JP2002173877A - スエード調人工皮革の製造方法 - Google Patents

スエード調人工皮革の製造方法

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JP2002173877A
JP2002173877A JP2000375572A JP2000375572A JP2002173877A JP 2002173877 A JP2002173877 A JP 2002173877A JP 2000375572 A JP2000375572 A JP 2000375572A JP 2000375572 A JP2000375572 A JP 2000375572A JP 2002173877 A JP2002173877 A JP 2002173877A
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Yasuhiro Yoshida
康弘 吉田
Masaru Makimura
勝 牧村
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極細繊維からなるスエード調人工皮革特有の高
級感のある外観、ソフトなタッチ、風合いを損なうこと
なく、用途に応じた諸物性を有し、任意の立体感のある
模様が表面に付与されたスエード調人工皮革を比較的低
コストで安定的に製造する。 【解決手段】0.5デシテックス以下の極細繊維と弾性
重合体からなる人工皮革基体の少なくとも片面に、彫刻
深度の深い部分と浅い部分を任意の模様状に表面に配置
したグラビアロールを用いて該極細繊維は溶解させず該
弾性重合体のみを膨潤・溶解させる溶剤をグラビアコー
ティングした後、該基体のコーティング面を立毛加工し
て、グラビアロール表面の模様状に立毛の長短および毛
羽密度差を有する立毛面とした後に、染色仕上げする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立体感のある模様を有
し、風合いの柔軟なスエード調人工皮革の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ソフトなタッチ、風合い、高級な外観を
有するスエード調人工皮革は衣料用素材をはじめとして
家具や自動車用シート材などに高級素材として採用され
ている。最近ではファッションの多様化、個性化が進
み、あえて均一な表面ではなく柄模様を表面に施したも
のが要望されている。
【0003】従来、スエード調人工皮革表面に模様を付
与する方法に関して種々提案されている。中でも表面に
凹凸を施す方法は立体感のある模様を付与できるため数
多くの試みがなされてきた。例えば染色後の立毛面にエ
ンボスにて凹凸を付与する方法が提案されている。しか
しエンボスで凹凸を付与する方法は、一時的に模様を施
すことは出来るが、着用中あるいはクリーニングで模様
が不鮮明になることは避けられない。また特開平9−2
09260号公報には、シート裏面に凹凸模様のある支
持体を貼り合わせバフィングすることにより、模様のあ
る立毛表面を得る方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では、シート裏面の凹凸はシート自体の厚
みによりバフ面において弱まったものとなり不鮮明な模
様のものしか得られない。またシートと支持体を貼り合
わせてバフィングするため両者のテンションやサンドペ
ーパーとバックロールのクリアランスを厳密に調整しな
ければならず、更に特殊なバフ機を要する等の欠点があ
る。特開2000−144568公報では、立毛表面に
部分的に樹脂を塗布し立毛を押え込む方法が提案されて
いる。この方法では、樹脂により立毛が押え込まれ固着
されているので模様は比較的堅牢であるが、表面を樹脂
で覆っているためスエード調人工皮革本来のソフトなタ
ッチと外観を損ない更に風合いの低下も避けられない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解消し、立体感のある模様を有し、風合いの柔
軟なスエード調人工皮革を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、以下にのべる方法を
見出した。すなわち、本発明は、0.5デシテックス以
下の極細繊維と弾性重合体からなる人工皮革基体の少な
くとも片面に、彫刻深度の深い部分と浅い部分を任意の
模様状に表面に配置したグラビアロールを用いて該極細
繊維は溶解させず該弾性重合体のみを膨潤、溶解させる
溶剤をコーティングした後、乾燥し、さらに該基体のコ
ーティング面を立毛加工し、そしてその後に染色仕上げ
することを特徴とするスエード調人工皮革の製造方法で
ある。
【0006】そして、好ましくは、上記グラビアロール
の彫刻深度の深い部分と浅い部分の溶剤の人工皮革基体
への付着量をそれぞれ(A)および(B)としたとき
に、(A)/(B)≧1.3、(A)≧6g/m2、か
つ(B)≧3g/m2である場合である。また好ましく
は、上記の極細繊維がポリアミドまたはポリエステルか
らなる繊維であり、かつ弾性重合体がポリウレタンであ
る場合である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に好ましく用いられる人工
皮革基体は、0.5デシテックス以下の極細繊維束から
なる不織布に弾性重合体が充填された構成のものであ
る。上記極細繊維束としては、単繊維繊度0.5デシテ
ックス以下、好ましくは0.2デシテックス以下で0.
0005デシテックス以上の極細繊維の束からなるもの
である。0.5デシテックスより太いと、天然皮革スエ
ードライクな品位のある外観は得られない。極細繊維束
を構成する極細繊維の本数としては、極細繊維断面にお
ける本数として10〜1000本、極細繊維束のトータ
ル太さとして0.5〜10デシテックスの範囲が天然ス
エード調のものが得られる点で好ましい。
【0008】単繊維繊度0.5デシテックス以下の極細
繊維の束は、従来公知の方法で作られる。例えば、相溶
性のない少なくとも2種類のポリマーからなり、断面に
おいて少なくとも1種類のポリマーが島成分、そしてそ
れ以外の少なくとも1種類のポリマーが海成分となって
いる極細繊維発生型繊維から少なくとも1成分(通常は
海成分ポリマー)を溶解又は分解除去することにより、
または相溶性のない2種以上のポリマーが接合した断面
形状を有する貼合わせ型の極細繊維発生型繊維を機械的
または化学的な処理を用いて2成分の界面で剥離させる
ことにより得ることができる。得られる極細繊維の束を
構成する極細繊維の単繊維繊度を0.5デシテックス以
下、特に0.2デシテックス以下とするためには、貼合
わせ型の極細繊維発生型繊維を用いるよりは繊維断面が
海島構造となっている極細繊維発生型繊維を用いる方が
工程上有利である。またメルトブローンなどのように直
接極細繊維を製造する方法を用いてもよい。なお極細繊
維構成ポリマーには、必要に応じて染料や顔料等の着色
剤、酸化防止剤、各種安定剤等が添加されていてもよ
い。
【0009】極細繊維発生型繊維中で極細繊維を構成す
るポリマーとして、6−ナイロン、66−ナイロンをは
じめとする溶融紡糸可能なポリアミド類、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、カチオ
ン可染型変性ポリエチレンテレフタレートをはじめとす
る溶融紡糸可能なポリエステル類、ポリプロピレンで代
表されるポリオレフィン類などから選ばれた少なくとも
1種類のポリマーが挙げられ、なかでも上記ポリアミド
類やポリエステル類が美しい模様が得られる点で好まし
い。
【0010】また溶解または分解除去される成分として
は、極細繊維成分と溶剤または分解剤に対する溶解性ま
たは分解性を異にし、極細繊維成分との相溶性の低いポ
リマーであり、かつ紡糸条件下で極細繊維成分より溶融
粘度が小さいかあるいは表面張力が小さいポリマーであ
り、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレ
ンプロピレン共重合体、変性ポリエステルなどのポリマ
ーから選ばれた少なくとも1種類のポリマーである。
【0011】極細繊維発生型繊維は、カードで解繊し、
ウェッバーを通してウェッブを形成する。得られた繊維
ウェッブは、所望の重さ、厚さに積層し、次いで、ニー
ドルパンチ、高速水流などの公知の方法で絡合処理を行
って三次元絡合不織布とする。ウエッブには必要に応じ
て織編物等を積層することもできる。三次元絡合不織布
は最終的に表面が毛羽立てられ、立毛表面が形成される
こととなることから、該不織布表面は極細繊維発生型繊
維または極細繊維から構成されていることが必要である
が、得られるシートの風合いの点から不織布全体が極細
繊維発生型繊維または極細繊維から構成されている場合
が好ましい。三次元絡合不織布は、表面平滑な基体層と
するため、弾性重合体の含浸前に加熱プレス処理などに
より表面平滑化することが好ましい。三次元絡合不織布
の目付としては、弾性重合体の含浸前の時点で100〜
1000g/m2が好ましい。
【0012】該三次元絡合不織布には、弾性重合体の溶
液又は分散液を含浸し、多孔構造に凝固させる。弾性重
合体の凝固方法としては、弾性重合体の非溶剤を含む液
に浸漬して湿式凝固するか、ゲル化させた後加熱乾燥す
る方法などが挙げられる。ここで含浸する弾性重合体と
しては、従来から皮革様シートの製造に用いられている
ポリウレタン、合成ゴム、アクリル酸エステル系重合体
または共重合体、可塑剤の使用によって弾性化した樹
脂、例えばポリ塩化ビニル、ポリアミド等の弾性重合体
から選ばれた少なくとも1種類の弾性重合体を主体とし
た重合体を用いることが出来る。しかし、柔軟性、弾性
回復性、スポンジ形成性等よりポリウレタンがもっとも
好ましく用いられる。ポリウレタンとしては、例えば、
平均分子量500〜3000のポリエステルジオール、
ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールある
いはポリエステルポリエーテルジオール等のポリマージ
オール等から選ばれた少なくとも1種類のポリマージオ
ールと、4、4’ージフェニルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系のジ
イソシアネートなどから選ばれた少なくとも1種類のジ
イソシアネートと、エチレングリコール、ブタンジオー
ル、エチレンジアミン、4、4’ージアミノジフェニル
メタン等の2個以上の活性水素原子を有する少なくとも
1種類の低分子化合物とを所定のモル比で反応させて得
たポリウレタンおよびその変性物が挙げられる。
【0013】弾性重合体液には、必要に応じて着色剤、
凝固調節剤、酸化防止剤、分散剤等の添加剤を配合す
る。弾性重合体を付与した繊維質基体に占める弾性重合
体の比率は、基体に柔軟な風合いと弾性回復性を持た
せ、何より重要なことには立毛面に樹脂を塗布する前に
平滑性の高い基体表面を形成するために、極細繊維化す
る前で、固形分として重量比で10%以上、好ましくは
30〜50%の範囲で含有させるのがよい。弾性体比率
が10%未満の場合には、緻密な弾性体スポンジ(多孔
構造)が形成されず、基体表面を起毛する際に十分に極
細繊維を固定できず、また弾性体スポンジ自身が緻密で
平滑でないために立毛面が十分な平滑面とならない。
【0014】次に、極細繊維発生型繊維を、繊維構成ポ
リマーのうちの少なくとも1成分(好ましくは海成分構
成ポリマー)を溶解剤若しくは分解剤で処理して、また
は機械的若しくは化学的処理により2成分の界面で剥離
して極細繊維束に変性する。極細繊維発生型繊維の極細
繊維束への変性処理は弾性重合体の付与前であってもよ
いが、極細繊維束に変性後に弾性重合体を含浸、凝固す
ると、弾性重合体が極細繊維に接着し風合いが硬くなり
やすいため、弾性重合体付与後に極細繊維束に変性する
ことが好ましい。弾性重合体付与前に変性処理を行った
場合には、極細繊維と弾性重合体が接着しないようにポ
リビニルアルコールなどの溶解除去可能な仮充填剤を不
織布に付与した後に弾性重合を付与し、その後に該仮充
填剤を除去することが好ましい。
【0015】上記で得られた極細繊維束絡合不織布と弾
性重合体からなる人工皮革基体はスライス、バフィング
等により所望の厚みに調整した後、彫刻深度の深い部分
と浅い部分を任意の模様状に表面に配置したグラビアロ
ールを用いて上記極細繊維は溶解させず弾性重合体のみ
を膨潤・溶解させる溶剤を表面にコーティングし、そし
てその面を起毛処理してグラビアロールの模様状に立毛
の長短および毛羽密度差を有する立毛表面とする。
【0016】グラビアロールの表面の彫刻深度の深さと
溶剤の人工皮革基体表面への付着量は比例する。上記極
細繊維は溶解させず弾性重合体のみを膨潤・溶解させる
溶剤を上記人工皮革基体表面にグラビアコーティングす
ることにより極細繊維束の周囲にある弾性重合体は膨潤
・溶解され、弾性重合体が極細繊維束との間の隙間を埋
め、極細繊維束と弾性重合体が密着したものとなる。付
着する溶剤の量が多いほど極細繊維束と弾性重合体は密
着度を増す。上記のグラビアコーティングした面をサン
ドペーパー等による公知の方法でバフィングすることに
より上記人工皮革基体表面の極細繊維束はばらけ、起
毛、整毛されるが、極細繊維束と弾性重合体の密着度が
大きいほど、毛足長が短く、均一に整毛されたものとな
り、密着度が低い場合、毛足長が比較的長くばらつき、
また整毛されにくいものとなる。上記の人工皮革基体に
おいて、弾性重合体を含浸凝固させた後、極細繊維を発
現させるタイプのものは比較的極細繊維束と弾性重合体
の隙間が大きく、上記の溶剤付着量の差による起毛処理
後の毛足の長さ、均一差の大きいものとなる。
【0017】本発明は、グラビアロールの表面の彫刻深
度の深い部分と浅い部分による溶剤の付着量の差により
任意の模様を上記人工皮革基体表面に付与することを特
徴とする。本発明に用いるグラビアロールは、通常のグ
ラビアロールであり、そのうちでも彫刻深度の深い部分
と浅い部分とが模様をなしているような構造を有するも
のであり、彫刻深度の深い部分は、深さが30〜5μm
程度、また浅い部分としては20〜2μm程度が好まし
く、また深い部分または浅い部分の広さとしては、0.
05〜100cm2、さらに深い部分と浅い部分の面積
比としては5:95〜95:5が好ましい。深い部分と
浅い部分により形成される模様は、文字や数字や漫画的
な図のような具体的なものから、市松模様、水玉模様、
雲柄模様等の幾何学模様であっても、さらに抽象的な模
様であってもよい。
【0018】彫刻深度の深い部分と浅い部分による溶剤
の付着量は、それそれの人工皮革基体への溶剤の付着量
をそれぞれ(A)および(B)としたとき、(A)/
(B)≧1.3、(A)≧6g/m2、かつ(B)≧3
g/m2を満足することが好ましく、より好ましくは
(A)/(B)≧2、20g/m2≧(A)≧12g/
2、かつ10g/m2≧(B)≧5g/m2を満足する
場合である。溶剤の付着量が3g/m2より少ない場
合、極細繊維束と弾性重合体は密着度が不足し起毛処理
の際、荒れた面感となり、かつ得られるスエード調人工
皮革は表面立毛繊維の脱落が多いものとなる。また、溶
剤の付着量の差が1.3倍未満の場合、極細繊維束と弾
性重合体が密着度合の差が小さく、起毛処理後に模様を
付与することが困難となる場合がある。
【0019】上記の溶剤は、ポリエステルあるいはポリ
アミド等のポリマーからなる極細繊維は溶解させず弾性
重合体のみを膨潤・溶解させる性質を持つ必要がある。
通常は、弾性重合体に対しよく溶解させる溶剤と溶解能
の小さい溶剤との混合溶剤とし、良溶剤の比率と付着量
により弾性重合体と極細繊維の密着度をコントロールす
る。弾性重合体がポリウレタンの場合、良溶剤としてジ
メチルホルムアミド(以下DMF)やテトラヒドロフラ
ン(以下THF)と溶解能の小さいアセトン、トルエ
ン、シクロヘキサノ、酢酸エチル、酢酸ブチル等との任
意の割合の混合液が用いられる。通常、良溶媒と溶解能
の小さい溶媒との混合割合としては、重量比で10:9
0〜90:10の範囲が好適である。塗布する際の、溶
媒の温度としては10〜60℃の範囲が好ましい。溶媒
を塗布したのち乾燥する。乾燥条件としては、20〜9
0℃で、1〜60分で十分である。
【0020】そして、そののちに溶剤塗布した人工皮革
基体表面の起毛を行う。起毛方法としては、針布起毛機
による起毛なども用いられるが、サンドペーパーなどに
よるバフィングが繊細かつ均一な起毛が可能なことより
好ましく実施される。
【0021】次いで、得られたスエ―ド調人工皮革基体
を染色するが、染色は、繊維の種類に応じて酸性染料、
金属錯塩染料、分散染料などを主体とした染料を用い
て、通常の染色方法により染色を行なう。染色後、も
み、柔軟化処理、必要に応じて發水処理、帯電防止処理
等の処理をした後、ブラッシングなどの仕上げ処理を行
なって、表面に任意の模様を有するスエ―ド調人工皮革
を得ることが出来る。
【0022】
【実施例 】以下本発明の実施態様を実施例により説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の部、%はすべて重量に関するもの
である。なお本発明で言う極細繊維の繊度は、繊維断面
を電子顕微鏡で撮り、その写真から任意に選び出した5
0本の極細繊維の断面積の平均値を求め、その平均値か
ら繊度を求めた。
【0023】実施例1 島成分が相対粘度0.65のポリエチレンテレフタレー
ト60部、海成分がMFR=40の直鎖状低密度ポリエ
チレン40部の海島型複合繊維(島数20、繊度4.0
デシテックス、繊維長51mm、捲縮数12山/inc
h)を使用して目付530g/m2のニードルパンチ不
織布を作製した。この不織布にポリエーテル系ポリウレ
タンの15%DMF溶液を含浸し、DMF水溶液により
湿式凝固し、水洗した後85℃トルエンにより海成分の
ポリエチレンを抽出除去し、目付480g/m2、厚み
1.0mmの人工皮革基体を得た。
【0024】得られた人工皮革基体の片面に、一辺が
1.5cmの市松模様状に彫刻深度の深い部分と浅い部
分が表面に配置されているグラビアロールを用い、DM
F30部とアセトン70部の割合で混合した溶剤をグラ
ビアコーティングした。このときの溶剤の付着量は彫刻
深度の深い部分および浅い部分それぞれ単一に彫刻した
ロールを用い測定したところ深い部分で18g/m2
浅い部分で6g/m2であった。その後、乾燥した。次
に上記グラビア面の反対側の面を180番のサンドペー
パーでバフィングし、厚みを0.8mmとした。次いで
グラビアコーティング面を240番のサンドペーパーで
2回および400番のサンドペーパーで2回順次バフィ
ングした。続いてこの物を高圧液流染色機を使用し、1
35℃、60分のプログラムで分散染料による染色をし
た後、還元洗浄、水洗い洗浄をし、乾燥後、撥水処理お
よびシールがけを行った。
【0025】得られたスエード調人工皮革は、極細繊維
からなるスエード特有のソフトなタッチ、風合いを有す
と同時に、グラビアロールの彫刻の深い部分に相当する
毛足が均一に短く整毛された部分と、彫刻の浅い部分に
相当する毛足が比較的長くややばらついた部分が市松模
様状に明瞭に表面に付与されており、椅子張り等の家具
用に適したものであった。
【0026】実施例2 実施例1と同様の方法で作製した人工皮革基体の片面
に、彫刻深度の深い部分と浅い部分が雲柄状に表面に配
置されているグラビアロール(1個当たりの雲柄の大き
さは約3cm2)を用い、THF40部とシクロヘキサ
ノン60部の割合で混合した溶剤をグラビアコーティン
グした。このときの溶剤の付着量は彫刻深度の深い部分
および浅い部分それぞれ単一に彫刻したロールを用い測
定したところ深い部分で12g/m2、浅い部分で7.
5g/m2であった。そして乾燥を行った。
【0027】次にこの物を実施例1と同様に非グラビア
面を180番のサンドペーパーでバフィングし、厚みを
0.8mmとした。次いでグラビアコーティング面を2
40番のサンドペーパーで2回および400番のサンド
ペーパーで2回順次バフィングした。続いてこの物を高
圧液流染色機を使用し、135℃、60分のプログラム
で分散染料による染色をした後、還元洗浄、水洗い洗浄
をし、乾燥後、撥水処理およびシールがけを行った。
【0028】得られたスエード調人工皮革は、極細繊維
からなる人工皮革スエード特有のソフトなタッチ、風合
いを有すと同時に、グラビアロールの雲柄状に毛足が均
一に短く整毛された部分と、それよりはやや毛足が長く
ばらついた部分が表面に付与されており、ソファー等の
高級家具用に適した自然な柄感を有するものであった。
【0029】比較例1 実施例1と同様の方法で作製した人工皮革基体の片面
に、ロール表面の全面に均一に彫刻されたグラビアロー
ルを用い、DMF30部とアセトン70部の割合で混合
した溶剤をグラビアコーティングした。このときの溶剤
の付着量は13.5g/m2であった。そして乾燥し
た。次にこの物を実施例1と同様にバフィングにより厚
みを調整した後、グラビアコーティング面を240番の
サンドペーパーで2回および400番のサンドペーパー
で2回順次バフィングした。続いてこの物を高圧液流染
色機を使用し、135℃、60分のプログラムで分散染
料による染色をした後、還元洗浄、水洗い洗浄をし、乾
燥後、撥水処理およびシールがけを行った。
【0030】得られたスエード調人工皮革は、極細繊維
からなるスエード特有のソフトなタッチ、風合いは有し
ていたが、毛足、発色とも従来よりある均一な表面であ
り、高級感の劣るものであった。
【0031】
【発明の効果】以上に詳述した本発明の方法によれば、
極細繊維からなるスエード調人工皮革特有の高級感のあ
る外観、ソフトなタッチ、風合いを損なうことなく、用
途に応じた諸物性を有し、任意の立体感のある模様が表
面に付与されたスエード調人工皮革を比較的低コストで
安定的に製造することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 13/127 D06M 13/127 15/564 15/564 D06P 3/00 D06P 3/00 M 3/82 3/82 H 5/00 102 5/00 102 // D06M 101:32 D06M 101:32 101:34 101:34 3/38 5/08 D06P 3/854 5/00 DBC DBG Fターム(参考) 3B154 AA07 AA08 AB22 BA25 BA37 BB39 BB58 BB59 BC23 BD15 BD18 BF07 BF11 DA09 DA19 4F055 AA02 AA18 BA02 DA02 EA04 EA07 EA12 EA14 EA24 EA34 FA18 GA02 HA04 HA22 4H057 AA02 CA29 CB11 CB14 CB15 CB16 CB19 CC01 DA01 DA31 DA43 GA03 GA22 GA25 4L031 AA14 AA18 AA20 AB11 AB34 BA32 BA33 CA15 CA16 4L033 AA05 AA07 AA08 AB07 AC11 AC15 BA04 BA09 CA50 CA51

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5デシテックス以下の極細繊維と弾性
    重合体からなる人工皮革基体の少なくとも片面に、彫刻
    深度の深い部分と浅い部分を任意の模様状に表面に配置
    したグラビアロールを用いて、該極細繊維は溶解させず
    該弾性重合体のみを膨潤、溶解させる溶剤をコーティン
    グした後、乾燥し、さらに該コーティング面を立毛加工
    し、そしてその後に染色仕上げすることを特徴とするス
    エード調人工皮革の製造方法。
  2. 【請求項2】グラビアロールの彫刻深度の深い部分と浅
    い部分における溶剤の人工皮革基体への付着量をそれぞ
    れ(A)および(B)としたとき、(A)/(B)≧
    1.3、(A)≧6g/m2、かつ(B)≧3g/m2
    ある請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】極細繊維がポリアミドまたはポリエステル
    からなる繊維であり、かつ弾性重合体がポリウレタンで
    ある請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかの製造方法により
    得られるスエード調人工皮革。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010222770A (ja) * 2009-02-27 2010-10-07 Kuraray Co Ltd 人工皮革およびその製造方法

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