JP2004318531A - OD(Origin,Destination)判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の内部状態をセンサで検出して、その内部状態に基づいて、車両の「目的地到着」「出発」を精度よく判断する。
【解決手段】車両のドアの開閉を検出するドアセンサと、ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段5と、目的地到着と判定された後、ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の出発を判定する出発判定手段6とを備える。
【効果】車両のドアの開閉状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。トリップ途中にドアを開閉することは、通常起こらないので、このドアの開閉に基づいて「目的地到着」「出発」を精度よく判断することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】車両のドアの開閉を検出するドアセンサと、ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段5と、目的地到着と判定された後、ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の出発を判定する出発判定手段6とを備える。
【効果】車両のドアの開閉状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。トリップ途中にドアを開閉することは、通常起こらないので、このドアの開閉に基づいて「目的地到着」「出発」を精度よく判断することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の走行における出発と目的地到達とを判定することのできるOD判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
OD間走行経路とは、一定規模以上の道路網において、車両が発生してから消滅するまでにたどる走行経路をいう。
前記「発生」とは、より細かな規模の道路網(細街路)や駐車場等から前記一定規模以上の道路網に車両が進入する場合をいい、前記「消滅」とは、前記一定規模以上の道路網から、前記細街路や駐車場等に車両が退出する場合をいう。
【0003】
車両一台一台のOD間走行経路が求まると、これを統計的に処理してOD交通量を求めることができる。OD交通量は、起終点交通量ともいわれ、一定規模以上の道路網のある地点から発生し、他の地点で消滅する、単位時間当たりの車両台数をいう。
本明細書では、ある地点で車両が発生することを「出発」といい、一定のルートを通って、他の地点で車両が消滅することを「目的地到着」という。車両が出発する地点を「出発地」(Origin)といい、車両が目的地到着する地点を「目的地」(Destination)という。出発から目的地到着までを「トリップ」という。OD間走行経路は、この1トリップの経路となる。
【0004】
OD交通量が求まると、交通量予測や各種の交通制御の検討や評価に役立てることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−329285号公報
【非特許文献1】間藤隆一 他「起終点交通量計測システム」Matsushita Technical Journal Vol. 44 No. 3 Jun. 1998
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、車両の「出発」「目的地到着」をいかなる基準でとらえればよいかの技術的課題が残る。
前記特許文献1では、車両の走行速度の低下若しくは停車、又は走行経路の転回などの時点をとらえて、走行目的が達成したとして、目的地到着とし、その地点からまた新しいトリップが始まるものとしている。
【0007】
ところが、車両の走行速度や走行経路で車両の「目的地到着」「出発」を判断するだけでは判断精度が十分でない。車両の内部状態を検出して、その内部状態に基づいて、車両の「目的地到着」「出発」を判断することが望まれる。
そこで、本発明は、車両の内部状態を検出して、その内部状態に基づいて、車両の「目的地到着」「出発」を精度よく判断することのできるOD判定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のOD判定装置は、車両に備えられ、エンジンのイグニッションの状態を検出するイグニッションセンサと、イグニッションセンサにより、イグニッションオフの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、イグニッションセンサにより、イグニッションオフの状態が所定時間以上継続した後、イグニッションオンになった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項1)。
【0009】
前記の構成によれば、エンジンの点火状態に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。オフの状態が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、信号待ちなどでアイドリングを切る場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
本発明のOD判定装置は、車両の走行状態を検出して停車判定を行う停車判定手段と、停車判定手段により、車両が所定時間以上停車していると判定された時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、停車判定手段により、車両が所定時間以上停車し、その後車両が動き出した時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項2)。この発明は、車両の走行状態を検出して停車判定を行い、停車判定に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。停車が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、信号待ちや渋滞などで停車する場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
【0010】
本発明のOD判定装置は、車両に備えられたパーキングブレーキセンサと、パーキングブレーキセンサにより、パーキングブレーキオンの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、パーキングブレーキセンサにより、パーキングブレーキオンの状態が所定時間以上継続した後、パーキングブレーキオフになった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項3)。この発明は、車両のパーキングブレーキの状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。パーキングブレーキオンの状態が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、信号待ちなどで停車中にパーキングブレーキをオンにする場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
【0011】
本発明のOD判定装置は、変速ギヤの操作状態を検出するシフトレバーセンサと、シフトレバーセンサにより、シフトレバーPレンジの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、シフトレバーセンサにより、シフトレバーPレンジの状態が所定時間以上継続した後、Pレンジが解除になった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項4)。この発明は、車両のシフトレバーの状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。シフトレバーPレンジの状態が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、信号待ちなどで停車中にシフトレバーをPレンジにする場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
【0012】
なお、手動変速車では、シフトレバーをシフトノブ、Pレンジをニユートラル位置と読み替える。
本発明のOD判定装置は、車両のドアの開閉を検出するドアセンサと、ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、目的地到着と判定された後、ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項5)。この発明は、車両のドアの開閉状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。トリップ途中にドアを開閉することは、通常起こらないので、このドアの開閉に基づいて「目的地到着」「出発」を精度よく判断することができる。
【0013】
本発明のOD判定装置は、ハザードランプのオンオフ状態を検出するハザードランプセンサと、ハザードランプセンサにより、ハザードランプオンの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、ハザードランプセンサにより、ハザードランプオンの状態が所定時間以上継続した後、ハザードランプがオフになった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項6)。この発明では、車両のハザードランプの状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。ハザードランプオンの状態が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、走行途中で短時間停車してハザードランプを点灯する場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
【0014】
なお、走行中にハザードランプを所定時間以上点灯する場合(高速道路など)があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするため、車両の走行速度を検出する速度センサをさらに備え、前記目的地到着判定手段は、速度センサにより車両が走行中と判定された場合に、車両の目的地到着判定を中止するものであることが好ましい(請求項7)。
本発明のOD判定装置は、タクシー車両のタクシーメータの「空車」「賃走」などの状態を検出するタクシーメータセンサと、タクシーメータセンサにより、タクシーメータの状態が切り替えられた時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、 目的地到着と判定された後、タクシーメータセンサにより、タクシーメータの状態が切り替えられた時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項8)。この発明は、タクシー車両のタクシーメータの「空車」「賃走」などの状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。トリップ途中にタクシーメータの状態を切り替えることは、通常起こらないので、このタクシーメータの切り替えに基づいて「目的地到着」「出発」を精度よく判断することができる。
【0015】
以上の発明の構成において、目的地到着判定手段により車両が目的地に到着したと判定されると、その時点の車両の検出位置を目的地として設定し、出発判定手段により車両が出発したと判定されると、その時点の車両の検出位置を出発地として設定することができる(請求項9,10)。これにより、1トリップにおける目的地(Destination)を設定し、かつ、次のトリップにおける出発地(Origin)を設定することができる。
【0016】
また、車両が走行中の道路は、高速道路又は自動車専用道路であると判定されると、出発地の設定を行わず、目的地の設定も行わないことが好ましい(請求項11,12)。通常、高速道路又は自動車専用道路の中に出発地、目的地を設定することは起こらないからである。
前記出発設定手段により設定された出発地と、出発後、そのトリップを構成する前記目的地設定手段により設定された目的地との距離が、所定距離以内である場合は、目的地の設定を無効とすることが好ましい(請求項13)。これは、「目的地到着」「出発」の誤判定を避けるためである。停車中に、エンジンのオン→オフをしたり、ドアの開閉を行ったり、パーキングブレーキを切ったり入れたり、ハザードランプをオンオフしたり、シフトレバーをPレンジから外してまた入れ直したりすることは、よく行われる、そのたびに、出発、目的地到着と判定するのは明らかに誤った判定になる。そこで、このような誤判定を避けるために、出発地と目的地との距離を判定するのである。
【0017】
前記出発設定手段により出発地を設定した後、車両の位置が大きく位置飛びした場合は、前記設定された出発地を無効とし、その後に出発設定手段により出発地を再設定することが好ましい(請求項14)。これは、フェリーなどで車両を運搬した場合に、車両が走行していないのに、車両の位置が大きく位置飛びすることがあり、このような場合に、前記設定された出発地を無効とし、その後に出発設定手段により出発地を再設定することにより、設定間違いを避けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態のOD判定装置は、車両に搭載される車載装置(車両に備え付けた装置、車両に持ち込んだ装置のいずれをも含む。)及び車載装置と通信を行うセンター装置を構成要素として含んでいる。
―第1の実施形態―
図1は、車載装置Aの機能ブロック図である。車載装置Aは、車両の位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信機、車両の方位を検出する光ファイバジャイロなどの方位センサ、車輪の角速度を検出することにより車速を検出する車速センサ、及びこれらの各センサの検出信号と地図データベースに格納された地図データとに基づいて車両の道路上の位置を検出する位置検出部1を備えている。
【0019】
また車両には、車両のドアの開閉を検出するドアセンサ、パーキングブレーキの状態を検出するパーキングブレーキセンサ、エンジンのイグニッションの状態を検出するイグニッションセンサが設けられている。前記「ドア」は、乗降用のサイドドアの他、車両のボンネット、車両後部の荷物用のドアを含んでもよい。
さらに車両には、変速ギヤの操作状態を検出するシフトレバーセンサ、ハザードランプのオンオフ状態を検出するハザードランプセンサ、タクシーの場合タクシーメータの「空車」「賃走」などの状態を検出するタクシーメータセンサが設けられている。
【0020】
さらに車載装置Aには、車速センサの検出信号及び位置検出部1の位置検出信号に基づいて車両の停車を判定する停車判定部2、位置検出部1により検出された当該車両の位置及び地図データに基づいて、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を判別する道路種別判定部3、タイマー部4、目的地到着判定部5、出発判定部6、目的地設定部7、出発地設定部8、位置比較部9、送受信機10などが設けられている。
【0021】
車載装置Aは、コンピュータ、メモリ、入出力装置等を備え、前記位置検出部1、停車判定部2、道路種別判定部3、タイマー部4、目的地到着判定部5、出発判定部6、目的地設定部7、出発地設定部8、位置比較部9などで行う各処理機能の全部又は一部は、前記メモリに記録されたプログラムをコンピュータが実行することにより実現される。
前記停車判定部2は、車速センサの検出信号に基づいて車両の速度が0になったとき、又は位置検出部1の位置検出信号に基づいて、所定時間(例えば20秒)前の車両の位置と現在の車両の位置とが、位置検出部1の位置検出誤差の範囲内にあるときに、当該車両を「停車」していると判断し、停車信号を出力する。
【0022】
タイマー部4は、停車判定部2の停車信号、イグニッションセンサの検出信号、パーキングブレーキセンサの検出信号、ハザードランプセンサの検出信号、及びシフトレバーセンサの検出信号を入力している。タイマー部4は、各信号の所定の状態が継続する時間をそれぞれ測定し、次の条件が満たされた場合に、目的地到着判定部5に信号を出力する。それらの条件とは、
(a)停車判定部2の停車信号が一定時間継続した場合
(b)パーキングブレーキ入りの状態が一定時間継続した場合
(c)イグニッションオフの状態が一定時間継続した場合
(d)ハザードランプオンの状態が一定時間継続した場合
(e)シフトレバーがPレンジに入った状態が一定時間継続した場合
である。前記「一定時間」は、信号待ち等ではありえない時間(例えば5分)に設定する。(a)〜(e)で同じ値を設定してもよく、違う値を設定してもよい。
【0023】
ただし、(d)のハザードランプの場合、車両が走行中は、オン判定しないことが好ましい。これは、高速道路などで走行中、渋滞末尾にハザードランプが押されることがあるので、これを除外するためである。
目的地到着判定部5には、前記タイマー部4の出力信号とともに、ドアセンサの検出信号と、タクシーの場合タクシーメータセンサの検出信号が入力される。
目的地到着判定部5は、前記(a)から(e)までの条件が満たされた時点、ドアセンサの検出信号によりドアが一回でも開き又は閉じられた時点、タクシーの場合はタクシーメータの状態が、例えば「空車」から「賃走」、「賃走」から「空車」に切り替わった時点で、1トリップが終わって目的地に到着したと判断する。
【0024】
道路種別判定部3は、位置検出部1により検出された当該車両の位置及び地図データに基づいて、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を判別している。
目的地到着判定部5は、1トリップが終了したと判断した場合、その時点での、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を、道路種別判定部3から入手する。そして、道路種別が高速道路あるいは自動車専用道路でない場合に、目的地設定部7に出力信号を送る。
【0025】
高速道路あるいは自動車専用道路を除外したのは、高速道路上や自動車専用道路上では、トリップが終わることはありえないとして、目的地や出発地を設定しないこととしたためである。
目的地設定部7は、目的地到着判定部5から出力信号を受けた時点で位置検出部1により検出された当該車両の位置を参照する。
位置比較部9は、当該車両の位置と、前回設定された出発地との距離差(直線距離)を求めて、その距離差が、位置検出部1の位置検出制度に依存する値(例えば20m)よりも小さければ、目的地を設定しないようにする。これは停車中に、エンジンのオンオフをしたり、ドアの開閉を行ったり、パーキングブレーキを切ったり入れたり、ハザードランプをオンオフしたり、シフトレバーをPレンジから外してまた入れ直したりすることは、よく行われる、そのたびに、出発、目的地到着と判定するのは明らかに誤った判定になるからである。
【0026】
その距離差が、位置検出部1の位置検出制度に依存する値よりも大きければ、目的地設定部7は、当該車両の位置を目的地Dとして設定する。設定された目的地はメモリ11に格納する。
一方、出発判定部6は、停車判定部2の停車信号、イグニッションセンサの検出信号、パーキングブレーキセンサの検出信号、ハザードランプセンサの検出信号、及びシフトレバーセンサの検出信号、ドアセンサの検出信号、及びタクシーの場合タクシーメータセンサの検出信号を入力している。
【0027】
出発判定部6は、次の条件が満たされた時点で、車両が新しいトリップに入ったと判定する。
(a′)停車判定部2の停車信号が一定時間継続した後解除された場合
(b′)パーキングブレーキ入りの状態が一定時間継続した後オフになった 場合
(c′)イグニッションオフの状態が一定時間継続した後オンになった場合
(d′)ハザードランプオンの状態が一定時間継続した後オフになった場合
(e′)シフトレバーがPレンジに入った状態が一定時間継続した後解除さ れた場合
(f′)ドアが開閉して目的地到着と判定された場合、
(g′)タクシーの場合はタクシーメータの状態が切り替わり、目的地到着 と判定された場合。
【0028】
前記(f′)(g′)の判定では、目的地到着の直後に出発が始まると判定する。前記(d′)の場合、車両が走行中は、判定しないことが好ましい。この理由は前述したとおりである。
出発地設定部8は、出発判定部6から出力信号を受けた時点で位置検出部1により検出された当該車両の位置を参照し、その位置を出発地Oとして設定する。設定された出発地Oはメモリに格納する。
【0029】
なお、出発地Oを設定した直後(例えば5分以内)、位置検出部1により検出された車両の位置が大きく(例えば時速150km以上に相当する距離)位置飛びした場合は、出発地設定部8は、前に設定した出発地をキャンセルし、位置飛び直後の位置を再設定する。例えば車両が走行せずフェリーや車両輸送車で移動した場合が該当する。
メモリに時間順に格納された出発地Oと目的地Dとを結んでいくと、一連のトリップを決定することができる。
【0030】
出発地Oと目的地Dとのデータは、送受信機10(携帯電話機、PHSなど)を用いて、センター装置Bに送信される。
図2は、センター装置Bの機能ブロック図である。センター装置Bは、車載装置Aとの間の送受信信号を処理可能な形に変換する変換する入力変換部21、車載装置Aから受信される出発地O、目的地Dのデータを集計するデータ集計部22、データ集計部22のメモリに蓄積されたデータを取り出して、そのデータに基づいてOD間走行経路を求めるOD走行経路取得部23、OD間走行経路を統計的に処理することによりOD交通量を推定するOD交通量推定部24を備えている。図2の円筒形は、それぞれの部位に所属するメモリを示している。
【0031】
以下、OD走行経路取得部23、OD交通量推定部24で行う各処理を簡単に説明する。OD走行経路取得部23は、データ集計部22のメモリに蓄積された所定日数分の車両の識別コード、出発地Oと目的地Dのデータ、出発地Oの発車時刻のデータ、目的地Dの到達時刻のデータを取得する。そして、このデータを識別コードごとにソートして、メモリに記憶する。
次に、メモリに記憶されたデータから、同一車両識別コードのデータを取り出す。この同一車両識別コードのデータに基づいて、時刻順に並べ替える。これにより、出発地Oと目的地Dを通過順に特定できる。また、出発地Oと目的地D間の走行時間を算出することができる。
【0032】
次に、出発地Oと目的地D間の走行経路を求める。走行経路は、公知のダイクストラ法、ポテンシャル法等に基づいて、出発地Oと目的地D間の最適経路を算出する(例えば特開平7−244798号公報参照)。最適経路を算出するには、リンク旅行時間又はリンク距離のいずれをベースとしてもよい。
実際に車両が算出された最適経路を走行したかどうか100%確定できないが、最適経路を走行した可能性がもっとも高いので、車両は最適経路を走行したものとみなし、これを走行経路とする。
【0033】
なお、車載装置Aから、実際の走行経路情報が取得できるのであれば、その取得した走行経路を採用すればよく、センター装置Bはわざわざ走行経路を算出する必要がない。
以上のようにして求められたOD走行経路のデータを、車載装置Aを搭載する他の車両についても求める。このようなOD走行経路のデータを所定の期間にわたって蓄積すれば、OD交通量の推定処理に進む。
【0034】
OD交通量推定部24は、以上のようにして求められた各車両のOD間走行経路を、地域別、時間帯別に分類し、各地域ごと、時間帯ごとに、各車両のOD間走行経路に基づいてOD交通量を算出する。この場合、車載装置ACを搭載する車両と搭載しない車両との双方、すなわち全車両についてのOD交通量を推定する必要があるので、車載装置ACを搭載する車両のOD交通量に、車載装置ACを搭載する車両と全車両との比率の逆数をかけて、全車両のOD交通量を求めればよい。
【0035】
以上のOD交通量Qを用いれば、リンクごとに、各時刻の交通量を予測することができ、交通量予測や交通量制御に役立てることができる。
―第2の実施形態―
この実施形態では、車載装置Aで車両の位置を検出し、その位置データと、ドアセンサ、パーキングブレーキセンサ、イグニッションセンサ、シフトレバーセンサ、ハザードランプセンサ、タクシーメータセンサなどの検出データを、送受信機10(携帯電話機、PHSなど)を用いて、センター装置Bに送信する。センター装置Bは、前記車両の位置データ、各種センサの検出データに基づいて、当該車両の目的地到着判定、出発判定、目的地設定、出発地設定、OD走行経路算出、OD交通量推定などの処理を行う。
【0036】
図3は、車載装置Aの機能ブロック図である。車載装置Aは、車両の位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信機、車両の方位を検出する光ファイバジャイロなどの方位センサ、車輪の角速度を検出することにより車速を検出する車速センサ、及びこれらの各センサの検出信号と地図データベースに格納された地図データとに基づいて車両の道路上の位置を検出する位置検出部1を備えている。
【0037】
また車両には、車両のドアの開閉を検出するドアセンサ、パーキングブレーキの状態を検出するパーキングブレーキセンサ、エンジンのイグニッションの状態を検出するイグニッションセンサが設けられている。前記「ドア」は、乗降用のサイドドアの他、車両のボンネット、車両後部の荷物用のドアを含んでもよい。
さらに車両には、変速ギヤの操作状態を検出するシフトレバーセンサ、ハザードランプのオンオフ状態を検出するハザードランプセンサ、タクシーの場合タクシーメータの「空車」「賃走」などの状態を検出するタクシーメータセンサが設けられている。
【0038】
これらの車両の位置データ、各種センサの検出信号は、送受信機10によって、センター装置Bに送信される。ただし、ハザードランプの場合、車両が走行中は、オン判定しないことが好ましいので、走行中のハザードランプのデータを送信しないことが好ましい。
図4は、センター装置Bの機能ブロック図である。センター装置Bは、車載装置Aから送られてくる受信信号を処理可能な形に変換する入力変換部21、車載装置Aから受信される各種データを集計するデータ集計部22、データ集計部22のメモリに蓄積された車速データ及び位置検出データに基づいて車両の停車を判定する停車判定部2、当該車両の位置及び地図データに基づいて、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を判別する道路種別判定部3、タイマー部4、目的地到着判定部5、出発判定部6、目的地設定部7、出発地設定部8、位置比較部9、OD走行経路取得部、OD交通量推定部24などを設けている。
【0039】
これらの停車判定部2、道路種別判定部3、タイマー部4、目的地到着判定部5、出発判定部6、目的地設定部7、出発地設定部8、位置比較部9などで行う各処理機能の全部又は一部は、メモリに記録されたプログラムをセンター装置Bのコンピュータが実行することにより実現される。
前記停車判定部2は、車速信号に基づいて車両の速度が0になったとき、又は所定時間(例えば20秒)前の車両の位置と現在の車両の位置とが、位置検出部1の位置検出誤差の範囲内にあるときに、当該車両を「停車」していると判断し、停車信号を出力する。
【0040】
タイマー部4は、停車判定部2の停車信号、イグニッションセンサの検出信号IG、パーキングブレーキセンサの検出信号PB、ハザードランプセンサの検出信号HZ、及びシフトレバーセンサの検出信号SLを入力している。タイマー部4は、各信号の所定の状態が継続する時間をそれぞれ測定し、前記「第1の実施形態」で説明した(a)〜(e)の条件が満たされた場合に、目的地到着判定部5に信号を出力する。前記「一定時間」は、信号待ち等ではありえない時間に設定する。
【0041】
ドアセンサの検出信号DRと、タクシーの場合タクシーメータセンサの検出信号TXは、タイマー部4を通さないで、目的地到着判定部5に入力される。
目的地到着判定部5は、前記(a)から(e)までの条件が満たされた時点、ドアセンサの検出信号によりドアが一回でも開き又は閉じられた時点、タクシーの場合はタクシーメータの状態が、例えば「空車」から「賃走」、「賃走」から「空車」に切り替わった時点で、1トリップが終わって目的地に到着したと判断する。
【0042】
道路種別判定部3は、車両の位置データ及び地図データに基づいて、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を判別している。
目的地到着判定部5は、1トリップが終了したと判断した場合、その時点での、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を、道路種別判定部3から入手する。そして、道路種別が高速道路あるいは自動車専用道路でない場合に、目的地設定部7に出力信号を送る。高速道路あるいは自動車専用道路を除外する理由は、「第1の実施形態」で説明したとおりである。
【0043】
目的地設定部7は、目的地到着判定部5から出力信号を受けた時点での、当該車両の位置データを参照する。位置比較部9は、当該車両の位置と、前回設定された出発地との距離差を求めて、その距離差が、位置検出部1の位置検出制度に依存する値(例えば20m)よりも小さければ、目的地を設定しないようにする。その距離差が、位置検出部1の位置検出制度に依存する値よりも大きければ、目的地設定部7は、当該車両の位置を目的地Dとする。
【0044】
出発判定部6は、停車判定部2の停車信号、イグニッションセンサの検出信号、パーキングブレーキセンサの検出信号、ハザードランプセンサの検出信号、及びシフトレバーセンサの検出信号、ドアセンサの検出信号、及びタクシーの場合タクシーメータセンサの検出信号を入力している。
出発判定部6は、前記「第1の実施形態」で説明した(a′)〜(g′)の条件が満たされた場合に、車両が新しいトリップに入ったと判定する。
【0045】
出発地設定部8は、出発判定部6から出力信号を受けた時点で位置検出部1により検出された当該車両の位置を参照し、その位置を出発地Oとして設定する。設定された出発地はメモリに格納する。
なお、出発地Oを設定した直後(例えば5分以内)、位置検出部1により検出された車両の位置が大きく(例えば時速150km以上に相当する距離)位置飛びした場合は、出発地設定部8は、前に設定した出発地をキャンセルするのは、すでに説明したとおりである。
【0046】
設定された出発地Oと目的地Dとのデータは、一時的にメモリに蓄積され、ここからOD走行経路取得部23に供給される。
OD走行経路取得部23がOD走行経路を算出する手順、OD交通量推定部24がOD交通量を推定する手順は、図2を用いて説明したのと同じであるから、ここでは説明を省略する。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、車両の内部状態を各種センサにより検出して、その内部状態に基づいて、車両の「目的地到着」「出発」を精度よく判断することができる。したがって、OD間走行経路を取得してOD交通量を推定することができ、交通量予測や交通量制御に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における車載装置Aの機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるセンター装置Bの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態における車載装置Aの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるセンター装置Bの機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 位置検出部
2 停車判定部
3 道路種別判定部
4 タイマー部
5 目的地到着判定部
6 出発判定部
7 目的地設定部
8 出発地設定部8
9 位置比較部
10 送受信機
11 メモリ
21 入力変換部
22 データ集計部
23 OD走行経路取得部
24 OD交通量推定部
A 車載装置
B センター装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の走行における出発と目的地到達とを判定することのできるOD判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
OD間走行経路とは、一定規模以上の道路網において、車両が発生してから消滅するまでにたどる走行経路をいう。
前記「発生」とは、より細かな規模の道路網(細街路)や駐車場等から前記一定規模以上の道路網に車両が進入する場合をいい、前記「消滅」とは、前記一定規模以上の道路網から、前記細街路や駐車場等に車両が退出する場合をいう。
【0003】
車両一台一台のOD間走行経路が求まると、これを統計的に処理してOD交通量を求めることができる。OD交通量は、起終点交通量ともいわれ、一定規模以上の道路網のある地点から発生し、他の地点で消滅する、単位時間当たりの車両台数をいう。
本明細書では、ある地点で車両が発生することを「出発」といい、一定のルートを通って、他の地点で車両が消滅することを「目的地到着」という。車両が出発する地点を「出発地」(Origin)といい、車両が目的地到着する地点を「目的地」(Destination)という。出発から目的地到着までを「トリップ」という。OD間走行経路は、この1トリップの経路となる。
【0004】
OD交通量が求まると、交通量予測や各種の交通制御の検討や評価に役立てることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−329285号公報
【非特許文献1】間藤隆一 他「起終点交通量計測システム」Matsushita Technical Journal Vol. 44 No. 3 Jun. 1998
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、車両の「出発」「目的地到着」をいかなる基準でとらえればよいかの技術的課題が残る。
前記特許文献1では、車両の走行速度の低下若しくは停車、又は走行経路の転回などの時点をとらえて、走行目的が達成したとして、目的地到着とし、その地点からまた新しいトリップが始まるものとしている。
【0007】
ところが、車両の走行速度や走行経路で車両の「目的地到着」「出発」を判断するだけでは判断精度が十分でない。車両の内部状態を検出して、その内部状態に基づいて、車両の「目的地到着」「出発」を判断することが望まれる。
そこで、本発明は、車両の内部状態を検出して、その内部状態に基づいて、車両の「目的地到着」「出発」を精度よく判断することのできるOD判定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のOD判定装置は、車両に備えられ、エンジンのイグニッションの状態を検出するイグニッションセンサと、イグニッションセンサにより、イグニッションオフの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、イグニッションセンサにより、イグニッションオフの状態が所定時間以上継続した後、イグニッションオンになった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項1)。
【0009】
前記の構成によれば、エンジンの点火状態に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。オフの状態が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、信号待ちなどでアイドリングを切る場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
本発明のOD判定装置は、車両の走行状態を検出して停車判定を行う停車判定手段と、停車判定手段により、車両が所定時間以上停車していると判定された時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、停車判定手段により、車両が所定時間以上停車し、その後車両が動き出した時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項2)。この発明は、車両の走行状態を検出して停車判定を行い、停車判定に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。停車が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、信号待ちや渋滞などで停車する場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
【0010】
本発明のOD判定装置は、車両に備えられたパーキングブレーキセンサと、パーキングブレーキセンサにより、パーキングブレーキオンの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、パーキングブレーキセンサにより、パーキングブレーキオンの状態が所定時間以上継続した後、パーキングブレーキオフになった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項3)。この発明は、車両のパーキングブレーキの状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。パーキングブレーキオンの状態が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、信号待ちなどで停車中にパーキングブレーキをオンにする場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
【0011】
本発明のOD判定装置は、変速ギヤの操作状態を検出するシフトレバーセンサと、シフトレバーセンサにより、シフトレバーPレンジの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、シフトレバーセンサにより、シフトレバーPレンジの状態が所定時間以上継続した後、Pレンジが解除になった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項4)。この発明は、車両のシフトレバーの状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。シフトレバーPレンジの状態が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、信号待ちなどで停車中にシフトレバーをPレンジにする場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
【0012】
なお、手動変速車では、シフトレバーをシフトノブ、Pレンジをニユートラル位置と読み替える。
本発明のOD判定装置は、車両のドアの開閉を検出するドアセンサと、ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、目的地到着と判定された後、ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項5)。この発明は、車両のドアの開閉状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。トリップ途中にドアを開閉することは、通常起こらないので、このドアの開閉に基づいて「目的地到着」「出発」を精度よく判断することができる。
【0013】
本発明のOD判定装置は、ハザードランプのオンオフ状態を検出するハザードランプセンサと、ハザードランプセンサにより、ハザードランプオンの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、ハザードランプセンサにより、ハザードランプオンの状態が所定時間以上継続した後、ハザードランプがオフになった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項6)。この発明では、車両のハザードランプの状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。ハザードランプオンの状態が「所定時間以上継続」するかどうかを判定しているのは、走行途中で短時間停車してハザードランプを点灯する場合があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするためである。
【0014】
なお、走行中にハザードランプを所定時間以上点灯する場合(高速道路など)があり、このような場合を「目的地到着」と誤判定しないようにするため、車両の走行速度を検出する速度センサをさらに備え、前記目的地到着判定手段は、速度センサにより車両が走行中と判定された場合に、車両の目的地到着判定を中止するものであることが好ましい(請求項7)。
本発明のOD判定装置は、タクシー車両のタクシーメータの「空車」「賃走」などの状態を検出するタクシーメータセンサと、タクシーメータセンサにより、タクシーメータの状態が切り替えられた時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、 目的地到着と判定された後、タクシーメータセンサにより、タクシーメータの状態が切り替えられた時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えるものである(請求項8)。この発明は、タクシー車両のタクシーメータの「空車」「賃走」などの状態を検出し、その結果に基づいて「目的地到着」「出発」を判断する。トリップ途中にタクシーメータの状態を切り替えることは、通常起こらないので、このタクシーメータの切り替えに基づいて「目的地到着」「出発」を精度よく判断することができる。
【0015】
以上の発明の構成において、目的地到着判定手段により車両が目的地に到着したと判定されると、その時点の車両の検出位置を目的地として設定し、出発判定手段により車両が出発したと判定されると、その時点の車両の検出位置を出発地として設定することができる(請求項9,10)。これにより、1トリップにおける目的地(Destination)を設定し、かつ、次のトリップにおける出発地(Origin)を設定することができる。
【0016】
また、車両が走行中の道路は、高速道路又は自動車専用道路であると判定されると、出発地の設定を行わず、目的地の設定も行わないことが好ましい(請求項11,12)。通常、高速道路又は自動車専用道路の中に出発地、目的地を設定することは起こらないからである。
前記出発設定手段により設定された出発地と、出発後、そのトリップを構成する前記目的地設定手段により設定された目的地との距離が、所定距離以内である場合は、目的地の設定を無効とすることが好ましい(請求項13)。これは、「目的地到着」「出発」の誤判定を避けるためである。停車中に、エンジンのオン→オフをしたり、ドアの開閉を行ったり、パーキングブレーキを切ったり入れたり、ハザードランプをオンオフしたり、シフトレバーをPレンジから外してまた入れ直したりすることは、よく行われる、そのたびに、出発、目的地到着と判定するのは明らかに誤った判定になる。そこで、このような誤判定を避けるために、出発地と目的地との距離を判定するのである。
【0017】
前記出発設定手段により出発地を設定した後、車両の位置が大きく位置飛びした場合は、前記設定された出発地を無効とし、その後に出発設定手段により出発地を再設定することが好ましい(請求項14)。これは、フェリーなどで車両を運搬した場合に、車両が走行していないのに、車両の位置が大きく位置飛びすることがあり、このような場合に、前記設定された出発地を無効とし、その後に出発設定手段により出発地を再設定することにより、設定間違いを避けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態のOD判定装置は、車両に搭載される車載装置(車両に備え付けた装置、車両に持ち込んだ装置のいずれをも含む。)及び車載装置と通信を行うセンター装置を構成要素として含んでいる。
―第1の実施形態―
図1は、車載装置Aの機能ブロック図である。車載装置Aは、車両の位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信機、車両の方位を検出する光ファイバジャイロなどの方位センサ、車輪の角速度を検出することにより車速を検出する車速センサ、及びこれらの各センサの検出信号と地図データベースに格納された地図データとに基づいて車両の道路上の位置を検出する位置検出部1を備えている。
【0019】
また車両には、車両のドアの開閉を検出するドアセンサ、パーキングブレーキの状態を検出するパーキングブレーキセンサ、エンジンのイグニッションの状態を検出するイグニッションセンサが設けられている。前記「ドア」は、乗降用のサイドドアの他、車両のボンネット、車両後部の荷物用のドアを含んでもよい。
さらに車両には、変速ギヤの操作状態を検出するシフトレバーセンサ、ハザードランプのオンオフ状態を検出するハザードランプセンサ、タクシーの場合タクシーメータの「空車」「賃走」などの状態を検出するタクシーメータセンサが設けられている。
【0020】
さらに車載装置Aには、車速センサの検出信号及び位置検出部1の位置検出信号に基づいて車両の停車を判定する停車判定部2、位置検出部1により検出された当該車両の位置及び地図データに基づいて、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を判別する道路種別判定部3、タイマー部4、目的地到着判定部5、出発判定部6、目的地設定部7、出発地設定部8、位置比較部9、送受信機10などが設けられている。
【0021】
車載装置Aは、コンピュータ、メモリ、入出力装置等を備え、前記位置検出部1、停車判定部2、道路種別判定部3、タイマー部4、目的地到着判定部5、出発判定部6、目的地設定部7、出発地設定部8、位置比較部9などで行う各処理機能の全部又は一部は、前記メモリに記録されたプログラムをコンピュータが実行することにより実現される。
前記停車判定部2は、車速センサの検出信号に基づいて車両の速度が0になったとき、又は位置検出部1の位置検出信号に基づいて、所定時間(例えば20秒)前の車両の位置と現在の車両の位置とが、位置検出部1の位置検出誤差の範囲内にあるときに、当該車両を「停車」していると判断し、停車信号を出力する。
【0022】
タイマー部4は、停車判定部2の停車信号、イグニッションセンサの検出信号、パーキングブレーキセンサの検出信号、ハザードランプセンサの検出信号、及びシフトレバーセンサの検出信号を入力している。タイマー部4は、各信号の所定の状態が継続する時間をそれぞれ測定し、次の条件が満たされた場合に、目的地到着判定部5に信号を出力する。それらの条件とは、
(a)停車判定部2の停車信号が一定時間継続した場合
(b)パーキングブレーキ入りの状態が一定時間継続した場合
(c)イグニッションオフの状態が一定時間継続した場合
(d)ハザードランプオンの状態が一定時間継続した場合
(e)シフトレバーがPレンジに入った状態が一定時間継続した場合
である。前記「一定時間」は、信号待ち等ではありえない時間(例えば5分)に設定する。(a)〜(e)で同じ値を設定してもよく、違う値を設定してもよい。
【0023】
ただし、(d)のハザードランプの場合、車両が走行中は、オン判定しないことが好ましい。これは、高速道路などで走行中、渋滞末尾にハザードランプが押されることがあるので、これを除外するためである。
目的地到着判定部5には、前記タイマー部4の出力信号とともに、ドアセンサの検出信号と、タクシーの場合タクシーメータセンサの検出信号が入力される。
目的地到着判定部5は、前記(a)から(e)までの条件が満たされた時点、ドアセンサの検出信号によりドアが一回でも開き又は閉じられた時点、タクシーの場合はタクシーメータの状態が、例えば「空車」から「賃走」、「賃走」から「空車」に切り替わった時点で、1トリップが終わって目的地に到着したと判断する。
【0024】
道路種別判定部3は、位置検出部1により検出された当該車両の位置及び地図データに基づいて、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を判別している。
目的地到着判定部5は、1トリップが終了したと判断した場合、その時点での、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を、道路種別判定部3から入手する。そして、道路種別が高速道路あるいは自動車専用道路でない場合に、目的地設定部7に出力信号を送る。
【0025】
高速道路あるいは自動車専用道路を除外したのは、高速道路上や自動車専用道路上では、トリップが終わることはありえないとして、目的地や出発地を設定しないこととしたためである。
目的地設定部7は、目的地到着判定部5から出力信号を受けた時点で位置検出部1により検出された当該車両の位置を参照する。
位置比較部9は、当該車両の位置と、前回設定された出発地との距離差(直線距離)を求めて、その距離差が、位置検出部1の位置検出制度に依存する値(例えば20m)よりも小さければ、目的地を設定しないようにする。これは停車中に、エンジンのオンオフをしたり、ドアの開閉を行ったり、パーキングブレーキを切ったり入れたり、ハザードランプをオンオフしたり、シフトレバーをPレンジから外してまた入れ直したりすることは、よく行われる、そのたびに、出発、目的地到着と判定するのは明らかに誤った判定になるからである。
【0026】
その距離差が、位置検出部1の位置検出制度に依存する値よりも大きければ、目的地設定部7は、当該車両の位置を目的地Dとして設定する。設定された目的地はメモリ11に格納する。
一方、出発判定部6は、停車判定部2の停車信号、イグニッションセンサの検出信号、パーキングブレーキセンサの検出信号、ハザードランプセンサの検出信号、及びシフトレバーセンサの検出信号、ドアセンサの検出信号、及びタクシーの場合タクシーメータセンサの検出信号を入力している。
【0027】
出発判定部6は、次の条件が満たされた時点で、車両が新しいトリップに入ったと判定する。
(a′)停車判定部2の停車信号が一定時間継続した後解除された場合
(b′)パーキングブレーキ入りの状態が一定時間継続した後オフになった 場合
(c′)イグニッションオフの状態が一定時間継続した後オンになった場合
(d′)ハザードランプオンの状態が一定時間継続した後オフになった場合
(e′)シフトレバーがPレンジに入った状態が一定時間継続した後解除さ れた場合
(f′)ドアが開閉して目的地到着と判定された場合、
(g′)タクシーの場合はタクシーメータの状態が切り替わり、目的地到着 と判定された場合。
【0028】
前記(f′)(g′)の判定では、目的地到着の直後に出発が始まると判定する。前記(d′)の場合、車両が走行中は、判定しないことが好ましい。この理由は前述したとおりである。
出発地設定部8は、出発判定部6から出力信号を受けた時点で位置検出部1により検出された当該車両の位置を参照し、その位置を出発地Oとして設定する。設定された出発地Oはメモリに格納する。
【0029】
なお、出発地Oを設定した直後(例えば5分以内)、位置検出部1により検出された車両の位置が大きく(例えば時速150km以上に相当する距離)位置飛びした場合は、出発地設定部8は、前に設定した出発地をキャンセルし、位置飛び直後の位置を再設定する。例えば車両が走行せずフェリーや車両輸送車で移動した場合が該当する。
メモリに時間順に格納された出発地Oと目的地Dとを結んでいくと、一連のトリップを決定することができる。
【0030】
出発地Oと目的地Dとのデータは、送受信機10(携帯電話機、PHSなど)を用いて、センター装置Bに送信される。
図2は、センター装置Bの機能ブロック図である。センター装置Bは、車載装置Aとの間の送受信信号を処理可能な形に変換する変換する入力変換部21、車載装置Aから受信される出発地O、目的地Dのデータを集計するデータ集計部22、データ集計部22のメモリに蓄積されたデータを取り出して、そのデータに基づいてOD間走行経路を求めるOD走行経路取得部23、OD間走行経路を統計的に処理することによりOD交通量を推定するOD交通量推定部24を備えている。図2の円筒形は、それぞれの部位に所属するメモリを示している。
【0031】
以下、OD走行経路取得部23、OD交通量推定部24で行う各処理を簡単に説明する。OD走行経路取得部23は、データ集計部22のメモリに蓄積された所定日数分の車両の識別コード、出発地Oと目的地Dのデータ、出発地Oの発車時刻のデータ、目的地Dの到達時刻のデータを取得する。そして、このデータを識別コードごとにソートして、メモリに記憶する。
次に、メモリに記憶されたデータから、同一車両識別コードのデータを取り出す。この同一車両識別コードのデータに基づいて、時刻順に並べ替える。これにより、出発地Oと目的地Dを通過順に特定できる。また、出発地Oと目的地D間の走行時間を算出することができる。
【0032】
次に、出発地Oと目的地D間の走行経路を求める。走行経路は、公知のダイクストラ法、ポテンシャル法等に基づいて、出発地Oと目的地D間の最適経路を算出する(例えば特開平7−244798号公報参照)。最適経路を算出するには、リンク旅行時間又はリンク距離のいずれをベースとしてもよい。
実際に車両が算出された最適経路を走行したかどうか100%確定できないが、最適経路を走行した可能性がもっとも高いので、車両は最適経路を走行したものとみなし、これを走行経路とする。
【0033】
なお、車載装置Aから、実際の走行経路情報が取得できるのであれば、その取得した走行経路を採用すればよく、センター装置Bはわざわざ走行経路を算出する必要がない。
以上のようにして求められたOD走行経路のデータを、車載装置Aを搭載する他の車両についても求める。このようなOD走行経路のデータを所定の期間にわたって蓄積すれば、OD交通量の推定処理に進む。
【0034】
OD交通量推定部24は、以上のようにして求められた各車両のOD間走行経路を、地域別、時間帯別に分類し、各地域ごと、時間帯ごとに、各車両のOD間走行経路に基づいてOD交通量を算出する。この場合、車載装置ACを搭載する車両と搭載しない車両との双方、すなわち全車両についてのOD交通量を推定する必要があるので、車載装置ACを搭載する車両のOD交通量に、車載装置ACを搭載する車両と全車両との比率の逆数をかけて、全車両のOD交通量を求めればよい。
【0035】
以上のOD交通量Qを用いれば、リンクごとに、各時刻の交通量を予測することができ、交通量予測や交通量制御に役立てることができる。
―第2の実施形態―
この実施形態では、車載装置Aで車両の位置を検出し、その位置データと、ドアセンサ、パーキングブレーキセンサ、イグニッションセンサ、シフトレバーセンサ、ハザードランプセンサ、タクシーメータセンサなどの検出データを、送受信機10(携帯電話機、PHSなど)を用いて、センター装置Bに送信する。センター装置Bは、前記車両の位置データ、各種センサの検出データに基づいて、当該車両の目的地到着判定、出発判定、目的地設定、出発地設定、OD走行経路算出、OD交通量推定などの処理を行う。
【0036】
図3は、車載装置Aの機能ブロック図である。車載装置Aは、車両の位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)受信機、車両の方位を検出する光ファイバジャイロなどの方位センサ、車輪の角速度を検出することにより車速を検出する車速センサ、及びこれらの各センサの検出信号と地図データベースに格納された地図データとに基づいて車両の道路上の位置を検出する位置検出部1を備えている。
【0037】
また車両には、車両のドアの開閉を検出するドアセンサ、パーキングブレーキの状態を検出するパーキングブレーキセンサ、エンジンのイグニッションの状態を検出するイグニッションセンサが設けられている。前記「ドア」は、乗降用のサイドドアの他、車両のボンネット、車両後部の荷物用のドアを含んでもよい。
さらに車両には、変速ギヤの操作状態を検出するシフトレバーセンサ、ハザードランプのオンオフ状態を検出するハザードランプセンサ、タクシーの場合タクシーメータの「空車」「賃走」などの状態を検出するタクシーメータセンサが設けられている。
【0038】
これらの車両の位置データ、各種センサの検出信号は、送受信機10によって、センター装置Bに送信される。ただし、ハザードランプの場合、車両が走行中は、オン判定しないことが好ましいので、走行中のハザードランプのデータを送信しないことが好ましい。
図4は、センター装置Bの機能ブロック図である。センター装置Bは、車載装置Aから送られてくる受信信号を処理可能な形に変換する入力変換部21、車載装置Aから受信される各種データを集計するデータ集計部22、データ集計部22のメモリに蓄積された車速データ及び位置検出データに基づいて車両の停車を判定する停車判定部2、当該車両の位置及び地図データに基づいて、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を判別する道路種別判定部3、タイマー部4、目的地到着判定部5、出発判定部6、目的地設定部7、出発地設定部8、位置比較部9、OD走行経路取得部、OD交通量推定部24などを設けている。
【0039】
これらの停車判定部2、道路種別判定部3、タイマー部4、目的地到着判定部5、出発判定部6、目的地設定部7、出発地設定部8、位置比較部9などで行う各処理機能の全部又は一部は、メモリに記録されたプログラムをセンター装置Bのコンピュータが実行することにより実現される。
前記停車判定部2は、車速信号に基づいて車両の速度が0になったとき、又は所定時間(例えば20秒)前の車両の位置と現在の車両の位置とが、位置検出部1の位置検出誤差の範囲内にあるときに、当該車両を「停車」していると判断し、停車信号を出力する。
【0040】
タイマー部4は、停車判定部2の停車信号、イグニッションセンサの検出信号IG、パーキングブレーキセンサの検出信号PB、ハザードランプセンサの検出信号HZ、及びシフトレバーセンサの検出信号SLを入力している。タイマー部4は、各信号の所定の状態が継続する時間をそれぞれ測定し、前記「第1の実施形態」で説明した(a)〜(e)の条件が満たされた場合に、目的地到着判定部5に信号を出力する。前記「一定時間」は、信号待ち等ではありえない時間に設定する。
【0041】
ドアセンサの検出信号DRと、タクシーの場合タクシーメータセンサの検出信号TXは、タイマー部4を通さないで、目的地到着判定部5に入力される。
目的地到着判定部5は、前記(a)から(e)までの条件が満たされた時点、ドアセンサの検出信号によりドアが一回でも開き又は閉じられた時点、タクシーの場合はタクシーメータの状態が、例えば「空車」から「賃走」、「賃走」から「空車」に切り替わった時点で、1トリップが終わって目的地に到着したと判断する。
【0042】
道路種別判定部3は、車両の位置データ及び地図データに基づいて、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を判別している。
目的地到着判定部5は、1トリップが終了したと判断した場合、その時点での、当該車両が走行又は停車している道路の道路種別を、道路種別判定部3から入手する。そして、道路種別が高速道路あるいは自動車専用道路でない場合に、目的地設定部7に出力信号を送る。高速道路あるいは自動車専用道路を除外する理由は、「第1の実施形態」で説明したとおりである。
【0043】
目的地設定部7は、目的地到着判定部5から出力信号を受けた時点での、当該車両の位置データを参照する。位置比較部9は、当該車両の位置と、前回設定された出発地との距離差を求めて、その距離差が、位置検出部1の位置検出制度に依存する値(例えば20m)よりも小さければ、目的地を設定しないようにする。その距離差が、位置検出部1の位置検出制度に依存する値よりも大きければ、目的地設定部7は、当該車両の位置を目的地Dとする。
【0044】
出発判定部6は、停車判定部2の停車信号、イグニッションセンサの検出信号、パーキングブレーキセンサの検出信号、ハザードランプセンサの検出信号、及びシフトレバーセンサの検出信号、ドアセンサの検出信号、及びタクシーの場合タクシーメータセンサの検出信号を入力している。
出発判定部6は、前記「第1の実施形態」で説明した(a′)〜(g′)の条件が満たされた場合に、車両が新しいトリップに入ったと判定する。
【0045】
出発地設定部8は、出発判定部6から出力信号を受けた時点で位置検出部1により検出された当該車両の位置を参照し、その位置を出発地Oとして設定する。設定された出発地はメモリに格納する。
なお、出発地Oを設定した直後(例えば5分以内)、位置検出部1により検出された車両の位置が大きく(例えば時速150km以上に相当する距離)位置飛びした場合は、出発地設定部8は、前に設定した出発地をキャンセルするのは、すでに説明したとおりである。
【0046】
設定された出発地Oと目的地Dとのデータは、一時的にメモリに蓄積され、ここからOD走行経路取得部23に供給される。
OD走行経路取得部23がOD走行経路を算出する手順、OD交通量推定部24がOD交通量を推定する手順は、図2を用いて説明したのと同じであるから、ここでは説明を省略する。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、車両の内部状態を各種センサにより検出して、その内部状態に基づいて、車両の「目的地到着」「出発」を精度よく判断することができる。したがって、OD間走行経路を取得してOD交通量を推定することができ、交通量予測や交通量制御に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における車載装置Aの機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるセンター装置Bの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態における車載装置Aの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるセンター装置Bの機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 位置検出部
2 停車判定部
3 道路種別判定部
4 タイマー部
5 目的地到着判定部
6 出発判定部
7 目的地設定部
8 出発地設定部8
9 位置比較部
10 送受信機
11 メモリ
21 入力変換部
22 データ集計部
23 OD走行経路取得部
24 OD交通量推定部
A 車載装置
B センター装置
Claims (14)
- 車両に備えられ、エンジンのイグニッションの状態を検出するイグニッションセンサと、
イグニッションセンサにより、イグニッションオフの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、
イグニッションセンサにより、イグニッションオフの状態が所定時間以上継続した後、イグニッションオンになった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えることを特徴とするOD判定装置。 - 車両の走行状態を検出して停車判定を行う停車判定手段と、
停車判定手段により、車両が所定時間以上停車していると判定された時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、
停車判定手段により、車両が所定時間以上停車し、その後車両が動き出した時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えることを特徴とするOD判定装置。 - 車両に備えられたパーキングブレーキセンサと、
パーキングブレーキセンサにより、パーキングブレーキオンの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、
パーキングブレーキセンサにより、パーキングブレーキオンの状態が所定時間以上継続した後、パーキングブレーキオフになった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えることを特徴とするOD判定装置。 - 変速ギヤの操作状態を検出するシフトレバーセンサと、
シフトレバーセンサにより、シフトレバーPレンジの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、
シフトレバーセンサにより、シフトレバーPレンジの状態が所定時間以上継続した後、Pレンジが解除になった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えることを特徴とするOD判定装置。 - 車両のドアの開閉を検出するドアセンサと、
ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、
目的地到着と判定された後、ドアセンサにより、ドアの開閉を検出した時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えることを特徴とするOD判定装置。 - ハザードランプのオンオフ状態を検出するハザードランプセンサと、
ハザードランプセンサにより、ハザードランプオンの状態が所定時間以上継続した時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、
ハザードランプセンサにより、ハザードランプオンの状態が所定時間以上継続した後、ハザードランプがオフになった時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えることを特徴とするOD判定装置。 - 車両の走行速度を検出する速度センサをさらに備え、
前記目的地到着判定手段は、速度センサにより車両が走行中と判定された場合に、車両の目的地到着判定を中止するものである請求項6記載のOD判定装置。 - タクシー車両のタクシーメータの「空車」「賃走」などの状態を検出するタクシーメータセンサと、
タクシーメータセンサにより、タクシーメータの状態が切り替えられた時点で、車両の目的地到着を判定する目的地到着判定手段と、
目的地到着と判定された後、タクシーメータセンサにより、タクシーメータの状態が切り替えられた時点で、車両の出発を判定する出発判定手段とを備えることを特徴とするOD判定装置。 - 車両の位置検出手段をさらに備え、
前記目的地到着判定手段により車両が目的地に到着したと判定されると、その時点の車両の検出位置を目的地として設定する目的地設定手段を備える請求項1〜請求項8のいずれかに記載のOD判定装置。 - 車両の位置検出手段をさらに備え、
前記出発判定手段により車両が出発したと判定されると、その時点の車両の検出位置を出発地として設定する出発地設定手段を備える請求項1〜請求項8のいずれかに記載のOD判定装置。 - 道路種別判定手段をさらに備え、
道路種別判定手段により、車両が走行中の道路は高速道路、又は自動車専用道路であると判定されると、前記目的地設定手段は、目的地の設定を中止するものである請求項9記載のOD判定装置。 - 道路種別判定手段をさらに備え、
道路種別判定手段により、車両が走行中の道路は高速道路、又は自動車専用道路であると判定されると、前記出発設定手段は、出発地の設定を中止するものである請求項10記載のOD判定装置。 - 前記出発設定手段により設定された出発地と、出発後、そのトリップを構成する前記目的地設定手段により設定された目的地との距離が、所定距離以内である場合は、目的地の設定を無効とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のOD判定装置。
- 車両の位置検出手段をさらに備え、
前記出発設定手段により出発地を設定した後、車両の位置が大きく位置飛びした場合は、前記設定された出発地を無効とし、その後に出発設定手段により出発地を再設定する請求項1〜請求項8のいずれかに記載のOD判定装置。
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