JP2004315987A - 立毛を有する皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーボンブラックを0〜8質量%含有する0.5デシテックス以下の極細繊維絡合不織布とその内部に充填された高分子弾性体からなる基体、および該基体の表面には、該極細繊維からなる立毛部と非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部が混在している皮革様シートにおいて、主として該非多孔質弾性ポリマー中に含有された顔料により色相が決定される皮革様シート。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
皮革様シートのなかでも、スエード調/ヌバック調等、表面に立毛を有する皮革様シートは、極細繊維に由来する高級感のある表面タッチおよびライティング性が一定の評価を受けており、衣料用途や住居、乗り物等の内装材用途に使用されている。
一般に、表面に立毛を有する繊維製品は、ポリエステル繊維に対しては分散染料、ポリアミド繊維に対しては含金染料等、染料による着色が適用されている。スエード調/ヌバック調の皮革様シートにおいても同様に染料による着色が適用されているが、極細繊維の発色には、通常の繊維よりも多量の染料を吸尽させる必要があり、染料の分解,昇華等が影響する耐光堅牢性は繊度が小さくなるほど悪化する傾向がある。このため、HALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の耐光安定剤添加による耐光性向上が検討されているが、特にカーシート等の高度な耐光性が要求される用途においては、充分な性能は得られにくい。
着色後の耐光性向上には、染料より耐光性の良い顔料を使用することが考えられ、繊維の顔料による着色方法として、繊維化の際に顔料を混練する方法が考えられる(例えば、特許文献1参照。)。極細繊維の場合には、顔料の粒径が繊維径に比して充分に小さくない限りは紡糸性および繊維物性に悪影響を及ぼすため、適用できる顔料の範囲がカーボンブラック等ごく一部に限定され、そのためカラーバリエーションも限られたものとなるという問題がある。
極細繊維と高分子弾性体よりなる立毛を有する皮革様シートにおいて、高分子弾性体付与時に顔料を付与することはできるが、高分子弾性体のみを着色しても、一般的な皮革様シートにおいては立毛部分により発色がさえぎられるため、シート全体からみれば補助的な発色となる。製造工程の調整により立毛部分の毛羽密度を落とすことで高分子弾性体からの発色を強調することは可能であるが、この場合には、立毛シートとしての品位が犠牲となる。
以上の如き理由により、表面に立毛を有する皮革様シートにおいて、高度な耐光堅牢性と高度な品位を安定的かつ同時に付与することは極めて困難であった。
【0002】
【特許文献1】
特開平5−331782号公報(第1−4頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の表面に立毛を有する皮革様シートをカーシート、インテリア分野に使用する際に生じる上述の欠点を改良し、耐光性,耐摩耗性に優れ、柔軟で高級感のある表面タッチおよびライティング性を有するヌバック調皮革様シートとその製造法に関するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題点を解決し耐光性、耐摩耗性に優れた優美で立体的な外観を有する皮革様シートについて鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、カーボンブラックを0〜8質量%含有する0.5デシテックス以下の極細繊維絡合不織布とその内部に充填された高分子弾性体からなる基体、および該基体の表面には、該極細繊維からなる立毛部と非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部が混在している皮革様シートにおいて、主として該非多孔質弾性ポリマー中に含有された顔料により色相が決定され、キセノンアークランプ耐光堅牢性評価(ブラックパネル温度=83℃、積算照射照度=20MJ)が4級以上であることを特徴とする皮革様シートである。そして、好ましくは非多孔質弾性ポリマー100質量部に対し5質量部〜40質量部の顔料を含有する皮革様シートである。また、高分子弾性体100質量部に対して、0.1〜40質量部の顔料を含有することが好ましく、上述の皮革シートを10owf%以下の染料で染色する皮革様シートであることも好ましい。
さらに、本発明は、皮革様シートを製造するに際し、下記▲1▼〜▲3▼の工程、
▲1▼0.5デシテックス以下の極細繊維が3次元絡合した不織布と、それに充填された高分子弾性体からなる基体を製造する工程、
▲2▼該基体表面を起毛する工程、
▲3▼該起毛表面に浸透剤を付与するとともに、非多孔質弾性ポリマー100質量部に対して5〜40質量部の顔料を分散させた水系エマルジョンを非全面に付与し、乾燥固化させる工程、
を▲1▼▲2▼▲3▼の順序で行うことを特徴とする皮革様シートの製造方法である。
【0005】
以下、本発明について詳述する。
本発明における皮革様シートは、極細繊維絡合不織布に高分子弾性体が含浸された基体の表層部に、該極細繊維からなる立毛部と非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部が混在している表面部が形成されたものである。
【0006】
本発明において極細繊維は、通常の繊維形成性ポリマー、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン等からなり、直接紡糸法、あるいは混合紡糸法、複合紡糸法による多成分繊維紡糸工程と該多成分繊維からの選択的成分除去または割繊等による極細繊維発生工程の組み合わせ等、従来公知の方法により製造される、0.5dtex以下程度の平均単繊度を有するような極細繊維が使用可能であるが、その中でも、風合いの点で、繊維形成性ポリマーとしてはポリアミド、あるいはポリエステルが好ましい。また同様に風合いの点で、あるいは優美な立毛感といった外観の点で、平均単繊度としては0.3dtex以下、より好ましくは0.1dtex以下の極細繊維が使用される。また、目的とする色相によって、極細繊維中にカーボンブラックを0〜8質量%含有させる必要がある。8質量%を超える添加は極細繊維の強度を著しく損なうため避ける必要がある。また、淡色系に着色される場合には、0〜2質量%、中色系に着色される場合には、0.5〜4質量%、濃色系に着色される場合には、1〜8質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0007】
極細繊維発生型繊維の不織布化にあたっては、ステープルをウェッブ経由でニードルパンチや高圧水流により絡合させる等の公知の不織布製造方法を用いることができる。該不織布は、皮革様シートとした際の厚さ等を考慮して目的に応じた形態にする必要が有るが、目付けとしては200〜1500g/m2、厚みとしては1〜10mmの範囲が工程中での取り扱いの容易さの観点から好ましい。
極細繊維絡合不織布内部に充填される高分子弾性体としては、公知のもの、例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が使用可能であるが、極細繊維立毛シートとしたときの感性面や強度面、あるいは素材として使用が想定される環境における特性面、さらには後述する立毛面に付与する配合物との接着性、さらには樹脂としての価格面などの種々の要因のバランスにおいて、ポリウレタンが最も好ましく、なかでも平均分子量500〜3000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルエーテルジオール、ポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどから選ばれた少なくとも1種のポリマージオール、芳香族ジイソシアネートまたは脂環族ジイソシアネートから選ばれた少なくとも1種の有機ジイソシアネートを主体に、必要に応じて他の有機ジイソシアネートあるいは有機トリイソシアネートを配合した有機ジイソシアネート、および低分子ジオール、低分子ジアミン、ヒドラジン、ヒドロキシアミンなど活性水素原子2個有する化合物とを溶液重合法、溶融重合法、塊状重合法などによって重合して得たポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステルエーテル系ポリウレタン、ポリラクトン系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタンなどが好ましい。
【0008】
これらの高分子弾性体は溶剤に溶解、あるいは分散媒に分散してポリマー含有液にしたのち繊維絡合不織布に含浸し、貧溶剤で処理して湿式凝固、あるいは加熱処理により溶剤/分散媒を除去して固化させる。シートを濃色に仕上げる場合には、該高分子弾性体中にカーボンブラック等の顔料を添加することで、シート全体の濃色度を底上げかつ基体層の変退色を隠蔽することが可能である。その際の顔料添加量としては高分子弾性体100部に対して0.1〜40部が好ましい。0.1部未満では少量のためシートの色相に影響を与えることができず、40部を超える場合には高分子弾性体の取り扱い性およびシートの柔軟性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
【0009】
極細繊維が3次元絡合した不織布と、それに充填された高分子弾性体からなる基体層を得るにあたって、高分子弾性体を極細繊維発生型繊維からの極細繊維発生工程と高分子弾性体充填工程の順序はどちらが先になってもよいが、極細繊維と高分子弾性体との質量比は、30/70〜95/5の範囲内であることが好ましい。さらに好ましくは、50/50〜90/10の範囲内である。基体層で前述の範囲より繊維の比率が低くなりすぎるとゴムライクな風合いとなりやすく、また、繊維の比率が高くなりすぎるとペーパーライクとなり、皮革様の風合いが得られにくい。また、基体層の厚みとしては、0.3〜2.0mmが皮革様の風合いのものが得られやすいことから好ましい。また、目付としては、皮革様の風合いおよび充実感の点で好ましくは120〜1600g/m2、さらに好ましくは200〜1200g/m2の範囲である。
【0010】
得られた基体層の少なくとも片面を起毛処理した後に、該起毛表面に浸透剤を付与、次いで該表面にポリマー固形分に対して5〜40部の顔料を分散させた非多孔質弾性ポリマーの水系エマルジョンを非全面に付与し、乾燥固化させることにより本発明の耐光性、耐摩耗性、摩擦堅牢度に優れた極細繊維立毛シートが得られる。ここで、非全面に付与するとは、基体表面に対して非多孔質弾性ポリマーの付与された部分(銀面部分)と付与されない部分(立毛部分)がまばらな状態で混在するように付与することを意味する。そして、文字どおり全面を銀面部で覆わないように付与することを言い、好ましくはシート表面の任意の1平方ミリメートルの範囲において、塗布している部分と塗布していない部分が共に存在している状態を言う。
【0011】
起毛処理としては、サンドペーパーまたは針布によるバフィング等、公知の方法を使用できる。
起毛表面への浸透剤としては、湿潤剤、浸透剤、またはレベリング剤として当業者に周知の界面活性剤等が使用できる。これらの中でもスルホコハク酸ジー2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩、スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩型アニオン界面活性剤:ラウリル硫酸エステルナトリウム、硫酸化オレイン酸ブチルエステルナトリウム塩、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等の硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤:ポリエチレングリコールーモノー4―ノニルフエニルエーテル、ポリエチレングリコールーモノーオクチルエーテル、ポリエチレングリコールーモノーデシルエーテル等のHLB価6〜16のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤:フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤から選ばれる1種以上を用いることが望ましい。基体に付与する方法は、グラビアコート法、ナイフコート法、スプレー法、含浸法、転写法の何れでもよいが、付与の均一性の点から含浸法及びグラビアコート法が好ましい。
浸透剤の付与量としては、固型分付着量で0.5〜5.0g/m2の範囲が、より好ましくは1.0〜3.0g/m2の範囲が、得られる皮革様シートの風合いと表面物性の点で好ましい。0.5g/m2に満たない場合は、次に付与する非多孔質弾性ポリマーが基体層内部まで均一に十分浸透せず、5.0g/m2を超えても浸透効果はあまり変わらず付着量のみが増える傾向を示す。
【0012】
起毛表面に付与する非多孔質弾性ポリマーとしては、前述の極細繊維絡合不織布内部に充填される公知の高分子弾性体と同様のエラストマーが使用可能であるが、中でもポリウレタン系エラストマーまたはアクリル系エラストマーあるいはその混合物が好ましく用いられる。そして付与方法としては、該エラストマーの水系エマルジョンが用いられ、公知のウレタン系エマルジョン、アクリル系エマルジョンあるいはその混合系等が使用できる。
本発明においては、この非多孔質弾性ポリマー水系エマルジョンに顔料を添加し、顔料により本発明の皮革様シートの色相を決定させるとともに基体層の変退色を隠蔽することで高耐光性を実現可能とする。顔料としては公知の無機顔料および有機顔料を用いることができ、種々の有機系顔料及び無機系顔料が使用できる。有機顔料としては、例えばフタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ぺリレン系、チオインジゴ系、アゾ系顔料等が挙げられる。また、無機系顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、べんがら、クロムレッド、モリブデンレッド、リサージ、酸化鉄等が挙げられる。顔料の平均粒径は0.08〜0.6μmであることが好ましい。非多孔質弾性ポリマーに含有している顔料の平均粒径が0.08μm未満である場合には、顔料自体の隠蔽性、耐光堅牢性が低下することに起因して皮革様シートの耐光堅牢性が劣るばかりか、顔料を加えた非多孔質弾性ポリマーエマルジョン中で顔料が凝集しやすくなって顔料を非多孔質弾性ポリマーエマルジョン中に均一に分散させることが難しくなり、得られる皮革様シートの発色斑が生じる。逆に、非多孔質弾性ポリマーに含有している顔料の平均粒径が0.6μmを超える場合には、顔料が非多孔質弾性ポリマーの形態保持性能を低下させることに起因して得られるスエード調人工皮革の引張強力、耐表面摩耗性などが低下し、実用上問題が生じるばかりか、非多孔質弾性ポリマーエマルジョン中で顔料が沈降しやすくなって、顔料を含有する非多孔質弾性ポリマーを付与する工程性に劣る。顔料の平均粒径としては、0.1〜0.4μmが特に好ましい。
【0013】
非多孔質弾性ポリマーへの顔料の添加量はポリマー固形分に対して5部〜40部であることが好ましく、より好ましくは15〜35部である。5部未満の添加量では基体層の変退色を隠蔽することが困難となる場合があり、40部を超えて添加した場合には、非多孔質弾性ポリマー層の柔軟性が損なわれるとともに、耐摩耗性、摩擦堅牢性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
さらに、基体層の高分子弾性体中に含有する顔料(a)と非多孔質弾性ポリマー中に含有する顔料(b)の質量比はa/b=0/100〜50/50が好ましく、0/100〜30/70が非多孔質弾性ポリマー中に含有された顔料により主として本発明の皮革様シートの色相が決定されやすくなる点で好ましい。
顔料を含有する非多孔質弾性ポリマーを非全面に付与した皮革様シート表面に占める銀面部と立毛部の面積割合として銀面部/立毛部=95/5〜30/70の範囲が好ましく、90/10〜50/50の範囲がより好ましい。上記範囲より銀面部の占める割合が増すと表面タッチが立毛のほとんどない銀付調に近いものとなりライティング性が損なわれる。また、立毛部の占める割合が増すとスエード調皮革様シートに近いものとなり、非多孔質弾性ポリマー層による基体層の隠蔽効果も損なわれ、耐摩耗性、摩擦堅牢性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
このような表面状態を実現するための非多孔質弾性ポリマーの付与方法としては、既知の塗布技術が使用できるが、上記のごとき非全面への付与を実現するためにはグラビアコート法、スプレー法などを用いることが好ましく、なかでも塗布量の制御の容易さから、グラビアコート法が特に好ましく用いられる。ナイフコート法、ロールコート法などでは、表面に立毛部が残るような付与を行なうことは困難が伴う。
非多孔質弾性ポリマーの付与量は、固型分で10〜40g/m2の範囲が好ましい。10g/m2未満では顔料による発色および隠蔽効果が不充分となる。40g/m2を超えると非多孔質弾性ポリマーの存在しない立毛部が少なくなるため、ライティング性に欠ける表面となる。
なお、浸透剤の付与と顔料を含有する非多孔質弾性ポリマー水系エマルジョンの付与は、エマルジョンの配合安定性が確保できる場合には両者を含有する液を用いて同一工程で行ってもよい。
【0014】
次いで、得られたシートを温水中で処理することにより柔軟化する。温水処理条件としては40℃〜150℃の温水浴中に1分〜90分浸漬する方法が一般的である。また、処理する前に凹凸模様のある熱プレスにより、表面模様を形成させてもよい。熱プレスには、キュアリング効果により製品とした際に表面の耐摩耗性が向上するという利点もある。凹凸模様のある熱プレスで処理する方法は、表面に凹凸模様を有するエンボスロールを使用して高温のロール表面に皮革様シート表面を圧接させる方法が好ましい。この表面の凹凸模様は温水処理時のシワの発性起点にもなり、目的に応じた模様を選択すればよい。温水処理機としては、ウインス染色機、ジガー染色機、高圧液流染色機等、いずれの方法を用いても良いが、特に効果のある方法として、高圧液流染色機を用い熱水流と共に皮革様シートを狭いノズルを通過させる方法が、風合いおよび、自然なシワ付けの点で好ましい。
【0015】
本発明においては、皮革様シートの表層に顔料を含有する非多孔質弾性ポリマーを局在させ、かつ立毛の毛羽長を短くすることにより、顔料のみで充分な着色を可能としているが、毛羽と該ポリマー層の色相に違和感がある場合には、前項の温水処理工程にひきつづき、極細繊維を適当な染料で染色することにより違和感を抑制してもよい。例えば分散染料、酸性染料、含金錯体染料、硫化染料を含有する水溶液中で処理することができる。ただし、染料による染色を適用する場合には、染色の際の染料濃度を10owf%以下とすることが好ましい。染料濃度が10owf%を超える場合には、総着色量における染料の寄与が増大するため染料の変退色のみによっても耐光堅牢度の評価が大幅に下がる可能性がある。得られたシートには、さらに必要に応じて揉み処理、整毛処理等を加えてもよい。
【0016】
このようにして得られた皮革様シートは、耐光性、耐摩耗性に優れ、柔軟で高級感のある表面タッチおよびライティング性を有する立毛を有する皮革様シートであり、衣料用、靴用、手袋用、またはソファー等のインテリア用といった広範な用途に適用可能であるが、特に、カーシート等の高度な耐光性を要求される用途に好適である。
【0017】
以下実施例により、本発明の実施態様を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、極細繊維の平均繊度は、極細繊維形成に使用したポリマーの密度と走査型電子顕微鏡を用いて数百倍〜数千倍程度の倍率にて観察される、繊維質シート基体、あるいは極細繊維立毛シートを構成する極細繊維の断面の面積とから計算されたものである。
また、実施例中で記載される部および%は、特にことわりのない限り質量に関するものである。
[耐光堅牢性]
スエード調人工皮革の表面にキセノンアークランプを100時間照射(ブラックパネル温度:83℃、積算照射照度:20MJ、水スプレー無し)した後の変色度をJIS L0804に規定する変退色グレースケールを用いて号判定を行い、その号判定を級として判定した。
【0018】
実施例1
ポリエチレン40部(海成分)およびポリエチレンテレフタレート60部(島成分)からなる繊度5.5デシテックスの海島型複合繊維を用いて作製した平均目付650g/m2の繊維絡合不織布に、ポリカーボネート系ポリウレタンを主体とするポリウレタン組成物14部、ジメチルホルムアミド86部の組成液を含浸し、湿式凝固してポリウレタンを含有した繊維シートを得た。この繊維シートを熱トルエン中で処理して繊維中のポリエチレン成分を溶解除去し、ポリエチレンテレフタレート極細繊維(平均繊度0.02デシテックス)絡合不織布内部にポリウレタンエラストマーが多孔質構造となって含有された厚さ1.3mm、目付470g/m2の繊維質シートを得た。
この繊維質シートの一面に200メッシュのグラビアロールを使用して、ジメチルホルムアミドとシクロヘキサノンの50対50混合溶剤を18g/m2塗布し、乾燥した。この混合溶剤塗布面を粒度400番のサンドペーパーでバフィングし、表面の繊維を起毛して、極細繊維立毛が形成された立毛繊維質シートIaを得た。
次に浸透剤としてポリフロー(共栄社化学株式会社製)の1.5%水溶液を含浸、乾燥し、固型分付着量で1.5g/m2付与したシートに、非多孔質弾性ポリマーとしてアクリル酸共重合エラストマーを15%および粒径0.3μmのベージュに調色した水分散系用配合顔料IIを4.5%(弾性ポリマー100部に対して顔料30部)分散させた水系エマルジョンを70メッシュのグラビアロールで1回、固型分付着量にして7.5g/m2塗布して150℃で40秒間乾燥して非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部を形成した。次いで、表面に凹凸模様を有するエンボスロールを使用して165℃のロール表面にシートを圧接させて柄付けを行った。
次に高圧液流染色機を用いて130℃の温水中で、60分間柔軟化処理した後乾燥した。さらに、手揉みを想定した揉み機による柔軟化処理を施してベージュに着色された皮革様シートを得た。
得られた皮革様シートは、極細繊維からなる立毛部と非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部が混在している表面部が形成された、耐摩耗性に優れ柔軟で高級感のあるヌバック調皮革様シートであった。また、耐光堅牢性は5級と判定され、極めて高度な耐光性能を有するものであった。
【0019】
実施例2
海島型複合繊維作製時に島成分のポリエチレンテレフタレートに1%のカーボンブラックを添加し、繊維絡合不織布へ付与するポリカーボネート系ポリウレタン100部に対して1部のカーボンブラックを添加した上で、同様の工程により立毛繊維質シートIbを得、ベージュに調色した配合顔料に替えてグレーに調色した配合顔料を用いた以外は実施例1と同様にして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは、極細繊維からなる立毛部と非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部が混在している表面部が形成された、耐摩耗性に優れ柔軟で高級感のあるヌバック調皮革様シートであった。また、耐光堅牢性は5級と判定され、極めて高度な耐光性能を有するものであった。
【0020】
実施例3
海島型複合繊維作製時に島成分のポリエチレンテレフタレートに2.5%のカーボンブラックを添加し、繊維絡合不織布へ付与するポリカーボネート系ポリウレタン100部に対して5.0部のカーボンブラックを添加した上で、同様の工程により立毛繊維質シートIcを得、ベージュに調色した配合顔料に替えてブラックに調色した配合顔料を用いた以外は実施例1と同様にして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは、極細繊維からなる立毛部と非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部が混在している表面部が形成された、耐摩耗性に優れ柔軟で高級感のあるヌバック調皮革様シートであった。また、耐光堅牢性は5級と判定され、極めて高度な耐光性能を有するものであった。
【0021】
実施例4
実施例3において、表面に付与する水系エマルジョン中の弾性ポリマー100部に対する顔料分を20部とし、温水柔軟化工程に替えて高圧液流染色機を用い、分散染料染色を実施した。黒色の分散染料(8owf%)により130℃の温水で60分間染色し温水洗浄後、還元処理、酸化処理、中和処理後、温水洗浄した後乾燥した。得られたシートは耐光堅牢性4−5級であり、カーシート等の高度な耐光堅牢性を要求される用途にも充分使用可能なものであった。
【0022】
比較例1
実施例1において立毛繊維質シートIaに非多孔質弾性ポリマーを付与するに際し顔料を配合せず(着色せず)、温水柔軟化工程に替えて高圧液流染色機を用い、分散染料染色により着色した。実施例1と同色となる様に分散染料を配合し(5owf%)、130℃の温水で60分間染色、温水洗浄後、還元処理、酸化処理、中和処理後、温水洗浄した後乾燥した。さらに、手揉みを想定した揉み機による柔軟化処理を施してベージュに着色された皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは、極細繊維からなる立毛部と非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部が混在している表面部が形成された、柔軟で高級感のあるヌバック調皮革様シートであったが、耐光性は2級であり、カーシート等の高度な耐光堅牢性を要求される用途には不向きなものであった。
【0023】
比較例2
実施例2において得られた立毛繊維質シートIbに非多孔質弾性ポリマーを付与するに際し顔料を配合せず、温水柔軟化工程に替えて高圧液流染色機を用い、分散染料染色により着色した。実施例2と同色となる様に分散染料を配合し(7owf%)、130℃の温水で60分間染色、温水洗浄後、還元処理、酸化処理、中和処理後、温水洗浄した後乾燥した。さらに、手揉みを想定した揉み機による柔軟化処理を施してグレーに着色された皮革様シートを得た。
【0024】
比較例3
実施例3において得られた立毛繊維質シートIcに非多孔質弾性ポリマーを付与するに際し顔料を配合せず、温水柔軟化工程に替えて高圧液流染色機を用い、分散染料染色により着色した。実施例3と同色となる様に分散染料を配合し(15owf%)、130℃の温水で60分間染色、温水洗浄後、還元処理、酸化処理、中和処理後、温水洗浄した後乾燥した。さらに、手揉みを想定した揉み機による柔軟化処理を施してブラックに着色された皮革様シートを得た。
【0025】
比較例4
実施例1において、繊維絡合不織布へ付与するポリカーボネート系ポリウレタン100部に対してベージュに調色したDMF分散系用配合顔料IIbを45部添加した上で、同様の工程により立毛繊維質シートIdを得、これに非多孔質弾性ポリマーを付与するに際し顔料を配合せず、あとは同様の工程を経てベージュに着色された皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは、極細繊維からなる立毛部と非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部が混在している表面部が形成された、柔軟で高級感のあるヌバック調皮革様シートであり、耐光性も5級と良好であったが、表層の非多孔質弾性ポリマーの付着状態および極細繊維の毛羽状態の影響により、色調の再現性に乏しく、生産性に欠けるものであった。さらに風合いも硬く、機械物性に劣るものであった。
【0026】
比較例5
比較例4において配合顔料IIbの添加量を25部とし、立毛繊維質シートIeを得、分散染料染色(3〜20owf%)により色調を調整して、ベージュに着色された皮革様シートを得た。分散染料染色時の色調調整に際し必要な染料量が一定せず、耐光性能も一定しないため、実生産上問題の多いものであった。
【0027】
以上の実施例および比較例で得られた極細繊維立毛シートの評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
本発明の極細繊維立毛シートは、耐光性,耐摩耗性に優れ、柔軟で高級感のある表面タッチおよびライティング性を有するヌバック調皮革様シートであり、衣料用、靴用、手袋用、またはソファー等のインテリア用といった広範な用途に適用可能であるが、特に、カーシート等の高度な耐光性を要求される用途に好適である。
Claims (5)
- カーボンブラックを0〜8質量%含有する0.5デシテックス以下の極細繊維絡合不織布とその内部に充填された高分子弾性体からなる基体、および該基体の表面には、該極細繊維からなる立毛部と非多孔質弾性ポリマーからなる銀面部が混在している皮革様シートにおいて、主として該非多孔質弾性ポリマー中に含有された顔料により色相が決定され、キセノンアークランプ耐光堅牢性評価(ブラックパネル温度=83℃、積算照射照度=20MJ)が4級以上であることを特徴とする皮革様シート。
- 非多孔質弾性ポリマー100質量部に対して5〜40質量部の顔料を含有する請求項1に記載の皮革様シート。
- 高分子弾性体100質量部に対して0.1〜40質量部の顔料を含有する請求項1または2記載の皮革様シート。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮革様シートを10owf%以下の染料で染色して得られる皮革様シート。
- 皮革様シートを製造するに際し、下記▲1▼〜▲3▼の工程、
▲1▼カーボンブラックを0〜8質量%含有する0.5デシテックス以下の極細繊維が3次元絡合した不織布と、それに充填された高分子弾性体からなる基体を製造する工程、
▲2▼該基体表面を起毛する工程、
▲3▼該起毛表面に浸透剤を付与するとともに、非多孔質弾性ポリマー100質量部に対して5〜40質量部の顔料を分散させた水系エマルジョンを非全面に付与し、乾燥固化させる工程、
を▲1▼▲2▼▲3▼の順序で行うことを特徴とする皮革様シートの製造方法。
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