JP2003293269A - スエード調人工皮革 - Google Patents
スエード調人工皮革Info
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Abstract
好なスエード調人工皮革で、さらに該外観と毛羽感を長
期にわたり維持しているスエード調人工皮革を提供す
る。 【解決手段】0.5デシテックス以下の極細繊維からな
る絡合不織布およびその内部に含有されたポリウレタン
を主体とする弾性重合体からなる人工皮革基体の表面
に、着色剤を含有するポリカーボネート系ポリウレタン
樹脂がスポット状に付与されており、かつスポットと隣
り合うスポットとの距離が10〜100μmであるスエ
ード調人工皮革である。
Description
観、柔軟な風合い、および毛羽感の良好なスエード調人
工皮革で、さらに立体感のある模様の外観と毛羽感を長
期にわたり維持しているスエード調人工皮革に関する。
いや、高級な外観を有するスエード調人工皮革は衣料用
をはじめとして家具や自動車用シート材などに高級素材
として採用されている。最近ではファッションの多様
化、個性化が進み、あえて均一な表面ではなく柄模様を
表面に施したものが要望されている。
模様を付与する方法に関して種々提案されている。中で
も表面に凹凸を施す方法は立体感のある模様を付与でき
るため数多くの試みがなされてきた。例えば染色後の立
毛面にエンボスにて凹凸を付与する方法が提案されてい
る。しかしエンボスで凹凸を付与する方法は、一時的に
模様を施すことは出来るが、着用中あるいはクリーニン
グで模様が不鮮明になることは避けられない。また特開
平9−209260号公報には、シート裏面に凹凸模様
のある支持体を貼り合わせバフィングすることにより、
模様のある立毛表面を得る方法が開示されている。しか
しながら、この方法では、シート裏面の凹凸はシート自
体の厚みによりバフ面において弱まったものとなり不鮮
明な模様のものしか得られない。またシートと支持体を
貼り合わせてバフィングするため両者のテンションやサ
ンドペーパーとバックロールのクリアランスを厳密に調
整しなければならず、更に特殊なバフ機を要する等の欠
点がある。特開2000−144568号公報では、立
毛表面に部分的に樹脂を塗布し立毛を押え込む方法が提
案されている。この方法では、樹脂により立毛が押え込
まれ固着されているので模様は比較的堅牢であるが、表
面を樹脂で覆っているため毛羽感の低下およびライティ
ング効果が低下する傾向がある。さらにはスエード調人
工皮革本来のソフトなタッチと外観を兼ね備えるには満
足できるものではなかった。
欠点を解消するために鋭意研究した結果、立体感のある
新規な外観、柔軟な風合い、および毛羽感の良好なスエ
ード調人工皮革で、立体感のある模様の外観と毛羽感を
長期にわたり維持しているスエード調人工皮革を見出
し、本発明に達した。
5デシテックス以下の極細繊維からなる絡合不織布およ
びその内部に含有されたポリウレタンを主体とする弾性
重合体からなる人工皮革基体の立毛表面に、着色剤を含
有するポリウレタン樹脂がスポット状に付与されてお
り、かつスポットと隣り合うスポットとの距離が10〜
100μmであるスエード調人工皮革である。
リウレタン樹脂がポリカーボネート系ポリウレタンであ
り、極細繊維がポリアミドまたはポリエステルからなる
スエード調人工皮革である。また、好ましくは、人工皮
革基体の立毛表面に付与されているポリウレタン樹脂の
着色剤が顔料であり、スポット状に付与されたポリウレ
タン樹脂が柄模様を形成するものであり、さらには、立
毛部分と着色剤を含有するポリウレタン樹脂の混在部分
から形成されてなる柄模様を有するスエード調人工皮革
である。
は、0.5デシテックス以下の極細繊維からなる不織布
とその内部に弾性重合体が含有された構成のものであ
る。極細繊維としては、単繊維繊度0.5デシテックス
以下、好ましくは0.2デシテックス以下で0.000
5デシテックス以上の極細繊維束からなるものである。
0.5デシテックスより太い場合には天然皮革様のスエ
ードライクな品位のある外観は得られない。極細繊維束
を構成する極細繊維の本数としては、極細繊維束断面に
おける本数として10〜1000本の範囲が好ましく、
極細繊維の集合体である1つの極細繊維束のトータル太
さとして0.5〜10デシテックスの範囲が天然皮革様
のスエードのものが得られる点で好ましい。
繊維の束は、従来公知の方法で作られる。例えば、相溶
性のない少なくとも2種類のポリマーからなり、断面に
おいて少なくとも1種類のポリマーが島成分、そしてそ
れ以外の少なくとも1種類のポリマーが海成分となって
いる極細繊維発生型繊維から少なくとも1成分(通常は
海成分ポリマー)を溶解又は分解除去することにより、
または相溶性のない2種以上のポリマーが接合した断面
形状を有する貼合わせ型の極細繊維発生型繊維を機械的
または化学的な処理を用いて2成分の界面で剥離させる
ことにより得ることができる。得られる極細繊維の束を
構成する極細繊維の単繊維繊度を0.5デシテックス以
下、特に0.2デシテックス以下とするためには、貼合
わせ型の極細繊維発生型繊維を用いるよりは繊維断面が
海島構造となっている極細繊維発生型繊維を用いる方が
工程上有利である。またメルトブローンなどのように直
接極細繊維を製造する方法を用いてもよい。なお極細繊
維構成ポリマーには、必要に応じて着色剤、酸化防止
剤、各種安定剤等が添加されていてもよい。
るポリマーとして、6−ナイロン、66−ナイロンをは
じめとする溶融紡糸可能なポリアミド類、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、カチオ
ン可染型変性ポリエチレンテレフタレートをはじめとす
る溶融紡糸可能なポリエステル類、ポリプロピレンで代
表されるポリオレフィン類などから選ばれた少なくとも
1種類のポリマーが挙げられ、なかでも上記ポリアミド
類やポリエステル類が物性、風合い、および毛羽感を両
立する点から好ましい。
は、極細繊維成分と溶剤または分解剤に対する溶解性ま
たは分解性を異にし、極細繊維成分との相溶性の低いポ
リマーであり、かつ紡糸条件下で極細繊維成分より溶融
粘度が小さいかあるいは表面張力が小さいポリマーであ
り、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレ
ンプロピレン共重合体、変性ポリエステルなどのポリマ
ーから選ばれた少なくとも1種類のポリマーである。
ウェッバーを通してウェッブを形成する。得られた繊維
ウェッブは、所望の重さ、厚さに積層し、次いで、ニー
ドルパンチ、高速水流などの公知の方法で絡合処理を行
って三次元絡合不織布とする。ウエッブには必要に応じ
て織編物等を積層することもできる。三次元絡合不織布
は最終的に表面が毛羽立てられ、立毛表面が形成される
こととなることから、該不織布表面は極細繊維発生型繊
維または極細繊維から構成されていることが必要である
が、得られるシートの風合いの点から不織布全体が極細
繊維発生型繊維または極細繊維から構成されている場合
が好ましい。三次元絡合不織布は、表面平滑な基体層と
するため、弾性重合体の含浸前に加熱プレス処理などに
より表面平滑化することが好ましい。三次元絡合不織布
の目付としては、弾性重合体の含浸前の時点で100〜
1000g/m2が好ましい。
液又は分散液を含浸し、多孔構造に凝固させる。弾性重
合体の凝固方法としては、弾性重合体の非溶剤を含む液
に浸漬して湿式凝固するか、ゲル化させた後加熱乾燥す
る方法など公知の方法が挙げられる。ここで含浸する弾
性重合体としては、従来から皮革様シートの製造に用い
られているポリウレタンを主体とする弾性重合体が用い
られる。そしてポリウレタンに合成ゴム、アクリル酸エ
ステル系重合体または共重合体、可塑剤の使用によって
弾性化した樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等の弾性
重合体から選ばれた少なくとも1種類の弾性重合体を添
加した重合体を用いることも可能である。本発明で用い
られるポリウレタンとしては、例えば、平均分子量50
0〜3000のポリエステルジオール、ポリエーテルジ
オール、ポリカーボネートジオールあるいはポリエステ
ルポリエーテルジオール等のポリマージオール等から選
ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、4、
4’ージフェニルメタンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートな
どの芳香族系、脂環族系、脂肪族系のジイソシアネート
などから選ばれた少なくとも1種類のジイソシアネート
と、エチレングリコール、ブタンジオール、エチレンジ
アミン、4、4’ージアミノジフェニルメタン等の2個
以上の活性水素原子を有する少なくとも1種類の低分子
化合物とを所定のモル比で反応させて得たポリウレタン
およびその変性物が、柔軟性、弾性回復性、スポンジ形
成性等よりもっとも好ましく用いられる。
剤、凝固調節剤、酸化防止剤、分散剤等の添加剤を配合
する。弾性重合体を付与した繊維質基体に占める弾性重
合体の比率は、基体に柔軟な風合いと弾性回復性を持た
せ、立毛面に樹脂を塗布する前に平滑性の高い基体表面
を形成するために、極細繊維化する前で、固形分として
重量比で10%以上、好ましくは30〜50%の範囲で
含有させるのがよい。弾性体比率が10%未満の場合に
は、緻密な弾性体スポンジ(多孔構造)が形成されず、
基体表面を起毛する際に十分に極細繊維を固定できず、
また弾性体スポンジ自身が緻密で平滑でないために立毛
面が十分な平滑面とならない。
ポリマーのうちの少なくとも1成分(好ましくは海成分
構成ポリマー)の溶解剤若しくは分解剤で処理して、ま
たは機械的若しくは化学的処理により2成分の界面で剥
離して極細繊維束に変性する。極細繊維発生型繊維の極
細繊維束への変性処理は弾性重合体の付与前であっても
よいが、極細繊維束に変性後に弾性重合体を含浸、凝固
すると、弾性重合体が極細繊維に接着し風合いが硬くな
りやすいため、弾性重合体付与後に極細繊維束に変性す
ることが好ましい。弾性重合体付与前に変性処理を行っ
た場合には、極細繊維と弾性重合体が接着しないように
ポリビニルアルコールなどの溶解除去可能な仮充填剤を
不織布に付与した後に弾性重合を付与し、その後に該仮
充填剤を除去することが好ましい。
性重合体からなる人工皮革基体はスライス、バフィング
等により所望の厚みに調整した後、人工皮革基体表面の
起毛を行う。起毛方法は、公知の方法を用いることが可
能である。そして針布起毛機による起毛なども用いられ
るが、サンドペーパーなどによるバフィングが繊細かつ
均一な起毛が可能なことより好ましく実施される。
レタン樹脂をスポット状に付与する。着色剤としては公
知の顔料または染料が使用できるが耐光性、耐久性、堅
牢度の点で顔料が好ましく用いられる。顔料としてはカ
ーボンブラック、酸化チタン、フェロシアニン系、アゾ
系、アントラキノン系等の有機顔料が使用される。また
着色剤に含有するポリウレタン樹脂としては、ポリエス
テル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン
樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂等公知のポ
リウレタン樹脂を用いることが可能であるが、本発明の
目的、すなわち外観と毛羽感を長期にわたり有し、耐久
性、耐光性が優れている点でポリカーボネート系ポリウ
レタンが好ましく使用される。ポリカーボネート系ポリ
ウレタン樹脂の100%モジュラスは30〜250kg
/cm2の範囲が好ましい。100%モジュラスが30
kg/cm2未満ではタックが強くなる傾向があり、天
然皮革並みの毛羽感およびライティング効果が得られに
くく、さらに表面強度が低下する傾向にある。また10
0%モジュラスが250kg/cm2を越えると、表面
部分が硬くなり易く、耐屈曲性が悪くなる場合がある。
付与部分の樹脂によって付与部分周辺の立毛部分の集毛
を起こし難くしてよりシャープな立体感を与える点から
50〜200kg/cm2の範囲が好ましい。
樹脂に対して1〜50重量部であることが好ましい。1
重量部未満では立体感の模様が得られにくく、50重量
部を越えると、耐屈曲性が低下する場合がある。そして
3〜30重量部であることが好ましい。そして、本発明
のスエード調皮革様シートを染色または染色しない状態
でスポット状に着色された部分と着色されていない部分
の濃淡差が着色濃度K/S値(クーベルカームンクの式
で求めた着色濃度で、Kは吸収係数、Sは散乱係数。)
で3以上であることが好ましく、より好ましくは10以
上となるように着色剤を添加することが立体感のある新
規な外観、さらには立体感のある柄模様を付与する点に
おいて特に好ましい。
ポリウレタン樹脂はスポット状に存在する必要がある。
スポット状で存在することなく、連続状として存在して
いる場合には立体感の模様が得られにくく、連続存在部
分の毛羽感およびライティング効果が劣る。本発明にお
いて個々のスポットの大きさとしては10−2〜2mm
2が好ましく、より好ましくは10−1〜1mm2の範
囲である。該塗布方法としてはスプレー法、グラビア印
刷法、スクリーン印刷法等公知の方法のいずれかで塗布
すれば良いが、スポット状に容易に塗布する方法、とり
わけ柄模様をスポット状に付与する方法としてはグラビ
ア印刷法が好ましい。そして、本発明の特徴である立体
感のある外観と毛羽感、ライティング効果および風合い
を両立するためにはスポットと隣り合うスポットとの距
離が10〜100μmを維持することが必要であり、よ
り好ましくは、10〜70μmである。スポット間の距
離が10μm未満の場合には柄模様部分と立毛部分から
なる立体感が得られにくく、毛羽感およびライティング
効果が低下する傾向を示し、表面が硬くなる場合があ
る。
在部分がなくなり立毛部分が樹脂に覆われ易く、模様部
分の毛羽感およびライティング効果が低下する傾向にあ
る。一方、100μmを越える場合には毛羽感および風
合いは良いが、柄模様の立体感が低下する傾向がある。
着色剤を含むポリウレタン樹脂の好適な塗布量としては
樹脂の固形分換算で0.2〜5g/m2の範囲であるこ
とが好ましい。塗布量が0.2g/m2未満の場合には
目標とする立体感のある模様が得られにくく、また、5
g/m2を越える場合には毛羽感およびライティング効
果が低下する傾向にある。本発明では、立毛表面に顔料
を含有する樹脂をスポットと隣り合うスポットとの平均
距離が10〜100μmとなるように付与する方法によ
って、毛羽感およびライティング効果兼ね備えたスエー
ド調人工皮革を得ることが可能となり、さらには、該柄
模様部分の立毛と着色樹脂の混在部分が発生することに
よって、柄模様部分に関しても立体感と毛羽感およびラ
イティング効果を得やすいスエード調人工皮革となる。
を染色するが、染色は、繊維の種類に応じて酸性染料、
金属錯塩染料、硫化染料、分散染料などを主体とした染
料を用いて、通常の染色方法により染色を行なう。染色
後、もみ、柔軟化処理、必要に応じて發水処理、帯電防
止処理等の処理をした後、好ましくは、ブラッシングな
どの整毛仕上げ処理を行うことによって、より毛羽感、
立体感、およびライティング効果が顕著となる。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部、%はすべて重量に関するものであ
る。なお本発明で言う極細繊維の繊度は、繊維断面を電
子顕微鏡で撮り、その写真から任意に選び出した50本
の極細繊維の断面積の平均値を求め、その平均値から繊
度を求めた。
チレン(海成分)からなる海島型複合繊維を溶融紡糸に
より得て、これを70℃の温水中で2.5倍に延伸し、
繊維油剤を付与し、機械捲縮をかけて乾燥後、51mm
にカットして4デシテックスのステーブル繊維とした。
このステーブル繊維をスクラップ法で目付500g/m
2のウェーブを形成し、ついで両面から交互に合わせて
約500パンチ/cm2のニードルパンチングを行い、
さらに120℃加熱し、カレンダーロールでプレスする
ことで表面の平滑な絡合不織布をつくった。この絡合不
織布の目付は340g/m2、見掛け比重は0.30で
あった。この絡合不織布に、ポリテトラメチルエーテル
系ポリウレタンを主体とする13%濃度のポリウレタン
のジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)溶液を含
浸し、DMF/水=15/85の混合液の中に浸してポ
リウレタンを多孔質状に湿式凝固した後、熱トルエン中
で複合繊維中の海成分を溶出除去して極細繊維(平均繊
維太さ0.001デシテックス)を発現させ、人工皮革
基体を得た。得られた人工皮革基体は1.2mmで、ポ
リウレタンの量は120g/m2であった。
および600番手のサンドペーパーを用いて両面をバフ
処理を行い、厚み0.4mm、目付180g/m2のス
エード調皮革様基体を得た。得られた基体の表面に、ポ
リカーボネートポリウレタン樹脂(大日精化製レザミン
TC−7 100%モジュラス100Kg/cm2固形
分15%)100部、黒顔料溶液(大日精化製SSM6
730カーボンブラック顔料分6%固形分15%)10
0部、DMF20部、メチルエチルケトン30部のポリ
ウレタン樹脂溶液を雲柄プリントロールを用いてグラビ
ア処理した。得られたスポットの大きさは5×10-2
mm2であった。その後、茶色の金属錯塩染料(チバガ
イギー社製イルガランブラウンRL)、均染剤(レベラ
ンL)を使用して柄部分と柄の無い部分との濃淡差はK
/Sで11となるようにウインス染色機で、90℃、6
0分間染色処理を行った後、水洗い洗浄をし、乾燥後、
整毛処理を行った。得られたスエード調人工皮革の柄模
様表面を電子顕微鏡にて観察したところ、着色された部
分を構成するスポットと隣り合うスポットとの平均距離
が30μmであり、さらに柄模様部分に関しても立毛部
分が混在していることが観察された。そして、このスエ
ード調人工皮革は良好な立体感の模様を有しており、極
細繊維からなるスエード特有の毛羽感とソフトなタッ
チ、風合いを有していた。これを衣料用のコートに使用
した所、非常に高級感があり、好評であった。
ト60部、海成分がMFR=40の直鎖状低密度ポリエ
チレン40部の海島型複合繊維(島数20、繊度4.0
デシテックス、繊維長51mm、捲縮数12山/inc
h)を使用して目付530g/m2のニードルパンチ不
織布を作製した。この不織布にポリエーテル系ポリウレ
タンの15%DMF溶液を含浸し、DMF水溶液により
湿式凝固し、水洗した後85℃トルエンにより海成分の
ポリエチレンを抽出除去し、目付480g/m2、厚み
1.2mmの人工皮革基体を得た。
ペーパーを用いて両面をバフ処理を行い0.5mmの厚
みのスエード調基体を得た。得られた基体の表面に、ポ
リカーボネートポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工
業製NY326、100%モジュラス50Kg/c
m2、固形分20%)100部、茶顔料溶液(大日本イ
ンキ化学工業製ダイラックL−6410顔料分10%、
固形分15%)100部、DMF30部、メチルエチル
ケトン30部のポリウレタン樹脂溶液をエルク柄プリン
トロールを用いてグラビア処理した。得られたスポット
の大きさは5×10 -2mm2であった。得られたスエ
ード調シートを茶色の分散染料を使用して高圧液流染色
機を使用し、135℃で60分間、柄部分と柄の無い部
分との濃淡差はK/Sで15となるように染色をした
後、還元洗浄、水洗い洗浄をし、乾燥後、撥水処理、お
よび整毛処理を行った。
を電子顕微鏡にて観察したところ、着色された部分を構
成するスポットと隣り合うスポットとの平均距離が60
μmであり、さらに柄模様部分に関しても立毛部分が混
在していることが観察された。そして、このスエード調
人工皮革は、良好な立体感の模様を有しており、極細繊
維からなるスエード特有の毛羽感とソフトなタッチ、風
合いを有していた。これを家具用インテリアに使用した
所、非常に高級感があり、好評であった。
外は実施例1と同様の方法で皮革様シートを得た。得ら
れたスエード調人工皮革は、極細繊維からなるスエード
特有のソフトなタッチ、風合いは有していたが、毛羽
感、ライティング効果とも従来よりある均一な表面であ
り、立体感のある柄模様が見られないものであった。
をスポット状でなく、表面へ全面にダイレクトロールを
用いて固形分で10g/m2塗布した。得られた皮革様
シートは立体感がなく、表面がざらつき、毛羽感が少な
くライティング効果に劣るものであった。
特有の立体感ある高級な外観、ソフトなタッチと風合い
およびライティング効果に優れた毛羽感を有しており、
これらのスエード人工皮革は衣料、家具、車両、等の用
途に非常に適している。
Claims (6)
- 【請求項1】0.5デシテックス以下の極細繊維からな
る絡合不織布およびその内部に含有されたポリウレタン
を主体とする弾性重合体からなる人工皮革基体の立毛表
面に、着色剤を含有するポリウレタン樹脂がスポット状
に付与されており、かつスポットと隣り合うスポットと
の距離が10〜100μmであるスエード調人工皮革。 - 【請求項2】着色剤を含有するポリウレタン樹脂がポリ
カーボネート系ポリウレタンである請求項1に記載のス
エード調人工皮革。 - 【請求項3】極細繊維が、ポリアミドまたはポリエステ
ルからなる請求項1または2に記載のスエード調人工皮
革。 - 【請求項4】人工皮革基体の立毛表面に付与されている
ポリウレタン樹脂の着色剤が顔料である請求項1〜3い
ずれかに記載のスエード調人工皮革。 - 【請求項5】スポット状に付与されたポリウレタン樹脂
が柄模様を形成する請求項1〜4いずれかに記載のスエ
ード調人工皮革。 - 【請求項6】立毛部分と着色剤を含有するポリウレタン
樹脂の混在部分から形成されてなる柄模様を有する請求
項1〜5いずれかに記載のスエード調人工皮革。
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---|---|---|---|
JP2002095595A JP2003293269A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | スエード調人工皮革 |
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JP (1) | JP2003293269A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009228187A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Hiramatsu Sangyo Kk | 皮革様シート状物およびその製造方法 |
JPWO2015166659A1 (ja) * | 2014-05-01 | 2017-04-20 | セーレン株式会社 | 難燃性合成皮革およびその製造方法 |
WO2020116110A1 (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | 株式会社クラレ | 立毛調人工皮革 |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002095595A patent/JP2003293269A/ja active Pending
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WO2020116110A1 (ja) * | 2018-12-03 | 2020-06-11 | 株式会社クラレ | 立毛調人工皮革 |
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