JP2003171884A - 皮革様シート - Google Patents

皮革様シート

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JP2003171884A
JP2003171884A JP2001374109A JP2001374109A JP2003171884A JP 2003171884 A JP2003171884 A JP 2003171884A JP 2001374109 A JP2001374109 A JP 2001374109A JP 2001374109 A JP2001374109 A JP 2001374109A JP 2003171884 A JP2003171884 A JP 2003171884A
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polyurethane
leather
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JP2001374109A
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Yoshiki Nobuto
芳樹 延藤
Kohei Hayashi
公平 林
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然皮革調、特にカーフのような平滑性と、
透明感のある高級な外観を有し、かつ高い通気性、優れ
た柔軟性および充実感を兼ね備えた皮革様シートに関す
るもので、靴等の用途に好適に使用することができる皮
革様シートおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 繊維絡合不織布とポリウレタンからなる
基体層の少なくとも片面に、ポリウレタンからなる多孔
質層であって、かつ孔の一部が該多孔質層の表面から基
体層にかけて連通孔として存在している多孔質層(A)
を有し、更にその上に、易染性ポリウレタンからなる不
織布から形成された多孔質層(B)が存在していること
を特徴とする皮革様シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然皮革調、特にカー
フのような平滑性と、透明感のある高級な外観を有し、
かつ高い通気性、優れた柔軟性および充実感を兼ね備え
た皮革様シートに関するもので、靴等の用途に好適に使
用することができる皮革様シートおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、銀付の合成皮革や人工皮革は、天
然皮革の代替品として、靴用途、衣料、手袋、鞄、ボー
ル、インテリアなどのあらゆる分野に多く利用されてい
る。特に靴用途には、銀付の合成皮革や人工皮革が市販
され始めた当時から利用されているが、この用途におい
ては、当時から「蒸れやすい、高級感がない」という印
象が強く、より高い感性や、機能が要求され続けてき
た。具体的には、外観に関して天然皮革と同様の染料・
顔料併用による透明感と耐光物性のバランスによる高級
感、機能については通気性・透湿性といった「蒸れにく
い」機能である。
【0003】従来、銀付の人工皮革を作製する方法とし
ては、湿式造面法、乾式造面法が公知であり、いずれも
顔料着色により天然皮革調の外観を作り出すため均一で
透明感のない外観が得られ、外観に変化を持たせるため
には、湿式法ではエンボスロールで片押しする、あるい
は乾式法では離型紙を変化するしか手法がなかった。
【0004】また、通気性に関して、湿式法では、樹脂
(主にはポリウレタン)の多孔質層が得られるものの、
表面に存在する孔は、スキン層により塞がっていて実質
的に存在しないか、あるいは微細なため充分な通気度が
得にくいものであった。通気性を向上させる方法とし
て、表面にポリウレタンの溶剤を点状塗布してスキン層
の気孔を大きくした銀付調皮革様シートも提案されてい
るが、通気性の向上は得られるものの、気孔が大きく銀
面感に劣るものである。また銀付調皮革様シートを作製
した後にレーザー光線やニードル針等で貫通孔をあける
方法も提案されているが、孔が直線的であり、表面にい
らつき感があり、また孔の密度も少ないために透湿性に
劣るものであった。
【0005】また、乾式法では、一般に非孔質層が形成
されるため、通気性は発現しないが、造面樹脂に発泡剤
を添加する、あるいは機械的に泡立たせることにより、
多孔質層を形成することは可能である。しかしながら、
湿式法による孔と同様に、通気性を上げると孔が大きく
なり外観が低下するという問題が解消できず、通気性と
外観を両立するものは得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然皮革カ
ーフのような平滑性と、透明感のある高級な外観を有
し、かつ高い通気性を兼ね備えた皮革様シートに関する
ものであり、靴等の用途に好適に使用することができる
皮革様シートおよびその製造方法に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討の結果、繊維絡合不織布とポリ
ウレタンからなる基体層の少なくとも片面に、ポリウレ
タンからなる多孔質層であって、かつ孔の一部が該多孔
質層の表面から基体層にかけて連通孔として存在してい
る多孔質層(A)を有し、更にその上に、易染性ポリウ
レタンからなる不織布から形成された多孔質層(B)が
存在していることを特徴とする皮革様シートによって、
その目的が達成されることを見出し本発明に至った。そ
して、本発明においては、多孔質層(A)が湿式凝固、
乾式発泡、および機械発泡のいずれかにより形成された
ものであることが好ましい。また、本発明の皮革様シー
トを製造するにあたっては、多孔質層(A)と多孔質層
(B)を接着する際に、多孔質層(A)を構成するポリ
ウレタンを溶解する溶剤単独または該溶剤にポリウレタ
ンを溶解させた溶液を用いて、点状接着することが好ま
しく、得られた皮革様シートは、染色処理した後、スプ
レーで着色剤含有樹脂を塗布し、必要によりもみ処理を
行うことが好ましい。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の繊維絡合不織布は、少なくとも1種類以上の可紡
性ポリマーからなる繊維を用いて、従来公知の方法によ
り作製する。繊維は、単独ポリマーによる繊維でもよ
く、また2種類以上のポリマーからなり海島構造をとる
混合紡糸、複合紡糸による繊維でも良く、これらは公知
の方法にて紡糸されるが、風合の観点で混合紡糸や複合
紡糸によって得られた海島型繊維が、より繊度の細い繊
維を得ることができることから好ましい。
【0009】繊維を構成する成分としては、6−ナイロ
ン、66−ナイロン、612−ナイロン等のポリアミド
やポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート等で代表されるポリエステルが好適に用いられる
が、これらに限定されるものではなく、可紡性ポリマー
であれば公知のポリマーを用いることができる。
【0010】繊度については、特に限定されないが、単
一繊維の場合、カード性の観点から10デシテックス以
下が好ましく用いられ、更に好ましくは1〜5デシテッ
クスである。混合紡糸、複合紡糸によって得られた海島
型繊維の場合も同様に、カード性の観点で1〜5デシテ
ックス付近の繊度のものが好適に用いられる。さらに、
島数についても限定はないが、島数が多くなる、すなわ
ち島成分の繊維が細くなるにつれて、皮革様シートの強
度が弱くなる傾向があるので、島成分の平均繊度が0.
0001デシテックス以上の繊維が好適に用いられる。
さらに、繊維を構成するポリマーには、紡糸性を損なわ
ない範囲でカーボンブラック等の着色剤や、触媒、着色
防止剤、耐熱剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、光沢改
良剤、制電剤、芳香剤、消臭剤、抗菌剤、防ダニ剤、無
機微粒子などを添加してもかまわない。また、海島型繊
維を使用する場合には添加剤の配合は海成分、島成分の
いずれか一方でも良いし、または両方であっても良い。
【0011】絡合不織布の製法は具体的には、紡糸、延
伸、熱固定、捲縮、カット等の処理を行って、同繊維の
原綿を作製し、かかる原綿を、カードで解繊し、ランダ
ムウェブまたはクロスラップウェブ等のウェバーにより
ウェブを形成する。得られたウェブを必要に応じて積層
し、所望の重さにする。ウェブの重さは目的とする最終
的な用途分野に応じて適宜選択されるが、一般的には1
00〜3000g/m の範囲が、工程中での取り扱い
の容易さの観点から好ましい。また低コスト化などの目
的で、必要とする重量の約2倍の絡合不織布にポリウレ
タン溶液を含浸させた後、バンドナイフなどにより厚さ
方向に分割することにより、効率よく1度に2枚の基体
を製造することもできる。ウェブの積層に次いで公知の
手段、たとえばニードルパンチング法や高圧水流噴射法
等を用いて絡合処理を施して、絡合不織布を形成する。
ニードルパンチング数及びニードルパンチング条件は使
用針の形状やウェブの厚みにより異なるが、一般的には
200〜2500パンチ/cmの範囲で設定するのが
よい。
【0012】得られた絡合不織布は、ポリウレタンの含
有処理に先立って、必要に応じて熱プレスなどの公知の
方法により表面の平滑化処理を行うこともできる。絡合
不織布を構成する繊維が、たとえばポリエチレンを海成
分とし、ポリエステルやポリアミドを島成分とする多成
分繊維である場合には、熱プレスで海成分のポリエチレ
ンを融着させることによりきわめて表面平滑性に優れた
絡合不織布とすることが出来るので特に好ましい。また
絡合不織布を構成する繊維が一成分を溶解除去して極細
繊維に変性することのできる多成分繊維でない場合に
は、含有させるポリウレタンが繊維に固着して風合いが
硬くなることを防止するために、含浸処理に先立ってポ
リビニルアルコールなどの仮充填物質で繊維表面を覆っ
ておき、ポリウレタンを付与した後に仮充填物質を除去
することが好ましい。また1成分を溶解除去することに
より極細繊維とすることができる多成分繊維の場合に
も、絡合不織布の段階で仮充填物質を付与することによ
り、より柔軟なシートとすることができる。
【0013】次に絡合不織布に含有させるポリウレタン
としては、公知のものが使用できる。好ましいポリウレ
タンとしては、ソフトセグメントとして、ジオールとジ
カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とを反応さ
せて得られるポリエステル系ジオール、ポリラクトン系
ジオール、ポリカーボネート系ジオール、ポリエーテル
系ジオール等からなる群から選ばれた数平均分子量が5
00〜5000の少なくとも1種類のポリマージオール
を使用し、これとジイソシアネート化合物と低分子鎖伸
長剤とを反応させて得られる、いわゆるセグメント化ポ
リウレタン樹脂が挙げられる。
【0014】ソフトセグメントを構成する上記ジオール
化合物としては、耐久性あるいは皮革様の風合いの点で
炭素数6以上10以下の化合物が好ましく、たとえば、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ルなどが挙げられる。ジカルボン酸の代表例としてはコ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
チン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0015】ポリマージオールの数平均分子量が500
未満の場合には、柔軟性に欠け、天然皮革様の風合いが
得られないため好ましくない。またポリマージオールの
数平均分子量が5000を越える場合には、ウレタン基
濃度が減少するため柔軟性及び耐久性、耐熱性、耐加水
分解性においてバランスのとれた基体シートが得られに
くい。有機ジイソシアネートとしては、トリレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪
族系の有機ジイソシアネートなどから選ばれた少なくと
も1種類の化合物が挙げられる。また低分子鎖伸長剤と
しては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、N−メチ
ルジエタノールアミン、エチレンジアミンなどの分子量
が300以下の活性水素原子を2個有する低分子化合物
が挙げられる。
【0016】また必要に応じて、ポリウレタンには、凝
固調節剤、安定剤などを添加してもよく、更に皮革様シ
ートとしての物性に影響を与えない範囲で、その他のポ
リマー、例えばポリ(メタ)アクリル酸エステル等を併
用しても構わない。さらに、カーボンブラックなどの着
色剤を添加してもよい。
【0017】絡合不織布にポリウレタンを含有させる方
法については特に限定されるものではないが、風合いの
バランスの点から絡合不織布にポリウレタン溶液を直接
含浸させ、必要によりマングルで絞る方法や、ポリウレ
タン溶液をコーターでコーティングしながらしみ込ませ
る方法などが好ましい。また天然皮革様の柔軟な風合い
の点から、基体を構成する繊維(海島型繊維等の極細繊
維発生型繊維の場合には極細繊維化処理後の繊維)とポ
リウレタンとの重量比率は、30/70〜80/20の
範囲が好ましく、更に好ましくは40/60〜55/4
5の範囲内である。繊維の比率が上記範囲より低くなる
と、皮革様シートがゴムライクな風合いとなり易く、繊
維の比率が高くなるとペーパーライクな風合いになる傾
向があるため、目標とする天然皮革様の風合いが得られ
にくい。
【0018】海島型繊維を絡合不織布に用いた場合に
は、ポリウレタンを含有させた後に、ポリウレタン及び
海島型繊維の島成分に対しては、非溶剤でかつ海成分に
対しては溶剤または分解剤として働く液体で処理するこ
とにより、海島型繊維を極細繊維束に変成し、極細繊維
絡合不織布とポリウレタンからなる基体とする。もちろ
ん、ポリウレタンを含有させるのに先立って、海島型繊
維を極細繊維束に変成する方法を用いて基体とすること
もできる。
【0019】このようにして得られる基体の厚みは特に
限定されるものではないが、通常0.5〜3.0mmの
範囲である場合が多い。これは、製造ライン上の都合に
よるものであり、0.5mm未満では途中工程での伸び
により設計がしにくい等の問題が生じる場合があり、
3.0mmを越えると不織布の絡合がしにくい、弾性重
合体の含浸がしにくい等の問題が生じる場合がある。目
付けは、1枚取り、2枚取り等シートの設計によって決
定されるものであり、限定はない。また、比重も特に限
定されるものではないが、0.30〜0.70g/cm
であることが好ましい。0.30g/cm未満で
は、シートの強度が不足する傾向があり、逆に0.70
g/cmを越えると風合が硬くなる傾向がある。
【0020】本発明においては、このようにして得られ
る基体層の少なくとも片面にポリウレタンの多孔質層
(A)を形成させる。該ポリウレタンは、絡合不織布に
含有させたポリウレタンと同一であってもよく、また異
なっていてもよいが、多孔質層(B)と同系統のポリエ
ステル系およびポリエーテル系ポリウレタンが得られる
皮革様シートの一体感が得られることから好ましく用い
ることができる。多孔質層(A)は、湿式凝固、乾式発
泡、機械発泡のいずれかの方法により形成されることが
好ましい。それぞれの手法については、湿式凝固法に関
しては、多孔質層を形成するポリウレタン溶液をジメチ
ルホルムアミド(以下DMFと略すことがある)水溶液
または水のみからなる凝固槽に浸漬し凝固させて多孔化
させる方法、乾式発泡に関しては、公知の乾式造面方法
に用いる樹脂に、公知の発泡剤をブレンドして造面する
方法、機械発泡に関しては、乾式造面方法に用いる樹脂
を機械的に攪拌して空気を噛み込ませて造面する方法で
ある。
【0021】これらの方法により得られる孔の一部が多
孔質層(A)の表面から基体層にかけて連通孔として存
在せしめる方法について説明する。湿式凝固法について
は、公知の方法に基づいてポリウレタンのDMF溶液を
DMFと水からなる水溶液中で凝固させると、孔の構造
がとっくり型、あるいは柱状型の連通孔が得られるが多
くの場合スキン層と呼ばれる非孔あるいは微多孔の層が
最表面層に形成される。そのため通気度は実質的に無い
かまたはごく僅かとなってしまう。このような場合は、
後工程でポリウレタンの溶剤をグラビア等の手段で塗布
し表面を溶解して開口させる方法やバフィング処理によ
り最表層を除去して孔を出現させる等の処理を行うこと
で通気性を発現できる。
【0022】乾式発泡については、使用する樹脂に例え
ばアゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド
で代表される無機系熱分解型発泡剤などの公知の発泡剤
を添加して発泡させることが一般的であり、それによっ
て多孔質層の表面にも孔の一部が存在することになる。
しかしながら、発泡剤による発泡は独立気泡となること
があり、発泡倍率が低いと連通孔が形成されにくいとい
う傾向がある。したがって、発泡倍率は好ましくは1.
5倍以上であり、より好ましくは2倍以上である。さら
に、湿式凝固法と同様に後工程でポリウレタンの溶剤を
グラビア等の手段で塗布し、表面を溶解して開口させる
方法やバフィング処理により最表層を除去して孔を出現
させる等の処理を行うことで、通気性をさらに向上させ
ることも可能である。ここでいう発泡倍率は、発泡剤を
含有する樹脂溶液をそのまま熱風乾燥した時に、得られ
る発泡体のみかけ体積が、発泡剤を含有しない同重量の
樹脂体積の何倍であるかを意味する。
【0023】機械発泡についても、多孔質層に均一に発
泡が存在するため、多孔質層表面にも孔の一部が存在す
るが、発泡倍率が低いと充分な連通孔が得にくい傾向が
ある。したがって発泡倍率は好ましくは1.5倍以上で
あり、より好ましくは2倍以上である。さらに、湿式凝
固法と同様に後工程でポリウレタンの溶剤をグラビア等
の手段で塗布し、表面を溶解して開口させる方法やバフ
ィング処理により最表層を除去して孔を出現させる等の
処理を行うことで、通気性をさらに向上させることも可
能である。ここでいう発泡倍率も、樹脂溶液を機械発泡
後に乾燥させた体積と機械発泡させていない同重量の樹
脂体積の何倍であるかを意味する。基体層上に孔の一部
を表面に有するこれら多孔質層を設けた時点での通気度
は、特に限定されるものではないが1cc/cm/s
ec以上(JIS P8117にて測定)であることが
好ましい。
【0024】また、該多孔質層(A)の厚みは50μm
〜400μmの範囲が基体層とのバランスの点から好ま
しい。50μm未満であれば基体層の凹凸の影響を受け
易く平滑性が低下する傾向があり、400μmを越える
と本発明の皮革様シートの構成バランスが変わることに
よって皮革様の充実感が損なわれる傾向がある。また、
70μm〜200μmの範囲であることが得られる皮革
様シートの風合いの一体感および充実感に優れることか
らより好ましい。
【0025】次に、易染性ポリウレタンからなる不織布
から形成された多孔質層(B)を該多孔質層(A)上に
設ける方法について説明する。不織布を構成するポリウ
レタンとしては種々のものが用いられるが、溶融成形
性、溶剤安定性、耐加水分解性、耐候性、耐熱性、柔軟
性、耐屈曲性、そして染色性の観点で、ポリエステル系
ジオールを主成分とし、ポリエーテル系ジオールを併用
したポリウレタンが好適に用いられる。より好適には高
分子ジオールのソフトセグメントにポリエチレングリコ
ールやポリウレタン分子中に三級アミノ基をもったもの
が挙げられる。
【0026】本発明のポリウレタンは、易染性ポリウレ
タンであることが必要である。易染性ポリウレタンと
は、平衡染着量が60mg/g以上であることが必要で
あり、好ましくは80mg/g以上である。平衡染着量
が、60mg/g未満であると染料との親和性が低く、
鮮明な発色がされず、さらに不織布特有の地合斑との相
乗効果により斑が出やすい傾向がある。ここで言う平衡
染着量とは、ポリウレタンを無孔質フィルム化し、該フ
ィルムを金属錯塩染料イルガランレッド2GL(チバガ
イギー社製)で平衡状態になるまで吸収する能力のこと
を言う。すなわち、易染性ポリウレタンをフィルム化
し、該染料の溶液に浸漬し、染料の吸着が平衡状態にな
るまで浸漬して、フィルムに吸着されている染料の質量
を測定し、それをフィルム1g当たりの吸収量に換算す
ることにより求めることができる。
【0027】上記ポリウレタンを染色する染料の種類と
しては、酸性染料、酸性媒染染料、金属錯塩染料、分散
染料、硫化染料、建染染料、塩基性染料、反応染料、酸
性染料等の公知の染料が使用できるが、金属錯塩染料ま
たは酸性染料が好ましく用いられる。該不織布は、通常
メルトブロー法等、公知の方法により作製される。不織
布の目付けは、特に限定されないが、通気度と外観との
兼ね合いから、目付10〜100g/mの範囲が好適
に用いられる。10g/m未満の場合には、孔の径が
大きくなり、外観が低下する傾向があり、逆に100g
/mを超えると、通気度が低下する傾向がある。
【0028】本発明の多孔質層(A)上に、易染性ポリ
ウレタンからなる不織布から形成された多孔質層(B)
を設ける手段としては、多孔質層(A)を構成するポリ
ウレタンを溶解する溶剤単独または該溶剤にポリウレタ
ンを溶解させた溶液を用いて点状接着する方法が好まし
い。多孔質層(A)を構成するポリウレタンを溶解する
溶剤を含む液を用いて接着する利点としては、接着性を
向上させることはもちろんのこと、多孔質層表面を溶融
し孔が表面に現れやすくすることによって、通気性を向
上させる効果もある。また、点状接着が好ましい理由と
しては、接着面全面に連続的に塗布した場合と比較し
て、該ポリウレタン樹脂がフィルム状となって塗布面の
孔を塞ぐことがなく、その結果通気性を低下させる懸念
がないのと同時に皮革様シートの風合いを硬化せず保つ
ことができるため好ましい。
【0029】ポリウレタンを溶解する溶剤は、DMF、
テトラヒドロフラン、アルコール等の極性溶剤等公知の
ポリウレタンを溶解する溶剤を単独あるいは非溶剤、貧
溶剤等の組み合わせで使用できるが、接着性の点でDM
F溶液が好ましく用いられる。点状塗布方法は、グラビ
アロールにより塗布する方法が好ましい。グラビアロー
ルのメッシュの大きさについては特に限定されるもので
はないが、通常は10〜200メッシュが用いられる。
好ましい付着量は、5〜50g/mの範囲が良く、5
g/m未満であれば接着性が低下する傾向にあり、5
0g/mを越えると開口部分に樹脂が滲入し通気性が
低下する傾向にある。さらに好ましくは、接着性と通気
性の両立することから、10〜30g/mの範囲が良
い。
【0030】以上のように基体層、ポリウレタンの多孔
質層(A)、更にその上に点状接着された不織布層が一
体となった積層物は、不織布を熱融着させることによ
り、多孔質層を形成させ、皮革様シートとなる。その方
法としては通常、エンボスによる加熱プレスによって行
われる。加熱プレスする条件により、強く熱圧着する
と、外観は向上するが通気度が低下する傾向があり、逆
に弱いと、通気度は向上するが外観が低下する傾向があ
るので、通気度と外観がバランスする条件を選ぶ必要が
ある。透気・透湿と高級感のある外観を両立させる目安
としては、熱圧着後の多孔質層表面に、直径300μm
以下の微細孔を100個/cm2以上有している状態で
ある。そして、そのような状態にするために好ましい加
熱プレス条件は、例えば平均分子量約1200のポリ3
−メチル−1,5−ペンチルアジペートグリコールと平
均分子量約2000のポリテトラメチレンオキサイドグ
リコール、4,4ージフェニルメタンジイソシアネート
および1,4−ブタンジオールからなるポリウレタンを
用いた平均目付25g/mの不織布である場合、温度
140〜150℃の範囲で、プレス条件は1〜3kg/
cmの範囲が好ましい。温度が前述の条件より低い、
またはプレス条件が弱い場合では空隙が大きくなり、外
観のいらつき感が増す傾向となりやすく、温度が前述の
条件より高い、またはプレス条件が強い場合では、空隙
が小さくなるまたは潰れてなくなる傾向があり、よって
充分な通気度が得られない傾向がある。
【0031】このようにして得られた多孔質層は、表面
に空隙が多数存在しているにも関わらず、いらつき感の
少ない、良好な外観が得られる。その理由として、本発
明の皮革様シートの多孔質層表面に存在する空隙は、湿
式法や乾式発泡法、機械発泡法等の空隙が、比較的球状
や、滴状の似通った形状であるのと異なり、深さ方向に
ランダムな形状となっているため、空隙に侵入した光り
がそのランダムな形状で乱反射され、孔から出ることが
できないことによるものと予測している。また本発明の
構造、すなわち基体層の少なくとも片面にポリウレタン
からなる多孔質層(A)を形成しさらにその上にポリウ
レタンからなる不織布から形成された多孔質層(B)を
積層することによって、それぞれの層独自の構造が合わ
さり今迄にない天然皮革様の充実感を皮革様シートに付
与することが可能となった。
【0032】このようにして得られた皮革様シートは、
多くの場合、着色等の後加工を行う。着色に関しては、
もちろん皮革様シートを構成する成分に染料や顔料を予
め添加しておくこともできるが、後加工において、染料
による染色を行い、その後グラビアやスプレー等の方法
で着色剤含有樹脂を塗布する工程を経た方が、目的の色
目を再現しやすく、染料による透明感や、染料・顔料の
併用による2色感等、天然皮革と同等の高級な外観が得
られるため好ましい。さらには、天然皮革の仕上工程と
同じ工程、すなわち、タイコによる染料染色、タンブラ
ー乾燥、スプレーによる顔料着色、もみ等の工程を通過
させるほうが、より柔軟で、天然皮革を思わせる高級感
を有する素材が得られる。
【0033】染色に用いる染料、染法については、限定
はなく、公知の方法を採ることができるが、外観に関し
て、90℃を超えるような高温にて染色する場合、皮革
様シートがシュリンクして皺が入る傾向があり、それ以
下の温度では皺が入りにくくフラットな面が得られる傾
向があるが、必要に応じて選択可能である。そして、発
色、堅牢度の点から金属錯塩染料を用いた染色方法が好
ましく用いられる。
【0034】スプレーにて、着色剤含有樹脂を塗布する
方法については、公知の方法を採用することができる
が、通常、染料や顔料等の着色剤とウレタン樹脂、アク
リル樹脂等の公知の樹脂溶液、またはエマルジョンとブ
レンドしたものを用いる。樹脂溶液を塗布する場合、用
いる溶媒は限定されないが、ジメチルホルムアミド等、
多孔質層(B)を構成するポリウレタンに対して良溶媒
となるものについては、多孔質層表面の空隙を塞ぎ、さ
らに空隙を潰して風合を硬化させる傾向がある等の観点
から、その塗布量が制限されることがある。好ましく
は、多孔質層(B)のポリウレタンに対して良溶媒とな
る溶剤は、塗布する樹脂溶液組成の50重量%以下であ
り、その他の溶剤との混合溶剤である。スプレーにて塗
布される樹脂の塗布量は、好ましくは固形分換算で1〜
50g/mである。1g/m未満では、色調整が難
しくなる傾向があり、50g/mを越えると空隙が塞
がれて、通気度が低下する傾向がある。
【0035】次いで必要に応じて公知の方法によっても
み処理、柔軟処理、エンボス型押し等の仕上げ処理を行
って、銀付皮革様シートに仕上げる。もみ処理の方法に
ついては限定されず、公知の方法を採ることができる。
人工皮革・合成皮革等の長尺品を機械もみ処理する装置
を使用することも可能であり、短尺品に切断してタンブ
ラー等、天然皮革と同様のもみ装置を使用することも可
能である。どちらの装置を使用しても本発明の皮革様シ
ートをより天然皮革調の優れた柔軟性および充実感を付
与するために好ましく用いられる。柔軟処理、エンボス
型押し処理についても、必要に応じて実施可能である
が、特にエンボス型押し処理に関しては、皮革様シート
表面の孔を塞いで通気度を低下させる可能性があるた
め、行う場合には易染性ポリウレタンからなる不織布を
多孔質層(A)に接着した後、熱ロールによる加熱圧着
時に熱ロールに替えて実施するのが好ましい。
【0036】このようにして得られた皮革様シートは、
天然皮革カーフのような平滑性と、透明感のある高級な
外観を有し、かつ高い通気性、優れた柔軟性および充実
感を兼ね備えた皮革様シートに関するもので、靴等の用
途に好適に使用することができる。
【0037】
【実施例】次に本発明を具体的に実施例で説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の部及び%は断わりのない限り重量に関す
るものである。
【0038】製造例1 (基体層の製造)ナイロン−6を押し出し機により溶融
紡糸を行い、延伸、捲縮、カットして2デシテックス、
51mm長の短繊維を作製し、ウエーバーでクロスラッ
プを作りニードルパンチング機を用いて700パンチ/
cmのニードルパンチングを施して絡合不織布を得
た。この繊維質シートにポリ3−メチルペンタンアジペ
ート/ポリエチレングリコール共重合系ポリウレタン樹
脂の濃度17%ジメチルホルムアミド溶液(以下、ポリ
ウレタン溶液と略す)を含浸してDMF濃度20%水溶
液に温度40℃で湿式凝固させ、目付480g/m
厚み1.3mm、繊維とポリウレタン樹脂との比率が68
/32の基体Aを得た。
【0039】製造例2 (基体層の製造)ナイロン−6とポリエチレンをチップ
の状態で50:50の重量比で混合して押し出し機によ
り溶融紡糸を行いポリエチレンが海成分の海島型混合繊
維を紡糸し、延伸、捲縮、カットして4デシテックス、
51mm長の短繊維を作製し、ウエーバーでクロスラッ
プを作りニードルパンチング機を用いて700パンチ/
cmのニードルパンチングを施して繊維絡合不織布を
得た。この繊維質シートに製造例1で用いたポリウレタ
ン溶液を含浸し、同様に湿式凝固させた後、繊維の海成
分であるポリエチレンを80℃のトルエンで抽出し、目
付450g/m、厚み1.3mm、繊維とポリウレタ
ン樹脂との比率が63/37の基体Bを得た。得られた
基体のナイロン極細繊維の繊度は、0.006デシテッ
クスであった。
【0040】製造例3 (易染性ポリウレタン不織布の製造)次に、平均分子量
1150のポリ3ーメチルー1.5ーペンチルアジペー
トグリコールと、平均分子量2000のポリエチレング
リコールと4.4ージフェニルメタンジイソシアネート
および1.4ーブタンジオールを0.9:0.1:4:
3のモル比(イソシアネート基にもとづく理論窒素量
4.63%)で仕込みスクリユー式混練型重合機を用い
溶融重合法でポリウレタンを重合した。このポリウレタ
ンの軟化点は125℃であった。得られたポリウレタン
は溶融状態のままメルトブロー法で、温度260℃に加
熱したダイオリフィスの両側にあるスロットから温度2
60℃に加熱した高速空気流で繊維状溶融ポリウレタン
を微細繊維状に搬送し、5m/分で移動する金網上に捕
集距離40cmの位置で捕集した。捕集したウエブは微
細繊維のランダムウエブであり、平均目付25g/
2、のポリウレタン不織布を得た。この不織布の平衡
染着量は下記イルガラン レッド2GLに対して180
mg/gであったその染色条件は以下のとおりであっ
た。
【0041】染色条件 染料含金属錯塩染料 イルガラン レッド 2GL 染色助剤 レベランーNKD 2g/l 浴比 1:100 染色温度 90℃ 60分
【0042】実施例1 製造例1で得られた基体A上に、製造例1で用いたポリ
ウレタン溶液を、コンマコーターを用いてウェットで5
0g/m塗布した後、DMF濃度40%水溶液で湿式
凝固させた。得られた多孔質層を形成した基体は、バフ
ィングにて最表層を研削し、孔の一部を表面に出現させ
た。通気度1.8cc/cm/secであった。その
後、その表面にポリウレタン溶液をトルエン、イソプロ
ピルアルコールで、重量比がジメチルホルムアミド/ト
ルエン/イソプロピルアルコール=40/40/20と
なるように希釈した溶液を接着剤に用いて、140メッ
シュのグラビアロールで付着量20g/m点状塗布し
た直後に、製造例3で得られた不織布を貼合せた。更に
145℃に加熱したマット調のエンボスロールで、不織
布を圧着して多孔質層を形成した。多孔質層表面には、
平均直径150μmの微細孔を250個/cm有した
ものであった。得られた皮革様シートは、ウインス染色
機にて、茶色の含金属錯塩染料(レルカゾールBrow
n GL)をowfが2%となる条件下で、90℃、1
時間の染色を行った。その後、多孔質層面に下記の貧溶
媒系の茶色いポリウレタン溶液をスプレーにて、塗布量
が10g/mとなるように塗布し、乾燥した。
【0043】 ポリウレタン溶液組成 レザミンTC−6000(大日精化工業株式会社製) 100部 レザミンM−6094(大日精化工業株式会社製) 10部 レザミンM−6701(大日精化工業株式会社製) 1部 イソブチルアルコール 200部
【0044】そして、着色された皮革様シートを、もみ
機(ヤマサもみ企画社製)によってもみ処理を行った。得
られた皮革様シートは、透明感のある天然皮革調の高級
な外観および優れた柔軟性と充実感を有し、通気度は
1.5cc/cm/secであった。
【0045】実施例2 製造例2で得られた基体Bを用いた以外は、実施例1と
同様にして着色された皮革様シートを得た。着色された
皮革様シートは、透明感のある高級な外観を有し、特に
風合も良好で、通気度は1.6cc/cm/secで
あった。
【0046】実施例3 マット調の離型紙の上に、下記の割合で調整したポリウ
レタン溶液を150g/mの塗布量で塗布し、ウエッ
ト状態のまま製造例1で得られた基体を貼り合わせ、1
20℃に調整した熱風乾燥機中で、3分間乾燥させた。
塗布したポリウレタン溶液を、基体を貼り合わせずに乾
燥させた多孔質シートの見かけ体積は、同重量の非発泡
ポリウレタン体積の2.3倍であった。さらに、バフィ
ングにて最表層を研削し、孔の一部を表面に出現させ
た。得られた多孔質層を付与した基体シートの通気度は
1.7cc/cm/secであった。
【0047】 ポリウレタン溶液 製造例1のポリウレタン溶液 100部 発泡剤 アゾビスイソブチロニトリル 3部
【0048】その後は、実施例1と同様の方法で、不織
布の貼り合わせ、エンボス、染色、もみを行い、着色さ
れた皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは、透
明感のある高級な外観および優れた柔軟性と充実感を有
し、通気度は1.4cc/cm/secであった。
【0049】実施例4 製造例1で用いたポリウレタン溶液に、ホモジナイザー
を用いて強制的に攪拌して空気をかみこませたものを、
製造例1で得られた基体A上に、コンマコーターを用い
て50g/mの割合で塗布し、140℃の熱風乾燥機
で2分間乾燥した。強制的に攪拌したポリウレタン溶液
をそのまま140℃で2分間乾燥して得られた多孔質層
は、同重量の非発泡樹脂体積の2.8倍出会った。多孔
質層を付与した基体シートは、孔の一部を表面に有して
おり、通気度は1.9cc/cm /secであった。
その後は、実施例1と同様の方法で、不織布の貼り合わ
せ、エンボス、染色、もみを行い、着色された皮革様シ
ートを得た。得られた皮革様シートは、透明感のある高
級な外観および優れた柔軟性と充実感を有し、通気度は
1.5cc/cm/secであった。
【0050】比較例1 製造例1で得られた基体A上に、製造例1で用いたポリ
ウレタン溶液を50g/m塗布し、湿式凝固させたの
ち、最表層をバフィングにて研削し、孔の一部を表面に
出現させた。得られたシートは、表面に孔の一部を有し
ていた。その後145℃に加熱したマット調のエンボス
ロールで、型押しを行った後、染色、スプレーは、実施
例1と同様にして着色された皮革様シートを得た。着色
された皮革様シートは、染色による濃度が低く、それが
原因となりスプレーによる着色後はまだら感が目立ち、
良好な外観は得られなかった。また、通気度も0.1c
c/cm/sec未満であった。
【0051】比較例2 製造例1で得られた基体A上に、製造例3で得られた不
織布を、直接貼合せた以外は、実施例1と同様にして着
色された皮革様シートを得た。着色された皮革様シート
は、透明感のある色目ではあったが、基体の凹凸が表面
に現れて見え、銀面の平滑性が充分ではなかった。ま
た、通気度は1.8cc/cm/secであった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】繊維絡合不織布とポリウレタンからなる
基体層の少なくとも片面に、ポリウレタンからなる連通
孔を有する多孔質層であって、かつ孔の一部が層の表面
に存在している多孔質層(A)を有し、更にその上に、
易染性ポリウレタンからなる不織布から形成された多孔
質層(B)が存在していることを特徴とする皮革様シー
トを染色処理した後、スプレーで着色剤含有樹脂を塗布
し、必要によりもみ処理を行うことにより、天然皮革、
特にカーフのような平滑性と、透明感のある高級な外観
を有し、かつ高い通気性、優れた柔軟性を兼ね備えた、
靴等の用途に好適に使用することができる皮革様シート
が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維絡合不織布とポリウレタンからなる
    基体層の少なくとも片面に、ポリウレタンからなる多孔
    質層であって、かつ孔の一部が該多孔質層の表面から基
    体層にかけて連通孔として存在している多孔質層(A)
    を有し、更にその上に、易染性ポリウレタンからなる不
    織布から形成された多孔質層(B)が存在していること
    を特徴とする皮革様シート。
  2. 【請求項2】 多孔質層(A)が湿式凝固、乾式発泡、
    および機械発泡のいずれかにより形成されたものである
    請求項1に記載の皮革様シート。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の皮革様
    シートを製造するにあたり、多孔質層(A)と多孔質層
    (B)を接着する際に、多孔質層(A)を構成するポリ
    ウレタンを溶解する溶剤単独または該溶剤にポリウレタ
    ンを溶解させた溶液を用いて、点状接着することを特徴
    とする皮革様シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の皮革様
    シートを染色処理した後、スプレーで着色剤含有樹脂を
    塗布し、必要によりもみ処理を行うことを特徴とする皮
    革様シートの仕上方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231459A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Basu Corporation:Kk 着色加工用半製品、染料により着色加工した製品およびそれらの製造方法
JP2011069019A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Kuraray Co Ltd 銀付調皮革様シートの製造方法
EP2364834A1 (en) * 2010-02-16 2011-09-14 Chaei Hsin Enterprise Co., Ltd. Method for making dissolvable synthetic leather
US10136695B2 (en) 2013-02-26 2018-11-27 Nike, Inc. Footwear upper having selectively located padding

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