以下、本発明の実施の形態について説明する。
ここで、具体的な実施の形態を説明する前に、まず、本発明に係る移動先予測装置の特徴を説明する。
本発明に係る移動先予測装置は、移動体の移動先を予測する移動先予測装置であって、移動体の移動履歴を蓄積する移動履歴蓄積手段と、移動体の現在の移動経路である現在経路を記録する現在経路記録手段と、前記移動履歴蓄積手段に蓄積された複数の移動履歴の中から、前記現在経路記録手段で記録された現在経路と類似する移動履歴を選択する移動履歴選択手段と、選択された移動履歴に基づいて、前記移動体の移動先を決定する移動先決定手段とを備え、前記移動履歴および前記現在経路は、地図上の位置を特定するノードの系列で示され、前記移動履歴選択手段は、前記ノードに重みを付与する重み付与部を有し、前記移動履歴と前記現在経路に共通に含まれるノードに付与された重みに基づいて、前記移動経路を選択することを特徴とする。ここで、前記重み付与部は、前記移動履歴に含まれるノードに重みを付与する第1重み付与部と、前記現在経路に含まれるノードに重みを付与する第2重み付与部とを有し、前記移動履歴選択手段は、前記移動履歴に含まれるノードに付与された重みと、前記現在経路に含まれるノードに付与された重みとに基づいて、前記移動経路を選択してもよい。
このような構成によって、移動履歴と現在経路とが完全に一致する場合だけでなく、部分的に一致する箇所(ノード)を用いて移動履歴と現在経路とのマッチングができるので、現在までの移動経路と同一の経路が過去の移動履歴に存在する場合はもちろん、同一の経路がない場合においても類似経路を算出することが可能となり、この類似経路を用いて目的地や、移動先を算出することで、より精度よく予測することができる。
ここで、重み付けの例として、
(1)現在経路に含まれるノードに対して、各ノードの位置と前記移動体の現在位置との間の経路長に依存した重みを付与する、例えば、前記移動体の現在位置に近いノードに対して大きな重みを付与したり、
(2)現在経路に含まれるノードに対して、各ノードを通過した時刻と現在時刻との差に依存した重みを付与する、例えば、現在時刻に近い時刻に通過したノードに対して大きな重みを付与したり、
(3)前記移動履歴蓄積手段に蓄積された移動履歴に含まれる頻度が高いノードに対して大きい重みを付与したり、
(4)交通情報を取得し、取得した交通情報に従って、前記ノードに重みを付与したりする方法が挙げられる。
これによって、異なる地点を出発地とするが途中の経路が共通する移動経路を用いて移動先を予測したり、頻度に基づく重み付けによって例外的な移動履歴を排除したうえで移動先を予測したり、交通情報が示す通行止め区間が含まれる移動経路を予測してしまうことが回避されるようにノードに重みを付与したりすることが可能となり、予測制度が向上される。
また、選択する移動履歴としては、内蔵の移動履歴蓄積手段に限られず、通信ネットワークを介して接続された、複数のユーザの移動履歴が蓄積された外部記憶装置に蓄積された複数の移動履歴の中から、現在経路と類似する移動履歴を選択してもよい。これによって、他人の移動履歴を用いて移動先を予測することが可能となり、移動履歴のデータ量が増加することに伴う予測精度の向上だけでなく、はじめて走行する現在経路に対しても、移動先を予測することが可能となる。
さらに、前記移動先予測装置は、地図情報を取得する地図情報取得手段を備え、前記重み付与部は、取得された地図情報に含まれるノードにも重みを付与したり、前記移動先決定手段によって決定された移動先に関する情報を取得する移動先情報取得手段と、取得された移動先に関する情報をユーザに提示する提示手段とを備える構成としてもよい。このとき、情報の提示においては、前記移動履歴と前記現在経路に共通に含まれるノードに対する重みに基づいて、決定した移動先の確からしさを示す評価値を算出し、前記提示手段は、前記移動先決定手段で算出された評価値が一定のしきい値を超えた場合に、移動先に関する情報をユーザに提示するのが好ましい。これによって、確率の低い移動先に関する情報がユーザに提供されることによる情報過多という不具合が回避される。
また、前記移動先予測装置はさらに、前記移動体の現実の移動先を特定し、特定した現実の移動先と前記移動先決定手段によって決定された移動先とが一致するか否かを判定する移動先判定手段を備え、前記重み付与部は、前記移動先判定手段による判定結果に従って、前記ノードに重みを付与するという学習機能を備えてもよい。具体的には、前記重み付与部は、前記移動先判定手段によって前記移動先が一致すると判定された場合に、前記移動先決定手段による移動先の決定に用いられた移動履歴に含まれるノードに対する重みを大きくする。これによって、過去の予測結果(当否)が次の予測に反映されるので、予測が繰り返されるごとに、予測精度が向上されていく。
さらに、重み付けのパターン(重み付けのルール)としては、1つに限られず、前記重み付与部は、前記ノードに対して、複数のパターンで重みを付与し、前記移動履歴選択手段は、前記複数のパターンに対応させて、複数の移動経路を選択し、前記移動先決定手段は、選択された複数の移動履歴に基づいて、複数の移動先を決定してもよい。これによって、前記移動先予測装置は、前記移動先決定手段によって決定された移動先に関する情報を取得する移動先情報取得手段と、取得された移動先に関する情報をユーザに提示する提示手段とを備える場合に、前記移動先決定手段はさらに、前記移動履歴と前記現在経路に共通に含まれるノードに対する重みに基づいて、決定した複数の移動先について、確からしさを示す評価値を算出し、前記提示手段は、前記移動先決定手段で算出された評価値が一定のしきい値を超える移動先に関する情報をユーザに提示することができる。また、前記移動先予測装置はさらに、前記移動体の現実の移動先を特定し、特定した現実の移動先と一致する移動先を、前記移動先決定手段によって決定された複数の移動先の中から特定する移動先判定手段を備える場合に、前記重み付与部は、前記移動先判定手段によって特定された移動先に含まれるノードに対する重みを大きくすることができる。これによって、重みに関する学習だけでなく、重み付けのルールに関する学習が行われ、予測が繰り返されるに従って、より精度の高い予測ルールが選択されていく。
ここで、前記複数のパターンの例としては、前記移動体の現在位置に近いノードに対して大きな重みを付与するパターン、現在時刻に近い時刻に通過したノードに対して大きな重みを付与するパターン、前記移動履歴蓄積手段に蓄積された移動履歴に含まれる頻度が高いノードに対して大きい重みを付与するパターン、および、現在経路の出発地点に近いノードに対して大きな重みを付与するパターン等が挙げられる。
次に、本発明の具体的な実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるカーナビゲーションシステム100の構成を示す機能ブロック図である。このカーナビゲーションシステム100は、移動履歴と現在の移動経路それぞれに重み付けをした後にマッチングすることによって移動先を予測する点に特徴を有するカーナビゲーションシステムであり、情報提供データベース131と、カーナビゲーション装置101と、位置情報検出部102と、提示部108とから構成される。なお、これらの構成要素のうち、カーナビゲーション装置101、位置情報検出部102および提示部108は、移動体に搭載される車載装置である。情報提供データベース131は、無線通信を含むネットワーク132を介してカーナビゲーション装置101と接続されるデータサーバである。
位置情報検出部102は、移動体の現在位置を計測するセンサ等であり、GPSアンテナ等により構成される。提示部108は、カーナビゲーション装置101によって提供される情報をドライバーに提示する処理部であり、車載ディスプレイ等により構成される。
カーナビゲーション装置101は、本発明に係る移動先予測装置の一例としてのカーナビゲーション本体であり、位置情報検出部102によって検出された位置情報をハードディスク等の記憶媒体において履歴として蓄積し、さらに、ネットワーク132を経由して外部の情報提供データベース131へアクセスすることで、提示部108を介して、ドライバーに店舗情報や道路情報などの情報を提供する装置である。
このカーナビゲーション装置101は、現在時刻を計測する時刻計測部112、位置情報検出部102により検出された位置情報と、時刻計測部112によって得られた時刻、日付情報をもとに、移動経路情報(位置情報と時刻情報の時系列)として生成し、移動経路情報を経路情報記憶部103に保存する経路生成部1021、移動経路情報を蓄積する経路情報記憶部103、経路情報記憶部103から頻出する移動経路パターンを抽出する頻出経路抽出部104、求めるべき時点の移動経路に対して、求めるべき時点に近い移動経路に重み付けを与える重み付け経路生成部110、重み付け経路生成部110にて重み付けされた移動経路に対して一致または類似している移動経路パターンを選択する経路選択部109、経路選択部109で選択された移動経路パターンをもとにドライバーの目的地を予測する目的地予測部111、目的地予測部111で得られた目的地に関する情報を、ネットワークを介して外部の情報提供データベース131を検索する情報検索部113、予測された目的地と検索された情報を提示する提示部108を備える。
なお、本実施の形態におけるカーナビゲーション装置101は、移動体の移動先を予測する移動先予測装置の一例であり、経路情報記憶部103は、移動体の移動履歴を蓄積する移動履歴蓄積手段の一例であり、位置情報検出部102および経路生成部1021は、移動体の現在の移動経路である現在経路を記録する現在経路記録手段の一例であり、頻出経路抽出部104、重み付き経路生成部110および経路選択部109は、前記移動履歴蓄積手段に蓄積された複数の移動履歴の中から、前記現在経路記録手段で記録された現在経路と類似する移動履歴を選択する移動履歴選択手段の一例であり、目的地予測部111は、選択された移動履歴に基づいて、前記移動体の移動先を決定する移動先決定手段の一例であり、重み付き経路生成部110および頻出経路抽出部104は、移動履歴および現在経路に含まれるノードに重みを付与する重み付与部の一例であり、頻出経路抽出部104は、前記移動履歴に含まれるノードに重みを付与する第1重み付与部の機能を有し、重み付き経路生成部110は、前記現在経路に含まれるノードに重みを付与する第2重み付与部の一例であり、情報検索部113は、前記移動先決定手段によって決定された移動先に関する情報を取得する移動先情報取得手段の一例であり、提示部108は、取得された移動先に関する情報をユーザに提示する提示手段の一例である。
このような構成によって、時刻計測部112によって、現在時刻が計測されるとともに、位置情報検出部102によって各時刻における移動体(本実施形態では車両)の位置情報が検出される。一方、現在までの車両の位置情報の時系列としての移動経路情報が経路情報記憶部103において蓄積されており、経路情報記憶部103からユーザ(本実施形態ではドライバー)の頻出する移動経路パターンが頻出経路抽出部104により抽出される。また、求めるべき時点(本実施形態では現在)までの移動経路に対して、例えば、現在地に最も近い経路が今後のドライバーの経路の予測に役立つとみなし、例えば、現在地に近い経路から順に重みが重み付き経路生成部110によって加えられ、重み付き経路生成部110で生成された移動経路に対して一致または類似している移動経路パターンが経路選択部109によって選択され、経路選択部109で選択された移動経路パターンをもとにドライバーの目的地が目的地予測部111によって予測され、目的地予測部111で得られた目的地に関する商用情報などを、ネットワークを介して外部の情報提供データベース131が情報検索部113によって検索され、予測された目的地と検索された商用情報などが提示部108によって提示される。
ここで移動経路とは、移動体が移動する経路の位置情報(本実施の形態では交差点などのノード)の系列であり、さらに付帯情報として日付情報を含む情報を移動経路情報と定義する。また、移動経路パターンとは、蓄積された上記移動経路より、例えば頻度を基にパターン化したものであり、さらに移動経路パターンとその経路を通過後の目的地等を集合としてリスト化したものと定義する。
なお、頻出する移動経路パターンを抽出する方法については、経路情報記憶部103にて移動経路パターンの頻度を求めておき、頻出経路抽出部104にて頻度の高い移動経路パターンから抽出してもよく、あるいは、経路情報記憶部103から頻出経路抽出部104にて移動経路パターンを抽出し、頻度の高い移動経路パターンを取得してもよい。以下、このようにして抽出された頻出する移動経路パターンを「頻出経路パターン」という。
次に、本実施形態におけるカーナビゲーションシステム100の各構成要素の詳細と動作を説明する。
位置情報検出部102は、GPSアンテナ等により構成されており、カーナビゲーション装置101の位置を検出する処理部である。この位置情報検出部102は、所定の間隔(例えば1分間隔とする)で、位置(例えば緯度経度で示す)を検出する。図2は、位置情報検出部102で検出された位置情報の例を示す図である。「2003年1月23日8時10分」に「東経135度20分35秒、北緯34度44分35秒」の位置で検出された等、ユーザの移動と共に所定の間隔で、緯度経度情報が検出されている。
また、図3は、ユーザの移動を示す地図である。黒い太線がユーザの移動であり、自宅を出発し、「a」交差点を右折し、「b」交差点を左折し、「c」交差点を右折した移動を示している。また、白い丸印は、位置情報検出部102で検出される位置情報であり、ユーザの移動に伴い、所定の間隔で位置情報が検出されていることを示している。
経路生成部1021は、位置情報検出部102により検出された位置情報と、時刻計測部112によって得られた時刻、日付情報をもとに、ユーザの移動経路の履歴を経路情報記憶部103へ保存する処理部である。まず、図3、および図4を用いて、検出された位置情報からユーザの移動履歴の生成を説明する。図4は、図3に示されるユーザの移動であって、さらに「c」交差点近辺を拡大した図である。白い丸印は検出された位置情報であり、「c」交差点を右折して、目的地「T(ターミナル)8(番)」へ到達したことを示している。例えば、一般的にカーナビゲーション装置等には、地図が備えられており、さらにその地図には交差点やランドマーク等の位置情報等が蓄積されている。そこで検出される位置情報が、交差点の所定の許容半径(例えば交差点を中心とした半径20メートル以内)に存在すれば、それは交差点を通過したと判定する。また、到達地点、例えばエンジンがストップされた地点やサイドブレーキがひかれた地点が、ランドマークの所定の許容半径内に存在すれば、そのランドマークへ到達したとして判定する。つまり、図4によれば、「c」交差点を通過し、「T(ターミナル)8(番)」へ到達したこととなる。さらに時刻計測部112によって得られた時刻、日付情報をとともに、ユーザの移動経路の履歴を経路情報記憶部103へと保存する。なお、時刻情報はGPSから、緯度経度とともに得られる電波時刻等の時刻情報であってもよい。
経路情報記憶部103に保存されるユーザの移動経路の履歴は、例えば図5(a)に示されるように、各移動経路IDごとの、出発日時、出発地、目的地、移動経路が含まれる。ここで、テーブル200は、移動経路履歴データの全体を示す。
図5(a)における移動履歴ID「001」201は、例えば図3、図4に示されるユーザの移動経路の履歴を表している。日時の欄「200030123」は2003年1月23日を示し、この日時に記号「T1」で表される地点を出発し、経路で示される「a」交差点、「b」交差点、「c」交差点と通過し、目的地「T8」に到着したことを示している。ここで各交差点の通過時刻もそれぞれ「8時45分」、「8時50分」、「8時56分」と記憶される。なお、本実施の形態において、保存する移動経路の履歴を記号で表された交差点としたが、これに限ったものではなく、例えばリンク(交差点を結ぶ道路情報、例えばルート25、ルート33など)としてもよく、GPSより得られる位置の系列から移動経路への変換の方式、データの保存方式はここでは問わないものとする。
また、本実施の形態では、出発地、目的地、移動経路の位置情報は、位置情報検出部102より検出される緯度、経度情報を保存してもよく、更に上述したように緯度、経度情報である位置情報と地図データとを基に、交差点などのノード系列として保存するものとする。例えば、車載搭載機においてエンジンがスタートした地点を出発地とし、また同時に前回移動経路の目的地として保存し、随時検出される位置情報を移動経路の履歴として保存する。なお、出発地や目的地を地点として捉えるのではなく、エンジンがスタートされた位置の半径20m以内など、所定の範囲を出発地近辺、目的地近辺として保存してもよい。ここで地図データは図6に示されるように、カーナビゲーション装置101内に備えた地図データベース151から取得してもよいし、ネットワークを介して地図データサーバ152から取得してもよい。さらに、ユーザの移動経路履歴には、更に図5に示されるように、付帯情報検出部1022より得られる、同乗者情報、天気情報などを付帯情報として保存してもよい。例えば、同じ経路において、同乗者の有無や、天気によってその後の目的地や経路が異なることが考えられる。そこで、これらを履歴として保存し、移動先予測に用いることで、より精度の高い移動先予測が実現可能となる。具体的な予測方法については後に示す。なお、同乗者情報は、シートベルトの着用やシートセンサなどで判断することとしてもよい。また、天気情報は、ワイパーの動作情報から判断する、あるいは、ネットワークを132介して天気情報サーバ153から天気情報を配信またはWEBサービスを行っているサイトを参照することで得られる情報を用いてもよい。図5(a)では、移動経路ID001の付帯情報として「同乗者なし」、「晴」が示されている。
なお、経路情報記憶部103に記憶する移動経路情報は、記憶容量の有限性により、新しい情報を追加するため、データを消去する必要が生じた場合、時系列順に古いものから優先的に消去し、データを更新してもよいし、また、頻度情報が極端に多いもの、つまり、消去してもユーザの移動経路履歴として影響の少ないものを優先的に消去するものとしてもよい。
次に、重み付き経路生成部110および頻出経路抽出部104の動作を説明する。まず、移動履歴より目的地を予測する一般的な手法について、図7、図8を用いて説明する。
近年、例えばカーナビゲーション装置等の移動体端末において、目的地を設定することで、目的地までの到達時間や、それまでの経路に関わる交通情報等、ユーザが必要とする情報が得られるようになっている。また、今後、目的地に関する商用情報も得ることが可能となると考えられる。一方で、車載搭載機の場合、運転中の操作は煩雑であり、また、運転上好ましいものではない。そこで、例えばユーザの目的地を予測する必要が生じる。この目的地の予測手法としては、例えば、移動履歴を用いる方法が従来ある。
図7は、ユーザの現在走行を示す図である。自宅(T1とする)を出発し、「a」交差点、「b」交差点、「c」交差点と通過してきたとする(以下、説明のため、交差点等をノードの記号で呼ぶこととする)。ここで、今後ユーザがどこへ行こうとしているのか、目的的や移動先を予測する。なお、予測のきっかけは、通過したノード(交差点等)に所定の閾値(例えば3つ目のノード等)を設けて予測することとしてもよいし、スタートから所定の閾値(例えば5分後)等を設けて予測するのでもよく、ここでは問わないものとする。図7に示される移動では、ノードcの通過が予測のきっかけとなったとする。なお、本実施の形態においてユーザの現在走行は、前述の位置情報検出部102、経路生成部1021等で特定される。
例えば、図8は、蓄積されている移動履歴の一例であり、本実施の形態では経路情報記憶部103に格納されている移動履歴に該当する。移動履歴「101」には、過去に自宅を出発し、ノードa、ノードb、ノードc、ノードdと通過し、目的地「T8」へ到達した履歴が蓄積されている。一方、今、ユーザは自宅を出発し、ノードa、ノードb、ノードc、と通過してきており(図7より)、現在までの走行経路と、過去走行した経路(例えば予測のきっかけとなる所定の閾値までの経路である、ノードaからノードcまでの3つ)が一致していることより、現在の走行においても、過去と同様、今後、ノードd、そして目的地「T8」へ到達するであろうと予測できる。これが、移動履歴を用いて目的地を予測する従来の一般的な手法である。
また、時刻や付帯情報を用いることも可能である。図9に示される移動履歴「001」は、前述の図8と同様、T1(自宅)を出発し、ノードa、ノードb、ノードc、ノードdを通過し、目的地T8へ到達した履歴と、さらにその移動が行われた日付「2003年1月23日」、各ノードの通過時刻(ノードaの通過時刻は「8時45分」等)、付帯情報等が蓄積されている。また、移動履歴ID「102」には、T1を出発し、ノードa、ノードb、ノードc、ノードdを通過し、目的地T9へ到達した履歴が蓄積されている。つまり、ノードdまでは同じ経路であったが、その後の目的地がT8とT9で異なる移動を行ったことを示している。つまり、この例では、現在走行と一致する履歴は存在するが、目的地は、T8、T9と、2つ存在することとなる。そこで、現在走行を考慮し、例えば、現在、同乗者がいなければ移動履歴ID「001」と同じ行動パターンであろうと予測し、予測目的地をT8に、一方、同乗者がいる場合はT9とする等の手法を用いることができる。あるいは、現在走行におけるノードaの通過時刻が8時45分と、履歴ID「001」と一致している、あるいは、近い場合等は、予測目的地をT8とする等の手法であってもよい。以上が、従来の予測手法の一例である。
一方、図8に示される移動履歴ではなく、いま、図10および図11に示されるものであったとする。移動履歴ID「103」には、出発地T1を出発し、ノードa、ノードb、ノードn、ノードmと通過し、目的地「T11」へ到達した履歴が存在している。また、移動履歴ID「104」には、出発地「T12」を出発し、ノードx、ノードb、ノードc、ノードyと通過し、目的地「T13」へ到達した履歴が存在している。そして移動履歴ID「105」には、出発地「T14」を出発し、ノードp、ノードq、ノードc、ノードdと通過し、目的地「T8」へ到達した履歴が存在している。この場合、現在の走行、ノードa、ノードb、ノードc、ノードdに対し、完全に一致する履歴は存在しないこととなり、目的地を予測することができない。また、一致するノードの数を考慮したとしても、移動履歴ID「103」はノードa、ノードbの2つが現在走行に一致し、移動履歴ID「104」はノードb、ノードcの2つ、移動履歴ID「105」はノードc、ノードdの2つ、と一致するノードが等しくなってしまうため、どの移動履歴を用いて予測していいのか判断できず、目的地を予測することができない。そこで、本実施の形態では、現在走行に対して重みを付与し、ユーザの走行を考慮したマッチングを行っている。
重み付き経路生成部110は、経路生成部1021で生成されたユーザの移動経路に、より現在位置に近いほど高い重みを付与する。例えば、図12(a)に示されるように、ユーザの移動してきた経路が、ノードaを通過してノードb、ノードc、そして現在ノードdに至ったとする。このとき、重み付き経路生成部110は、現在ノードdの重みを1.0とし、現在ノードdから時系列的に近い順にノードcは0.8、ノードbは0.6、ノードaは0.4、と現在に近いほど高い重みを付与していく。
重みを付与する重み係数は、図13(a)に示されるように、線形的な係数を付与してもよいし、図13(b)に示されるように、指数関数的な係数を付与してもよい。また図14(a)に示されるように、ノード間の経過時間や、図14(b)に示されるように、ノード間の経路長を考慮して付与してもよい。例えば、図12(b)および図12(c)に示される例のように、より現在に近いノードに高い重みを付与し、つまり、後半(より現在位置に近いノード)に高い重みを付与することで、ユーザの移動の前半(より出発地に近いノード)の影響を軽減することができる。よって、ユーザが普段通らない出発地から出発した場合など、移動の前半の影響を軽減して普段通過する経路に復帰した近辺をより考慮することとなり、予測精度の向上効果が生まれる。なお、これとは逆に、前半に重きをおくことで、現在に近い経路のみでは判断できない場合、より以前の移動経路を用いることで予測可能になる。
なお、重み付き経路生成部110と経路生成部1021とをひとつにして、経路生成と同時に重み付けを行ってもよい。
頻出経路抽出部104は、経路情報記憶部103に保存された移動経路履歴の頻度によって、ノードに重みを付与する。重み付き経路生成部110は、ユーザの現在移動してきた経路のみを考慮し、重みを付与していたが、頻出経路抽出部104は、経路情報記憶部103に蓄積された経路(交差点などのノード)の頻度を考慮して重みを付与する。
頻度による重みを付与するために、本実施の形態では、まず経路情報記憶部103に蓄積された移動経路履歴データ(図5(a)の移動経路201、2011など)を図5(b)の頻出経路パターン203、204に示されるように、頻出経路別に体系化する。体系化されたデータは頻出経路パターンと、この頻出経路パターンの各ノードの移動頻度を有し、さらにその頻出経路パターンに関する付加情報として出発地、目的地、日付情報、時刻情報、付帯情報とが集合としてリスト付けされている。頻出経路パターン203の例において、頻出経路は「a→b→c」、移動頻度は「aは2回、bは2回、cは2回」、日付情報は「20030123(2003年1月23日の意味)」、時刻情報は「08:45(8時45分の意味)」、付帯情報は「同乗者なし」、「晴」、出発地は「T1」、目的地は「T8」となる。
なお、体系化されたデータは、頻出経路抽出部104に保存してもよいし、経路情報記憶部103にあらためて保存することとしてもよい。さらには、経路検出と同時に移動経路履歴として体系化されたデータを経路情報記憶部103に保存することとしてもよい。本実施形態のように、頻度による重みを考慮することで、移動先予測や、よりユーザの移動を反映した情報提供に用いることが可能となる。
経路選択部109は、経路情報記憶部103に頻度情報を含む形式で保存された頻出経路パターンと、重み付き経路生成部110によって重み付けされた現在までの移動経路との一致度判定を行い、評価値が高いものを一致または類似経路として算出する。この評価値は、現在の移動経路が過去の履歴に一致するほど高くなる値であり、かつ、より現在に近い経路が一致するほど高くなるような値であり、例えば、図15に示されるマッチングアルゴリズムによって算出する。図16、図17を用い、評価値を算出するマッチングアルゴリズムについて説明する。
図17(a)の移動経路701に示されるように、ユーザは、現在までの移動経路として「a、b、c、d、e、f」を移動してきたとする。重み付き経路生成部110によって、現在位置に最も近いノードfに高い重み1.0、次のノードeに0.8、ノードdに0.6、ノードcに0.4、ノードbに0.2、ノードaに0.0と各ノードに重みが付与される。
一方、経路情報記憶部103は図17(b)の頻出経路702〜706に示される頻出経路パターンが蓄積されていたとする。ここで頻出経路パターンは、頻出経路IDと図5(b)で説明した頻出経路パターンと、さらに目的地等の情報の集合を対応付けしたものである。
マッチングは、各頻出経路パターンに対して行われ、評価値を算出する。以下、図17(a)に示される移動体の求めるべき時点(本実施形態では現時点)に生成された移動経路701と図17(b)に示される頻出経路パターンのひとつである頻出経路ID001(703)とのマッチングをフローに沿って説明する。
まず、移動体が存在する現時点にもっとも近いノード(本実施形態ではノードf)を評価ノードにセットする(図16のステップS300)。次に経路履歴中の検索履歴の一つ(本実施形態では頻出経路ID001)の最終ノード(本実施形態ではノードg)に初期のフラグをセットする(ステップS301)。そして、そのノードg以前に、評価するためのノードfとマッチするノードを検索する(ステップS302)。評価するためのノードとマッチするノード、つまりノードfがあるかどうか判定し(ステップS303)、ノードfがある場合(ステップS303でYes)には、この重みを評価値に加算する(ステップS304)。
本実施形態において評価値は、両重みの積、つまり頻出経路パターンのノードの移動頻度と現在移動経路のノードの重みとの積である、3.0(=1.0×3)が算出され、評価値に加算される。
次にマッチしたノード、つまりノードfにフラグをセットする(ステップS305)。
次に移動経路の評価ノードの前にノードが存在するかどうか判断(本実施形態ではノードfの前にまだノードeがあるかどうか判断)し、前のノードが存在する場合(本実施形態ではノードe)(ステップS306でYes)、移動経歴パターン701の評価ノードを一つ前に戻し(本実施形態ではノードfからノードeへ戻す)、ノードeを次に評価ノードにセットする(ステップS307)。
そして、同様に検索履歴のフラグノードから順に遡って評価ノードを検索する、つまりノードfより前からノードeを検索する。この場合、ノードeはないので(ステップS303でNo)、次に移動経路のノードeの前にあるノードdを検索することとなる。この操作を移動経路の最初のノード、つまり、ノードaまで、再帰的に繰り返す(ステップS302〜S306のループ)。
この頻出経路ID001の場合、移動経路701は、ノードn、ノードgとマッチせず、ノードd、ノードfがマッチするので、最終的な評価値は4.2(=1.0×3+0.6×2)となる。同様に、すべての頻出経路パターン履歴との評価値を求めると(ステップS308)、頻出経路ID002の評価値は2.6(=0.6×2+0.4×2+0.2×3+0.0×3)、経路履歴ID003の評価値は6.6(=1.0×3+0.8×3+0.6×2)、経路履歴ID004の評価値は6.0(=1.0×3+0.8×3+0.2×3)となる。
経路選択部109は、もっとも高い評価値6.6である経路履歴ID003が、現在までの移動経路「a、b、c、d、e、f」に一致または類似しているとして選択する。
次に、この評価値の意味と効果について、図12、図13を用いて説明する。
例えば、頻出経路パターンとして「a、b、c」(図5の頻出経路パターン203)と「b、c、d」(図5の頻出経路パターン204)がユーザの頻出経路パターンとして保存されていたとする。また、現在の移動経路として「a、b、c、d」が検出されたとする。
現在の移動経路は重み付き経路生成部110より、ノードdに重み1.0、ノードcに0.8、ノードbに0.6、ノードaに0.4と現在に近いほど高い重みを付与する(図12(a))。上記マッチングアルゴリズムを用い、各々の頻出経路パターン(「a、b、c」と「b、c、d」)との一致度を算出する。この例の場合、図12(b)に示されるように、頻出経路パターン204の評価値3.6(=2×(0.8+0.6+0.4))に対し、図12(c)に示されるように、頻出経路パターン203が評価値4.8(=2×(1.0+0.8+0.6)と高いため、頻出経路パターン203が類似経路として算出される。
この頻出経路パターン「a、b、c」、「b、c、d」は、現在経路「a、b、c、d」と同一ではなく、また、単に一致ノード数のみ参照した場合、ともに3つと差はない。しかし、本手法を用いることで、より現在に近いノードが一致するほど評価値が高く、さらにまったく同一の移動経路が頻出経路パターンにない場合でも、類似性を考慮し、より現在に近い移動経路を反映した経路が、頻出経路パターンとして算出される。このように、本手法を用い、類似経路を算出することで、例えば、これらを予測に用いる場合、予測精度の向上という効果が奏される。
なお、算出される類似経路は一つとは限らず、評価値の高いものを順に複数出力するものとしてもよい。出力される類似経路の数は、予め決めることとしてもよいし、ある閾値を設けて、評価値が閾値以上のものを出力するものとしてもよい。例えば、本例の場合、閾値を「4.0」と設定していた場合、「a、b、c」のみが類似経路として算出されることになる。
次に、頻度による重みの効果について図18を用いて説明する。ユーザの移動履歴より、図18に示される頻出経路パターン302、303が得られていたとする。また、図19(a)に示されるように、ユーザは現在ノードa、b、c、dの移動経路を通過してきたとする。経路選択部109は、重み付き経路生成部110によって付与された重みと、移動経路の頻度に基づく重みを考慮し、類似経路を算出する。
図19(b)に示されるように、頻出経路パターン「a、b、c」との一致度を示す評価値Eは54(=30×(0.8+0.6+0.4))となり、一方、図19(c)に示されるように、頻出経路パターン「b、c、d」との一致度を示す評価値は7.2(=3×(1.0+0.8+0.6)となる。そして評価値の高い頻出経路パターン「a、b、c」が類似経路と判定される。これにより、例えば普段、経路「a、b、c」を通過し、目的地T8に向かうユーザが、単に迂回経路として頻度の低い経路を通過した場合なども精度よく予測することが可能となる。
頻出経路抽出部104を設けることで、例えば、ユーザが普段通る経路を交通事情等のため迂回した場合などにも、普段通る経路を頻度重みという形で考慮するため、よりユーザの移動特性を反映した柔軟な予測が可能となる。
目的地予測部111では、経路選択部109より算出された類似経路を用いて、将来ユーザが向かうであろう目的地を予測する。
例えば、現在の移動経路を基に、経路情報記憶部103に保存された頻出経路パターン203(図5の頻出経路パターン203)が類似経路として算出されたとする。頻出経路パターン203の最終的な目的地はT8と記録されており、今回の移動においても、最終的にT8へ行くと考えられるため、目的地をT8として算出する。
一方、経路選択部109によって算出された類似経路において、目的地はひとつとは限らないため、頻度の多いものや時刻情報などの付帯情報を基に、目的地の予測を行ってもよい。例えば、類似経路として頻出経路パターン204が算出されたとする。この場合、目的地としてはT9とT7が考えられる(図5の205、206)。そこで、例えば現在の移動時刻が9:00なら頻出経路パターン205の履歴を基に目的地はT9とし、あるいは、現在の移動において同乗者がいる場合や、天気が雨の場合は頻出経路パターン206の履歴を基に目的地はT7とするなど、時刻情報や付帯情報を基に、目的地を予測してもよい。
なお、ユーザ一人の経路パターンを用いるのみならず、ネットワーク等を介し、複数のユーザの移動特性を反映し、重みを付与することとしてもよい。本実施の形態では、ユーザの過去の移動履歴を用いて、ユーザが将来行きそうな目的地を予測するものであるため、ユーザの履歴が十分に蓄えられていなければ、予測することができない。例えば、ユーザが新たにカーナビゲーションシステムを備えた移動体(本実施例では車両)を取得し、そのときに目的地を予測しようとしても、本人の移動履歴が十分に蓄えられていなければ移動先を予測することができない。そこで、運転者本人の移動履歴だけでなく、他人の移動履歴を利用することで目的地を予測することが可能になる場合がある。
以下、その具体例について、図を用いて説明する。例えば、図20に示されるように、ノードp、ノードqを通過する移動体に備えたカーナビゲーション装置は、ノードrを通過する、さらには目的地T5に向かうということが、複数のカーナビゲーション装置の移動履歴より頻出経路パターンとして得られていたとする。この場合、図21に示されるように、ネットワーク132を介し、移動履歴サーバ155等にこれらの情報を蓄積しておく。例えば、図20(a)に示されるように、体系化された頻出経路パターン401として、ノードp、ノードqを通過し、目的地T5に到着すると蓄積しておく。さらにその重みが優先される値を設定しておく。例えば、どの値より優先される∞(無限大)等に設定しておく。
一方、ユーザはこのサーバに蓄積された頻出経路パターンと、ユーザ自身の経路情報記憶部103に蓄積された頻出経路パターンとをもとに目的地を予測する。例えば、図20(b)に示されるように、ユーザがノードa、b、p、qを通過してきた場合、ユーザの経路情報記憶部103に蓄積された頻出経路パターン403と、サーバに蓄積された頻出経路パターン401とをもとに経路選択部109で類似経路p、qを算出し、目的地予測部111で目的地T5と算出する。
このようにユーザの経路情報記憶部103のみでは、類似経路a、bが算出され、誤った目的地T1が算出されてしまうが、複数のユーザの移動履歴を用いることで、ユーザの移動履歴が十分に蓄積されていなくても、より精度の高い目的地や移動先の予測が可能となる。
なお、市街地や娯楽施設等、多くの人が向かう目的地へ通じる経路に、重みを付与することとしてもよい。この重みは、地図データに予め付与されていてもよいし、ユーザの移動や、複数ユーザの移動をもとに随時変更するものこととしてもよい。さらには、通行止め等の交通情報をもとに、これら重みを付与することで、回避経路案内等に利用することも可能である。このように、本手法により、ユーザが通ったことのない経路についても、他のユーザの経路履歴を用いることで、目的地を予測することが可能となる。
なお、上記の例において、重みのつけ方は頻度のみを考慮、すなわち頻度によって線形的に増加するものであったが、本発明はこれに限ったものではなく、分岐の重要度をもとに予め付与された重み係数の線形増加などで重みを算出することとしてもよい。
なお、ネットワークを介し、地図データを更新する場合、経路につけられた重みを更新する手段を設けてもよい。
提示部108は、タッチパネル等の車載提示装置であり、目的地予測部111で得られた目的地と、目的地に至る経路の交通情報、商用情報、目的地付近の提供情報等を表示する。
情報検索部113は、目的地付近や、目的地に至る経路沿い等の提供情報を、ネットワーク132を介し、情報提供データベース131等から取得し、提示部108に表示する。
なお、頻出経路抽出部104によって得られた頻度に基づく重みを、商用情報などの情報取得に用いてもよい。従来、ユーザの移動履歴を用いた情報提供手法として、地図をメッシュ状などに予め区切り、その単位ごとにユーザの訪問回数等を算出し、頻度の多い区画の情報を提供する手法が知られているが、本手法を用いることで、よりユーザの行動を反映した情報提供が可能となる。以下、図22を用いて説明する。
現在、ユーザは経路a、b、cを通過してきたとし、経路選択部109にて、類似経路のひとつである図22の頻出経路パターン601が算出されたとする。目的地予測部111において、頻出経路パターン601より目的地「T7」およびそれに至る経路「d、e、f」が算出される。ここで、ノード「a」、「b」、「e」、「f」の頻度は5となっているのに対し、ノード「d」、「e」の頻度は30となっている。これはノード「d」、「e」をユーザがよく通過していることを示している。そこで、この頻度の高い経路上の情報を詳細に表示するために、情報検索部113において、頻度が閾値以上(本実施形態の場合、閾値を20とする)の経路付近(本実施形態の場合、経路を中心とする半径20m、および経路間のリンク沿い10mとする)の提供情報を、ネットワーク132を介し、提示部108に表示する。これにより、ユーザは単に予測経路上の情報ではなく、よく通過する経路においては詳細な情報を知ることが可能となる。
なお、本実施形態では、提供情報として商用情報を表示したが、頻度に応じて提供情報の種類を変更してもよい。例えば頻度が閾値以下の場合は、商用情報ではなく、交通情報を表示するものとしてもよい。また、逆に頻度が高い場合は情報提供を停止し、頻度の低い経路のみ交通情報や商用情報を提供するようにしてもよいし、これらをユーザが設定するものとしてもよい。これにより、ユーザがよく通過するような詳しい経路においては、その付近にある商用情報を知ることが可能となり(逆によく通過するので情報を表示しないなど)、また一方、ふだんあまり通過しないような経路においては、商用情報より交通情報を知ることができるなど、ユーザの移動履歴を反映させた柔軟な情報提供が可能となる。
次に、上記カーナビゲーション装置101における動作処理について図15、15を用いて説明する。
図15は、カーナビゲーション装置101における動作処理の全体を示すフローチャートである。図23は図15で示すステップ4の目的地予測の詳細フローチャートを示す。
ユーザが電源をオンに、あるいはエンジンをスタートさせることで電力がカーナビゲーション装置に供給され本装置が起動する(ステップS101)。本装置が起動されると、経路生成部1021は、位置情報検出部102より検出される現在位置と時刻計測部112より日付情報等とを取得し、経路情報記憶部103に保存する(ステップS102)。なお、本実施形態では本装置の起動時の位置を出発点としているが、前回の移動において、目的地を設定しなかった場合や、目的地として保存される前にエンジンが停止あるいは、本装置がオフされたため、目的地として保存されなかった場合は、同時に前回の目的地として保存することとしてもよい。また、その旨を提示部108により提示し、ユーザの操作を促してもよいし、自動で行うものとしてもよい。
ユーザの移動により、あらたなノード(本実施形態では交差点)が検出される(具体的には交差点を通過する)と(ステップS103)、目的地の予測を行う(ステップS104)。目的地予測は、重み付き経路生成部110によって現在の移動経路に重みを付与し(ステップS200)、現在移動経路と一致または類似する頻出経路パターンを図15に示されるようなマッチングアルゴリズムを用いて算出する(ステップS201)。評価値が閾値以上の経路を類似経路とし(ステップS202)、その経路における目的地が複数ある場合は、頻度や、時刻、曜日等の付帯情報を用いて目的地を予測する(ステップS202〜ステップS203)。目的地予測に成功したら(ステップS105でYes)、情報検索部113は、その目的地に至る経路までの交通情報、経路沿いの商用情報、目的地付近の商用情報等をサーバを介し取得し(ステップS106)、提示部108に情報を提示する(ステップS107)。エンジンが停止されたり、所定の時間停車したり、サイドブレーキが引かれたり、ドアの開閉等を合図に(ステップS108でYes)、経路生成部1021は、その付近を目的地として経路情報記憶部103へ履歴のひとつとして登録する(ステップS109)。
以上の動作を実行することにより、現在までの経路と全く同じ経路が蓄積されていなくても、経路に重みを付けた類似度を計算することにより、類似した経路を効率的に選択することができ、目的地の予測精度向上を実現することが可能になる。
なお、以上の動作をカーナビゲーションシステムだけでなく、車両に搭載された計算機やPDA等の小型端末、携帯電話により実行してもよい。また、移動履歴情報をリアルタイムにサーバへ送信することで、サーバ上で動作するプログラムとしてもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
上記実施の形態1では、移動履歴よりユーザの現在走行における目的地を予測すべく、まず、ユーザの現在走行に重みを付与した。例えば、より現在に近いノードに重みを付与することで、より現在の走行を反映したマッチングを行うことが可能となり、正確に予測することができる。例えばユーザの出発地はいつも同じとは限らず、異なる地点から出発し、後に普段利用する経路へ復帰し、いつもの目的地へ行く等の移動を行うことがある。このような場合、より現在に近い経路に重きを置いてマッチングを行うことで、より正確に目的地を予測することが可能となる。
また、上記実施の形態1では、移動履歴に対しても、例えば頻度を考慮して重みを付与した。ユーザが過去に多くの頻度である経路を利用している場合、その経路および目的地は現在走行に対しても信頼できるであろうとの考えを反映させることが可能となり、より正確に予測することができる。そしてこれら両重みを考慮して、目的地を予測する手法について説明を行った。
一方、移動履歴に付与する重みは頻度に限ったものではなく、本実施の形態では、予測結果を考慮して移動履歴に重みを付与し、再び目的地の予測に反映させる手法について説明する。例えば、現在走行に対して複数のパターンで過去の移動履歴を抽出し、抽出された移動履歴をもとに複数の目的地を予測しておき、到達した目的地が正解していた場合、その履歴や経路に重みを付与することで、後の予測にこれら移動履歴に付与された重みを反映させることが可能となる。ユーザの行動パターンはさまざまであり、ユーザに応じた学習が可能となり、予測精度の向上につながる。
また、この複数のパターンの移動履歴を抽出する点においては、例えば、上記実施の形態1に示される現在走行に対する重みの付与を用いることが可能である。例えば、上記実施の形態1において、現在走行に付与する重みは現在により近いノードに高い重みを付与する例のみ示したが、本発明はこれに限ったものではない。ユーザによって、あるいは同じユーザであっても、経路によっては現在に重みを付与した方がよい場合や、あるいは、出発地点に近い方に重みを付与した方がよい場合など、さまざまなパターンがある。
例えば、ある出発地点やエリアを出発した場合、途中の経路は、迂回経路を利用したり等、さまざまであるが、目的地はほぼ決まっている場合もある。この場合、目的地の予測という点においては、より現在に近い地点、つまり途中の経路に重きを置くのではなく、現在走行の前半(例えば、迂回経路が始まる地点よりも出発地点に近いノード)に重きを置いて過去の履歴を参照したほうが、迂回経路の影響が回避されるので、より正確に目的地を予測できる。あるいは、出発地点や出発したエリアには、特に決まった特性はないが、途中、ある経路間を通過した場合は必ずそこへ行く、という行動のパターンを持つユーザもいる。この場合、現在走行のより前半や、より後半ではなく、その途中の決まった経路間に重きを置いて過去の履歴を参照したほうが、より正確に目的地を予測できる。そこで、本実施の形態では、例えば、現在走行に複数のパターンで重みを付与し、移動履歴より複数の経路を抽出し、抽出された経路をもとに得られた予測目的地と、実際到達した目的地をもとに、経路に重みを付与する手法について説明する。
図24は、本実施の形態におけるカーナビゲーションシステム100aのシステムブロック図である。このカーナビゲーションシステム100aは、目的地の予測において学習機能を有する点を特徴とするカーナビゲーションシステムであり、カーナビゲーション装置101aと、位置情報検出部102と、提示部108とから構成される。
カーナビゲーション装置101aは、さらに、経路情報記憶部103、履歴経路重み付け部122、頻出経路抽出部104、複数重み付き経路生成部1101、経路生成部1021、複数経路選択部1091、時刻計測部112、情報検索部113、複数目的地予測部1111および目的地判定部121を備える。なお、上記実施の形態1に示される構成要素については同じ符号を付与し、説明を省略する。
複数重み付き経路生成部1101は、上記実施の形態1における重み付き経路生成部110と同様、ユーザの移動に伴い、経路生成部1021より生成される通過経路に重みを付与する処理部である。さらに本実施の形態においては、複数重み付き経路生成部1101は、複数のパターンで現在の走行に重みを付与する。この機能の詳細について、図25、図26を用いて説明する。
図25に示されるように、今、ユーザが「映画館(T3)」を出発し、交差点「n」(以下、これら交差点等を、ノードや記号で呼ぶこととする)、ノードm、ノードe、ノードdと通過してきたとする。ここで、上記実施の形態1における重み付き経路生成部110では、より現在の位置や、現在の移動経路を反映すべく、現在に近いほど高い重みを付与していた。一方、ユーザによって、あるいは同じユーザであっても、経路によっては現在地点に近い方に重みを置いた方がよい場合や、あるいは、出発地点に近い方に重みを置いた方がよい場合など、さまざまなパターンがある。そこで、複数重み付き経路生成部1101では、複数のパターンで重みを付与する。本実施の形態では、図26に示される2つのパターンで重みを付与することとする。図26のパターン1は、上記実施の形態1と同様、より現在地点に近いノードに高い重みを付与したパターンである。ここでは、上記実施の形態1に示される一時関数的な重みを付与することとする。この場合、現在地点であるノードdに1.0と最も高い値が付与され、順にノードeに0.8、ノードmに0.6、ノードnに0.4と重みが付与される。これにより、より現在に近いノードe、ノードdに重きを置き、過去このノードe、ノードdを通過した移動履歴をより考慮し、目的地を予測することとなる。一方、パターン2は、パターン1と異なり、例えば出発地近辺に高い重みを付与するパターンである。より出発地点近辺に現在地点であるノードnに1.0と最も高い値が付与され、順にノードmに0.8、ノードeに0.6、ノードdに0.4と重みが付与されている。これにより、より現在出発地点に近いノードn、ノードmに重きを置き、過去このノードn、ノードmを通過した移動履歴をより考慮し、目的地を予測することとなる。
図27は、経路情報記憶部103に蓄積された移動履歴である。上記実施の形態1に示される移動履歴と同様、ユーザの通過経路と目的地等が蓄積されている。例えば、移動履歴ID「002」は、T2(スポーツジム)を出発し、ノードg、ノードf、ノードe、ノードd、ノードhを経由してT4(図書館)へ移動した履歴である。移動履歴ID「010」は、T3(映画館)を出発し、ノードn、ノードm、ノードp、ノードq、ノードr、ノードb、ノードaを経由してT1(自宅)へ移動した履歴である。
図28は、移動履歴をもとに目的地を予測するために、頻出経路抽出部104において移動履歴をもとに抽出した頻出経路パターンである。例えば、頻出経路ID「001」には、ノードn、ノードm、ノードp、ノードqを通過した場合、目的地は「T1」であることを示している。なお、これは、例えば、図26に示される移動履歴ID「010」等をもとに抽出されたものということになる。目的地予測のためには、例えば所定の閾値等(例えばスタートから5分以内)を設け、ノードの系列を抽出し、そのパターンと現在との走行のマッチングを行う必要があり、この頻出経路パターンがそれに該当する。つまり、現在走行がノードn、ノードm、ノードp、ノードqと一致(本発明においては類似も含む)していた場合、これは過去の履歴より目的地はT1であろうと考えることができる、ということである。また、この頻出経路ID「001」が選択された場合は、予測目的地はT1となる。一方、頻出経路ID「002」は、ノードg、ノードf、ノードe、ノードdを通過した場合、目的地は「T4」であることを示している。なお、上記実施の形態1では、この頻出経路に頻度をもとにした重みが付与されていた。例えば頻出経路ID「001」であるノードn、ノードm、ノードp、ノードqを2回通過したことがある場合、各ノードに2の重みが付与されていた。さらに、この重みは履歴に頻度多く存在する場合、高く付与されることとなり、目的地予測の際、この頻度が多い経路は信頼できるという考えを反映させることができることは、前述に示したとおりである。一方、本実施の形態では、予測結果をこの経路に反映させるため、まずは初期値(例えば1)等を付与させておくものとする。
本発明において、目的地の予測は、この頻出経路抽出部104で抽出された頻出経路パターンと、現在走行とのマッチングを行い、目的地の予測を行う。さらに本実施の形態は、これら頻出経路パターンから複数の頻出経路パターンを選択し、複数の目的地を予測しておき、実際到達した地点と予測した目的地との結果をさらに反映させる手法である。
複数経路選択部1091は、頻出経路抽出部104で抽出された頻出経路パターンと、複数重み付き経路生成部1101で生成された複数のパターンで重み付けされた現在走行とを参照し、複数の頻出経路パターンを選択する処理部である。以下、図29を用いて、その機能の詳細を説明する。
前述に示したように、例えば、現在、ユーザがT5を出発し、ノードn、ノードm、ノードe、ノードdと通過してきた場合、複数重み付き経路生成部1101によって、複数のパターンで重み付けされる。本実施の形態においては、例えば、図26に示される2つのパターンとする。一方、頻出経路抽出部104には、ユーザの移動履歴をもとに、例えば図28に示される頻出経路パターンが抽出されている。これらをもとに、目的地予測に利用できる経路を選択する。経路の選択には、上記実施の形態1に示される評価値、つまり「頻出経路パターンのノードの重みと現在移動経路のノードの重みとの積の加算」を用いることとする。
まず、頻出経路パターンの中から、現在走行におけるノードを含む頻出経路パターンを抽出する。図29に示される例では、現在走行であるノードn、ノードmを含む頻出経路ID「001」と、ノードe、ノードdを含む「002」が該当することとなる。次に、各頻出経路の評価値を算出する。例えば、パターン1の場合、頻出経路ID「001」とはノードn、ノードmが一致しており、各重みの積の和を算出すると1.0となる(1.0=0.4×1+0.6×1)。一方、頻出経路ID「002」とはノードe、ノードdが一致しており、各重みの積の和を算出すると1.8となる(1.8=0.8×1+1×1)。従って、パターン1で評価値を算出した場合、頻出経路ID「002」が選択されることとなる。これは、図30に示されるように、頻出経路ID「002」とは前半のノードg、ノードfとは異なるが、後半のノードe、ノードdとが一致しており、結果として類似しているため、現在の走行はこの頻出経路ID「002」を参考に目的地を予測するという考えを反映していることとなる。上記実施の形態1においては、この頻出経路パターンを用いて目的地を予測していたが、本実施の形態においては、さらに他のパターンを用いて頻出経路パターンを選択する。
図31に示されるように、パターン2の場合、頻出経路ID「001」とはノードn、ノードmが一致しており、各重みの積の和を算出すると1.8となる(1.8=1×1+0.8×1)。一方、頻出経路ID「002」とはノードe、ノードdが一致しており、各重みの積の和を算出すると0.3となる(1.0=0.6×1+0.4×1)。従って、パターン2で評価値を算出した場合、頻出経路ID「001」が選択されることとなる。これは、図32に示されるように、頻出経路ID「001」とは後半のノードp、ノードqとは異なるが、前半のノードn、ノードmとが一致しており、結果として類似しているため、現在の走行はこの頻出経路ID「001」を参考に目的地を予測するという考えを反映していることとなる。
複数目的地予測部1111は、複数経路選択部1091で選択させた複数の経路より、目的地を予測する処理部である。例えば、前述に記すとおり、パターン1の場合、頻出経路ID「002」がもっとも類似するとして選択されており、一方、パターン2の場合、頻出経路ID「001」が選択されている。これら複数の頻出経路より目的地を予測する。
パターン1によって選択された頻出経路ID「002」の場合、図28に示される頻出経路パターンより、目的地「T4」が予測されることとなる(図33)。一方、パターン2によって選択された頻出経路ID「001」の場合、図28に示される頻出経路パターンより、目的地「T1」が予測されることとなる(図34)。
目的地判定部121は、位置情報検出部102および経路生成部1021をもとに、現在の走行より得られる実際の目的地と、前述の複数目的地予測部1111によって予測された目的地が一致しているか否かを判定する処理部である。
例えば、現在ノードn、ノードm、ノードe、ノードdと通過してきたユーザがさらに走行し、図35に示されるように、T1(自宅)で停車したとする。つまり実際に到達した目的地はT1ということになる。複数目的地予測部1111では、頻出経路ID「002」を選択したパターン1よりT4(図33より)、頻出経路ID「001」を選択したパターン2よりT1(図34より)と予測されている。ここで、どの頻出経路パターンが有効であったのか、ということが分かる。この場合、図35に示される通り、パターン2によって選択された頻出経路ID「001」を用いて予測されたT1と、実際の到達地点T1が一致しているため、パターン2が有効であったということが分かる。さらに、この場合、頻出経路ID「001」のノードn、ノードmが一致していたことより、このノードn、ノードmという経路に重みをあらたに付与し、今後の目的地予測に反映させることができる。
履歴経路重み付け部122は、目的地判定部121で判定された実際の目的地と、予測目的地の結果より、履歴の経路に重みを付与する処理部である。例えば、上記例の場合、目的地T1を予測するために有効であった、ノードn、ノードmに所定の重み(例えば1)をあらたに付与(加算)する。図36は、あらためて重みを付与された頻出経路パターンを示している。頻出経路ID「001」のノードn、ノードmに重み1が加算され、重み2となっている。これにより、後の目的地予測に反映されることが可能となる。
例えば、図37に示されるように、後にT5(レストラン)を出発し、ノードn、ノードm、ノードe、ノードdを通過してきたとする。ここで、前述に示される手法を用いて経路選択部109で選択することとする。図38、図39は、それぞれ、前述に示した各パターン1、パターン2で重み付けされた現在走行経路と、頻出経路パターンと、評価値の算出例とを示す図である。なお今回は、図36に示されるように、過去の予測結果を考慮された重みが付与されたものとの評価値である。
パターン1で重み付けされた現在走行経路と、頻出経路ID「001」の評価値は、ノードn、ノードmが一致しているため、2.0(=0.4×2+0.6×2)となる。頻出経路ID「002」の評価値は、ノードe、ノードdが一致しているため、1.8(=0.8×1+1.0×1)となる。したがって、パターン1で評価した結果、頻出経路ID「001」が選択されることとなる。
一方、パターン2で重み付けされた現在走行経路と、頻出経路ID「001」の評価値は、同様に3.6(=1.0×2+0.8×2)となる。頻出経路ID「002」の評価値は、1.0(=0.6×1+0.4×1)となる。したがって、パターン2で評価した結果でも、頻出経路ID「001」が選択されることとなる。
つまり、過去の予測結果が反映され、ノードn、ノードmにあらたに重み2が付与されているため、複数のパターンを用いて評価値を算出しても頻出経路ID「001」が選択されることとなる。複数目的地予測部1111は、選択された経路、つまり頻出経路ID「001」を用いて目的地T1を予測することになるのは、上記に示したとおりである。
前述の例では、パターン1で予測した目的地T4と、パターン2で予測した目的地T1とは異なっていたが、今回、過去の予測結果を反映させることで、どちらのパターンを用いても目的地T1と予測されることとなっている。
このように、複数のパターンを用いて目的地を予測し、実際に到達した目的地との結果をさらに履歴に反映させることで、よりユーザの行動特性を考慮した目的地予測が可能となる。
なお、このように複数パターンで予測した結果、目的地が異なる場合は、予測結果をユーザに通知せず、学習し、このようにすべてのパターンで予測結果が一致する場合に予測結果を通知することとしてもよい。例えば、評価値に閾値(例えば、「2.0」)を設け、閾値以下の場合は、システム内部で学習するのみで、閾値以上の場合に初めてユーザに通知するようにしてもよい。例えば、上記例の場合、図29、および、図31の場合、最も高い評価値は1.8であり、さらにその目的地が異なっているため、この場合はその予測目的地は信頼できないとし、ユーザに通知は行われず、一方、学習した結果(図36)、図39において評価値が閾値以上(図39では3.6)となっている場合に、その予測目的地は信頼がおけるとしてユーザに通知することとしてもよい。例えばカーナビゲーション装置において、ユーザが必要とする目的地や目的地までの経路に関する情報は必要であるが、一方で運転のタスクを阻害することは好ましくない。これによって、予測目的地が信頼おける場合にのみ通知することで、より運転を快適に行うことが可能となる。
例えば、ある出発地点やエリアを出発した場合、途中の経路は、迂回経路を利用したり等、さまざまであるが、目的地はほぼ決まっている場合がある。例えば、本実施の形態に示される例の場合、ユーザはノードn、ノードmを通過した場合、途中の経路は複数あるが、必ず自宅(T1)へ帰宅する等の行動パターンを持っていることになる。この場合、ノードn、ノードmに重みを置くことで現在に近い経路のみならず、各ユーザに応じた行動傾向を反映させることが可能となる。また、頻度のみならず、予測結果を反映させて重みを付与することができるので、より正確にユーザならではの特性を予測に用いる履歴に反映させることができる。
以下、本実施の形態におけるカーナビゲーション装置101aの動作について、フローチャート(図40、図41、図42)を用いて説明する。
まず、位置情報検出部102でユーザの現在走行を検出する。例えば、エンジンスタートされた地点を出発地として蓄積する(ステップS501)。図25に示される例では、T3が出発地となる。次に、経路生成部1021は、エンジンストップされたか否かを判定し(ステップS502)、ストップされていない場合(ステップS502でNo)、ユーザの移動とともに検出される位置情報を検出する(ステップS503)。検出される位置情報をもとに通過経路を生成していく。そして、経路生成部1021は、交差点を通過したか否かを判定し(ステップS504)、通過した場合(ステップS504でYes)、通過交差点を経路情報記憶部103に蓄積する(ステップS505)。図25に示される例では、ノードn、ノードm、ノードe、ノードdが検出されることとなる。
一方で、本カーナビゲーション装置101aは、複数目的地予測部1111において目的地予測を行う。目的地の予測のきっかけは、例えば、走行してから5分とするものとする。スタートしてから5分経過したか否かを判定し(ステップS506)、経過していた場合(ステップS506でYes)、目的地を予測する(ステップS507)。例えば、図25において、ノードdが予測のタイミングとなることとする。一方、経過していなければ(ステップS506でNo)、交差点の検出ループへと戻る(ステップS503へ)。
ここで、目的地予測のフローへと移る。目的地予測は、現在までの走行経路に複数のパターンで重みを付与することによって行われる(ステップS601)。例えば、図25の場合、現在までにノードn、ノードm、ノードe、ノードdが検出されており、図26に示されるように、本実施の形態では2つのパターンで重みが付与される。そして、複数目的地予測部1111は、パターン1を用いて目的地を予測する(ステップS602)。該当経路と一致あるいは類似する経路を頻出経路パターンより検索し(ステップS602)、該当経路の有無を判定し(ステップS603)、該当経路が存在する場合(ステップS603でYes)、評価値の算出を行い、目的地のひとつに設定する(ステップS604)。図28より、頻出経路ID「001」および頻出経路ID「002」が該当経路となる。さらに、図29および図31で示すように、各頻出経路パターンの評価値を算出する。図29の場合、評価値1.8の頻出経路ID「002」が該当経路となり、これより、目的地T4がひとつの目的地として設定される(図33)。
次に、複数目的地予測部1111は、他のパターンが存在するか否かを判定し(ステップS606)、存在する場合(ステップS606でYes)、次のパターンを用いて目的地を予測する(ステップS607)。本実施の形態の場合、パターン2の評価を同様に行う。パターン2の場合、図31より、評価値1.8の移動履歴ID「001」が該当経路となり、これより、目的地T1がひとつの目的地として設定される(図34)。すべてのパターンについて評価を終了したら終了する(ステップS606でNo)。
一方、エンジンがストップされた場合(ステップS502でYes)、エンジンがストップされた地点を目的地として履歴に蓄積する(ステップS508)。そして、目的地判定部121は、予測された目的地と、実際に到達した目的地が一致していたか否かを判断し(ステップS509)、一致していた場合、履歴経路重み付け部122により、予測結果を履歴に反映させる(ステップS510)。例えば、図35に示されるように、ユーザがT1へ到達したとする。この場合、予測したT1と一致するため、この結果を反映することとなる。
履歴経路重み付け部122による予測結果の履歴への反映は、まず、複数目的地の到達した目的地が存在するか否かを判定し(ステップS701)、該当目的地を予測するために用いた頻出経路を検索する(ステップS702)。上記例の場合、頻出経路ID「001」が該当することとなる。検索された頻出経路のうち、一致するノードを検出する(ステップS703)。上記例の場合、頻出経路ID「001」のノードn、ノードm、が該当ノードことなる。そして、該当ノードにあらたに重み(例えば1を加算)付与する。図36には、履歴の経路にあらたな重みが付与されている。そしてこれら予測した結果にもとづき、各ユーザの特性を反映した重みが、履歴の経路に付与されることとなり、より正確に目的地を予測することが可能となる。
本実施の形態では、移動履歴に対する重みに、予測した結果を反映させる手法について説明を行った。例えば、複数のパターンで目的地を予測しておき、その中で正解していた場合、その経路は有効であるとし、高い重みを付与し、後にこの重みを利用することが可能となる。例えば、出発エリアや所定の経路を通過した場合、途中の経路は複数にまたがるが、到達地点は統一されている等の行動パターンを有するユーザもいる。これらを反映すべく、本実施の形態では、現在走行の経路に複数のパターンで重みを付与し、つまり複数のアルゴリズムで目的地を予測し、その結果を履歴に反映させていることを意味する。なお、本手法によって、学習され、履歴に付与された重みは、ユーザの行動特性を如実に表しており、目的地予測はもちろん、上記実施の形態1に示されるように、情報提供においてもその効果を発揮する。カーナビゲーション装置等の移動体端末において、経路に関する情報等はユーザにとって重要である。一方で、カーナビゲーション装置等の場合、その運転タスクを阻害することは好ましくなく、本実施の形態で示すように、ユーザの行動特性を反映させた移動履歴を用いて目的地を予測し、ユーザが必要とする情報を適切に提供することができる。