21の表板211の裏面側(図2の紙面の表面側)に膨設された複数条のリブ215に囲まれた状態で出没可能にトレイ本体21に内装されている。これらのリブ215のうち上下方向に延びるものは、それらの上端部が収納位置に位置設定された補助トレイ30の下端縁部に当止するように寸法設定され、これによって補助トレイ30がトレイ本体21内に没入し過ぎないようにするストッパの役割を果たすようになされている。
【0036】
また、補助トレイ30の図1における左側の縦枠213の内側には、所定の軸回りに回動自在に軸支された筋交い杆203が設けられているとともに、この筋交い杆203の先端には所定形状の係合部204(図3参照)が設けられている一方、機器本体90に取り付けられた枠体93の図1における左方部分からは機器本体90の内方に向かって延設されたフレーム931が設けられている。このフレーム931に上下方向に延びる案内長孔932が設けられ、前記係合部204が案内長孔932に上下動可能に係合されている。
【0037】
したがって、主トレイ20が横軸96回りに回動することによって係合部204は案内長孔932に案内されつつ昇降することになる。そして、案内長孔932は、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態で、係合部204が当該案内長孔932の下端縁部に当止するように長さ設定されているため、筋交い杆203も主トレイ20の姿勢設定のための一部材として機能するようになっている。
【0038】
また、補助トレイ30の幅方向(図2の左右方向)の下部両側縁には、互いに反対方向に突出した幅方向一対の突出片32が設けられ、補助トレイ30は、突出位置に位置設定された状態(図2の(ロ))でこれらの突出片32が切欠き開口218の外側の横枠214に当止することにより抜け止めされるようになっている。
【0039】
前記付勢手段40として、本実施形態においては巻きばね41が採用されている。巻きばね41は、線状のばね材が円形に巻かれることによって形成したばね本体42と、このばね本体42の一方の端部から接線方向に延設された第1延設杆43と、同他方の端部から延設された第2延設杆44とからなっている。かかる巻きばね41は、第1および第2延設杆43,44が鈍角に開いた状態では付勢力が発生せず、第1および第2延設杆43,44が外力によって互いに接近する方向に向かうように弾性変形することで付勢力の発生するものが採用されている。
【0040】
一方、トレイ本体21の裏面側であって、補助トレイ30の左右の縁部から若干外方に離間した位置には、補助トレイ30の上下寸法と略等しい上下方向に延びる幅方向一対の係止リブ2151がそれぞれ設けられているとともに、各係止リブ2151の対向面側の略中間位置には、ばね本体42の内径寸法より径寸法が若干小さい円突起202が突設されている。また、補助トレイ30の左右の各突出片32には、互いに接近する方向に向かって穿孔された三角形状の一対の逃し孔33が設けられている。
【0041】
そして、ばね本体42を円突起202に外嵌するとともに、第1延設杆43を係止リブ2151に沿わせ、さらに第2延設杆44の先端を逃し孔33に挿入することによって、巻きばね41が主トレイ20と補助トレイ30との間に介設されるようにしている。
【0042】
したがって、補助トレイ30が、図2の(イ)に示すように、主トレイ20内に押し込まれて収納された状態では、巻きばね41の第2延設杆44が逃し孔33の上縁部に押圧されて第1および第2延設杆43,44により形成される角度が鋭角となるように弾性変形している。補助トレイ30に対する押し込み方向へ向かう力が解除されると、補助トレイ30は、主トレイ20から突出することになる。
【0043】
これに対し、図2の(ロ)は、補助トレイ30に対する押し込み力が解除された状態を示しているが、この状態では、巻きばね41は、その付勢力で第2延設杆44が補助トレイ30を上方に押し上げて第1および第2延設杆43,44が鈍角を形成するように開いた状態になっている。
【0044】
以下本発明の作用を、図3を基に、必要に応じて図1および図2を参照しながら説明する。図3は、本発明に係る給紙装置10の作用を説明するための給紙装置10および枠体93の側面図であり、(イ)は、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【0045】
まず、図3の(イ)に示すように、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態では、巻きばね41(図2)の付勢力に抗してトレイ本体21内に収納された補助トレイ30は、その付勢力によって上縁部が機器本体90の庇部95に押圧当止した状態になっている。また、係止突起216(図1の(ロ))が庇部95の係止孔部材951の係止孔に係合し、これによって収納姿勢に姿勢設定された主トレイ20の姿勢変更が抑制された状態(すなわち主トレイ20が勝手に開かない状態)になっている。
【0046】
この状態で、取っ手217を把持しながら主トレイ20を手前に引くと、係止突起216の係止孔部材951に対する係合が解消され、主トレイ20は、横軸96回りに時計方向に回動し、図3の(ロ)に示すように、開放姿勢に姿勢設定される。そして、トレイ本体21の上部の横枠214が枠機器本体90の庇部95から外れると、庇部95による補助トレイ30への相対的な押圧当止が解消されるため、今まで収納位置に位置設定されていた補助トレイ30は、巻きばね41の付勢力によって上方に向けて突出し、これによって、図3の(ロ)に示すように、突出位置に位置設定されることになる。
【0047】
開放姿勢に姿勢設定された主トレイ20を収納するには、図3の(ロ)に示す突出位置に位置した補助トレイ30を巻きばね41の付勢力に抗して主トレイ20の方向に向けて押圧しつつ、主トレイ20を横軸96回りに反時計方向に回動させればよい。こうすることによって、補助トレイ30は、その上縁部が庇部95の下部に入り込むとともに、トレイ本体21の係止突起216が庇部95の係止孔部材951に係合し、これによって、図3の(イ)に示すように、収納姿勢に姿勢設定された状態になる。
【0048】
本発明に係る給紙装置10は、以上詳述したように、画像形成装置の機器本体90の側部に設けられ、横軸96回りに回動することにより上部が開放された開放姿勢と機器本体90の側面91に収納された収納姿勢との間で姿勢変更可能な主トレイ20と、この主トレイ20に装填される用紙の長さ方向に出没可能に装着された補助トレイ30とを備えてなるものを前提とするものである。
【0049】
そして、機器本体90と主トレイ20との間に主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で当該主トレイ20に収納姿勢を保持させる、係止突起216および係止孔部材951からなる係止手段が設けられ、主トレイ20と補助トレイ30との間には、収納姿勢の主トレイ20が機器本体90から引き出されることにより補助トレイ30を突出させる巻きばね41が設けられているため、係止手段による係止を解除した上で収納姿勢に姿勢設定されている主トレイ20を機器本体90の側面91から引き出すと、補助トレイ30は、巻きばね41の付勢力によって主トレイ20から自動的に突出する。したがって、主トレイ20を機器本体90から引き出して一旦開放姿勢に姿勢設定させた上で補助トレイ30をマニュアル操作で引き出すものに比較し、マニュアル操作が不要な分操作性を大幅に向上させることができる。
【0050】
また、一旦開放姿勢に姿勢設定された主トレイ20を機器本体90の側面91に収納するに際しては、補助トレイ30を巻きばね41の付勢力に抗して主トレイ20に向けて押圧没入させ、この状態を維持しながら主トレイ20を機器本体90の側面91に向けて横軸96回りに回動操作した上で、係止手段に係止させればよい。このように略ワンタッチ操作で突出している補助トレイ30を没入させつつ主トレイ20を機器本体90内に収納することが可能であり、収納時の良好な操作性を確保することができる。
【0051】
そして、かかる補助トレイ30の自動的な突出構造が、1つの巻きばね41のみによって行われるようになされているため、従来の主トレイ20の引き出し操作に連動して補助トレイ30を自動的に突出させる、ピニオンやラックを用いた複雑な構造の連動手段に比べて部品点数が大幅に削減され、部品コストおよび組み付けコストの低減化に貢献することができる。
【0052】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0053】
(1)上記の実施形態においては、主トレイ20の収納姿勢を維持させるための係止手段としてトレイ本体21に設けた係止突起216と、機器本体90に設けた係止孔部材951とからなるものを採用しているが、本発明は、かかる係止手段の採用を必須とするものではなく、特に設けなくても、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で、補助トレイ30の上縁部が巻きばね41の付勢力によって機器本体90の庇部95に押圧当止するため、これによって主トレイ20の収納姿勢を維持させることができる。すなわち、本発明の係止手段は、巻きばね41の付勢力を利用して補助トレイ30の上縁部を庇部95に当接させる構成をも含むものである。
【0054】
(2)上記の実施形態においては、付勢手段40として巻きばね41が採用されているが、本発明は、付勢手段40が巻きばね41であることに限定されるものではなく、コイルバネや板バネや、さらにはゴム材料など、所定の弾性を有する弾性材料であればどのようなものを採用してもよい。
【0055】
(3)上記の実施形態においては、トレイ本体21に幅方向で一対の巻きばね41を内装しているが、本発明は、巻きばね41が一対であることに限定されるものではなく、状況によっては一方側にのみ採用してもよい。
【0056】
(4)上記の実施形態においては、主トレイ20と補助トレイ30との間にストッパの役割を担った筋交い杆203が介設されているが、本発明は、筋交い杆203の採用を必須とするものではなく、他の構造で主トレイ20の開放姿勢を保持し得るのであれば、この構造を採用してもよい。実際、上記の実施形態においては、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態で、トレイ本体21の周壁212の下部の横枠214が機器本体90の側面91に当止し、これによって主トレイ20が開放姿勢を維持し得るストッパ機能を備えたものになっており、したがって、二重でストッパを設ける必要性は存在しない。
【0057】
(5)図4は、給紙装置の他の実施形態を示す断面図であり、(イ)は、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、主トレイ20が収納姿勢に姿勢設定された状態で操作レバーが操作された状態、(ハ)は、主トレイ20が開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【0058】
この実施形態においては、取っ手217の内部にコイルスプリング233によりトレイ本体21の裏板219側に向けて付勢される操作レバー(解除手段)23が設けられている。この操作レバー23は、取っ手217と平行なレバー本体231と、このレバー本体231の上縁部から延設された、図4において逆コ字状のコ字状部材232とからなっている。コ字状部材232の右面開口は取っ手217の背面側と対向され、この状態でコ字状部材232と取っ手217との間に前記コイルスプリング233が介設されている。
【0059】
一方、補助トレイ30には、その上縁部にコ字状部材232に対応した係止突片301が設けられ、コイルスプリング233によって付勢されたコ字状部材232の下端縁が、図4の(イ)に示すように係止突片301に干渉することによって補助トレイ30の主トレイ20からの突出が阻止される一方、コイルスプリング233の付勢力に抗してレバー本体231をレバー本体231の方向に操作することにより、図4の(ロ)に示すように、コ字状部材232の係止突片301に対する係合が解除されるようになっている。
【0060】
このように構成されたこの実施形態の給紙装置10によれば、給紙装置10が機器本体90の収納面92に収納された状態では、図4の(イ)に示すように、レバー本体231が取っ手217から離間した状態で、コ字状部材232の左方下縁部が補助トレイ30の係止突片301に係止され、これによって補助トレイ30は、主トレイ20からの突出が規制された状態になっている。
【0061】
そして、給紙装置10を機器本体90の収納面92から引き出すに際しては、まず、レバー本体231と取っ手217とが片方の手で把持される。これによって、図4の(ロ)に示すように、レバー本体231がコイルスプリング233の付勢力に抗して取っ手217と当接するとともに、コ字状部材232の係止突片301に対する係止が解除され、補助トレイ30は、巻きばね41(図2)の付勢力によって主トレイ20から上方へ突出し得る状態なる。因みに、図4の(ロ)に示す状態では、補助トレイ30の上縁部が機器本体90の枠体93の庇部95に当止した状態になっているため、補助トレイ30が突出することはない。
【0062】
ついで、図4の(ロ)に示す状態で、レバー本体231を手前側に引けば、主トレイ20が横軸96回りに時計方向に回動し、これによって、図4の(ハ)に示すように、給紙装置10が機器本体90の収納面92から引き出される。そして、補助トレイ30が主トレイ20から引き出された状態では、補助トレイ30の上縁部の庇部95に対する当止が解消されるため、補助トレイ30は、巻きばね41の付勢力によって補助トレイ30から上方に向けて突出する。
【0063】
そして、補助トレイ30が主トレイ20から突出した後にレバー本体231から手を離すことにより、操作レバー23は、図4の(ハ)に示すように、コイルスプリング233の付勢力によって図4における左方に移動し、これによってコ字状部材232が補助トレイ30に当接した状態になる。
【0064】
また、係止突片301の下面には、下方に向かうに従い突出量が漸減するように設定された傾斜面302が形成されている。したがって、補助トレイ30を主トレイ20へ没入させることにより、この傾斜面302がコイルスプリング233の付勢力に抗して操作レバー23のコ字状部材232を取っ手217の方向に向けて移動させるため、係止突片301はコ字状部材232をすり抜けて下降し、係止突片301がコ字状部材232を通過した状態でコ字状部材232がコイルスプリング233の付勢力で元の位置に戻るため(図4の(イ)参照)、係止突片301がコ字状部材232に係合し、これによって補助トレイ30の主トレイ20からの突出が規制される。
【0065】
この実施形態においては、給紙装置10が開放姿勢に姿勢設定された状態であっても、補助トレイ30を収納位置に位置設定することにより補助トレイ30の主トレイ20からの突出が阻止されるため、使い勝手がさらに良好になる。
【0066】
【発明の効果】
本発明の給紙装置によれば、主トレイと補助トレイとの間には、補助トレイを突出方向に付勢する付勢手段を設けたため、給紙装置は、付勢手段の付勢力によって主トレイから突出した補助トレイと主トレイとを合わせた大きさになり、大きなサイズの用紙に対応することができる。
【0067】
そして、かかる給紙装置において、主トレイは、機器本体の側部に設けられた横軸回りに回動することにより上部が開放された用紙の載置が可能な開放姿勢と、機器本体の側部に収納された収納姿勢との間で姿勢変更可能で、且つ収納姿勢に姿勢設定された状態で補助トレイの突出が阻止されるように構成することで、収納姿勢に姿勢設定されている主トレイを機器本体の側部から引き出すことにより、補助トレイを、付勢手段の付勢力によって主トレイから外部に自動的に突出させることができる。
【0068】
したがって、従来の主トレイを機器本体から引き出して一旦開放姿勢に姿勢設定させた上で補助トレイをマニュアル操作で引き出すものに比較し、マニュアル操作が不要な分操作性が大幅に向上させることができる。
【0069】
また、一旦開放姿勢に姿勢設定された主トレイを機器本体の側部に収納するに際しては、補助トレイを付勢手段の付勢力に抗して主トレイに向けて押圧没入させ、この状態を維持しながら主トレイを機器本体の側部に向けて横軸回りに回動操作した上で、係止手段に係止させればよく、略ワンタッチ操作で突出している補助トレイを没入させつつ主トレイを機器本体内に収納することが可能であり、収納時の良好な操作性を確保することができる。
【0070】
そして、かかる補助トレイの自動的な突出構造が、付勢手段のみによって行われるようになされているため、従来の主トレイの引き出し操作に連動して補助トレイを自動的に突出させる、ピニオンやラックを用いた複雑な構造の連動手段に比べて部品点数が大幅に削減され、部品コストおよび組み付けコストの低減化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給紙装置の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、給紙装置が収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、給紙装置が開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【図2】トレイ本体の平面視の断面図であり、(イ)は、補助トレイが収納位置に位置設定された状態、(ロ)は、補助トレイが突出位置に位置設定された状態をそれぞれ示している。
【図3】本発明に係る給紙装置の作用を説明するための給紙装置および枠体の側面図であり、(イ)は、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、主トレイが開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【図4】給紙装置の他の実施形態を示す断面図であり、(イ)は、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態、(ロ)は、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態で操作レバーが操作された状態、(ハ)は、主トレイが開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
10 給紙装置 11 用紙センサ
20 主トレイ 201 用紙載置面
202 円突起 203 筋交い杆
204 係合部 21 トレイ本体
211 表板 212 周壁
213 縦枠 214 横枠
215 リブ 2151 係止リブ
216 係止突起 217 取っ手
218 切欠き開口 219 裏板
22 用紙幅設定部材 23 操作レバー(解除手段)
231 レバー本体 232 コ字状部材
233 コイルスプリング 30 補助トレイ
301 係止突片 302 傾斜面
31 切欠き凹部 32 突出片
33 逃し孔 40 付勢手段
41 巻きばね 42 ばね本体
43 第1延設杆 44 第2延設杆
90 機器本体 91 側面
92 収納面 93 枠体
931 フレーム 932 案内長孔
94 ブラケット 95 庇部
951 係止孔部材 96 横軸
97 給紙口
Claims (5)
- 所定の機器本体の側部に用紙を載置可能に設けられた給紙用の主トレイと、この主トレイに給紙方向に出没可能に装着された補助トレイとを備えてなる給紙装置において、前記主トレイと補助トレイとの間には、補助トレイを突出方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする給紙装置。
- 前記主トレイは、機器本体の側部に設けられた横軸回りに回動することにより上部が開放された用紙の載置が可能な開放姿勢と、機器本体の側部に収納された収納姿勢との間で姿勢変更可能で、且つ収納姿勢に姿勢設定された状態で補助トレイの突出が阻止されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
- 前記付勢手段として弾性部材が採用されていることを特徴とする請求項1または2記載の給紙装置。
- 前記機器本体と主トレイとの間には、主トレイが収納姿勢に姿勢設定された状態で当該主トレイを収納姿勢に保持する係止手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙装置。
- 前記主トレイには、収納姿勢に姿勢設定された補助トレイの突出を阻止する一方、所定の操作で前記突出阻止を解消する解除手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の給紙装置。
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