JPH0783678A - 自動車の経路誘導装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 たとえ走行目的地が未設定であっても適切な
走行経路計画を可能とする自動車の経路誘導装置を提供
する。 【構成】 自車の走行履歴から走行目的地となり得る複
数の走行目的地候補Ｐ１〜Ｐ３を算出して走行履歴デー
タメモリに記憶しておく。そして、自車が走行目的地未
設定の状態で走行しているとき、自車の現在の走行路お
よび過去に該走行路を経由して前記各走行目的地候補に
到達した頻度から、走行目的地候補Ｐ１〜Ｐ３のうちの
１つを走行目的地と推定して走行経路計画を行う。例え
ば、Ｓを出発し、リンクＬ（Ｎ１４，Ｎ１０）を走行し
ているとき、走行履歴データベースを検索し、Ｌ（Ｎ１
４，Ｎ１０）を経由して到達した走行目的地とその頻度
を調べる。その結果、Ｐ１に６０％、Ｐ２に３０％、Ｐ
３に１０％であったならば、Ｐ１を走行目的地と推定し
て走行経路計画を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、地図データベースを用
いて自車現在位置から所定の設定された走行目的地まで
の走行経路の計画を行い、この計画された走行経路に基
づいて自車の経路誘導を行う自動車の経路誘導装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、不案内な土地での車両走行を支援
するため、経路誘導装置（ナビゲーション装置）が自動
車に搭載されるようになってきている。この経路誘導装
置は、例えば特開平２−１２９８００号公報に開示され
ているように、一般に、地図データベースを用いて自車
現在位置から所定の走行目的地までの走行経路の計画を
行い、この計画された走行経路に基づいて自車の経路誘
導を行うようになっている。そして、上記走行目的地は
運転者等の入力操作により設定されるようになってい
る。また、上記走行経路の計画は、走行経路ロス（すな
わち、走行時間のロス、走行距離のロス、走行し易さの
ロス等の所期走行阻害するもの）が最小となるような最
適走行経路を地図データベースから検索することにより
行うのが一般的である。例えば上記公報記載の経路誘導
装置では、自車現在位置から走行目的地までの走行所要
時間が最も短くなるような最短時間経路を地図データベ
ースから検索して走行経路計画を行うようになってい
る。

【０００３】ところで、経路誘導装置は、不案内な土地
だけでなく日常的に走行する地域内においても利用価値
がある。例えば、交通情報に基づいて渋滞を回避する走
行経路を計画するようにすれば、走行経路ロスを少なく
することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
経路誘導装置においては、走行目的地の設定入力がなさ
れることが走行経路計画実行の前提となっており、走行
目的地が未設定では走行経路計画が行われることはな
い。このため、日常的走行地域内を走行する際のよう
に、運転者があえて走行目的地の設定入力を行わないよ
うな走行状況下においては、走行経路計画が行われるこ
とはない。このため、渋滞を回避する走行経路等の計画
および経路誘導を行うことができない、という問題があ
る。

【０００５】また、日常的走行地域外の走行目的地であ
っても、何度か行ったことがある走行目的地であれば、
自車がその走行目的地に向かって走行していることが明
らかになったとき、走行目的地の設定入力を待たずに走
行経路計画を行うことにより、いち早く経路誘導を行う
ことができ、これにより走行経路ロスを少なくすること
が可能となるが、従来の経路誘導装置ではこのような処
理を行うことができない、という問題がある。

【０００６】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、走行目的地が未設定であっても、適切
な走行経路計画を行うことができる自動車の経路誘導装
置を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る経路誘導装
置は、自車の走行履歴から複数の走行目的地候補を算出
し記憶しておき、走行目的地未設定時には自車走行状態
に基づいて上記走行目的地候補のうちの１つを走行目的
地と推定して走行経路計画を行うようにすることによ
り、上記目的達成を図るようにしたものである。

【０００８】すなわち、請求項１に記載したように、地
図データベースを用いて自車現在位置から所定の設定さ
れた走行目的地までの走行経路の計画を行う走行経路計
画手段と、この計画された走行経路に基づいて自車の経
路誘導を行う経路誘導手段と、を備えた自動車の経路誘
導装置であって、自車の走行履歴から前記走行目的地と
なり得る複数の走行目的地候補を算出する走行目的地候
補算出手段と、これら算出された走行目的地候補を記憶
する走行目的地候補記憶手段とを備え、前記走行経路計
画手段は、自車が前記走行目的地未設定の状態で走行し
ているとき、自車の走行状態に基づいて前記走行目的地
候補のうちの１つを前記走行目的地と推定して前記走行
経路計画を行うように構成されている、ことを特徴とす
るものである。

【０００９】上記「走行状態」は、走行目的地候補のう
ちの１つを走行目的地と推定可能なものであれば、その
認識方法は特に限定されるものではなく、例えば、請求
項２に記載したように、現在の走行路および過去に該走
行路を経由して前記各走行目的地候補に到達した頻度か
ら認識するようにしてもよいし、あるいは請求項３に記
載したように、現在の走行路および走行時間帯から認識
するようにしてもよい。

【００１０】

【発明の作用および効果】上記構成に示すように、自車
の走行履歴から複数の走行目的地候補を算出してこれら
を走行目的地候補記憶手段に記憶しておき、走行目的地
未設定の状態で自車が走行しているときには、自車の走
行状態に基づいて、上記走行目的地候補のうちの１つを
走行目的地と推定して走行経路計画を行うように構成さ
れているので、たとえ走行目的地が未設定であっても走
行経路計画を行うことが可能となる。そして、これによ
り、運転者による走行目的地の設定入力があまり期待で
きない日常的走行地域内における渋滞回避走行経路等の
計画が可能となり、これにより走行経路ロスを少なくす
ることができる。また、日常的走行地域外であっても何
度か行ったことがある走行目的地であればその設定入力
を待たずに走行経路計画を行って、いち早く経路誘導を
行うことができ、これにより走行経路ロスを少なくする
ことができる。

【００１１】このように、本発明によれば、走行目的地
が未設定であっても、適切な走行経路計画を行うことが
できる。

【００１２】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。

【００１３】図１は、本発明に係る自動車の経路誘導装
置の一実施例を示すブロック図である。

【００１４】この経路誘導装置は、自動車に搭載された
装置であって、図示のように、地図データベース１２
と、定位装置１４と、経路計画装置１６と、データ処理
装置１８と、画像出力装置２０と、音声出力装置２２
と、走行目的地候補算出装置２４と、走行履歴データメ
モリ２６と、走行時間帯認識装置２８とを備えてなって
いる。

【００１５】上記地図データベース１２は、広範囲にわ
たる道路網その他の地図データを記憶したデータベース
であり、経路計画装置１６、データ処理装置１８および
走行目的地候補算出装置２４からアクセス可能とされて
いる。この地図データベース１２における道路網は、複
数のノード（交差点等の節目）と、これら各ノード間を
接続するリンク（走行路の最小単位）とによって記憶さ
れている。

【００１６】上記定位装置１４は、自車現在位置を認識
するための装置であって、ＧＰＳ受信機、ジャイロある
いは地磁気センサ等を用いた公知の方法で自車現在位置
の認識を行うように構成されており、この定位装置１４
において認識された自車現在位置のデータは経路計画装
置１６およびデータ処理装置１８に出力されるようにな
っている。

【００１７】上記経路計画装置１６は、走行目的地をマ
ニュアル入力により設定可能とされており、地図データ
ベース１２を用いて自車現在位置から上記設定された走
行目的地までの走行経路の計画を行うようになってい
る。この走行経路計画においては、自車現在位置から走
行目的地までの走行経路ロスが最小となる最適走行経路
を、ダイキストラ法等の手法を用いて求める処理が行わ
れるようになっている。上記走行経路ロスは、上記各リ
ンク毎および各ノード毎に設定されたコスト（すなわ
ち、該リンクを走破するのに要する時間（旅行時間）、
該リンクの道幅、勾配、舗装有無、該ノードにおける直
進、右折、左折の別等、走行し易さを阻害する程度）の
累積値として算出されるようになっている。

【００１８】上記データ処理装置１８は、経路計画装置
１６によって計画された走行経路に基づいて自車の経路
誘導のためのデータ処理を行う装置であって、上記走行
経路を現在の車両走行位置に応じて順次運転者に提示し
て上記経路誘導を行うようになっている。上記走行経路
の提示は、画像出力装置２０および音声出力装置２２を
用いて画像および音声により運転者の視覚および聴覚に
訴えて行うようになっている。

【００１９】上記走行目的地候補算出装置２４は、自車
の走行履歴から走行目的地となり得る複数の走行目的地
候補を算出するようになっており、これら算出された走
行目的地候補は、走行履歴データメモリ２６に記憶され
るようになっている。すなわち、走行目的地候補算出装
置２４は、自車走行が開始されると、自車走行により通
過したリンクとその通過した方向とを、該リンクに入っ
た走行時間帯と共にリンクデータとして走行履歴データ
メモリ26に逐次記憶させていき、自車走行時、所定条件
を満たす地点に到達したとき、該地点を走行目的地候補
（走行目的地となり得る地点）として認識するようにな
っている。上記「走行時間帯」は、時計およびカレンダ
センサを備えた走行時間帯認識装置２８により走行日時
および曜日で認識されるようになっている。上記「所定
条件」は、車両が走行目的地に到達したときに一般的に
生じる現象、例えば、一定時間以上の停車、一定時間以
上のエンジン停止、ドアの開閉、Ｕターン等が用いられ
る。そして、走行目的地候補算出装置２４は、自車が上
記所定条件を満たす地点に到達したときには、上記認識
された走行目的地候補を上記リンクデータと共に走行履
歴データメモリ２６に記憶させるようになっている。こ
の記憶の際の走行目的地候補は、上記所定条件を満たす
地点そのものであってもよいが、地図データベース１２
における道路網との関連を考慮して、該地点に最も近い
ノードで置き換えて記憶させるようになっている。一
方、自車走行が開始されてから所定時間内に上記所定条
件を満たす地点に到達しなかったときには、走行目的地
候補算出装置２４は、上記リンクデータを破棄するよう
になっている。

【００２０】上記経路計画装置１６は、走行目的地未設
定の状態で自車が走行しているとき、該走行状態に基づ
いて上記走行目的地候補のうちの１つを走行目的地と推
定して走行経路計画を行うようになっている。その際、
自車が現在走行しているリンクおよび過去に該リンクを
経由して各走行目的地候補に到達した頻度から、上記走
行状態を認識するようになっている。すなわち、自車が
現在走行しているリンクを走行履歴データメモリ２６に
記憶されている各リンクデータと照合し、この照合によ
り得られたリンクデータと共に記憶されている走行目的
地候補のうち、該リンクとの関係で到達頻度が最も高い
走行目的地候補を走行目的地と推定するようになってい
る。さらに、こうして推定された走行目的地に基づいて
走行経路計画および経路誘導を行っているうちに、自車
走行路がこの計画された走行経路から明らかにずれてい
ることが判明したときには、走行目的地を誤って推定し
たとして、新たに現在の自車走行状態に基づいて走行目
的地の推定を行うようになっている。

【００２１】次に、上記経路計画装置１６による走行目
的地推定方法の具体例について、図２に示す地図を用い
て説明する。なおこの説明に用いる記号の意味は以下の
通りである。

【００２２】Ｓ ：出発地点 Ａ ：走行目的地未設定の状態で最初に経
路計画された走行経路 Ｐ１〜Ｐ３ ：走行履歴データメモリに記憶されて
いる走行目的地候補 Ｎｉ ：ノード番号ｉのノード Ｌ（Ｎｉ，Ｎｊ）：ノードＮｉとＮｊを結ぶ経路をＮｉ
からＮｊに向かって走行するリンク（逆方向に走行する
場合のリンクはＬ（Ｎｊ，Ｎｉ）） Ｓを出発し、現在Ｌ（Ｎ１４，Ｎ１０）を走行している
とする。ここで、走行履歴データメモリを検索し、Ｌ
（Ｎ１４，Ｎ１０）を経由して到達した走行目的地とそ
の頻度を調べる。過去にＰ１に６０％、Ｐ２に３０％、
Ｐ３に１０％それぞれ到達したことがあるとすると、こ
の場合、Ｐ１を走行目的地と推定して走行経路計画を行
う。

【００２３】この走行経路計画の結果、走行経路Ａが得
られたとする。この走行経路Ａに基づいて経路誘導を行
っている際、もし自車が経路Ａを外れて例えばＮ１０で
右折した場合には、Ｌ（Ｎ１０，Ｎ１１）に関して上記
と同様に走行履歴データメモリを検索して走行目的地の
推定を行う。

【００２４】以上詳述したように、本実施例において
は、経路計画装置１６により計画された走行経路に基づ
いて、経路誘導装置１８により経路誘導が行われるが、
走行目的地未設定の状態で自車が走行しているときに
は、経路計画装置１６は、自車の走行状態に基づいて、
自車の走行履歴から算出され走行履歴データメモリ２６
に記憶された複数の走行目的地候補のうちの１つを走行
目的地と推定して走行経路計画を行うように構成されて
いるので、たとえ走行目的地が未設定であっても走行経
路計画を行うことが可能となる。そして、これにより、
運転者による走行目的地の設定入力があまり期待できな
い日常的走行地域内における渋滞回避走行経路等の計画
が可能となり、これにより走行経路ロスを少なくするこ
とができる。また、日常的走行地域外であっても何度か
行ったことがある走行目的地であればその設定入力を待
たずに走行経路計画を行って、いち早く経路誘導を行う
ことができ、これにより走行経路ロスを少なくすること
ができる。

【００２５】このように、本実施例によれば、走行目的
地が未設定であっても、適切な走行経路計画を行うこと
ができる。

【００２６】なお、上記実施例においては、自車の現在
の走行路および過去に該走行路を経由して前記各走行目
的地候補に到達した頻度から自車走行状態を認識するよ
うになっているが、これ以外にも、自車の現在の走行路
および走行時間帯から自車走行状態を認識するようにし
てもよい。例えば、平日の朝走行を開始したときには、
自車が出勤途上にあるものと判断し、勤務先を走行目的
地と推定するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動車の経路誘導装置の一実施例
を示すブロック図

【図２】上記実施例の作用を示す地図

【符号の説明】

１２ 地図データベース １４ 定位装置 １６ 経路計画装置（走行経路計画手段） １８ データ処理装置（経路誘導手段） ２０ 画像出力装置 ２２ 音声出力装置 ２４ 走行目的地候補算出装置（走行目的地候補算出
手段） ２６ 走行履歴データメモリ（走行目的地候補データ
記憶手段） ２８ 走行時間帯認識装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地図データベースを用いて自車現在位置
   から所定の設定された走行目的地までの走行経路の計画
   を行う走行経路計画手段と、この計画された走行経路に
   基づいて自車の経路誘導を行う経路誘導手段と、を備え
   た自動車の経路誘導装置であって、 自車の走行履歴から前記走行目的地となり得る複数の走
   行目的地候補を算出する走行目的地候補算出手段と、こ
   れら算出された走行目的地候補を記憶する走行目的地候
   補記憶手段とを備え、 前記走行経路計画手段は、自車が前記走行目的地未設定
   の状態で走行しているとき、自車の走行状態に基づいて
   前記走行目的地候補のうちの１つを前記走行目的地と推
   定して前記走行経路計画を行うように構成されている、
   ことを特徴とする自動車の経路誘導装置。
2. 【請求項２】 前記走行経路計画手段は、前記走行状態
   を、現在の走行路および過去に該走行路を経由して前記
   各走行目的地候補に到達した頻度から認識するように構
   成されている、ことを特徴とする請求項１記載の自動車
   の経路誘導装置。
3. 【請求項３】 前記走行経路計画手段は、前記走行状態
   を、現在の走行路および走行時間帯から認識するように
   構成されている、ことを特徴とする請求項１記載の自動
   車の経路誘導装置。